JP6263874B2 - 高Si浸炭用鋼の浸炭方法 - Google Patents

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本発明は、肌焼鋼のうち、炭素を侵入させにくい鋼材である高Si浸炭用鋼について、従来より効率良く高い表面炭素濃度を得ることができる浸炭方法に関する。
浸炭処理は、例えば、自動車等でエンジンにより得た回転トルクを車輪に伝達する部品である歯車やCVT部品等のように、表面に優れた耐摩耗性を必要とする部品に広く適用されている。そして、浸炭処理は、通常炭素含有率が0.30%以下の低炭素合金鋼を対象に実施されており、表面層の炭素含有率を高め、焼入により硬い表面層を得ることにより、表面は硬く耐摩耗性が優れる一方で、内部は靭性の高い鋼を容易に得ることができ、前記部品に幅広く適用されている。
ところで、浸炭処理後の表面層の炭素濃度は、同じ条件で処理した場合、対象となる鋼成分によって変化することが知られている。特にSi含有率が高い鋼は、Si含有率が低い鋼に比較して、表面層に炭素を侵入させにくく、狙いとする炭素濃度を安定して得ることが難しいとともに、硬化深さが浅くなるという問題がある。
その一方で、Si含有率の高い鋼は温度上昇時の軟化抵抗性に優れるという特徴がある。従って、高面圧で接触しつつ用いられる歯車やCVT部品のような、使用時に接触面の温度が上昇する可能性の高い浸炭部品に対してはSi含有率が高い肌焼鋼の適用が特に必要な場合も多く、高Si肌焼鋼に対し、より安定して狙いの表面炭素濃度、硬化深さを確保できる浸炭方法の開発が強く望まれている。
従来、高Si肌焼鋼のように、表面に炭素を侵入させにくい鋼について、表面炭素濃度を高めたり、硬化深さを深くするための浸炭方法としては、浸炭時間を長くしたり、浸炭処理温度を高くするという方法が行われている。また、特許文献1に記載の通り、浸炭時に用いる雰囲気ガス内のカーボンポテンシャルを他の浸炭しやすい鋼に比べて高めに設定するという方法も検討されている。
特開2012−207247号公報
しかしながら、従来浸炭しにくい鋼材に行われている方法のうち、浸炭時間を長くするという方法は、生産性が低下し、コストが上昇するという問題がある。また、処理温度を高くするということは、より多くのエネルギーを必要としてコスト増になるだけでなく、結晶粒が粗大化して強度低下の原因になるという問題がある。
また、特許文献1記載のようにカーボンポテンシャルを高めると部品表面に煤が発生しやすくなるだけでなく、表面にセメンタイト等の炭化物が生成する場合がある。セメンタイトなどの炭化物は非常に脆く割れやすいため、前記した高面圧が負荷される環境では亀裂が発生する可能性が高くなるという問題がある。
高Si肌焼鋼の浸炭性が悪い原因としては、浸炭時にSiやCrの酸化膜が表面に形成され、この酸化膜が炭素の侵入を阻害していると考えられる。このような酸化膜の形成を抑制するための方法としては、減圧浸炭が考えられるが、減圧浸炭設備は非常に高価であるため、減圧浸炭設備に頼ることなく高Si肌焼鋼の浸炭性を改善できる浸炭方法の開発が望まれている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、熱に対する軟化抵抗性が良いという大きな利点を有するにもかかわらず、浸炭処理後の硬化深さを安定して高めることが難しいSi含有率の高い肌焼鋼について、安定した硬化深さと高い表面炭素濃度を容易に確保できる新規な浸炭処理方法を提供可能にすることを目的とする。
本発明の一態様は、質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.50〜2.00%、Mn:0.30〜1.50%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、Cr:0.80〜3.00%、Mo:0.80%以下(0〜不純物範囲含む)、Al:0.020〜0.060%、N:0.0080〜0.0250%を含有すると共に残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、最終部品形状への加工を行った後、浸炭処理前において、酸素分圧が15000Pa以上の酸素含有雰囲気中で加熱し、表面に1.5μm以上の厚みのFe酸化膜を形成させた後、RXガスからなる雰囲気中でガス浸炭処理することを特徴とする高Si浸炭用鋼の浸炭方法である(請求項1)。
本発明者等は、高Si肌焼鋼が、Si含有率が低い他の肌焼鋼と比較して浸炭後の表面炭素濃度が安定せず、目的の値とならない場合が多い原因について詳細に検討を行った。その結果、ガス浸炭は雰囲気ガスとしてRXガスが使われるが、SiやCrはFeに比べ酸化しやすいため、雰囲気ガス中に含まれる少量の酸素がFeよりも優先的にSiやCrと結びつき、酸化膜を形成する。そして、この酸化膜が浸炭処理中における炭素の侵入を阻害し、安定した表面炭素濃度が得られないことがわかった。
さらに検討したところ、大気中等の酸素分圧がある程度高い雰囲気中で加熱した場合には、酸素分圧が高く雰囲気中に大量に酸素が存在し、加熱時に酸化物が形成される際において、合金中に数%しか存在しないSi、Crに対し雰囲気ガス中の酸素の方が圧倒的に過剰となるため、この過剰の酸素が合金中の大部分を占めるFeと結合してFe酸化物からなる酸化膜を形成すること、前処理でFe酸化膜をあらかじめ形成させた状態であれば、新たにRXガスからなる雰囲気ガス中で浸炭処理しても、狙いの表面炭素濃度と硬化深さを確保できることを見出した。本発明は、上記知見により成されたものである。
なお、本発明の範囲内であっても、Fe酸化膜は厚いほど表面炭素濃度向上効果は高くなるが、厚いFe酸化膜を形成させようとすると、事前の加熱処理時間が長くなるとともに、厚くなりすぎても効果が飽和するため、浸炭処理を含めたトータルの必要なエネルギーコストがかえって増加する可能性が生じる。従って、Fe酸化膜の厚みは、トータルのエネルギーコストを考慮して、最適な加熱処理条件を定めた結果として、最適値を決めることが好ましい。
本発明では、大気中等、RXガスに比較して酸素分圧の高い雰囲気中で浸炭処理前に加熱して、あらかじめ表面に1.5μm以上のFe酸化膜を形成させておき、その後にガス浸炭処理を行う。表面にFe酸化膜が形成された状態とした後にガス浸炭処理することにより、高Si肌焼鋼のように、浸炭性の悪い鋼材を浸炭処理する場合でも、浸炭処理後に安定して狙いとする表面炭素濃度と硬化深さを確保することができる。
また、上記製造方法を適用することにより、安定して強度の優れた浸炭部品を容易に製造することができる。
本発明において、Fe酸化膜形成処理時の加熱温度としては、550〜650℃の範囲で行うことが好ましい(請求項2)。
550℃未満の加熱温度では、十分なFe酸化膜が形成しないため、本発明による効果を得ることができない。また、650℃を超える温度で加熱すると、Fe酸化膜を形成させることはできるが、表面に強固な膜となって形成されず、スケールとなって剥がれおちる可能性が高くなり、前記と同様に本発明の効果を十分に得られなくなるおそれがあるためである。なお、加熱時間は、酸化膜の厚みが1.5μm以上となるように適切に調整すれば良い。生産性を考えると、温度が高い方が酸化膜は速く形成されるため、脆く剥げやすいスケールが形成されない範囲で高めの温度とするのが好ましい。
また、本発明において、ガス浸炭処理前に行う加熱処理時においては、酸素分圧がある程度高く、対象となる鋼の表面近傍に存在するSi、Cr量に比較して、雰囲気中に大量の酸素が存在している雰囲気中で加熱することが必要である。酸素分圧が低い雰囲気中で加熱すると、SiやCrの酸化膜が形成される可能性が生じるからである。この点、大気中には21%の酸素を含有しており、本発明のFe酸化膜形成時の雰囲気として適しているため、本発明におけるFe酸化膜形成時においては、大気中で加熱するようにすることが好ましい(請求項3)。また、大気中以外の雰囲気中で加熱する場合でも、酸素分圧を15000Pa以上とするのが良い。このように酸素分圧が一定以上の雰囲気中で加熱することにより表面に確実にFe酸化膜を形成させることができ、本発明の効果を得ることができる。
次に、本発明で対象とする鋼の化学成分組成の限定理由を説明する。
本発明は、浸炭方法に特徴を有する発明であるが、本発明の浸炭方法を適用可能な鋼種の範囲を明確にするため、以下に成分範囲及び限定理由について説明する。
C:0.10%〜0.30%、
Cは、製造する浸炭部品の内部硬さを確保し、浸炭処理後において必要な部品強度を確保するために不可欠な元素であり、0.10%以上含有させる必要がある。一方、Cは、過剰に添加すると被削性、冷鍛性が低下する。浸炭部品は目的の製品形状を得るのに冷鍛や機械加工を行うことが多く、これらの特性が低下すると目的とする部品形状への加工が難しくなるため、C含有率の上限は0.30%とする。
Si:0.50%〜2.00%、
Siは、焼もどし軟化抵抗の向上により、部品として使用中の温度上昇による硬度低下を抑え、硬度低下によるピッチング強度や耐摩耗性低下を抑える効果のある元素である。従って、前記効果を十分に得る必要がある場合には、少なくとも0.50%以上の含有が必要である。また、0.50%未満の含有であれば、浸炭性の低下は大きな問題とならず、本発明で提案したような前処理を行うことなく浸炭処理することもできる。一方、Siを過剰に添加すると被削性、冷鍛性等の加工性が低下し、目的とする部品形状への加工が難しくなるため、上限は2.00%とする。
Mn:0.30%〜1.50%、
Mnは、Cと同様に製造する浸炭部品の内部硬さを確保するとともに必要とする焼入性を確保し、浸炭処理後において必要な部品強度を確保するために不可欠な元素であり、0.30%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mnを過剰に添加すると被削性が低下するとともに、残留オーステナイトが増加して、内部硬さが低下するおそれがあるため、上限は1.50%とする。
P、S:0.035%以下、
P、Sは、製造上含有が避けられない不純物元素であるが、その含有率が高くなるとPは粒界に偏析し靭性が低下するおそれがあり、Sは硫化物系介在物が増加し、疲労破壊の起点となって疲労強度低下の原因となるおそれがある。従って、P、Sともに多くても0.035%以下とする必要がある。
Cr:0.80〜3.00%、
Crは、肌焼鋼の性能を確保する重要元素であり、内部硬さの確保、トルースタイトの抑制、ピッチング強度、耐摩耗性確保に効果のある元素であるため、0.80%以上の含有が必要である。しかしながら、添加しすぎても冷間加工性が低下するので、上限を3.00%とした。
Al:0.020〜0.060%、
Alは、Nと結合してAlNとなりピン止め効果により浸炭処理に伴う加熱によって生じる可能性のある結晶粒粗大化を防止する効果のある元素であり、その効果を得るために0.020%以上の含有が必要である。しかしながら、過剰に含有すると前記効果が飽和するとともに、Al含有酸化物系介在物が増加し、それが起点となり疲労特性が低下するので、上限を0.060%とした。
N:0.0080〜0.0200%、
Nは、製造上含有が避けられない不純物として含有する元素であるが、本発明では、前記した通りAlと結合してAlNとなり、ピン止め効果により浸炭処理後の結晶粒粗大化防止に効果のある元素として働く重要元素である。従って、前記効果を得るために、少なくとも0.0080%以上含有するように調整する必要がある。しかしながら、過剰に含有しても上記効果が飽和するだけでなく、窒化物系介在物が増加し、それが起点となり疲労特性が低下するおそれが高まるため、上限を0.0200%とした。
Mo:0.80%以下(0〜不純物範囲含む)、
Moは、強度、靱性を向上させるのに有効な元素ではあるが、高価であるため、必要に応じ任意に添加できる元素として、上限を0.80%に抑える。
次に本発明の製造方法の成分以外の構成について説明する。
本発明では、上記した成分からなる鋼材を熱間圧延し適当な断面寸法からなる鋼材を得た後、熱間鍛造、冷間鍛造、機械加工等を適宜組合せ、目的とする最終製品形状を得る。ここで、通常であれば、そのまま浸炭処理を行うが、本発明では、浸炭処理前にあらかじめ、酸素含有雰囲気中で加熱し、表面に1.5μm以上のFe酸化膜を形成させる。
この加熱処理の際、前記した通り雰囲気中に鋼中に存在するSiやCr等の酸化されやすい元素に比べて、圧倒的に過剰となる酸素を含有する雰囲気中で加熱することが必要である。この処理により、部品表面にFeよりも酸化されやすいSiやCrの酸化膜ではなく、Fe酸化膜を形成させることができる。
この加熱処理の際の酸素含有雰囲気としては、酸素分圧が15000Pa以上であることが望ましく、最も容易に準備できる雰囲気である大気中は、この酸素含有雰囲気として適しているので、最も好ましい。
ここで、Fe酸化膜は、1.5μm以上の厚さで形成させることが必要である。浸炭処理中に、Fe酸化膜がどのように変化していくかについては、明確になっていないが、実験により確認したところ、Fe酸化膜が1.5μm以上確保された浸炭部品を浸炭処理した場合は、Si含有率の高い鋼材を用いた場合でも、狙いの表面炭素濃度を得られることを確認したものである。
なお、浸炭処理中のFe酸化膜の変化は明確になっていないものの、浸炭処理中は、酸素分圧の低い雰囲気で処理されることになることから、Fe酸化膜中の酸化鉄は還元されていくと考えられ、Fe酸化膜が薄いと浸炭処理の早期段階でFe酸化膜が消失し、RXガス等の浸炭処理用雰囲気ガス中に少量存在する酸素がFeよりも酸化されやすい元素であるSiやCrと結合し、課題の箇所に記載した通り、Cの侵入を阻害する可能性が生じると考えられる。そして、Fe酸化膜を1.5μm以上とした状態で浸炭処理を開始することにより、前記原因による浸炭反応の阻害原因を適切に排除することができる。
以上説明した本発明である高Si浸炭用鋼の浸炭方法により得られる効果について、以下に実施例を示すことにより明らかにする。
まず、表1に実施例として用いた供試材の化学成分を示す。表1に示す鋼材のうち、鋼No.1〜10の鋼材が、本発明の浸炭方法で対象となる鋼材であり、Si含有率は0.50〜1.80%と高いのに対し、鋼No.11、12は、浸炭用鋼として最も多く用いられている従来鋼であるSCM420、SCr420で、Si含有率はそれぞれ0.25%、0.24%と前記鋼材に比較して著しく低くなっている。
Figure 0006263874
そして、表1の成分からなる鋼材を電気炉で溶解後、熱間圧延により製造した棒鋼から直径30mm、長さ40mmの試験片を機械加工により準備した。機械加工により試験片を準備しているので、この時点では表面に酸化膜は存在しない。次に、前記試験片について本発明の特徴となる加熱処理を大気中で温度600℃、加熱時間45分の条件で行った。そして、加熱処理後、表面にFeの酸化膜が形成されていることをEPMAにより確認するとともに、オージェ電子分光分析とSEMを併用して、表面に形成されているFe酸化膜の厚さを確認したところ、1.6〜2.0μmの範囲となっていた。
前記のように加熱処理により表面にFe酸化膜を形成させた試験片について、その後950℃、処理時間320分の条件でガス浸炭処理を施し(狙いとする表面炭素濃度0.65%)、表面炭素濃度をEPMAにより測定した。なお、比較として浸炭処理前の加熱処理を行わずに、同一条件で浸炭処理する実験も同時に行い、加熱処理による効果の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006263874
表2から明らかなように、従来の肌焼鋼である鋼No.11、12は、事前の加熱処理を行わなくても、0.80%程度の高い表面炭素濃度が得られたのに対し、Si含有率の高い供試材である鋼No.1〜10の供試材について、加熱処理なしに浸炭処理した鋼材は、全ての供試材について、表面炭素濃度は0.65%未満、低いものは0.60%未満となっており、Si含有率が高いことにより大幅に浸炭性が低下することが確認できた。これに対し、さらに事前に加熱処理し、表面に1.5μm以上の厚みのFe酸化膜を形成させた後に浸炭処理した供試材は、全ての供試材について、狙いとする表面炭素濃度0.65%以上を確保できており、一部の供試材は、0.70%程度と大きく改善された表面炭素濃度を得ることができた。
次に加熱処理条件を変更し、実験した場合の別の実施例を示す。
表3は、Si含有率が1.00%である鋼No.3を用い、加熱処理条件を変化させて、前記と同様の実験を行った場合のFe酸化膜の厚さと表面炭素濃度の測定結果を示したものである。
Figure 0006263874
表3の結果より明らかなように、表面炭素濃度の向上効果は、Fe酸化膜の厚みと大きな関係があり、Fe酸化膜が薄い場合には、表面炭素濃度を高める十分な効果を得ることができない。そして、概ね1.5μm以上の厚みのFe酸化膜を形成しておくことにより、狙いとする表面炭素濃度を得ることが可能となることがわかる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.50〜2.00%、Mn:0.30〜1.50%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、Cr:0.80〜3.00%、Mo:0.80%以下(0〜不純物範囲含む)、Al:0.020〜0.060%、N:0.0080〜0.0250%を含有すると共に残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、最終部品形状への加工を行った後、浸炭処理前において、酸素分圧が15000Pa以上の酸素含有雰囲気中で加熱し、表面に1.5μm以上の厚みのFe酸化膜を形成させた後、RXガスからなる雰囲気中でガス浸炭処理することを特徴とする高Si浸炭用鋼の浸炭方法。
  2. Fe酸化膜形成処理時の加熱温度を550〜650℃とすることを特徴とする請求項1記載の高Si浸炭用鋼の浸炭方法。
  3. Fe酸化膜形成のための加熱時の酸素含有雰囲気が大気であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高Si浸炭用鋼の浸炭方法。
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