JP6261387B2 - 脱ガス装置 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、脱ガス装置に関する。
従来、アルミニウム合金などの鋳造を行う場合、その前に金属溶湯中の水素ガスや酸化物などの介在物を除去するために脱ガス処理を行う。これは、脱ガス室の槽内に、たとえばアルミニウム合金などの金属溶湯を貯留し、その金属溶湯を攪拌体を回転させて攪拌しながらアルゴンガスなどを吹き込み、金属溶湯中の水素ガスや不純物などを取り除くものである。こうして、脱ガスされた溶湯が出湯部から槽外に流し出されて鋳型に出湯するものがある。
かかる脱ガス処理を行う脱ガス装置として、たとえば、槽内に脱ガス処理の性能を向上させるための円筒状あるいは半円筒状のバッフル部材を備えたものがある。(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010−236784号公報
しかしながら、円筒状のバッフル部材は、槽本体の内部に固定することが難しい。また、脱ガス装置では、湯面に浮上した不純物などが再び金属溶湯内に混ざらないように、金属溶湯の湯面の波立ちや渦による巻き込みを確実に防止することが望まれるが、未だ十分とはいえない。
実施形態の一態様は、簡単な構成で、金属溶湯の湯面の波立ちや渦による巻き込みを確実に防止して、溶湯中の水素ガスや介在物などの除去を十分に行なうことができる脱ガス装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る脱ガス装置は、金属溶湯を貯留する脱ガス室と、貯留された前記金属溶湯を攪拌する攪拌体とを備える。前記脱ガス室は、入湯部と出湯部とを有する略直方体形状の槽本体と、当該槽本体の側壁面に、それぞれ1つずつ突設されたバッフルプレートを備える。そして、4つのバッフルプレートのうち、少なくとも1つの突出長さが他と異なる。
実施形態の一態様によれば、簡単な構成でありながら、金属溶湯の湯面の波立ちや渦による巻き込みを確実に防止して、溶湯中の水素ガスや介在物などの除去を十分に行なうことができる。
図1は、第1の実施形態に係る脱ガス装置の一例を示す模式的な平面図である。 図2は、同上の脱ガス装置における脱ガス室を示す一部透視した模式的な側面図である。 図3は、バッフルプレートの配置を示す模式的な平面図である。 図4は、第2の実施形態に係る脱ガス装置の一例を示す模式的な平面図である。 図5は、同上の脱ガス装置が備える堰体の具体的構成を示す説明図である。 図6は、同上の堰体を示す正面図である。 図7は、同上のバッフルプレートや堰体の変形例を示す模式的な平面図である。 図8は、同上のバッフルプレートや堰体の変形例を示す模式的な平面図である。 図9は、同上のバッフルプレートや堰体の変形例を示す模式的な平面図である。 図10は、同上のバッフルプレートや堰体の変形例を示す模式的な平面図である。 図11は、同上のバッフルプレートや堰体の変形例を示す模式的な平面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する脱ガス装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る脱ガス装置について図1〜図3を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る脱ガス装置の一例を示す模式的な平面図、図2は、同脱ガス装置における脱ガス室1を示す一部透視した模式的な側面図、図3は、バッフルプレートの配置を示す模式的な平面図である。なお、以下の説明では、脱ガス装置の設置面(水平面)に互いに直交するX軸およびY軸を定義し、設置面の法線方向にZ軸を定義して説明する。
図1に示すように、本実施形態の脱ガス装置は、基本的に同一構成である第1の槽本体10と第2の槽本体20とを連通口4で連通した2槽型の脱ガス室1により構成される。以下では、第1の槽本体10と第2の槽本体20とを総称して、単に槽本体10,20と記す場合がある。
槽本体10,20は、上面開放の略直方体形状に形成されており、いずれも平面視略正方形の底壁100と、この底壁100上に立設される第1側壁110、第2側壁120、第3側壁130および第4側壁140とを有する。以下では、第1側壁110、第2側壁120、第3側壁130および第4側壁140を総称して、単に側壁110,120,130,140と記す場合がある。
そして、図1に示すように、第1の槽本体10における第1側壁110のプラスX方向寄りに入湯部2が設けられる一方、第2の槽本体20における第1側壁110のマイナスX方向寄りに出湯部3が設けられる。すなわち、入湯部2と出湯部3とは、脱ガス室1の同じ側面に、可及的に離隔して配置される。
なお、金属溶湯5を第1の槽本体10内に入湯する入湯部2は、第1の槽本体10の第1側壁110から外方に突出して形成された入湯路22を有する。一方、金属溶湯5を第2の槽本体20から外部へ出湯する出湯部3は、入湯部2と基本的には同じ構造であり、第2の槽本体20の第1側壁110から外方に突出して形成された出湯路33を有する。なお、本実施形態では、金属溶湯5を出湯部3から鋳型に出湯する。
図1においては省略したが、槽本体10,20は、図2に示すように、いずれも蓋体11を備える。すなわち、槽本体10,20は、上面開放部が蓋体11により覆われる。蓋体11は、アルミナ系の断熱材115を鉄などからなる外皮材116で被覆して構成される。なお、図2においては第1の槽本体10のみ示しているが、第2の槽本体20も蓋体11を備える。
脱ガス室1は、槽本体10,20内に、それぞれ攪拌体6が配置される。攪拌体6は、たとえば羽状の凸部が形成された円盤体であり、ガス供給装置(不図示)に基端が連通連結された中空軸61の先端に回転自在に取付けられる。また、中空軸61の基端は、蓋体11の略中央に配設された回転駆動装置7に連結される。
すなわち、攪拌体6は、円盤体の略中心が中空軸61に取付けられ、この中空軸61が回転軸として回転し、アルミニウム合金などの金属溶湯5を攪拌する。そして、中空軸61の内部を、アルゴンガスを主体とする吹き込みガスが通り、先端から吹き込みガスが金属溶湯5の中に放出される。放出された吹き込みガスは、攪拌体6の回転により、細かな細泡となって分散する。そして、気泡として上昇しながら、金属溶湯5中の水素ガスや不純物などを取り込みながらリフト効果によって取り除く。
なお、本実施形態に係る吹き込みガスは、アルゴンガスと塩素ガスとを、95〜99:5〜1の割合で混合した混合ガスを用いる。塩素ガスを用いることにより、気泡による物理的なリフト効果に加え、化学的に反応して金属溶湯5中に水素ガスを効果的に取り除くことができる。なお、塩素ガスを混合することなく、アルゴンガスが100%の吹き込みガスを用いる場合もある。
かかる構成の脱ガス室1は、入湯部2から入湯された金属溶湯5を、先ず、第1の槽本体10内に貯留し、攪拌体6で回転して攪拌するとともに、金属溶湯5の中に攪拌体6から吹き込みガスを送り込んで一次の脱ガス処理を行う。次いで当該第1の槽本体10の第4の側壁140と第2の槽本体20の第2の側壁120とにかけて形成された略矩形状の連通口4から第2の槽本体20へと流し出す。
そして、第2の槽本体20内においても金属溶湯5を貯留しつつ、これをやはり攪拌体6で攪拌しながら、吹き込みガスを送り込んで二次の脱ガス処理を行う。
本実施形態では、脱ガス室1を構成する槽本体10,20を、それぞれ略直方体状に形成しているため、金属溶湯5の滞留時間を略均等にすることができる。また、ガス放出口となる中空軸61の先端を、平面視略正方形の槽本体10,20の略中央に位置させたため、吹き込みガスを槽内全体に均等に分散させることができる。
ところで、矩形形状とした連通口4の上限位置は、槽本体10,20の底面100から攪拌体6の下面までの間に位置していることが好ましい。また、連通口4の下限位置は、底面100と略同じ高さ、あるいは底面100から5〜10mm程度の高さとすることが好ましい。底面100と略同じ高さにすると、脱ガス室1内の清掃がしやすくなり、底面100から5〜10mm程度の高さにすると、沈んだ介在物が金属溶湯5中に混入しにくくなるからである。なお、連通口4の幅寸法は、金属溶湯5の入湯量や処理量に応じて適宜決定することができる。
上述した構成において、本実施形態に係る脱ガス室1は、槽本体10,20の各側壁110,120,130,140の面にそれぞれ突設されたバッフルプレートを備える。
本実施形態に係るバッフルプレートは、突出長さD1の第1のバッフルプレート41と、突出長さD2の第2のバッフルプレート42とからなる。そして、突出長さの関係を、D1<D2としている。たとえば、槽本体10,20の一辺が略800〜900mmの寸法であれば、D1を60〜80mm、D2を100〜150mmとすることができる。また、厚み寸法としては、30〜60mmとすることができる。なお、以下では、第1のバッフルプレート41と第2のバッフルプレート42とを区別することなく総称する場合、符号をつけずに単にバッフルプレートと呼ぶ場合がある。
図1および図3に示すように、本実施形態に係る脱ガス室1では、バッフルプレートを、槽本体10,20の中心に位置する攪拌体6へ向けて、各側壁110,120,130,140の略中央に突設している。なお、図3においては、第1の槽本体10のみ示しているが、バッフルプレートの配置は、第2の槽本体20も第1の槽本体10と同じである。
このように、本実施形態に係る脱ガス室1では、第1の突出長さD1の第1のバッフルプレート41,41同士と、第2の突出長さD2の第2のバッフルプレート42,42同士とが、それぞれ対向配置されて組を構成している。
かかる構成としたことにより、攪拌体6で金属溶湯5を攪拌しても、図2に示すように、金属溶湯5の湯面を実線51で示すように、略水平面に維持することができる。
仮にバッフルプレートがない場合、金属溶湯5の湯面は、図2に示す想像線55で示されるように、渦の中心方向に引き込まれて凹状になってしまう。このように、金属溶湯5の湯面が凹状になってしまうと、折角リフト効果により湯面近傍にまで上昇させた不純物や水素ガスなどが再び金属溶湯5の中に混入されるおそれがある。そのため、湯面は可及的に水平に維持させることが望ましい。
また、仮にバッフルプレートの第1の突出長さD1と第2の突出長さD2とを同じにすると、小さな直方体が擬似的にできるため、結局、湯面を凹状に引き込むような渦が発生する。そのため、あえてバランスを崩すことが必要なのである。
本実施形態に係る脱ガス装置は、第1の突出長さD1を有する一組の第1のバッフルプレート41,41同士と、第2の突出長さD2を有する一組の第2のバッフルプレート42,42同士とを、それぞれ対向配置することにより湯面を水平に維持している。
すなわち、攪拌体6により回流される金属溶湯5を、第1、第2のバッフルプレート41,42と衝突させて乱流を発生させることにより、攪拌体6による単一の大きな渦流が発生することを抑制している。
しかし、一方では、金属溶湯5は、吹き込みガスの微細な気泡と十分に攪拌されることも望まれる。そこで、攪拌体6の回転の影響力が高いと考えられる攪拌体6の下方については、十分に大きな渦流を発生させるようにした。
そのためには、第1、第2のバッフルプレート41,42の下端を、攪拌体6の下端よりも上側に位置させ、金属溶湯5の湯面は、第1、第2のバッフルプレート41,42の上端よりも上方に保持させることが望ましい。
こうして、攪拌体6の高さ位置から、その上方所定高さの位置までは、バッフルプレートによって、単一の大きな渦流の発生を抑制する。すなわち、回流する金属溶湯5とバッフルプレートとを衝突させて乱流を発生させ、単一の大きな渦の形成を抑制する。
さらに、バッフルプレートの上端の位置が、湯面よりも下方になるようにしたため、バッフルプレートと湯面との境界で乱流による小渦が発生することを予防できる。
また、図2に示すように、本実施形態に係る脱ガス室1は、槽本体10,20に貯留された金属溶湯5の湯面と蓋体11の内面との間には、気密空間160が形成される。また、蓋体11は、所定以上の圧力で開成して気密空間160と外気とを連通させる弁体12を備える。
図2に示すように、第1側壁110の上部位置に設けられた入湯部2は、その内部の入湯路22が下方へ向かって伸延し、外方へ突設された部分よりも僅かに下方位置に第1の槽本体10の第1側壁110に開口している。なお、この開口部23は、第1側壁110の内側面と面一になっている。
図示するように、金属溶湯5は、少なくとも湯面が開口部23を下回ることがない程度に入湯路22まで満ちている。その結果、第1の槽本体10の気密空間160は、入湯部2が介在しても外気と遮断される。これがエアロック構造であり、第1の槽本体10に充填された金属溶湯5は、空気と接することを防止される。
なお、「エアロック」の構造については、図2に示す第1の槽本体10のみを用いて説明し、第2の槽本体20については説明を省略した。しかし、第2の槽本体20においても、入湯部2が出湯部3に変わるだけで、基本的には同じエアロックの構成を有する。
ところで、図1に示すように、槽本体10,20の各第3側壁130の上部中央には、清掃口150が形成されている。すなわち、清掃口150の内側が槽本体10,20の内部と連なるように適宜深さに凹ませ、凹ませた凹部に浮遊した介在物などを集め、除去することができる。
ところで、上述してきた実施形態では、第1の突出長さD1の第1のバッフルプレート41,41同士と、第2の突出長さD2の第2のバッフルプレート42,42同士とが、それぞれ対向配置された構成とした。
しかし、バッフルプレートの構成や配置は、上述の形態に限定されるものではない。すなわち、バッフルプレートが槽本体10,20の各側壁110,120,130,140の面にそれぞれ1つずつ設けられており、4つのバッフルプレートのうち、少なくとも1つの突出長さが他と異なる脱ガス室1であればよい。
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、二槽型の脱ガス装置について説明したが、脱ガス装置は、一槽型でも構わない。図4は、第2の実施形態に係る脱ガス装置の一例を示した模式的な平面図である。図5は、脱ガス装置が備える堰体8の具体的構成を示す説明図、図6は、同上の堰体8を示す正面図である。なお、以下の説明においては、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態に係る脱ガス装置は、単一の槽本体30を備える単槽型の脱ガス室1により構成される。槽本体30は、先の実施形態における槽本体10,20と同様に、面視略正方形の底壁300と底壁300上に立設される第1側壁310、第2側壁320、第3側壁330および第4側壁340とを有する上面開放の略直方体形状に形成される。なお、以下では、第1側壁310、第2側壁320、第3側壁330および第4側壁340を総称して、単に側壁310,320,330,340と記す場合がある。
脱ガス装置は、図4に示すように、槽本体30における第1側壁310のマイナスY方向寄りで上側位置に入湯部2が設けられる。一方、第3側壁330のプラスY方向寄りで、かつ下側位置に出湯部3が設けられる(図5および図6を参照)。すなわち、入湯部2と出湯部3とは、槽本体30において、対角線上に位置するように設けられ、可及的に離隔して配置される。そのため、金属溶湯5の攪拌時間を長くすることができ、脱ガスを十分に行うことができる。
また、本実施形態に係る槽本体30は、各側壁310,320,330,340の面にそれぞれ突設されたバッフルプレートは、突出長さがそれぞれ異なる。すなわち、本実施形態に係るバッフルプレートは、互いに突出長さの異なる第3〜第6のバッフルプレート43〜46からなる。
すなわち、バッフルプレートは、突出長さD11の第3のバッフルプレート43と、突出長さD12の第4のバッフルプレート44と、突出長さD13の第5のバッフルプレート45と、突出長さD14の第6のバッフルプレート46とからなる。ここでは、突出長さの関係を、D11>D12>D13>D14としているが、勿論、これに限定されるものではない。
また、本実施形態に係る脱ガス装置は、出湯部3における、槽本体30内を回流する金属溶湯5の上流側に、当該金属溶湯5の流れを受ける堰体8を備える。すなわち、出湯部3が設けられた第3側壁330に、出湯部3の開口31の側方から内側方に突出させた上面視略三角形状の堰体8が設けられる。しかも、堰体8の上側端面81は、槽本体30の底面300に対して傾斜する傾斜面としている。
堰体8は、金属溶湯5が十分に回流することなく、出湯部3から即時に流出することを防止するためのものである。そのため、図5および図6に示すように、回流する金属溶湯5の上流側を閉塞し、下流側を開放するように設けられる。すなわち、図4および図5に示すように、攪拌体6が、矢印Aの方向に回転している場合、攪拌体6の中空軸61と第3側壁330との間の金属溶湯5の流れは、図4の矢印Bで示すように、第2側壁320から第4側壁340へ向かう。そのため、堰体8は、第4側壁340側が開放するように設けられる。
このとき、図5および図6に示すように、堰体8の上側端面81は、金属溶湯5の下流側に向かって下り勾配、すなわち、出湯部3の開口31に向けて下り勾配とする。すなわち、堰体8は、回流する金属溶湯5を出湯部3側に案内することも可能となり、金属溶湯5の回流を完全に妨げる障害物とはならない。こうして、堰体8を設けることにより、金属溶湯5を回流させながら、ある程度の時間をかけて出湯部3から流出させることができる。
なお、本実施形態に係る堰体8の高さ方向の寸法は、たとえば、壁側の寸法を出湯部3の開口31の高さ方向の寸法よりも10〜20mmほど大きくし、先端部分の高さ寸法を出湯部3の開口31の高さと略等しくしている。
また、堰体8の金属溶湯の流れを受ける面は傾斜面となるが、その傾斜角度は、好ましくは、第3側壁330に対して20°〜70°とし、より好ましくは、第3側壁330に対して25°〜65°とする。なお、特に好ましくは、第3側壁330に対して30°〜60°とするもので、ここでは、45°とした。
なお、図4〜図6では省略したが、単槽型の脱ガス装置であっても、槽本体30は蓋体11で覆われて用いられる。
ここで、図7〜図11を参照しながら、バッフルプレートおよび堰体の変形例について説明する。図7〜図11は、バッフルプレートおよび堰体の変形例を示す模式的な平面図である。
図1〜図6に示したバッフルプレートは、側壁面に対して直角に突出しているが、図7に示すように、バッフルプレートは、側壁面に対して所定の傾斜角を有する構成とすることもできる。すなわち、第1変形例に係るバッフルプレート47は、各側壁310,320,330,340の各壁面に対して所定の傾斜角度で突設される。傾斜角は、たとえば、攪拌体6の回転方向(矢印A)に対して鋭角で、45度〜75度の範囲とすることができる。ここでは、傾斜角を略65度としている。
かかる構成であっても、回流する金属溶湯5を、4つの第1変形例に係るバッフルプレート47にそれぞれ衝突させて乱流を発生させることにより、攪拌体6による単一の大きな渦流が発生することを抑制し、湯面を水平に維持することができる。
また、図7に示す第1変形例に係る堰体800は、図4〜図6に示した堰体8が上面視略三角形状であったのに対し、矩形板状に形成され、第3側壁330に対して斜めに配置されている。この場合も、堰体800の上側端面は、槽本体30の底面300に対して傾斜する傾斜面であることには変りはない。かかる構成であっても、金属溶湯5を回流させながら、ある程度の時間をかけて出湯部3から流出させることができる。
なお、第1変形例に係る堰体800の高さは、特に限定するものではないが、出湯部3の開口31の高さよりも高くする。具体的には、堰体800は、開口31の上縁よりも10〜20mm程度高くなるように設置するのが好ましい。
仮に堰体800を出湯部3の開口31の高さより低く設置すると、気泡の流出が多くなるため、脱ガス値の低下の要因となってしまう。
図8に示す第2変形例に係るバッフルプレート48は、図7に示した例とは逆向きに傾斜している。すなわち、第2変形例に係るバッフルプレート48は、各側壁310,320,330,340の各壁面に対して105度〜135度の傾斜角度で突設される。この場合の傾斜角は、攪拌体6の回転方向(矢印A)に対して鈍角である。
かかる構成であっても、回流する金属溶湯5を、4つの第2変形例に係るバッフルプレート48にそれぞれ衝突させて乱流を発生させることにより、攪拌体6による単一の大きな渦流が発生することを抑制し、湯面を水平に維持することができる。
また、図8に示す第2変形例に係る堰体810は、矩形形状であって、第3側壁330に対して斜めに配置されているのは第1変形例に係る堰体800と同じであるが、回流する金属溶湯5を受ける面を湾曲させている。ここでは、出湯部3の開口31側の面を凹状とし、攪拌体6の側を凸状としているが、逆に湾曲させてもよい。この場合も、堰体810の上側端面は、槽本体30の底面300に対して傾斜する傾斜面である。かかる構成であっても、金属溶湯5を回流させながら、ある程度の時間をかけて出湯部3から流出させることができる。
ところで、図4〜図8に示した例では、バッフルプレートは、それぞれ、各側壁310,320,330,340の略中央に設けられていた。しかし、図9に示す第3変形例に係る4つのバッフルプレート49は、それぞれ、各側壁310,320,330,340に対する取付位置を異ならせている。
また、図9に示す第3変形例に係る堰体820は、上面視略L字形状に形成されている。第3変形例に係る堰体820は、出湯部3の開口31を囲むようにして、槽本体30の底面300から上方に突出するように形成される。かかる第3変形例に係る堰体820も、金属溶湯5が回流せずに出湯部3に流れ込むことを防止するためのものである。
すなわち、堰体820は、回流する金属溶湯5の流れの上手側を第1立壁821で閉塞し、第1立壁821から直角に第4側壁340側に延在する第2立壁822の先端側を開放するように設けられる。
この場合、第2立壁822の上側端面823が槽本体30の底面300に対して傾斜する傾斜面であり、図10に示すように、傾斜面をなす上側端面823は、金属溶湯5の下流側に向かって下り勾配を有する。
堰体820は、その高さが開口31の高さよりも高くなるように設置する。具体的には、第1立壁821を、開口31の上縁よりも10〜50mm程度高くし、傾斜面となる上側端面823の先端を、開口31の上縁と略一致させている。かかる構成としても、滞留時間の短い金属溶湯5が出湯部3より、流出することを防止することができる。
また、図11に示すように、堰体820の傾斜面は、金属溶湯5の下流側に向かって上り勾配を有する構成とすることもできる。すなわち、堰体820の第2立壁822は、金属溶湯5の下流側に向かって上り勾配を有する上側端面824を有する構成とするものである。
この場合、堰体820の高さは、第1立壁821を、開口31の上縁と略一致させるとともに、傾斜面となる上側端面824の先端を、開口31の上縁よりも10〜50mm程度高くする。かかる構成としても、滞留時間の短い金属溶湯5が出湯部3より、流出することを防止することができる。
以上、説明してきたように、上述してきた実施形態では、以下の構成の脱ガス装置を提供する。
すなわち、金属溶湯5を貯留する脱ガス室1と、貯留された金属溶湯5を攪拌する攪拌体6とを備え、脱ガス室1は、入湯部2と出湯部3とを有する略直方体形状の槽本体10,20,30と、当該槽本体10,20,30の側壁110〜140(310〜340)面にそれぞれ突設されたバッフルプレートとを備える脱ガス装置。
バッフルプレートは、槽本体10,20,30の各側壁110〜140(310〜340)面にそれぞれ1つずつ設けられており、4つのバッフルプレートのうち、少なくとも1つの突出長さが他と異なる脱ガス装置。
第1の突出長さD1のバッフルプレート41,41同士と、第2の突出長さD2のバッフルプレート42,42同士とが、それぞれ対向配置された脱ガス装置。
バッフルプレートは、側壁面110〜140(310〜340)に対して所定の傾斜角を有する脱ガス装置。
バッフルプレートの下端は、攪拌体6の下端よりも上側に位置し、金属溶湯5の湯面は、バッフルプレートの上端よりも上方に保持される脱ガス装置。
槽本体10,20,30の上面開放部を覆う蓋体11を備え、槽本体10,20,30に貯留された金属溶湯5の湯面と蓋体11内面との間に気密空間160を有する脱ガス装置。
蓋体11は、所定以上の圧力で開成して気密空間160と外気とを連通させる弁体12を備える脱ガス装置。
出湯部3における、槽本体30内を回流する金属溶湯5の上流側に、金属溶湯5の流れを受ける堰体8,800,810,820を備え、当該堰体8,800,810,820の上側端面81,823,824は、槽本体30の底面300に対して傾斜する傾斜面である脱ガス装置。
堰体8,800,810,820の傾斜面は、金属溶湯5の下流側に向かって下り勾配を有する脱ガス装置。
堰体8,800,810,820の傾斜面は、金属溶湯5の下流側に向かって上り勾配を有する脱ガス装置。
上述してきた構成の脱ガス装置によれば、入湯部2から金属溶湯5を脱ガス室1に流し込み、貯留し、攪拌体6により溶湯を回転攪拌させつつ、吹き込み性ガスを放出して脱ガスする。
この際、槽本体10,20,30の側壁110〜140(310〜340)面にそれぞれ突設されたバッフルプレートにより、金属溶湯5の湯面を略水平面に維持することができる。その結果、リフト効果により湯面近傍にまで上昇させた不純物や水素ガスなどが再び金属溶湯5の中に混入されるおそれを可及的に防止することができる。
また、たとえば、単槽型の脱ガス装置では、出湯部3と連通する開口31に近接して堰体8を設けたため、金属溶湯5が十分に攪拌されずに流れ出ることがなく、溶湯の脱ガスを十分に行なうことができる。
なお、本実施形態では、脱ガス室1を単槽型、あるいは2槽型として説明したが、3槽以上の多槽型とすることもできる。
また、脱ガス装置としては、第1実施形態で示した構成、第2実施形態で示した構成、およびバッフルプレートや堰体8の各変形例に係る構成を、適宜、任意に組み合わせて構成することもできる。
また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 脱ガス室(金属溶湯用攪拌体)
2 入湯部
3 出湯部
5 金属溶湯
6 攪拌体
8 堰体
10,20,30 槽本体
11 蓋体
12 弁体
41,42 バッフルプレート
81 上側側面
110,120,130,140 側壁
160 気密空間
300 底面
310,320,330,340 側壁
800,810,820 堰体
823,824 上側側面

Claims (4)

  1. 金属溶湯を貯留する脱ガス室と、貯留された前記金属溶湯を攪拌する攪拌体とを備え、
    前記脱ガス室は、
    入湯部と出湯部とを有する略直方体形状の槽本体と、
    当該槽本体の側壁面にそれぞれ1つずつ突設されたバッフルプレートとを備え
    4つのバッフルプレートのうち、少なくとも1つの突出長さが他と異なることを特徴とする脱ガス装置。
  2. 第1の突出長さのバッフルプレート同士と、第2の突出長さのバッフルプレート同士とが、それぞれ対向配置されたことを特徴とする請求項1に記載の脱ガス装置。
  3. 前記バッフルプレートは、前記側壁面に対して所定の傾斜角を有することを特徴とする請求項1または2に記載の脱ガス装置。
  4. 前記バッフルプレートの下端は、前記攪拌体の下端よりも上側に位置し、前記金属溶湯の湯面は、前記バッフルプレートの上端よりも上方に保持されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の脱ガス装置。
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