JP6260624B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電源と交流回転電機との間に介在されて直流と交流との間で電力変換を行うインバータを制御対象とする制御装置に関する。
上記のような制御装置として、米国特許第6163127号明細書(特許文献1)に記載されたものが知られている。特許文献1には、交流回転電機をベクトル制御により駆動制御する際に必要なロータの位置(磁極位置)を、回転センサを用いることなくセンサレスで検出する技術が記載されている。そして、特許文献1の制御装置は、システムの効率や精度の向上を図るべく、低速回転域での磁極位置の検出に適した手法と高速回転域での磁極位置の検出に適した手法とをロータの回転速度に応じて切り替えて用いるように構成されている。
ところで、このように交流回転電機のロータの磁極位置をセンサレスで検出する構成では、交流回転電機の停止状態から交流回転電機を起動させる際に、一般的に、ロータの磁極位置が不明な状態からロータの磁極位置が検出される。そのため、回転センサを用いる場合に比べて磁極位置の検出に長い時間を要し、その分だけ、交流回転電機の起動に要する時間が長くなってしまう。しかしながら、特許文献1では、この点について特段の認識がなされていなかった。
米国特許第6163127号明細書
そこで、交流回転電機の起動に要する時間の短縮を図ることが可能な制御装置の実現が望まれる。
本発明に係る直流電源と交流回転電機との間に介在されて直流と交流との間で電力変換を行うインバータを制御対象とする制御装置の特徴構成は、前記インバータは、直流側の正負両極間に直列接続されて相補的にオンオフ制御される上段側スイッチング素子及び下段側スイッチング素子の組を複数備え、前記交流回転電機のロータが回転している状態から当該ロータの回転を停止させた後の、前記交流回転電機の停止中に、全ての前記上段側スイッチング素子又は全ての前記下段側スイッチング素子をオン状態に制御する短絡処理を実行し、前記交流回転電機のロータが回転している状態から当該ロータの回転が停止した時点或いはそれよりも後の時点に前記交流回転電機のロータの停止位置を検出してから、当該交流回転電機のロータの回転を開始するまでの間継続して、前記短絡処理を実行する点にある。
本願において「交流回転電機」とは、交流電力によって駆動される回転電機を表す。ここで、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、交流回転電機の停止中に短絡処理が実行される。ここで、短絡処理の実行中は、交流回転電機とインバータとによる閉ループ回路が形成されるため、交流回転電機のステータコイルの両端が短絡された状態、すなわち、交流回転電機のロータに対して回転方向に対して逆向きのトルクが発生する状態を実現することができる。よって、交流回転電機の停止中に短絡処理を実行することで、例えば交流回転電機に振動が伝わった場合等においても、交流回転電機のロータの停止位置が変化することを抑制することができる。この際、短絡処理は、全ての上段側スイッチング素子又は全ての下段側スイッチング素子をオン状態に制御する処理であり、スイッチング素子についてオンオフの切替制御は不要である。よって、上記の特徴構成によれば、エネルギ損失を抑制しつつ、交流回転電機のロータの停止位置が変化することを抑制することができる。
そして、このように交流回転電機のロータの停止位置が変化することを抑制できる結果、交流回転電機の起動に要する時間の短縮を図ることが可能となる。なぜなら、交流回転電機のロータの停止位置の変化が抑制される場合には、例えば交流回転電機を停止させた際のロータの停止位置のように、交流回転電機の起動よりも前の時点でのロータの停止位置を、交流回転電機を起動させる際のロータの初期位置として用いることができる。この結果、交流回転電機の起動時にロータの初期位置を確定するための処理が不要となり、交流回転電機の起動に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
また、この構成によれば、交流回転電機のロータの停止位置を検出してから当該交流回転電機のロータの回転を開始するまでの間に、ロータの停止位置が変化することを抑制することができる。よって、短絡処理の実行前に検出したロータの停止位置を交流回転電機を起動させる際のロータの初期位置として用いて、交流回転電機の起動の短縮を適切に図ることができる。
また、前記短絡処理では全ての前記下段側スイッチング素子をオン状態に制御する構成とすると好適である。
この構成によれば、上段側のスイッチング素子をオン状態に継続して制御できる期間に制約がある場合において、短絡処理を適切に継続して実行することができる。また、下段側スイッチング素子に流れる電流を検出可能な構成において、短絡処理の実行中に、下段側スイッチング素子に過大な電流が流れる状態等の正常ではない状態が発生しているか否かを検出することが可能となる。
また、前記交流回転電機のロータと一体回転する部材を有して当該交流回転電機のロータの回転位置を検出するセンサが接続されていない構成とすると好適である。
一般に、交流回転電機のロータの磁極位置をセンサレスで検出する場合には、ロータの初期位置の検出のための処理が必要であり、当該処理のための時間に応じて、交流回転電機の起動が遅延する。これに対して、上記のように、本発明に係る制御装置によれば、交流回転電機の起動時にロータの初期位置を確定するための処理が不要なため、交流回転電機の起動に要する時間を短縮することができる。よって、この制御装置は、交流回転電機のロータと一体回転する部材を有して当該交流回転電機のロータの回転位置を検出するセンサが接続されていない構成に特に適している。
また、前記交流回転電機は、車両用駆動伝達装置の制御用油圧を生成する油圧ポンプの駆動用回転電機であると好適である。
この構成のように、交流回転電機が車両用駆動伝達装置の制御用油圧を生成する油圧ポンプの駆動用回転電機である場合には、交流回転電機の回転を停止させた後に、車両の振動によって交流回転電機のロータの停止位置が変化するおそれがある。この点に関して、上記のように、本発明に係る制御装置によれば、交流回転電機の停止中に短絡処理を実行することで、交流回転電機に振動が伝わった場合等においても交流回転電機のロータの停止位置が変化することを抑制することができ、結果、交流回転電機の起動に要する時間の短縮を図ることができる。よって、交流回転電機が車両用駆動伝達装置の制御用油圧を生成する油圧ポンプの駆動用回転電機である場合において、停止中の交流回転電機を駆動させて車両用駆動装置の制御用油圧を生成する際に油圧ポンプを迅速に駆動して必要な油圧を発生させることができ、車両用駆動伝達装置の応答性を適切に確保することができる。
また、前記交流回転電機のロータの停止位置を、前記交流回転電機のロータが有する突極性を利用した検出手法で検出する構成とすると好適である。
本発明の実施形態に係る回転電機駆動装置の構成を模式的に示す図である。 回転電機駆動装置の制御対象となる回転電機の一例を示す図である。 本発明のその他の実施形態に係るインバータの一部を示す図である。 本発明のその他の実施形態に係るインバータの一部を示す図である。
本発明に係る制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る制御装置10は、交流駆動式の回転電機MGを駆動制御する回転電機駆動装置1に備えられる。制御装置10は、回転電機駆動装置1が備えるインバータ11を制御対象とする装置であり、インバータ11を介して回転電機MGを駆動制御する。本実施形態では、回転電機MGは、埋込型永久磁石同期モータ(interior permanent magnet synchronous motor : IPMSM)であり、ロータの永久磁石のN極方向の磁気特性と電気的にこれと垂直な方向(電気角で90度ずれた方向)の磁気特性とが異なる突極性(逆突極性を含む)を有する。本実施形態では、回転電機MGが本発明における「交流回転電機」に相当する。以下の説明では、回転電機MGのロータを単に「ロータ」という場合がある。
1.回転電機駆動装置の全体構成
図1に示すように、回転電機駆動装置1は、制御装置10、インバータ11、直流電源2、及び平滑コンデンサ3を備えている。更に、本実施形態では、回転電機駆動装置1は、ドライバ回路12と、回転電機MGの各相のステータコイルに流れる電流を検出する電流センサ4とを備えている。制御装置10は、電流センサ4により検出された電流を用いて、回転電機MGの電流フィードバック制御を行う。制御装置10の構成については、後の「2.制御装置の構成」の項で詳細に説明する。
インバータ11は、直流電源2と回転電機MGとの間に介在されて、直流と交流との間で電力変換を行う。インバータ11は、制御装置10が生成する制御信号S(スイッチング制御信号)によりスイッチング制御され、直流と交流との間で電力を変換する。回転電機MGがモータとして機能する際には、インバータ11は直流電源2の直流電力を交流に変換して回転電機MGに供給する。回転電機MGがジェネレータとして機能する際には、インバータ11は回転電機MGにより発電された交流電力を直流に変換して直流電源2に供給する。直流電源2は、例えば、二次電池(バッテリ等)や電気二重層キャパシタ等により構成される。インバータ11と直流電源2との間には、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ3が備えられている。
インバータ11は、複数のスイッチング素子20を備えている。具体的には、インバータ11は、直流側の正負両極間に直列接続されて相補的にオンオフ制御される上段側スイッチング素子21及び下段側スイッチング素子22の組を、複数備えている。すなわち、直流電源2の正極側の電源ラインである正極電源ラインPに接続された上段側スイッチング素子21と、直流電源2の負極側の電源ラインである負極電源ラインNに接続された下段側スイッチング素子22とが互いに直列接続されて、1つのアーム23が構成される。インバータ11は、回転電機MGを駆動する交流電力の相数と同数のアーム23を備え、複数のアーム23が互いに並列接続されたブリッジ回路を有してインバータ11が構成される。本実施形態では、回転電機MGは三相交流により動作する回転電機であり、インバータ11は、3つのアーム23を備えている。すなわち、回転電機MGのU相、V相、W相に対応するステータコイルのそれぞれに1つのアーム23が対応したブリッジ回路が構成される。
1つのアーム23を構成する上段側スイッチング素子21と下段側スイッチング素子22とは、相補的にオン状態となるように制御される。すなわち、デッドタイム期間を考慮せずに単純化して考えると、1つのアーム23を構成する上段側スイッチング素子21と下段側スイッチング素子22とについて、上段側スイッチング素子21がオン状態に制御される期間に下段側スイッチング素子22がオフ状態に制御され、上段側スイッチング素子21がオフ状態に制御される期間に下段側スイッチング素子22がオン状態に制御される。
上段側スイッチング素子21のコレクタ端子は、正極電源ラインPに接続され、上段側スイッチング素子21のエミッタ端子は、下段側スイッチング素子22のコレクタ端子に接続されている。下段側スイッチング素子22のエミッタ端子は、負極電源ラインNに接続されている。そして、1つのアーム23を構成する上段側スイッチング素子21と下段側スイッチング素子22との接続点(アーム23の中間点)が、回転電機MGの対応するステータコイルに接続されている。スイッチング素子20のそれぞれには、フリーホイールダイオード24が並列接続されている。フリーホイールダイオード24は、カソード端子がスイッチング素子20のコレクタ端子に接続され、アノード端子がスイッチング素子20のエミッタ端子に接続されるように、スイッチング素子20のそれぞれに対して並列に接続されている。
なお、図1の例におけるスイッチング素子20のそれぞれに代えて、互いに並列接続された2つ一組のスイッチング素子を用いても良い。この場合、互いに並列接続された2つ一組の上段側スイッチング素子21と、互いに並列接続された2つ一組の下段側スイッチング素子22とが互いに直列接続されて、1つのアーム23が構成される。また、図1では、スイッチング素子20としてIGBT(insulated gate bipolar transistor)を用いる形態を例示しているが、スイッチング素子20としてMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)等を用いても良い。更に、図1では、三相の全ての電流が電流センサ4によって検出される形態を例示しているが、各相の電流の瞬時値の和がゼロとなることを利用して、三相の内の二相の電流のみを検出して残りの一相の電流は演算により導出する構成としても良い。
2.制御装置の構成
制御装置10は、スイッチング素子20の制御信号Sを生成してインバータ11をスイッチング制御する。制御装置10は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として構成されたECU(electronic control unit)を有して構成されている。本実施形態では、制御装置10は、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ11を介して回転電機MGを駆動制御する。制御装置10のECUは、電流フィードバック制御のための種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウェアとソフトウェア(プログラム)との協働により実現される。
本実施形態では、制御装置10は、ドライバ回路12を介してインバータ11に接続されている。ドライバ回路12は、制御装置10が生成した制御信号Sを、スイッチング素子20の制御端子(ゲート端子やベース端子等)に中継する回路である。ドライバ回路12は、例えば電圧変換回路や絶縁回路等を備え、電圧振幅の拡大や入出力電流の供給等によって、制御装置10が生成した制御信号Sに対してスイッチング素子20を駆動可能な駆動能力を付与する。詳細は省略するが、本実施形態では、ドライバ回路12の電源として、トランスを利用したフローティング電源を適用している。
本実施形態では、制御装置10には、回転電機MGのロータと一体回転する部材を有して当該回転電機MGのロータの回転位置を検出するセンサ(以下、「回転センサ」という。)が接続されていない。ここで、ロータの回転位置は、電気角上での回転角度(すなわち、磁極位置)である。回転センサは、回転電機MGのロータの回転位置を直接的に検出するセンサである。回転センサとして、例えば、レゾルバ、磁気抵抗素子(MR素子)を用いたセンサ、ホール素子を用いたセンサ等がある。レゾルバは、回転電機MGのロータと一体回転する部材として、センサロータを備える。磁気抵抗素子を用いたセンサは、回転電機MGのロータと一体回転する部材として、例えば、外歯が形成された回転部材を備え、歯の有無に基づいて当該ロータの磁極位置を検出するセンサとされる。ホール素子を用いたセンサは、例えば、回転電機MGのロータの永久磁石が発生する磁束を検出して当該ロータの磁極位置を検出するセンサとされる。この場合、回転電機MGのロータと一体回転する部材は、当該ロータ自身となる。磁気抵抗素子を用いたセンサやホール素子を用いたセンサは、レゾルバに比べて一般的に分解能が低い。
このように、本実施形態では、制御装置10には回転センサが接続されていない。すなわち、本実施形態では、回転電機MGには回転センサが備えられていない。そのため、本実施形態では、制御装置10は、ロータの磁極位置に応じた電気的現象に基づき電気的に当該ロータの磁極位置を検出する処理である、センサレス磁極検出処理を行う。すなわち、本実施形態では、制御装置10は、回転電機MGの回転状態(磁極位置、回転速度、磁極の方向)を、回転センサを用いることなくセンサレスで検出する機能を備えている。
以下、本実施形態に係る制御装置10によるベクトル制御について簡単に説明する。ベクトル制御における座標系(ベクトル空間)は、回転電機MGのロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と、当該d軸に電気的に直交するq軸とにより規定される、dq軸ベクトル座標系(dq軸ベクトル空間)である。制御装置10は、上位のECU等からの速度指令と回転電機MGの実際の回転速度とに基づいて、目標トルクを導出する。上記のように、本実施形態では、回転電機MGの回転状態をセンサレスで検出するため、回転電機MGの実際の回転速度は、制御装置10によって推定される推定回転速度である。制御装置10は、導出した目標トルクに基づいて、dq軸ベクトル座標系における電流指令を導出する。
制御装置10は、dq軸ベクトル座標系における電流指令と、フィードバック電流との偏差に基づき、例えば比例積分制御(PI制御)や比例積分微分制御(PID制御)を行ってdq軸ベクトル座標系における電圧指令を導出する。ここで、フィードバック電流は、回転電機MGの各相のステータコイルに流れる電流の検出値に対してロータの磁極位置に基づく三相二相変換を行って導出される、dq軸ベクトル座標系における電流である。制御装置10は、導出した電圧指令に対して二相三相変換を行って三相の電圧指令を導出する。そして、制御装置10は、導出した三相の電圧指令に基づいて、インバータ11をスイッチング制御する制御信号Sを、例えばPWM(pulse width modulation)制御によって生成する。
上記のように、ベクトル制御においては、現実の三相空間と二相のdq軸ベクトル空間との間での座標変換が必要であり、この座標変換はロータの磁極位置を用いて行われる。そのため、ベクトル制御を適切に実行するためには、ロータの磁極位置を精度良く検出する必要がある。本実施形態では、制御装置10は、異なる2つの手法(以下に述べる第一検出手法及び第二検出手法)に基づき回転電機MGのロータの磁極位置をセンサレスで検出する機能を備えている。ロータの磁極位置の検出は、回転電機MGの駆動制御中、予め定められた周期で繰り返し実行される。
第一検出手法は、回転電機MGのロータの回転によって生じる誘導起電力を利用する方法である。具体的には、第一検出手法では、上記のフィードバック電流に含まれる、誘導起電力による脈動成分を検出することによって、ロータの回転速度及び磁極位置を演算により取得する。第二検出手法は、回転電機MGのロータが有する突極性を利用する方法である。具体的には、第二検出手法では、電気的な刺激となる高周波の観測信号(観測電流又は観測電圧)を回転電機MGに印加し、その応答からロータの磁極位置を演算により取得する。観測信号が高周波の電圧信号である場合には、観測信号は、dq軸ベクトル座標系における電圧指令に対して重畳される。この際、観測信号は、例えば、d軸の電圧指令に対してのみ重畳され、或いは、d軸の電圧指令及びq軸の電圧指令のそれぞれに対して重畳される。これらの第一検出手法や第二検出手法は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
第一検出手法では、ロータが停止している場合や、ロータが非常に低速で回転している場合には、誘導起電力が生じなかったり、誘導起電力が小さかったりすることから、精度良く磁極位置を検出することができない。そのため、制御装置10は、ロータの回転速度が、ゼロを含むように設定される低速回転域に含まれる場合には、第二検出手法を用いて磁極位置を検出し、ロータの回転速度が、当該低速回転域よりも高い側に設定される高速回転域に含まれる場合には、第一検出手法を用いて磁極位置を検出するように構成されている。よって、例えば、回転電機MGの停止中に上位のECU等から回転電機MGの駆動指令が入力された際には、制御装置10は、第二検出手法によって検出されるロータの磁極位置に基づき、回転電機MGの駆動制御(センサレス駆動制御)を開始する。
ところで、ロータの磁極位置が不明な状態で第二検出手法に基づきロータの磁極位置を検出する際には、第二検出手法における初期値(初期位置)が360度の範囲から選択されるため、磁極位置を検出する(具体的には、検出される磁極位置を収束させる)ためにある程度の時間を要する。また、第二検出手法では磁極の極性(N極に属するかS極に属するか)は特定されないため、極性が不明な磁極位置を検出した後、当該検出された磁極位置についての極性判定(NS判定)のための時間も必要となる。そのため、回転電機MGの駆動指令が入力されてから回転電機MGのセンサレス駆動制御が開始されるまでの時間を短くすべく、回転電機MGの停止中のロータの磁極位置が特定される構成とし、センサレス駆動制御を開始する際には、当該磁極位置を第二検出手法における初期値として用いる構成とすることが好ましい。なお、詳細は省略するが、NS判定では、例えば、高周波成分に加えて直流バイアス成分を有する観測信号を回転電機MGに印加し、その応答から磁極の極性を判定する。
そこで、制御装置10が、回転電機MGの回転(ロータの回転)を停止させた際のロータの磁極位置(第二検出手法による検出値)を記憶することで、回転電機MGの停止中のロータの磁極位置が特定される構成とすることが考えられる。しかしながら、このような構成では、回転電機MGの回転を停止させた後に回転電機駆動装置1の振動等によってロータが回転移動した場合に、センサレス駆動制御を適切に行うことができなくなるおそれがある。
このような回転電機駆動装置1の振動等によるロータの回転移動に対応すべく、回転電機MGの停止中に第二検出手法による磁極位置の検出を繰り返し実行する構成とすることも考えられる。しかし、観測信号を繰り返し回転電機MGに印加する必要があり、エネルギ損失が増大するおそれがある。また、インバータ11や回転電機MGからのノイズの発生が問題となるおそれもある。
上記の点に鑑みて、本実施形態に係る制御装置10は、回転電機MGの停止中に、全ての上段側スイッチング素子21又は全ての下段側スイッチング素子22をオン状態に制御する短絡処理を実行する。これにより、以下に述べるように、回転電機MGの停止中に回転電機MGのロータの位置を固定することができる。ここで、「回転電機MGの停止中」とは、回転電機MGのロータが回転している状態からロータの回転を停止させた後の、回転電機MGの停止中である。なお、1つのアーム23を構成する上段側スイッチング素子21と下段側スイッチング素子22とは、相補的にオン状態となるように制御される。そのため、全ての上段側スイッチング素子21がオン状態に制御される際には、全ての下段側スイッチング素子22がオフ状態に制御される。また、全ての下段側スイッチング素子22がオン状態に制御される際には、全ての上段側スイッチング素子21がオフ状態に制御される。
図1から明らかなように、この短絡処理を実行すると、全ての上段側スイッチング素子21が導通した状態となり、又は、全ての下段側スイッチング素子22が導通した状態となるため、回転電機MGとインバータ11とによる閉ループ回路が形成される。すなわち、回転電機MGの複数相のステータコイルの両端が短絡された状態(アクティブショートサーキット状態)となる。この短絡処理の実行中は、以下に述べるように、回転電機MGのロータには回転方向に対して逆向きのトルクが作用するため、回転電機MGのロータの回転が規制される。なお、この短絡処理の実行中には、インバータ11のスイッチング制御(各スイッチング素子20についてオンオフの切替制御)は実行されないため、回転電機MGの停止中に第二検出手法による磁極位置の検出を繰り返し実行する場合や、インバータ11をスイッチング制御することでロータの位置を固定する場合に比べて、エネルギ損失を抑制することができる。
磁気的突極性を有する回転電機の回転座標系(dq軸ベクトル座標系)での一般的な回路方程式は、下記の式(1)で表される。ここで、Vdはd軸電圧、Vqはq軸電圧、Idはd軸電流、Iqはq軸電流、Rはステータコイルの抵抗、pは微分演算子、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、ωは回転周波数(角速度)、Mは誘起電圧定数である。
Figure 0006260624


短絡処理の実行中は、Vd=Vq=0であり、定常状態であるとして微分項を無視すると、Id及びIqは以下の式(2)で表される。
Figure 0006260624


また、回転電機のトルクTと、d軸電流Id及びq軸電流Iqとの関係は、以下の式(3)で表される。ここで、Pは回転電機の極対数である。
Figure 0006260624


本実施形態では、回転電機MGはLd<Lqとなる逆突極性を有する。また、R>0,P>0,M>0である。ここで、ω>0の場合には、式(2)よりId<0,Iq<0となり、式(3)よりT<0となる。また、ω<0の場合には、式(2)よりId<0,Iq>0となり、式(3)よりT>0となる。すなわち、回転方向の正負によらず、回転電機MGのロータには回転方向に対して逆向きのトルク(逆トルク)が発生する。これにより、短絡処理の実行中には回転電機MGのロータの回転が規制され、この結果、回転電機MGの停止中にロータの位置を固定することが可能となる。
本実施形態では、制御装置10は、回転電機MGのロータの停止位置を検出してから回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間、短絡処理を継続して実行するように構成されている。すなわち、制御装置10は、短絡処理を、回転電機MGのロータの停止位置を検出してから回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間継続して実行する。本実施形態では、制御装置10は、制御装置10の主電源がオン状態になったことを条件に、第二検出手法及びNS判定によりロータの停止位置(磁極位置)を検出する。そして、制御装置10は、当該検出した磁極位置を記憶部(図示せず)に記憶させると共に短絡処理の実行を開始する。なお、制御装置10の主電源は、例えば、回転電機駆動装置1或いは当該回転電機駆動装置1が備えられた装置(例えば車両)の主電源がオン状態に切り替えられることでオン状態となる。
また、本実施形態では、制御装置10は、回転電機MGのロータが回転している状態から当該ロータの回転を停止させた際のロータの停止位置(磁極位置)を第二検出手法により検出し、当該検出した磁極位置を記憶部に記憶させると共に短絡処理の実行を開始する。ロータが停止するまでの間、第二検出手法による磁極位置の検出が繰り返し実行されている場合には、最後に検出したロータの磁極位置がロータの停止位置として記憶部に記憶される構成とすることができる。なお、回転電機MGのロータの停止位置の検出を、制御装置10の主電源がオン状態になった時点よりも後の時点や、ロータの回転が停止した時点よりも後の時点に行うことも可能である。
制御装置10は、回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間継続して、すなわち、上位のECU等から回転電機MGの駆動指令(例えば、回転速度やトルクの指令値)が入力されるまでの間継続して、短絡処理を実行する。そして、制御装置10は、回転電機MGの駆動指令が入力されると、短絡処理を終了すると共に、記憶した磁極位置を初期値として用いて第二検出手法によるロータの磁極位置の検出を開始して回転電機MGのセンサレス駆動制御を開始する。なお、当然ながら、短絡処理の終了条件として、回転電機MGの駆動指令の入力以外の条件も併せて設定することも可能である。例えば、比較的長期間の短絡処理の実行によるエネルギ損失を抑制するため等に、短絡処理の実行を開始してから予め定められた時間が経過した場合に短絡処理を終了する構成とすることができる。
以上のように、本実施形態に係る制御装置10によれば、回転電機MGの駆動指令が入力されてから回転電機MGのセンサレス駆動制御が開始されるまでの時間の短縮を図ることができる。これにより、例えば、回転電機MGが、車両に備えられた電動オイルポンプのロータ(ポンプロータ)を駆動する構成とすると共に、当該電動オイルポンプが吐出した油が、車輪と当該車輪の駆動力源との間で駆動力の伝達を行う駆動力伝達機構のサーボ機構(例えば、油圧駆動式の係合装置のサーボ機構)に油を供給する構成とした場合に、以下のような利点がある。すなわち、電動オイルポンプを駆動させてサーボ機構に油を供給する必要が生じた場合に、電動オイルポンプを迅速に駆動して必要な油圧を発生させることができる。これにより、係合装置の係合圧が不足すること等による駆動力伝達機構(車両用駆動装置)の応答性の低下を抑制することができる。また、車両の停止中に車輪をロックするパーキングロック機構が、電動オイルポンプが吐出した油の供給を受けて解除される構成とした場合には、パーキングロック機構の解除に要する時間が長くなり過ぎることを抑制することもできる。
更には、例えば、回転電機MGが、車輪の駆動力源として車両に備えられる場合には、回転電機MGの駆動力により車両を発進させる際に、応答性の高い発進制御が可能となる。なお、回転電機MGが、例えば、ウォータポンプのロータや、エアコンディショナのコンプレッサのロータ等の、車輪から独立して設けられたポンプロータ以外の回転体を駆動する構成としても良い。また、回転電機MGが、車両以外の装置に備えられた構成とすることも当然に可能である。
ここで、上記のように回転電機MGが車両に備えられた電動オイルポンプのロータを駆動して駆動力伝達機構に必要な油圧を発生させる構成の具体例について、図2を参照して説明する。図2に示すように、回転電機MGは、車両用駆動伝達装置100の制御用油圧を生成する電動オイルポンプEOPの駆動用回転電機として構成されている。具体的には、回転電機MGは、電動オイルポンプEOPのロータ(第二ロータR2)を駆動するように構成されている。電動オイルポンプEOPには、ストレーナSTを介して油貯留部(例えばオイルパン等)に接続された吸入油路RIと、電動オイルポンプEOPから吐出される油の流路である第二吐出油路RO2とが接続されている。電動オイルポンプEOPは、回転電機MGの駆動力により第二ロータR2が回転することにより、吸入油路RIを介して吸引した油を第二吐出油路RO2に吐出する。第二吐出油路RO2に吐出された油は、油圧制御装置VBにより制御されて車両用駆動伝達装置100に供給される。油圧制御装置VBは、油路及び油圧制御弁から構成される油圧回路を備え、電動オイルポンプEOPから供給される油圧を制御し、本例では更に、後述する機械式オイルポンプMOPから供給される油圧を制御する。本実施形態では、電動オイルポンプEOPが本発明における「油圧ポンプ」に相当する。
図2に示す例では、車両用駆動伝達装置100は、車輪Wの駆動力源としての内燃機関ENGに駆動連結され、内燃機関ENGの回転駆動力を変速装置TMで変速して車輪Wに伝達するように構成されている。内燃機関ENGは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。また、変速装置TMは、車輪Wの駆動力源(ここでは内燃機関ENG)側から伝達される回転を現時点の変速比で変速して車輪W側へ伝達する。変速装置TMは、油圧駆動式の係合装置(図示せず)を複数備え、当該複数の係合装置のそれぞれの係合の状態が油圧制御装置VBによって制御されることにより、複数の変速段が切り替えられる。なお、車輪Wの駆動力源として内燃機関ENGに加えて回転電機が備えられる構成や、車輪Wの駆動力源として内燃機関ENGが備えられずに回転電機が備えられる構成とすることもできる。
図2に示す例では、車両用駆動伝達装置100の制御用油圧を生成するオイルポンプとして、電動オイルポンプEOPに加えて機械式オイルポンプMOPが備えられている。電動オイルポンプEOPが専用の駆動力源(油圧制御専用に設けられる駆動力源)である回転電機MGにより駆動される油圧ポンプであるのに対して、機械式オイルポンプMOPは、車輪Wの駆動力源(本例では内燃機関ENG)により駆動される油圧ポンプである。本例では、機械式オイルポンプMOPのロータ(第一ロータR1)に連結された入力ギヤGiが、内燃機関ENGと車輪Wとの間の動力伝達経路に設けられた駆動ギヤGoに対して、チェーンCHを介して連結されている。機械式オイルポンプMOPには、ストレーナSTを介して油貯留部に接続された吸入油路RIと、機械式オイルポンプMOPから吐出される油の流路である第一吐出油路RO1とが接続されている。機械式オイルポンプMOPは、内燃機関ENGの駆動力により第一ロータR1が回転することにより、吸入油路RIを介して吸引した油を第一吐出油路RO1に吐出する。第一吐出油路RO1に吐出された油は、油圧制御装置VBにより制御されて車両用駆動伝達装置100に供給される。なお、本例では、機械式オイルポンプMOPに接続される吸入油路RIと、電動オイルポンプEOPに接続される吸入油路RIとは、上流側の部分が一体的に形成されている。
図2に示す例では、第一吐出油路RO1と第二吐出油路RO2とは下流側の部分が一体的に形成されている。具体的には、第一吐出油路RO1と第二吐出油路RO2とは、油圧制御装置VBの内部で合流して合流吐出油路を形成している。そして、第一吐出油路RO1における第二吐出油路RO2との合流部よりも上流側の部分には、上流側へ向かう油の流通を規制する第一逆止弁40が設けられ、第二吐出油路RO2における第一吐出油路RO1との合流部よりも上流側の部分には、上流側へ向かう油の流通を規制する第二逆止弁41が設けられている。よって、合流吐出油路には、機械式オイルポンプMOP及び電動オイルポンプEOPのうちの吐出圧の高い方の吐出油が供給される。すなわち、機械式オイルポンプMOP及び電動オイルポンプEOPのうちの一方のみが駆動されている状態では、当該駆動されているオイルポンプの吐出油が、油圧制御装置VBにより制御されて車両用駆動伝達装置100(変速装置TM)に供給され、機械式オイルポンプMOP及び電動オイルポンプEOPの双方が駆動されている状態では、吐出圧の高い方のオイルポンプの吐出油が、油圧制御装置VBにより制御されて車両用駆動伝達装置100(変速装置TM)に供給される。
3.その他の実施形態
最後に、本発明に係るその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、ドライバ回路12の電源として、トランスを利用したフローティング電源回路を適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図3に示すように、ドライバ回路12の電源として、ブートストラップ回路を用いたブートストラップ電源80を適用することも可能である。図3において、基準電源ラインDは、制御装置10の動作電圧(例えば5[V]や3.3[V])よりも高い電圧を有し、例えば、負極電源ラインNを基準として15[V]の電圧を有する。なお、図3においては、簡略化のため、1つの相に対応するアーム23のみを示しているが、他相のアーム23も同様に構成されている。また、図3においては、ドライバ回路12の内の上段側スイッチング素子21を駆動する上段用ドライバ回路12aのみを示している。
図3に示すように、上段用ドライバ回路12aは、上段側スイッチング素子21の負極側の電位(エミッタ端子側の電位)を負極とし、当該負極に対して予め規定された電圧分引き上げられた電位を正極とするブートストラップ電源80によって動作する。具体的には、ブートストラップ電源80は、互いに直列に接続された第一ダイオード81及び抵抗器84と、互いに並列に接続されたコンデンサ83及び第二ダイオード82と、を備えている。上段用ドライバ回路12aの第一端子71は、第一ダイオード81及び抵抗器84を介して基準電源ラインDに接続されている。第一ダイオード81は、基準電源ラインDから第一端子71に向かう方向が順方向となるように設けられている。よって、第一端子71には、基準電源ラインDの電圧に対して第一ダイオード81の順方向電圧(例えば0.6〜0.7[V])分だけ低い電圧が印加される。また、上段用ドライバ回路12aの第二端子72は、上段側スイッチング素子21の負極側に接続されると共に、コンデンサ83を介して第一端子71に接続されている。第二ダイオード82は、第二端子72から第一端子71に向かう方向が順方向となるように設けられている。そして、上段用ドライバ回路12aの第三端子73は、上段側スイッチング素子21の制御端子(ゲート端子)に接続されている。
よって、下段側スイッチング素子22がオン状態に制御されている期間に、第一端子71と第二端子72との間の電位差によってコンデンサ83が充電される。この電位差は、基準電源ラインDと負極電源ラインNとの間の電位差にほぼ等しくなる。そして、上段側スイッチング素子21をオン状態に制御する際には、制御装置10が生成して上段用ドライバ回路12aの入力端子(図示せず)に入力された制御信号Sが、基準電源ラインDと負極電源ラインNとの間の電位差を有するゲート駆動信号として上段用ドライバ回路12aの第三端子73から出力される。この際、コンデンサ83に蓄積された電荷から上段用ドライバ回路12aに対して電力が供給される。
このように、ドライバ回路12の電源としてブートストラップ回路を用いたブートストラップ電源80を適用する場合には、制御装置10が、短絡処理では、全ての下段側スイッチング素子22をオン状態に制御する構成とすると好適である。なぜなら、上段側スイッチング素子21をオン状態に継続して制御できる期間は、コンデンサ83に蓄積された電荷量による制約を受けるが、下段側スイッチング素子22についてはそのような制約がないからである。
(2)上記の実施形態では、制御装置10が、電流センサ4により検出された電流を用いて回転電機MGの電流フィードバック制御を実行する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、下段側スイッチング素子22と負極電源ラインNとの間にシャント抵抗90が直列接続された構成とし、制御装置10が、シャント抵抗90により検出された電流を用いて回転電機MGの電流フィードバック制御を実行する構成とすることもできる。この場合、電流センサ4が備えられない構成とすることができる。なお、図4では、簡略化のため、1つの相に対応するアーム23のみを示しているが、他相のアーム23も同様に構成されている。
シャント抵抗90の両端電圧(端子間電圧)は、下段側スイッチング素子22に流れる電流の大きさに応じて定まるため、シャント抵抗90の両端電圧を検出することで、下段側スイッチング素子22に流れる電流を検出することができる。図4に示す例では、シャント抵抗90の両端電圧を検出する演算増幅器91が備えられ、制御装置10は、演算増幅器91の出力信号と、シャント抵抗90の抵抗値とに基づいて、下段側スイッチング素子22に流れる電流を検出する。なお、三相の内の二相の下段側スイッチング素子22のみに対してシャント抵抗90を設け、2個のシャント抵抗90を用いつつ各相の電流の瞬時値の和がゼロとなることを利用して、三相の各相に流れる電流を検出する構成としても良い。
このように、下段側スイッチング素子22と負極電源ラインNとの間に、下段側スイッチング素子22を流れる電流を検出するためのシャント抵抗90が直列接続された構成では、制御装置10が、短絡処理では、全ての下段側スイッチング素子22をオン状態に制御する構成とすると好適である。なぜなら、このように構成すると、短絡処理の実行中において下段側スイッチング素子22に流れる電流を検出することができるため、下段側スイッチング素子22に過大な電流が流れる状態等の正常ではない状態が発生していることを検出することが可能となるからである。
(3)上記の実施形態では、制御装置10が、回転電機MGのロータの停止位置を検出してから回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間継続して、短絡処理を実行する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、回転電機MGのロータを既知の磁極位置に位置決めしてから短絡処理を実行し、回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間継続して、短絡処理を実行する構成とすることもできる。例えば、ある特定の相(例えばU相)のステータコイルにのみ直流電流を流すことで、ロータを既知の磁極位置に位置決めする構成とすることができる。なお、このようにロータの既知の磁極位置への位置決め処理を開始してから設定時間が経過した後に、回転電機MGのロータの停止位置が当該既知の磁極位置であるとみなし(すなわち、当該既知の磁極位置をロータの停止位置として検出し)、その後、回転電機MGのロータの回転を開始するまでの間継続して、短絡処理を実行する構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、回転電機MGのロータと一体回転する部材を有して当該回転電機MGのロータの回転位置を検出するセンサ(回転センサ)が、制御装置10に接続されていない構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、制御装置10がこのような回転センサに接続された構成とすることも可能である。例えば、磁極位置の極性を少なくとも判定できる程度の分解能を持つ回転センサが制御装置10に接続された構成とすることができる。この場合、ロータの磁極位置が不明な状態で第二検出手法に基づきロータの磁極位置を検出する際に、当該回転センサにより検出された極性が既知の磁極位置を初期値として用いることができ、上述したNS判定が不要となる。この結果、ロータの磁極位置が不明な状態でロータの磁極位置を検出する際(例えば、制御装置10の主電源がオン状態になったことを条件にロータの磁極位置を検出する際)に、極性も含めてロータの磁極位置を検出するまでの時間の短縮を図ることができる。
(5)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、直流電源と交流回転電機との間に介在されて直流と交流との間で電力変換を行うインバータを制御対象とする制御装置に利用することができる。
2:直流電源
10:制御装置
11:インバータ
21:上段側スイッチング素子
22:下段側スイッチング素子
100:車両用駆動伝達装置
EOP:電動オイルポンプ(油圧ポンプ)
MG:回転電機(交流回転電機)

Claims (5)

  1. 直流電源と交流回転電機との間に介在されて直流と交流との間で電力変換を行うインバータを制御対象とする制御装置であって、
    前記インバータは、直流側の正負両極間に直列接続されて相補的にオンオフ制御される上段側スイッチング素子及び下段側スイッチング素子の組を複数備え、
    前記交流回転電機のロータが回転している状態から当該ロータの回転を停止させた後の、前記交流回転電機の停止中に、全ての前記上段側スイッチング素子又は全ての前記下段側スイッチング素子をオン状態に制御する短絡処理を実行し、
    前記交流回転電機のロータが回転している状態から当該ロータの回転が停止した時点或いはそれよりも後の時点に前記交流回転電機のロータの停止位置を検出してから、当該交流回転電機のロータの回転を開始するまでの間継続して、前記短絡処理を実行する制御装置。
  2. 前記短絡処理では全ての前記下段側スイッチング素子をオン状態に制御する請求項に記載の制御装置。
  3. 前記交流回転電機のロータと一体回転する部材を有して当該交流回転電機のロータの回転位置を検出するセンサが接続されていない請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記交流回転電機は、車両用駆動伝達装置の制御用油圧を生成する油圧ポンプの駆動用回転電機である請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記交流回転電機のロータの停止位置を、前記交流回転電機のロータが有する突極性を利用した検出手法で検出する請求項に記載の制御装置。
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