JP6260330B2 - ワイパーインサート及び刃先交換式正面フライス - Google Patents

ワイパーインサート及び刃先交換式正面フライス Download PDF

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本発明は、ワイパーインサート及びこれを用いた刃先交換式正面フライスに関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に示されるような、工具軸線回りに回転させられる工具本体の先端外周部に、周方向に間隔をあけて複数設けられたインサート取付座に対して、それぞれ切削インサートが着脱可能に装着される刃先交換式正面フライスが知られている。この刃先交換式正面フライスでは、工具本体に装着される複数の切削インサートのうち少なくとも1つ以上が、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサート(仕上げ加工用チップ)となっており、該ワイパーインサート以外の切削インサートは、標準加工用インサート(粗加工用チップ)となっている。
ワイパーインサートは、標準加工用インサートよりも工具先端側に僅かに突出して配置されるとともに、工具軸線に垂直な仮想平面内に配置可能なさらい刃を有しており、このさらい刃は、標準加工用インサートが切削した被削材の切削加工面の送りマークを除去して平滑な仕上げ面に仕上げ加工する。
例えば、工具本体にワイパーインサートが1つのみ設けられた場合には、該ワイパーインサートのさらい刃は、その刃長が工具本体の工具軸線回りの一回転あたりの送り量よりも長く設定される。このような刃長の長いさらい刃を備えたワイパーインサートと、標準加工用インサートとでは、互いに形状が異なっている。
そこで特許文献1では、互いに異なる形状のこれら標準加工用インサート及びワイパーインサートを、それぞれ工具本体に装着できるように、各インサートに対応するカートリッジ部材(粗加工用チップ取付部材及び仕上げ加工用チップ取付部材)を備えている。
特開2007−237356号公報
ところで、この種の刃先交換式正面フライスにおいて、工具の部品点数を削減し、かつ切削インサートの装着容易性を向上させるには、複数のインサート取付座を互いに同一形状に形成するとともに、標準加工用インサート及びワイパーインサートを区別することなく直接、工具本体(のインサート取付座)に装着できる構成であることが好ましい。つまり、上述のようなカートリッジ部材を用いずに、切削インサートを工具本体に直接的に装着可能であることが望ましい。
ここで、図12及び図13に示される刃先交換式正面フライスは、工具本体101の複数のインサート取付座102を互いに同一形状に形成したものであり、これらインサート取付座102に対して、被削材の切削加工面の標準加工に用いられる標準加工用インサート103と、さらい刃104aを備えて標準加工用インサート103とは異なる形状をなし、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサート104と、を区別することなく直接的に装着するようにした一例である。この例では、7つのインサート取付座102のうち、1つにワイパーインサート104が装着されており、それ以外の6つに標準加工用インサート103が装着されている。
上記構成の刃先交換式正面フライスでは、工具本体101の製造容易性、工具本体101への切削インサート103、104の装着容易性、及び種々の切削加工条件(例えばワイパーインサート104を1つ設ける場合のみならず、高送りに応じて2〜3つのワイパーインサート104を用いる場合等)への対応容易性を向上させることができる。
しかしながら、上記刃先交換式正面フライスでは、下記の課題が生じる。
すなわち、互いに同一形状とされた複数のインサート取付座102に対して、標準加工用インサート103と、ワイパーインサート104とをそれぞれ装着したときに、図14及び図15に示されるように、ワイパーインサート104が装着されたインサート取付座102において工具先端側を向く壁部102aの一部(図15に示される三角形状のハッチング部分)が露出して、切屑に擦過され摩耗するおそれがあった。
これは、図12及び図13において、標準加工用インサート103が、インサート軸線(切削インサートの中心軸線)回りに90°回転対称形状、かつ表裏反転対称形状とされており、インサート本体の外周面の幅(表裏面同士を繋ぐ方向の長さ)が、外周面全体に略一定とされているのに対して、図14及び図15に示されるワイパーインサート104は、例えばさらい刃104aの長さを工具一回転あたりの送り量よりも長くする必要性などにより、90°回転対称形状には形成できないこと、及び製造の材料費等を鑑みて、インサート本体の外周面のうち、さらい刃104aに対応する部分(隣り合う部分)の幅に対して、さらい刃104aに対応していない部分(具体的にはインサート取付座102の壁部102aに当接する部分)の幅を小さくしている理由等による。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数のインサート取付座の形状を、標準加工用インサートとワイパーインサートで区別することなく共通化して、工具本体の製造容易性、工具本体への切削インサートの装着容易性、及び種々の切削加工条件への対応容易性を向上させつつも、ワイパーインサートが取り付けられたインサート取付座の工具先端側を向く壁部の摩耗を防止でき、該インサート取付座に装着される切削インサートによる切削加工の精度を、高品位に安定して維持することができるようにしたワイパーインサート、及びこれを用いた刃先交換式正面フライスを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、工具軸線回りに回転させられる工具本体の先端外周部に、工具周方向に間隔をあけて複数設けられ互いに同一形状とされたインサート取付座に対して、それぞれ着脱可能に装着される複数の切削インサートのうち、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサートであって、五角形板状をなすインサート本体と、前記インサート本体の表裏面、及びこれら表裏面の周縁同士を接続する外周面と、前記表裏面のうち少なくとも表面と、前記外周面との交差稜線部に形成された切れ刃と、を有し、前記表面は、5つの辺部と5つの隅部とを有し、前記切れ刃は、4つの前記辺部及び3つの前記隅部に対応する領域に形成され、前記切れ刃は、前記工具軸線に垂直な仮想平面内に配置可能なさらい刃を有し、前記表面における周縁のうち、前記さらい刃から離間して位置するとともに、前記インサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接する前記インサート本体の外周面部分に隣り合う部分には、突起部が形成され、前記突起部は、前記切れ刃が形成されない1つの前記辺部に配置されることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式正面フライスは、工具軸線回りに回転させられる工具本体と、前記工具本体の先端外周部に、工具周方向に間隔をあけて設けられ互いに同一形状とされた複数のインサート取付座と、前記インサート取付座に着脱可能に装着される複数の切削インサートと、を備え、前記複数の切削インサートには、被削材の切削加工面の標準加工に用いられる標準加工用インサートと、前記標準加工用インサートとは異なる形状とされ、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサートと、が含まれており、前記ワイパーインサートとして、前述したワイパーインサートを、前記複数のインサート取付座のうち少なくとも1つ以上に装着したことを特徴とする。
本発明のワイパーインサート及びこれを用いた刃先交換式正面フライスによれば、インサート取付座の形状を、切削インサートの種類に応じて異ならせることなく共通化して(標準加工用インサートとワイパーインサート(仕上げ加工用インサート)とでインサート取付座を別々の形状にすることなく同一形状として)、工具本体の製造容易性、工具本体への切削インサートの装着容易性、及び種々の切削加工条件(例えば工具本体にワイパーインサートを1つ設ける場合のみならず、高送りに応じて2〜3つのワイパーインサートを用いる場合等)への対応容易性を向上させつつ、ワイパーインサートが取り付けられるインサート取付座においては、該インサート取付座の工具先端側を向く壁部の摩耗の進行を顕著に抑制することができる。
尚、本明細書でいう「標準加工」とは、標準加工用インサートの主切れ刃及びさらい刃による一般的な(標準的な)切削加工(正面フライス加工)であり、ワイパーインサートのさらい刃による仕上げ加工に比べて、被削材の切削加工面が粗くなる加工を指す。
具体的に従来では、互いに同一形状とされた複数のインサート取付座に対して、標準加工用インサートとワイパーインサートとをそれぞれ装着した場合に、ワイパーインサートが装着されたインサート取付座において工具先端側を向く壁部の一部が露出して、切屑に擦過され摩耗するおそれがあった。
これは、標準加工用インサートが、インサート軸線回りに例えば90°回転対称形状、かつ表裏反転対称形状とされて、インサート本体の外周面の幅(表裏面同士を繋ぐ方向の長さ)が、外周面全体に略一定とされているのに対して、ワイパーインサートは、例えばさらい刃の長さを工具一回転あたりの送り量よりも長くする必要性などにより、インサート軸線回りの回転対称形状には形成し難いこと、及び製造の材料費等を鑑みて、インサート本体の外周面のうち、さらい刃に対応する部分(隣り合う部分)の幅に対して、さらい刃に対応していない部分(具体的にはインサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接する部分)の幅を小さくしている理由等による。
特に、標準加工用インサートの主切れ刃がポジ角に設定された構成(主切れ刃がインサート軸線に垂直な平面に対してポジ角となるように傾斜して延びている構成)の場合には、該主切れ刃に対応するインサート本体の外周面部分も傾斜させられるため、該外周面部分に当接させられるインサート取付座の前記壁部も傾斜して形成されることとなる。このように傾斜した壁部を有するインサート取付座に対して、ワイパーインサートを装着した場合に、上述した露出が生じやすくなり摩耗の問題が顕著となりやすい。そして、インサート取付座の前記壁部が切屑に擦過され摩耗すると、次にこのインサート取付座に標準加工用インサートを装着した場合に、着座安定性が確保できなくなり、加工精度に影響することがある。
そこで本発明では、ワイパーインサートのインサート本体の表面における周縁のうち、インサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接させられるインサート本体の外周面部分に隣り合う部分に、突起部を設けており、この突起部によりインサート取付座の前記壁部が覆われて露出が防止され、該壁部に対して切屑が擦過することが防止される。また、突起部によって切屑の流出方向を変えることができるので、前記壁部に対する切屑の擦過をより確実に防止することが可能である。つまり、さらい刃が被削材を切削して生じた切屑が、インサート本体の表面上を流れていき突起部に当てられることで向きを変えられ、インサート取付座の壁部に当たることがより顕著に防止されて、摩耗の進行が抑制される。
以上より本発明によれば、複数のインサート取付座の形状を、標準加工用インサートとワイパーインサートで区別することなく共通化して、工具本体の製造容易性、工具本体への切削インサートの装着容易性、及び種々の切削加工条件への対応容易性を向上させつつも、ワイパーインサートが取り付けられたインサート取付座の工具先端側を向く壁部の摩耗を防止でき、該インサート取付座に装着される切削インサートによる切削加工の精度を、高品位に安定して維持することができるのである。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記突起部のうち、前記インサート取付座の前記壁部に対向する面は、該壁部に当接する前記インサート本体の外周面部分に面一となるように形成されていることとしてもよい。
この場合、突起部が、インサート本体の外周面部分に面一となるように形成されているので、インサート取付座の工具先端側を向く壁部に対して、インサート本体の外周面部分とともに該突起部を当接させることができる。つまり、突起部により上述した壁部摩耗を抑制する作用効果を奏しつつ、この壁部に対して広範囲にインサート本体を当接させることが可能になり、ワイパーインサートの着座安定性が向上する。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記切れ刃には、互いに隣り合い異なる向きに延びる一対の前記さらい刃が含まれており、前記インサート本体の表面を正面に見て、前記表面は、一対の前記さらい刃間の角の仮想二等分線を対称軸とする線対称形状とされていることとしてもよい。
この場合、工具本体の工具回転方向が、工具軸線回りの一方又は他方のいずれの向きであっても(つまり右勝手か左勝手かによらず)、同一のワイパーインサートを使用でき、部品共通化できる。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記切れ刃は、前記表面を正面に見て、前記さらい刃との間に鈍角を形成するように延びる主切れ刃を含み、前記主切れ刃は、前記さらい刃から離間するに従い前記インサート本体のインサート軸線方向に沿うインサート内側に向けて延びていることとしてもよい。
この場合、インサート取付座に対して、ワイパーインサートの装着姿勢をアキシャルレーキ角がネガ(負)となる姿勢としても(つまりインサート軸線が工具回転方向の前方に向かうに従い工具先端側へ向けて延びている場合でも)、該ワイパーインサートの主切れ刃をポジ(正)角に設定することが可能になる。従って、ワイパーインサートの切れ刃のうち、さらい刃の刃物角を大きく確保して刃先強度を確保しつつ、主切れ刃の切れ味を高めることができるのである。
尚、上記構成の場合、主切れ刃が傾斜していることでインサート本体の外周面のうち、インサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接する部分(前記インサート本体の外周面部分)の幅(表裏面同士を繋ぐ方向の長さ)がより小さくなることが考えられるが、本発明のワイパーインサートは上述の通り突起部を備えているので、該ワイパーインサートが装着されたインサート取付座の前記壁部の露出を確実に防止できる。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記インサート本体は、表裏反転対称形状とされていることとしてもよい。
この場合、インサート本体が表裏反転対称形状とされているので、切れ刃は、インサート本体の表面と外周面との交差稜線部のみならず、裏面と外周面との交差稜線部にも形成されることとなって、使用可能な切れ刃の数が倍増され、工具寿命を顕著に延長することができる。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記表裏面には、前記インサート取付座の工具回転方向を向く底部に当接する着座部が形成され、前記表裏面のうち同一の面に形成された前記着座部と前記切れ刃との相対位置は、前記切れ刃に対して前記着座部が、前記インサート本体のインサート軸線方向に沿うインサート内側に配置されていることとしてもよい。
この場合、インサート本体の表裏面は、同一の面に形成された着座部から切れ刃へ向かうに従い、インサート軸線方向に沿うインサート外側へ向かって延びることになり、これにより切れ刃のすくい角をポジ(正)に大きく確保しやすくなって、切れ味を高めることができる。また、表面(又は裏面)の切れ刃と、裏面(又は表面)の着座部とのインサート軸線方向に沿う距離を小さくできることから、切削時に切れ刃が切削抵抗を受けて生じるモーメントを低減させることが可能になり、着座安定性が向上する。
また、本発明のワイパーインサートにおいて、前記突起部は、インサート軸線回りのインサート周方向に延びるリブ状であり、前記突起部の前記インサート軸線に直交するインサート径方向の内側を向く面は、前記インサート径方向の外側へ向けて窪む凹曲面状をなし、前記突起部は、前記インサート径方向の外側へ向かうに従い漸次前記インサート軸線方向に沿う高さが高くなることとしてもよい。
本発明のワイパーインサート及びこれを用いた刃先交換式正面フライスによれば、複数のインサート取付座の形状を、標準加工用インサートとワイパーインサートで区別することなく共通化して、工具本体の製造容易性、工具本体への切削インサートの装着容易性、及び種々の切削加工条件への対応容易性を向上させつつも、ワイパーインサートが取り付けられたインサート取付座の工具先端側を向く壁部の摩耗を防止でき、該インサート取付座に装着される切削インサートによる切削加工の精度を、高品位に安定して維持することができる。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式正面フライスを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る刃先交換式正面フライスを示す斜視図である。 刃先交換式正面フライスの工具本体を、工具先端から工具基端側に向かって見た正面図である。 本発明の参考例に係る刃先交換式正面フライスを示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座に取り付けられた標準加工用インサート近傍を拡大して示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座に取り付けられたワイパーインサート近傍を拡大して示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座に取り付けられたワイパーインサート近傍を拡大して示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座近傍を拡大して示す図である。 本発明の一実施形態に係るワイパーインサートを示す斜視図である。 (a)ワイパーインサートの表面又は裏面を正面に見たインサート平面図、(b)ワイパーインサートの外周面のうち、インサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接される外周面部分を正面に見たインサート側面図である。 (a)ワイパーインサートの外周面のうち、主切れ刃に対応する部分(隣り合う部分)を正面に見た側面図、(b)ワイパーインサートの縦断面図(側断面図)である。 刃先交換式正面フライスの参考例を示す斜視図である。 刃先交換式正面フライスの参考例を示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座に取り付けられた参考例のワイパーインサート近傍を拡大して示す斜視図である。 工具本体のインサート取付座に取り付けられた参考例のワイパーインサート近傍を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係るワイパーインサート40、及びこれを用いた刃先交換式正面フライス1について、図面を参照して説明する。
本実施形態のワイパーインサート40が装着された刃先交換式正面フライス1は、金属材料等からなる被削材に正面フライス加工を施す正面フライスカッタである。
図1〜図3に示されるように、刃先交換式正面フライス1は、鋼材等からなる円盤状をなし、工具軸線O回りの工具回転方向Tに回転させられ、その先端外周部にインサート取付座3が周方向に間隔をあけて複数形成された工具本体2と、超硬合金等の硬質材料からなり、インサート取付座3に着脱可能に装着される複数の切削インサート30、40と、鋼材等からなり、切削インサート30、40の後述する取付孔35、45に挿通されるとともに、インサート取付座3にねじ込まれることにより、該切削インサート30、40を工具本体2に固定するクランプネジ20と、を備えている。
各切削インサート30、40は、インサート取付座3に螺着されたクランプネジ20のねじ込みを緩めて該クランプネジ20をインサート取付座3から取り外すことで、工具本体2から取り外し可能となっている。つまり切削インサート30、40は、工具本体2のインサート取付座3に対して着脱可能である。また、これら切削インサート30、40がインサート取付座3に装着された状態で、各切削インサート30、40の切れ刃34、44は、工具本体2に対して、工具軸線O方向の先端側、及び工具径方向の外側に向けて突出して配置される。また、複数の切削インサート30、40には、被削材の切削加工面の標準加工に用いられる標準加工用インサート30と、標準加工用インサート30とは異なる形状とされ、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサート40と、が含まれている。ワイパーインサート40は、工具本体2に形成された複数のインサート取付座3のうち、少なくとも1つ以上に装着される。
尚、本明細書でいう「標準加工」とは、標準加工用インサート30の主切れ刃34a及びさらい刃34bによる一般的な(標準的な)切削加工(正面フライス加工)であり、ワイパーインサート40のさらい刃44bによる仕上げ加工に比べて、被削材の切削加工面が粗くなる加工を指す。
刃先交換式正面フライス1は、その工具本体2の基端部が工作機械(不図示)の主軸に取り付けられ、工具軸線O回りのうち工具回転方向Tに回転させられて、被削材の切削加工に供される。
ここで、本明細書においては、工具本体2の工具軸線O方向に沿うインサート取付座3側を工具先端側又は単に先端側といい、工具軸線O方向に沿うインサート取付座3とは反対側(工作機械の主軸側)を工具基端側又は単に基端側という。また、工具軸線Oに直交する方向を工具径方向といい、工具軸線O回りに周回する方向を工具周方向という。また前記工具周方向のうち、切削時に工具本体2が回転させられる向きを工具回転方向Tの前方(又は単に工具回転方向T)といい、工具回転方向Tの前方とは反対側へ向かう方向を工具回転方向Tの後方という。
また、切削インサート30、40のインサート軸線Cに直交する方向をインサート径方向といい、インサート軸線C回りに周回する方向をインサート周方向という。
図1〜図3において、工具本体2は、工具軸線Oを中心とした円盤状をなしている。尚、本明細書でいう円盤状は、円板状、円柱状及び円筒状を含む概念である。工具本体2には、工具軸線Oに沿って延びる工具取付孔4が該工具本体2を貫通して形成されている。また、工具本体2において工具軸線O方向に沿う基端側(図1における上側)を向く端面には、工具取付孔4の開口縁部から工具径方向の外側に向けて延びるキー溝5が形成されている。工具本体2は、キー溝5を工作機械(不図示)の主軸先端部に設けられたキーに嵌合させた状態で、工具取付孔4に挿通されるボルト部材によって該主軸先端部に取り付けられ、工具軸線O回りの工具回転方向Tに回転させられて、被削材の切削加工に供される。
工具本体2における工具軸線O方向に沿う先端側(図1における下側)の端部には、該工具本体2の外面が切り欠かれるように先端側及び径方向外側に向けて開口されたチップポケット6が形成されている。チップポケット6は、工具本体2の先端外周部に、周方向に間隔を開けて複数形成されている。
また、チップポケット6には、該チップポケット6における工具回転方向Tの後方の端部に位置するとともに、工具回転方向Tの前方を向くインサート取付座3が形成されている。チップポケット6には、そのインサート取付座3に装着される切削インサート30、40の切れ刃34、44に向けて開口するように、クーラント供給孔7が形成されている。インサート取付座3は、チップポケット6において工具回転方向Tの前方を向く壁面に、切削インサート30、40の形状に対応するように凹状に形成されている。
図3及び図5〜図8に示されるように、インサート取付座3は、多角形板状をなす切削インサート30、40の形状に対応して、多角形穴状に形成されている。また、複数のインサート取付座3同士は、互いに同一形状とされている。
図8においてインサート取付座3は、切削インサート30、40の後述する着座部37、47に当接される底部8と、切削インサート30、40の外周面33、43に当接される一対の壁部9、10と、を備えている。
底部8は、工具回転方向Tの前方を向く円形平面状をなしている。また、底部8の中央には、クランプネジ20が螺着可能な雌ネジ孔11が穿設されている。インサート取付座3の工具回転方向Tの前方を向く面のうち、底部8以外の部位(底部8の周囲の部位)は、該底部8よりも工具回転方向Tの後方に後退させられており、これにより、底部8が最も工具回転方向Tに突出するように形成されている。
一対の壁部9、10は、ともに工具先端側を向いており、帯形平面状をなしている。
これら壁部9、10のうち、工具径方向の内側に位置する壁部9は、工具径方向の外側へ向かうに従い漸次工具基端側へ向かって延びる傾斜面となっている。さらに壁部9は、工具径方向の外側へ向かうに従い漸次工具回転方向Tの前方へ向かっても延びている。
また、壁部9、10のうち、工具径方向の外側に位置する壁部10は、工具径方向の外側へ向かうに従い漸次工具先端側へ向かって延びる傾斜面となっている。さらに壁部10は、工具径方向の外側へ向かうに従い漸次工具回転方向Tの前方へ向かっても延びている。
図5に示されるように、本実施形態の刃先交換式正面フライス1に装着される複数種類の切削インサート30、40のうち、被削材の切削加工面の標準加工に用いられる標準加工用インサート30は、多角形板状をなし、表裏反転対称形状とされたインサート本体31と、インサート本体31の表裏面32、及びこれら表裏面32の周縁同士をインサート軸線方向に沿うように接続する外周面33と、表裏面32と外周面33との交差稜線部に形成された切れ刃34と、を備えている。
つまりこの標準加工用インサート(切削インサート)30は、両面タイプの正面フライス用切削インサートである。
本実施形態のインサート本体31は、その基本形状が正方形板状をなしており、表裏面32は、それぞれ正方形面状に形成されている。詳しくは、図5において、表裏面32は、該表裏面32の中心を通りインサート本体31の厚さ方向に延びるインサート軸線(不図示)に関して回転対称とされた正多角形基本形状をなしており、本実施形態では、表裏面32が正方形基本形状をなしているとともに、該表裏面32はインサート軸線に関して90°回転対称形状とされている。
また、インサート本体31には、該インサート本体31をインサート軸線方向に貫通して表裏面32の中心部(インサート軸線上)に開口された取付孔35が形成されている。
また、インサート本体31は、外周面33のうち正方形基本形状をなす表裏面32の4辺に対応する、4つの平面状部分(後述する主切れ刃逃げ面33a)の中心を通りインサート軸線に直交する対称軸に関して、180°回転対称形状とされており、これにより、該インサート本体31及び標準加工用インサート30は、表裏反転対称形状となっている。
本実施形態では、表裏面32が4つの辺部と4つの隅部とを有する概略正方形面状に形成されており、より詳しくは、表裏面32は、上記辺部を構成する4つの長辺と、上記隅部を構成する4つの短辺及び8つの角部とを有しており、厳密には八角形面状に形成されていて、1つの長辺(後述する主切れ刃34a)と1つの短辺(後述するさらい刃34b及び連結刃34c)とを備える一組の切れ刃組部が、表裏面32のインサート周方向に沿って4つ(4組)配置されている。
表裏面32の周縁部(具体的には外周縁部であり、表裏面32と外周面33との交差稜線部)には、インサート周方向に沿う全周にわたって切れ刃34が形成されている。
切れ刃34は、表裏面32の周縁部のうち、前記長辺に対応する領域(辺部)に形成されるとともに、主たる切削に用いられる主切れ刃34aと、前記短辺に対応する領域(隅部)に形成されるとともに、この表裏面32を正面に見て、主切れ刃34aに対して鈍角を形成するように延び、被削材の仕上げ面を良化するために設けられる仕上げ加工用のさらい刃34bと、前記短辺に対応する領域(隅部)に形成されるとともに、さらい刃34bの主切れ刃34aとは反対側に位置する連結刃34cと、前記長辺と前記短辺とが交差する角部に対応する領域(隅部)に形成されるとともに、主切れ刃34a及びさらい刃34bを滑らかに繋ぐ曲線状のコーナー刃34dと、を有している。
尚、コーナー刃34dが設けられずに、主切れ刃34aとさらい刃34bとが直接連なっていてもよい。また、連結刃34cは設けられていなくても構わない。
前記一組の切れ刃組部は、主切れ刃34a、さらい刃34b、これら主切れ刃34a及びさらい刃34bの間に位置してこれらを繋ぐコーナー刃34d、主切れ刃34aの前記コーナー刃34dとは反対側の端部に連なる連結刃34cにより構成されている。
一組の切れ刃組部のうち、主切れ刃34aは、該主切れ刃34aに隣接するさらい刃34b(本実施形態では、該主切れ刃34aにコーナー刃34dを挟んで隣り合うさらい刃34b)から離間するとともに該さらい刃34bとは反対側に位置する連結刃34cに向かうに従い漸次インサート軸線方向に沿うインサート内側に向かって傾斜して延びており、これにより、インサート取付座3への標準加工用インサート30の装着姿勢に係わらず、主切れ刃34aにポジ(正)角を付与しやすくなっている。
また、一組の切れ刃組部のうち、さらい刃34bは、該さらい刃34bに隣接する主切れ刃34a(本実施形態では、該さらい刃34bにコーナー刃34dを挟んで隣り合う主切れ刃34a)から離間するとともに該主切れ刃34aとは反対側に位置する連結刃34cに向かうに従い漸次インサート軸線方向に沿うインサート内側に向かって傾斜して延びている。尚、さらい刃34bは、インサート軸線に垂直な仮想平面上に延びていてもよい。標準加工用インサート30におけるさらい刃34bの刃長は、主切れ刃34aの刃長よりも小さくされており、具体的には主切れ刃34aの刃長の半分以下とされている。
また、コーナー刃34dは、インサート径方向の外側へ向けて凸となる凸曲線状をなしている。
また、表裏面32の外周に沿って周方向に隣り合う一対(2組)の切れ刃組部のうち、一方の切れ刃組部の連結刃34cは、該一方の切れ刃組部の主切れ刃34aと、他方の切れ刃組部のさらい刃34bとを滑らかに繋いでいる。連結刃34cは、該連結刃34cに隣接する主切れ刃34aとは反対側の別の切れ刃組部のさらい刃34bに向かうに従い漸次インサート軸線方向に沿うインサート外側に向かって傾斜して延びている。尚、連結刃34cは、被削材に切り込まれる刃ではないことから、刃先が鋭角に形成されていなくても構わない。
また、表裏面32は、切れ刃34のインサート径方向の内側に連なり該切れ刃34に沿うように延びるブレーカ36と、ブレーカ36のインサート径方向の内側に位置して取付孔35の周囲に形成された着座部37と、を備えている。
着座部37は、表裏面32において取付孔35を囲うようにインサート周方向に延びる環状に形成されている。着座部37は、インサート軸線に垂直な円形平面状に形成されている。具体的に着座部37は、この標準加工用インサート30が装着されるインサート取付座3の底部8の形状に対応して形成されている。図示の例では、着座部37に、切れ刃34のうち使用した切れ刃組部の指標(目印)となる、切れ刃指標部38が形成されている。
ブレーカ36は、表裏面32における切れ刃34の内側に、該切れ刃34に隣接して形成されている。ブレーカ36は、切れ刃34に沿って延びる溝状或いは傾斜面状をなしている。ブレーカ36は、表裏面32における着座部37と切れ刃34との間に形成されており、本実施形態では、切れ刃34が表裏面32の周縁部に全周にわたって形成されているのに対応して、ブレーカ36も表裏面32の周縁部に全周にわたって形成されている。
外周面33は、インサート軸線に平行に形成されている。外周面33は、主切れ刃34aに連なる主切れ刃逃げ面33aと、さらい刃34bに連なるさらい刃逃げ面33bと、連結刃34cに連なる連結刃逃げ面33cと、コーナー刃34dに連なるコーナー刃逃げ面33dと、を備えている。
主切れ刃逃げ面33aは、平面状をなしており、具体的には、そのインサート軸線方向の両端部に位置する一対の主切れ刃34aがインサート軸線に対して傾斜し互いに平行に延びていることに対応して、平行四辺形面状に形成されている。つまり、主切れ刃逃げ面33aは、該主切れ刃逃げ面33aを正面に見て、左上がり(右下がり)に傾斜して延びる平行四辺形面状をなしている。
またこの標準加工用インサート30がインサート取付座3に装着された状態で、該インサート取付座3の一対の壁部9、10には、該標準加工用インサート30の外周面33において工具基端側を向くとともに互いに隣り合う一対の主切れ刃逃げ面33aが、それぞれ当接される。また、このような主切れ刃逃げ面33aの形状(平行四辺形面状)に対応して、インサート取付座3の壁部9、10が、上述のように傾斜した帯形平面状に形成されている。
さらい刃逃げ面33b及び連結刃逃げ面33cは、インサート軸線に平行な平面状をなしており、互いに同一形状とされている。表裏面32のうち、表面32の周縁部に位置するさらい刃34bのさらい刃逃げ面33bは、裏面32の周縁部に位置する連結刃34cの連結刃逃げ面33cとされている。
コーナー刃逃げ面33dは、インサート軸線に平行とされ、インサート径方向の外側に向けて凸となる凸曲面状に形成されている。
また、特に図示しないが、クランプネジ20は、雄ネジ加工が施されたネジ軸部と、ネジ軸部より大径とされた頭部と、を有している。クランプネジ20のネジ軸部は、インサート取付座3の雌ネジ孔11に螺着される。
このクランプネジ20を用いて、標準加工用インサート30を工具本体2のインサート取付座3に装着した状態においては、表裏面32のうちいずれか一方が、工具回転方向Tの前方を向いて配置されるとともに、すくい面とされる。また、表裏面32のうちいずれか他方が、工具回転方向Tの後方を向いて配置されるとともに、インサート取付座3の底部8に着座される着座面となる。
具体的に、この底部8には、表裏面32のうちいずれかの着座部37が当接される。
この標準加工用インサート30を刃先交換式正面フライス1の工具本体2に装着して被削材を正面フライス加工する際には、当該インサート30の表裏面32のうちすくい面とされる(つまり工具回転方向Tを向く)表面32又は裏面32の外周をなす切れ刃34において、工具本体2の先端外周部に位置する一の切れ刃組部が切削に供されることとなる。尚、前記一の切れ刃組部のうち、被削材の仕上げ面を良化するために設けられる仕上げ加工用のさらい刃34bは、工具本体2の工具軸線Oに垂直な仮想平面内に配置される。
図6、図7及び図9〜図11に示されるように、本実施形態の刃先交換式正面フライス1に装着される複数種類の切削インサート30、40のうち、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサート40は、多角形板状をなし、表裏反転対称形状とされたインサート本体41と、インサート本体41の表裏面42、及びこれら表裏面42の周縁同士をインサート軸線C方向に沿うように接続する外周面43と、表裏面42と外周面43との交差稜線部に形成された切れ刃44と、を備えている。
つまりこのワイパーインサート(切削インサート)40は、両面タイプの正面フライス用切削インサートである。
図10(a)において、本実施形態のインサート本体41は、その基本形状が五角形板状をなしており、具体的には、五角形板のうち2つの角部が面取り形状とされることで、七角形板状をなしている。またこれに対応して、表裏面42は、その基本形状が五角形面状をなしており、具体的には、五角形面のうち2つの角部が面取り形状とされることで、七角形面状をなしている。
インサート本体41には、該インサート本体41をその厚さ方向に沿うインサート軸線C方向に貫通して表裏面42の略中央(インサート軸線C上)に開口された取付孔45が形成されている。図11(b)において、取付孔45の内径は、そのインサート軸線C方向の両端部が最も大径とされ、該両端部からインサート軸線C方向の中央部へ向かうに従い漸次又は段階的に小径となっている。
また図10(a)において、インサート本体41は、外周面43のうち五角形基本形状をなす表裏面42の鋭角角部に対応する、後述する第2コーナー刃逃げ面43dの中心を通りインサート軸線Cに直交する対称軸Aに関して、180°回転対称形状とされており、これにより、該インサート本体41及びワイパーインサート40は、表裏反転対称形状となっている。
本実施形態では、表裏面42が5つの辺部と5つの隅部とを有する概略五角形面状に形成されており、より詳しくは、表裏面42は、上記辺部を構成する5つの長辺と、上記隅部を構成する2つの短辺及び3つのコーナーR部とを有しており、前記2つの短辺を辺部に含めた場合には、上述のように七角形面状に形成されていて、2つの長辺(後述する主切れ刃44a及びさらい刃44b)とこれらの間に位置する1つのコーナーR部(後述する第1コーナー刃44c)を備える一組の切れ刃組部が、表裏面42において対称軸Aに関して線対称形状となるように、2つ(2組)配置されている。
表裏面42の周縁部(具体的には外周縁部であり、表裏面42と外周面43との交差稜線部)には、切れ刃44が形成されている。
切れ刃44は、表裏面42の周縁部のうち、3つのコーナーR部、及びこれらコーナーR部を介して互いに連なる4つの長辺に対応する領域に形成されている。切れ刃44には、互いに隣り合い異なる向きに延びる一対のさらい刃44bが含まれている。
図10(a)に示されるように、インサート本体41の表裏面42を正面に見て、表裏面42は、一対のさらい刃44b間の角の仮想二等分線(つまりこの正面視でそれぞれ直線状をなす一対のさらい刃44b同士の間に形成される、角の仮想二等分線)を対称軸Aとする線対称形状とされている。
表面42、裏面42の各切れ刃44を構成する2組ずつ(つまり計4組)の切れ刃組部はそれぞれ、主たる切削に用いられる主切れ刃44aと、表裏面42を正面に見て、主切れ刃44aに対して鈍角を形成するように延び、被削材の仕上げ面を良化するために設けられる仕上げ加工用のさらい刃44bと、これら主切れ刃44a及びさらい刃44bを滑らかに繋ぐ曲線状の第1コーナー刃44cと、を有している。また、対称軸Aを挟んで隣り合う2組の切れ刃組部は、互いのさらい刃44b同士が、曲線状の第2コーナー刃44dにより滑らかに連結されている。
尚、第1コーナー刃44cは、標準加工用インサート30のコーナー刃34dに比べて、曲率半径(及び刃長)が同等以上の大きさとされていることが望ましい。
一組の切れ刃組部のうち、主切れ刃44aは、該主切れ刃44aに隣接するさらい刃44b(本実施形態では、該主切れ刃44aに第1コーナー刃44cを挟んで隣り合うさらい刃44b)から離間するに従い漸次インサート軸線C方向に沿うインサート内側に向かって傾斜して延びており、これにより、インサート取付座3へのワイパーインサート40の装着姿勢に係わらず、主切れ刃44aにポジ(正)角を付与しやすくなっている。
また、一組の切れ刃組部のうち、さらい刃44bは、インサート軸線Cに垂直な仮想平面上に配置されて延びている。ワイパーインサート40におけるさらい刃44bの刃長は、主切れ刃44aの刃長に対して同等以上となっており、具体的に本実施形態では、主切れ刃44aの刃長よりも大きくされている。
また、第1、第2コーナー刃44c、44dは、インサート径方向の外側へ向けて凸となる凸曲線状をなしている。
また、表裏面42は、切れ刃44のインサート径方向の内側に連なり該切れ刃44に沿うように延びるブレーカ46と、ブレーカ46のインサート径方向の内側に位置して取付孔45の周囲に形成された着座部47と、を備えている。
着座部47は、表裏面42において取付孔45を囲うようにインサート周方向に延びる環状に形成されている。着座部47は、インサート軸線Cに垂直な円形平面状に形成されている。具体的に着座部47は、このワイパーインサート40が装着されるインサート取付座3の底部8の形状に対応して形成されている。
ブレーカ46は、表裏面42における切れ刃44の内側に、該切れ刃44に隣接して形成されている。ブレーカ46は、切れ刃44に沿って延びており、該切れ刃44からインサート径方向の内側へ向かうに従い漸次インサート軸線C方向に沿うインサート内側に向けて傾斜する傾斜面状に形成されている。尚、ブレーカ46は、切れ刃44に沿って延びる溝状であってもよい。ブレーカ46は、表裏面42における着座部47と切れ刃44との間に形成されている。
また、表裏面42のうち同一の面(表面42又は裏面42)に形成された着座部47と切れ刃44との相対位置は、図11(b)に示されるように、切れ刃44に対して着座部47が、インサート本体41のインサート軸線C方向に沿うインサート内側に配置されている。
そして、図9〜図11において、表裏面42には、該表裏面42における周縁(周縁部)のうち、さらい刃44bから離間して位置するとともに、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に当接するインサート本体41の外周面43部分(後述する当接面43e)に隣り合う部分に、突起部48が形成されている。具体的に、本実施形態の突起部48は、表裏面42の周縁部のうち、一対のさらい刃44b及び第2コーナー刃44dとはインサート軸線Cを挟んだ反対側に配置されている。
突起部48は、インサート周方向に沿って延びるリブ状をなしている。また、突起部48のインサート径方向の内側を向く面はインサート径方向の外側へ向けて窪む凹曲面状をなしており、インサート径方向の外側を向く面は平面状に形成されている。具体的に、突起部48のうち、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に対向する面(突起部48においてインサート径方向の外側を向く面)は、該壁部10に当接するインサート本体41の外周面43部分(当接面43e)に段差なく面一となるように形成されている。
図10(a)(b)において、突起部48のインサート周方向に沿う両端部は、インサート周方向に沿って対称軸Aから離間するに従い漸次インサート軸線C方向に沿う高さが低くなっており、またインサート径方向に沿う幅については大きくなっている。
また図11(a)(b)において、突起部48は、インサート径方向の外側へ向かうに従い漸次そのインサート軸線C方向に沿う高さが高くなっている。
外周面43は、インサート軸線Cに平行に形成されている。外周面43は、主切れ刃44aに連なる主切れ刃逃げ面43aと、さらい刃44bに連なるさらい刃逃げ面43bと、第1コーナー刃44cに連なる第1コーナー刃逃げ面43cと、第2コーナー刃44dに連なる第2コーナー刃逃げ面43dと、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に当接させられる当接面43eと、当接面43eのインサート周方向の両側に隣り合う一対の面取り状面43fと、を備えている。
主切れ刃逃げ面43aは、平面状をなしており、具体的には、そのインサート軸線C方向の両端部に位置する一対の主切れ刃44aがインサート軸線Cに対して互いに逆向きに傾斜していることに対応して、台形面状に形成されている。つまり、主切れ刃逃げ面43aは、該主切れ刃逃げ面43aを正面に見て、インサート周方向に沿ってさらい刃逃げ面43bから面取り状面43f側(当接面43e側)へ向かうに従い漸次インサート軸線C方向に沿う幅が狭くなる台形面状をなしている。
さらい刃逃げ面43bは、平面状をなしており、具体的には、矩形面状に形成されている。つまり、さらい刃逃げ面43bは、該さらい刃逃げ面43bを正面に見て、インサート周方向の全長にわたってインサート軸線C方向に沿う幅が一定とされた矩形面状をなしている。
第1、第2コーナー刃逃げ面43c、43dは、インサート軸線Cに平行とされ、インサート径方向の外側に向けて凸となる凸曲面状にそれぞれ形成されている。
また、図10(a)に示されるように表裏面42を正面に見て、当接面43eは、主切れ刃逃げ面43aに対して垂直となるように形成されている。図10(b)に示されるように当接面43eは、該当接面43eを正面に見て、矩形面状をなしている。
面取り状面43fは、主切れ刃逃げ面43aと当接面43eとの間に配置され、これらに対してそれぞれ鈍角をなすように交差して形成されている。図示の例では、面取り状面43fは、矩形面状をなしている。
このワイパーインサート40がインサート取付座3に装着された状態で、該インサート取付座3の一対の壁部9、10のうち、工具径方向の内側に位置するとともに、工具先端側及び工具径方向の外側を向く壁部9には、該ワイパーインサート40の外周面43において、工具基端側を向くとともに工具径方向の内側を向く主切れ刃逃げ面43aが当接される。また、インサート取付座3の一対の壁部9、10のうち、工具径方向の外側に位置するとともに、工具先端側及び工具径方向の内側を向く壁部10には、該ワイパーインサート40の外周面43において、工具基端側を向くとともに工具径方向の外側を向く当接面43eが当接される。
また図6及び図7において、クランプネジ20を用いて、ワイパーインサート40を工具本体2のインサート取付座3に装着した状態においては、表裏面42のうちいずれか一方が、工具回転方向Tの前方を向いて配置されるとともに、すくい面とされる。また、表裏面42のうちいずれか他方が、工具回転方向Tの後方を向いて配置されるとともに、インサート取付座3の底部8に着座される着座面となる。
具体的に、この底部8には、表裏面42のうちいずれかの着座部47が当接される。
このワイパーインサート40を刃先交換式正面フライス1の工具本体2に装着して被削材を正面フライス加工する際には、当該インサート40の表裏面42のうちすくい面とされる(つまり工具回転方向Tを向く)表面42又は裏面42の外周をなす切れ刃44において、工具本体2の先端外周部に位置する一の切れ刃組部が切削に供されることとなる。尚、前記一の切れ刃組部のうち、被削材の仕上げ面を良化するために設けられる仕上げ加工用のさらい刃44bは、工具本体2の工具軸線Oに垂直な仮想平面内に配置される。
以上説明した本実施形態のワイパーインサート40及びこれを用いた刃先交換式正面フライス1によれば、インサート取付座3の形状を、切削インサート30、40の種類に応じて異ならせることなく共通化して(標準加工用インサート30とワイパーインサート(仕上げ加工用インサート)40とでインサート取付座3を別々の形状にすることなく同一形状として)、工具本体2の製造容易性、工具本体2への切削インサート30、40の装着容易性、及び種々の切削加工条件(例えば工具本体2にワイパーインサート40を1つ設ける場合のみならず、高送りに応じて2〜3つのワイパーインサート40を用いる場合等)への対応容易性を向上させつつ、ワイパーインサート40が取り付けられるインサート取付座3においては、該インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10の摩耗の進行を顕著に抑制することができる。
具体的に従来では、図12〜図15に示されるように、互いに同一形状とされた複数のインサート取付座102に対して、標準加工用インサート103とワイパーインサート104とをそれぞれ装着した場合に、ワイパーインサート104が装着されたインサート取付座102において工具先端側を向く壁部102aの一部が露出して、切屑に擦過され摩耗するおそれがあった。
これは、標準加工用インサート103が、インサート軸線回りに90°回転対称形状、かつ表裏反転対称形状とされて、インサート本体の外周面の幅(表裏面同士を繋ぐ方向の長さ)が、外周面全体に略一定とされているのに対して、ワイパーインサート104は、例えばさらい刃104aの長さを工具一回転あたりの送り量よりも長くする必要性などにより、インサート軸線回りの回転対称形状には形成し難いこと、及び製造の材料費等を鑑みて、インサート本体の外周面のうち、さらい刃104aに対応する部分(隣り合う部分)の幅に対して、さらい刃104aに対応していない部分(具体的にはインサート取付座102の工具先端側を向く壁部102aに当接する部分、当接面)の幅を小さくしている理由等による。
特に本実施形態で説明したように、標準加工用インサート30の主切れ刃34aがポジ角に設定された構成(主切れ刃34aがインサート軸線に垂直な平面に対してポジ角となるように傾斜して延びている構成)の場合には、該主切れ刃34aに対応するインサート本体31の外周面33部分(主切れ刃逃げ面33a)も傾斜させられるため、該外周面33部分に当接させられるインサート取付座3の工具先端側を向く壁部10も傾斜して形成されることとなる。このように傾斜した壁部10を有するインサート取付座3に対して、従来のワイパーインサート104を装着した場合に、上述した露出が生じやすくなり摩耗の問題が顕著となりやすい。そして、インサート取付座3の前記壁部10が切屑に擦過され摩耗すると、次にこのインサート取付座3に標準加工用インサート103を装着した場合に、着座安定性が確保できなくなり、加工精度に影響することがある。
そこで本実施形態では、ワイパーインサート40のインサート本体41の表裏面42における周縁のうち、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に当接させられるインサート本体41の外周面43部分(当接面43e)に隣り合う部分に、突起部48を設けており、図6及び図7に示されるように、この突起部48によりインサート取付座3の前記壁部10が覆われて露出が防止され、該壁部10に対して切屑が擦過することが防止される。また、突起部48によって切屑の流出方向を変えることができるので、前記壁部10に対する切屑の擦過をより確実に防止することが可能である。つまり、さらい刃44bが被削材を切削して生じた切屑が、インサート本体41の表裏面42上を流れていき突起部48に当てられることで向きを変えられ、インサート取付座3の壁部10に当たることがより顕著に防止されて、摩耗の進行が抑制される。
以上より本実施形態によれば、複数のインサート取付座3の形状を、標準加工用インサート30とワイパーインサート40で区別することなく共通化して、工具本体2の製造容易性、工具本体2への切削インサート30、40の装着容易性、及び種々の切削加工条件への対応容易性を向上させつつも、ワイパーインサート40が取り付けられたインサート取付座3の工具先端側を向く壁部10の摩耗を防止でき、該インサート取付座3に装着される切削インサート30、40による切削加工の精度を、高品位に安定して維持することができるのである。
また本実施形態において、突起部48のうち、インサート取付座3の前記壁部10に対向する面(インサート径方向の外側を向く端面)は、該壁部10に当接するインサート本体41の外周面43部分(当接面43e)に面一となるように形成されているので、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に対して、インサート本体41の外周面43部分とともに該突起部48を当接させることができる。つまり、突起部48により上述した壁部10摩耗を抑制する作用効果を奏しつつ、この壁部10に対して広範囲にインサート本体41を当接させることが可能になり、ワイパーインサート40の着座安定性が向上する。
また本実施形態において、ワイパーインサート40は、インサート本体41の表裏面42を正面に見て、表裏面42が、一対のさらい刃44b間の角の仮想二等分線を対称軸Aとする線対称形状とされているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、工具本体2の工具回転方向Tが、工具軸線O回りの一方又は他方のいずれの向きであっても(つまり右勝手か左勝手かによらず)、同一のワイパーインサート40を使用でき、部品共通化できる。
また本実施形態において、標準加工用インサート30及びワイパーインサート40の各切れ刃34、44は、表裏面32、42を正面に見て、さらい刃34b、44bとの間に鈍角を形成するように延びる主切れ刃34a、44aを含み、主切れ刃34a、44aは、さらい刃34b、44bから離間するに従いインサート本体31、41のインサート軸線C方向に沿うインサート内側に向けて延びているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、インサート取付座3に対して、標準加工用インサート30及びワイパーインサート40の装着姿勢をアキシャルレーキ角がネガ(負)となる姿勢としても(つまりインサート軸線Cが工具回転方向Tの前方に向かうに従い工具先端側へ向けて延びている場合でも)、該インサート30、40の主切れ刃34a、44aをポジ(正)角に設定することが可能になる。従って、切削インサート30、40の切れ刃34、44のうち、さらい刃34b、44bの刃物角を大きく確保して刃先強度を確保しつつ、主切れ刃34a、44aの切れ味を高めることができるのである。
尚、上記構成の場合、ワイパーインサート40の主切れ刃44aが傾斜していることでインサート本体41の外周面43のうち、インサート取付座3の工具先端側を向く壁部10に当接する部分(前記インサート本体41の外周面43部分)の幅(表裏面42同士を繋ぐインサート軸線C方向の長さ)がより小さくなることが考えられるが、本実施形態のワイパーインサート40は上述の通り突起部48を備えているので、該ワイパーインサート40が装着されたインサート取付座3の前記壁部10の露出を確実に防止できる。
また本実施形態において、切削インサート30、40のインサート本体31、41は、それぞれ表裏反転対称形状とされているので、切れ刃34、44は、インサート本体31、41の表面32、42と外周面33、43との交差稜線部のみならず、裏面32、42と外周面33、43との交差稜線部にも形成されることとなって、使用可能な切れ刃34、44の数が倍増され、工具寿命を顕著に延長することができる。
尚、本実施形態はこれに限定されるものではなく、切削インサート30、40の切れ刃34、44は、表裏面32、42のうち少なくとも表面32、42と、外周面33、43との交差稜線部に形成されていればよく、裏面32、42と、外周面33、43との交差稜線部には形成されていなくてもよい。つまり切削インサート30、40は、表裏反転対称形状でなくても構わない。
また本実施形態において、ワイパーインサート40の表裏面42には、インサート取付座3の工具回転方向Tを向く底部8に当接する着座部47が形成され、表裏面42のうち同一の面42に形成された着座部47と切れ刃44との相対位置は、切れ刃44に対して着座部47が、インサート軸線C方向に沿うインサート内側に配置されているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、図11(b)に示されるように、インサート本体41の表裏面42は、同一の面42に形成された着座部47から切れ刃44へ向かうに従い、インサート軸線C方向に沿うインサート外側へ向かって傾斜して延びることになり、これにより切れ刃44のすくい角をポジ(正)に大きく確保しやすくなって、切れ味を高めることができる。また、表面42(又は裏面42)の切れ刃44と、裏面42(又は表面42)の着座部47とのインサート軸線C方向に沿う距離Lを小さくできることから、切削時に切れ刃44が切削抵抗を受けて生じるモーメントを低減させることが可能になり、着座安定性が向上する。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ワイパーインサート40の突起部48におけるインサート径方向の外側を向く面(インサート取付座3の壁部10に対向する面)が、インサート本体41の外周面43における当接面43eに面一に形成されていることとしたが、これに限定されるものではなく、面一に形成されていなくてもよい。すなわち、突起部48におけるインサート径方向の外側を向く面と、当接面43eとの間に段差部が設けられていたり、突起部48のインサート径方向の外側を向く面が、当接面43eに対して傾斜させられた傾斜面であってもよい。
また、切削インサート30、40のインサート取付座3への装着姿勢がネガであっても、該切削インサート30、40の主切れ刃34a、44aがポジ角となるように傾斜して延びているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、主切れ刃34a、44aは、例えばインサート軸線Cに垂直な仮想平面内に配置されていてもよい。
また、前述の実施形態では、ワイパーインサート40の主切れ刃44aが、他の標準加工用インサート30の主切れ刃34aと同様に、被削材の切削加工に用いられることとしたが、ワイパーインサート40の主切れ刃44aは、切削に用いられなくてもよい。
また、前述の実施形態では、同一の表裏面42内に形成された着座部47及び切れ刃44のうち、着座部47が、切れ刃44よりもインサート軸線C方向に沿うインサート内側に配置されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、着座部47は、切れ刃44に対してインサート軸線C方向に沿う位置が同一とされていたり、切れ刃44に対してインサート軸線C方向に沿うインサート外側に配置されていてもよい。
また、図4に示されるものは本発明の参考例であり、この例においては、すべてのインサート取付座3に対して、標準加工用インサート30が装着されている。また特に図示しないが、本発明では、すべてのインサート取付座3に対して、ワイパーインサート40を装着し切削加工に用いることとしてもよい。このように、工具本体2の複数のインサート取付座3に対して、ワイパーインサート40及び標準加工用インサート30のいずれかのみを装着した刃先交換式正面フライス1とすることも可能である。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 刃先交換式正面フライス
2 工具本体
3 インサート取付座
8 底部
10 壁部
30 標準加工用インサート(切削インサート)
40 ワイパーインサート(切削インサート)
41 インサート本体
42 表裏面
43 外周面
43e 当接面(インサート本体の外周面部分)
44 切れ刃
44a 主切れ刃
44b さらい刃
47 着座部
48 突起部
A 対称軸
C インサート軸線
O 工具軸線
T 工具回転方向

Claims (8)

  1. 工具軸線回りに回転させられる工具本体の先端外周部に、工具周方向に間隔をあけて複数設けられ互いに同一形状とされたインサート取付座に対して、それぞれ着脱可能に装着される複数の切削インサートのうち、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサートであって、
    五角形板状をなすインサート本体と、
    前記インサート本体の表裏面、及びこれら表裏面の周縁同士を接続する外周面と、
    前記表裏面のうち少なくとも表面と、前記外周面との交差稜線部に形成された切れ刃と、を有し、
    前記表面は、5つの辺部と5つの隅部とを有し、
    前記切れ刃は、4つの前記辺部及び3つの前記隅部に対応する領域に形成され、
    前記切れ刃は、前記工具軸線に垂直な仮想平面内に配置可能なさらい刃を有し、
    前記表面における周縁のうち、前記さらい刃から離間して位置するとともに、前記インサート取付座の工具先端側を向く壁部に当接する前記インサート本体の外周面部分に隣り合う部分には、突起部が形成され
    前記突起部は、前記切れ刃が形成されない1つの前記辺部に配置されることを特徴とするワイパーインサート。
  2. 請求項1に記載のワイパーインサートであって、
    前記突起部のうち、前記インサート取付座の前記壁部に対向する面は、該壁部に当接する前記インサート本体の外周面部分に面一となるように形成されていることを特徴とするワイパーインサート。
  3. 請求項1又は2に記載のワイパーインサートであって、
    前記切れ刃には、互いに隣り合い異なる向きに延びる一対の前記さらい刃が含まれており、
    前記インサート本体の表面を正面に見て、前記表面は、一対の前記さらい刃間の角の仮想二等分線を対称軸とする線対称形状とされていることを特徴とするワイパーインサート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイパーインサートであって、
    前記切れ刃は、前記表面を正面に見て、前記さらい刃との間に鈍角を形成するように延びる主切れ刃を含み、
    前記主切れ刃は、前記さらい刃から離間するに従い前記インサート本体のインサート軸線方向に沿うインサート内側に向けて延びていることを特徴とするワイパーインサート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のワイパーインサートであって、
    前記インサート本体は、表裏反転対称形状とされていることを特徴とするワイパーインサート。
  6. 請求項5に記載のワイパーインサートであって、
    前記表裏面には、前記インサート取付座の工具回転方向を向く底部に当接する着座部が形成され、
    前記表裏面のうち同一の面に形成された前記着座部と前記切れ刃との相対位置は、前記切れ刃に対して前記着座部が、前記インサート本体のインサート軸線方向に沿うインサート内側に配置されていることを特徴とするワイパーインサート。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイパーインサートであって、
    前記突起部は、インサート軸線回りのインサート周方向に延びるリブ状であり、
    前記突起部の前記インサート軸線に直交するインサート径方向の内側を向く面は、前記インサート径方向の外側へ向けて窪む凹曲面状をなし、
    前記突起部は、前記インサート径方向の外側へ向かうに従い漸次前記インサート軸線方向に沿う高さが高くなることを特徴とするワイパーインサート。
  8. 工具軸線回りに回転させられる工具本体と、
    前記工具本体の先端外周部に、工具周方向に間隔をあけて設けられ互いに同一形状とされた複数のインサート取付座と、
    前記インサート取付座に着脱可能に装着される複数の切削インサートと、を備え、
    前記複数の切削インサートには、
    被削材の切削加工面の標準加工に用いられる標準加工用インサートと、
    前記標準加工用インサートとは異なる形状とされ、被削材の切削加工面の仕上げ加工に用いられるワイパーインサートと、が含まれており、
    前記ワイパーインサートとして、請求項1〜のいずれか一項に記載のワイパーインサートを、前記複数のインサート取付座のうち少なくとも1つ以上に装着したことを特徴とする刃先交換式正面フライス。
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