以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る運転支援装置のブロック図である。なお、図1に示す構成は、車両の構成のうち、運転支援装置100に関係する構成を示している。図1に示すように、本実施形態に係る運転支援装置100は、制御装置10、自車両の外部に固定された4つのカメラ1a〜1d、レーダ2、車速センサ3、操舵角センサ4、ターンシグナルスイッチ5、モニタ6、およびナビゲーションシステム20を備えている。これらの各装置はCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
カメラ1a〜1dは、自車両の近傍を撮像するための車載用のカメラであって、車両の外部の異なる位置に各々設置され、車両周囲の4方向の画像をそれぞれ撮像する。図2に、カメラ1a〜1dの配置例を示す。たとえば、図2に示すように、フロントグリル近傍などの車両前方の所定位置に設置されたカメラ1aは、車両前方の所定撮像エリアの画像(フロントビュー画像)を撮像する。左サイドミラーなどの車両左側方の所定位置に設置されカメラ1bは、車両左側方の所定撮像エリアの画像(左サイドビュー画像)を撮像する。ルーフスポイラーなどの車両後方の所定位置に設置されたカメラは、車両後方の所定撮像エリアの画像(リアビュー画像)を撮像する。右サイドミラーなどの車両右側方の所定位置に設置されたカメラ1dは、車両右側方の所定撮像エリアの画像(右サイドビュー画像)を撮像する。これら4台のカメラ1a〜1dは所定周期で撮像画像を制御装置10へ送出する。制御装置10は、カメラ1a〜1dから撮像画像をそれぞれ取得する。カメラ1a〜1dは、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラで構成されている。これらカメラ1a〜1dは、車両周辺を所定の周期で撮像し、得られた撮像画像を制御装置10に出力する。
レーダ2は、ミリ波レーダ等を発信し、発信された電波の反射信号を測定する装置であって、車両の外部に対して電波を発信できる位置に設けられている。レーダ2は、自車両の周囲に配置された構造物からの反射波を測定することで、自車両の周囲を走行する他車両や、電柱、壁等の障害物を検出する。レーダ2は、検出信号を制御装置10に出力する。
車速センサ3、及び操舵角センサ4は、自車両の挙動を検出する。具体的には、車速センサ2は、自車両の車速を検出する。また、操舵角センサ4は、自車両のハンドル操舵角を検出する。ターンシグナルスイッチ5は、ドライバの操作により、方向指示器を操作するためのスイッチである。
車速センサ3、操舵角センサ4による、車速の検出及び操舵角の検出は所定の周期で繰り返し実行される。そして、車速センサ3及び操舵角センサ4は、車速信号および操舵角信号を制御装置10に出力する。また、ターンシグナルスイッチ5は、スイッチの操作信号を制御装置10に出力する。なお、自車両の挙動を検出するセンサは、上記の車速センサ3等に限らず、他のセンサであってもよい。
本実施形態の運転支援装置100は、運転操作を支援する各種情報を運転者に提示するモニタ6を備える。モニタ6は、自車両の近傍から遠方までの画像を表示画面上に表示させる。モニタ6は、図2に示すように、運転手の前方のインストルメントパネルに設けられる。モニタ6は、タコメータ、スピードメータの表示も兼用している。なお、ディスプレイ6の表示画面は後述する。
制御装置10は、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えている。
ナビゲーションシステム20は、車両の現在地を測位し、目的地までの走行ルートを検索し、モニタ6に表示することで、運転を支援するシステムである。ナビゲーションシステム20は、データベース21、受信器22、及びCPU23を有している。データベース21は、半導体メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶媒体であり、地図データ等を記憶している。受信器22は、衛星受信用のアンテナ、渋滞や交通規制などの道路交通情報を受信するアンテナ等である。CPU23は、データベース21に記録されている地図データと、受信器22を利用した衛星通信によるグローバルポジションシステムとを組みあわせることで、車両の現在地、目的地までの経路誘導を行うコントローラである。また、CPU23は、受信器22で受信した交通情報をモニタ6への表示などで報知している。ナビゲーションシステム20による制御信号はモニタ6及び制御装置10に出力される。
次に、図1〜図6を用いて、運転支援装置100により、モニタ6に表示される表示画面の制御について説明する。制御装置10は、表示画像を生成し、生成した画像をモニタ6に表示させるために、撮像画像取得機能と、画像変換機能と、画像生成機能と、白線検出機能と、地図データ取得機能と、車線変更支援機能と、表示制御機能とを備えている。制御装置10は、上記各機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。
図3は、運転支援装置100のブロック図である。図3では、制御装置10のうち、上記機能を発揮するための構成を示している。図4は、モニタ6の表示画面を説明するための図であって、図2のうちモニタ6の部分の拡大図である。図5は、図4に示すモニタ6の表示画面から、スピードメータを除いた表示画面の一例を示している。
図3に示すように、制御装置10は、近傍画像制御部110、接続画像生成部120、遠方画像制御部130、画像結合部140、車線変更制御部150、及び速度計制御部160を有している。近傍画像制御部110は、カメラ1a〜1dの撮像画像等に基づき、自車両の近傍を示す近傍画像を生成しつつ、生成した画像の検出を行う。
ここで、図3に示す各構成を説明する前に、運転支援装置100で生成され、モニタ6で表示される表示画面について、図4及び図5を用いて説明する。本例の運転支援装置100により生成され、モニタ6に表示される表示画面は、自車両の近傍から遠方までの外部の状況を示す画像と、スピードメータを示す画像により構成されている。そして、外部の状況を示す画像は、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203を有している。
近傍画像201は、自車両上方の仮想視点から自車両および自車両周囲を見下ろした俯瞰画像であって、自車両の左右の周囲と、車両前方及び後方の近傍部分を表示している。近傍画像201において、自車両Aの前方及び後方のそれぞれの距離は、例えばレーダ2の検出範囲等に設定され、数十メートル程度である。
遠方画像203は、自車両の近傍よりも遠方の位置を示す画像であって、後述する接続画像202よりも遠方の位置を表している。遠方画像203は、ナビゲーションシステムで利用される地図データから生成される画像あって、自車両の位置から進行方向に向かって数百メートルの位置を示している。近傍画像201が、自車両の周囲を画像で示しているのに対して、遠方画像202は、交差点などの道路形状(道路線形)、走行経路上の目標物(例えば、右左折などの進路変更の際に目印になる建物など)を画像で示している。
接続画像202は、近傍画像201で示す位置より遠方を表し、かつ、遠方画像203で示す位置より近傍を表し、近傍画像201と遠方画像203とを接続する仮想画像である。接続画像202は、モニタ6に、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203を表示したときに、表示画面上の平面内で、近傍画像201を近くに、遠方画像を遠くに写すための画像である。近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203は、それぞれ、平面視で長方形に形成されている。ただし、傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203は、モニタ6に表示した場合には、各画像で継ぎ目の無い、1枚の連続画像で表示される。
上記のとおり、近傍画像201と遠方画像203は、それぞれ表している位置が異なるため、近傍画像201と遠方画像203とを1画面で表示させるためには、近傍画像201と遠方画像203とを、滑らかに、言い換えると連続画像として接続するような、画像が必要となる。この画像が、接続画像202に相当する。そして、モニタ6の表示画面上で、ドライバに近い側から、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203の順で配置される。
図5に示すように、近傍画像201が表示する車線と、遠方画像203の前後方向(自車両Aの進行方向に沿った方向)の車線とが同一の車線を示している。この車線は、表示画面の中央に位置し、近傍画像201で示される当該車線の幅は、遠方画像203で示される当該車線の幅より広がっている。接続画像202は、近傍画像201の車線、遠方画像の203の車線とを滑らかに接続させるために、車線の両側に位置する白線aと白線bとの間の間隔が徐々に狭まるような、曲線で、白線a、bを描いている。また2車線の走行車線の中央線(図5の点線c)、自車両Aと反対側の走行車線の中央線(図5の点線d)、及び自車両Aの走行車線と反対側の走行車線との境界線(図5の点線e)も、同様に曲線で描かれている。
さらに曲線a〜eの形状について、それぞれの曲線の接点における傾きは、近傍画像201から離れるに連れて増加し、その傾きの増加量は徐々に減少し、傾きが、曲線上の中央付近の点で、増加から減少に転じて、その傾きの減少量が徐々に増加して、さらに減少するように、曲線a〜eが描かれている。言い換えると、接続画像上で表示される曲線(車線を示す線)は、近傍画像201から遠方画像203に向けて、中央の線(表示画像で、車両Aの進行方向に沿った中心線)に収束するように描かれている。
モニタ6の表示画面は、水平方向に対して傾斜している。水平方向の面と傾斜面とで作られる角度は鋭角になっている。そして、この傾斜面に、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203を表示すると、運転手は、モニタ6の表示画面のうち、運転手に近い側の画像(手前側の画像)を、近くの画像として認識し、モータ6の表示画面の遠い位置ほど、遠くの画像として認識する。
車両が走行すると、図5の遠方画像203で表示される交差点は、自車両Aに近づいてくる。そのため、遠方画像203の交差点の位置は、車両の走行に伴い、遠方画像203から接続画像202に、モニタ6の画面上で移動し、さらに車両の走行に伴い、接続画像202から近傍画像201に移動する。これにより、遠方画像で表示される道路線形が、車両の走行に伴い、自車両Aに近づくように表示される。そして、表示画面上における道路線形の移動速度は、自車両Aの車速に対応している。
また、図5に示すように、近傍画像201において、自車両Aが走行する走行車線の道幅が、当該走行車両に隣接する隣接車線の道幅よりも大きくなっている。これにより、車両のユーザは、自車両Aの走行車線の道路の状況、及び、自車両Aの進行方向と同方向に走行する走行車線の道路の状況を、容易に認識できる。
スピードメータは、近傍画像201等を含む道路の画像の左側に配置されている。スピードメータは、現在の車両の速度、車線変更する際の推奨速度を表示している。車線変更をする際の推奨速度については、後述する。
図3に戻り、近傍画像制御部110は、近傍画像生成部111、及び第1接続点設定部112を有している。近傍画像生成部111は、カメラ1a〜1dの撮像画像、レーダ2の検出値、及び車速センサ3で検出された車速から、自車両の近傍画像を生成し、生成した近傍画像を、第1接続点設定部112及び画像結合部140に出力する。
近傍画像生成部111は、各カメラ1a〜1dから撮像画像を取得して、自車両上方の仮想視点から自車両および自車両周囲を見下ろした俯瞰画像に変換するとともに、これらを繋ぎ合わせて、一つの合成俯瞰画像を生成する。具体的には、制御装置10は、異なる位置のカメラ1a〜1dによって取得された各撮像画像を、各撮像画像の画素アドレスと合成俯瞰画像におけるアドレスとの対応関係を示す変換テーブルを参照して、合成俯瞰画像の座標へ変換する。
また近傍画像生成部111は、合成俯瞰画像の座標へ変換する際、自車両Aの走行方向と、同方向を走行する走行車線の道幅を、反対側の車線の道幅よりも大きくなるように、画像を生成する。そして、制御装置10は、座標変換された各撮像画像を繋ぎ合せ、自車両周囲の様子を示す一つの合成俯瞰画像を生成する。
さらに、近傍画像生成部111は、レーダ2で検出した構造物を画像で表して、上記で合成した俯瞰画像にさらに合成する。これにより、図5に示す近傍画像201が生成される。カメラ1a〜1dは、車両の走行中に、所定の周期で撮影を行っている。そして、近傍画像生成部111は、撮影周期の間の画像を生成するために、合成した画像が、車速センサ3で検出された車速で、モニタ6上を移動するように、合成画像を生成している。
第1接続点設定部112は、近傍画像生成部111で生成された近傍画像201と接続画像202とを接続する第1接続線上の第1接続点を設定する。第1接続点は、接続画像202で描かれる曲線の基準点(始点)であり、言い換えると、接続画像202内で道路を示す中央線又は境界線の基準点(始点)である。第1接続点は、近傍画像201と接続画像202の接続線上の点である。
図6を用いて、第1接続点設定部112による接続点の設定の制御について説明する。図6は、図5の表示画面から、自車両A等を省略して、道路のみを表している。図6のX方向は車線の道幅方向(自車両Aの進行方向に対して垂直な方向)を示し、Y方向は車線に対して平行な方向(自車両Aの進行方向)を示している。
第1接続点設定部112は、第1接続点を設定するために、まず近傍画像201から画像認識により車線f1〜f5を検出する。そして、第1接続点設定部112は、近傍画像201内で検出された車線を示す線(境界線又は中央線)と、近傍画面201の周囲に位置する4辺のうち接続画面202と接する側の1辺(図のL1)との交点を、第1接続点に設定する。直線L1は第1接続線に相当する。
本例では、第1接続線上の5つの交点の内、最も外側(Y方向への外側)の交点を、第1接続点P1、P3とし、自車両Aの走行側の走行車線(直線f1〜f3で描かれる2車線)と反対側の走行車線(直線f3〜f5で描かれる2車線)との境界線(直線f3で描かれる車線)と直線L1との交点を、第1接続点P2としている。すなわち、第1接続点(P1〜P3)は走行車線の道幅に相当する線分の両端の二点をそれぞれ示している。ここで、走行車線は、必ずしも1車線に限らず複数車線であってもよく、また一方向の車線に限らず、反対方向の車線も含めた複数車線でもよい。
第1接続点(P1〜P3)は、表示画面上の座標により表される。そして、第1接続点設定部112は、設定した第1接続点(P1〜P3)の情報を、接続画像生成部120に出力する。
遠方画像制御部130は、遠方画像生成部131、及び第2接続点設定部132を有している。遠方画像生成部131は、ナビゲーションシステム20のデータベース21に記憶されている地図データから、遠方画像203を生成する。自車両の位置に対して、遠方画像203で表示する道路線形までの距離は予め決まっている。そのため、遠方画像生成部131は、自車両の位置に対して遠方画像203として表示される画像内の地図データをデータベース21から抽出する。そして、遠方画像生成部131は、遠方画像地図データに含まれる道路線形のデータ及び目標物のデータから、遠方画像203を作成する。遠方画像には、道路線形及び目標物が配置される。これにより、遠方画像203が生成される。遠方画像生成部131は、遠方画像203を、第2接続点設定部132及び画像結合部140に出力する。
第2接続点設定部132は、遠方画像生成部131で生成された遠方画像203と接続画像202とを接続する第2接続線上の第2接続点を設定する。第2接続点は、接続画像202で描かれる曲線の基準点(終点)であり、言い換えると、接続画像202内で道路を示す中央線又は境界線の基準点(終点)である。第2接続点は、近傍画像203と接続画像202の接続線上の点である。
第2接続点設定部132による接続点の設定の制御について説明する。第2接続点設定部132は、遠方画像203の周囲に位置する4辺のうち接続画面202と接続する接続線(第2接続線L2に相当)を特定する。そして、第2接続点設定部132は、第2接続線L2の中点の位置に、第2接続点Q2を設定する。また、第2接続点設定部132は、第2接続線L2上で、第2接続点Q2に対して所定の間隔を空けた位置に、第2接続点Q1、Q3を設定する。所定の間隔は、遠方画面203上で、表示画面の中心線と平行な車線の道幅(X方向への道幅)に相当する。
すなわち、第2接続点(P1〜P3)は走行車線の道幅に相当する線分の両端の二点をそれぞれ示している。第2接続点Q1とQ2との間隔、及び、第2接続点Q2とQ3との間隔は、表示画面上の中心線に沿う車線の幅に応じて設定してもよく、車線の幅が広いほど、それぞれの間隔が広くなるように設定してもよい。ただし、第2接続点Q1とQ2との間隔、及び、第2接続点Q2とQ3との間隔は、第1接続点P1とP2との間隔、及び、第2接続点P2とP3との間隔より狭くなっている。第2接続点(Q1〜Q3)は、表示画面上の座標により表される。そして、第2接続点設定部132は、設定した第2接続点(Q1〜Q3)の情報を、接続画像生成部120に出力する。
接続画像生成部120は、第1接続点(P1〜P3)と第2接続点(Q1〜Q3)とを連続した曲線で接続した接続画像を生成する。
曲線gを表すための変換式は予め決まっており、変換式の変数を変えることで、曲線gの軌跡が変わる。また曲線gの始点及び終点の特徴として、近傍画像201の中央線又は境界線を示す直線L1〜L5と曲線g1〜g5との接続点、及び、遠方画像203のY方向に沿う中央線又は境界線を示す直線と曲線g1〜g5との接続点で、それぞれ屈曲点とならないように、曲線gの変換式あるいは軌跡を表す式が設定されている。
接続画像202で描かれる曲線gのうち、Y方向の長さは固定されているため、X方向の長さを圧縮することで、曲線gが描かれる。曲線gの始点及び終点に相当する第1接続点(P1〜P3)及び第2接続点(Q1〜Q3)の座標について、Y方向の成分は固定されており、X方向の成分が変化する。そのため、第1接続点(P1〜P3)のX成分の座標から、曲線gでつながれて、曲線gの終点が第2接続点(Q1〜Q3)のX成分の座標になるように、接続画像生成部120は、変数及び接続点の座標を曲線gの変換式に代入して、曲線gを算出する。接続画像生成部120で変数を設定することは、曲線gのX方向への圧縮率を設定することと等価関係にある。
図6の例では、第1接続点(P1、P2、P3)は、第2接続点(Q1、Q2、Q3)にそれぞれ対応しているため、接続画像生成部120は、第1接続点(P1)を始点として、曲線の終点が第2接続点(Q1)になるような変数を、変換式に代入して、曲線g1を算出する。また、接続画像生成部120は、第1接続点(P2、P3)と第2接続点(Q2、Q3)とを接続する曲線g2、g3についても、同様に算出する。さらに、曲線g1とg3との間の曲線g2(直線f2と接続する曲線)については、接続画像生成部120は、曲線g1とg3との中点の軌跡から曲線を算出する。曲線g1とg5との間の曲線g4(直線f4と接続する曲線)についても同様に、接続画像生成部120は、曲線g3とg5との中点の軌跡から曲線を算出する。これにより、曲線(g1、g3、g5)は、第1接続点(P1、P2、P3)と第2接続点(Q1、Q2、Q3)をそれぞれ接続しつつ、複数の曲線(g1、g3、g5)の間隔で、走行車線の道幅を表している。
そして、接続画像生成部120は、算出した曲線gが表示画面上で表示されるように、合成画像を生成する。また、接続画像生成部120は、遠方画像制御部130により生成された交差点の道路線形を表示する場合には、車両の車速に応じて、道路線形が連続的に、接続画像内で移動するように、道路線形の画像を生成する。これにより、接続画像202が生成される。接続画像生成部120は、生成した接続画像202を画像結合部140に出力する。
画像結合部140は、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203の順で、図6のY方向に沿って配列しつつ、各画像を結合し、結合画像をモニタ6に出力する。モニタ6は、画像結合部140により結合された画像を表示することで、図4に示す画像を表示する。
さらに、近傍画像制御部110は、自車両が車線変更を行う際には、車線変更の運転を支援するための画像を、近傍画像201に合成する。車線変更の運転支援のための画像は、車線変更制御部150により生成される。
次に、制御装置10による車線変更支援機能の制御について、図3及び図7〜図10を用いて、説明する。図7(a)は近傍画像201を示し、(b)はスピードメータを示す図である。図7(a)において、車両Aは自車両を示し、車両Xは他車両を示す。図8〜図10は、自車両及び他車両が、図7とは異なる状態で走行している場合を表している。
車線変更制御部150は、領域算出部151と、推奨速度算出部152とを有している。車線変更制御部150は、車速センサ3の車速と、ナビゲーションシステム20により管理されている自車両の位置と、ターンシグナルスイッチ5の操作信号に基づき、自車両のドライバからの車線変更の要求を検出し、車線変更を支援するための制御を開始する。例えば、自車両が交差点のない道路を、速い速度で走行しているときに、ターンシグナルスイッチ5が操作された場合には、ドライバが車線変更を行う可能性が高い。そのため、車線変更制御部150は、ターンシグナルスイッチ5の操作信号により、ドライバがターンシグナルスイッチ5を操作したことを検出した場合には、以下のように、車線変更の支援制御を開始する。
領域算出部151は、車速センサ3により検出された自車両の車速と、カメラ1a〜1dの撮像画像等から検出される他車両の状態に基づき、自車両の走行車線と隣接する隣接車線上で、自車両の車線変更可能領域を算出する。また、推奨速度算出部152は、自車両の車速及び他車両の車速に基づき、自車両が車線変更可能領域に車線変更する際の自車両の推奨速度を算出する。
まず、他車両の状態を検出するための制御について説明する。車線変更制御部150は、カメラ1a〜1dの撮像画像を取得すると、自車両の周囲を示す撮像画像から、画像認識により車両を特定する。また、車線変更制御部150は、撮像画像に写っている車両の大きさから、自車両と撮像画像に写っている他車両までの距離を測定することできる。そして、車両変更制御部150は、ナビゲーションシステム20の地図データから、自車両の走行車線と、走行車線に隣接する隣接車線の情報を取得することで、隣接車線を走行している他車両を検出することができる。さらに、ナビゲーションシステム20では、自車両の位置を管理している。車線変更制御部150は、カメラ1a〜1dで周期的に撮像される画像と、地図データから、他車両の位置と当該他車両の車速も検出することができる。
図7(a)に示す例では、他車両Xは、カメラ1aの撮像画像及びカメラ1dの撮像画像に写るため、車線変更制御部150は、これらの撮像画像から他車両Xの状態として、他車両の位置及び車速を検出する。また、車線変更制御部150は、レーダ2の検出値を用いて、他車両の状態を検出してもよい。
次に、他車両を検出した後の、車線変更可能領域を特定するための制御について、説明する。他車両が隣接車線を走行していることを検出すると、領域算出部151は、他車両の接近度を算出する。接近度は、他車両に対して自車両がどのぐらいの距離で接近しているかを示す値であって、接近度が高いほど、自車両は、対象となる他車両に近づいていることを示す。接近度は、他車両に対する自車両の相対距離から、他車両に対する自車両の相対速度を除算することで算出される。
まず、図7に示すように、隣接車線に1台の他車両が走行している場合の制御について説明する。図7の(a)に示す例では、領域算出部151は、自車両Aの位置及び他車両Xの位置から相対距離を算出し、自車両Aの速度と他車両Xの速度から相対速度を算出する。そして、領域算出部151は、相対距離から相対速度を除算することで、他車両Xの接近度を算出する。例えば、図7(a)の例では、自車両Aと他車両Xとの速度差が小さい場合には、他車両の位置が自車両の位置に近いほど、接近度が高くなる。また、例えば、他車両と自車両との相対距離が一定な距離である場合には、自車両Aが他車両Xよりも速いほど、言い換えると、他車両に対する自車両の相対速度が大きいほど、接近度が高くなる。
領域算出部151は、接近度を算出した後に、接近度に対応する接近エリアを地図データ上で特定する。接近エリアは、他車両と衝突する可能性が高いエリアを示す。接近エリアは、対象となる他車両の前方及び後方に位置するエリアであって、接近度が高いほど、接近エリアの前方及び後方への長さが大きくなる。接近エリアの前方が、車両の進行方向に相当する。自車両Aが他車両Xの前方又は後方の位置に車線変更し、自車両Aの位置が他車両Xの接近エリア内にある場合には、自車両Aと他車両Xとの車間距離が短くなってしまい、走行の安全性が損なわれてしまう。また、接近度が高いほど、車線変更後の自車両と他車両との車間距離を十分に確保できるように、接近エリアを広くとっている。
そして、領域算出部151は、他車両の接近エリアを特定した後に、他車両の前方及び後方で、接近エリアに属していないエリアを安全エリアとして特定する。安全エリアは、車線変更により自車両Aが当該エリア内に移動したとしても、他車両との間で十分な車間距離を確保することができるエリアである。
図7の例では、図7(a)のAPf及びAPlが接近エリアとなる。そして、他車両Xの前方及び後方に、他車両が走行していないため、他車両X以外の他車両の接近エリアは、他車両Xの前方及び後方で特定されない。そのため、領域算出部151は、接近エリア(APf)より前方の位置に安全エリア(SAf)を特定し、接近エリア(APl)より後方の位置に安全エリア(SAl)を特定する。なお、安全エリアの長さ(車両の進行方向に沿った方向の長さ)は予め決められている。
次に、領域算出部151は、安全エリア(SAf、SAl)を、車線変更可能領域として特定する。これにより、領域算出部151は、車線変更可能領域を算出する。そして、領域算出部151は、車線変更可能領域の位置情報を、近傍画像生成部111及び推奨速度算出部152に出力する。
近傍画像生成部111は、車線変更可能領域の位置情報を取得した場合には、当該位置情報で示される車線変更可能領域の画像を、近傍画像201に合成する。そして、画像結合部140により、車線変更可能領域を含む近傍画像201と、接続画像202及び遠方画像203が結合されて、モニタ6への表示画像が生成される。モニタ6は当該表示画面を表示することで、図7(a)に示すよう、近傍画像201内に、車線変更可能領域の画面が表示される。ドライバは、モニタ6の画面上で、車線変更可能領域の位置を確認することで、車線変更の際に目標となる位置を確認することができる。
また、本例は、車線変更可能領域をモニタ6に表示する際に、車線変更可能領域と対応した推奨速度を、スピードメータに表示している。以下、推奨速度の表示制御を説明する。
推奨速度算出部152は、領域算出部151から車線変更可能領域の情報を取得すると、自車両の位置、他車両の位置、及び他車両の車速に基づき、車線変更可能領域へ車線変更する際の推奨速度を算出する。他車両の前方又は後方の位置に車線変更する際には、まず自車両は、車線変更可能領域と隣接する位置まで走行し、その後に、他車両との距離をある程度保ちながら、自車両は、自車両の走行車線から、車線変更可能領域に位置する隣接車線に移動する。
そのため、まず推奨速度算出部152は、車両の進行方向において、自車両の位置と車線変更可能領域の位置がずれている場合には、自車両Aの位置を車線変更可能領域に隣接する位置にするための推奨速度を算出する。
具体的には、推奨速度算出部152は、自車両の位置と、車線変更可能領域の位置とをそれぞれ取得する。そして、他車両の前方に位置する車線変更可能領域が、自車両の前方の位置にある場合には、自車両が他車両を追い越して、前方に位置する車線変更可能領域と隣接するために、推奨速度算出部152は、他車両の速度に所定の加算速度(第1の加算速度)を加えた速度を下限速度とし、走行車線に応じて設定されている速度の上限値を上限速度として算出する。所定の加算速度(第1の加算速度)は、自車両が他車両を追い越すために予め設定された速度である。走行車両に応じて設定されている速度の上限値は、例えば走行車線の法定速度である。そして、推奨速度算出部152は、当該下限速度から当該上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。なお、上限速度は、他車両の車速に、第1の加算速度より大きい所定の速度を、加算した速度としてもよい。
他車両の前方に位置する車線変更可能領域が自車両の前方に位置する状態から、自車両が推奨速度の範囲内で走行し、自車両が、他車両の前方の車線変更可能領域と隣接すると、推奨速度算出部152は、他車両の速度を下限速度とし、当該下限速度に所定の加算速度(第2の加算速度)を加算した速度を上限速度として算出する。所定の加算速度(第2の加算速度)は、自車両の速度が他車両の速度より大きくても、車線変更後の自車両の位置が車線変更可能領域内に入る許容速度である。そして、推奨速度算出部152は、当該下限速度から当該上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。
図7の(a)を用いて、上記制御を説明すると、自車両Aが他車両Xの後方を走行している状態から、車線変更可能領域(SAf)に車線変更する際の推奨速度が、上記の制御方法により算出される。
また、他車両の後方の車線変更可能領域が、自車両の後方の位置にある場合には、他車両に自車両を追い越させて、自車両が後方に位置する車線変更可能領域と隣接するために、推奨速度算出部152は、他車両の速度から所定の減算速度(第1の減算速度)を引いた速度を上限速度とし、走行車線に応じて設定されている速度の下限値を下限速度として算出する。所定の減算速度(第1の減算速度)は、自車両が減速することで、他車両に自車両を追い越させるための速度であって、予め設定された速度である。走行車両に応じて設定されている速度の下限値は、速度を減速させても、自車両と同じ車線を走行する他車両の走行に影響を及ぼさないよう、設定される速度である。そして、推奨速度算出部152は、下限速度から上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。なお、下限速度は、他車両の車速に、第1の減算速度より大きい所定の速度を、減算した速度としてもよい。
他車両の後方の車線変更可能領域が自車両の後方に位置する状態から、自車両が推奨速度の範囲内で走行し、自車両が、他車両の後方の車線変更可能領域と隣接すると、推奨速度算出部152は、他車両の速度を上限速度とし、当該上限速度に所定の減算速度(第2の減算速度)を減算した速度を下限速度として算出する。所定の減算速度(第2の減算速度)は、自車両の速度が他車両の速度より小さくても、車線変更後の自車両の位置が車線変更可能領域内に入る許容速度である。そして、推奨速度算出部152は、当該下限速度から当該上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。
図7の(a)を用いて、上記制御を説明すると、自車両Aが他車両Xの前方を走行している状態から、車線変更可能領域(SAl)に車線変更する際の推奨速度が、上記の制御方法により算出される。
また、自車両の位置と、車線変更可能領域の位置とをそれぞれ取得した時点で、自車両が車線変更可能領域と隣接している場合には、自車両は、他車両を追い越す、あるいは、他車両に追い越させなくても、自車両を車線変更させることができる。そのため、自車両が、他車両の前方の車線変更可能領域と隣接している場合には、推奨速度算出部152は、他車両の速度を下限速度とし、当該下限速度に所定の加算速度(第2の加算速度)を加算した速度を上限速度として算出する。そして、推奨速度算出部152は、当該下限速度から当該上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。
図7の(a)を用いて、上記制御を説明すると、自車両Aが他車両Xの前方を走行している状態から、車線変更可能領域(SAf)に車線変更する際の推奨速度が、上記の制御方法により算出される。
また、自車両が、他車両の後方の車線変更可能領域と隣接している場合には、他車両の速度を上限速度とし、当該上限速度に所定の減算速度(第2の減算速度)を減算した速度を減算速度として算出する。そして、推奨速度算出部152は、当該下限速度から当該上限速度までを、推奨速度の範囲として算出する。
図7の(a)を用いて、上記制御を説明すると、自車両Aが他車両Xの後方を走行している状態から、車線変更可能領域(SAl)に車線変更する際の推奨速度が、上記の制御方法により算出される。
推奨速度算出部152は、上記のように算出した推奨速度を、速度計制御部160に出力する。速度計制御部160は、モニタ6に表示されるスピードメータの表示を制御する。速度計制御部160は、車両の現在の速度と、推奨速度の範囲を、スピードメータに表示する。また、複数の車線変更可能領域を表示する場合には、速度計制御部160は、当該複数の車線変更可能領域と対応づけて、複数の推奨速度の範囲をスピードメータに表示する。以下、複数の推奨速度の範囲が、モニタ6に表示される場合の制御について、図7を用いて説明する。
図7(a)に示すように、自車両Aが他車両のXの後方に位置し、安全エリアが、他車両のXの前方及び後方に、それぞれ算出される場合には、車線変更可能領域が、領域算出部151により、他車両Xの前方及び後方に、それぞれ算出される。推奨速度算出部152は、他車両Xの前方に位置する車線変更可能領域(SAf)と対応して推奨速度(RSf)を算出し、他車両Xの後方に位置する車線変更可能領域(SAl)と対応して推奨速度(RSr)を算出する。
自車両Aの速度が時速40kmであったとすると、自車両Aが車線変更可能領域(SAf)の位置に車線変更するために、推奨速度(RSf)の下限速度は、時速40kmより高くなる。そして、所定の加算速度(第1の加算速度)を時速10kmとして、自車両Aの走行車線の法定速度が時速60kmとすると、推奨速度(RSf)の範囲は時速50kmから時速60kmの範囲となる。
また、自車両Aが車線変更可能領域(SAr)の位置で車線変更する際には、自車両Aは車線変更可能領域(SAl)と隣接する位置を走行しているため、推奨速度(RSl)の上限速度は時速40kmとなる。そして、所定の減算速度(第2の減算速度)を10kmとすると、推奨速度(RSl)の幅は、時速30kmから時速40kmの範囲となる。
速度計制御部160は、図7(b)に示すように、モニタ6の表示画面上のスピードメータに、推奨速度(RSf)として、時速50kmから時速60kmの範囲を表示し、推奨速度(RSl)として、時速30kmから時速40kmの範囲を表示する。スピードメータの表示画面において、推奨速度(RSf、RSl)は、現在の車速を表す数字の外側に表示される。
また、領域算出部151は、算出した車線変更可能領域(SAf、SAl)を近傍画像生成部112に出力する。近傍画像生成部111は、近傍画像201に、複数の車線変更可能領域(SAf、SAl)を合成する。そして、図7(a)に示すように、複数の車線変更可能領域(SAf、SAl)が、近傍画像201に表示される。モニタ6の表示画面上で、複数の車線変更可能領域(SAf、SAl)と複数の推奨速度(RSf、RSl)とを対応させるために、例えば、車線変更可能領域(SAf)と推奨速度(RSf)は、例えば青等による共通した色で表示され、車線変更可能領域(SAr)と推奨速度(RSr)は、例えば赤等の、推奨速度(RSf)とは異なる色で表示される。
次に、図8を用いて、他の状態における車線変更可能領域の算出制御、及び、推奨速度の算出制御について説明する。図8に示すように、自車両の走行車線に隣接する隣接車線には、2台の他車両X、Yが、間隔を空けて走行している。自車両Aは、2台の他車両のうち、後方に位置する車両Xよりも、前方に位置するが、車両Xを完全に追い越してない状態である。
まず、車両変更制御部150は、カメラ1a〜1dの撮像画像及びレーダ2の検出値に基づき、隣接車線の他車両X、Yを検出する。複数の車両が、隣接車線で検出された場合には、領域算出部151は、他車両の位置に基づき、複数の車両の前方、複数の車両の後方、または複数の車両の間に、自車両が車線変更するための最小限のスペースがあるか否かを判定する。図8の例では、領域算出部151は、他車両X、Yの位置から、他車両Xと他車両Yとの間に、自車両が車線変更するための最小限のスペースを検出する。なお、自車両が車線変更するための最小限のスペースの大きさは予め決まっている。
次に、領域算出部151は、自車両Aの位置及び他車両X、Yの位置からそれぞれの相対距離を算出し、自車両Aの速度と、他車両X、Yの速度からそれぞれの相対速度を算出する。領域算出部151は、それぞれの相対距離から、それぞれの相対速度を除算することで、他車両X、Yのそれぞれの接近度を算出する。
領域算出部151は、接近度を算出した後に、他車両X、Yの接近度に対応する接近エリアを、他車両X、Yの前方及び後方の位置に、それぞれ特定する。領域算出部151は、他車両Xの接近エリアに属していないエリアを、他車両Xに対する安全エリア(SAX)として特定する。また、領域算出部151は、他車両Yの接近エリアに属していないエリアを、他車両Yに対する安全エリア(SAY)として特定する。図8では、他車両Xの前方に他車両Yが走行しているが、他車両Xと他車両Yとの間には、他車両Aが車線変更するためのスペースが空いている。そのため、領域算出部151は、他車両Xの前方に安全エリア(SAX)を特定し、他車両Yの後方に安全エリア(SAY)を特定する。
次に、領域算出部151は、他車両Xと他車両Yとの間で、安全エリア(SAX)と安全エリア(SAY)を含む範囲を、車線変更可能領域(図8の斜線部分)として特定する。これにより、領域算出部151は、車線変更可能領域を算出し、車線変更可能領域の位置情報を、近傍画像生成部111及び推奨速度算出部152に出力する。
推奨速度算出部152は、自車両Aが他車両Xを完全に追い越すために、他車両Xの車速に所定の加算速度を加えた速度を、推奨速度の下限速度として算出する。当該所定の加算速度は、上記の第1の加算速度と同様である。また、推奨速度算出部152は、他車両Xの車速と他車両Yの車速との平均速度を中心とした、所定の車速の範囲を、推奨速度の範囲として算出する。所定の車速の範囲は、車線変更可能領域の長さ(車両の進行方向に沿った長さ)に応じて予め設定されており、車線変更可能領域の長さが長いほど、所定の車速の範囲は大きくなる。このとき、平均速度を中心とした、所定の車速の範囲をもつ推奨速度の下限値が、算出された上記の下限速度より低い場合には、推奨速度算出部152は、推奨速度の幅の下限値を、下限速度に制限する。一方、平均速度を中心とした、所定の車速の範囲をもつ推奨速度の下限値が、算出された上記の下限速度より高い場合には、推奨速度算出部152は、平均速度に基づく推奨速度の下限値に対して制限をかけない。
これにより、推奨速度算出部152は、車線変更可能領域に対応する推奨速度を算出する。自車両Aの車線変更中に、例えば他車両Xの車速が高くなったり、あるいは、他車両Yの車速が低くなったりした場合には、図8の斜線部分に示す車線変更可能領域が、車両の進行方向で、狭くなる。この場合には、他車両X、Yの平均速度を中心とした所定の車速の範囲が狭くなるため、推奨速度の幅も狭くなる。すなわち、車両変更領域が狭くなるほど、推奨速度の幅は狭くなる。一方、自車両Aの車線変更中に、例えば他車両Xの車速が低くなったり、あるいは、他車両Yの車速が高くなったりした場合には、車線変更可能領域が、車両の進行方向で、広くなる。そして、車両変更領域が広くなるほど、推奨速度の幅は広くなる。
図9を用いて、他の状態における車線変更可能領域の算出制御、及び、推奨速度の算出制御について説明する。図9では、図8に示す状態と自車両の位置が異なっており、自車両Aは、2台の他車両のうち、前方に位置する車両Yよりも、後方に位置するが、車両Yを完全に追い越してない状態である。
領域算出部151は、他車両X、Yを検出し、他車両の位置に基づき、複数の車両の間に、自車両が車線変更するための最小限のスペースがあると判定する。領域算出部151は、他車両X、Yの接近度を算出し、接近度に基づき接近エリアを特定する。また領域算出部151は、他車両X、Yの接近エリアから、安全エリア(SAX、SAY)を特定し、他車両Xと他車両Yとの間で、安全エリア(SAX)と安全エリア(SAY)とを含む範囲を、車線変更可能領域(図9の斜線部分)として特定する。接近度の算出方法、接近エリアと安全エリアの特定方法、車線変更可能涼気の算出方法は、上記と同様である。
推奨速度算出部152は、自車両Aが他車両Yよりも後方に移動するために、他車両Yの車速から所定の減算速度を減算した速度を、推奨速度の上限速度として算出する。当該所定の減算速度は、上記の第1の減算速度と同様である。また、推奨速度算出部152は、他車両Xの車速と他車両Yの車速との平均速度を中心とした、所定の車速の範囲を、推奨速度の幅として算出する。所定の車速の範囲は、車線変更可能領域の長さ(車両の進行方向に沿った長さ)に応じて予め設定されており、車線変更可能領域の長さが長いほど、所定の車速の範囲は大きくなる。このとき、平均速度を中心とした、所定の車速の範囲をもつ推奨速度の上限値が、算出された上記の上限速度より高い場合には、推奨速度算出部152は、推奨速度の幅の上限値を、上限速度に制限する。一方、平均速度を中心とした、所定の車速の範囲をもつ推奨速度の上限値が、算出された上記の上限速度より低い場合には、推奨速度算出部152は、平均速度に基づく推奨速度の上限値に対して制限をかけない。
これにより、推奨速度算出部152は、車線変更可能領域に対応する推奨速度を算出する。自車両Aの車線変更中に、例えば他車両Xの車速が高くなったり、あるいは、他車両Yの車速が低くなったりした場合には、図9の斜線部分に示す車線変更可能領域が、車両の進行方向で、狭くなる。この場合には、他車両X、Yの平均速度を中心とした所定の車速の範囲が狭くなるため、推奨速度の幅も狭くなる。すなわち、車両変更領域が狭くなるほど、推奨速度の幅は狭くなる。また、車両変更領域が広くなるほど、推奨速度の幅は広くなる。
図10を用いて、他の状態における車線変更可能領域の算出制御、及び、推奨速度の算出制御について説明する。図10に示すように、自車両の走行車線に隣接する隣接車線には、2台の他車両X、Yが、大きな間隔を空けずに、走行している。自車両Aは、2台の他車両のうち、前方に位置する車両Xとほぼ隣接して走行している。
領域算出部151は、他車両X、Yを検出し、他車両の位置に基づき、複数の車両X、Yの前方及び後方に、自車両が車線変更するための最小限のスペースがそれぞれあると判定する。
領域算出部151は、自車両Aの速度と、他車両X、Yの速度に基づいて、他車両X、Yのそれぞれの接近度を算出する。領域算出部151は、接近度を算出した後に、他車両X、Yの接近度に対応する接近エリアを、他車両X、Yの前方及び後方の位置に、それぞれ特定する。領域算出部151は、他車両Xの接近エリアに属していないエリアを、他車両Xに対する安全エリア(SAX)として特定する。このとき、他車両Xの前方には、他車両Yが接近して走行しており、また、他車両Xの後方に、自車両が車線変更するための最小限のスペースがあると判定しているため、領域算出部151は、他車両Xの後方のみに、安全エリア(SAX)を特定する。
また、領域算出部151は、他車両Yの接近エリアに属していないエリアを、他車両Yに対する安全エリア(SAY)として特定する。このとき、他車両Yの後方には、他車両Xが接近して走行しており、また、他車両Yの前方に、自車両が車線変更するための最小限のスペースがあると判定しているため、領域算出部151は、他車両Yの前方のみに、安全エリア(SAY)を特定する。
そして、領域算出部151は、安全エリア(SAX)及び安全エリア(SAY)を、車線変更可能領域として特定する。
推奨速度算出部152は、車線変更可能領域(SAX)に対応する推奨速度と、車線変更可能領域(SAY)に対応する推奨速度をそれぞれ算出する。まず、車線変更可能領域(SAX)に対応する推奨速度の算出制御について説明する。推奨速度算出部152は、他車両Xを追い越させて、自車両Aが車線変更可能領域(SAX)と隣接するために、他車両Xの速度から所定の減算速度(第1の減算速度)を引いた速度を上限速度とし、走行車線に応じて設定されている速度の下限値を下限速度として算出する。
自車両Aが推奨速度の範囲内で走行し、自車両Aが車線変更可能領域(SAX)と隣接すると、推奨速度算出部152は、他車両Xの速度を上限速度とし、当該上限速度に所定の減算速度(第2の減算速度)を減算した速度を下限速度として算出する。
そして、推奨速度算出部152は、下限速度から上限速度までを、推奨速度の範囲として算出することで、車線変更可能領域(SAX)に対応する推奨速度を算出する。
次に、車線変更可能領域(SAY)に対応する推奨速度の算出制御について説明する。推奨速度算出部152は、自車両Aが他車両Xを追い越し、自車両Aが車線変更可能領域(SAY)と隣接するために、他車両Yの速度に所定の加算速度(第1の加算速度)を加えた速度を下限速度とし、走行車線に応じて設定されている速度の上限値を上限速度として算出する。
自車両Aが推奨速度の範囲内で走行し、自車両Aが車線変更可能領域(SAY)と隣接すると、推奨速度算出部152は、他車両Yの速度を下限速度とし、当該下限速度に所定の加算速度(第2の加算速度)を加算した速度を上限速度として算出する。
そして、推奨速度算出部152は、下限速度から上限速度までを、推奨速度の範囲として算出することで、車線変更可能領域(SAY)に対応する推奨速度を算出する。また、車線変更可能領域(SAX)、車線変更可能領域(SAY)、車線変更可能領域(SAX)に対応する推奨速度、及び車線変更可能領域(SAY)に対応する推奨速度を、モニタ6に表示する場合には、制御装置10は、図7と同様に、モニタ6の表示画面上で、複数の車線変更可能領域(SAf、SAl)と複数の推奨速度(RSf、RSl)とを対応させて表示する。
次に、図11を用いて、制御装置10の制御のうち、車線変更を支援する際の制御について説明する。図11は、制御装置10の車線変更の支援制御の制御フローを示すフローチャートである。
ターンシグナルスイッチ5の操作信号に基づき、車線変更の支援制御を開始する。まず、ステップS1にて、車線変更制御部150は、カメラ1a〜1dの撮像画像及びレーダ2の検出値から、自車両の周囲の情報を取得し、他車両を検出する。ステップS2にて、領域算出部151は、自車両の走行車線と隣接する隣接車線上に、他車両が有るか否かを判定する。なお、判定対象となる隣接車線は、ターンシグナルスイッチ5の操作信号により示される、車線変更先の隣接車線である。
他車両が有る場合には、ステップS3にて、領域算出部151は、他車両の位置及び車速を算出する。ステップS4にて、車線変更制御部150は、車速センサ3の検出値により自車両の車速を取得し、ナビゲーションシステム20で管理する情報から自車両の位置を取得する。
ステップS5にて、領域算出部151は、自車両の位置、車速、及び、他車両の位置、車速に基づき、他車両の接近度を算出する。ステップS6にて、領域算出部151は、算出した接近度に基づき、接近エリアを特定する。ステップS7にて、領域算出部151は、特定した接近エリアに基づき、安全エリアを特定する。なお、複数の他車両が隣接する車線を走行している場合には、領域算出部151は、複数の車両の前方、後方、あるいは、複数の車両の間のいずれかで、自車両が車線変更するための最小限のスペースを特定した上で、安全エリアを特定する。
ステップS8にて、領域算出部151は、安全エリアが有るか否かを判定する。安全エリアがある場合には、ステップS9にて、領域算出部151は、2以上の安全エリアが有るか否かを判定する。2以上の安全エリアが無い場合には、ステップS10にて、領域算出部151は、安全エリアを、車線変更可能領域として特定することで、車線変更可能領域を算出する。ステップS11にて、推奨速度算出部152は、自車両の位置、車速、及び、他車両の位置、車速に基づき、算出した車線変更可能領域に対応する推奨速度を算出する。ステップS12にて、領域算出部151は、算出した車線変更可能領域の情報を近傍画像制御部110に出力し、推奨速度算出部152は、算出した推奨速度の情報を速度計制御部160に出力する。そして、画像結合部140は、車線変更可能領域を含む近傍画像201をモニタ6に表示させて、速度計制御部160は、推奨速度と現在の自車両の車速を含むスピードメータの画像をモニタ6に表示させる。
ステップS13にて、車線変更制御部150は、自車両の現在の位置と、車線変更可能領域の位置から、自車両の車線変更が終了したか否かを判定する。そして、車線変更が終わっていない場合、言い換えると、自車両の位置が車線変更可能領域の外にある場合には、ステップS1に戻る。一方、車線変更が終わった場合には、本例の制御を終了する。
ステップS9に戻り、複数の安全エリアがある場合には、ステップS14にて、領域算出部151は、2つ以上の安全エリアのうち、自車両から最も近い安全エリアと、2番目近い安全エリアを特定する。数多くの車線変更可能領域がモニタ6に表示されると、モニタ6をみたドライバは、その車線変更可能領域に車線変更すればよいのか、判断しにくくなる。そのため、本例は、安全エリアを自車両の位置に近い2つのエリアに限定することで、モニタ6へ表示される車線変更可能領域の数を制限している。
そして、ステップS15にて、領域算出部151は、2以上の安全エリアを車線変更可能領域として特定することで、車線変更可能領域を算出する。ステップS16にて、推奨速度算出部152は、自車両の位置、車速、及び、他車両の位置、車速に基づき、算出した2つの車線変更可能領域に対応する2つの推奨速度をそれぞれ算出する。
ステップS17にて、制御装置10は、複数の車線変更可能領域(SAf、SAl)と複数の推奨速度(RSf、RSl)とを、モニタ6の表示画面上で、それぞれ対応して表示し、ステップS13に進む。
ステップS8に戻り、安全エリアがない場合には、ステップS18にて、車線変更制御部150は、車線変更できない旨を、モニタ6に表示して、本例の制御を終了する。
ステップS2に戻り、他車両が無い場合には、ステップS19にて、車線変更制御部150は、車線変更できる旨を、モニタ6に表示して、本例の制御を終了する。
上記のように、本例は、自車両の車速と、他車両の状態に基づき、自車両の走行車線と隣接する隣接車線上で、車線変更可能領域を算出し、自車両の車速及び他車両の車速に基づき車線変更可能領域に車線変更する際の自車両の推奨速度を算出し、車線変更可能領域と推奨速度をモニタ6に表示させる。これにより、車線変更の目標となる位置と、当該位置へ車線変更をする際に目標となる速度が、モニタ6に表示されるため、ドライバはモニタ6の表示画面を確認することで、容易に、車線変更する際の推奨速度を把握することができる。
また本例は、隣接車線を走行する他車両の有無を判定し、他車両が隣接車線を走行している場合には、他車両の前方又は後方の少なくとも一方の内に、車線変更可能領域を算出する。これにより、ドライバは、他車両の前方又は後方の位置で、車線変更に適した領域を、モニタ6上で把握することができる。
また本例は、車線変更可能領域が隣接車両を走行する他車両の前方の位置に算出された場合には、他車両の速度に基づいて下限速度を算出し、下限速度に第2の加算速度を加算した速度を上限速度として算出し、下限速度から上限速度までの範囲を推奨速度の範囲として算出する。これにより、ドライバは、他車両の前方の位置に車線変更する際に、目標速度を確認することができる。
また本例は、車線変更可能領域が隣接車両を走行する他車両の後方の位置に算出された場合には、他車両の速度に基づいて上限速度を算出し、上限速度に第2の減算速度を減算した速度を下限速度として算出し、下限速度から上限速度までの範囲を推奨速度の範囲として算出する。これにより、ドライバは、他車両の後方の位置に車線変更する際に、目標速度を確認することができる。
また本例は、前方を走行する他車両と、後方を走行する他車両との間に、車線変更可能領域を算出し、車線変更可能領域が狭くなるほど、推奨速度の範囲が狭くなるように、推奨速度を算出する。また、本例は、車線変更可能領域が広くなるほど、推奨速度の範囲が広くなるように、推奨速度を算出する。これにより、車線変更を行っている際に、他車両の車速が変化した場合でも、車速の変化に合わせて目標速度を設定することができる。
また本例は、隣接車線上で複数の位置に、それぞれ対応する複数の車線変更可能領域を算出し、複数の車線変更可能領域にそれぞれ対応する複数の推奨速度を算出する。これにより、ドライバは、車線変更の可能な複数の位置を把握することができ、また、複数の位置に応じた目標速度を確認することができる。
また本例は、複数の車線変更可能領域と、複数の推奨速度とを対応づけてモニタ6に表示する。これにより、ドライバは、車線変更の可能なそれぞれの領域の位置と、位置に応じた目標速度をモニタ6上で、容易に把握することができる。
また本例は、自車両のドライバがターンシグナルスイッチ5を操作した場合に、車線変更可能領域及び推奨速度を、モニタ6に表示させる。これにより、車線変更を行うタイミングに合わせて、車線変更の目標となる位置と車速を、モニタ6に表示させることができる。
また本例は、車線変更可能領域を近傍画像に含めて、モニタ6に表示させる。これにより、ドライバは、自車両の周辺で、車線変更可能な位置を把握することができる。
また本例は、近傍画像201と接続画像202とを接続する第1接続線上の第1接続点と、遠方画像203と接続画像202とを接続する第2接続線上の第2接続点とを連続した曲線で接続した接続画像を生成し、近傍画像201、接続画像202、及び遠方画像203を連続的に接続してモニタ6に表示する。これにより、自車両Aの近傍部分と、自車両Aの遠方部分を同時に、モニタ6に表示しつつ、これらの部分を表す近傍画像201及び遠方画像203を、接続画像202で滑らかにつないで、モニタ6に表示することができる。その結果として、例えば、自車両が左右方向に大きく動くような場合や、自車両の速度が大きい場合であっても、遠方画像203及び近傍画像201を含んだ画像を、1枚の連続した表示画像で表示することができる。さらに、当該近傍画像201に車線変更可能領域を含めることで、ドライバは、自車両の周辺で、車線変更可能な位置を把握することができる。
なお、本発明の変形例として、制御装置10は、操舵角センサ4の検出値からドライバの技量を検出し、技量が低いほど、推奨速度の範囲を狭くしてもよい。例えば、制御装置10は、操舵角センサ4の検出値から、ステアリングの操作回数を演算する。ステアリングの操作回数は、例えば単位時間あたりの操舵角センサの検出値の変位量が、所定の変位量より大きくなった場合に、操作回数を1回としてカウントすればよい。そして、技量が低い場合には、実際の車速が推奨速度の範囲外になる可能性が高い。そのため、本例は、モニタ6への表示画面で、推奨範囲を予め狭くすることで、車線変更に最適な車速になるよう、運転を支援することができる。
また本例は、ターンシグナルスイッチ5の操作信号に基づき、車線変更の支援制御を開始したが、例えば自車両の位置に基づき、車線変更の支援制御を開始してもよい。通常、車両が走行車線を走行している場合には、車線の中央付近を走行している。一方、車線変更する際には、車両を車線の境界線に近づける。そのため、車線変更制御部150は、カメラ1a〜1dの撮像画像から車線の境界線を検出し、ナビゲーションシステム20で管理されている自車両の位置から境界線までの距離を算出する。そして、車線変更制御部150は、算出した距離が所定の距離閾値以下になった場合に、自車両の車線変更を検出し、車線変更の支援制御を開始する。これにより、本例は、車線変更を行うタイミングに合わせて、車線変更の目標となる位置と車速を、モニタ6に表示させることができる。
なお、車線変更を検出する方法は、上記の方法に限らず他の方法でもよい。例えば、ナビゲーション20の地図データと自車両の位置から、自車両の走行車線の前方で、車線規制が行われていることを検出し、あるいは、前方の車線の数が減少していることを検出することで、車線変更を検出してもよい。
なお、本例では、接近度を、他車両に対する自車両の相対距離から、他車両に対する自車両の相対速度を除算することで算出したが、他車両に対する自車両の相対距離から自車両の車速を除算した値を、接近度としてもよい。または、他車両に対する自車両の相対距離から他車両に対する自車両の相対速度を除算した値に、他車両に対する自車両の相対距離から自車両の車速を除算した値を加算した加算値を、接近度としてもよく、加算される値に重みを付けてもよい。
なお、本例において、近傍画像生成部111は、カメラ1a〜1dのうち少なくとも一つのカメラの撮像画像から、近傍画像201を生成してもよい。
上記の車速センサ3が本発明の「車速検出手段」に相当し、カメラ1a〜1d又はレーダ2が本発明の「他車両検出手段」に相当し、領域算出部151が本発明の「車線変更可能領域算出手段」に相当し、推奨速度算出部152が本発明の「推奨速度算出手段」に相当し、モニタ6が本発明の「表示手段」に相当する。また操舵角センサ4、及び、操舵角センサ4の検出値に基づいてドライバの技量を検出する制御装置10の一部が、本発明の「技量算出手段」に相当する。また、近傍画像制御部110及び速度計制御部160が本発明の「制御手段」に相当する。また、ナビゲーションシステム20、及び、ナビゲーションシステム20で管理する情報に基づいて車線変更を検出する制御装置10の一部が、本発明の「車線変更検出手段」に相当する。また、近傍画像生成部111が本発明の「近傍画像生成手段」に相当する。
《第2実施形態》
図12は、発明の他の実施形態に係る運転支援装置100のモニタ6の表示画面を示す。本例では上述した第1実施形態に対して、近傍画像201及び遠方画像203に表示される、車線変更を支援するための表示形態が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1実施形態の記載を適宜、援用する。なお、運転支援装置の構成は、図1および図3を適宜、援用する。
ナビゲーションシステム20は、ユーザの入力に基づき、目的地を取得すると、目的地までの走行経路を演算する。そして、ナビゲーションシステム20は、演算した走行経路を示す情報を、近傍画像生成部111、遠方画像生成部131、及び領域算出部151に出力する。
遠方画像生成部131は、遠方画像203を生成する際に、走行経路で示される走行方向を、遠方画像203に加える。例えば、図12に示すように、目的地への走行経路が、遠方画像203の交差点で左折することを示している場合には、遠方画像生成部131は、当該交差点での左折を示す案内表示203aを、遠方画像203に合成する。
また、遠方画像生成部131は、左折する交差点の目印として、例えば給油施設(ガスステーション)等の目標物の表示203bを交差点に配置する。
近傍画像生成部201は、走行経路で示される交差点の走行方向に対応した車線を、走行を推奨する車線として、案内表示201aを近傍画像201に表示する。走行経路は、遠方画像203の交差点で左折を示している。近傍画像201の走行車線は2車線であるため、遠方画像203の交差点で左折するために、自車両Aは、2車線のうち左側車線を走行した方がよい。一方、図12に示す状態では、自車両Aは2車線のうち右側車線を走行している。すなわち、走行経路で示される交差点の走行方向(左折方向)に適した車線(近傍画像201で表示される車線のうち最も左側の車線)と、自車両の走行車線が異なっている。そのため、近傍画像生成部201は、案内表示201aの表示により、複数の車線のうち走行を推奨する車線を、近傍画像201aで表す。
また、走行経路で示される交差点の走行方向に適した車線と、自車両Aの走行車線とが異なり、自車両から遠方画像203で示される交差点までの距離が所定の距離閾値以下である場合には、領域算出部151は、交差点の走行方向に適した車線上に、車線変更可能領域201bを算出する。所定の距離閾値は、モニタ6への案内の表示のタイミングが、交差点の走行方向に適した車線へ誘導する際に、最適なタイミングになるように、予め設定された値である。
そして、領域算出部151は、算出した車線変更可能領域201bの情報を近傍画像生成部111に出力することで、車線変更可能領域201bを近傍画像201に含めて表示させる。また、推奨速度算出部152は、車線変更可能領域201bに対応する推奨速度を算出する。そして、推奨速度算出部152は、算出した推奨速度の情報を速度計制御器160に出力することで、推奨速度を、モニタ6のスピードメータに表示させる。
上記のように、本例は、走行経路で示される交差点の走行方向に適した車線と、前記自車両の走行車線が異なり、かつ、自車両から交差点までの距離が所定の距離閾値以下である場合に、車線変更可能領域及び推奨速度を、モニタ6に表示させる。これにより、車線変更を行うタイミングに合わせて、車線変更の目標となる位置と車速を、モニタ6に表示させることができる。
上記のナビゲーションシステム20が本発明の「走行経路算出手段」に相当する。