JP6256017B2 - ベルト変速装置の冷却構造 - Google Patents

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本発明は、Vベルト式無段変速機構を収容するベルト室に冷却用空気を導入して、このVベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造に関する。
自動二輪車に搭載されるベルト変速装置、特にVベルトを用いた無段変速機構では、Vベルトとドライブプーリ及びドリブンプーリとの摺接による摩擦熱等によってベルト変速装置内の温度が上昇する。ベルト変速装置内の温度が過度に上昇するとベルトの耐久性が低下する等の弊害があることから、ベルト変速装置内に冷却用空気として外気を導入して、ドライブプーリに設けられた冷却ファンにより冷却用空気を流動させて、ベルト変速装置内の温度上昇を防止している。
この種の技術として、特許文献1には、伝動ケースの後部におけるベルト式無段変速装置のドリブンプーリ近傍の車輪側の鉛直側壁に変速室排風口が開口され、変速室排風口を覆い車輪の中心近傍に開口する排風ダクトが設けられた構成が開示されている。
また、特許文献2には、ベルト室上部でドリブンプーリの後方近傍に第1排出口を、ドリブンプーリの前方近傍に第2排出口をそれぞれ開口させ、両排出口をメイン及びサブのアウタカバーで上方及び側方を外側から覆い、アウタカバー内に形成される排出通路により冷却用空気を下方から外部に排出させる構成が開示されている。
特開2007−263231号公報 特開2009−228708号公報
特許文献1に記載の発明は、排風口が伝動ケースの後輪側の鉛直側壁に開口しており、冷却用空気の流れに平行な鉛直側壁に開口しているため、冷却用空気は排風口にスムーズに案内されず、しかも、排風口は排風ダクトで覆われ、排風ダクトを通して外部に排出されるため、冷却用空気の排出効率を向上させることが困難となり、ベルト式無段変速機構の冷却効率を向上させる上で課題があった。
また、特許文献2に記載の発明は、ドリブンプーリ側の後方近くでベルト室上部に開口する第1排出口は、ベルトカバーの頂部で、冷却用空気の流れが反転する上方部分に形成されている。ベルト室内の冷却用空気は、遠心力及び慣性力の作用を受けて第1排出口からスムーズに排出されるため、遠心クラッチ機構の冷却は有効的に行われる。しかし、その分、第2排出口から排出される冷却用空気の排出量は不足しがちでベルト変速装置の冷却が必ずしも充分ではない。しかも、ベルトケースやベルトカバーをメイン及びサブのアウタカバーで外側から覆って排気通路を形成する排気通路構造を採用するために、排気通路構造が大型化し、複雑となる一方、デザインや設計上の制約が大きく、自由度が小さい課題があった。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、ベルト変速装置の冷却効率を向上させるとともに、型費の削減及び作り易さの向上を図るベルト変速装置の冷却構造を提供することを目的とする。
本発明のベルト変速装置の冷却構造は、クランクシャフトを軸とするドライブプーリと、ドリブンシャフトを軸とするドリブンプーリとが前後に配置され、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリに巻き掛けられるVベルトを有するVベルト式無段変速機構を備え、前記Vベルト式無段変速機構を、ベルトケースと前記ベルトケースの開口を覆うベルトカバーとにより形成されるベルト室に収容し、前記ベルト室内に冷却用空気を導入して、前記Vベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造であって、前記ドライブプーリに回転一体に設けられて、前記ベルト室に導入される冷却用空気を流動させる冷却ファンと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に位置し、前記ベルト室内を流動した冷却用空気を上方から取り入れて、下方から外部に排出する排風ダクトとを備え、前記排風ダクトは、前記ベルトケースの前記ベルト室側の壁に形成された一対の側壁と、前記一対の側壁間を覆うように取り付けられた壁部材とにより構成され、前記上方とは、前記クランクシャフトの中心と前記ドリブンシャフトの中心との間を結ぶ直線よりも上側であり、前記下方とは、前記クランクシャフトの中心と前記ドリブンシャフトの中心との間を結ぶ直線よりも下側であることを特徴とする。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記ベルトケースの前記ベルト室側の壁にはリブが形成されており、前記排風ダクト内には前記リブにより空気室が区画される点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記壁部材の前記ベルトカバー側の面には、前記ベルト室をベルト室上部空間及びベルト室下部空間に仕切る整流用リブが形成されている点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記壁部材の前記ベルトカバー側の面には、ボス部が突設され、前記ベルトカバーが前記ボス部に当接する点にある。この場合に、前記ベルトカバーを前記ボス部に締結する締結部材が、前記ボス部を貫通して、前記壁部材を前記側壁に締結する締結部材を兼ねるようにしてもよい。
本発明によれば、ベルト変速装置の側面視においてドライブプーリとドリブンプーリとの間に位置し、ベルト室内を流動した冷却用空気を上方から取り入れて、下方から外部に排出する排風ダクトを備え、排風ダクトを、ベルトケースのベルト室側の壁に形成された一対の側壁と、一対の側壁間を覆うように取り付けられた壁部材とにより構成するようにしたので、ベルト変速装置の冷却効率を向上させるとともに、型費の削減及び作り易さの向上を図ることができる。
スクータ型車両を示す左側面図である。 ユニットスイング型エンジンを示す左側面図である。 ユニットスイング型エンジンを示す平断面図である。 ユニットスイング型エンジンにおいてベルトカバーを取り外した状態を示す斜視図である。 ベルトケースの内部を示す左側面図である。 壁部材を示す図である。 図5のVII−VII位置でのユニットスイング型エンジンを示す断面図である。 図5のVIII−VIII位置でのユニットスイング型エンジンを示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るベルト変速装置の冷却構造が適用されたスクータ型車両を示す左側面図である。本願において方向をいう場合、車両の前方(矢印Fr)を前、後方(矢印Rr)を後とした方向を意味するものとする。
スクータ型車両10は、例えば鋼管製の車体フレーム11を有する。車体フレーム11は前部に位置するヘッドパイプ12からダウンチューブ13が後下方に延び、その下端付近から折曲されて水平方向後方に延びて終端している。ダウンチューブ13の後端部から左右一対のリアフレーム14が斜め後上方に立ち上がり、所定の高さで緩やかに屈曲して後上方或いは後方に延びる。左右のリアフレーム14により燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上にシート15が配置される。また、ダウンチューブ13の後端にはスイングブラケット16が設けられ、このスイングブラケット16にユニットスイング型エンジン17が揺動自在に支持される。
ヘッドパイプ12には、前輪20を支持するフロントフォーク21が、ハンドルバー22やヘッドランプ23等と共に左右回転自在に軸支され、ハンドルバー22を回動させることにより前輪20が操舵される。
ユニットスイング型エンジン17は、エンジン25とベルト変速装置26とが一体的に構成され、その後部右側に駆動輪としての後輪27が軸支される。ユニットスイング型エンジン17では、エンジン25の動力がベルト変速装置26で変速されて、遠心クラッチ機構28及び減速ミッション機構29を介して後輪軸30に伝達され、後輪27を駆動させる。
また、ユニットスイング型エンジン17の後部とリアフレーム14の後部との間にリアクッションユニット31が設けられる。ユニットスイング型エンジン17は、後輪27と共に揺動軸19回りに上下方向に揺動して後輪27のスイングアームの役割を果たしており、その揺動はリアクッションユニット31により緩衝される。
図2は、ユニットスイング型エンジン17の左側面図である。図3は、ユニットスイング型エンジン17の平断面図である。図4は、ユニットスイング型エンジン17においてベルトカバー51を取り外した状態(Vベルト48を省略)を示す斜視図である。
エンジン25は、例えば単気筒4サイクルエンジンであり、クランクケース33の前部から車両前方に向ってシリンダアッセンブリ34が略水平方向に前傾して延出される。
シリンダアッセンブリ34は、シリンダブロック35とシリンダヘッド36とヘッドカバー37とがクランクケース33側から順次重ねられて構成される。シリンダブロック35内のピストン38の往復動により、コンロッド、クランクピンを介してクランクシャフト40が回転駆動される。クランクシャフト40は、クランクケース33に左右の軸受41を介して回転自在に支持される。
また、クランクケース33の左側部からベルト変速装置26が一体に併設されて後方に延びている。クランクシャフト40は、クランクウェブ42から延出部が左右に延出されており、右延出部にはジェネレータ43が設けられ、左延出部にはベルト変速装置26、具体的にはVベルト式無段変速機構のドライブプーリ46が設けられる。
クランクケース33の左側半体は、伝動ケースを兼ねるベルトケース50と一体に構成される。ベルトケース50の開口は、車幅方向外側から樹脂製のベルトカバー51で覆われ、内部に乾式のベルト室52が構成される。ベルト室52には、ベルト変速装置26を構成するVベルト式無段変速機構が収容される。Vベルト式無段変速機構は、クランクシャフト40に設けられたドライブプーリ46と、ドリブンプーリ47と、これらドライブプーリ46とドリブンプーリ47に巻き掛けられるVベルト48とを有する。ドリブンプーリ47は、ドリブンシャフト53に浮動状態に支持され、遠心クラッチ機構28を介してドリブンシャフト53にクラッチ連結される。
ドリブンシャフト53は、ベルトケース50を貫いて湿式のミッション室54内に突出しており、ミッション室54はミッションカバー55で覆われて液密に構成される。ミッションカバー55は、伝動ケース50の延長部50aをVベルト式無段変速機構の反対側、すなわち車幅方向内側から覆う。ドリブンシャフト53はベルトケース50及びミッションカバー55に軸受56、57を介して回転自在に支持され、減速ミッション機構29の入力軸を構成している。減速ミッション機構29は多段、例えば2段の減速ギア列で構成され、その出力軸は後輪軸30を構成する。後輪軸30に後輪27が設けられる。
なお、図3に示すように、クランクシャフト40とドリブンシャフト53との間には、キックスタータ軸58が架設され、その外端にキックスタータレバー59が設けられる。キックスタータ軸58の中間部にはキックスタータ機構60が設置され、エンジン25の始動時にキックスタータレバー59の操作によりクランクシャフト40を回転させるようになっている。キックスタータレバー59は、リターンスプリング61により常時復帰位置に戻すようにばね付勢されている。また、図2に示すように、クランクケース33の後部下側にはセンタースタンド62が設けられる。
また、後輪27を挟んでベルト変速装置26と反対側では、ユニットスイング型エンジン17にマフラ64が接続し、エンジン25の燃焼後の排気ガスが排気される。
以下、ベルト変速装置26の冷却構造について詳細に説明する。
Vベルト式無段変速機構のVベルト48とドライブプーリ46及びドリブンプーリ47との摺接による摩擦熱や、遠心クラッチ機構28にて生じた摩擦熱によってベルト室52内の温度が上昇する。このベルト室52の温度上昇を抑制するために、ベルト室52内に冷却用空気として外気を導入して、ベルト室52内で流動、循環させて、排出する。
ドライブプーリ46の固定フェイスの外側には、複数の冷却ファン65が回転一体に設けられている。この冷却ファン65の回転により、冷却ダクト66からの冷却用空気が、ベルトカバー51のフロント側に開口された吸気口67を経て乾式のベルト室52内に導入される。ベルトカバー51のフロント側に吸気口67を車幅方向外側から覆うフロントアウタカバー68が設けられ、このフロントアウタカバー68と一体に冷却ダクト66が構成される。
ベルト室52内に導入された冷却用空気は、冷却ファン65が反時計方向廻りに回転駆動されることで、ベルト室52内を反時計方向廻りに旋回して流動せしめられる。冷却ファン65の回転駆動により流動するベルト室52内での冷却用空気は、各図に矢印Aで示すように案内される。すなわち、ベルト室52内に導入された冷却用空気は、ドライブプーリ46とドリブンプーリ47に巻き掛けられたVベルト48のうち、下方ベルト走行路である下側のベルトライン近傍(ベルト室下部空間70)でドライブプーリ46からドリブンプーリ47に向けて流れ、その後、ドリブンプーリ47の後方に位置するベルト室52の後壁に沿って上方に流れ、Vベルト48の上方ベルト走行路である上側のベルトライン近傍(ベルト室上部空間71)でドリブンプーリ47からドライブプーリ46に向けて流れる。
ここで、ベルト室52内には、車両前後方向の中間領域、すなわちベルト変速装置26の側面視においてドライブプーリ46とドリブンプーリ47との間にデッドスペースが形成される。そこで、ドライブプーリ46とドリブンプーリ47との間に、ベルト室52内を流動した冷却用空気を上方から取り入れて、下方から外部に排出する排風ダクト73を配置する。
図5に示すように、ベルトケース50のベルト室52側の壁には、ドライブプーリ46の直ぐ後方側に位置するリブ状隔壁74が形成され、このリブ状隔壁74に排風ダクト73を構成する側壁75が一体に形成される。また、ベルトケース50のベルト室52側の壁には、側壁75の車両後方側に所定の間隔をおいて、排風ダクト73を構成する側壁76が形成される。そして、これら一対の側壁75、76間を覆うように壁部材77が取り付けられて、排風ダクト73が構成される。図6に壁部材77を示す。壁部材77は、側壁75に対して2箇所で、側壁76に対して1箇所で、締結ボルトにより締結される。この場合に、側壁75、76と壁部材77との間にシール部材を介在させるようにしてもよい。
排風ダクト73の上部の排出口78は、ドライブプーリ46とドリブンプーリ47との間で、上方ベルト走行路の側方に配置される。排出口78は、Vベルト48の上方ベルト走行路の車幅方向内側で、ベルト室上部空間71を流れる冷却用空気の流れに向って開口している。これにより、ベルトラインに沿って流れる冷却用空気をスムーズに捕捉することができ、ベルト変速装置26の冷却効率を向上させることができる。
また、排風ダクト73の底部は、排気口79が下方に、好ましくは後輪27のタイヤ接地面側或いは設地面の直前側に向けて開口する。
しかして、各図の矢印Aに示すように、Vベルト48を跨いで吸気口67の反対側に開口する排出口78から排風ダクト73に案内された冷却用空気は、排風ダクト73内で縦方向に案内され、底部の排気口79から下方に排風される。
ベルトケース50のベルト室52側の壁には、水平方向や斜めに延伸する複数条の補強リブ80が所要形状に一体成形されている。これらのリブ状隔壁74、側壁75及び76、補強リブ80はベルトケース50に一体成形されており、ベルトケース50の機械的、物理的強度を向上させ、ケース剛性のアップを図ることができる。
また、図7に示すように、排風ダクト73内には、補強リブ80によって、冷却用空気の流れ方向に複数段の空気室81が相互に連通する状態で区画される。このようにバッフルで区切られた複数の空気室構造を持つようにすることで、圧力波を空気室81に拡散させ、徐々に圧力を下げてから外部に放出することによる消音効果を発揮し、特に耳障りな高温を抑制することができる。
壁部材77のベルトカバー51側の面には、中間高さ位置で略水平方向に延伸する整流用リブ82が一体成形されている。この整流用リブ82により、ベルト室下部空間70とベルト室上部空間71とを仕切って、ベルト室52内において、冷却用空気がベルト室下部空間70→ベルト室52の後壁→ベルト室上部空間71へとスムーズに循環するように案内することができる。
また、壁部材77のベルトカバー51側の面には、整流用リブ82と一体的にボス部83が突設されている。図8に示すように、ベルトカバー51がベルトケース50に車幅方向外側から装着されると、ベルトカバー51の中央部がボス部83に当接する。ベルトカバー51は、カバー周辺が複数の締着ボルトでベルトケース50に締結されるとともに、中央部がボス部83に突き合され、締付ボルト84で締結される。この締付ボルト84は、ボス部83を貫通して側壁76に達し、壁部材77を側壁76に締結する締結部材も兼ねる。
このようにベルトカバー51の中央部を締結することにより、カバー騒音の防止を図ることができる。この場合に、本実施形態のように壁部材77にボス部83を設ける構造とすることにより、ベルトカバー51の中央部をベルトケース50側に大きく突出させるような形状が不要となる。これにより、ベルトカバー51の鋳造性が著しく向上し、品質の安定化を図ることができる。
以上のように、ドライブプーリ46の回転に伴う冷却ファン65の回転駆動により、吸気口67からベルト室52内に導入された冷却用空気は、ベルト室52内を循環する間に、Vベルト48を跨いで車幅方向外側から車幅方向内側に流れる。そして、車幅方向内側の排出口78から排風ダクト73に案内され、ダクト底部の排気口79から地面側下方に排気される。
ベルト室52内にベルト変速装置26を収容したとき、Vベルト48のベルトラインの車幅方向内側にトンネル形状の排風ダクト73を設置できる充分なスペースが存在することを確認しており、このスペースを利用して排風ダクト73を配置するようにしたものである。
ここで、ベルトケース50のベルト室52側の壁に、排出口を備えた排風ダクトを型成形で一体成形する構成も考えられる。しかしながら、クランクケースとしての鋳造上の制約があったり、スライド型が必要になったり等の課題がある。それに対して、本実施形態のように、ベルトケース50のベルト室52側の壁に形成された一対の側壁75、76と、一対の側壁75、76間を覆うように取り付けられた壁部材77とにより排風ダクト73を構成することにより、型費の削減及び作り易さの向上を図ることができる。
以下では、本発明を適用したベルト変速装置26の冷却構造による効果をまとめる。
吸気口67から導入された冷却用空気は、Vベルト48を跨いでから排出口78に案内されるため、本来冷やしたいVベルト48や各プーリ46、47に冷却用空気を効果的に当てることができ、冷却効率を向上させることができる。なお、吸気口67からベルト室52に導入された冷却用空気は、冷却ファン65から遠心クラッチ機構28に向って冷却用空気が流れ易く、通風抵抗が少ない状態で冷却用空気の一部が遠心クラッチ機構28に案内されてこれを冷却するので、遠心クラッチ機構28の冷却も効果的に行うことができる。
また、排風ダクト73はトンネル形状に上下方向に構成されているので、スクータ型車両10の走行により後輪27が跳ね上がった雨水や泥、小石等の砂塵がベルト変速装置26に流入するのを有効かつ確実に防止することができる。
また、ベルトカバー51側に排出口78を形成する必要がないので、ベルトカバー51の形状や構造を簡素化することができ、軽量化を図ることができる。これにより、ベルトカバー51を成形する金型形状の簡素化を図ることができ、型費の低減や型寿命を向上させることができる。
また、排出口78から排風ダクト73に案内された冷却後の冷却用空気は排風ダクト73を通って排気口79から下方の地面側、好ましくは後輪のタイヤ前方側に排風される。排風ダクト73を通る放射音(ゴグ音)は地面で反射してライダーや側面に立っている人に聞こえるが、エンジン25の直ぐ後方側に排出される排出音は後輪27のタイヤによって掻き消されるので、排出音が気にならず、排気音対策を効果的に施すことができる。また、運転者や同乗者の脚部に排出されることもないので、運転者や同乗者に不快感を与えることもない。
さらに、排出口78は、回転体のように動くもののないベルトケース50内の排風ダクト73上部に形成されるので、排出口78をベルトケース50の頂部に開口させることがない。さらに、排風ダクト73をベルトケース50やベルトカバー51の外側から膨出させて設ける必要がなく、ドライブプーリ46とドリブンプーリ47の間のデッドスペースを利用して配置されるので、ベルト変速装置の冷却構造を大型化することがなく、コンパクト化が図れる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば排風ダクト73の上部の排出口78と別に、ベルトケース50の延長部50aの車幅方向外側のデッドスペースを利用したサブの排風路を構成し、ベルトケース50のドリブンプーリ47側の反転流路壁にサブ排風路に通じるサブ排出口を形成し、サブ排出口からの一部の冷却用空気をサブ排風路を通り下方の排気口から排出させるようにしてもよい。
17…ユニットスイング型エンジン、25…エンジン、26…ベルト変速装置、46…ドライブプーリ、47…ドリブンプーリ、48…Vベルト、50…ベルトケース、51…ベルトカバー、52…ベルト室、65…冷却ファン、73…排風ダクト、75、76…側壁、77…壁部材、78…排出口、79…排気口、80…補強リブ、81…空気室、82…整流用リブ、83…ボス部、84…締付ボルト

Claims (5)

  1. クランクシャフトを軸とするドライブプーリと、ドリブンシャフトを軸とするドリブンプーリとが前後に配置され、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリに巻き掛けられるVベルトを有するVベルト式無段変速機構を備え、
    前記Vベルト式無段変速機構を、ベルトケースと前記ベルトケースの開口を覆うベルトカバーとにより形成されるベルト室に収容し、
    前記ベルト室内に冷却用空気を導入して、前記Vベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造であって、
    前記ドライブプーリに回転一体に設けられて、前記ベルト室に導入される冷却用空気を流動させる冷却ファンと、
    前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に位置し、前記ベルト室内を流動した冷却用空気を上方から取り入れて、下方から外部に排出する排風ダクトとを備え、
    前記排風ダクトは、前記ベルトケースの前記ベルト室側の壁に形成された一対の側壁と、前記一対の側壁間を覆うように取り付けられた壁部材とにより構成され
    前記上方とは、前記クランクシャフトの中心と前記ドリブンシャフトの中心との間を結ぶ直線よりも上側であり、前記下方とは、前記クランクシャフトの中心と前記ドリブンシャフトの中心との間を結ぶ直線よりも下側であることを特徴とするベルト変速装置の冷却構造。
  2. 前記ベルトケースの前記ベルト室側の壁にはリブが形成されており、前記排風ダクト内には前記リブにより空気室が区画されることを特徴とする請求項1に記載のベルト変速装置の冷却構造。
  3. 前記壁部材の前記ベルトカバー側の面には、前記ベルト室をベルト室上部空間及びベルト室下部空間に仕切る整流用リブが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト変速装置の冷却構造。
  4. 前記壁部材の前記ベルトカバー側の面には、ボス部が突設され、前記ベルトカバーが前記ボス部に当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベルト変速装置の冷却構造。
  5. 前記ベルトカバーを前記ボス部に締結する締結部材が、前記ボス部を貫通して、前記壁部材を前記側壁に締結する締結部材を兼ねることを特徴とする請求項4に記載のベルト変速装置の冷却構造。
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