JP6255794B2 - 乗車券処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、読み書き可能な情報記録媒体を有する非接触式ICカード、磁気カード等の定期乗車券を情報処理する乗車券処理装置に関するものである。以下、本明細書では、定期乗車券のことを「定期券」と略して称する場合がある。
乗合バス等の公共交通機関で使用される定期券の典型的なものに、利用者の申告区間に対応して発券される「区間定期券」がある。例えば、バスが始発駅Aから終着駅Kまでの間の経路を運行している場合、利用者が始発駅Aと途中駅Gの間を乗降する旨を申告したときには、申告区間A−Gの区間定期券が発券される。この場合、定期券には、乗降することができるA,B,C,D,E,F,Gの各駅を特定する番号やコードが記録される。そのため、利用者の乗降時に定期券の有効性を確認する乗車券処理装置(例えば、ICカードリードライター)ではこのような番号等が乗車駅や停車駅に対応するものであるか否かを判断することによって当該定期券の使用の可否、つまり有効性を判定している。
この例において、始発駅Aと途中駅Gの間に他の路線(例えば、A−L−M−N−G)が接続されている場合には、この経路の利用も可能にするため、L,M,Nの各駅を特定する番号やコードも定期券に記録される。これに関する技術が、下記、特許文献1に開示されている。この開示技術によると、複数経路の利用を可能にする定期券を発行するためには、利用区間の一方の駅から他方の駅に行くことのできるすべての経路を求める。
例えば、先の例では、定期券の発行装置が、A→B→C→D→E→F→Gの経路と、A→L→M→N→Gの経路を求める。路線バスにおける実際の経路では、駅の数や経路の構成が複雑であり、例示のようなシンプルなものはあまり存在しない。そのため、具体的な発行装置やそれを含めたシステムにおいては、このような複数経路を含んだ利用区間を判定するソフトウェアの構成やシステムが複雑になり得る。
また、このような複数経路を利用可能にするためには複数経路に含まれる駅を特定可能な番号やコードを定期券に記録する必要がある。先の例では、A,B,C,D,E,F,G,L,M,Nの各駅を特定する番号等が定期券に記録される。実際の経路において複数の経路が並行して存在するときには1本の経路に比べて、駅数がほぼ経路の倍数分に増える。そのため、定期券においては情報記録媒体の記憶領域が大量に消費され得る。
ところで、定期券には、このような「区間定期券」の他に、下記、非特許文献1に開示されている「金額定期券」がある。この金額定期券は、乗車した区間が定期券の発行時の申告運賃以内の区間であれば、駅に関係なく乗降を許可する乗車券である。そのため、この定期券には、乗降可能な駅を特定する番号等は記録する必要がないことから、定期券に記録する情報がコンパクトになるメリットや、ICカードリードライター等の乗車券処理装置における判定処理が簡素になるメリットがある。
特開2002−157611号公報 "定期券"、[online]、西東京バス、金額定期券、[平成25年8月7日検索]、インターネット [URL http://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/lib/objects/20130228_ICteiki-1.pdf]
しかしながら、上記非特許文献1に開示されるような金額定期券は、前述したように、乗車区間の運賃が発券時の申告運賃以内であれば乗降が許可される。そのため、乗降が許可される申告運賃以内の区間の乗車と降車を複数回繰り返すことによって、1回の申告運賃で乗車できる範囲を超えて乗車し得るという問題がある。
例えば、前述したA→B→C→D→E→F→Gの経路において、初乗り運賃150円に一駅ごとに運賃が20円ずつ増加するように運賃体系が設定されていると仮定する。即ち、乗車駅と降車駅が隣駅であれば150円、両駅が2駅離れていれば170円、3駅離れていれば190円、4駅離れていれば210円、・・・という具合に離隔する駅数ごとに20円刻みで運賃が高くなる。また、利用客は申告運賃170円として金額定期券を購入していると仮定する。この場合、利用客は、まず始発駅Aから途中駅Cまで乗車することができる。ところが、途中駅Cで降車した後、同方面に向かう次のバスに乗車して途中駅Eまで乗車することができる。さらにこの後、途中駅Eで、再度、同方面の別のバスに乗車することによって終着駅Gまで乗車することができる。つまり、申告運賃170円の金額定期券で、乗車できる範囲を超えた終着駅Gまで乗車できてしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、有効性の判定における情報処理の負担を軽減し得る定期乗車券乗車券処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項に記載された乗車券処理装置は、読み書き可能な情報記録媒体を有しており申告運賃内の区間を所定の有効期間内に乗降車可能な定期乗車券であり、前記情報記録媒体には、前記申告運賃を表す運賃情報が書き込まれる運賃情報領域と、前記所定の有効期間を表す期間情報が書き込まれる期間情報領域と、前記申告運賃の区間を一日1往復する場合において前記期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数以上の利用可能回数の回数情報が書き込まれる回数情報領域と、が含まれる定期乗車券を情報処理する乗車券処理装置であって、前記情報記録媒体に含まれる運賃情報領域、期間情報領域および回数情報領域から、前記運賃情報、前記期間情報および前記回数情報を読み取る読取り部と、前記期間情報、前記運賃情報および前記回数情報に基づく判断により前記定期乗車券の利用の可否を判定する判定部と、前記回数情報領域に新たな前記回数情報を書き込む書込み部と、を備え、前記判定部は、(1)前記読取り部により前記の各情報を読み取った日が前記期間情報による前記所定の有効期間に含まれており、(2)前記運賃情報による前記申告運賃以内の区間に乗車区間が含まれており、かつ、(3)前記回数情報による前記利用可能回数が前記申告運賃の区間を一日1往復する場合において前記期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超えると判断したとき、前記定期乗車券の利用を許容し、前記読取り部により読み取られた回数情報に基づく利用可能回数から1を減算して残り利用可能回数を求め、前記書込み部は、前記残り利用可能回数を新たな前記回数情報として前記回数情報領域に書き込むことを特徴とする。
請求項に記載された乗車券処理装置の発明では、読取り部により、運賃情報領域から運賃情報、期間情報領域から期間情報、回数情報領域から回数情報をそれぞれ読み取り、書込み部により、回数情報領域に新たな回数情報を書き込む。そして、判定部により、(1)読取り部により前記の各情報を読み取った日が期間情報による所定の有効期間に含まれており、(2) 運賃情報による申告運賃の区間に乗車区間が含まれており、かつ、(3)回数情報による利用可能回数が申告運賃の区間を一日1往復する場合において期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超えると判断したとき、定期乗車券の利用を許容する。また、この場合、判定部は、読取り部により読み取られた回数情報に基づく利用可能回数から1を減算して残り利用可能回数を求め、書込み部は、この残り利用可能回数を新たな回数情報として回数情報領域に書き込む。
これにより、利用可能回数が残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超える場合には、利用可能回数から1を減算した残り利用可能回数が新たな回数情報として回数情報領域に書き込まれる(利用可能回数が残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超えない場合または利用可能日数分の往復に要する回数の場合には、利用可能回数から減算されない)。そのため、利用可能回数が残りの利用可能日数分の往復に要する回数になるまでは、定期乗車券の利用が許可される度ごとに1ずつ減算された残りの利用回数が当該定期乗車券の情報記憶媒体に書き込まれることから、当該定期乗車券の利用を一日に申告運賃の区間の1往復または1往復+α回に制限することが可能になる。また、判定部が、(1)読取り部により前記の各情報を読み取った日が期間情報による所定の有効期間に含まれているか否か、(2)区間情報による申告運賃の区間に乗車駅および降車駅が含まれているか否か、(3)回数情報による利用可能回数が申告運賃の区間を一日1往復する場合において期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超えるか否か、を判断するときに、乗降可能なすべての駅を特定する番号やコードについて判断する必要がない。
本発明では、当該定期乗車券の利用を一日に申告運賃の区間の1往復または1往復+α回に制限することを可能にするので、当該定期乗車券が金額定期券であっても、利用者が乗降の許可される区間を乗り継ぐように乗車と降車を繰り返すことを防止することができる。また、当該定期乗車券は金額定期券であることから、乗降可能なすべての駅を特定する番号やコードを記録する必要がないので、当該定期乗車券の利用の可否を判定する場合におけるその有効性の判定処理において、情報処理の負担を軽減することができる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るICカード処理機が搭載される路線バスの車内設備機器の構成例を示す説明図、図1(B)は、ICカード処理機の構成例を示すブロック図、である。 図2(A)は、路線バスの運行路線の概念を示す説明図、図2(B)は、本発明の一実施形態に係るICカードに記録されるデータの構成例を示す説明図、である。 第1の実施形態に係るICカード処理機による定期券改札処理の流れを示すフローチャートである。 図4(A)は、本発明の一実施形態に係る定期券発行機の構成例を示す説明図、図4(B)は、定期券発行機の構成例を示すブロック図、である。 第1の実施形態に係る定期券発行機による定期券発行処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の定期乗車券、乗車券処理装置および乗車券発行装置の第1の実施形態について図を参照して説明する。まず、本発明の定期券処理装置をICカード処理機20に適用し、また本発明の定期乗車券をこのICカード処理機20により情報処理されるICカード40に適用した実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1(A)に示すように、第1の実施形態に係るICカード処理機20は、路線バス100に搭載される非接触式のICカード40を読み取る情報処理装置であり、路線バス100の運賃の支払いが後払い方式である場合に、例えば、降車口100bの付近に設けられる運賃箱110に組み込まれる。なお、乗車口100a付近の整理券発行機120の近くにも、ICカード処理機20’が設けられているが、このICカード処理機20’は、後述するように、主に、乗車時に乗車駅番号をICカード40に書き込む処理を行う。なお、「後払い方式」とは、利用者が降車の際に運賃を支払う方式のことである。
これらのICカード処理機20,20’は、路線バス100の車内前方に設けられる運賃表示装置130と情報通信可能に電気的に接続されている。ICカード処理機20,20’のハードウェアは、ICカード処理機20が運賃箱110に組み込まれる点を除いて実質的に同一である。そのため、ここからは、特に、ICカード処理機20’について記載しない限り、ICカード処理機20,20’を代表してICカード処理機20について説明する。
図1(B)に示すように、ICカード処理機20は、ICカード40から読み取ったデータ(情報)に基づいて所定の情報処理を行う装置で、例えば、MPU21、メモリ22、システムバス23、入出力インタフェース24、ICカードリードライター25、表示装置26、通信インタフェース27等から構成されている。
MPU21は、ICカード処理機20を制御する演算処理装置で、システムバス23等を介して、メモリ22、入出力インタフェース24等と接続されている。
メモリ22は、MPU21が使用する主記憶空間を構成する半導体記憶装置で、例えば、プログラム領域を担うROMとワーク領域やデータ領域に割り当てられるDRAMとにより構成されている。ROMには、当該ICカード処理機20を制御するシステムプログラム(いわゆるOS)や、後述するように、ICカード処理機20の場合、定期券としてのICカード40の有効性を乗降時に判定する定期券改札処理を実行可能な定期券改札処理プログラム、さらには定期券改札処理等から呼び出され得る乗降駅間運賃算出処理や申告外運賃算出処理等を実行可能なプログラムが格納されている。また、ICカード処理機20’の場合には乗車駅番号取得処理等を実行可能なプログラムが格納されている。なお、ROMには、電気的に消去可能なEEPROMやフラッシュメモリが含まれる。
入出力インタフェース24は、ICカードリードライター25、表示装置26や通信インタフェース27等とMPU21との間で、シリアルやパラレル通信によりデータのやり取りを仲介するインタフェース装置である。
ICカードリードライター25は、ICカード40に記憶(記録)されたデータを読み出すICカードリーダー25aの機能と、ICカード40にデータを書き込むICカードライター25bの機能と、を兼ね備えた装置で、入出力インタフェース24を介してMPU21に接続されている。なお、以下、ICカード40(のICチップ42)にデータや情報を記憶させる概念にはデータや情報を「記録」する概念が含まれる。
ICカードリードライター25は、ICカード40から読み出されたデータやICカード40に書き込むデータを、MPU21との間でやりとり可能にMPU21により制御されている。例えば、ICカードリードライター25のタッチ面にICカード40を近づけるか、または軽く接触させることで、ICカード40のICチップ42に記憶されたデータが読み出されたり、データをICチップ42に書き込んで記憶させたりしている。
表示装置26は、例えば、LEDや液晶表示器により構成される出力装置でMPU21により制御されている。第1の実施形態では、LEDの発光色や液晶による文字等の表示によって乗降可否の判断結果を利用者に告知する。これにより、ICカード処理機20の場合には路線バス100から降車できるか否か、またICカード処理機20’の場合には、そのICカード40で路線バス100に乗車できるか否か、を視覚的に利用者が認識することが可能になる。
通信インタフェース27は、外部装置に対して情報通信可能にするシリアル通信インタフェースで、例えば、RS-232CやRS-422等の通信規格に準拠している。第1の実施形態では、例えば、運賃表示装置130が通信インタフェース27に接続されて、現在停車中の現停車駅の番号をICカード処理機20が運賃表示装置130から受信する。以下、現停車駅の番号のことを、単に「現停車駅番号」という。また、乗車駅と現停車駅との運賃、つまり乗降駅間の運賃情報についても、運賃表示装置130から受信する。
この運賃表示装置130は、本来、左右2画面の液晶ディスプレィに運賃表や宣伝広告等の告知情報を表示するための情報処理装置であるが、第1の実施形態では、ICカード処理機20に対して現停車駅番号や乗降駅間の運賃情報を送信する装置として機能する。またICカード処理機20の操作端末として、ICカード処理機20の機能設定や所定の操作をし得るようにも運賃表示装置130は構成されている。
このようにICカード処理機20を構成することによって、ICカード処理機20は、利用者がかざしたICカード40から、ICチップ42に記憶されたデータを読み取ってICカード40の有効性を判定したり、また乗降駅や運賃等に関するデータをICチップ42に書き込んだりすることが可能となる。第1の実施形態では、ICカード40は、予め決められた金額内の区間を所定の有効期間内に乗降車可能な定期券、つまり金額定期券として機能するデータを記憶している。なお、「金額定期券」は、乗車した区間が定期券の発行時に申告した運賃以内であれば駅に関係なく乗降を許可する乗車券である。
例えば、図2(A)に示すように、路線バスが運行する路線の概念として、始発駅[イ]から、途中駅[ロ],[ハ],[ニ],[ホ],[へ],[ト],[チ],[リ]を介して終着駅[ヌ]に至る経路が存在する場合において、初乗り運賃150円に一駅ごとに運賃が20円ずつ増加するように運賃体系が設定されていると仮定する。即ち、乗車駅と降車駅が隣駅であれば150円、両駅が、2駅離れていれば170円、3駅離れていれば190円、4駅離れていれば210円、…という具合に離隔する駅数ごとに20円刻みで運賃が高くなる。
この運賃体系において、例えば、利用者が乗車駅[ハ](◎印)から降車駅[チ](◎印)まで乗車区間(◎印を含む○印の区間)を申告(申告区間ハ−チ)して金額定期券を購入した場合、申告運賃230円の金額定期券が発行される。この金額定期券では、乗車区間が発券時の申告運賃以内であれば乗降が許可される。そのため、[発明が解決しようとする課題]の欄で述べたように、乗降が許可される区間を利用者が乗り継ぐように乗車と降車を繰り返すことによって申告運賃である230円分の区間(ハ−チ)を超えて乗車し得るという問題がこれまでの金額定期券やICカード処理機にはあった。
ところで、定期券は、予め決められた乗車区間内を所定の有効期間内に乗降車可能な乗車券であり、一般的には、通勤や通学に使用される。そのため、定期券の利用者が乗車区間内で度々途中下車をすることはあるとしても、毎日、途中下車することは想定し難い。そこで、第1の実施形態では、通常、途中下車は毎日行われるものではない点に着目して、定期券の有効期間内に乗車することのできる利用可能回数を、利用可能日数の2倍に相当する回数(以下「2倍相当回数」という)に所定の割増回数を加えた回数に制限する。「利用可能日数」とは、定期券を使用することのできる残りの日数のことであり、例えば、有効期限が6月30日までの定期券の場合、6月6日においては当日を含む25日(=30日−5日)が利用可能日数になる。また、所定の割増回数は、例えば、1か月当たり5回に設定される。なお、この所定の割増回数は、路線バス100の運行事業者のニーズ等に対応して適宜設定される。
例えば、先の申告区間ハ−チ(230円の区間)の例では、有効期間が6月1日から6月30日までの定期券(1か月定期券)の場合、始発駅[イ]〜終着駅[ヌ]の間において、定期券有効日初日の6月1日は、230円以下の区間を65回(=30日間×2回+5回)まで乗車することが許容される。「+5回」は所定の割増回数である。
仮に、6月1日に230円以下の区間を3回乗車した場合には、その翌日の6月2日〜6月30日までの間は、230円以下の区間を62回(=65回−3回)まで乗車することが許容される。換言すると、6月1日の3回/日の乗車は、往復乗車の2回を1回超えているため、その1回分が割増回数の5回から差し引かれて、有効期間内の残り利用可能回数は62回(=29日間×2回+4回)に制限される。
これに対して、6月1日に230円以下の区間を7回乗車した場合には、その翌日の6月2日〜6月30日までの間は、230円以下の区間を58回(=65回−7回)まで乗車することが許容される。換言すると、6月1日に往復乗車の2回を5回超えて乗車しているため、割増回数の5回はゼロ(=5回−5回)になり、有効期間内の残り利用可能回数は58回(=29日間×2回+0回)に制限される。
また、残り利用可能回数が残り利用可能日数の2倍相当回数を超えない場合は定期券の利用を制限する。この例の場合、6月1日に230円以下の区間を7回乗車した時点において、残り利用可能回数(=58回)は残り利用可能日数29日(6月2日〜30日)の2倍(=58日)を超えないため、8回目の利用を許容しない。翌日の6月2日には、残り利用可能回数(=58回)は残り利用可能日数28日(6月3日〜30日)の2倍(=56回)を超えるので、定期券の利用を許容する。
なお、有効期間の末日(例えば6月30日)に割増回数が残っている場合には、その残り割増回数を定期券の更新をする際に繰り越して、初期設定の割増回数5回に前月から繰り越した残り割増回数を加算してもよい。これにより、翌月の7月1日〜7月31日までが有効期間になる定期券では、初期設定値の5回よりも多い割増回数を取得することができる。また、このような残り割増回数の繰り越しを許容する期間を、例えば、3か月や6か月の期間に限定したり、繰り越しを許容する残り割増回数の上限を、例えば、初期設定値の3倍や5倍の回数に限定したりすることで、残り割増回数の過剰な繰り越しを抑制することが可能になる。
また、上記の例では、定期券の有効期間を6月1日から6月30日までの1か月間に設定したが、例えば、6月1日から8月31日までの3か月間を有効期間とした定期券(3か月定期券)や、6か月間を有効期間とした定期券(6か月定期券)に適用してもよい。この場合、残り割増回数の繰り越しは、定期券の有効期間(3か月や6か月)単位で行われ、また残り割増回数の繰り越しを許容する期間の限定や、繰り越しを許容する残り割増回数の上限は、定期券の有効期間の長さに応じて適宜設定される。
ここで、ICカード40のICチップ42に記憶される定期券データについて図2(B)を参照して説明する。図2(B)に示すように、ICチップ42の記憶領域(例えば、半導体メモリ等の記憶装置)には、運賃情報領域Sa、期間情報領域Pa、回数情報領域Taおよび有価情報領域Vaが設けられている。運賃情報領域Saには、定期券購入時に申告した運賃である申告運賃Sgが記憶されており、また期間情報領域Paには定期券の有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Pe、さらに回数情報領域Taには上述した残り利用可能回数Tr、がそれぞれ記憶されている。
なお、運賃情報領域Saには、乗車した駅の番号である乗車駅番号Ssが書き込まれる領域も設けられている。この乗車駅番号Ssは、乗車口100a付近に設けられたICカード処理機20’が現在停車中の現停車駅番号を運賃表示装置130から受信し、利用者が乗車時にICカード40をICカード処理機20’にかざす際に書き込まれる。第1の実施形態では、ICカード40は、ストアードフェアシステムによるSFカードとしての機能も有する。そのため、ICカード40には残り金額Vrを記憶する有価情報領域Vaが設けられている。また、ICチップ42には、このような各領域のほかに、氏名や生年月日等のICカード40の利用者を特定可能な所有者情報を記憶する領域も設けられている。
例えば、先の例では、申告区間ハ−チの運賃230円が申告運賃Sgとして、運賃情報領域Saに記憶される。また、例えば、6月1日を示す日付情報が有効期間開始日Ps、6月30日を示す日付情報が有効期間終了日Pe、としてそれぞれ期間情報領域Paに記憶される。さらに、残り利用可能回数Trとして、例えば65回が回数情報領域Taに記憶される。有価情報領域Vaには、有価情報として当該ICカード40で支払うことのできる残り金額Vrが記憶される。
なお、これらのICチップ42に記憶される各定期券データのうち、申告運賃Sg、有効期間開始日Ps、有効期間終了日Peや所有者情報等は、ICカード40が発行される際に、後述する定期券発行機50によって書き込まれる。また、回数情報領域Taには、定期券発行機50によるICカード40の発行時もしくは更新時に初期利用可能回数Tiが書き込まれ、その後のICカード処理機20によるICカード40の処理時に減算された残り利用可能回数Trに書き換えられる。さらに、有価情報領域Vaには、図略のICカードチャージ機によるSF入金時やICカード処理機20による運賃精算時に残り金額Vrが書き込まれる。
第1の実施形態に係るICカード処理機20では、先の例で説明したような各情報処理を、メモリ22に格納された定期券改札処理プログラム等をMPU21が実行することにより実現している。ここで、定期券改札処理プログラムによる定期券改札処理を図3に基づいて説明する。
この定期券改札処理は、利用者が路線バス100を降車する際にICカード処理機20にICカード40をかざした場合に、定期券としてのICカード40の有効性を判定するものである。例えば、路線バス100の前扉が開かれたことを示す開信号が運賃表示装置130を介して入力され、それをトリガにICカード処理機20が起動されて定期券改札処理が開始される。
図3に示すように、定期券改札処理では、まずステップS101により定期券読取り処理が行われる。この処理は、ICカード40を検出したICカードリードライター25がICチップ42から定期券データを読み取るものである。読み取られた定期券データは、メモリ22のワーク領域に一時的に保持される。
続くステップS103では有効期間判断処理が行われる。この処理は、ステップS101により読み取った定期券データのうちの有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Peに基づいて、これらの両日間、つまり有効期間内に読取り日当日(以下「本日」という)が含まれているか否かを判断する。そして、有効期間内に本日の日付Dtが含まれていると判断した場合には(S103;Yes)、次のステップS105に処理を移す。なお、本日の日付Dtは、ICカード処理機20が有する時計機能から出力される日付データに基づくものである。
これに対して、有効期間内に本日の日付Dtが含まれていないと判断した場合には(S103;No)、ステップS200による乗降駅間運賃算出処理を行う。即ち、本日の日付Dtが有効期間内でない場合には、当該ICカード40は定期券の有効性が否定される。つまり、定期券は無効であることから、定期券としてICカード40の利用は拒絶される。そのため、利用者に支払いを求める運賃をステップS200により算出する。
ステップS200による乗降駅間運賃算出処理では、乗車時にICカード処理機20’により運賃情報領域Saに書き込まれている乗車駅番号Ssと路線バス100が現在停車中の現停車駅番号とに基づいて利用者に支払いを求める乗車運賃を算出する。現停車駅番号は運賃表示装置130から受信する。第1の実施形態では、算出された運賃は、ステップS111による定期券書込み処理によって、有価情報領域Vaに記憶されている残り金額Vrから差し引かれることにより支払われる。
運賃額に対して残り金額Vrによる支払い額が不足する場合には、表示装置26によるLEDの発光色や液晶による文字等の表示によってその旨を利用者に告知する。ステップS111による定期券書込み処理が完了すると、本定期券改札処理を終了して、次にかざされるICカード40の読み取りに備える。
ステップS105では運賃判断処理が行われる。この処理は、ステップS101により読み取った定期券データのうちの申告運賃Sgと乗車駅番号Ssとに基づいて、乗降駅間の運賃がこの申告運賃Sgに含まれているか否かを判断する。即ち、運賃表示装置130から受信する乗降駅間の運賃情報に基づいて、乗車時にICカード処理機20’により書き込まれた乗車駅番号Ssに対する運賃を得ることにより、その運賃と申告運賃Sgの大小を比較する。乗降駅間の運賃が申告運賃Sg以下である場合には(S105;Yes)、次のステップS107に処理を移す。
これに対して、乗降駅間の運賃が申告運賃Sgより大きい場合には(S105;No)、ステップS300による申告外運賃算出処理を行う。即ち、乗降駅間の運賃が申告運賃Sgを超えている場合には、当該ICカード40の定期券により乗車可能な区間外についても乗車しているため、乗り越し等による差額運賃(乗越し運賃を含む)をステップS300による申告外運賃算出処理によって算出する。第1の実施形態では、算出された差額運賃は、ステップS111による定期券書込み処理によって、有価情報領域Vaに記憶されている残り金額Vrから差し引かれることにより支払われる。
差額運賃額に対して残り金額Vrによる支払い額が不足する場合には、前記したステップS200による乗降駅間運賃算出処理と同様に、表示装置26によるLEDの発光色や液晶による文字等の表示によってその旨を利用者に告知する。ステップS111による定期券書込み処理が完了すると、本定期券改札処理を終了して、次にかざされるICカード40の読み取りに備える。
ステップS107では、残り利用回数Trが期間内利用保証回数Tgを超えているか否かを判断する処理が行われる。この処理は、ステップS101により読み取った定期券データのうちの有効期間終了日Peおよび残り利用可能回数Trと本日の日付Dtとに基づいて、利用可能日数(=Pe−Dt+1)の2倍相当回数である期間内利用保証回数Tgを算出し、この期間内利用保証回数Tgを残り利用可能回数Trを超えているか否かを判断する。残り利用回数Trが期間内利用保証回数Tgを超えていないと判断した場合、つまり残り利用回数Trが期間内利用保証回数Tg以下であると判断した場合には(S107;No)、次のステップS109により残り利用回数Trから1を減算すると、残りの利用可能日数において乗車できない日が生じ得るため、ステップS109をスキップしてステップS111に処理を移行する。これにより、申告区間の運賃以内であれば、少なくとも往復乗車の2回/日を許容することで、定期券としての機能を担保する。
これに対して、残り利用回数Trが期間内利用保証回数Tgを超えていると判断した場合には(S107;Yes)、次のステップS109により残り利用回数Trから1回減算する処理が行われる。即ち、今回の乗車によって申告運賃Sg内における定期券の利用がされたことから、1回分の利用回数をICカード40から読み取られた残り利用回数Trから差し引く(1を減算する)処理を行う。
続くステップS111では定期券書込み処理が行われる。このステップにより行われる情報処理は、その直前に行われた各ステップによる処理内容によって異なる。即ち、前述したように、前処理がステップS200やステップS300による運賃算出処理である場合には、このステップS111では、残り金額Vrから運賃額を差し引いた残額をICカード40に書き戻す処理、つまり支払い処理を行う。
また、前処理がステップS107により残り利用回数Trが期間内利用保証回数Tgを超えていないと判断した場合には(S107;No)、このステップS111では、ステップS101により読み取った残り利用可能回数TrをそのままICカード40に書き戻す処理を行う。なおこの場合、ICカード40に何も書き込まない処理を行ってもよい。さらに、前処理がステップS109により残り利用回数Trから1を減算した場合には、このステップS111では、減算後の残り利用回数TrをICカード40に書き戻す処理を行う。ステップS111による定期券書込み処理が完了すると、本定期券改札処理を終了し、次にかざされるICカード40の読み取りに備える。
以上説明したように、第1の実施形態に係るICカード40の定期券によると、運賃情報領域Saに定期券購入時に申告した運賃である申告運賃Sgが書き込まれ、期間情報領域Paに所定の有効期間を表す有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Peが書き込まれ、回数情報領域Taに残りの利用可能日数の2倍相当回数以上の残り利用回数Trが書き込まれる。回数情報領域Taに書き込まれる残り利用回数Trは、残りの利用可能日数の2倍に相当する回数+α回である。これにより、当該定期券の利用の可否を判定する場合、残り利用回数Trに基づいた判定を行うことによって、定期券の利用を一日に申告運賃内の1往復+α回に制限できるため、当該定期券が金額定期券であっても、利用者が乗車と降車を繰り返して複数の区間を乗り継ぐことを防止することが可能になる(利用者が乗降の許可される区間を乗り継ぐように乗車と降車を繰り返すことを防止することが可能になる)。また、当該定期券は金額定期券であるため、乗降可能なすべての駅を特定する番号やコードを記録する必要がない。したがって、ICカード40による定期券の利用の可否を判定する場合における定期券改札処理(S103,S105,S107)において、情報処理の負担を軽減することができる。
また、第1の実施形態に係るICカード処理機20によると、ICカードリードライター25のICカードリーダー25aにより、運賃情報領域Saから申告運賃Sg、期間情報領域Paから有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Pe、回数情報領域Taから残り利用可能回数Trをそれぞれ読み取る。そして、MPU21およびメモリ22により、(1)ICカードリーダー25aにより前記の申告運賃Sg、有効期間開始日Ps、有効期間終了日Pe、残り利用可能回数Trを読み取った日が有効期間開始日Psから有効期間終了日Peまでの有効期間に含まれており(S103;Yes)、(2)申告運賃Sgによる区間に乗車区間が含まれており(S105;Yes)、かつ、(3)残り利用可能回数Trが有効期間終了日Peと本日の日付Dtとに基づく残りの利用可能日数(=Pe−Dt+1)の2倍相当回数を超えると判断した場合(S107;Yes)、定期券としてのICカード40の利用を許容する。また、この場合、MPU21およびメモリ22は、ICカードリードライター25のICカードリーダー25aにより読み取られた残り利用可能回数Trから1を減算して新たな残り利用可能回数Trを求め、ICカードライター25bは、この新たな残り利用可能回数Trを回数情報領域Taに書き込む。
これにより、残り利用可能回数Trが残りの利用可能日数(=Pe−Dt+1)の2倍相当回数を超える場合には(S107;Yes)、残り利用可能回数Trから1を減算した残り利用可能回数Trが回数情報領域Taに書き込まれる。これに対して、残り利用可能回数Trが残りの利用可能日数(=Pe−Dt+1)の2倍相当回数を超えない場合または2倍相当回数に等しい場合には(S107;No)、残り利用可能回数Trから減算しない。そのため、残り利用可能回数Trが残りの利用可能日数(=Pe−Dt+1)の2倍相当回数になるまでは、定期券としてのICカード40の利用が許可される度ごとに1ずつ減算された残りの利用回数Trが定期券としてのICカード40のICチップ42に書き込まれることから、定期券の利用を一日に申告運賃の区間の1往復または1往復+α回に制限することが可能になる。したがって、ICカード40による定期券が金額定期券であっても、利用者が乗車と降車を繰り返して複数の区間を乗り継ぐことを防止することが可能になる(利用者が乗降の許可される区間を乗り継ぐように乗車と降車を繰り返すことを防止することが可能になる)。また、MPU21およびメモリ22が、上記(1)〜(3)の各判断処理を行う場合(S103,S105,S107)に、乗降可能なすべての駅を特定する番号やコードについて判断する必要がないことから、ICカード40による定期券の利用の可否を判定する場合における定期券改札処理(S103,S105,S107)において、情報処理の負担を軽減することができる。
続いて、本発明の定期券発行装置を、前述したICカード40による定期券を発行する定期券発行機50に適用した実施形態を図4および図5に基づいて説明する。定期券発行機50は、ICカード40に定期券データを書き込むことにより定期券を発行したり更新したりする装置で、第1の実施形態では、前述したICカード40による金額定期券を発行する。定期券発行機50には、利用者が自ら操作可能にターミナル駅等の建物内に設置されるタイプや、運行会社の職員が操作する専用端末に接続されるタイプ等があるが、ここでは、利用者が操作可能なタイプの定期券発行機を例示して説明する。
まず、図4を参照して構成等を説明する。図4に示すように、定期券発行機50は、例えば、MPU51、メモリ52、システムバス53、入出力インタフェース54、ICカードリードライター55、入出力装置56、通信インタフェース57等から構成されており、外部に設けられたデータベース70とデータ通信可能に接続されている。
MPU51は、ICカード処理機50を制御する演算処理装置で、システムバス53等を介して、メモリ52、入出力インタフェース54、ICカードリードライター55等と接続されている。このMPU51は、図5に示す定期券発行処理を実行する。
メモリ52は、MPU51が使用する主記憶空間を構成する半導体記憶装置で、例えば、プログラム領域を担うROMとワーク領域やデータ領域に割り当てられるDRAMとにより構成されている。ROMには、当該定期券発行機50を制御するシステムプログラム(いわゆるOS)や、図5に示す定期券発行処理を実行可能なアプリケーションプログラム(定期券発行プログラム)等が格納されている。なお、ROMには、電気的に消去可能なEEPROMやフラッシュメモリが含まれる。
入出力インタフェース54は、ICカードリードライター55、入出力装置56や通信インタフェース57等とMPU51との間で、シリアルやパラレル通信によりデータのやり取りを仲介するインタフェース装置である。
ICカードリードライター55は、ICカード40に記憶されたデータを読み出すICカードリーダー55aの機能と、ICカード40にデータを書き込むICカードライター55bの機能と、を兼ね備えた装置で、入出力インタフェース54を介して接続されるMPU51に制御されている。第1の実施形態では、例えば、ICカードリードライター55の挿入口55cにICカード40を挿入することで、ICカード40のICチップ42にデータを書き込んだり、ICチップ42に記憶されたデータを読み出したりし得るようにICカードリードライター55が構成されている。ICカード40に書き込むデータやICカード40から読み出されたデータは、MPU51との間でやりとりされている。
入出力装置56は、例えば、タッチパネルと液晶ディスプレィにより構成されるマンマシンインタフェース装置でMPU51により制御されている。タッチパネルは、後述するように、利用者が操作メニューや乗降駅を選択したり有効期間を指定したりする際に使用され、また液晶ディスプレィは、ICカード40に既に記録されている情報やタッチパネルによる入力情報を表示する際に使用される。
通信インタフェース57は、外部装置に対して情報通信可能にするシリアル通信インタフェースで、例えば、IEEE802.1等による通信規格に準拠している。第1の実施形態では、定期券発行機50は、通信インタフェース57を介して、各利用者の定期券データ(定期券情報)を一元管理するデータベース70に接続されており、後述するように、定期券データの照合や更新が行われる。
このデータベース70は、具体的には、例えば、インターネット等の通信回線に接続されるファイルサーバで、定期券発行機50が設置される建物外のデータセンタに設けられており、クラウド化されている場合もある。
このように定期券発行機50を構成することにより、定期券発行機50は、ICカード40のICチップ42に定期券データを書き込んだり、有効期間が間近や経過した定期券データをICチップ42から読み出したりして、定期券の発行や更新を処理している。このような情報処理の一例として、定期券発行処理を図5を参照して説明する。なお、この処理は、メモリ52に記憶された定期券発行プログラムをMPU51が実行することにより実現される。
定期券発行機50は、電源が投入されると、所定の自己診断処理や初期化処理等を実行した後、入出力装置56の液晶ディスプレィにメニュー画面を表示して、利用者による入力操作を待つ。例えば、「新規」と「継続」をメニュー画面に表示して、定期券を新たに発行する処理(新規)と、発行済みの定期券の有効期間を更新する処理(継続)、のいずれかを選択するように利用者に促す。
即ち、図5に示すように、ステップS501により選択入力処理が行われて、選択結果に基づいてステップS503による判断処理が行われる。ステップS503により「新規」であると判断されると(S503;新規)、ステップS504により乗降駅入力処理が行われ、ステップS503により「継続」であると判断されると(S503;継続)、ステップS505により定期券読取り処理が行われる。
ステップS504は、定期券を新規に作成する場合(S503;新規)の乗降駅入力処理である。新規作成時には、まずは乗降駅を特定する必要があるため、このステップにより、入出力装置56の液晶ディスプレィに乗車駅と降車駅のそれぞれの候補、または50音片仮名表示によるソフトウェアキーボード等を表示して、駅名の入力を受け付ける。利用者により乗降駅を特定可能な情報が入力されて乗車駅名と降車駅名を特定すると、これらの駅名に基づく申告運賃Sgを算出した後、ステップS509に処理を移行する。なお、このステップS504による入力処理として、乗降駅名ではなく、利用を希望する運賃を入力または選択するように構成してもよい。これにより、乗降駅名から申告運賃Sgを算出することなく、申告運賃Sgの情報を得ることができる。
ステップS505は、定期券を継続する場合(S503;継続)の処理である。即ち、現在使用している、またはそれまで使用していた定期券と同じ乗降駅間の利用で有効期間だけを更新する場合には、定期券読取り処理により既発の定期券から定期券データを読み取ることで、定期券の発行に必要なデータを取得する。この場合には、ICカードリードライター55によりICカード40から定期券データを読み取る。ここで読み取られる定期券データには、前述した申告運賃Sg、有効期間開始日Ps、有効期間終了日Peおよび残り利用可能回数Trのほかに、氏名や生年月日等の所有者を特定可能な情報等が含まれている。
次のステップS507ではデータベース照合処理が行われる。ステップS505により定期券から読み取った定期券の所有者を特定可能な情報に基づいて、データベース70に蓄積されている発行済みの定期券データを検索して、該当する定期券データと照合する。この照合は、例えば、定期券データの改ざんや定期券の偽造を発見するために行う。
ステップS509では乗降駅等表示処理が行われる。定期券を新規に発行する場合や継続する場合も、この処理によって乗降可能な駅名とその区間の運賃額が入出力装置56の液晶ディスプレィに表示される。利用者は、この表示を見て乗降駅とその区間の運賃額を確認する。
続くステップS511では有効期間入力処理が行われる。例えば、「1か月」や「3か月」等を選択可能に入出力装置56の液晶ディスプレィに表示して利用者の選択入力を可能にする。これにより、入力された有効期間の情報(有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Pe)に基づいて次のステップS513では初期回数を算出する。
即ち、図2(B)を参照して説明したように、ICチップ42には、運賃情報領域Sa、期間情報領域Pa、回数情報領域Taおよび有価情報領域Vaが設けられており、そのうちの回数情報領域Taには前述の残り利用可能回数Trが記憶されている。この残り利用可能回数Trは、定期券の発行時においては、発行時の利用可能日数(=有効期間終了日Pe−有効期間開始日Ps+1)の2倍相当回数に割増回数αを加えた回数に設定される。そのため、ステップS513では、初期回数として、(有効期間終了日Pe−有効期間開始日Ps+1)×2+割増回数αにより初期利用可能回数Tiを算出する。割増回数αは、例えば5回/月に設定される。なお、ひと月当たりの割増回数αは、路線バス100の運行事業者のニーズ等に対応して適宜設定される。
なお、継続の場合には、ステップS505により読み取った残り利用可能回数Trに基づいて、繰り越し可能な残り利用可能回数Trを割増回数αに加算してもよい。これにより、新規の場合や繰り越しのない場合に比べて、多い割増回数を取得することができる。なお、繰り越しが可能であるか否かは、繰り越しを許容する期間や繰り越しを許容する残り割増回数の上限を設定することにより判断する。これにより、割増回数の過剰な繰り越しを抑制することが可能になる。
次のステップS515では料金算出処理が行われる。この処理は、ステップS511により入力された有効期間の情報(有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Pe)と申告運賃Sgに基づいて請求金額を算出した後、算出された請求金額を入出力装置56の液晶ディスプレィに表示する。これにより、利用者は支払い金額を把握できるので、次のステップS517により入金受付処理が行われる。
ステップS517により、液晶ディスプレィに表示した金額に相当する紙幣または硬貨の投入を受け付けると、該当金額の入金が一定時間内にあったか否かを判断する。そして、請求額の入金があった場合には(S517;Yes)、ステップS519に移行し、一定時間内に請求額の入金がなかった場合には(S517;No)、それまで行った情報処理をすべてキャンセルして一連の本定期券発行処理を終了する。終了すると、利用者による入力操作を待つため、前述したメニュー画面を入出力装置56の液晶ディスプレィに表示する。
ステップS519では定期券書込み処理が行われる。この処理は、ICチップ42に設けられる、運賃情報領域Saに申告運賃Sg、期間情報領域Paに有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Pe、ならびに回数情報領域Taに残り利用可能回数Trとして初期利用可能回数Ti、をそれぞれ書き込む。これにより、ICカード40による定期券の発行または更新が可能になる。なお、ICカード40の書き込みは、ICカードリードライタ55のICカードライター55bの機能により行われる。
ICカード40の書き込みが完了すると、ステップS521によりデータベース更新処理が行われ、ステップS519によりICカード40に書き込まれた各データが、発行済みの定期券データとしてデータベース70に蓄積される。この処理が完了すると、定期券発行機50は、定期券データを書き込んだICカード40を挿入口55cから排出する。なお、このときICカード40の表面には、図略の印刷機構により乗降可能な駅名や所有者の氏名等が印刷される。一連の本定期券発行処理を終了すると、前述したメニュー画面を入出力装置56の液晶ディスプレィに表示して、利用者による入力操作を待つ。
以上説明したように、第1の実施形態に係る定期券発行機50によると、入出力装置56により申告運賃の区間を表す乗車駅および降車駅(またはICカードリードライター55のICカードリーダー55aにより申告運賃Sg)ならびに有効期間の情報を取得し、MPU51およびメモリ52により、期間情報に基づく利用可能日数(有効期間終了日Pe−有効期間開始日Ps+1)の2倍に割増回数αを加えて得られる初期利用可能回数Tiを求め、ICカードリードライター55のICカードライター55により、ICカード40のICチップ42に対して、申告運賃Sgを運賃情報領域Saに、また有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Peを期間情報領域Paにそれぞれ書き込み、初期利用可能回数Tiを残り利用可能回数Trとして回数情報領域Taに書き込む。
これにより、回数情報領域Taには、残り利用可能回数Trとして、有効期間開始日Psおよび有効期間終了日Peに基づく利用可能日数(有効期間終了日Pe−有効期間開始日Ps+1)の2倍相当回数に割増回数αが足されて、ICカード40による定期券が発行される。つまり、一日の利用を、申告運賃の区間の1往復+割増回数αに制限する定期券を発行することが可能になる。したがって、ICカード40による定期券が金額定期券であっても、利用者が乗車と降車を繰り返して複数の区間を乗り継ぐことを防止することができる(利用者が乗降の許可される区間を乗り継ぐように乗車と降車を繰り返すことを防止することができる)。また、ICカード40による定期券を発行するMPU51およびメモリ52による定期券発行処理において、情報処理の負担を軽減することができる。
ところで、定期券における残り利用可能回数の処理について、必ずしも第1の実施形態のように、残り利用可能回数が残り利用可能日数の2倍相当回数を超えない場合に定期券の利用を制限する必要はない。第2の実施形態として、残り利用可能回数が利用可能日数の2倍相当回数を超えないときは、残り利用可能回数から乗車回数を減算処理せず、1日につき2回分の乗車を許容するものとすることもできる。
例えば、有効期限が6月1日から6月30日で、1ヶ月の利用可能回数が65回の定期券を使用して、6月1日に10回の乗車を行った場合、6月2日における残り利用可能回数(=55回)は、残り利用可能日数29日(6月2日〜30日)の2倍相当回数(=58回)を超えないため、6月2日以降は残り利用可能回数が残り利用可能日数の2倍相当回数を超えるまで乗車回数2回を減算せずに、1日につき2回分の乗車を許容する。
これによれば、申告運賃以内であれば、往復乗車が可能となる1日につき2回の乗車が保証される。したがって、定期券としての最低限の機能を担保することができる。
なお、上述した各実施形態では、読み書き可能な情報記録媒体として、ICカード40に実装されるICチップ42(が有する半導体メモリ)を例に説明したが、これに限られることはなく、例えば、磁気ストライプカードに設けられる磁気ストライプ(帯状の磁性体)でもよい。この場合、ICカードリードライター25,55は、磁気カードリードライターに置き換わる。
また、上述した各実施形態では、ICカード処理機20を路線バス100に搭載する例を挙げて説明したが、ICカード処理機を備える乗合車両であれば、例えば、路面電車にも適用することができる。
なお、上述した各実施形態では、利用者が路線バス100に乗降する地点のことを、「始発駅」、「途中駅」や「終着駅」と称して説明を行ったが、一般的には、これらの駅のことを「停留所」と呼んでいることに留意されたい。
20…ICカード処理機(定期券処理装置)
21…MPU(判定部)
22…メモリ(判定部)
25…ICカードリードライター(読取り部、書込み部)
25aICカードリーダー(読取り部)
25bICカードライター(書込み部)
40…ICカード(定期乗車券)
42…ICチップ(情報記録媒体)
50…定期券発行
51…MP
52…メモ
55…ICカードリードライタ
55aICカードリーダ
55bICカードライタ
56…入出力装
100…路線バス(乗合車両)
110…運賃箱
130…運賃表示装置
Sa…運賃情報領域
Sg…申告運賃(運賃情報)
Ss…乗車駅番号
Pa…期間情報領域
Ps…有効期間開始日(期間情報)
Pe…有効期間終了日(期間情報)
Ta…回数情報領域
Ti…初期利用可能回数(回数情報)
Tr…残り利用可能回数(回数情報)
Va…有価情報領域
Vr…残り金額
α…割増回

Claims (1)

  1. 読み書き可能な情報記録媒体を有しており申告運賃内の区間を所定の有効期間内に乗降車可能な定期乗車券であり、前記情報記録媒体には、前記申告運賃を表す運賃情報が書き込まれる運賃情報領域と、前記所定の有効期間を表す期間情報が書き込まれる期間情報領域と、前記申告運賃の区間を一日1往復する場合において前記期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数以上の利用可能回数の回数情報が書き込まれる回数情報領域と、が含まれる定期乗車券を、情報処理する乗車券処理装置であって、
    前記情報記録媒体に含まれる運賃情報領域、期間情報領域および回数情報領域から、前記運賃情報、前記期間情報および前記回数情報を読み取る読取り部と、
    前記期間情報、前記運賃情報および前記回数情報に基づく判断により前記定期乗車券の利用の可否を判定する判定部と、
    前記回数情報領域に新たな前記回数情報を書き込む書込み部と、を備え、
    前記判定部は、(1)前記読取り部により前記の各情報を読み取った日が前記期間情報による前記所定の有効期間に含まれており、(2)前記運賃情報による前記申告運賃以内の区間に乗車区間が含まれており、かつ、(3)前記回数情報による前記利用可能回数が前記申告運賃の区間を一日1往復する場合において前記期間情報に基づく残りの利用可能日数分の往復に要する回数を超えると判断したとき、前記定期乗車券の利用を許容し、前記読取り部により読み取られた回数情報に基づく利用可能回数から1を減算して残り利用可能回数を求め、
    前記書込み部は、前記残り利用可能回数を新たな前記回数情報として前記回数情報領域に書き込むことを特徴とする乗車券処理装置。
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