JP6255789B2 - インプリント方法およびインプリント装置 - Google Patents

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本発明は、使用するモールドと転写基板の少なくとも一方がメサ構造を有するようなインプリント方法とインプリント装置に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成形樹脂に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、被成形樹脂として光硬化性樹脂を用いたインプリント方法では、転写基板の表面に光硬化性樹脂の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと転写基板とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。
このようなインプリント方法では、モールドと転写基板とを所定の距離まで近接させたときに、両者が近接対向する領域の外へ被成形樹脂がはみ出し、これが異物となる場合がある。例えば、モールドよりも大面積の転写基板の全面にスピンコート法等で被成形樹脂を塗布し、モールドを用いてステップ/リピートにより繰り返しインプリントを行う場合、モールドの外側にはみ出した被成形樹脂の硬化物が異物となり、モールドやパターン構造体に損傷を与えるという問題がある。このような問題に対し、遮光部材を側面に備えるモールドを使用することにより、はみ出した被成形樹脂の光硬化を低減、抑制して、異物の発生を防止することが提案されている(特許文献1)。
特許第4869263号公報
いずれか一方がメサ構造を有するモールドと転写基板を使用するインプリントでは、例えば、モールドと転写基板とのアライメントずれ、被成形樹脂の膜厚分布や供給量分布の不均一さ、モールドと転写基板との近接方法等の要因により、メサ構造の外側への被成形樹脂のはみ出しが生じるおそれがある。上述のステップ/リピートによるインプリント時の問題と同様に、このようなメサ構造の外側への被成形樹脂のはみ出しが生じた場合も、はみ出し部位から発生した異物により、モールドやパターン構造体に損傷を与えるという問題がある。特に、マスターモールドからレプリカモールドを製造するためのインプリントでは、異物がマスターモールドに付着することにより欠陥が発生すると、製造コストや製造時間の多大な増加を来すことになる。
しかし、使用する転写基板(例えば、レプリカモールド用の基板)がメサ構造を有する場合、モールド(例えば、マスターモールド)が上記の特許文献1に記載されているように側面に遮光部材を備えるものであっても、転写基板のメサ構造の外側にはみ出した被成形樹脂は、モールド側からの照射光により硬化されるので、異物発生を防止することはできない。
また、使用するモールド(例えば、マスターモールド)がメサ構造を有し、上記の特許文献1に記載されているようにメサ構造の側面に遮光部材を備える場合、硬化後の被成形樹脂とモールドを引き離す際に、メサ構造の外側へはみ出した被成形樹脂は、未硬化の状態にある。このため、モールドとの離型時に未硬化の被成形樹脂が飛散したり尾引を生じ、モールドやパターン構造体に異物が付着して欠陥を生じるおそれがある。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、メサ構造を有するモールドおよび/または転写基板を用いてパターン構造体を高い精度で形成するためのインプリント方法、および、インプリント装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリント方法は、パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有する転写基板の前記凸構造部上に被成形樹脂を供給する樹脂供給工程と、凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂を展開させて被成形樹脂層を形成する接触工程と、前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記モールド互いに引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、前記離型工程後の前記モールドと前記パターン構造体を検査する検査工程と、を有し、前記検査工程では、前記転写基板の前記凸構造部の外側への前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査して、その検査結果に基づいてその後の工程を判断するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記検査工程は、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程と、前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記転写基板の前記凸構造部上に位置する前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程とを含み、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められる場合には、前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記転写基板の前記凸構造部上に位置する前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程とを実施するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程において前記モールドへの異物の付着が認められない場合には、インプリントの続行を決定し、前記モールドへの異物の付着が認められる場合には、インプリントの中止を決定し、前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記パターン構造体への異物の付着が認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程への進行を決定し、前記パターン構造体への異物の付着が認められる場合には、前記パターン構造体に付着する異物が前記パターン構造体を用いた次工程で問題となるか否かを判断し、問題とならない場合に次工程の進行を決定するような構成とした。
また、本発明のインプリント方法は、被成形樹脂を転写基板に供給する樹脂供給工程と、凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂を展開させて被成形樹脂層を形成する接触工程と、前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記モールド互いに引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、前記離型工程後の前記モールドと前記パターン構造体を検査する検査工程と、を有し、前記検査工程では、前記モールドの前記凸構造部に対応する領域の外側への前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査して、その検査結果に基づいてその後の工程を判断するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記検査工程は、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程と、前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程とを含み、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められる場合には、前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程とを実施するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記モールドの前記凸構造部への異物の付着が認められない場合には、インプリントの続行を決定し、前記モールドの前記凸構造部への異物の付着が認められる場合には、インプリントの中止を決定し、前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記パターン構造体への異物の付着が認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程への進行を決定し、前記パターン構造体への異物の付着が認められる場合には、前記パターン構造体に付着する異物が前記パターン構造体を用いた次工程で問題となるか否かを判断し、問題とならない場合に次工程の進行を決定するような構成とした。
本発明のインプリント装置は、凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有するモールド、および/または、パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有する転写基板を用いたインプリントを実施することができるインプリント装置であって、前記モールドを保持するためのモールド保持部と、前記転写基板を保持するための基板保持部と、前記転写基板に被成形樹脂を供給する樹脂供給部と、前記転写基板に形成されパターン構造体について、前記転写基板が有する前記凸構造部の外側へのはみ出しの有無または前記モールドが有する前記凸構造部に対応する領域の外側へのはみ出しの有無の検査を行う検査部と、を少なくとも備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記転写基板に形成されたパターン構造体について、前記転写基板が有する前記凸構造部の外側へのはみ出しまたは前記モールドが有する前記凸構造部に対応する領域の外側へのはみ出しが認められる場合に、前記検査部は、前記モールドに異物が付着しているか否かの検査と、前記転写基板に形成され前記パターン構造体に異物が付着しているか否かの検査とをさらに行うような構成とした。
本発明の他の態様として、前記検査部は、計測部と、該計測部による計測情報を取得する取得部と、前記モールドおよび前記転写基板の情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された前記計測情報および前記記憶部に記憶されている情報に基づいて前記モールドおよび前記パターン構造体の状態を特定する特定部と、前記特定部で生成された情報に基づいてインプリントの続行あるいは中止、および、前記パターン構造体の使用あるいは廃棄を判断する判断部を有するような構成とした。
本発明によれば、メサ構造を有するモールドおよび/または転写基板を用いて、高精度のパターン構造体を安定して作製することができ、また、モールドの破損等を防止することができるという効果が奏される。
図1は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図2は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図3は、本発明のインプリント方法における検査工程の一例を示すフローチャートである。 図4は、本発明のインプリント方法における検査工程での異物存在時の判定を説明する図である。 図5は、本発明のインプリント方法における検査工程での異物存在時の判定を説明する図である。 図6は、本発明のインプリント方法における検査工程の他の例を示すフローチャートである。 図7は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 図8は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 図9は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための図である。 図10は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための図である。 図11は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための図である。 図12は、本発明のインプリント装置の一実施形態を示す側面概略構成図である。 図13は、本発明のインプリント装置における処理ユニットを説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[インプリント方法]
(第1の実施形態)
図1および図2は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本実施形態では、パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した状態であるメサ構造を有する転写基板を使用する。図示例では、転写基板11は、基部12の一方の面12aに位置する凸構造部13を有しており、この凸構造部13の表面13aはパターン構造体が形成される領域であり、周囲の領域12aよりも突出した状態であるメサ構造となっている(図1(A))。尚、転写基板に存在するメサ構造は1つのみであってよく、また、所定の間隔を隔てて複数並んで存在していてもよい。さらに、メサ構造の突出状態は2段以上の多段であってもよい。
この転写基板11の材質は、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。但し、後述する硬化工程において、転写基板11側から光照射を行う場合、転写基板11は硬化処理が可能であるような光透過性を具備していることが必要である。また、後述する検査工程において、転写基板11に検査光を照射して、その透過光を利用して計測を行う場合、転写基板11は少なくとも検査光による検査が可能であるような光透過性を具備していることが必要であり、その反射光を利用して計測を行う場合、光反射性を具備していることが必要である。
本発明では、まず、樹脂供給工程にて、上記のような転写基板11の凸構造部13上の所望の領域に、インクジェット方式により、被成形樹脂31の液滴を吐出して供給する(図1(A))。転写基板11に供給する被成形樹脂31の液滴の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる被成形樹脂の総量、後工程である接触工程におけるモールド21と転写基板11との間隙等から適宜設定することができる。
次に、接触工程にて、転写基板11とモールド21を近接させて、この転写基板11とモールド21との間に被成形樹脂31の液滴を展開して被成形樹脂層32を形成する(図1(B))。使用するモールド21は、図示例では、基材22と、基材22の一方の面22aに設定された凹凸構造領域Aに位置する凹凸構造24を有している。また、モールド21の基材22の材質は、インプリントに使用する被成形樹脂が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被成形樹脂が光硬化性ではない場合や、転写基板11側から被成形樹脂を硬化させるための光を照射可能である場合には、基材22は光透過性を具備しなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。但し、後述する検査工程において、モールド21に検査光を照射して、その透過光を利用して計測を行う場合、モールド21は少なくとも検査光による検査が可能であるような光透過性を具備していることが必要であり、その反射光を利用して計測を行う場合、光反射性を具備していることが必要である。
この接触工程において、被成形樹脂層32が転写基板11の凸構造部13の外側にはみ出すことがある。具体的には、凸構造部13の表面13aとは異なる面、例えば、凸構造部13の側壁や、凸構造部13の側壁および基部12の表面12aに被成形樹脂層32がはみ出すことがある。図1(B)では、モールド21と転写基板11との間に形成された被成形樹脂層32にはみ出しが生じている状態を示しており、このはみ出し部分は、転写基板11の凸構造部13の側壁に位置している。
次いで、硬化工程にて、被成形樹脂層32を硬化させて、モールド21の凹凸構造24が転写された転写樹脂層34とする(図1(C))。この硬化工程では、使用する被成形樹脂が光硬化性樹脂であれば、モールド21側から光照射を行うことにより被成形樹脂層32を硬化させることができる。また、転写基板11が光透過性の材料からなる場合、転写基板11側から光照射を行ってもよく、さらに、転写基板11とモールド21の両側から光照射を行ってもよい。一方、使用する被成形樹脂が熱硬化性樹脂であれば、被成形樹脂層32に対して加熱処理を施すことにより硬化させることができる。
次に、離型工程にて、転写樹脂層34とモールド21を引き離して、転写樹脂層34であるパターン構造体41を転写基板11上に位置させた状態とする(図1(D)、図2(A)〜図2(C))。
尚、図1および図2に示される例では、パターン構造体41が凸部を有しているが、後述するように、パターン構造体41が凹部を有するものであってよいことは、勿論である。
次いで、検査工程を開始する。図3は検査工程の一例を示すフローチャートである。以下に、図1(D)、図2(A)〜図2(C)および図3を参照しながら、検査工程を説明する。
この検査工程は、離型工程が終了(ステップS100)し、パターン構造体41が転写基板11上に位置する状態で開始する。検査工程では、まず、転写基板11の凸構造部13の外側へのパターン構造体41のはみ出しの有無を判定する(ステップS101)。
この判定の結果、パターン構造体41のはみ出しが認められない場合(No)には、パターン構造体41を用いた次工程の進行を決定する。そして、モールド21に異物が付着しているか否かを判定し(ステップS102)、モールド21への異物の付着が認められない場合(No)には、インプリントの続行と、パターン構造体41を用いた次工程の進行を決定する(ステップS103)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。パターン構造体41を用いた次工程とは、例えば、パターン構造体41をエッチングマスクとして転写基板11の凸構造部13をエッチングして、モールド21が有する凹凸構造24が逆転した凹凸構造を転写基板11に形成するような工程、さらに、このようにエッチングで凹凸構造が形成された転写基板11をレプリカモールドとして使用するインプリント等が挙げられる。また、上記のモールド21に異物が付着しているか否かの判定(ステップS102)で、付着が認められる場合、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS109)、検査工程を終了する(ステップS112)。
一方、転写基板11の凸構造部13の外側へのパターン構造体41のはみ出しの有無の判定(ステップS101)の結果、パターン構造体41のはみ出しが認められる場合(Yes)には、モールド21に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS104)。図1(D)、図2(A)〜図2(C)に示される例では、パターン構造体41は、凸構造部13の側壁にはみ出した部位42を有するので、このような判定を行い、下記のように、その後の工程を判断する。尚、本発明において、異物とは、パターン構造体41(転写樹脂層34)のはみ出し部位から分離飛散した硬化物、延伸した紐状の硬化物、または瘤状の硬化物を意味する。
この判定(ステップS104)の結果、モールド21への異物の付着が認められない場合(No)、転写基板11の凸構造部13上に位置するパターン構造体41に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS105)。そして、この判定で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着も認められない場合(No:図1(D)参照)には、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定する(ステップS103)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。
一方、上記の判定(ステップS105)で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着が認められる場合(Yes:図2(A)参照)には、パターン構造体41に付着した異物Pが、パターン構造体41を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS106)。この判定は、次工程において異物Pの存在により発生する欠陥箇所の位置が、最終製品における欠陥等に結びつくか否かを判断して行われる。このような判断ついて、図4および図5を参照して説明する。まず、パターン構造体41が複数の凸部41aを有し、この凸部41a上に異物Pが存在する場合(図4(A))、パターン構造体41に対して凸部41a間に存在する残膜を除去する処理を施すと、異物Pが存在する部位の残膜の除去が阻害(図4(B))されるので、残膜除去後のパターン構造体41′を用いた次工程への進行は中止と判断される。また、パターン構造体41が複数の凸部41aを有し、この凸部41aが存在する領域外の残膜上に異物Pが存在する場合(図4(C))、パターン構造体41に対して残膜を除去する処理を施すと、異物Pが存在する部位の残膜の除去が阻害(図4(D))されるので、残膜除去後のパターン構造体41′を用いた次工程への進行は中止と判断される。次に、パターン構造体41が複数の凹部41bを有し、この凸部41b上に異物Pが存在する場合(図5(A))、パターン構造体41に対して凹部41b内に存在する残膜を除去する処理を施すと、異物Pが存在する部位の残膜の除去が阻害(図5(B))されるので、残膜除去後のパターン構造体41′を用いた次工程への進行は中止と判断される。一方、パターン構造体41が複数の凹部41bを有し、この凸部41bが存在する領域外に異物Pが存在する場合(図5(C))、パターン構造体41に対して残膜を除去する処理を施すと、凹部41b内に存在する残膜は除去(図5(D))されるので、異物Pの存在に影響されずにパターン構造体41′を用いた次工程が可能であり、次工程への進行が決定される。以下の実施形態においても同様である。
このような判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS103)、検査工程を終了する(ステップS112)。また、この判定(ステップS106)で、異物Pの存在が重大であれば、インプリントの続行を決定するが、パターン構造体41を用いた次工程への進行は中止する(ステップS107)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。パターン構造体41を用いた次工程への進行を中止した場合、形成したパターン構造体41を除去して転写基板11を再利用することも可能である。
上記の判定(ステップS104)で、モールド21に異物Pの付着が認められる場合(Yes)、転写基板11の凸構造部13上に位置するパターン構造体41に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS108)。そして、この判定で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着は認められない場合(No:図2(B)参照)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定する(ステップS109)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。図2(B)に示される例では、パターン構造体41のはみ出し部位42の一部がモールド21に異物Pとして付着している。このようにモールド21に異物Pが付着していると、図示のように、凹凸構造24ではなく、凹凸構造24から離れた部位に存在する場合であっても、その後のインプリント工程中に、凹凸構造24が存在する凹凸構造領域に異物Pが付着して、モールドやパターン構造体に損傷を与えるおそれがあるため、モールド21を使用したインプリントの中止を決定する。この場合、モールド21の洗浄処理等を行い、その後、インプリントを再開することができる。
一方、この判定(ステップS108)で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着が認められる場合(Yes:図2(C)参照)、パターン構造体41に付着した異物Pが、パターン構造体41を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、図4および図5を参照して上述したように、次工程において異物Pの存在により発生する欠陥箇所の位置が、最終製品における欠陥等に結びつくか否かを判断して行われる。この判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS109)、検査工程を終了する(ステップS112)。また、この判定(ステップS110)で、異物Pの存在が重大であれば、インプリントの中止と共に、パターン構造体を用いた次工程への進行を中止する(ステップS111)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。
尚、本発明では、図3の検査工程を示すフローチャートにおいて、モールドへの異物付着の有無の判定(ステップS104)と、パターン構造体への異物付着の有無の判定(ステップS105、ステップS108)とを入れ替えてもよい。すなわち、ステップS104でパターン構造体への異物付着の有無の判定を行い、ステップS105、ステップS108にて、モールドへの異物付着の有無の判定を行うものであってよい。
また、本発明では、検査工程の最初の検査として、モールド21に異物が付着しているか否かを判定してもよい。図6は、このような場合の検査工程を示すフローチャートであり、以下に、図6を参照しながら、検査工程を説明する。
この検査工程は、離型工程が終了(ステップS200)し、パターン構造体41が転写基板11上に位置する状態で開始する。検査工程では、まず、モールド21に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS201)。
この判定(ステップS201)の結果、モールド21への異物の付着が認められない場合(No)、インプリントの続行を決定する。そして、転写基板11の凸構造部13の外側へのパターン構造体41のはみ出しの有無を判定し(ステップS202)、パターン構造体41のはみ出しが認められない場合(No)には、インプリントの続行と、パターン構造体41を用いた次工程の進行を決定する(ステップS203)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。
上記のパターン構造体41のはみ出しの有無の判定(ステップS202)の結果、パターン構造体41のはみ出しが認められる場合(Yes)には、転写基板11の凸構造部13上に位置するパターン構造体41に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS204)。そして、この判定で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着も認められない場合(No:図1(D)参照)には、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定する(ステップS203)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。
一方、上記の判定(ステップS204)で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着が認められる場合(Yes:図2(A)参照)には、パターン構造体41に付着した異物Pが、パターン構造体41を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS205)。この判定は、図4および図5参照して上述したように、次工程において異物Pの存在により発生する欠陥箇所の位置が、最終製品における欠陥等に結びつくか否かを判断して行われる。このような判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS203)、検査工程を終了する(ステップS212)。また、この判定(ステップS205)で、異物Pの存在が重大であれば、インプリントの続行を決定するが、パターン構造体41を用いた次工程への進行は中止する(ステップS206)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。パターン構造体41を用いた次工程への進行を中止した場合、形成したパターン構造体41を除去して転写基板11を再利用することも可能である。
上記のモールド21に異物が付着しているか否かの判定(ステップS201)の結果、モールド21への異物の付着が認められる場合(Yes)、転写基板11の凸構造部13の外側へのパターン構造体41のはみ出しの有無を判定し(ステップS207)、パターン構造体41のはみ出しが認められない場合(No)には、インプリントの中止と、パターン構造体41を用いた次工程の進行を決定する(ステップS209)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。インプリントの中止を決定した場合、モールド21の洗浄処理等を行い、その後、インプリントを再開することができる。
また、パターン構造体41のはみ出しの有無の判定(ステップS207)の結果、パターン構造体41のはみ出しが認められる場合(Yes)には、転写基板11の凸構造部13上に位置するパターン構造体41に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS208)。そして、この判定で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着は認められない場合(No:図2(B)参照)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定する(ステップS209)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。
一方、この判定(ステップS208)で、凸構造部13上に位置するパターン構造体41への異物の付着が認められる場合(Yes:図2(C)参照)、パターン構造体41に付着した異物Pが、パターン構造体41を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS210)。この判定は、図4および図5を参照して上述したように、次工程において異物Pの存在により発生する欠陥箇所の位置が、最終製品における欠陥等に結びつくか否かを判断して行われる。この判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS209)、検査工程を終了する(ステップS212)。また、この判定(ステップS210)で、異物Pの存在が重大であれば、インプリントの中止と共に、パターン構造体を用いた次工程への進行を中止する(ステップS211)。これにより検査工程を終了する(ステップS212)。
ここで、上述のような、転写基板11の凸構造部13の外側へのパターン構造体41のはみ出しの有無の判定における検査方法について説明する。
この検査では、転写基板11の凸構造部13の周縁部の設計情報、あるいは、この設計情報に基づき予測された検査シミュレーション結果、あるいは、インプリント前に予め検出した転写基板11の凸構造部13の周縁部の位置情報を基準情報とする。そして、パターン構造体41の周縁部の位置を計測した結果と上記の基準情報とを対比することにより、はみ出しの有無、位置を検出することができる。
パターン構造体41の周縁部の位置の計測としては、例えば、下記の(1)〜(4)の手段が挙げられる。
(1)検出光を照射して反射光を受光部で検出しながら検査対象を走査し、反射光の検出の有無、および/または、反射光の反射強度の低下に基づいて、パターン構造体41の周縁部を検出する。
(2)反射率、透過率、屈折率等の光学特性の変化に基づいて、パターン構造体41の周縁部を検出する。転写基板11の凸構造部13に検出光を照射した場合の反射率、透過率、屈折率等の光学特性は、パターン構造体41が存在する領域と、パターン構造体41が存在しない領域とで相違しており、この相違を検出することにより、パターン構造体41の周縁部を検出する。
(3)画像情報の差分や変化に基づいて、パターン構造体41の周縁部を検出する。
(4)原子間力顕微鏡(AMF)等による接触計測により、パターン構造体41の周縁部を検出する。
上記の(1)〜(4)の検査手段は、1種単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。尚、上記の検出光は、例えば、反射鏡やレンズ等で集光した収束光、平行光、あるいは、レーザー光を使用することができる。
さらに、パターン構造体41のはみ出しの存在が認められた場合、上記のような検査手段で得られた位置情報を更に処理して、例えば、辺の真直度や対向する辺との平行度、辺の距離、凸構造部を上面から見たときの頂点の角度の変化から、検査対象の形状の情報を生成してもよい。これにより、パターン構造体41のはみ出し部位の形状、寸法を把握することができ、例えば、被成形樹脂の液滴の供給位置の修正等、工程管理にフィードバックすることができる。例えば、辺の距離が変化して大きくなったという情報は、はみ出しが生じて、辺の両端に存在する点の位置が凸構造体の外側へずれたことを意味する。したがって、このような情報が生成された場合、凸構造体の頂点方向に向かう被成形樹脂の量が減少するような調整を行うようにフィードバックすることができる。
尚、上記のようにインプリント前に予め転写基板11の凸構造部13の周縁部を検出する方法としては、例えば、上記の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
次に、モールド21への異物付着の有無、パターン構造体41への異物付着の有無を検査する方法について説明する。
まず、モールド21への異物付着の有無の検査では、モールド21の凹凸構造領域A(図1(B)参照)に位置する凹凸構造24の設計情報、および、凹凸構造領域Aの周囲の設計情報、あるいは、インプリント前に予め検出したモールド21が有する凹凸構造の位置情報を基準情報とする。そして、凹凸構造領域Aが設定されたモールド21の面22aを計測し、この結果と上記の基準情報とを対比することにより、異物の有無、存在位置を検出することができる。
モールド21の面22aの計測としては、例えば、下記の(A)〜(D)の手段が挙げられる。
(A)検出光を照射して反射光を受光部で検出しながら検査対象を走査し、反射光の検出の有無、および/または、反射光の反射強度の低下に基づいて、異物の存在を検出する。
(B)反射率、透過率、屈折率等の光学特性の変化に基づいて、異物の存在を検出する。モールド21に検出光を照射した場合の反射率、透過率、屈折率等の光学特性は、異物の有無により相違しており、この相違を検出することにより、異物の存在を検出する。
(C)画像情報の差分や変化に基づいて、異物の存在を検出する。
(D)原子間力顕微鏡(AMF)等による接触計測により、異物の存在を検出する。
上記の(A)〜(D)の検査手段は、1種単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。尚、上記の検出光は、例えば、反射鏡やレンズ等で集光した収束光、平行光、あるいは、レーザー光を使用することができる。
尚、上記のようにモールド21の凹凸構造の位置情報を得るために、インプリント前に予めモールド21が有する凹凸構造を検出する方法としては、例えば、上記の(A)〜(D)の方法が挙げられる。
また、パターン構造体41への異物付着の有無の検査では、パターン構造体41を形成するためのモールド21の凹凸構造24の設計情報を基準情報とする。そして、上記の(A)〜(D)のいずれかの方法、あるいは、2種以上の組み合わせにより、パターン構造体41を計測し、この結果と基準情報とを対比することにより、異物の有無、存在位置を検出することができる。さらに、パターン構造体41に異物の存在が認められた場合、上記のような検査手段で得られた位置情報を更に処理して、例えば、辺の真直度や対向する辺との平行度、辺の距離、凸構造部を上面から見たときの頂点の角度の変化から、検査対象の形状の情報を生成してもよい。これにより、パターン構造体41に存在する異物の形状、寸法を把握することができ、異物の存在が、パターン構造体41を用いた次工程で問題とならないか否かの判定が、より高い精度で可能となる。
上記のようなモールドの検査、パターン構造体の検査は、別途に実施してもよい。例えば、モールドの検査をインプリント装置内部で実施し、パターン構造体の検査をインプリント装置外部で実施してもよい。
(第2の実施形態)
図7および図8は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための工程図である。
本実施形態では、図7(A)に示されるように、メサ構造を有していない平板形状の転写基板61を使用する。このような転写基板61の材質は、上述の転写基板11と同様とすることができる。また、本実施形態では、凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した状態であるメサ構造を有するモールドを使用する。図示例では、モールド71は、基部72の一方の面72aに位置する凸構造部73を有しており、この凸構造部73の表面73aは凹凸構造74を有する領域であり、周囲の領域72aよりも突出した状態であるメサ構造となっている。このようなモールド71の材質は、上述のモールド21と同様とすることができる。
本発明では、まず、樹脂供給工程にて、転写基板61上の所望の領域に、インクジェット方式により、被成形樹脂81の液滴を吐出して供給する(図7(A))。転写基板61に供給する被成形樹脂81の液滴の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる被成形樹脂の総量、後工程である接触工程におけるモールド71と転写基板61との間隙等から適宜設定することができる。
次に、接触工程にて、転写基板61とモールド71を近接させて、転写基板61とモールド71との間に被成形樹脂81の液滴を展開して被成形樹脂層82を形成する(図7(B))。尚、図7(B)では、転写基板61とモールド71との間に形成された被成形樹脂層82にはみ出しが生じている状態を示している。このはみ出し部分は、転写基板61の表面61a上に濡れ広がりを生じ、一部がモールド71の凸構造部73の側壁に位置している。
次いで、硬化工程にて、被成形樹脂層82を硬化させて、モールド71の凹凸構造74が転写された転写樹脂層84とする(図7(C))。この硬化工程では、使用する被成形樹脂が光硬化性樹脂であれば、モールド71側から光照射を行うことにより被成形樹脂層82を硬化させることができる。また、転写基板61が光透過性の材料からなる場合、転写基板61側から光照射を行ってもよく、さらに、転写基板61とモールド71の両側から光照射を行ってもよい。一方、使用する被成形樹脂が熱硬化性樹脂であれば、被成形樹脂層82に対して加熱処理を施すことにより硬化させることができる。
次に、離型工程にて、転写樹脂層84とモールド71を引き離して、転写樹脂層84であるパターン構造体91を転写基板61上に位置させた状態とする(図7(D)、図8(A)〜図8(C))。
次いで、検査工程を開始する。以下に、図7(D)、図8(A)〜図8(C)および図3を参照しながら、検査工程を説明する。
この検査工程は、離型工程が終了(ステップS100)し、パターン構造体91が転写基板61上に位置する状態で開始する。検査工程では、まず、モールド71の凸構造部73に対応する転写基板61の領域B(図7(D)、図8(A)〜図8(C)参照)の外側へのパターン構造体91のはみ出しの有無を判定する(ステップS101)。
この判定の結果、パターン構造体91のはみ出しが認められない場合(No)には、パターン構造体91を用いた次工程の進行を決定する。そして、モールド71に異物が付着しているか否かを判定し(ステップS102)、モールド71への異物の付着が認められない場合(No)には、インプリントの続行と、パターン構造体91を用いた次工程の進行を決定する(ステップS103)。これにより検査工程を終了する(ステップS112)。
一方、判定(ステップS101)の結果、パターン構造体91のはみ出しが認められる場合(Yes)には、モールド71の凸構造部73に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS104)。図7(D)、図8(A)〜図8(C)に示される例では、パターン構造体91は、モールド71の凸構造部73に対応する領域Bの外側にはみ出した部位92を有するので、このような判定を行い、下記のように、その後の工程を判断する。
この判定(ステップS104)の結果、モールド71の凸構造部73への異物の付着が認められない場合(No)、転写基板61の領域B上に位置するパターン構造体91に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS105)。そして、この判定で、パターン構造体91への異物の付着も認められない場合(No:図7(D)参照)には、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS103)、検査工程を終了する(ステップS112)。
一方、上記の判定(ステップS105)で、転写基板61の領域B上に位置するパターン構造体91への異物の付着が認められる場合(Yes:図8(A)参照)には、パターン構造体91に付着した異物Pが、パターン構造体91を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS106)。この判定は、次工程において異物Pの存在により発生する欠陥箇所の位置が、最終製品における欠陥等に結びつくか否かを判断して行われる。このような判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの続行と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS103)、検査工程を終了する(ステップS112)。また、この判定(ステップS106)で、異物Pの存在が重大であれば、パターン構造体を用いた次工程への進行を中止し、一方、インプリントの続行を決定し(ステップS107)、検査工程を終了する(ステップS112)。パターン構造体91を用いた次工程への進行を中止した場合、形成したパターン構造体91を除去して転写基板61を再利用することも可能である。
上記の判定(ステップS104)で、モールド71の凸構造部73に異物Pの付着が認められる場合(Yes)、転写基板61の領域Bに位置するパターン構造体91に異物が付着しているか否かを判定する(ステップS108)。そして、この判定で、転写基板61の領域B上に位置するパターン構造体91への異物の付着は認められない場合(No:図8(B)参照)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS109)、検査工程を終了する(ステップS112)。図8(B)に示される例では、パターン構造体91のはみ出し部位92の一部がモールド71の凸構造部73に異物Pとして付着している。このようにモールド71の凸構造部73に異物Pが付着していると、図示のように凹凸構造74から離れた部位に存在する場合であっても、その後のインプリント工程中に、凹凸構造74が存在する凹凸構造領域に異物Pが付着して、モールドやパターン構造体に損傷を与えるおそれがあるため、モールド71を使用したインプリントの中止を決定する。この場合、モールド71の洗浄処理等を行い、その後、インプリントを再開することができる。
一方、この判定(ステップS108)で、転写基板61の領域B上に位置するパターン構造体91への異物の付着が認められる場合(Yes:図8(C)参照)、パターン構造体91に付着した異物Pが、パターン構造体91を用いた次工程で問題とならないか否かを判定する(ステップS110)。この判定の結果、異物Pが次工程で問題とならないと判断された場合(No)、インプリントの中止と、パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し(ステップS109)、検査工程を終了する(ステップS112)。また、この判定(ステップS110)で、異物Pの存在が重大であれば、インプリントの中止と共に、パターン構造体を用いた次工程への進行を中止し(ステップS111)、検査工程を終了する(ステップS112)。
尚、上述のような、転写基板61の領域Bの外側へのパターン構造体91のはみ出しの有無を検査する方法、および、モールド71への異物付着の有無、パターン構造体91への異物付着の有無を検査する方法は、上述の第1の実施形態と同様とすることができる。
また、本実施形態のように、メサ構造を有していない平板形状の転写基板と、メサ構造を有するモールドを使用する場合であっても、上述の第1の実施形態と同様に、図3の検査工程を示すフローチャートにおいて、モールドへの異物付着の有無の判定(ステップS104)と、パターン構造体への異物付着の有無の判定(ステップS105、ステップS108)とを入れ替えてもよい。
さらに、検査工程の最初の検査として、モールド71に異物が付着しているか否かを判定し、以下、図6に示すフローチャートに沿って検査工程を実施してもよい。
(第3の実施形態)
図9〜図11は、本発明のインプリント方法の他の実施形態を説明するための図である。
本実施形態では、メサ構造を有している転写基板、メサ構造を有しているモールドを使用する。
図9は、本実施形態において、接触工程が終了した状態の一例を示す図であり、上述の図1(C)、図7(C)に相当する図である。図示のように、転写基板11′は、基部12′の一方の面12′aに位置する凸構造部13′を有しており、この凸構造部13′の表面13′aはパターン構造体が形成される領域であり、周囲の領域12′aよりも突出した状態であるメサ構造となっている。また、モールド71′は、基部72′の一方の面72′aに位置する凸構造部73′を有しており、この凸構造部73′の表面73′aは凹凸構造74′を有する領域であり、周囲の領域72′aよりも突出した状態であるメサ構造となっている。この例では、転写基板11′の凸構造部13′の表面13′aが、モールド71′の凸構造部73′の表面73′aよりも小さい場合を示している。この場合、モールド71′と転写基板11′との間に展開した被成形樹脂層にはみ出しが生じると、このはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の側壁に濡れ広がり、硬化工程で硬化され形成される転写樹脂層34′のはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の側壁部に位置する。このため、凹凸構造体のはみ出し部分は、上述の第1の実施形態(転写基板はメサ構造を有し、モールドはメサ構造を有していない図1および図2に示される例)と同様と見なすことができる。したがって、離型工程後の検査工程は、上述の図1(D)、図2(A)〜図2(C)、図4(A)〜図4(D)、図5(A)〜図5(D)、および、図3、あるいは、図6を用いて説明した検査工程と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
また、図10は、本実施形態において、接触工程が終了した状態の他の例を示す図である。この例では、転写基板11′の凸構造部13′の表面13′aとモールド71′の凸構造部73′の表面73′aとが同等である場合を示している。この場合も、モールド71′と転写基板11′との間に展開した被成形樹脂層にはみ出しが生じると、このはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の側壁に濡れ広がり、硬化工程で硬化され形成される転写樹脂層34′のはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の側壁部に位置する。このため、上述の第1の実施形態(転写基板はメサ構造を有し、モールドはメサ構造を有していない図1および図2に示される例)と同様と見なすことができる。したがって、離型工程後の検査工程は、上述の図1(D)、図2(A)〜図2(C)、図4(A)〜図4(D)、図5(A)〜図5(D)、および、図3、あるいは、図6を用いて説明した検査工程と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
一方、図11は、本実施形態において、接触工程が終了した状態の他の例を示す図である。この例では、転写基板11′の凸構造部13′の表面13′aは、モールド71′の凸構造部73′の表面73′aよりも大きい場合を示している。この場合、モールド71′と転写基板11′との間に展開した被成形樹脂層にはみ出しが生じると、このはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の表面13′a上と、モールド71′の凸構造部73′の側壁に濡れ広がり、硬化工程で硬化され形成される転写樹脂層34′のはみ出し部分は、転写基板11′の凸構造部13′の表面13′a上に位置する。このため、上述の第2の実施形態(転写基板はメサ構造を有しておらず、モールドはメサ構造を有している図7および図8に示される例)と同様と見なすことができる。したがって、離型工程後の検査工程は、上述の図7(D)、図8(A)〜図8(C)、および、図3を用いて説明した検査工程と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
上述のような本発明のインプリント方法は、メサ構造を有するモールドおよび/または転写基板を用いて、高精度のパターン構造体を安定して作製することができるとともに、モールドの破損等を防止することができる。
尚、上述のインプリント方法の実施形態は例示であり、本発明のインプリント方法はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明では、転写基板としてウエハを使用し、インプリントリソグラフィーにより半導体装置を製造することができる。
[インプリント装置]
図12は本発明のインプリント装置の一実施形態を示す側面概略構成図である。
本発明のインプリント装置は、凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有するモールド、および/または、パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有する転写基板を用いたインプリントを実施することができるインプリント装置である。この図12では、上述の本発明のインプリント方法で説明したメサ構造を有する転写基板11と、メサ構造を有していないモールド21を使用する例としている。
図12において、本発明のインプリント装置101は、モールド21を保持するためのモールド保持部102と、転写基板11を保持するための基板保持部104と、転写基板11上に被成形樹脂を供給する樹脂供給部106と、検査部108を有している。尚、図12では、上述の本発明のインプリント方法における離型工程が終了し、検査工程が行われる状態を示しているが、転写基板11上に形成されているパターン構造体は省略している。
(モールド保持部102)
インプリント装置101を構成するモールド保持部102は、モールド21を保持するものであり、その保持機構は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構、静電気による保持機構等であってよく、特に制限はない。また、モールド保持部102は、昇降機構103により図示の矢印Z方向で昇降可能とされていてもよい。このようなモールド保持部102の上方には、被成形樹脂として光硬化性樹脂を使用した場合の樹脂硬化のための図示しない光源、光学系が配設されていてもよい。
(基板保持部104)
インプリント装置101を構成する基板保持部104は、転写基板11を保持するものであり、転写基板11の保持機構は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構、静電気による保持機構等であってよく、特に制限はない。この基板保持部104は、図示しない駆動機構部によってXYステージ105上を水平面内で移動可能とされている。したがって、図示例では、後述する計測部109による検査を行う位置に基板保持部104が存在するが、XYステージ105上を水平面内で移動して、モールド保持部102の下方のインプリント位置、樹脂供給部106の下方の供給位置に移動可能である。
(樹脂供給部106)
インプリント装置101を構成する樹脂供給部106は、基板保持部104に保持された転写基板11上に被成形樹脂の液滴を供給するものであり、インクジェット装置(図示例ではインクジェットヘッド107のみを示している)を備えている。液滴供給部106が備えるインクジェット装置は、基板保持部104に保持された転写基板11上に被成形樹脂の液滴を供給するためのインクジェットヘッド107の所望の動作、例えば、XYステージ105の水平面に平行な面内での往復動作等を可能とする駆動部、インクジェットヘッド107へのインク供給部、および、インクジェットヘッド107と駆動部やインク供給部を制御する制御部等を具備している。
(検査部108)
インプリント装置1を構成する検査部108は、転写基板11に形成されるパターン構造体を検査するための計測部109と、モールド21を検査するための計測部110とを備えている。本実施形態では、検査部108は、図13に示すような処理ユニット111を備えている。図13において、検査部108が備える処理ユニット111は、計測部109、計測部110による計測情報を取得する取得部111Aと、転写基板11とモールド21の情報を記憶する記憶部111Bと、取得部111Aからの情報と記憶部111Bからの情報に基づいてモールドおよびパターン構造体の状態を特定する特定部111Cと、この特定部111Cで生成された情報に基づいて、計測部109、計測部110による追加の計測、インプリントの続行、中止、および、パターン構造体の使用、廃棄等を判断する判断部111Dと、判断部111Dでの判断結果を外部出力装置112を用いて出力する出力部111Eと、を有している。また、特定部111Cは、取得部111Aからの情報を更に処理して、例えば、辺の真直度や対向する辺との平行度、辺の距離、凸構造部を上面から見たときの頂点の角度の変化から、検査対象の形状の情報を生成するものであってもよい。これにより、パターン構造体のはみ出し部位の形状、寸法を把握することができ、判断部111Dにより、樹脂供給部106における被成形樹脂の液滴の供給位置の修正の要否等を判断可能とすることができる。
検査部108が有する計測部109,110のうち、まず計測部109について説明する。転写基板11に形成されるパターン構造体を検査する計測部109は、パターン構造体において、転写基板11が有する凸構造部13の外側へのはみ出し(図1(D)等を参照)の有無を検査する。また、この計測部109は、例えば、上述のモールド71のように、使用するモールドがメサ構造を有する場合、転写基板11に形成されるパターン構造体について、このモールドの凸構造部に対応する領域の外側へのはみ出し(図7(D)等を参照)の有無の検査を行うものである。さらに、計測部109は、パターン構造体について、異物付着(図2(A)等を参照)の有無の検査を行うものである。
上記の計測部109は、図示例では、検査光を照射する照射部109a、検査対象で反射した検査光を受光する受光部109b、および、これらを制御する制御部(図示せず)を有している。このような計測部109を備える検査部108では、計測部109の照射部109aから検査対象に照射した検出光を受光部109bで検出し、反射光の検出の有無、および/または、反射光の反射強度の低下を計測する。この計測情報は、処理ユニット111の取得部111Aを介して特定部111Cへ送られる。特定部111Cでは、取得部111Aからの情報と、記憶部111Bに記憶されている転写基板11の情報から、パターン構造体の周縁部を検出する。この特定部111Cで生成された情報に基づいて、判断部111Dは、パターン構造体にはみ出しが存在しないと判断した場合には、インプリントの続行等を判断し、判断結果を出力部111Eより出力装置112を用いて出力することができる。これに対して、特定部111Cで生成された情報に基づいて、判断部111Dが、パターン構造体にはみ出しが存在し、パターン構造体への異物付着の有無の検査が必要であると判断した場合には、計測部109に計測の指示情報を送る。
パターン構造体への異物付着の有無の検査では、計測部109の計測情報が、処理ユニット111の取得部111Aを介して特定部111Cへ送られる。特定部111Cでは、取得部111Aからの情報と、記憶部111Bに記憶されているモールド21の凹凸構造の設計情報等から、パターン構造体における異物付着の有無を検出する。この特定部111Cで生成された情報に基づいて、判断部111Dが、計測部109による更なる計測が不要であると判断した場合、後述する計測部110からの計測情報により特定部111Cで生成された情報も考慮して、判断部111Dは、インプリントの続行あるいは中止、および、パターン構造体の使用あるいは廃棄等を判断し、判断結果を出力部111Eより出力装置112を用いて出力することができる。
また、上記のような計測部109を備える検査部108では、計測部109の照射部109aから検査対象に検出光を照射し、検査対象の反射率、屈折率等の光学特性の変化を測定し、上述の処理ユニット111により、光学特性が変化する境界をパターン構造体の周縁部として検出することができる。
また、転写基板11に形成されるパターン構造体を検査するための計測部109は、上記の照射部109a、受光部109bに代えて、転写基板11の表面状態を画像情報として取り込む撮像部と、これを制御する制御部とを有するものであってもよい。この場合、画像情報の差分や変化に基づいて、上述の処理ユニット111により、パターン構造体の周縁部を検出することができる。
さらに、転写基板11に形成されるパターン構造体を検査するための計測部109は、上記の照射部109a、受光部109bに代えて、原子間力顕微鏡(AMF)等の接触計測部と、これを制御する制御部とを有するものであってもよい。この場合、段差の計測情報に基づいて、上述の処理ユニット111により、パターン構造体の周縁部を検出することができる。
次に、検査部108が有する計測部110について説明する。モールド21を検査する計測部110は、モールド21に付着した異物(図2(B)等を参照)の有無を検査するものである。このような計測部110は、図示例では、検査光を照射する照射部110a、検査対象を透過した検査光を受光する受光部110b、および、これらを制御する制御部(図示せず)を有している。
このような計測部110を備える検査部108では、計測部110の照射部110aからモールド21に照射した検出光を受光部110bで検出し、透過光の検出の有無、および/または、透過光の強度の低下を計測する。この計測情報は、処理ユニット111の取得部111Aを介して特定部111Cへ送られる。特定部111Cでは、取得部111Aからの情報と、記憶部111Bに記憶されているモールド21の情報に基づいて、モールド21における異物付着の有無を検出する。この特定部111Cで生成された情報に基づいて、判断部111Dは、インプリントの続行、中止等を判断し、判断結果を出力部111Eより出力装置112を用いて出力することができる。
また、上記のような計測部110を備える検査部108では、計測部110の照射部110aから検査対象に検出光を照射し、検査対象の透過率、屈折率等の光学特性の変化を測定し、上述の処理ユニット111により、光学特性が変化する部位を異物が存在する部位として検出することができる。
また、モールド21を検査するための計測部110は、上記の照射部110a、受光部110bに代えて、モールド21の凹凸構造領域の表面状態を画像情報として取り込む撮像部と、これを制御する制御部とを有するものであってもよい。この場合、画像情報の差分や変化に基づいて、上述の処理ユニット111により、モールド21における異物付着の有無を検出することができる。
さらに、モールド21を検査するための計測部110は、上記の照射部110a、受光部110bに代えて、原子間力顕微鏡(AMF)等の接触計測部と、これを制御する制御部とを有するものであってもよい。この場合、段差の計測情報に基づいて、上述の処理ユニット111により、モールド21における異物付着の有無を検出することができる。
このような計測部110によるモールド21の検査は、通常、上述の計測部109によるパターン構造体の検査にて、転写基板11が有する凸構造部13の外側へのパターン構造体のはみ出しが検出された場合に実施する。しかし、計測部109によるパターン構造体の検査の結果とは別個に、所望の時期に実施することも可能である。
このようなインプリント装置101は、上述の転写基板61のようなメサ構造を有していない平板形状の転写基板を使用し、上述のモールド71のようなメサ構造を有するモールドを使用する場合も、検査部108が上記と同様の動作をなす。また、使用する転写基板とモールドとが共にメサ構造を有する場合も同様である。
上述のような本発明のインプリント装置は、メサ構造を有するモールドおよび/または転写基板を用いたインプリント方法により、高精度のパターン構造体を安定して作製することができるとともに、モールドの破損等を防止することができる。
上述のインプリント装置101は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、上述のインプリント装置101では、計測部109を構成する照射部109aと受光部109bは、検査対象での検査光の反射を計測に利用する位置に配設されている。しかし、基板保持部104の構造が、転写基板11の透過光を利用した計測の実施が可能なものである場合、照射部109aと受光部109bは、検査対象における検査光の透過を利用する位置に配設されていてもよい。また、計測部110を構成する照射部110aと受光部110bは、モールド21での検査光の透過を計測に利用する位置に配設されているが、モールド21における検査光の反射を計測に利用する位置に配設されていてもよい。
また、本発明のインプリント装置は、計測部109によるパターン構造体の検査を、モールド保持部102の下方のインプリント位置で行うように構成されていてもよい。この場合、モールドとパターン構造体との引き離しが完了した後、モールド保持部102を昇降機構103によりZ方向上方に上昇させ、計測部109によるパターン構造体の検査を実施するための空間を確保することができる。また、この場合、計測部109が計測部110を兼ねるように構成してもよい。
インプリント方法を用いた種々のパターン構造体の製造、基板等の被加工体へ微細加工等に適用可能である。
11,61…転写基板
13…凸構造部
21,71…モールド
73…凸構造部
11′…転写基板
13′…凸構造部
71′…モールド
73′…凸構造部
101…インプリント装置
102…モールド保持部
104…基板保持部
106…樹脂供給部
108…検査部
109,110…計測部
111…処理ユニット

Claims (9)

  1. パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有する転写基板の前記凸構造部上に被成形樹脂を供給する樹脂供給工程と、
    凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂を展開させて被成形樹脂層を形成する接触工程と、
    前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記モールド互いに引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、
    前記離型工程後の前記モールドと前記パターン構造体を検査する検査工程と、を有し、
    前記検査工程では、前記転写基板の前記凸構造部の外側への前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査して、その検査結果に基づいてその後の工程を判断することを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記検査工程は、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程と、前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記転写基板の前記凸構造部上に位置する前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程とを含み、
    前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し、
    前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められる場合には、前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記転写基板の前記凸構造部上に位置する前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程とを実施することを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記モールドに異物が付着しているか否かを検査する工程において前記モールドへの異物の付着が認められない場合には、インプリントの続行を決定し、前記モールドへの異物の付着が認められる場合には、インプリントの中止を決定し、
    前記パターン構造体に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記パターン構造体への異物の付着が認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程への進行を決定し、前記パターン構造体への異物の付着が認められる場合には、前記パターン構造体に付着する異物が前記パターン構造体を用いた次工程で問題となるか否かを判断し、問題とならない場合に次工程の進行を決定することを特徴とする請求項2に記載のインプリント方法。
  4. 被成形樹脂を転写基板に供給する樹脂供給工程と、
    凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記被成形樹脂を展開させて被成形樹脂層を形成する接触工程と、
    前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記モールド互いに引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、
    前記離型工程後の前記モールドと前記パターン構造体を検査する検査工程と、を有し、
    前記検査工程では、前記モールドの前記凸構造部に対応する領域の外側への前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査して、その検査結果に基づいてその後の工程を判断することを特徴とするインプリント方法。
  5. 前記検査工程は、前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程と、前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程とを含み、
    前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程の進行を決定し、
    前記パターン構造体のはみ出しの有無を検査する工程において前記パターン構造体のはみ出しが認められる場合には、前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程と、前記前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程とを実施することを特徴とする請求項4に記載のインプリント方法。
  6. 前記モールドの前記凸構造部に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記モールドの前記凸構造部への異物の付着が認められない場合には、インプリントの続行を決定し、前記モールドの前記凸構造部への異物の付着が認められる場合には、インプリントの中止を決定し、
    前記パターン構造体において前記モールドの前記凸構造部に対応する領域に異物が付着しているか否かを検査する工程において前記パターン構造体への異物の付着が認められない場合には、前記パターン構造体を用いた次工程への進行を決定し、前記パターン構造体への異物の付着が認められる場合には、前記パターン構造体に付着する異物が前記パターン構造体を用いた次工程で問題となるか否かを判断し、問題とならない場合に次工程の進行を決定することを特徴とする請求項5に記載のインプリント方法。
  7. 凹凸構造を有する領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有するモールド、および/または、パターン構造体が形成される領域が周囲の領域よりも突出した凸構造部をなすメサ構造を有する転写基板を用いたインプリントを実施することができるインプリント装置において、
    前記モールドを保持するためのモールド保持部と、前記転写基板を保持するための基板保持部と、前記転写基板に被成形樹脂を供給する樹脂供給部と、前記転写基板に形成されパターン構造体について、前記転写基板が有する前記凸構造部の外側へのはみ出しの有無または前記モールドが有する前記凸構造部に対応する領域の外側へのはみ出しの有無の検査を行う検査部と、を少なくとも備えることを特徴とするインプリント装置。
  8. 前記転写基板に形成されたパターン構造体について、前記転写基板が有する前記凸構造部の外側へのはみ出しまたは前記モールドが有する前記凸構造部に対応する領域の外側へのはみ出しが認められる場合に、前記検査部は、前記モールドに異物が付着しているか否かの検査と、前記転写基板に形成され前記パターン構造体に異物が付着しているか否かの検査とをさらに行うことを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
  9. 前記検査部は、計測部と、該計測部による計測情報を取得する取得部と、前記モールドおよび前記転写基板の情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された前記計測情報および前記記憶部に記憶されている情報に基づいて前記モールドおよび前記パターン構造体の状態を特定する特定部と、前記特定部で生成された情報に基づいてインプリントの続行あるいは中止、および、前記パターン構造体の使用あるいは廃棄を判断する判断部を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のインプリント装置。
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