JP6255581B2 - タイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法 - Google Patents

タイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法 Download PDF

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この発明は、自動車などの車両に用いられるステアリング装置の一部を構成するタイロッドエンドを製造するタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法に関する。
一般に、自動車などの車両におけるステアリング機構(操舵装置)には、タイロッドエンドが用いられている。このタイロッドエンドは、車両におけるステアリング機構において、ステアリングギアボックス(ハンドルの回転変位を操舵輪の操舵方向に変換する歯車装置)とナックルアーム(操舵輪を保持する部品)とを連結して車両を操舵するための棒状のタイロッドの先端部を構成する部品である。
このタイロッドエンドには、例えば、特許文献1に示すように、棒状に伸びる胴部の一方の端部にソケット部が設けられるとともに他方の端部に雌ネジ接続部が設けられて構成されているものがある(図8)。この場合、ソケット部はナックルアームに連結されるボールジョイントのボール部を収容する筒状の部分であり、雌ネジ接続部はタイロッドエンドをタイロッドに接続するための部分であり、従来、炭素鋼またはアルミニウム合金からなる円柱素材に対して、鍛造工程、切削工程を経て所定の機械的強度を確保しつつ所定の形状に成形されて製造される。
特開2010−77505号公報
しかしながら、このようなタイロッドエンドの製造方法においては、図9及び図10に示すように、円柱素材に対してコーン据込み鍛造を行い、その後下型と上型により開放型バリ出し鍛造(素材軸と直交する方向への潰し加工)し、バリ(廃棄する部位)をトリミング鍛造し、タイロッドエンドの鍛造品を完成させるまでの間に加工工程が3工程となり、それぞれで金型が必要となるため、製造コストが増大する。
また、開放型バリ出し鍛造では、素材軸と直交する方向への潰し加工が主であるため、加圧量(塑性ひずみを付与するためのパンチストローク)が少なく、十分な加工硬化が得られず、特に軸部で低強度となるなど品質(強度)にバラツキが発生する。また、バリ出し鍛造によるバリ(廃棄する部位)が発生し、製造コスト増の要因となるという問題があった。
この発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができるタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法を提供することにある。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項に記載の発明は、タイロッドエンドを鍛造品として成形する鍛造金型であり、
前記鍛造品を成形するための穴部と金属素材を挿入するための円形長孔を有する上型と、
前記上型に対向して配置される前記鍛造品を成形するための穴部を有する下型と、
前記上型の前記円形長孔に挿入される段付きの鍛造パンチとを備え、
前記上型を前記円形長孔の内周面で前記金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、
前記上型の前記円形長孔に加工前の前記金属素材を配置し、
前記鍛造パンチで前記金属素材を圧縮加工することで前記上型の前記穴部と前記下型の前記穴部とで形成される空間へ側方押出し加工し、前記鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、前記上型と前記鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで被加工材料を据込み加工することを特徴とするタイロッドエンドの鍛造金型である。
請求項に記載の発明は、前記上型を浮かせる手段として、
バネ力、油圧、空圧のいずれかを使用することを特徴とする請求項に記載のタイロッドエンドの鍛造金型である。
請求項に記載の発明は、前記請求項1または請求項に記載のタイロッドエンドの鍛造金型を用い、
前記金属素材を塑性変形させてタイロッドエンドを成形することを特徴とするタイロッドエンドの製造方法である。
請求項に記載の発明は、前記上型の下部から閉塞圧力により前記上型を前記円形長孔の内周面で前記金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、
前記上型と前記下型の間で高さ方向の間隔調整が可能な閉空間を形成して、
前記上型の前記円形長孔に前記金属素材を配置し、
前記鍛造パンチを降下させ、閉塞圧力を作用させたまま前記鍛造パンチと固定されて動かない前記下型との間で前記金属素材を側方押出し加工する第1アクションと、
前記鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、前記上型と前記鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで前記金属素材が前記閉空間の中で据込み加工される第2アクションとをプレス機械のプレススライドが上死点から下死点まで移動する間に連続的に行い、
前記タイロッドエンドを成形することを特徴とする請求項に記載のタイロッドエンドの製造方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項及び請求項に記載の発明では、上型を円形長孔の内周面で金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、上型の円形長孔に加工前の金属素材を配置し、鍛造パンチで金属素材を圧縮加工することで上型の穴部と下型の穴部とで形成される空間へ側方押出し加工し、鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、上型と鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで被加工材料を据込み加工する鍛造金型であり、製造コストを抑えて効率的に高強度のタイロッドエンドを製造することができる。
請求項に記載の発明では、請求項1または請求項に記載のタイロッドエンドの鍛造金型を用い、金属素材を塑性変形させてタイロッドエンドを成形することで、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができる。
請求項に記載の発明では、上型の下部から閉塞圧力により上型を円形長孔の内周面で金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、上型と下型の間で高さ方向の間隔調整が可能な閉空間を形成して、上型の円形長孔に金属素材を配置し、鍛造パンチを降下させ、閉塞圧力を作用させたまま鍛造パンチと固定されて動かない下型との間で金属素材を側方押出し加工する第1アクションと、鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、上型と鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで金属素材が閉空間の中で据込み加工される第2アクションとをプレス機械のプレススライドが上死点から下死点まで移動する間に連続的に行い、塑性流動制御してタイロッドエンドを成形することで、工程数の削減(低コスト化))を可能とし、密閉型の金型構造の採用によりバリ(廃棄する部位)が排出されず、高強度化を達成でき、強度バラツキも抑制できる。
第1の実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法を示す図である。 タイロッドエンドを説明する図である。 第2の実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法を示す図である。 タイロッドエンドを説明する図である。 第3の実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法を示す図である。 タイロッドエンドを説明する図である。 (a)はタイロッドエンドの鍛造金型の斜視図、(b)は下型の斜視図である。 タイロッドエンドの斜視図である。 従来のタイロッドエンドの製造方法の説明図である。 従来のタイロッドエンドの製造方法及びタイロッドエンドを示す図である。
以下、この発明のタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。図1はタイロッドエンドの鍛造金型の断面及びタイロッドエンドの製造方法を示す図、図2はタイロッドエンドを説明する図である。
(タイロッドエンドの鍛造金型)
第1の実施の形態のタイロッドエンドの鍛造金型10は、炭素鋼またはアルミニウム合金等の金属からなる円柱の金属素材1に対して閉塞鍛造によりタイロッドエンド2を鍛造品として成形する鍛造金型である。このタイロッドエンド2は、棒状に伸びる胴部2aの一方の端部にソケット部が設けられるとともに、他方の端部に雌ネジ接続部2bが設けられて構成され、雌ネジ接続部2bには、成形部2b1、2b2が形成される。鍛造金型10は、上型A11、下型A12、鍛造パンチA13を備え、上型A11、下型A12はプレスベッド14に固定されたガイド15内に上下方向へ移動可能な状態で装着され、鍛造パンチA13はノックアウト棒17を介してプレスベッド14の上に配置されている。また、上型A11と下型A12を一体にして所定高さだけ浮かせる手段16を備え、この手段16としてバネ力、油圧、空圧のいずれかを使用する。
上型A11は、鍛造品を成形するための上型A穴部11aを有し、下型A12は、上型A11に対向して配置され、鍛造品を成形するための下型A穴部12aと、加圧に伴い鍛造パンチA13が摺動するための円形長孔12bを有する。鍛造パンチA13は、下型A12の円形長孔12bに挿入される。上型A11と下型A12は、成形されるタイロッドエンド2の成形部2b1が上側になり、成形部2b2が下側になるように構成し、上型A穴部11aと下型A穴部12aにより閉空間K1を形成する。なお、上型A11は、プレス機械の上部ベッド(図示せず)に固定してあり、プレス機械のスライドを降下させることで上型A11の下端面と下型A12の上端面が接触した時に手段16により金型を閉塞させる圧力Aを作用させる。
この鍛造金型10は、プレス機械のスライドのストローク量を調整することで上型A11を下型A12より所定高さだけ浮かせた状態で保持することで空間を確保し、下型A12の円形長孔12bに加工前の金属素材1を挿入し、上型A11と下型A12を接触させると同時に、手段16により閉塞圧力Aを作用させつつプレス機械のスライドを降下させて、上型A11と鍛造パンチA13の間で金属素材1を圧縮加工することで閉空間へ側方押出し加工するように構成される。
(タイロッドエンドの製造方法)
このタイロッドエンドの鍛造金型10を用い、金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形する。このタイロッドエンド2の製造方法に用いる鍛造金型10は、ガイド15の中で下型A12と上型A11がプレス機械の加圧軸方向に移動可能な状態で配置され、下型A12の円形長孔12bを鍛造パンチA13が相対的に移動可能になるように配置された構造である。
下型A12の下部から閉塞圧力Aにより下型A12を所定位置まで上昇させる(閉塞圧維持)。この下型A12を停止させる位置は、ガイド15に段付を設けることで強制的に止めてもよい。下型A12の円形長孔12bに金属素材1をセットする。プレス機械のスライドを降下させ、スライドに取り付けてある上型A11と下型A12を接触させて双方を閉塞させる(締め付ける)と加工品が成形される閉空間K1ができる。このように、上型A11を降下させて上型A11と下型A12とで閉空間K1を確保する。
鍛造パンチA13はノックアウト棒17を介してプレスベッド14に動かないように固定されており、閉塞圧力Aを作用させたまま上型A11と下型A12を相対的に一体になるように同時に降下させると、金属素材1が閉空間K1の中で側方押出し加工されるように塑性変形し、タイロッドエンド2が成形される。ここで、閉塞圧は、塑性変形中に上型A11と下型A12が開かいないようにするためのものであるから、その圧力Aは、被加工材料の変形抵抗に応じて変化させる必要がある。
タイロッドエンド2を成形する加工が終了したら閉塞圧力Aを開放し、上型A11と下型A12の間で加工品を取り出せる空間ができるまで上型A11を上昇させ、ノックアウト棒17を油圧等により動作させ、加工品を下型A12から取り出す。加工品は、加工終了時に上型A11が下型A12から離れた後、表面積が大きい成形部2b2側の金型の穴部に留まっている。
このように、タイロッドエンドの鍛造金型10を用い、金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形し、円柱素材の軸方向に圧縮的に大変形させるので、図2(b)に示すように、雌ネジ接続部2bから棒状に伸びる胴部2aにおいては多大な塑性変形により塑性ひずみの累積が増大し、加工硬化することにより、タイロッドエンド2の高強度化を図り、かつ、強度バラツキを抑制できる。また、密閉型の金型構造の採用により、バリ(廃棄する部位)が発生せず、工程数の削減(低コスト化)が可能であり、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態を、図3及び図4に基づいて説明する。図3はタイロッドエンドの鍛造金型の断面及びタイロッドエンドの製造方法を示す図、図4はタイロッドエンドを説明する図である。
(タイロッドエンドの鍛造金型)
第2の実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型10は、炭素鋼またはアルミニウム合金等の金属からなる円柱の金属素材1に対して閉塞鍛造によりタイロッドエンド2を鍛造品として成形する鍛造金型であり、第1の実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型10と同様に構成されるが、プレス機械のスライドが上死点から下死点へと至るまでの間に、2つの動作(以下、アクションと呼ぶ)、すなわち、第1アクションにおいて据込み加工を行い、その後、第2アクションにおいて側方押出し加工を、スライドを止めることなく連続的に行うように構成される。
(タイロッドエンドの製造方法)
このタイロッドエンドの鍛造金型10を用い、金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形する。このタイロッドエンド2の製造方法に用いる鍛造金型10は、ガイド15の中で下型A12と上型A11がプレス機械の加圧軸方向に移動可能な状態で配置され、下型A12の円形長孔12bを鍛造パンチA13が相対的に移動可能に配置された構造である。
下型A12の下部から閉塞圧力Aにより下型A12を所定位置まで上昇させ、下型A12の円形長孔12bに金属素材1をセットし、プレス機械のスライドを降下させ、スライドに取り付けてある上型A11と下型A12とで開空間K2を確保する。このように、下型A12の下部から下型A12を閉塞圧力Aにより上型A11と下型A12の間に所定間隔Pだけ間隔を開けた開空間K2を確保する位置まで上昇させる(閉塞圧力維持)。なお、所定空間Pには、金属素材1が円形長孔12b内に円周部分が保持されて倒れない最小高さを含んでいる。この開空間K2の確保により金属素材1の非拘束部位が増加するため塑性流動が容易になる。前述の下型A12を停止させる位置は、ガイド15に段付を設けることで強制的に止めてもよい。下型A12の円形長孔12bに金属素材1をセットし、第1アクションにおいて据込み加工を行い、その後第2アクションにおいて側方押出し加工を行う。
第1アクションにおいて、プレス機械のスライドに取り付けてある上型A11を降下させ、上型A11と鍛造パンチA13との間で金属素材1を圧縮成形させる。この第1アクションにおいて、変形する被加工材料からの反力により下型A12が加圧軸方向へ動かないように閉塞圧力Aを調整する。なお、閉塞圧力Aは、金属素材1の材種によって変化させる必要がある。
第2アクションにおいて、上型A11と下型A12が所定間隔になった時に、閉塞圧力Aを作用させたまま上型A11と下型A12を同時に降下させ、被加工材料が側方押出し加工される。所定間隔になる位置は、上型A11の下端と下型A12の上端が接触した時とする場合1(その場合は、閉空間)、上型A11と下型A12の間に依然隙間がある場合2(その場合は開空間)などがあるが、最適条件は、剛塑性FEM(有限要素)解析で予め決める。目安は、なるべく据込み加工における加圧量が多くなる条件とする。前述の場合2でも、プレス圧力は閉塞圧力Aより十分に大きいので、最終的には上型A11と下型A12間に閉空間が形成され、バリ(廃棄する部位)の発生はない。第1アクションと第2アクションを行うことで、鍛造パンチA13により金属素材1を、下型A12と上型A11との閉空間の中で側方押出し加工されるように塑性変形させてタイロッドエンド2を成形する。
タイロッドエンド2を成形する加工が終了したら閉塞圧力Aを開放し、上型A11と下型A12の間で加工品を取り出せる空間ができるまで上型A11を上昇させ、ノックアウト棒17を油圧等により動作させ、加工品を下型A12から取り出す。
このように、タイロッドエンドの鍛造金型10を用い、プレスの1ストローク内の上型A11と下型A12の複合的動作により塑性流動を制御することで金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形し、円柱素材の軸方向に圧縮的に大変形させるので、図4(b)に示すように、雌ネジ接続部2bから棒状に伸びる胴部2aに多大な塑性変形による塑性ひずみの累積が増大し、加工硬化することにより、タイロッドエンド2の高強度化を図り、かつ、強度バラツキを抑制できる。また、密閉型の金型構造の採用により、バリ(廃棄する部位)が発生せず、工程数の削減(低コスト化)が可能であり、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態を、図5乃至図7に基づいて説明する。図5はタイロッドエンドの鍛造金型の断面及びタイロッドエンドの製造方法を示す図、図6はタイロッドエンドを説明する図、図7はタイロッドエンドの鍛造金型の斜視図である。
(タイロッドエンドの鍛造金型)
第3の実施の形態のタイロッドエンドの鍛造金型30は、炭素鋼またはアルミニウム合金等の金属からなる円柱の金属素材1に対して、閉塞鍛造によりタイロッドエンド2を鍛造品として成形する鍛造金型である。このタイロッドエンド2は、棒状に伸びる胴部2aの一方の端部にソケット部が設けられるとともに、他方の端部に雌ネジ接続部2bが設けられて構成され、雌ネジ接続部2bには、成形部2b1、2b2が形成される。鍛造金型10は、上型B18、下型B19、鍛造パンチB20を備え、下型B19、プレスベッド14に固定され、上型B18は下型B19に嵌合されて装着されている。また、鍛造パンチB20はプレス機械のスライドノックアウト(図示せず)を介して固定されている。また、上型B18を所定高さだけ(この場合は、高さPの可動閉空間を形成する高さ)浮かせる手段16を備え、この手段16としてバネ力、油圧、空圧のいずれかを使用する。
上型B18は、鍛造品を成形するための上型B穴部18aを有し、下型B19は、上型B18に対向して配置され、鍛造品を成形するための下型B穴部19aと、加圧に伴い鍛造パンチB20が摺動するための円形長孔18bを有する。鍛造パンチB20は、下型B18の円形長孔18bに挿入される。上型B18と下型B19は、成形されるタイロッドエンド2の成形部2b2が上側になり、成形部2b1が下側になるように構成し、上型B穴部18aと下型B穴部19aにより可動閉空間を形成する。
この鍛造金型30は、上型B18を下型B19に対して所定高さ(図の場合は、可動閉空間を形成するP)だけ浮かせた状態で保持し、上型B18の円形長孔18bに加工前の金属素材1を挿入して下型B19上に設置し、プレス機械のスライドを降下させて、鍛造パンチB20を円形長孔18bに挿入し、鍛造パンチB20と下型B19の間で金属素材1を圧縮加工することで可動閉空間へ側方押出し加工し、鍛造パンチB20が所定の高さまで移動した後、鍛造パンチB20と上型B18を相対的に一体としたまま降下することで上型B18と下型B19との間に挟まれた被加工材料を据込み加工するように構成される。
(タイロッドエンドの製造方法)
このタイロッドエンドの鍛造金型30を用い、金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形する。このタイロッドエンド2の製造方法に用いる鍛造金型30は、上型B18と鍛造パンチB20が相対的に移動可能になる様に配置された構造である。
上型B18の下部から閉塞圧力Aにより上型B18を所定位置(例えば、金属素材1が倒れないように円形長孔18bで保持できる位置)まで上昇させて可動閉空間を確保する(閉塞圧力は維持)。次に、上型B18の円形長孔18bに金属素材1をセットし、プレス機械のスライドに取り付けられた鍛造パンチB20を降下させて可動閉空間の間隔を維持したまま第1アクションにおいて側方押出し加工を行い、その後第2アクションにおいて可動閉空間の間隔を小さくしながら据込み加工を行う。以上の2つのアクションはプレス1行程内で連続的に行う。
第1アクションにおいて、鍛造パンチB20を降下させ、下型B19と鍛造パンチB20との間で金属素材1を圧縮成形させる。このことで、金属素材1は加圧軸とは直交する方向の可動閉空間に側方押出し加工される。この第1アクションにおいて、被加工材料からの反力により上型B18が動かないように閉塞圧力Aを調整する。
第2アクションにおいて、鍛造パンチB20の最大外形部の下端面が上型B18の上端面に接触した時、閉塞圧力Aを作用させたまま鍛造パンチB20と上型B18を同時に降下させ、被加工材料が可動閉空間の中でタイロッドエンド2の棒部2aの軸方向と直交する方向に据込み加工される。可動閉空間を形成する間隔Pは、剛塑性FEM(有限要素)解析で予め決めておくが、目安は、なるべく据込み加工における加圧量が増える様にすると加工硬化により高強度化される。この第1アクションと第2アクションをプレス1行程内で連続的に行うことでタイロッドエンド2を成形する。なお、図5では鍛造パンチB20の最大外径部の下端面が上型B18の上端面に接触した時に、鍛造パンチB20と上型B18の加圧軸方向の相対位置は加工品形状の一部に合致するように設定した。
タイロッドエンド2を成形する加工が終了したらプレス機械のスライドが戻り、閉塞圧力Aを調整して上型B18と下型B19の間に加工品を取り出すための空間を設け、ノックアウトさせ、加工品を下型B19または上型B18から取り出す。
このように、タイロッドエンドの鍛造金型30を用い、プレス機械の1ストローク内の鍛造パンチB20と上型B18の複合的な動作により塑性流動を制御することで金属素材1を塑性変形させてタイロッドエンド2を成形し、円柱素材の軸方向に圧縮的に大変形させるので、図6に示すように、雌ネジ接続部2bから棒状に延びる胴部2aに多大な塑性変形により塑性ひずみの累積が増大し、加工硬化することにより、タイロッドエンド2の高強度化を図り、かつ、強度バラツキを抑制できる。また、密閉型の金型構造の採用により、バリ(廃棄する部位)が発生せず、工程数の削減(低コスト化)が可能であり、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができる。
この実施形態のタイロッドエンドの鍛造金型において、下型B19は、図7(b)に示すとおりの形状である。図7(a)に示すとおり、これを上型B18に嵌合状態でセットしてある。
この発明は、自動車などの車両に用いられるステアリング装置の一部を構成するタイロッドエンドを製造するタイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法に適用でき、製造コストを抑えて効率的に高品質のタイロッドエンドを製造することができる。
1 金属素材
2 タイロッドエンド
2a 胴部
2b 雌ネジ接続部
10、30 鍛造金型
11 上型A
11a 上型A穴部
12 下型A
12a 下型A穴部
12b、18b 円形長孔
13 鍛造パンチA
14 プレスベッド
15 ガイド
16 浮かせる手段
17 ノックアウト棒
18 上型B
18a 上型B穴部
19 下型B
19a 下型B穴部
20 鍛造パンチB
K1,K2,K4 閉空間
K3 可動閉空間

Claims (4)

  1. タイロッドエンドを鍛造品として成形する鍛造金型であり、
    前記鍛造品を成形するための穴部と金属素材を挿入するための円形長孔を有する上型と、
    前記上型に対向して配置される前記鍛造品を成形するための穴部を有する下型と、
    前記上型の前記円形長孔に挿入される段付きの鍛造パンチとを備え、
    前記上型を前記円形長孔の内周面で前記金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、
    前記上型の前記円形長孔に加工前の前記金属素材を配置し、
    前記鍛造パンチで前記金属素材を圧縮加工することで前記上型の前記穴部と前記下型の前記穴部とで形成される空間へ側方押出し加工し、
    前記鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、前記上型と前記鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで被加工材料を据込み加工することを特徴とするタイロッドエンドの鍛造金型。
  2. 前記上型を浮かせる手段として、
    バネ力、油圧、空圧のいずれかを使用することを特徴とする請求項1に記載のタイロッドエンドの鍛造金型。
  3. 請求項1または請求項2に記載のタイロッドエンドの鍛造金型を用い、前記金属素材を塑性変形させてタイロッドエンドを成形することを特徴とするタイロッドエンドの製造方法。
  4. 前記上型の下部から閉塞圧力により前記上型を前記円形長孔の内周面で前記金属素材が嵌合される範囲内だけ浮かせた状態で保持し、
    前記上型と前記下型の間で高さ方向の間隔調整が可能な閉空間を形成して、
    前記上型の前記円形長孔に前記金属素材を配置し、
    前記鍛造パンチを降下させ、閉塞圧力を作用させたまま前記鍛造パンチと固定されて動かない前記下型との間で前記金属素材を側方押出し加工する第1アクションと、
    前記鍛造パンチが所定の高さまで移動した後、前記上型と前記鍛造パンチを相対的に一体としたまま動作することで前記金属素材が前記閉空間の中で据込み加工する第2アクションとをプレス機械のプレススライドが上死点から下死点まで移動する間に連続的に行い、
    前記タイロッドエンドを成形することを特徴とする請求項3に記載のタイロッドエンドの製造方法。
JP2014060221A 2014-03-24 2014-03-24 タイロッドエンドの鍛造金型及びタイロッドエンドの製造方法 Active JP6255581B2 (ja)

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