JP6249806B2 - 撮像装置および撮像装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子カメラ等の撮像光学系を有する撮像装置および該撮像装置の制御方法に関するものである。
近年、コンパクトデジタルカメラ等の撮像装置では、小型化、薄型化、ズームレンズの高倍率化などの要求の結果、撮影レンズの光学設計上残存収差を抑制することは、一層困難になっている。一般に撮像光学系は、距離などの撮影条件が変わると収差変動が生じ、性能が変化するが、これを所定の範囲内に納めるようにバランスをとった設計が行われる。上記のような撮像光学系では、撮影距離に応じた収差変動を抑える設計が重要になる。特開平11−218673号公報(特許文献1)では、球面収差によるピントズレを補正することが開示されている。
特開平11−218673号公報
カメラのユーザビリティに於いて、マクロ(接写)撮影性能は重要なウェイトを占める。一般的な撮影、作品制作はもとより、ネットワーク上への物品画像のアップなど用途は拡がってきている。しかしながら、マクロ撮影領域では各収差成分が大きくなり易いため影響は大きくなる。その中でも特に球面収差成分の急激な増大は多くの問題を呈する。近年開放F値の明るいレンズが求められ、球面収差に対しては元々設計上厳しい状況になっている。前述の特許文献1では、マクロ撮影の場合には言及されていない。
従来から、球面収差に起因する問題は特にオートフォーカス(以下AF)制御に影響を及ぼしてきた。画像のコントラストをAF評価値とする、所謂コントラストAFに於いては、画像中の特定の空間周波数成分をAF評価値として監視し、それが最大(ピーク)を示すフォーカス位置が合焦位置である。しかしながら、目視による官能評価で見た合焦位置は、画像に含まれるうちの比較的高周波の成分のコントラストによって決定される(図7の505)。一方で、現実にはコントラストAFシステムによって監視可能な空間周波数帯域は、それよりも低周波成分の領域にせざるを得ない。それは、高周波成分はノイズ、低照度、ブレなどに弱く、合焦精度が確保し難くなり、これを監視しようとすると却ってAF性能の低下を招くことがあるためである。
ところが球面収差の存在下では、低周波成分のAF評価値(図7の506)の合焦位置と高周波成分の評価値(図7の505)のそれとが一致しない問題があった。即ち、高周波成分と低周波成分ではコントラストの最大になるフォーカス位置が異なるということである。そのため、従来から、低周波成分によってコントラストAFを実施し、その結果得られた合焦位置に対して、予め用意したフォーカス補正量を適用してフォーカスをずらし(図7の507)、高周波成分のピークに該当する位置にフォーカスを合わせる対策が行われてきた。この結果、低周波成分に対しては、厳密な意味で合焦位置ではなくなる。しかしながら、一般に高周波成分の深度範囲は狭く、低周波成分の深度範囲(図7の508)は広いため、高周波成分のピーク位置にフォーカスを合わせることで何ら問題のないAF動作が可能であった。
ところが前述のようにマクロ撮影領域では、球面収差の量が非常に大きくなり、低周波成分と高周波成分のそれぞれのピークのフォーカス位置が大きく乖離するという問題が現れている。球面収差量が非常に大きいと高周波成分ピークのフォーカス位置では、図7の501に示すように点像の中心に結像の芯はありながら、その周辺にハロ成分(Halo)が拡がるという傾向が強まる。その結果、結像される画像は、ディテールは細かく解像しているものの画面全体にうっすらとフレアっぽい白カブリが生じた画像となる問題があった。
(発明の目的)
本発明の目的は、マクロ撮影距離領域にてフォーカス位置を決定するに当たり、急激に増大する球面収差の影響を低減することができる撮像装置およびその制御方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、コントラストAFのAF評価値として被写体画像に含まれる空間周波数のうちの低周波成分を用い、該AF評価値により得られたフォーカス位置に基づくフォーカス補正量を取得し、前記フォーカス位置を前記フォーカス補正量だけ高周波成分側にずらして、フォーカス位置を決定するフォーカス位置決定手段を有する撮像装置であって、前記フォーカス位置決定手段が、マクロ撮影距離領域では、通常撮影距離領域に比して、前記フォーカス補正量を高周波成分側より低周波成分側にずらして、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とするものである。
本発明によれば、マクロ撮影距離領域にてフォーカス位置を決定するに当たり、急激に増大する球面収差の影響を低減することができる。
本発明の実施例である電子カメラの構成を示すブロック図である。 実施例の動作を示すフローチャートである。 マクロ撮影距離領域における実施例1でのコントラストを示す図である。 実施例1のAF処理動作を示すフローチャートである。 マクロ撮影距離領域における実施例2でのコントラストを示す図である。 実施例2のAF処理動作を示すフローチャートである。 通常撮影距離領域における従来例でのコントラストを示す図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例1および2に記載される通りである。
〈構成〉
本実施例1の詳細な説明に入る前に、本発明の全ての実施例に係るデジタルカメラなどの所謂電子カメラ(撮像装置)の構成について説明する。本発明の全ての実施例に係るデジタルカメラなどの所謂電子カメラ(撮像装置)は、共通して以下のような構成を有する。図1に、電子カメラの構成のブロック図を示す。
電子カメラは、レンズおよび絞りからなる撮像光学系1、メカニカルシャッタ2(メカシャッタと図示する)、撮像素子3であるCCDやCMOSなどのイメージセンサ、アナログ信号処理を行うCDS部4を有する。また、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部5、撮像素子3、CDS部4およびA/D変換部5を動作させる信号を発生するタイミング信号発生部6を有する。また、撮像光学系1、メカニカルシャッタ2および撮像素子3の駆動部7、撮影した画像データに必要な信号処理を行う信号処理部8、信号処理された画像データを記憶する画像メモリ9、電子カメラから取り外し可能な記録媒体10を有する。また、信号処理された画像データを記録媒体10に記録する記録制御部11、信号処理された画像データを表示する画像表示部12、画像表示部12に画像を表示させる表示制御部13、電子カメラ全体を制御するシステム制御部14を有する。また、システム制御部14で実行される制御方法を記載したプログラム、プログラムを実行する際に使用されるパラメータやテーブル等の制御データ、および、キズアドレス等の補正データを記憶しておく不揮発性メモリ(ROM)15、不揮発性メモリ15に記憶されたプログラム、制御データおよび補正データを転送して記憶しておき、システム制御部14が電子カメラを制御する際に使用する揮発性メモリ(RAM)16を有する。さらに、システム制御部14は、焦点調節部17を含む。
以下、上述のように構成された電子カメラを用いてメカニカルシャッタ2を使用した撮影動作について説明する。撮影動作に先立ち、電子カメラの電源投入時等のシステム制御部14の動作開始時において、不揮発性メモリ15から必要なプログラム、制御データおよび補正データを揮発性メモリ16に転送して記憶しておくものとする。また、これらのプログラムやデータは、システム制御部14が電子カメラを制御する際に使用するとともに、必要に応じて、追加のプログラムやデータを不揮発性メモリ15から揮発性メモリ16に転送したり、システム制御部14が直接不揮発性メモリ15内のデータを読み出して使用したりするものとする。
まず、撮像光学系1は、システム制御部14からの制御信号により、絞りとレンズを駆動して、適切な明るさに設定された被写体像を撮像素子3上に結像させる。次に、メカニカルシャッタ2は、システム制御部14からの制御信号により、必要な露光時間となるように撮像素子3の動作に合わせて撮像素子3を遮光するように駆動される。この時、撮像素子3が電子シャッタ機能を有する場合は、メカニカルシャッタ2と併用して、必要な露光時間を確保してもよい。撮像素子3は、システム制御部14により制御されるタイミング信号発生部6が発生する動作パルスをもとにした駆動パルスで駆動され、被写体像を光電変換により電気信号に変換してアナログ画像信号として出力する。撮像素子3から出力されたアナログの画像信号は、システム制御部14により制御されるタイミング信号発生部6が発生する動作パルスにより、CDS部4でクロック同期性ノイズを除去し、A/D変換部5でデジタル画像信号に変換される。次に、システム制御部14により制御される信号処理部8は、デジタル画像信号に対して、色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等を行う。画像メモリ9は、信号処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、信号処理されたデジタル画像信号である画像データを記憶したりするために用いられる。信号処理部8で信号処理された画像データや画像メモリ9に記憶されている画像データは、記録制御部11において記録媒体10に適したデータ(例えば階層構造を持つファイルシステムデータ)に変換されて記録媒体10に記録したりする。あるいは、信号処理部8で解像度変換処理を実施された後、表示制御部13に於いて画像表示部12に適した信号(例えばNTSC方式のアナログ信号等)に変換されて画像表示部12に表示されたりする。
ここで、信号処理部8においては、システム制御部14からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像データとして、画像メモリ9や記録制御部11に出力してもよい。また、信号処理部8は、システム制御部14から要求があった場合に、信号処理の過程で生じたデジタル画像信号や画像データの情報、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報をシステム制御部14に出力する。さらに、記録制御部11は、システム制御部14から要求があった場合に、記録媒体10の種類や空き容量等の情報をシステム制御部14に出力する。
さらに、記録媒体10に画像データが記録されている場合の再生動作について説明する。システム制御部14からの制御信号により記録制御部11は、記録媒体10から画像データを読み出し、同じくシステム制御部14からの制御信号により信号処理部8は、画像データが圧縮画像であった場合には、画像伸長処理を行い、画像メモリ9に記憶する。画像メモリ9に記憶されている画像データは、信号処理部8で解像度変換処理を実施された後、表示制御部13に於いて画像表示部12に適した信号に変換されて画像表示部12に表示される。
以下、本発明の全ての実施例に係るデジタルカメラなどの所謂電子カメラ(撮像装置)は、共通して以下のような処理の流れを有する。撮影時の処理の全体的な流れについて、図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明において特に記載がない場合、動作の主体はシステム制御部14(図1)である。
まず、ステップS301で、システム制御部14は、操作部(不図示)に含まれる図示しないメインスイッチ(電源スイッチ)の状態を検出し、オン状態であればステップS302へ進む。ステップS302で、システム制御部14は、装着された記録媒体10の残容量を調べ、残容量が例えば画質設定などから定まる撮影画像データサイズよりも多ければステップS305へ進み、そうでなければステップS303へ進む。ステップS303でシステム制御部14は、記録媒体10の残容量が不充分であることを警告してステップS301に戻る。警告は、画像表示部12にメッセージを表示するか、図示しない音声出力部から音声を出力するか、又はその両方により行うことができる。
ステップS305でシステム制御部14は、画像表示部12に焦点検出領域を表示する。すなわち、撮影した画像を一時記憶部である画像メモリ9へ保存し、表示制御部13により表示画像を生成して画像表示部12に表示する処理を連続的に行う表示処理において、通常撮影時に設定された焦点検出領域を併せて表示する。ステップS306でシステム制御部14は、レリーズの状態を調べ、半押し状態であればステップS308へ進み、そうでなければステップS307へ進む。ここで、電子カメラは、レリーズの半押し状態により、自動合焦動作(AF)や自動露出制御動作(AE)など、本撮影に先立つ処理を開始する。ステップS307ではメインスイッチの状態を調べ、オン状態であればステップS305へ戻り、そうでなければステップS301へ戻る。ステップS308でシステム制御部14は、A/D変換部5の出力から被写体輝度を検出する。その後、ステップS310で焦点調節部17が自動合焦処理(AF処理)を行う。ステップS308の検出結果から被写体輝度が所定値より低い場合には、図示しない光源によりAF補助光を被写体に向けて所定時間投光してAF処理を行う。そして、合焦すると、ステップS311では、レリーズ(不図示)が全押し状態であるかどうかを調べ、全押し状態であればステップS313へ進み、そうでなければステップS312へ進む。ここで、電子カメラでは、レリーズの全押しにより撮影処理を開始する。
ステップS312ではレリーズが半押し状態かどうかを調べ、半押し状態であればステップS311へ戻り、そうでなければステップS305へ戻る。ステップS314ではステップS302と同様に記録媒体10の残容量を調べ、次の撮影に必要な残容量があればステップS315へ進み、そうでなければステップS303へ進む。ステップS315ではレリーズが全押し状態であるかどうかを調べ、全押し状態でなければステップS312へ進む。
本実施例1は、当該電子カメラが、マクロ撮影距離領域で球面収差が急激に増大する特性を有する撮像光学系1を使用する場合のAF制御についてである。図3および図7(図7は従来の場合)に示すのは、ある被写体に対して合焦位置を跨いで前後にデフォーカスさせたときのコントラストをプロットした模式図である。図7は、例えば通常の撮影距離であって、球面収差の量が所定のレベルに収まっている場合である。図7では、コントラストAFのAF評価値として、画像の低周波成分のピークと高周波成分のピークのフォーカス方向の距離差(デフォーカス分)がさほど大きくない。そのため、低周波成分にてフォーカス位置を検出したのち、高周波成分のフォーカス位置へフォーカス補正量507によりフォーカス位置をずらして、そこを正式な合焦位置としても、低周波成分の深度範囲508には収まっている。
ところが、マクロ撮影距離に於いては、球面収差の量が急激に増大し、低周波成分、高周波成分それぞれのピーク位置の間隔が拡がる。図3はそのような状態を示している。そのため、高周波成分のピーク位置にフォーカス位置を合わせると、低周波成分の深度範囲508から逸脱することもある。また、球面収差が大きい状況では高周波成分のピーク位置では、当然高周波成分の解像力は高いが、図7の点像501で説明した傾向が、増大した球面収差のため更に強まり、点像501の中心に結像の芯はありながら、その周辺のハロ成分は一層拡がる。その結果、結像される画像は、細かいディテールは解像しているものの画面全体にうっすらとフレアっぽい白カブリが生じた画像となる。そこで、本実施例1では、マクロ撮影領域に該当する距離では、最終の合焦位置(図3の104)となるためのフォーカス補正量(図3の103)を球面収差量に応じて減らし、低周波成分のピーク位置に近づける処理を行う。勿論、完全にフォーカス補正量103をゼロとして、低周波成分のピーク位置を最終的な合焦位置としてしまうと、画像が甘くなり過ぎて好ましくない。
マクロ撮影領域の距離では自ずから撮影倍率が上がる。定性的には相対的に被写体の有する空間周波数帯域は、被写体像が拡大されることによって低下する方向である。そのため、敢えて高周波成分のピークに合焦位置を合わせ込む必要は低下すると考えられる。しかしまた一方で、被写体によっては、拡大しても更に微細な高周波のディテールが湧き出るように現れてくるとも考えられるので、それらのバランスを考慮し、且つ、フレアっぽい白カブリの影響を低減した位置を最終的な合焦位置104とする。
フォーカス補正量103は、予めレンズの設計データからマクロ撮影距離に入った場合の球面収差の増加量を把握しておいて、これをテーブルなどの形で保持する。そして、マクロ撮影距離領域での撮影の場合は、通常撮影距離のAFの高周波成分ピーク位置に合わせ込むフォーカス補正量ではなく、マクロ用のフォーカス補正量を使用する。マクロ撮影距離領域に於ける球面収差の増加は非常に急激であるため、このフォーカス補正量も距離変化を細かく区切りながらテーブル化するのが好ましい。
このテーブルは、焦点距離(ズームの場合)、F値、撮影距離などの項目についてフォーカス補正量をそれぞれ持っているような構成である。従来マクロ撮影領域は考慮されて来なかった部分であるが、このマクロ撮影距離領域を球面収差を考慮して拡張し、テーブル化する。
図4により焦点調節部17のAF処理動作(図2のステップS310)を以下に説明する。実施例1のAF処理には図4(a)に示されるものと図4(b)に示されるものの二通りがある。まず、図4(a)に示されるAF処理を説明する。
ステップS401では、低周波成分のAF評価値102を取得し、そのAF評価値102に基づくフォーカス位置を取得する。ステップ402では取得したフォーカス位置に応じたフォーカス補正量を通常撮影距離用テーブルから取得する。ステップS403では、ステップS401で取得したフォーカス位置を図7の507に示されるように高周波成分側へフォーカス補正量だけずらし、フォーカス位置を決定する。ステップS401〜S403は、通常撮影領域でのフォーカス位置決定処理である。
ステップS404ではマクロ撮影距離か否かを判定し、マクロ撮影距離であればステップS405へ進み、通常撮影距離であればAF処理を終了する。ステップ405では予め用意された修正量用テーブルからフォーカス補正量の修正量を取得して、ステップS403で決定されたフォーカス位置を低周波成分側へ修正する。修正したフォーカス位置が最終的合焦位置104(図3)となる。
次に、図4(b)に示されるAF処理を説明する。ステップS401は図4(a)のステップS401と同じである。ステップS404ではマクロ撮影距離か否かを判定し、マクロ撮影距離であればステップS406へ進み、通常撮影距離であればステップS408へ進む。ステップS406ではステップ401で取得したフォーカス位置に応じたフォーカス補正量をマクロ撮影距離用テーブルから取得する。ステップS407では、ステップS401で取得したフォーカス位置を図3の103に示されるように高周波成分側へフォーカス補正量だけずらし、最終的合焦位置104としてのフォーカス位置を決定する。図4(b)のAF処理は、マクロ撮影距離用のフォーカス補正量を予めテーブルに用意しておいて、マクロ撮影距離領域ではこのテーブルを用いるものである。マクロ撮影距離領域でのフォーカス補正量は、通常撮影距離領域でのフォーカス補正量に比べて小さい。そのため、最終的なフォーカス位置は低周波成分側となる。
通常撮影距離領域では、ステップS408にて、ステップ401で取得したフォーカス位置に応じたフォーカス補正量を通常撮影距離用テーブルから取得する。ステップS409では、フォーカス位置を高周波成分側へフォーカス補正量だけずらし、最終的合焦位置104としてのフォーカス位置を決定する。
なお、通常撮影距離用テーブル、修正量用テーブル、マクロ撮影距離用テーブルは、不揮発性メモリ15に備えられている。
実施例1は、マクロでの撮影距離に応じた撮影倍率の増加を前提に、被写体に依らずフォーカス補正量を適用する例である。
これに対して、本発明の実施例2は、実際の被写体画像の有する空間周波数帯域を分析し、その量に応じてフォーカス補正量を適宜変化させるものである。
当該電子カメラは、コントラストAF評価値の取得のために、低周波成分を取り出すバンドパスフィルタ(以下BPF)を、もともと具備している。それに加えて高周波成分を取り出すBPFを少なくとも1系統用意する。そして、最初にAFのためのフォーカス走査(デフォーカスしてピークをサーチする)を行う際に、その被写体の画像に含まれる低周波成分と高周波成分の含まれる量をそれぞれ同時に監視する。撮影する被写体によっては、含まれる空間周波数成分の分布が異なる。低周波成分と高周波成分では、今まで述べてきたようにピークを呈するフォーカス位置が異なるので、それぞれのピークを捕捉できる範囲を走査する必要がある。
この結果、被写体画像に含まれる低周波成分が多い傾向であるなら、フォーカス補正量303を少なく(図5(b))し、または、高周波成分が多い傾向であるならフォーカス補正量203を多め(図5(a))にする。
低周波成分、高周波成分いずれが多いか少ないかという判断は、例えば低周波成分のBPF、高周波成分のBPFを通して得られたピークの高さを用いる方法がある。これらのピーク値を直接そのまま比較することは、必ずしも適切な方法ではない。予め、いろいろなシーンを用いて実測する、或いはシミュレーションなどの手段を用い、低周波成分、高周波成分、それぞれが高い場合の絶対値の目標範囲などの情報を獲得しておくのが良い。
フォーカス補正量については、仮に高周波成分が支配的である場合でも、上述しているように完全に高周波成分のピークに合わせてしまうと、画像がフレアっぽくなるので、球面収差が多くなる極至近距離ほど、その程度を考慮する。即ち、設計上球面収差が急激に増大する距離、残存する球面収差の量、被写体の支配的な空間周波数成分の分布、を要因として勘案すると言うことである。
図6により実施例2における焦点調節部17のAF処理動作(図2のステップS310)を以下に説明する。ステップS501では、低周波成分および高周波成分のAF評価値を取得する。ステップS502では支配的な周波数成分を判定する。ステップS503では、低周波成分が支配的である場合にはステップS504に分岐させ、高周波成分が支配的である場合にはステップS506に分岐させる。ステップS504では図5(b)の303のようにフォーカス補正量を小とする。そして、ステップS505で低周波成分のAF評価値のピークから高周波成分側にフォーカス補正量303だけずらした位置を最終的なフォーカス位置に決定する。ステップS506では図5(a)の203のようにフォーカス補正量を大とする。そして、ステップS507で低周波成分のAF評価値のピークから高周波成分側にフォーカス補正量203だけずらした位置を最終的なフォーカス位置に決定する。
尚、上記記載内容は、絞り開放及びその付近絞り値の場合を前提としていて、開放から絞った場合に球面収差が減少する場合は、従来通り高周波成分のピーク位置に合うように優先して補正するフォーカス補正方法であって良い。焦点調節部17、つまり図4(a)(b)、図6のAF処理を行うものが、フォーカス位置決定手段に相当する。
(変形例)
更に変形例として、敢えて球面収差によるフレアっぽさを利用する場合について記載する。撮影者が自発的にソフトフォーカスモードないしはそれに類するモードを選択した場合、或いはカメラ側で自動的に画像に特殊効果を与えるモードなど、積極的にソフトフォーカス調を利用する場合である。この場合、マクロ撮影距離領域であっても、コントラストAFのAF評価値である低周波成分のピーク位置から、高周波成分のピーク位置を敢えて目標としてフォーカス補正を実施する。このことにより、大きく発生する球面収差によるハロ成分が画面全体にカブっていて、ディテールは高周波成分がきちんと解像している良好なソフトフォーカス調の画像が得られる。マクロ撮影などでは、しばしば花などを撮影するが、接写距離だからこそ大きく発生する球面収差を逆にソフトフォーカス調の表現に利用することが出来る。
フローチャートで表すと、図4(a)の場合には、ステップS404とS405の間にソフトフォーカスモードが選択されたか否かを判定するステップを挿入し、YESのときにはステップS405に移行せずにエンドに進むようにする。図4(b)の場合には、ステップS404とS406の間にソフトフォーカスモードが選択されたか否かを判定するステップを挿入し、YESのときにはステップS408に移行するようにする。図6の場合には、ステップS503とS504の間にソフトフォーカスモードが選択されたか否かを判定するステップを挿入し、YESのときにはステップS506に移行するようにする。つまり、マクロ撮影距離領域で、ソフトフォーカスモードが設定されている場合には、フォーカス補正量の高周波成分より低周波成分側へのずらしを中止するようにしている。
14 システム制御部
17 焦点調節部
101 高周波成分コントラスト
102 低周波成分コントラスト
103 フォーカス補正量
104 最終的合焦点位置

Claims (6)

  1. コントラストAFのAF評価値として被写体画像に含まれる空間周波数のうちの低周波成分を用い、該AF評価値により得られたフォーカス位置に基づくフォーカス補正量を取得し、前記フォーカス位置を前記フォーカス補正量だけ高周波成分側にずらして、フォーカス位置を決定するフォーカス位置決定手段を有する撮像装置であって、
    前記フォーカス位置決定手段は、マクロ撮影距離領域では、通常撮影距離領域に比して、前記フォーカス補正量を高周波成分側より低周波成分側にずらして、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記フォーカス位置決定手段は、マクロ撮影距離領域で、前記フォーカス補正量を低周波成分側にずらす修正量を、予め用意されたテーブルから取得し、前記フォーカス補正量を前記修正量により修正して、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記フォーカス位置決定手段は、マクロ撮影距離領域では、マクロ撮影距離用テーブルからマクロ撮影距離用のフォーカス補正量を取得し、該マクロ撮影距離用のフォーカス補正量を用いて、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記フォーカス位置決定手段は、マクロ撮影距離領域では、被写体画像に含まれる空間周波数のうちの支配的な周波数成分を判定し、低周波成分が支配的な場合には、支配的でない場合に比べて、前記フォーカス補正量を低周波成分側にずらし、該ずらしたフォーカス補正量を用いて、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記フォーカス位置決定手段は、マクロ撮影距離領域で、ソフトフォーカスモードが設定されている場合には、前記フォーカス補正量の高周波成分側より低周波成分側へのずらしを中止すること特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. コントラストAFのAF評価値として被写体画像に含まれる空間周波数のうちの低周波成分を用い、該AF評価値により得られたフォーカス位置に基づくフォーカス補正量を取得し、前記フォーカス位置を前記フォーカス補正量だけ高周波成分側にずらして、フォーカス位置を決定するフォーカス位置決定ステップを行う撮像装置の制御方法であって、
    前記フォーカス位置決定ステップにおいて、マクロ撮影距離領域では、通常撮影距離領域に比して、前記フォーカス補正量を高周波成分側より低周波成分側にずらして、最終的なフォーカス位置を決定することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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