JP6248048B2 - キナーゼ阻害活性を有するトリプトリン誘導体及びその使用 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年1月9日出願の米国特許仮出願第61/584,593号及び2012年10月17日出願の同第61/715,116号の利益を主張し、これらはそれぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。
本発明は、キナーゼ阻害活性を有するトリプトリン(tryptoline)誘導体及び関連する化合物、並びにこれらの治療、診断及び医薬用途に関する。
ブルトン無ガンマグロブリン血症チロシンキナーゼ(Btk又はBTK)は、Tecファミリーの細胞質キナーゼである。Btkは、B細胞レセプター(BCR)シグナル伝達経路の活性化、サイトカインレセプターシグナル伝達の仲介及びマスト細胞活性化への参加などの、リンパ球、骨髄及びマスト細胞系の発生及び調節において重要な役割を果たす。しかし、Btkの活性化又は過剰活性化は、B細胞悪性腫瘍(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫又は慢性リンパ性白血病)、炎症性又は自己免疫性疾患(例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス又は多発性硬化症)及びマスト細胞悪性腫瘍(例えば、膵島細胞腫)を含む多数の疾患に寄与しうる又は疾患を促進しうる。したがって、Btkを阻害する新たな化合物及びそのような化合物を使用する治療方法の必要性が存在する。
本発明は、下記の式:
Figure 0006248048
を有する化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグを特徴とし、
[式中、
各R1、R2、R3及びR4は、独立して、N又はCR5であり、ここで、各R5は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC2〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているC1〜6アルク-C6〜10アリール、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
Aは、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル、カルボキシル、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルであるか、或いはRA1とRA2の組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成することができ;
Xは、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール)又は場合により置換されているC6〜10アリールであり;
Lは、場合により置換されているC1〜10アルキレン、場合により置換されているC1〜10ヘテロアルキレン、-O-CZ1Z2-、-CZ1Z2-O-、-S-CZ1Z2-、-CZ1Z2-S-、-NZN1-CZ1Z2-、-CZ1Z2-NZN1-、-O-、-S-、-NZN1-、-NZN1-C(O)-及び-C(O)-NZN1-からなる群から選択され、ここで、各ZN1は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル又はN-保護基であり、各Z1及びZ2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニルであるか、或いはZ1とZ2の組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができ;
各Z3a、Z3b及びZ4は、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC2〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシル又はN-保護基であるか;或いはZ3aとZ3bの組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができ;
各Z5a及びZ5bは、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC2〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシル(例えば、各Z5a及びZ5bは、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキルであるか;或いは各Z5a及びZ5bは、H)であり;
Yは、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、場合により置換されている二環式C1〜12ヘテロシクリル、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール又は場合により置換されている二環式C1〜12ヘテロアリール)である]。
幾つかの実施態様において、各R1、R2、R3及びR4は、独立して、N又はCR5であり、ここで、各R5は、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;Aは、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、カルボキシル、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルであり;Lは、場合により置換されているC1〜6アルキレン、-NH-CZ1Z2-及び-CZ1Z2-NH-からなる群から選択され、ここで各Z1及びZ2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ若しくは場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ又は本明細書に記載されているいずれかのものである(例えば、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである)か;或いはZ1とZ2の組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができ;各Z3a、Z3b及びZ4は、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである。
幾つかの実施態様において、Lは、場合により置換されているC1〜6アルキレン、-NH-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-CZ1Z2-及び-CZ1Z2-NH-からなる群から選択され、ここで各Z1及びZ2は、独立して、H又は本明細書に記載されているいずれかのもの(例えば、H又は場合により置換されているC1〜6アルキル)であるか;或いはZ1とZ2の組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができる。
他の実施態様において、Lは、場合により置換されているC1〜10ヘテロアルキレンである(例えば、-(CZ1Z2)L1-NZN1-(CZ1Z2)L2-、-(CZ1Z2)L1-O-(CZ1Z2)L2-、-(CZ1Z2)L1-S-(CZ1Z2)L2-、-(CZ1Z2)L1-NZN1-C(O)-(CZ1Z2)L2-又は-(CZ1Z2)L1-C(O)-NZN1-(CZ1Z2)L2-であり、ここで、L1は、0〜10の整数であり、L2は、0〜10の整数であり、L1とL2の合計は、1〜10の整数であり、Z1、Z2及びZN1は、本明細書に記載されているとおりである)。特定の実施態様において、Lは、-(CZ1Z2)0〜5-NZN1-(CZ1Z2)1〜5-、-(CZ1Z2)1〜5-NZN1-(CZ1Z2)0〜5-、-(CZ1Z2)0〜5-O-(CZ1Z2)1〜5-、-(CZ1Z2)1〜5-O-(CZ1Z2)0〜5-、-(CZ1Z2)0〜5-NZN1-C(O)-(CZ1Z2)1〜5-、-(CZ1Z2)1〜5-NZN1-C(O)-(CZ1Z2)0〜5-、-(CZ1Z2)0〜5-C(O)-NZN1-(CZ1Z2)1〜5-又は-(CZ1Z2)1〜5-C(O)-NZN1-(CZ1Z2)0〜5-である。他の実施態様において、Lは、-(CH2)0〜5-NZN1-(CH2)1〜5-、-(CH2)1〜5-NZN1-(CH2)0〜5-、-(CH2)0〜5-O-(CH2)1〜5-又は-(CH2)1〜5-O-(CH2)0〜5-である。更なる実施態様において、各ZN1は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル又は場合により置換されているC2〜6アルキニル(例えば、非置換のC1〜6アルキル)である。
幾つかの実施態様において、Xは、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール(例えば、5員若しくは6員の場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール又は5員若しくは6員の非置換C1〜12ヘテロアリールなどの本明細書に記載されているいずれかのもの)である。
特定の実施態様において、RA1とRA2の組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、場合により置換されているモルホリニル、場合により置換されているピペリジニル、場合により置換されているピペラジニル、場合により置換されているピロリジニル、場合により置換されているイミダゾリジニル、場合により置換されているピラゾリジニル、場合により置換されているオキサゾリジニル、場合により置換されているイソオキサゾリジニル、場合により置換されているチアゾリジニル、場合により置換されているイソチアゾリジニル、場合により置換されているチオモルホリニル、場合により置換されているアゼパニル又は場合により置換されているホモピペラジニルなどの本明細書に記載されているいずれかのもの)を形成することができる。
幾つかの実施態様において、化合物は、以下:
Figure 0006248048
Figure 0006248048
から選択される構造を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグである。幾つかの実施態様において、Z3aは、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであるか、或いはZ3aと、Z3aと同じ炭素における水素との組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができる。
幾つかの実施態様において、化合物は、以下:
Figure 0006248048
Figure 0006248048
から選択される構造を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグである。
幾つかの実施態様において、Yは、下記の式:
Figure 0006248048
[式中、YaとYbの組み合わせ又はYbとYcの組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成することができる]を有する。
他の実施態様において、Yは、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール(例えば、場合により置換されているキノキサリニル、場合により置換されているジヒドロキノキサリニル、場合により置換されているキナゾリニル、場合により置換されているシンノリニル、場合により置換されているフタラジニル、場合により置換されているキノリル、場合により置換されているイソキノリル、場合により置換されているジヒドロキノリル、場合により置換されているテトラヒドロキノリル、場合により置換されているジヒドロイソキノリル、場合により置換されているテトラヒドロイソキノリル、場合により置換されているベンゾオキサゾリル、場合により置換されているベンゾイミダゾリル、場合により置換されているベンゾチアゾリル、場合により置換されているベンゾチアジアゾリル、場合により置換されているインドリル、場合により置換されているジヒドロインドリル、場合により置換されているインダゾリル、場合により置換されているベンゾフラニル、場合により置換されているイソベンゾフラニル、場合により置換されているベンゾチエニル、場合により置換されている場合により置換されているジヒドロキノキサリニル、場合により置換されているジヒドロキノリル、場合により置換されているテトラヒドロキノリル、場合により置換されているジヒドロイソキノリル、場合により置換されているテトラヒドロイソキノリル又は場合により置換されているジヒドロインドリルの群から選択されており、ここでいずれのヘテロシクリルも場合によりオキソを含むもの)である。例示的な任意の置換基には、オキソ、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル又は本明細書に記載されているいずれかのものが含まれる。幾つかの実施態様において、Yは、非置換のC1〜12ヘテロアリールである。
幾つかの実施態様において、Lは、C1〜6アルキル、-NH-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-CZ1Z2-又は-CZ1Z2-NH-であり、ここで各Z1及びZ2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ若しくは場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ又は本明細書に記載されているいずれかのもの(例えば、H又は場合により置換されているC1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ若しくはハロ-C1〜6アルコキシ)であるか、或いはZ1とZ2の組み合わせは、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC1〜7スピロシクリルを形成することができる。
幾つかの実施態様において、Xは、5員の場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール(例えば、場合により置換されているフリル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているチアゾリル、場合により置換されているピロリル、場合により置換されているオキサジアゾリル、場合により置換されているイソオキサゾリル、場合により置換されているオキサゾリル、場合により置換されているイミダゾリル、場合により置換されているチエニル、場合により置換されているイソチアゾリル及び場合により置換されているチアジアゾリル)である。幾つかの実施態様において、Xは、5員の非置換C1〜12ヘテロアリール(例えば、フリル、ピラゾリル、チアゾリル、ピロリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チエニル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルなどの本明細書に記載されているいずれかのもの)である。
幾つかの実施態様において、Xは、6員の場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール(例えば、場合により置換されているピリジル、場合により置換されているピラジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているピリダジニル、場合により置換されているトリアジニル又は場合により置換されているテトラジニル)である。幾つかの実施態様において、Xは、6員の非置換C1〜12ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル又はテトラジニルのような本明細書に記載されているいずれかのもの)である。
他の実施態様において、Xは、下記の式:
Figure 0006248048
[式中、Xa、Xb及びXcのそれぞれは、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され;RX1は、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;RX2は、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルである]を有する。
幾つかの実施態様において、Aは、H、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、場合により置換されているテトラゾリル、場合により置換されているオキサジアゾリル、場合により置換されているトリアゾリル、場合により置換されているイミダゾリル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているオキサゾリル、場合により置換されているイソオキサゾリル、場合により置換されているチアゾリル、場合により置換されているイソチアゾリル、場合により置換されているチアジアゾリル、場合により置換されているジチアゾリル、場合により置換されているフリル、場合により置換されているピロリル、場合により置換されているチエニル又は本明細書に記載されているいずれかのものなどの、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール)、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである。他の実施態様において、Aは、H又は-C(O)-NRA1RA2であり、ここで、各RA1及びRA2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである。
幾つかの実施態様において、Z1、Z2、Z3a及びZ3bのそれぞれは、独立して、H又はメチルであるか、或いはZ1とZ2の組み合わせは、一緒にスピロシクロプロピルを形成する。他の実施態様において、各Z3a及びZ3bはHである及び/又はZ1及びZ2は両方ともHである。
幾つかの実施態様において、各R1、R2、R3及びR4は、独立して、CR5である(例えば、ここで、各R5は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ又はハロである)。幾つかの実施態様において、R1はCHであり、R4はCHであるか又はR1及びR4は両方ともCHである。幾つかの実施態様において、各R2及びR3は、独立してCR5であり、ここで、各R5は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ又はヒドロキシである。幾つかの実施態様において、各R5は、独立して、H、C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ又はヒドロキシである。
幾つかの実施態様において、化合物は、下記の式:
Figure 0006248048
Figure 0006248048
を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグであり、
式中、
各R2'、R3'及びR4'は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
Xa、Xb及びXcのそれぞれは、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され、ここで、RX1は、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり、RX2は、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
YaとYbの組み合わせ又はYbとYcの組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、場合により置換されているキノキサリニル、場合により置換されているジヒドロキノキサリニル、場合により置換されているキナゾリニル、場合により置換されているキノリル、場合により置換されているイソキノリル、場合により置換されているジヒドロキノリル、場合により置換されているベンゾオキサゾリル、場合により置換されているベンゾイミダゾリル、場合により置換されているベンゾチアゾリル、場合により置換されているベンゾチアジアゾリル、場合により置換されているインドリル、場合により置換されているジヒドロインドリル、場合により置換されているインダゾリル、場合により置換されているベンゾフラニル、場合により置換されているイソベンゾフラニル及び場合により置換されているベンゾチエニルなどの、本明細書に記載されているいずれかのもの)を形成する。
幾つかの実施態様において、化合物は、下記の式:
Figure 0006248048
を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグであり、
式中、
各R2'、R3'及びR4'は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
Xa、Xb及びXcのそれぞれは、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され、ここで、RX1は、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり、RX2は、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
YaとYbの組み合わせ又はYbとYcの組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル(例えば、本明細書に記載されているいずれかのもの)を形成する。
幾つかの実施態様において、化合物は、下記の式:
Figure 0006248048
を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグであり、式中、各R2'、R3'、R4'、Xa、Xb、Xc、Ya、Yb、Z3a、Z3b、Z5a及びZ5bは、本明細書に記載されているとおりである。幾つかの実施態様において、各Z3a、Z3b、Z5a及びZ5bは、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル又は本明細書に記載されているいずれかのものである(例えば、各Z3a、Z3b、Z5a及びZ5bは、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである)。
本明細書に記載されている式(例えば、式(I)、(Ia)、(V)、(V-2)、(VI)、(VI-2)、(VII)、(VII-2)、(VIII)、(VIII-2)、(IX)、(IX-2)、(X)又は(X-2))のいずれかにおいて、Aの立体配置は、式(Ib)のとおりである。
特定の実施態様において、各R2'、R3'及びR4'は、独立して、H又はハロである。
幾つかの実施態様において、化合物は、表1に提供される式を有するか又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグである。
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、約1.0μM未満(例えば、約0.9μM未満、約0.8μM未満、約0.5μM未満、約0.3μM未満、約0.2μM未満、約0.1μM未満、約0.09μM未満、約0.08μM未満、約0.05μM未満、約0.04μM未満、約0.03μM未満、約0.025μM未満、約0.015μM未満、約0.01μM未満、約0.005μM未満、約0.002μM未満、約0.0015μM未満又は約0.001μM未満)のIC50値を有する。幾つかの実施態様において、化合物は、約0.0001μM〜約0.9μM(例えば、約0.0001μM〜約0.8μM、約0.0001μM〜約0.5μM、約0.0001μM〜約0.3μM、約0.0001μM〜約0.2μM、約0.0001μM〜約0.1μM、約0.0001μM〜約0.09μM、約0.0001μM〜約0.08μM、約0.0001μM〜約0.05μM、約0.0001μM〜約0.04μM、約0.0001μM〜約0.03μM、約0.0001μM〜約0.025μM、約0.0001μM〜約0.015μM、約0.0001μM〜約0.01μM、約0.0001μM〜約0.005μM、約0.0002μM〜約0.9μM、約0.0002μM〜約0.8μM、約0.0002μM〜約0.5μM、約0.0002μM〜約0.3μM、約0.0002μM〜約0.2μM、約0.0002μM〜約0.1μM、約0.0002μM〜約0.09μM、約0.0002μM〜約0.08μM、約0.0002μM〜約0.05μM、約0.0002μM〜約0.04μM、約0.0002μM〜約0.03μM、約0.0002μM〜約0.025μM、約0.0002μM〜約0.015μM、約0.0002μM〜約0.01μM、約0.0002μM〜約0.005μM、約0.0005μM〜約0.9μM、約0.0005μM〜約0.8μM、約0.0005μM〜約0.5μM、約0.0005μM〜約0.3μM、約0.0005μM〜約0.2μM、約0.0005μM〜約0.1μM、約0.0005μM〜約0.09μM、約0.0005μM〜約0.08μM、約0.0005μM〜約0.05μM、約0.0005μM〜約0.04μM、約0.0005μM〜約0.03μM、約0.0005μM〜約0.025μM、約0.0005μM〜約0.015μM、約0.0005μM〜約0.01μM、約0.0005μM〜約0.005μM、約0.0005μM〜約0.002μM、約0.0005μM〜約0.0015μM又は約0.0005μM〜約0.001μM)のIC50値を有する。幾つかの実施態様において、化合物は、約0.02μM〜約1.0μM(例えば、約0.02μM〜約0.9μM、約0.02μM〜約0.75μM、約0.02μM〜約0.5μM、約0.02μM〜約0.3μM、約0.02μM〜約0.25μM、約0.02μM〜約0.2μM、約0.02μM〜約0.15μM、約0.02μM〜約0.1μM、約0.02μM〜約0.09μM、約0.02μM〜約0.08μM、約0.02μM〜約0.05μM、約0.02μM〜約0.04μM、約0.02μM〜約0.03μM又は約0.02μM〜約0.025μM)のIC50値を有する。
本発明は、式(I)、(I-2)、(Ia)、(Ia-2)、(Ib)、(Ib-2)、(IIa)、(IIa-2)、(IIb)、(II-b-2)、(IIc)、(IIc-2)、(IId)、(IId-2)、(IIe)、(IIe-2)、(IIf)、(IIf-2)、(V)、(V-2)、(VI)、(VI-2)、(VII)、(VII-2)、(VIII)、(VIII-2)、(IX)、(IX-2)、(X)及び(X-2)の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグ、並びに薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物も特徴とする。
本発明は、状態の治療又は予防的な治療を、それを必要とする対象(例えば、ヒト対象)において行う方法を更に特徴とし、ここで方法は、本発明の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは薬学的に許容されるプロドラッグ又はその医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む。そのような状態の例には、B細胞関連疾患又はマスト細胞関連疾患(例えば、がん、炎症性疾患又はB細胞若しくはマスト細胞活性化と関連する自己免疫性障害)、がん(例えば、本明細書に記載されているいずれかのもの)又は炎症性若しくは自己免疫性障害(例えば、本明細書に記載されているいずれかのもの)が含まれる。
非限定的ながんの例には、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)及びB細胞性前リンパ球性白血病(B-PLL)を含む白血病;B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫及び血管内大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(例えば、再発性又は治療抵抗性)、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫及びリンパ腫様肉芽腫症)などの、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫、形質細胞腫、限局性骨髄腫及び骨髄外骨髄腫を含む骨髄腫;膵外分泌腫瘍(例えば、導管腺癌(ductal adenocarcinoma)、印環細胞癌、肝様癌、膠様癌、未分化癌及び破骨細胞様巨細胞を有する未分化癌)、膵嚢胞性新生物(例えば、粘液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺腫及び粘液性腺管拡張症(mucinous ductal ectasia))、膵神経内分泌腫瘍(例えば、膵島細胞腺腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、ビポーマ及びソマトスタチン産生腫瘍)、膵臓の乳頭状嚢胞性新生物(papillary cystic neoplasms of the pancreas)、膵臓のリンパ腫及び膵臓の腺房細胞癌を含む膵新生物などの他のがん;又は本明細書に記載されているいずれかのものが含まれる。
非限定的な炎症性又は自己免疫性障害の例には、自己免疫性関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、スチル病、若年性関節炎、並びに混合型及び未分化結合組織病)、自己免疫性溶血性及び血小板減少性状態(例えば、自己免疫仲介溶血性貧血、例えば、温式自己免疫性溶血性貧血、寒冷式自己免疫性溶血性貧血、寒冷凝集素症及び発作性寒冷ヘモグロビン尿症)、自己免疫性肝炎、ベーチェット病、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群(並びに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(例えば、急性ITP若しくは慢性ITP)、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、多発性硬化症、乾癬(皮膚の乾癬病変部を含む)、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、並びに血管炎(抗好中球細胞質抗体関連血管炎、免疫複合体仲介血管炎及びウェゲナー肉芽腫症を含む)又は本明細書に記載されているいずれかのものが含まれる。
定義
用語「約」は、本明細書で使用されるとき、引用された値の+/-10%を意味する。
用語「アシル」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に定義されているカルボニル基を介して親分子基に結合している、水素又は本明細書に定義されているアルキル基(例えば、ハロアルキル基)を表し、ホルミル(すなわち、カルボキシアルデヒド基)、アセチル、プロピオニル、ブタノイルなどにより例示される。例示的な非置換アシル基には、炭素が1〜7個のものが含まれる。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されている。
用語「アシルアミノ」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に定義されているアミノ基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているアシル基を表す(すなわち、-N(RN1)2-C(O)-Rであり、ここでRは、H又は場合により置換されているC1〜6アルキル基である)。例示的な非置換アシルアミノ基には、炭素が1〜7個のものが含まれる。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されている、並びに/或いはアミノ基は、-NH2又は-NHRN1であり、ここでRN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN2 2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキル又はアリールであり、各RN2は、H、アルキル又はアリールでありうる。
用語「アシルオキシ」は、本明細書で使用されるとき、酸素原子を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているアシル基を表す(すなわち、-O-C(O)-Rであり、ここでRは、H又は場合により置換されているC1〜6アルキル基である)。例示的な非置換アシルオキシ基には、炭素が1〜7個のものが含まれる。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されている、並びに/或いはアミノ基は、-NH2又は-NHRN1であり、ここでRN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN2 2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキル又はアリールであり、各RN2は、H、アルキル又はアリールでありうる。
用語「アルカリル」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に定義されているアルキレン基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているアリール基を表す。例示的な非置換アルカリル基は、炭素が7〜16個のもの(例えば、C1〜6アルク-C6〜10アリール)である。幾つかの実施態様において、アルキレン及びアリールは、それぞれ、対応する基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。接頭辞「アルク-」に続く他の基も同じ方法で定義されており、ここで「アルク」は、特に示されない限りC1〜6アルキレンを意味し、結合された化学構造は、本明細書に定義されているとおりである。
用語「アルクシクロアルキル」は、本明細書に定義されているアルキレン基(例えば、炭素が1〜4個、1〜6個又は1〜10個のアルキレン基)を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているシクロアルキルを表す。幾つかの実施態様において、アルキレン及びシクロアルキルは、それぞれ、対応する基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用されるとき、特に特定されない限り、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する、炭素が2〜6個の一価直鎖又は分岐鎖基を表し、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニルなどにより例示される。アルケニル基は、本明細書に定義されている、アリール、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)又は本明細書に記載されているいずれかの例示的なアルキル置換基から独立して選択される、1、2、3又は4つの置換基により場合により置換されていてもよい。
用語「アルケニルオキシ」は、式:-ORの化学置換基を表し、ここでRは、特に特定されない限り、C2〜6アルケニル基である。幾つかの実施態様において、アルケニル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルクヘテロアリール」は、本明細書に定義されているアルキレン基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているヘテロアリール基を意味する。幾つかの実施態様において、アルキレン及びヘテロアリールは、それぞれ、対応する基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。アルクヘテロアリール基は、アルクヘテロシクリル基のサブセットである。
用語「アルクヘテロシクリル」は、本明細書に定義されているアルキレン基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているヘテロシクリル基を表す。例示的な非置換アルクヘテロシクリル基は、炭素が2〜18個(例えば、2〜17個、2〜16個、3〜15個、2〜14個、2〜13個又は2〜12個)のものである。幾つかの実施態様において、アルキレン及びヘテロシクリルは、それぞれ、対応する基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルコキシ」は、式:-ORの化学置換基を表し、ここでRは、特に特定されない限り、C1〜6アルキル基である。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルコキシアルキル」は、アルコキシ基により置換されているアルキル基を表す。例示的な非置換アルコキシアルキル基は、2〜12個の炭素を含むもの(例えば、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル)である。幾つかの実施態様において、アルキル及びアルコキシは、それぞれ、対応する基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、特に特定されない限り、炭素が1〜6個の直鎖と分岐鎖の両方の飽和基を含む。アルキル基は、メチル、エチル、n-及びイソ-プロピル、n-、sec-、イソ-及びtert-ブチル、ネオペンチルなどにより例示され、(1)C1〜6アルコキシ;(2)C1〜6アルキルスルフィニル;(3)アミノ;(4)C6〜10アリール-C1〜6アルコキシ;(5)アジド;(6)ハロ;(7)(C2〜9ヘテロシクリル)オキシ;(8)ヒドロキシ;(9)ニトロ;(10)オキソ(例えば、カルボキシアルデヒド又はアシル);(11)C1〜7スピロシクリル;(12)チオアルコキシ;(13)チオール;(14)RA'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール、(c)水素及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-CO2RA';(15)RB'及びRC'のそれぞれが、独立して、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-C(O)NRB'RC';(16)RD'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール及び(c)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-SO2RD';並びに(17)RE'及びRF'のそれぞれが、独立して、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-SO2NRE'RF'からなる群から独立して選択される、1つ、2つ、3つ又は炭素が2個若しくはそれ以上のアルキル基の場合では4つの置換基により場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記載されているように更に置換されうる。例えば、C1-アルカリルのアルキレン基は、オキソ基により更に置換されて、対応するアリールオイル置換基をもたらすことができる。
用語「アルキレン」及び接頭辞「アルク-」は、本明細書で使用されるとき、2個の水素原子の除去により直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素から誘導される飽和二価炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、イソプロピレンなどにより例示される。用語「Cx〜yアルキレン」及び接頭辞「Cx〜yアルク-」は、x〜y個の炭素を有するアルキレン基を表す。xの例示的な値は、1、2、3、4、5及び6であり、yの例示的な値は、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。幾つかの実施態様において、アルキレンは、アルキル基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルキルスルフィニル」は、本明細書で使用されるとき、-S(O)-基を介して親分子基に結合しているアルキル基を表す。例示的な非置換アルキルスルフィニル基は、炭素が1〜6個のものである。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルキルスルフィニルアルキル」は、本明細書で使用されるとき、アルキルスルフィニル基により置換されている、本明細書に定義されているアルキル基を表す。例示的な非置換アルキルスルフィニルアルキル基は、炭素が2〜12個のものである。幾つかの実施態様において、各アルキル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アルキニル」は、本明細書で使用されるとき、炭素-炭素三重結合を含有する、炭素原子が2〜6個の一価直鎖又は分岐鎖基を表し、エチニル、1-プロピニルなどにより例示される。アルキニル基は、本明細書に定義されている、アリール、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)又は本明細書に記載されているいずれかの例示的なアルキル置換基から独立して選択される、1、2、3又は4つの置換基により場合により置換されていてもよい。
用語「アルキニルオキシ」は、式:-ORの化学置換基を表し、ここでRは、特に特定されない限り、C2〜6アルキニル基である。幾つかの実施態様において、アルキニル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アミノ」は、本明細書で使用されるとき、-N(RN1)2を表し、ここで、各RN1は、独立して、H、OH、NO2、N(RN2)2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、N-保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルカリル、シクロアルキル、アルクシクロアルキル、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)、アルクヘテロシクリル(例えば、アルクヘテロアリール)であるか、或いは2つのRN1は、組み合わされて、ヘテロシクリル又はN-保護基を形成し、各RN2は、独立して、H、アルキル又はアリールである。本発明のアミノ基は、非置換のアミノ(すなわち、-NH2)又は置換されたアミノ(すなわち、-N(RN1)2)である。好ましい実施態様において、アミノは、-NH2又は-NHRN1であり、ここでRN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN2 2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキル又はアリールであり、各RN2は、H、C1〜6アルキル又はC6〜10アリールでありうる。
用語「アミノアルキル」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に定義されているアミノ基により置換されている、本明細書に定義されているアルキル基を表す。アルキル及びアミノは、それぞれ、対応する基について本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「アリール」は、本明細書で使用されるとき、1又は2つの芳香族環を有する単環式、二環式又は多環式の炭素環系を表し、フェニル、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル、インデニルなどにより例示され、(1)C1〜7アシル(例えば、カルボキシアルデヒド);(2)C1〜6アルキル(例えば、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルフィニル-C1〜6アルキル、アミノ-C1〜6アルキル、アジド-C1〜6アルキル、(カルボキシアルデヒド)-C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、ニトロ-C1〜6アルキル又はC1〜6チオアルコキシ-C1〜6アルキル);(3)C1〜6アルコキシ(例えば、ペルフルオロアルコキシ);(4)C1〜6アルキルスルフィニル;(5)C6〜10アリール;(6)アミノ;(7)C1〜6アルク-C6〜10アリール;(8)アジド;(9)C3〜8シクロアルキル;(10)C1〜6アルク-C3〜8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C1〜12ヘテロアリール);(13)(C1〜12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1〜6チオアルコキシ;(17)qが0〜4の整数であり、RA'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール、(c)水素及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qCO2RA';(18)qが0〜4の整数であり、RB'及びRC'が、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から独立して選択される、-(CH2)qCONRB'RC';(19)qが0〜4の整数であり、RD'が、(a)アルキル、(b)C6〜10アリール及び(c)アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2RD';(20)qが0〜4の整数であり、RE'及びRF'のそれぞれが、独立して、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2NRE'RF';(21)チオール;(22)C6〜10アリールオキシ;(23)C3〜8シクロアルコキシ;(24)C6〜10アリール-C1〜6アルコキシ;並びに(25)C1〜6アルク-C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C1〜6アルク-C1〜12ヘテロアリール)からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基により場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記載されているように更に置換されうる。例えば、C1-アルカリル又はC1-アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基により更に置換されて、対応するアリールオイル及び(ヘテロシクリル)オイル置換基をもたらすことができる。
用語「アリールアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、酸素原子を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているアルカリル基を表す。例示的な非置換アリールアルコキシ基は、炭素が7〜16個のもの(例えば、C6〜10アリール-C1〜6アルコキシ)である。幾つかの実施態様において、アルカリル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「アリールオキシ」は、式:-OR'の化学置換基を表し、ここでR'は、特に特定されない限り、炭素が6〜18個のアリール基である。幾つかの実施態様において、アリール基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「アリールオイル」は、本明細書で使用されるとき、カルボニル基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているアリール基を表す。例示的な非置換アリールオイル基は、炭素が7〜11個のものである。幾つかの実施態様において、アリール基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「アジド」は、-N3基を表し、これは-N=N=Nと表すこともできる。
用語「二環式」は、本明細書で使用されるとき、芳香族又は非芳香族でありうる2つの環を有する構造を意味する。二環式構造には、本明細書に定義されているスピロシクリル基及び1つ以上の架橋を共有する2つの環が含まれ、そのような架橋は、1個の原子を含みうる又は2、3若しくはそれ以上の原子を含む鎖を含みうる。例示的な二環式基の例には、第1及び第2の環が、本明細書に定義されているカルボシクリル基である二環式カルボシクリル基;第1及び第2の環が、本明細書に定義されているアリール基である二環式アリール基;第1の環がヘテロシクリル基であり、第2の環がカルボシクリル(例えば、アリール)又はヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)基である二環式ヘテロシクリル基;並びに第1の環がヘテロアリール基であり、第2の環がカルボシクリル(例えば、アリール)又はヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)基である二環式ヘテロアリール基が含まれる。幾つかの実施態様において、二環式基は、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリール基について本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「炭素環式」及び「カルボシクリル」は、本明細書で使用されるとき、場合により置換されているC3〜12の単環式、二環式又は三環式構造を意味し、ここで、芳香族又は非芳香族でありうる環は炭素原子により形成される。炭素環構造には、シクロアルキル、シクロアルケニル及びアリール基が含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「カルバミル」は、構造: -NRN1C(=O)OR又は-OC(=O)N(RN1)2を有するカルバメート基を意味し、ここで、各RN1の意味は、本明細書に提供されている「アミノ」の定義において見出され、Rは、本明細書に定義されている、アルキル、シクロアルキル、アルクシクロアルキル、アリール、アルカリル、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)又はアルクヘテロシクリル(例えば、アルクヘテロアリール)である。
用語「カルボニル」は、本明細書で使用されるとき、C(O)基を表し、これはC=Oと表すこともできる。
用語「カルボキシアルデヒド」は、構造:-CHOを有するアシル基を表す。
用語「カルボキシル」は、本明細書で使用されるとき、-CO2Hを意味する。
用語「シアノ」は、本明細書で使用されるとき、-CN基を表す。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、特に特定されない限り、炭素が3〜8個の一価飽和又は不飽和非芳香族環状炭化水素基を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.]ヘプチルなどにより例示される。シクロアルキル基が1つの炭素-炭素二重結合を含む場合、シクロアルキル基を「シクロアルケニル」基と呼ぶことができる。例示的なシクロアルケニル基には、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが含まれる。本発明のシクロアルキル基は、(1)C1〜7アシル(例えば、カルボキシアルデヒド);(2)C1〜6アルキル(例えば、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルフィニル-C1〜6アルキル、アミノ-C1〜6アルキル、アジド-C1〜6アルキル、(カルボキシアルデヒド)-C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、ニトロ-C1〜6アルキル又はC1〜6チオアルコキシ-C1〜6アルキル);(3)C1〜6アルコキシ(例えば、ペルフルオロアルコキシ);(4)C1〜6アルキルスルフィニル;(5)C6〜10アリール;(6)アミノ;(7)C1〜6アルク-C6〜10アリール;(8)アジド;(9)C3〜8シクロアルキル;(10)C1〜6アルク-C3〜8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C1〜12ヘテロアリール);(13)(C1〜12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1〜6チオアルコキシ;(17)qが0〜4の整数であり、RA'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール、(c)水素及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qCO2RA';(18)qが0〜4の整数であり、RB'及びRC'が、(a)水素、(b)C6〜10アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から独立して選択される、-(CH2)qCONRB'RC';(19)qが0〜4の整数であり、RD'が、(a)C6〜10アルキル、(b)C6〜10アリール及び(c)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2RD';(20)qが0〜4の整数であり、RE'及びRF'のそれぞれが、独立して、(a)水素、(b)C6〜10アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2NRE'RF';(21)チオール;(22)C6〜10アリールオキシ;(23)C3〜8シクロアルコキシ;(24)C6〜10アリール-C1〜6アルコキシ;(25)C1〜6アルク-C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C1〜6アルク-C1〜12ヘテロアリール);並びに(26)オキソにより場合により置換されうる。幾つかの実施態様において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記載されているように更に置換されうる。例えば、C1-アルカリル又はC1-アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基により更に置換されて、対応するアリールオイル及び(ヘテロシクリル)オイル置換基をもたらすことができる。
用語「シクロアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、酸素原子を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているシクロアルキル基を表す。例示的な非置換シクロアルコキシ基は、炭素が3〜8個のものである。幾つかの実施態様において、シクロアルキル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
作用物質の「有効量」という用語は、本明細書で使用されるとき、有益又は望ましい結果、例えば臨床結果をもたらすのに十分な量であり、このように、「有効量」は適用される文脈によって決まる。例えば、がんを治療する作用物質の投与についての文脈において、作用物質の有効量は、例えば、作用物質を投与することなく得られる応答と比較した、本明細書に定義されている治療をがんにおいて達成するのに十分な量である。
用語「鏡像異性体」は、本明細書で使用されるとき、本発明の化合物のそれぞれ個別の光学的に活性な形態が、(当該技術における標準的な方法により決定して)少なくとも80%(すなわち、一方の鏡像異性体が少なくとも90%、他方の鏡像異性体が最大で10%)、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも98%の光学純度又は鏡像体過剰率を有することを意味する。
用語「ハロ」は、本明細書で使用されるとき、臭素、塩素、ヨウ素又はフッ素から選択されるハロゲンを表す。
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、ハロゲン基(すなわち、F、Cl、Br又はI)により置換されている、本明細書に定義されているアルコキシ基を表す。ハロアルコキシは、1つ、2つ、3つ又は炭素が2個若しくはそれ以上のアルキル基の場合では4つのハロゲンにより置換されていてもよい。ハロアルコキシ基には、ペルフルオロアルコキシ(例えば、-OCF3)、-OCHF2、-OCH2F、-OCCl3、-OCH2CH2Br、-OCH2CH(CH2CH2Br)CH3及び-OCHICH3が含まれる。幾つかの実施態様において、ハロアルコキシ基は、アルキル基について本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、ハロゲン基(すなわち、F、Cl、Br又はI)により置換されている、本明細書に定義されているアルキル基を表す。ハロアルキルは、1つ、2つ、3つ又は炭素が2個若しくはそれ以上のアルキル基の場合では4つのハロゲンにより置換されていてもよい。ハロアルキル基には、ペルフルオロアルキル(例えば、-CF3)、-CHF2、-CH2F、-CCl3、-CH2CH2Br、-CH2CH(CH2CH2Br)CH3及び-CHICH3が含まれる。幾つかの実施態様において、ハロアルキル基は、アルキル基について本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「ヘテロアルキレン」は、本明細書で使用されるとき、1、2、3又は4個の構成炭素原子が、窒素、酸素及び/又は硫黄により独立して置き換えられている、本明細書に定義されているアルキレン基を意味する。幾つかの実施態様において、ヘテロアルキレン基は、アルキレン基について本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基(例えば、オキソ基)により更に置換されうる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用されるとき、本明細書で定義されている、芳香族であるヘテロシクリルのサブセットを表し、すなわち単環又は多環式の環系内に4n+2個のパイ電子を含有する。例示的な非置換ヘテロアリール基は、炭素が1〜12個(例えば、1〜11個、1〜10個、1〜9個、2〜12個、2〜11個、2〜10個又は2〜9個)のものである。幾つかの実施態様において、ヘテロアリールは、ヘテロシクリル基について定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されている。
用語「ヘテロシクリル」は、本明細書で使用されるとき、特に特定されない限り、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する、5員、6員又は7員環を表す。5員環は、0〜2つの二重結合を有し、6員及び7員環は0〜3つの二重結合を有する。例示的な非置換ヘテロシクリル基は、炭素が1〜12個(例えば、1〜11個、1〜10個、1〜9個、2〜12個、2〜11個、2〜10個又は2〜9個)のものである。用語「ヘテロシクリル」は、1個以上の炭素及び/又はヘテロ原子が単環式の環、例えばキヌクリジニル基のように、2つの隣接するメンバーを架橋している架橋多環式構造を有する、複素環化合物も表す。用語「ヘテロシクリル」には、上記の複素環のいずれかが、1、2又は3つの炭素環、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環又はインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの別の単環式の複素環に縮合している、二環式、三環式及び四環式の基が含まれる。縮合ヘテロシクリルの例には、トロパン及び1,2,3,5,8,8a-ヘキサヒドロインドリジンが含まれる。複素環には、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、オキサジニル、チアジニル、ジオキシニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、フリル、チエニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3-オキサジアゾリル)、プリニル、チアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾリル)、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロイソキノリル、ピラニル、チオピラニル、ジヒドロピラニル、トリアジニル、テトラジニル、ジチアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニルなどが含まれ、これらのジヒドロ及びテトラヒドロ形態が含まれ、ここで1つ以上の二重結合が還元され、水素に置き換えられている。更に他の例示的なヘテロシクリルには、2,3,4,5-テトラヒドロ-2-オキソ-オキサゾリル;2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-イミダゾリル;2,3,4,5-テトラヒドロ-5-オキソ-1H-ピラゾリル(例えば、2,3,4,5-テトラヒドロ-2-フェニル-5-オキソ-1H-ピラゾリル);2,3,4,5-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-1H-イミダゾリル(例えば、2,3,4,5-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-5-メチル-5-フェニル-1H-イミダゾリル);2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1,3,4-オキサジアゾリル(例えば、2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾリル);4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-トリアゾリル(例えば、4,5-ジヒドロ-3-メチル-4-アミノ5-オキソ-1H-トリアゾリル);1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソピリジニル(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-3,3-ジエチルピリジニル);2,6-ジオキソ-ピペリジニル(例えば、2,6-ジオキソ-3-エチル-3-フェニルピペリジニル);1,6-ジヒドロ-6-オキソピリジミニル;1,6-ジヒドロ-4-オキソピリミジニル(例えば、2-(メチルチオ)-1,6-ジヒドロ-4-オキソ-5-メチルピリミジン-1-イル);1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソピリミジニル(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-3-エチルピリミジニル);1,6-ジヒドロ-6-オキソ-ピリダジニル(例えば、1,6-ジヒドロ-6-オキソ-3-エチルピリダジニル);1,6-ジヒドロ-6-オキソ-1,2,4-トリアジニル(例えば、1,6-ジヒドロ-5-イソプロピル-6-オキソ-1,2,4-トリアジニル);2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-インドリル(例えば、3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-インドリル及び2,3-ジヒドロ-2-オキソ-3,3'-スピロプロパン-1H-インドール-1-イル);1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソ-インドリル;1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソ-インドリル;1H-ベンゾピラゾリル(例えば、1-(エトキシカルボニル)-1H-ベンゾピラゾリル);2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾリル(例えば、3-エチル-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾリル);2,3-ジヒドロ-2-オキソ-ベンゾオキサゾリル(例えば、5-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-ベンゾオキサゾリル);2,3-ジヒドロ-2-オキソ-ベンゾオキサゾリル;2-オキソ-2H-ベンゾピラニル;1,4-ベンゾジオキサニル;1,3-ベンゾジオキサニル;2,3-ジヒドロ-3-オキソ,4H-1,3-ベンゾチアジニル;3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3H-キナゾリニル(例えば、2-メチル-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3H-キナゾリニル);1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-3H-キナゾリル(例えば、1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,4-ジオキソ-3H-キナゾリル);1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソ-7H-プリニル(例えば、1,2,3,6-テトラヒドロ-1,3-ジメチル-2,6-ジオキソ-7H-プリニル);1,2,3,6-テトラヒドロ-2,6-ジオキソ-1H-プリニル(例えば、1,2,3,6-テトラヒドロ-3,7-ジメチル-2,6-ジオキソ-1H-プリニル);2-オキソベンゾ[c,d]インドリル;1,1-ジオキソ-2H-ナフト[1,8-c,d]イソチアゾリル;並びに1,8-ナフチレンジカルボキサミドが含まれる。追加的な複素環には、3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル及び2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ホモピペラジニル(又はジアゼパニル)、テトラヒドロピラニル、ジチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、オキセパニル、チエパニル、アゾカニル、オキセカニル、並びにチオカニルが含まれる。複素環基には、下記式:
Figure 0006248048
[式中、E'は、-N-及び-CH-からなる群から選択され;F'は、-N=CH-、-NH-CH2-、-NH-C(O)-、-NH-、-CH=N-、-CH2-NH-、-C(O)-NH-、-CH=CH-、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-O-及び-S-からなる群から選択され;G'は、-CH-及び-N-からなる群から選択される]の基も含まれる。本明細書に記述されているヘテロシクリル基のいずれも、(1)C1〜7アシル(例えば、カルボキシアルデヒド);(2)C1〜6アルキル(例えば、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルフィニル-C1〜6アルキル、アミノ-C1〜6アルキル、アジド-C1〜6アルキル、(カルボキシアルデヒド)-C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、ニトロ-C1〜6アルキル又はC1〜6チオアルコキシ-C1〜6アルキル);(3)C1〜6アルコキシ(例えば、ペルフルオロアルコキシ);(4)C1〜6アルキルスルフィニル;(5)C6〜10アリール;(6)アミノ;(7)C1〜6アルク-C6〜10アリール;(8)アジド;(9)C3〜8シクロアルキル;(10)C1〜6アルク-C3〜8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C2〜12ヘテロアリール);(13)(C1〜12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1〜6チオアルコキシ;(17)qが0〜4の整数であり、RA'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール、(c)水素及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qCO2RA';(18)qが0〜4の整数であり、RB'及びRC'が、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から独立して選択される、-(CH2)qCONRB'RC';(19)qが0〜4の整数であり、RD'が、(a)C1〜6アルキル、(b)C6〜10アリール及び(c)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2RD';(20)qが0〜4の整数であり、RE'及びRF'のそれぞれが、独立して、(a)水素、(b)C1〜6アルキル、(c)C6〜10アリール及び(d)C1〜6アルク-C6〜10アリールからなる群から選択される、-(CH2)qSO2NRE'RF';(21)チオール;(22)C6〜10アリールオキシ;(23)C3〜8シクロアルコキシ;(24)アリールアルコキシ;(25)C1〜6アルク-C1〜12ヘテロシクリル(例えば、C1〜6アルク-C1〜12ヘテロアリール);(26)オキソ;並びに(27)(C1〜12ヘテロシクリル)イミノからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基により場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記載されているように更に置換されうる。例えば、C1-アルカリル又はC1-アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基により更に置換されて、対応するアリールオイル及び(ヘテロシクリル)オイル置換基をもたらすことができる。
用語「(ヘテロシクリル)イミノ」は、本明細書で使用されるとき、イミノ基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているヘテロシクリル基を表す。幾つかの実施態様において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「(ヘテロシクリル)オキシ」は、本明細書で使用されるとき、酸素原子を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているヘテロシクリル基を表す。幾つかの実施態様において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「(ヘテロシクリル)オイル」は、本明細書で使用されるとき、カルボニル基を介して親分子基に結合している、本明細書に定義されているヘテロシクリル基を表す。幾つかの実施態様において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されている1、2、3又は4つの置換基により置換されうる。
用語「炭化水素」は、本明細書で使用されるとき、炭素及び水素原子のみからなる基を表す。
用語「ヒドロキシ」は、本明細書で使用されるとき、-OH基を表す。
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で使用されるとき、1〜3つのヒドロキシ基により置換されている、本明細書に定義されているアルキル基を表すが、1つ以下のヒドロキシ基しかアルキル基の単一の炭素原子に結合することができず、ヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピルなどにより例示される。
用語「異性体」は、本明細書で使用されるとき、本発明の任意の化合物の任意の互変異性体、立体異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を有し、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)又はジアステレオマー(例えば、鏡像異性体(すなわち、(+)若しくは(-))又はシス/トランス異性体)などの立体異性体として存在しうることが認識される。本発明によると、本明細書に描かれている化学構造、したがって本発明の化合物は、対応する全ての立体異性体、すなわち立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何異性的に純粋、鏡像異性的に純粋又はジアステレオマー的に純粋)及び鏡像異性体の混合物と立体異性体の混合物、例えばラセミ化合物の両方を包含する。本発明の化合物の鏡像異性体の混合物及び立体異性体の混合物は、典型的には、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化又はキラル溶媒中での化合物の結晶化などの周知の方法により、これらの構成要素の鏡像異性体又は立体異性体に分割されうる。鏡像異性体及び立体異性体を、周知の不斉合成方法により、立体異性的又は鏡像異性的に純粋な中間体、試薬及び触媒から得ることもできる。
用語「N-保護アミノ」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に定義されている1又は2つのN-保護基が結合している、本明細書に定義されているアミノ基を意味する。
用語「N-保護基」は、本明細書で使用されるとき、合成手順の際に望ましくない反応に対してアミノ基を保護することが意図される基を表す。一般的に使用されるN-保護基は、Greene, "Protective Groups in Organic Synthesis," 3rd Edition (John Wiley & Sons, New York, 1999)に開示されており、これは参照として本明細書に組み込まれる。N-保護基には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、2-クロロアセチル、2-ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o-ニトロフェノキシアセチル、α-クロロブチリル、ベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ブロモベンゾイル、4-ニトロベンゾイルなどのアシル、アリールオイル又はカルバミル基及び保護又は非保護D、L又はD,L-アミノ酸などのキラル助剤、例えばアラニン、ロイシン、フェニルアラニンなど;スルホニル含有基、例えばベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニルなど;カルバメート形成基、例えばベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5-トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニリル)-1-メチルエトキシカルボニル、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,-トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4-ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル-9-メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど、アルカリル基、例えばベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど、並びにシリル基、例えばトリメチルシリルなどが含まれる。好ましいN-保護基は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。
用語「ニトロ」は、本明細書で使用されるとき、-NO2基を表す。
用語「オキソ」は、本明細書で使用されるとき、=Oを表す。
用語「ペルフルオロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、アルキル基に結合しているそれぞれの水素基がフッ化物基に置き換えられている、本明細書に定義されているアルキル基を表す。ペルフルオロアルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどにより例示される。
用語「ペルフルオロアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、アルコキシ基に結合しているそれぞれの水素基がフッ化物基に置き換えられている、本明細書に定義されているアルコキシ基を表す。ペルフルオロアルコキシ基は、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシなどにより例示される。
用語「医薬組成物」は、本明細書で使用されるとき、薬学的に許容される賦形剤と共に処方され、哺乳動物の疾患を治療する治療レジメンの一部として製造され、又は規制当局の認可により販売される、本明細書に記載されている化合物を含有する組成物を表す。医薬組成物は、例えば、経口投与用の単位剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、ジェルキャップ剤(gelcap)若しくはシロップ剤);局所投与用(例えば、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤若しくは軟膏剤);静脈内投与用(例えば、粒状塞栓を含有せず、静脈用途に適した溶媒系による滅菌液剤);又は他の任意の薬学的に許容される製剤に処方されうる。
「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に記載されている化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁又は溶解することができるビヒクル)であり、患者において実質的に非毒性及び非炎症性である特性を有する任意の成分を意味する。賦形剤には、例えば、接着防止剤(antiadherents)、酸化防止剤、結合剤、被覆剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、塗膜形成剤又は被覆剤、香味剤、香料、グライダント(流動性向上剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤又は分散化剤、甘味剤及び水和用水が含まれうる。例示的な賦形剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微晶質セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールが含まれるが、これらに限定されない。
用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、本明細書で使用されるとき、健全な医療判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応などによりヒト及び動物の組織との接触に使用するのに適しており、妥当な利益/危険比に相当し、意図される用途において有効であり、並びに可能であれば本発明の化合物の双性イオン性の形態である、本発明の化合物のプロドラッグを表す。
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用されるとき、健全な医療判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒト及び動物の組織との接触に使用するのに適しており、妥当な利益/危険比に相当する塩を表す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において良く知られている。例えば、薬学的に許容される塩は、Berge et al., J. Pharm. Sci. 66(1):1-19, 1977及びPharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, P.H. Stahl and C.G. Wermuth (eds.), Wiley-VCH, 2008に記載されている。塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製の際にその場で調製することができる又は遊離塩基を適切な有機酸と別個に反応させることによって調製することができる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、並びに非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが含まれるが、これらに限定はされないアミンカチオンが含まれる。
用語「薬学的に許容される溶媒和物」は、本明細書で使用されるとき、適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている本発明の化合物を意味する。適切な溶媒は、投与される投与量で生理学的に許容されるものである。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水又はこれらの混合物を含む溶液から、結晶化、再結晶又は沈殿により調製されうる。適切な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一、二及び三水和物)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-(1H)-ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、安息香酸ベンジルなどである。水が溶媒である場合、溶媒和物は「水和物」と呼ばれる。
用語「プロドラッグ」は、本明細書で使用されるとき、例えば血液中の加水分解により、インビボで上記式の親化合物に急速に変換される化合物を表す。本発明の化合物のプロドラッグは、従来のエステルでありうる。プロドラッグとして使用されている幾つかの一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C1〜8又はC8〜24)エステル、コレステロールエステル、アシルオキシメチルエステル、カルバミン酸エステル及びアミノ酸エステルである。例えば、OH基を含有する本発明の化合物は、そのプロドラッグ形態ではこの位置でアシル化されうる。綿密な考察がT. Higuchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems," in: Bioreversible Carriers in Drug Design, A.C.S. Symposium Series, Edward B. Roche (ed.), American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987, vol. 14及びJudkins et al., Synth. Commun. 26(23):4351-4367, 1996において提供されており、これらはそれぞれ参照として本明細書に組み込まれる。好ましくは、本発明の化合物のプロドラッグは、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応などによりヒト及び動物の組織との接触に使用するのに適しており、妥当な利益/危険比に相当し、意図される用途において有効である。
用語「スピロシクリル」は本明細書で使用されるとき、両方の末端が親基の同じ炭素原子に結合してスピロ環基を形成するC2〜7アルキレン二価基、また両方の末端が同じ原子に結合しているC1〜6ヘテロアルキレン二価基を表す。スピロシクリル基を形成するヘテロアルキレン基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有することができる。幾つかの実施態様において、スピロシクリル基は、二価基が結合している炭素原子を除いて1〜7個の炭素を含む。本発明のスピロシクリル基は、シクロアルキル及び/又はヘテロシクリル基の任意の置換基として本明細書に提供されている、1、2、3又は4つの置換基により場合により置換されうる。
用語「立体異性体」は、本明細書で使用されるとき、化合物が有しうる全ての可能な異なる異性形態と立体配座形態(例えば、式(I)、(I-2)、(Ia)、(Ia-2)、(Ib)、(Ib-2)、(IIa)、(IIa-2)、(IIb)、(IIb-2)、(IIc)、(IIc-2)、(IId)、(IId-2)、(IIe)、(IIe-2)、(IIf)、(IIf-2)、(V)、(V-2)、(VI)、(VI-2)、(VII)、(VII-2)、(VIII)、(VIII-2)、(IX)、(IX-2)、(X)及び(X-2)などの、本明細書に記載されているいずれかの式の化合物)、特に、基本分子構造の、全ての可能な立体化学的及び立体配座的な異性形態、全てのジアステレオマー、鏡像異性体及び/又は配座異性体を意味する。本発明の幾つかの化合物は、異なる互変異性形態で存在することができ、後者の全てが、本発明の範囲内に含まれる。
用語「スルホニル」は、本明細書で使用されるとき、-S(O)2-基を表す。
用語「チオアルカリル」は、本明細書で使用されるとき、Rがアルカリル基である式:-SRの化学置換基を表す。幾つかの実施態様において、アルカリル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「チオアルクヘテロシクリル」は、本明細書で使用されるとき、Rがアルクヘテロシクリル基である式:-SRの化学置換基を表す。幾つかの実施態様において、アルクヘテロシクリル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「チオアルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、Rがアルキル基である式:-SRの化学置換基を表す。幾つかの実施態様において、アルキル基は、本明細書に記載されている1、2、3又は4つの置換基により更に置換されうる。
用語「チオール」は、-SH基を表す。
本明細書で使用されるとき、当該技術において良く理解されているように、「治療」は、有益な又は望ましい結果、例えば臨床結果を得るための手法である。有益な又は望ましい結果には、1つ以上の症状又は状態の軽減又は回復;疾患、障害又は状態の程度の減少;疾患、障害又は状態の情況の安定化(すなわち、悪化させないこと);疾患、障害又は状態の蔓延の防止;疾患、障害又は状態の進行の遅延又は緩徐;疾患、障害又は状態の回復又は緩和;検知されうる又は検知されない(部分的又は全体的な)寛解;及び疾患、障害又は状態の治療を対象とする別の特定の作用物質又は療法と組み合わせて作用物質(例えば、本発明の化合物)を用いることによる、疾患、障害又は状態の改善が含まれるが、これらに限定されない。疾患、障害又は状態の「緩和」は、治療の不在下での程度又は時間経過と比較して、疾患、障害若しくは状態の程度及び/若しくは望ましくない臨床症状を減らすこと、並びに/又は進行の時間経過を緩徐若しくは延長させることを意味する。疾患、障害又は状態の「予防的治療」は、治療が、疾患、障害又は状態の症状の発症の前に対象に提供されることを意味する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面及び特許請求の範囲によって明らかとなる。
NMR(図1A)、LC-MS(図1B)及びMS(図1C)の分光法を含む、化合物1のスペクトルである。図1Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 NMR(図1A)、LC-MS(図1B)及びMS(図1C)の分光法を含む、化合物1のスペクトルである。図1Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 NMR(図1A)、LC-MS(図1B)及びMS(図1C)の分光法を含む、化合物1のスペクトルである。図1Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 214nm(図2A)及び254nm(図2B)での化合物1のHPLCスペクトルである。 214nm(図2A)及び254nm(図2B)での化合物1のHPLCスペクトルである。 NMR(図3A)、LC-MS(図3B)及びMS(図3C)の分光法を含む、化合物5のスペクトルである。図3Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 NMR(図3A)、LC-MS(図3B)及びMS(図3C)の分光法を含む、化合物5のスペクトルである。図3Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 NMR(図3A)、LC-MS(図3B)及びMS(図3C)の分光法を含む、化合物5のスペクトルである。図3Bでは、差し込み図は、以下の順番で各ピーク[#]のデータを提供する:保持時間(分)、種類、幅(分)、面積、高さ及び面積(%)。 214nm(図4A)及び254nm(図4B)での化合物5のHPLCスペクトルである。 214nm(図4A)及び254nm(図4B)での化合物5のHPLCスペクトルである。
本発明は、式(I)、(I-2)、(Ia)、(Ia-2)、(Ib)、(Ib-2)、(IIa)、(IIa-2)、(IIb)、(IIba-2)、(IIc)、(IIc-2)、(IId)、(IId-2)、(IIe)、(IIe-2)、(IIf)、(IIf-2)、(V)、(V-2)、(VI)、(VI-2)、(VII)、(VII-2)、(VIII)、(VIII-2)、(IX)、(IX-2)、(X)及び(X-2)の新規トリプトリン誘導体、並びにキナーゼ(例えば、BTK)阻害活性を有する関連化合物、それらを含有する医薬及び診断組成物、並びにそれらの医薬用途を特徴とする。本発明の例示的な化合物は、表1に示されており、その立体異性体(例えば、ジアステレオマー若しくは鏡像異性体)、薬学的に許容される塩又は薬学的に許容されるプロドラッグが含まれる。
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
Figure 0006248048
本発明の化合物を合成する例示的な方法が本明細書に記載される。
本発明の化合物の製造方法
本発明の化合物は、当該技術分野において確立されたものと類似した方法により、例えばスキーム1〜5に示されている反応順序により調製することができる。一般的なスキームに使用される番号付けは、本明細書又は特許請求の範囲の他の部分において用いられているものに必ずしも対応するものではない。
式E-1の化合物は、標準的なカップリング又はアシル化条件下において、式C-1の化合物を式D-1の化合物又はその適切に保護された誘導体により処理して調製することができ、「LG」は、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ又はスルホネート(例えば、メシレート、トシレート若しくはトリフレート)などの脱離基である(スキーム1を参照すること)。適切な保護誘導体には、例えば、Hでありうる又は本明細書に記載されているものなどの任意の有用なN-保護基でありうるR10を有する式C-1の化合物が含まれる。例示的なカップリング条件が、下記に記載されている。
Figure 0006248048
式G-1の化合物は、標準的な条件下における式E-1とF-1の化合物のカップリング反応により調製することができる。例えば、式E-1又はF-1の化合物がアルデヒド又はケトン基を含む場合、還元剤(例えば、エタノールなどのアルコール溶媒中のNaBH4、NaBH(OAc)3、NaCNBH4など)、又はシラン試薬(例えば、Et3SiH、フェニルシラン(例えば、PhSiH3)、ハロシラン(例えば、トリクロロシラン)若しくはシリルシラン(例えば、トリス(トリメチルシリル)シラン)))と触媒のInX3、FeX3、CuX、Ni[配位子]2、PtX2、Pd[配位子]2、PdX2[配位子]2,又はIr[X(配位子)]2との組み合わせなどの、還元的アミノ化条件を使用することができ、ここで各Xは、独立してハロ(例えば、ブロモ又はクロロ)であり、各配位子は、任意の有用な配位子(例えば、1,5-シクロオクタジエン、OAc又はPPh3)である。あるいは、E-1とF-1が反応して、NH-C(O)部分(例えば、E-1がカルボキシを含み、F-1が、本明細書に定義されているアミノを含む場合又はその逆)を形成する場合、ペプチドによる任意のカップリング反応(例えば、本明細書に記載されているもの)を使用することができる。
あるいは、標準的な条件下において、式D-1とF-1を最初に反応させ、次に、得られた化合物を次に式E-1の化合物と反応させて、式G-1の化合物を生成する。例えば、式D-1又はF-1の化合物がアルデヒド又はケトン基を含む場合、本明細書に記載されている任意のものなどの、還元的アミノ化又はアシル化条件を使用することができる。
あるいは、本発明の化合物は、最初に結合基(例えば、式(I)又は(Ia)のL)を場合により置換されている二環式C1〜12ヘテロシクリル(例えば、式(I)又は(Ia)のY)と反応させ、次に結合基ヘテロシクリル作成物をトリプトリン誘導体コアと反応させることによって、調製することができる。例えば、式H-2の結合基は、式D-2の化合物又はその適切に保護された誘導体(例えば、アセタール誘導体)を式F-2の化合物により処理して調製することができる(スキーム2を参照すること)。次に生成物を、上記に記載されている還元的アミノ化条件のなどの還元条件に付すことができる。
Figure 0006248048
式G-2の化合物は、アシル化の標準的なカップリング条件下において、式C-2の化合物を式H-2の化合物又はその適切に保護された誘導体により処理して調製することができる。
スキーム1及び2の反応において、ペプチド合成におけるNH-C(O)カップリングに使用されるものなどの、任意の有用なカップリング又はアシル化条件を使用することができる。例示的なカップリング剤には、以下の試薬の1つ以上が含まれる:ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザ-ベンゾトリアゾール(HOAt)、4-メチルモルホリン(NMM)を有する又は有さないジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリン-4-イウムクロリド(DMTMMCl)、NMMを有する又は有さない2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(CDMT)、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロ-ホスフェート(HBTU)、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、[(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)オキシ-(ジメチルアミノ)メチリデン]-ジメチルアザニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、[ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ(ジメチルアミノ)メチリデン]-ジメチルアザニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ(トリピロリジン-1-イル)ホスファニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、クロロ(トリピロリジン-1-イル)ホスファニウムヘキサフルオロホスフェート(PyClop)、プロピルホスホン酸無水物(T3P(登録商標))、(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU)、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセテート(Oxyma)及びO-[(エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ]-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HOTU)。
トリプトリン誘導体コアは、任意の有用な方法により調製することができる。例えば、式B-3の化合物を、ホルマリンと反応させて中間体を形成し、中間体を縮合して、式C-3の化合物を形成することによって、調製することができる。特定の実施態様において、B-3は、誘導体化されたD-トリプトファン、L-トリプトファン又はDL-トリプトファンの混合物である。
Figure 0006248048
更に、PepTech Corporation(Burlington, MA)及びMatrix Scientific(Columbia, SC)から入手可能なL-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸、D-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸、Boc-L-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸、Boc-D-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸、Fmoc-L-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸及びFmoc-D-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸、並びにMatrix Scientificから入手可能なFmoc-DL-6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-1-カルボン酸、Boc-DL-6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-1-カルボン酸を含む、多様なトリプトリン誘導体が市販されている。
あるいは、Aが、本明細書に定義されている場合により置換されているアミノ基-N(RN1)2を含む式C-5の化合物は、式C-4の化合物と式J-1の化合物との反応により調製することができる(スキーム4を参照すること)。場合により、R10がN-保護基、例えば本明細書に記載されているいずれかのものである場合、追加の脱保護工程を含めて、式C-6の化合物を生成することができる。
Figure 0006248048
場合により置換されている二環式C1〜12ヘテロシクリル(例えば、式(I)又は(Ia)のY)とトリプトリン誘導体コアとの間のリンカーは、任意の有用な方法により調製することができる。例えば、式L-1aの化合物を(例えば、n-BuLiなどのリチウム剤及びCO2を用いて)カルボキシル化して、式L-1bの化合物を生成することができる。あるいは、式L-2aの化合物を、C-H活性化剤及び式K-1の化合物と反応させて、式L-2bの化合物を生成することができる(スキーム5を参照すること)。ヘテロシクリルのための例示的なC-H活性化剤には、イリジウム触媒ホウ素化(borylation)、例えばビス(ピノコラト)ジボロン又はピナコールボロン(pinacolborne)配位子を有するものなどのIr(I)-2',2'-ビピリジン錯体、並びにリチウムを含む混合試薬、例えばLi(TMP)Zn(tBu)2(ここでTMPは2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ);Li(TMP)Al(i-Bu)3;Li2(TMP)2RCu(CN)(ここでRは、アルキル、アリール又はTMPでありうる);及びLi(TMP)(1.5当量)を有するZnCl2-TMEDA(0.5当量)などの混合金属試薬が含まれる。追加の工程は、式L-2bの化合物を酸化試薬と反応させて、LGをカルボキシル基に変換することを更に含む。これらのリンカーのいずれかを、上記のスキーム1及び2に記載されているものなどの本発明の化合物の調製に使用することができる。
Figure 0006248048
幾つかの場合において、本明細書に概説されている化学を、例えば保護基の使用により反応基の、例えば置換基として結合しているものの副反応を防止するように変更する必要がありうる。このことは、Protective Groups in Organic Chemistry, McOmie, Ed., Plenum Press, 1973及びGreene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 3rd Edition, 1999に記載されている従来の保護基により達成することができる。
本発明の化合物及び本発明の化合物の調製のための中間体を、抽出、クロマトグラフィー、蒸留及び再結晶を含む従来の技術を使用して、それらの反応混合物から単離及び(必要な場合)精製することができる。
望ましい化合物塩の形成は、標準的な技術を使用して達成される。例えば、中性化合物を適切な溶媒中の酸により処理し、形成された塩を濾過、抽出、結晶化又は他の任意の適切な方法により単離する。
本発明の化合物の溶媒和物の形成は、化合物及び溶媒和物に応じて変わる。一般に、溶媒和物は、化合物を適切な溶媒に溶解し、冷却又は逆溶媒(antisolvent)の添加により溶媒和物を単離することによって形成される。溶媒和物は、典型的には、周囲条件下で乾燥又は共沸される。
本発明の化合物の光学異性体の調製は、適切な光学的に活性な出発材料を、ラセミ化を引き起こさない反応条件下で反応させることによって実施することができる。あるいは、個別の鏡像異性体を、例えば分別結晶法又はキラルHPLCなどの標準的な技術の使用によるラセミ混合物の分離によって単離することができる。
本発明の放射標識化合物は、当該技術に既知の標準的な方法を使用して調製することができる。例えば、トリチウムを、例えばトリチウムガス及び触媒の使用により本発明の化合物に適した前駆体を水素添加することなどの標準的な技術を使用して、本発明の化合物に取り込むことができる。あるいは、放射性ヨウ素を含有する本発明の化合物は、ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中のクロラミン-Tの存在下での[125I]ヨウ化ナトリウムなどの標準的なヨウ素化条件を使用して、対応するトリアルキルスズ(適切であれば、トリメチルスズ)誘導体から調製することができる。トリアルキルスズ化合物は、例えばジオキサンなどの不活性溶媒中、高温、好ましくは50〜100℃でのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下のヘキサメチル二スズなどの標準的なパラジウム触媒スタンニル化(stannylation)条件を使用して、対応する非放射性ハロゲン、適切であればヨウ素化合物から調製することができる。
薬学的用途
本発明は、治療方法における用途を含む、本発明の化合物の全ての用途を特徴とする。本発明の化合物は、有用なBTK阻害活性を有し、したがって、B細胞関連障害又はマスト細胞関連障害(例えば、本明細書に記載されているいずれかの障害)などのBTK活性の低減により回復する疾患又は状態の治療、予防又は危険性の低減に有用である。
がん
BTKは、B細胞発生、分化及びシグナル伝達、並びにマスト細胞活性化における主要なレギュレーターである。したがって、BTKの活性化は、B細胞、マスト細胞及び他の非B細胞関連がんを含む多数の増殖性障害の病理に関わっている。
例示的な増殖性障害(例えば、がん)には、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)及びB細胞性前リンパ球性白血病(B-PLL)を含む白血病;B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫及び血管内大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(例えば、再発性又は治療抵抗性)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫及び脾性辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫及びリンパ腫様肉芽腫症)などの、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫(形質細胞性骨髄腫)、形質細胞腫、限局性骨髄腫及び骨髄外骨髄腫を含む骨髄腫;膵外分泌腫瘍(例えば、導管腺癌、印環細胞癌、肝様癌、膠様癌、未分化癌及び破骨細胞様巨細胞を有する未分化癌)、膵嚢胞性新生物(例えば、粘液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺腫及び粘液性腺管拡張症)、膵神経内分泌腫瘍(例えば、膵島細胞腺腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍(ゾリンジャーエリソン症候群)、ビポーマ及びソマトスタチン産生腫瘍)、膵臓の乳頭状嚢胞性新生物、膵臓のリンパ腫及び膵臓の腺房細胞癌を含む膵新生物などの他のがん;悪性神経膠腫;並びに乳頭様甲状腺がんが含まれる。
炎症性障害(自己免疫性障害を含む)
BTKの阻害は、炎症を和らげること及び/又は炎症性サイトカインの産生を抑制することを示している。したがって、本発明の化合物を使用して、自己免疫性障害を含む炎症性障害を治療又は予防的に治療することができる。
例示的な炎症性又は自己免疫性障害には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、多発性硬化症及び喘息が含まれる。更なる例示的な障害には、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、アレルギー、全身性脱毛症、アルツハイマー病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、虫垂炎、アテローム性動脈硬化、自己免疫性関節炎(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、スチル病、若年性関節炎、並びに混合型及び未分化結合組織病)、自己免疫性溶血性及び血小板減少性の状態(例えば、自己免疫仲介溶血性貧血、例えば、温式自己免疫性溶血性貧血、寒冷式自己免疫性溶血性貧血、寒冷凝集素症及び発作性寒冷ヘモグロビン尿症)、自己免疫性肝炎、ベーチェット病、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、セリアック病、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、慢性疲労、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、大腸炎、結膜炎、クローン病、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎(接触性皮膚炎を含む)、皮膚筋炎、糖尿病、自律神経障害、湿疹、脳炎、心内膜炎、子宮内膜症、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、線維筋痛症(結合組織炎)、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群(並びに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本甲状腺炎、肝炎、化膿性汗腺炎、移植臓器の超急性拒絶反応、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、炎症性骨盤疾患、間質性膀胱炎、過敏性腸症候群、若年性関節炎、若年性特発性関節炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、多発性血管炎(multiple vasculitides)、重症筋無力症、脊髄炎心筋炎(myelitis myocarditis)、心筋炎、筋炎、腎炎、神経性筋強直症、卵巣炎、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、視神経炎、精巣炎、オルド甲状腺炎(Ord's thyroiditis)、骨炎、骨関節炎、骨髄炎、耳炎、膵炎、パーキンソン病、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、静脈炎、胸膜炎、肺炎、間質性肺炎、原発性胆汁性肝硬変、直腸炎、前立腺炎、乾癬(皮膚の乾癬病変部を含む)、乾癬性関節炎、腎盂腎炎、ライター症候群、関節リウマチ、鼻炎(アレルギー性鼻炎を含む)、酒さ、卵管炎、強皮症、敗血性ショック、副鼻腔炎、シェーグレン症候群、皮膚の日焼け、皮膚の日焼け、スチル病、口内炎、滑膜炎、高安動脈炎、側頭動脈炎、腱炎、組織移植片拒絶、扁桃炎、尿道炎、じんま疹、ぶどう膜炎(uveitis, uvitis)、窒炎、血管炎(抗好中球細胞質抗体関連血管炎及び免疫複合体仲介血管炎を含む)、外陰炎、外陰部痛、温式自己免疫性溶血性貧血、並びにヴェゲナー肉芽腫症が含まれる。
併用製剤及びその使用
本発明の化合物を1つ以上の治療剤と組み合わせる(併用する)ことができる。特に、治療剤は、B細胞関連障害、がん又は炎症性若しくは自己免疫性障害などの、本明細書に記載されている任意の障害を治療又は予防的に治療するものでありうる。
併用製剤
本明細書に記載されている製剤に加えて、本発明の1つ以上の化合物を他の治療剤と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の1つ以上の化合物を別の治療剤と組み合わせることができる。この目的に有用な例示的な治療剤には、限定されることなく、米国特許第8,008,309号;同第7,943,618号;同第7,884,108号;同第7,868,018号;同第7,825,118号;同第7,642,255号;同第7,501,410号;同第7,405,295号;同第6,753,348号;及び同第6,303,652号に記載されているものが含まれる。
特定の実施態様において、本発明の化合物は、抗がん剤又は抗炎症剤(例えば、非ステロイド性抗炎症薬、アセトアミノフェン、金錯体、コルチコステロイド又は免疫抑制剤)と組み合わされて使用される。
非限定的な例示の抗がん剤には、フルダラビン、シクロホスファミド、メトトレキセート、リツキシマブ、ベンダムスチン、オファツムマブ、ダサチニブ、U0126((2Z,3Z)-2,3-ビス[アミノ-(2-アミノフェニル)スルファニルメチリデン]ブタンジニトリル)、PD98059(2-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)クロメン-4-オン)、PD184352(2-(2-クロロ-4-ヨードアニリノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド)、PD0325901(N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-ベンズアミド)、ARRY-142886(6-(4-ブロモ-2-クロロアニリノ)-7-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルベンゾイミダゾール-5-カルボキサミド)、SB 239063(トランス-4-[4-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メトキシ-4-ピリミジニル)-1H-イミダゾール-1-イル]シクロヘキサノール)、SP 600125(アントラ[1-9-cd]ピラゾール-6(2H)-オン)、BAY 43-9006(ソラフェニブ若しくは4-[4-[[4-クロロ-3(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェノキシ]-N-メチルピリジン-2-カルボキサミド)、ウォルトマンニン又はLY 294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン若しくはその塩酸塩)が含まれる。追加の非限定的な例示の抗がん剤の部類には、他のキナーゼインヒビター(例えば、BTKインヒビター、例えば、PCI-32765(1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-イル]プロパ-2-エン-1-オン)、LCB03-0110((3-(2-(3-(モルホリノメチル)フェニル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イルアミノ)フェノール)、(-)-テレイン酸(terreic acid)((1R,6S)-3-ヒドロキシ-4-メチル-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エン-2,5-ジオン)、LFM-A13(2-シアノ-N-(2,5-ジブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブテンアミド)、スタウロスポリン及びダサチニブ)、トポイソメラーゼIインヒビター(例えば、カンプトテシン及びトポテカン)、トポイソメラーゼIIインヒビター(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びカルムスチン(BCNU))、並びに抗チューブリン剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)が含まれる。
非限定的な例示の抗炎症剤には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えば、非特異的及びCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素インヒビター)、アセトアミノフェン、金錯体、コルチコステロイド及び免疫抑制剤が含まれる。NSAIDの非限定例には、アセメタシン、アスピリン、セレコキシブ、デラコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、エテンザミド、エトドラク、エトフェナメート、エトリコキシブ、フェノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、ヒドロキシクロロキン、イブプロフェン、インドメタシン、イソキシカム、ケブゾン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロナゾラク、ロルノキシカム、ルミラコキシブ、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、ミソプロストール、モフェブタゾン、ナプロキセン、ナブメトン、ニフルミン酸、ピロキシカム、オキサプロジンピロキシカム、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニドン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、プロパセタモール、プロピフェナゾン、ロフェコキシブ、サリチルアミド、サルサレート、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、チアプロフェン酸、テノキシカム、トルメチン、バルデコキシブ、4-(4-シクロヘキシル-2-メチルオキサゾール-5-イル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド、N-[2-(シクロヘキシルオキシ)-4-ニトロフェニル]メタンスルホンアミド、2-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-3(2H)-ピリダジノン及び2-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-2-シクロペンテン-1-オンが含まれる。金錯体の非限定例には、オーロチオグルコース、オーラノフィン 金チオリンゴ酸二ナトリウム、金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオ硫酸ナトリウムが含まれる。コルチコステロイドの非限定例には、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム及びプレドニゾンが含まれる。免疫抑制剤の非限定例には、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、代謝拮抗物質(例えば、アザチオプリン、メトトレキセート、レフルノミド及びミコフェノール酸モフェチル)、抗体又は抗体のフラグメント若しくは誘導体(例えば、エクリズマブ又はパキセリズマブなどの抗C5モノクローナル抗体;及びエンタネルセプト(entanercept)又はインフリキシマブなどのTNFアンタゴニスト、或いはこれらのいずれかのフラグメント又は誘導体)、並びにマクロライド(例えば、シクロスポリン及びタクロリムス)が含まれる。
併用療法
本発明の化合物を単独で又はBTK阻害活性を有する他の作用物質と組み合わせて又は他の種類の治療(BTKを阻害しても、しなくてもよい)と組み合わせて、がん、炎症性障害又はBTK阻害により利益を得る他の障害の治療、予防及び/又は危険性の低減のために使用することができる。併用治療において、1つ以上の治療化合物の投与量は、単独で投与されるときの標準的な投与量よりも低減することができる。例えば、用量は、薬剤の組み合わせ及び交換により経験的に決定することができる又はアイソボログラム分析(isobolographic analysis)(例えば、Black et al., Neurology 65:S3-S6, 2005)により推定することができる。この場合、組み合わされたときの化合物の投与量は、治療効果をもたらすべきである。
医薬組成物
本発明の化合物は、好ましくは、インビボの投与に適した生物学的に適合した形態でヒト対象に投与される医薬組成物に処方される。したがって、別の態様において、本発明は、適切な希釈剤、担体又は賦形剤と混合した本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
本発明の化合物は、遊離塩基の形態、塩、溶媒和物の形態及びプロドラッグとして使用することができる。全ての形態は、本発明の範囲内である。本発明の方法によると、記載されている化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを、選択された投与経路に応じて多様な形態で患者に投与することができ、そのことは当業者に理解されている。本発明の化合物を、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、鼻腔内、直腸内、パッチ、ポンプ又は経皮投与することができ、医薬組成物はそれに応じて処方される。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔内、肺内、鞘内、直腸内及び局所様式の投与が含まれる。非経口投与は、選択された時間にわたる連続的注入でありうる。
本発明の化合物を、例えば、不活性希釈剤若しくは同化性食用担体により経口投与することができる又は硬質若しくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入することができる又は錠剤に圧縮することができる又は食品に直接組み込むことができる。経口治療投与では、本発明の化合物を賦形剤に組み込んで、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ錠、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェーハー剤(wafers)などの形態で使用することができる。
本発明の化合物を非経口投与することもできる。本発明の化合物の液剤は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水により調製することができる。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO及びアルコールを用いる又は用いないこれらの混合物により、並びに油により調製することもできる。保存及び使用の通常の条件下では、これらの調合剤は、微生物の増殖を防止するため防腐剤を含有してもよい。適切な製剤の選択及び調製における従来の手順及び成分は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (2003, 20th ed.)及びThe United States Pharmacopeia: The National Formulary (USP 24 NF19), published in 1999に記載されている。
注射用途に適した医薬形態には、滅菌水性液剤又は分散剤及び滅菌注射用液剤又は分散剤のその場での調製用の滅菌粉末剤が含まれる。全ての場合において、形態は滅菌でなければならず、シリンジにより容易に投与できる程度に流体でなければならない。
鼻腔内投与用の組成物は、エアゾール剤、ドロップ剤、ゲル剤及び粉末剤として都合良く処方することができる。エアゾール製剤は、典型的には、生理学的に許容される水性又は非水性溶媒中に活性成分の溶液又は微細懸濁液を含み、通常は、噴霧装置による使用のためにカートリッジ又は補充容器の形態をとることができる密閉容器の中に、滅菌形態の単回又は多回用量の量で存在する。あるいは、密閉容器は、使用後に廃棄されることが意図される、単回用量鼻吸入器又は定量バルブを備えたエアゾール分配機などの単体分配装置でありうる。剤形がエアゾール分配機を含む場合、圧縮空気などの圧縮ガス又はフルオロクロロヒドロカーボンなどの有機噴射剤でありうる噴射剤を含有する。エアゾール剤形は、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。
頬側又は舌下投与に適した組成物には、錠剤、ロゼンジ剤及びパステル剤が含まれ、ここで活性成分は、糖、アカシア、トラガカント、ゼラチン及びグリセリンなどの担体と共に処方される。直腸内投与用の組成物は、都合良くは、カカオ脂などの従来の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
本発明の化合物を、動物、例えばヒトに単独で又は本明細書に示されている薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することができ、その割合は、化合物の溶解度及び化学的性質、選択された投与経路、並びに標準的な薬務により決定される。
投与量
本発明の化合物及び/又は本発明の化合物を含有する組成物の投与量は、化合物の薬力学的特性;投与様式;受容者の年齢、健康及び体重;症状の性質及び程度;治療の頻度;あるとすれば併用治療の種類;並びに治療される動物における化合物のクリアランス率などの多くの要因に応じて変わりうる。当業者は、上記の要因に基づいて適切な投与量を決定することができる。本発明の化合物は、臨床反応に応じて必要であれば調整することができる適切な投与量を、最初に投与することができる。一般に、十分な結果は、本発明の化合物が例えば0.05mg〜3000mg(固体形態により測定)の1日投与量でヒトに投与されるときに得ることができる。用量範囲には、例えば、10〜1000mg(例えば、50〜800mg)が含まれる。幾つかの実施態様では、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950又は1000mgの化合物が投与される。好ましい用量範囲には、例えば、0.05〜15mg/kg又は0.5〜15mg/kgが含まれる。
あるいは、投与量は、患者の体重を使用して計算することができる。例えば、患者に投与される化合物又はその医薬組成物の用量は、0.1〜50mg/kg(例えば、0.25〜25mg/kg)の範囲でありうる。例示的な非限定の実施態様において、用量は、0.5〜5.0mg/kg(例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5若しくは5.0mg/kg)又は5.0〜20mg/kg(例えば、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20mg/kg)の範囲でありうる。
診断及びスクリーニングアッセイ
上記に記述された治療用途に加えて、本発明の化合物は、診断アッセイ、スクリーニングアッセイにおいて及び研究ツールとして使用することもできる。
診断アッセイにおいて、本発明の化合物は、BTK活性を同定又は検出するために有用でありうる。
スクリーニングアッセイにおいて、本発明の化合物は、BTKを阻害する他の化合物を例えば第一世代薬剤として同定するために使用することができる。研究ツールとしては、本発明の化合物を酵素アッセイ及びBTK活性の程度を研究するアッセイに使用することができる。そのような情報は、例えば疾患の状態又は進行を診断又はモニターするために有用でありうる。そのようなアッセイでは、本発明の化合物を放射標識してもよい。
BTKインビトロ阻害アッセイ
本発明の化合物は、BTK阻害を示すことが見出されている。化合物は、例えば実施例1及び本明細書に提供されている他の例に記載されている方法を使用することにより又は文献(例えば、Mast Cells: Methods and Protocols (eds. G. Krishnaswamy and D.S. Chi), Methods in Molecular Biology, Series 315, Humana Press, pp. 175-192, 2006)による既知の方法により、キナーゼ活性を阻害する効力について当業者が検査することができる。
阻害活性は、任意の有用な方法により決定することができる。例えば、阻害は、BTK自己リン酸化に対する試験化合物の効果により決定することができる。Btk及び多様な濃度の試験化合物を[γ-32P]ATP含有キナーゼ緩衝液に含めることができる。自己リン酸化は、SDS/PAGEにより、続いて電子ブロッティング及びオートラジオグラフィーにより分析することができ、ここでリン酸化されたタンパク質のバンドは、デンシトメトリーにより定量化することができる。これらのアッセイは、外来性基質(例えば、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-IGα)を用いないで又は用いて実施することができる。
別の例において、阻害活性は、BTK結合に対する試験化合物の効果により決定することができる。例えば、BTKは、タンパク質キナーゼC(PKC)にインビボで結合することができ、ここでPKCはBTKをリン酸化する。したがって、BTK-PKC結合を評価する例示的なアッセイは、PKC又はPKCを有する細胞溶解産物(例えば、ヒトマスト細胞株からの溶解産物)を、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-Btkビーズと共に試験化合物の不在下又は存在下でインキュベートすることを含む。次に、Btk結合PKCの程度は、SDS/PAGE、続く抗PKC(MC5)及び/又は抗BTK抗体を用いるイムノブロッティングなどによる、任意の有用な方法により検出することができる。
更なる例には、細胞活性化に対する試験化合物の効果を決定することなどの細胞アッセイの使用が含まれる。例えば、刺激されたリンパ球細胞、骨髄細胞又はマスト細胞(例えば、エリスロポエチンなどのシグナル伝達分子又はIgEなどの抗原により刺激された細胞)を、試験化合物と共にインキュベートすることができ、特定の化合物又はタンパク質の活性化を測定することができる。例示的な化合物及びタンパク質には、ヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカイン、PKC、ヤヌスチロシンキナーゼ2(Jak2)、エリスロポエチンレセプター(EpoR)、Stat5、タンパク質キナーゼB(PKB)及び/又はマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(Erk1/2)が含まれる。別の例において、活性化されたBtkがチロシン223(Y223)及び/又はチロシン551(Y551)においてリン酸化されうるので、細胞アッセイは、細胞の個体群においてP-Y223又はP-Y551-陽性細胞を染色することにより(例えば、リン酸化特異的免疫化学染色、続いてFACS分析により)実施することができる。
BTKがチロシンキナーゼであるので、追加の有用なアッセイには任意のチロシンキナーゼアッセイが含まれる。特に、市販のアッセイには、ADP-Glo(商標)Kinase Assay(Promega Corp., Madison, WI)などの、例えば蛍光検出を用いてADPの形成を検出するキナーゼアッセイが含まれる。
用量反応曲線は、BTKを基質(例えば、ATP又はPKCなどの結合パートナー)と共にインキュベートすること及び試験化合物の濃度を増加する(例えば、対数的に増加する)ことにより得ることができる。加えて、検出剤(例えば、ATPを測定するルシフェラーゼ/ルシフェリン反応などの蛍光プローブ)を使用して、キナーゼ活性(例えば、ATPからADPへの変換)を試験化合物の濃度と相関させることができる。これらのデータを使用して、用量反応曲線を構築することができ、ここでIC50は、約50%の阻害をもたらす試験化合物の濃度である。
以下の非限定例は本発明を説明する。
[実施例1]:BTKアッセイ
化合物を、Invitrogen(商標)LanthaScreen(登録商標)Kinase Binding Assayの使用によりBTK阻害活性についてアッセイした。簡潔には、化合物を、トレーサー(この場合は、Invitrogen(商標)Kinase Tracer 236)をBTKの活性部位から置き換える能力について試験した。アッセイに使用したBTKタンパク質をユーロピウム(Eu)で標識し、それにより、TR-FRET(時間分解FRET)を測定するように装備されたプレート読み取り機を使用して、EuからトレーサーへのFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)シグナルの損失として置き換えが都合良く検出された。この置き換えアッセイは、キナーゼインヒビターを特徴決定するために一般的に使用され、キナーゼ阻害活性を予測する。
また幾つかの化合物では、Invitrogen(商標)Omnia(登録商標)アッセイを使用してキナーゼ阻害活性について直接試験した。Omnia(登録商標)アッセイは、ATPからペプチドへのリン酸の移動を検出する、リン酸誘発性蛍光体を使用するリアルタイムカイネティックアッセイである。このアッセイにおけるキナーゼ活性の阻害は、蛍光の増加速度を低減する。両方のアッセイにおいて試験された化合物は、類似したIC50値を示した。両方のアッセイについての更なる詳細及び実験プロトコールは、invitrogen.comにおいて見出すことができる。
IC50値の決定
本発明の多様な化合物(すなわち、式(I)又は(Ia)の化合物)を、上記に記載されたようにBTK阻害活性についてアッセイし、1.0μM未満のIC50値を有した。幾つかの実施態様において、化合物は、0.9μM未満、0.8μM未満、0.5μM未満、0.3μM未満、0.2μM未満、0.1μM未満、0.09μM未満、0.08μM未満、0.05μM未満、0.04μM未満、0.03μM未満、0.025μM未満、0.015μM未満、0.01μM未満、0.005μM未満、0.002μM未満、0.0015μM未満又は0.001μM未満のIC50値を有した。幾つかの実施態様において、化合物は、0.0001μM〜0.9μM、(例えば、0.0001μM〜0.8μM、0.0001μM〜0.5μM、0.0001μM〜0.3μM、0.0001μM〜0.2μM、0.0001μM〜0.1μM、0.0001μM〜0.09μM、0.0001μM〜0.08μM、0.0001μM〜0.05μM、0.0001μM〜0.04μM、0.0001μM〜0.03μM、0.0001μM〜0.025μM、0.0001μM〜0.015μM、0.0001μM〜0.01μM、0.0001μM〜0.005μM、0.0002μM〜0.9μM、0.0002μM〜0.8μM、0.0002μM〜0.5μM、0.0002μM〜0.3μM、0.0002μM〜0.2μM、0.0002μM〜0.1μM、0.0002μM〜0.09μM、0.0002μM〜0.08μM、0.0002μM〜0.05μM、0.0002μM〜0.04μM、0.0002μM〜0.03μM、0.0002μM〜0.025μM、0.0002μM〜0.015μM、0.0002μM〜0.01μM、0.0002μM〜0.005μM、0.0005μM〜0.9μM、0.0005μM〜0.8μM、0.0005μM〜0.5μM、0.0005μM〜0.3μM、0.0005μM〜0.2μM、0.0005μM〜0.1μM、0.0005μM〜0.09μM、0.0005μM〜0.08μM、0.0005μM〜0.05μM、0.0005μM〜0.04μM、0.0005μM〜0.03μM、0.0005μM〜0.025μM、0.0005μM〜0.015μM、0.0005μM〜0.01μM、0.0005μM〜0.005μM、0.0005μM〜0.002μM、0.0005μM〜0.0015μM又は0.0005μM〜0.001μM)のIC50値を有した。
[実施例2]:(R)-2-(3-((ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール-5-イルアミノ)メチル)フラン-2-カルボニル)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド(化合物1)の合成
Figure 0006248048
2-(フラン-3-イル)-1,3-ジオキソラン(2-A)の合成
トルエン(100ml)中のフラン-3-カルボアルデヒド(SM1-A、2g、20mmol)及びエタン-1,2-ジオール(3.72g、60mmol)の溶液に、ピリジニウムp-トルエンスルホネート(PPTS、50mg、0.2mmol)を加え、溶液を、Dean-Starkトラップを利用して加熱還流した。理論量の水を収集した後、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製して、生成物(2-A)(1.8g、80%)を無色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.54 (s, 1H), 7.41-7.40 (t, 1H), 6.47-6.46 (d, 1H), 5.85 (s, 1H), 4.09-4.06 (m, 2H), 4.00-3.98 (m, 2H)。
3-(1,3-ジオキソラン-2-イル)フラン-2-カルボン酸(3-A)の合成
THF(10ml)中の生成物(2-A)(500mg、3.6mmol)の溶液に、n-BuLi(1.5mL、3.51mmol)をN2下、-78℃で滴加した。溶液を-78℃で30分間撹拌し、次にCO2ガスを、溶液中に-60℃未満で30分間泡立てた。懸濁液を-78℃で30分間撹拌し、飽和NH4Cl(10mL)で停止させた。反応混合物を室温に温め、酢酸エチル(EA、20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、粗生成物(3-A)(300mg、45%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.58-7.57 (d, 1H), 6.89-6.88 (d, 1H), 6.34 (s, 1H), 4.15-4.13 (m, 2H), 4.08-4.05 (m, 2H)。
(R)-tert-ブチル3-(メチルカルバモイル)-3,4-ジヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2(9H)-カルボキシレート(4-A)の合成
ジメチルホルムアミド(DMF、100ml)中の(R)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボン酸(SM2-A、10g、32mmol)の溶液に、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、15.5g、42mmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(DIEA、12.4g、96mmol)を加え、その間、温度を0℃未満に維持した。この温度で2時間撹拌した後、メチルアミン(32mL、63mmol、THF中2M)を加えた。反応混合物を室温に温め、室温で16時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(200mL)、0.1Mの塩酸塩(100mL)、飽和NaHCO3(100mL)、次に飽和食塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(CC、ジクロロメタン(DCM):MeOH=200:1)により精製して、生成物(4-A)(10g、96%)を白色の固体として得た。LC-MS(M+H)+=330。
(R)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド塩酸塩(5-A)の合成
塩化水素ガスを、THF(100mL)中の生成物(4-A)(5g、15mmol)の溶液の中に室温で6時間泡立てた。溶媒を蒸発させて、生成物(5-A)(3.5g、87%)を褐色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.54-7.51(d, 1H), 7.41-7.38 (d, 1H), 7.22-7.17 (t, 1H), 7.13-7.08 (t, 1H), 4.55-4.54 (d, 2H), 4.35-4.30 (dd, 1H), 3.50-3.43 (dd, 1H), 3.18-3.08 (t, 1H), 2.91 (s, 3H). LC-MS (M+H)+ = 230。
(R)-2-(3-(1,3-ジオキソラン-2-イル)フラン-2-カルボニル)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド(6-A)の合成
CH3CN(200ml)中の生成物(3-A)(2.19g、11.9mmol)の溶液に、温度を20℃未満に維持しながら、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリン-4-イウムクロリド(DMTMMCl、4.9g、17.8mmol)、次に4-メチルモルホリン(NMM、4.8g、47.6mmol)を滴加した。室温で16時間撹拌した後、生成物(5-A)(3g、13.1mmol)を加え、溶液を室温で更に6時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、CC(DCM:MeOH=200:1〜100:1)により精製して、生成物(6-A)(2.2g、47%)を褐色の固体として得た。LC-MS(M+H)+=396。
(R)-2-(3-ホルミルフラン-2-カルボニル)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド(7-A)の合成
アセトン(20ml)中の生成物(6-A)(2.2g、5.56mmol)の溶液に、TsOH(191mg、1.11mmol)を加え、溶液を周囲温度で3時間撹拌した。反応を飽和NaHCO3(20mL)で停止させ、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、CC(DCM:MeOH=300:1〜100:1)により精製して、生成物(7-A)(1.8g、92%)を褐色の固体として得た。LC-MS(M+H)+=352。
(R)-2-(3-((ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール-5-イルアミノ)メチル)フラン-2-カルボニル)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド(化合物1)の合成
MeOH(10ml)中の生成物(7-A)(130mg、0.37mmol)及びベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール-5-アミン(61mg、0.41mmol)の溶液に、InCl3(41mg、0.18mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、Et3SiH(172mg、1.48mmol)を加え、反応を室温で更に16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和NaHCO3(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、分取TLC(Prep-TLC、DCM:MeOH=11:1)により精製して、化合物1(50mg、28%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO): δ 10.57 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.73-7.70 (d, 1H), 7.40-7.38 (d, 1H), 7.30-7.27 (d, 2H), 7.15-7.12 (t, 3H), 7.07-7.02 (t, 1H), 6.99-9.95 (t, 1H), 6.67-6.66 (d, 2H), 5.44 (s, 1H), 5.21-5.16 (d, 1H), 4.86-4.83 (d, 1H), 4.51-4.49 (d, 1H), 3.43-3.38 (d, 1H), 3.01-2.95 (dd, 1H), 2.58-2.55 (d, 3H). LC-MS (M+H)+ = 487.
1H-NMR(DMSO)、LC-MS、MS及びHPLC(カラム:水、3.5μm、4.6×100mm;移動相:H2O(0.05%のトリフルオロ酢酸、TFA)-アセトニトリル(ACN、0.05%のTFA)、ACNが8分間で10%〜100%;総流速:1.0mL/分)の分光法実験を実施して、化合物1のデータを図1A〜1C及び図2A〜2Bに提供した。
[実施例3]:(R)-N-メチル-2-(4-((キノキサリン-6-イルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド(化合物5)の合成
Figure 0006248048
(R)-tert-ブチル3-(メチルカルバモイル)-3,4-ジヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2(9H)-カルボキシレート(2-B)の合成
DMF(100ml)中の(R)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボン酸(SM1-B、10g、32mmol)の溶液に、HATU(15.5g、42mmol)、続いてDIEA(12.4g、96mmol)を加え、その間、温度を0℃未満に維持した。この温度で2時間撹拌した後、メチルアミン(THF中2M、32mL、63mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(200mL)、0.1Mの塩酸(100mL)、飽和NaHCO3(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=200:1)により精製して、生成物(2-B)(10g、96%)を白色の固体として得た。LC-MS(M+H)+=330。
(R)-N-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド塩酸塩(3-B)の合成
塩化水素ガスを、THF(100mL)中の生成物(2-B)(5g、15mmol)の溶液の中に室温で6時間泡立てた。溶媒を蒸発させて、生成物(3-B)(3.5g、87%)を褐色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.54-7.51(d, 1H), 7.41-7.38 (d, 1H), 7.22-7.17 (t, 1H), 7.13-7.08 (t, 1H), 4.55-4.54 (d, 2H), 4.35-4.30 (dd, 1H), 3.50-3.43 (dd, 1H), 3.18-3.08 (t, 1H), 2.91 (s, 3H). LC-MS (M+H)+ = 230。
4-ホルミル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(4-B)の合成
MeOH(76ml)及び水(130mL)の溶液中のエチル4-ホルミル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(SM2-B、19g、115mmol)の懸濁液に、水(130mL)中のNaOH(14g、345mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。溶液を、濃塩酸によりpH1に調整した。固体を収集し、水(50mL)で洗浄し、空気乾燥して、生成物(4-B)(12g、75%)を明黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO): δ 8.45 (s, 1H), 10.29 (s, 1H). LC-MS (M+H)+ = 141。
4-((キノキサリン-6-イルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(5-B)の合成
1,2-ジクロロエタン(DCE、5mL)及びDMF(5mL)の溶液中の生成物(4-B)(100mg、0.71mmol)及びキノキサリン-6-アミン(104mg、0.71mmol)の懸濁液に、酢酸(5滴)を室温で加えた。次に反応混合物を16時間撹拌した。MeOH(5mL)、続いてNaBH4(100mg、2.63mmol)を加えた。反応混合物を室温で更に30分間撹拌した。溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、5%のクエン酸(10mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、粗生成物(5-B)(200mg、99%)を黄色の固体として得た。LC-MS(M+H)+=270。
(R)-N-メチル-2-(4-((キノキサリン-6-イルアミノ)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキサミド)(化合物5)の合成
CH3CN(20ml)中の生成物(5-B)(200mg、0.75mmol)の溶液に、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリン-4-イウムクロリド(310mg、1.13 mmol)、続いて4-メチルモルホリン(300mg、3mmol)を室温で加えた。30分間撹拌した後、生成物(3-B)(200mg、0.75mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、pre-TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、化合物5(13mg、4%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO): δ 12.95 (s, 1H), 10.56 (s, 1H), 8.56-8.55 (d, 1H), 8.42-8.41 (d, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.70-7.67 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.39-7.37 (d, 1H), 7.32-7.27 (m, 2H), 7.06-6.88 (m, 2H), 6.89-6.88 (d, 1H), 6.55-6.51 (t, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.44-5.38 (d, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.45-4.44 (d, 1H), 3.39-3.34 (d, 1H), 2.56-2.55 (d, 3H). LC-MS (M+H)+ = 481.1H-NMR(DMSO)、LC-MS、MS及びHPLC(カラム:MP C18、3.0μm、4.6×100mm;移動相:H2O(0.05%のTFA)-CAN(0.05%のTFA)、ACNが8分間で10%〜100%;総流速:1.0mL/分)の分光法実験を実施して、化合物5のデータを図3A〜3C及び図4A〜4Bに提供した。
他の実施態様
本発明は、好ましい例と現在考慮されるものを参照して記載されてきたが、本発明は開示されている例に限定されないことが理解されるべきである。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる多様な変更及び同等の手順を網羅することが意図される。
全ての出版物、特許及び特許出願は、あたかもそれぞれ個別の出版物、特許又は特許出願が、参照としてその全体が特定的及び個別に組み込まれるように示されるのと同じ程度に、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。本出願における用語が、参照として本明細書に組み込まれる文書と異なって定義されていることが見出される場合、本明細書において提供される定義が用語の定義として機能する。
他の実施態様は、特許請求の範囲にある。

Claims (29)

  1. 下記式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩
    [式中、
    各R1、R2、R3及びR4は、独立して、N又はCR5であり、ここで、各R5は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているC2〜6アルケニルオキシ、場合により置換されているC2〜6アルキニルオキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているC 6〜10 アリール-C 1〜6 アルキレン、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
    Aは、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリル、カルボキシル、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルであるか、或いはRA1とRA2の組み合わせは、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成することができ;
    Xは、下記の式:
    Figure 0006248048
    で表される基であり
    Xa、Xb及びXcのそれぞれが、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され;
    RX1が、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    RX2が、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    Lは、-CZ 1 Z 2 -O-、-CZ 1 Z 2 -NH-、-CH2-NZN1-又は-CH2-O-であり、ここで、ZN1は、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているC2〜6アルケニル、場合により置換されているC2〜6アルキニル又はホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、2-クロロアセチル、2-ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o-ニトロフェノキシアセチル、α-クロロブチリル、ベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ブロモベンゾイル、4-ニトロベンゾイル;アラニン、ロイシン、フェニルアラニン;ベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニル;ベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5-トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニリル)-1-メチルエトキシカルボニル、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,-トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4-ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル-9-メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニル;ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチル;及びトリメチルシリルからなる群より選択されるN-保護基であり;
    各Z 1 及びZ 2 は、独立して、H又は場合により置換されているC 1〜6 アルキルであるか、或いはZ 1 とZ 2 の組み合わせが、一緒に、オキソ又は場合により置換されているC 1〜7 スピロシクリルを形成することができ;
    各Z3a及びZ3bは、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    Z4は、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜7アシル、又はホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、2-クロロアセチル、2-ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o-ニトロフェノキシアセチル、α-クロロブチリル、ベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ブロモベンゾイル、4-ニトロベンゾイル;アラニン、ロイシン、フェニルアラニン;ベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニル;ベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5-トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニリル)-1-メチルエトキシカルボニル、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,-トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4-ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル-9-メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニル;ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチル;及びトリメチルシリルからなる群より選択されるN-保護基であり;
    各Z5a及びZ5bは、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜7アシル、又は場合により置換されているアミノであり;
    Yは、場合により置換されている二環式C1〜12ヘテロシクリルである]。
  2. 各R1、R2、R3及びR4が、独立して、N又はCR5であり、ここで、各R5が、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    Aが、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、カルボキシル、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルであり;
    Z3a、Z3b及びZ4が、独立して、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである請求項1に記載の化合物。
  3. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、ここで、Z3aが、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  4. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、ここで、Z3aが、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、ここで、Z3aが、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  6. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、ここで、Z3aが、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  7. Yが、下記の式:
    Figure 0006248048
    で表される基であり、ここで、YaとYbの組み合わせ又はYbとYcの組み合わせが、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. Yが、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. Yが、場合により置換されているキノキサリニル、場合により置換されているジヒドロキノキサリニル、場合により置換されているキナゾリニル、場合により置換されているシンノリニル、場合により置換されているフタラジニル、場合により置換されているキノリル、場合により置換されているイソキノリル、場合により置換されているジヒドロキノリル、場合により置換されているテトラヒドロキノリル、場合により置換されているジヒドロイソキノリル、場合により置換されているテトラヒドロイソキノリル、場合により置換されているベンゾオキサゾリル、場合により置換されているベンゾイミダゾリル、場合により置換されているベンゾチアゾリル、場合により置換されているベンゾチアジアゾリル、場合により置換されているインドリル、場合により置換されているジヒドロインドリル、場合により置換されているインダゾリル、場合により置換されているベンゾフラニル、場合により置換されているイソベンゾフラニル及び場合により置換されているベンゾチエニルからなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. Yが、場合により置換されているジヒドロキノキサリニル、場合により置換されているジヒドロキノリル、場合により置換されているテトラヒドロキノリル、場合により置換されているジヒドロイソキノリル、場合により置換されているテトラヒドロイソキノリル又はオキソを含む場合により置換されているジヒドロインドリルである、請求項9に記載の化合物。
  11. Xが、場合により置換されているフリル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているチアゾリル、場合により置換されているピロリル、場合により置換されているオキサジアゾリル、場合により置換されているイソオキサゾリル、場合により置換されているオキサゾリル、場合により置換されているイミダゾリル、場合により置換されているチエニル、場合により置換されているイソチアゾリル及び場合により置換されているチアジアゾリルからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. Aが、H、場合により置換されているC1〜12ヘテロアリール、-C(O)-NRA1RA2又は-NRA1-C(O)-RA2であり、ここで、各RA1及びRA2が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル又は場合により置換されているC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. Z1、Z2、Z3a及びZ3bのそれぞれが、存在する場合、独立して、H又はメチルである、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 各R1、R2、R3及びR4が、独立してCR5である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 各R5が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ又はハロである、請求項14に記載の化合物。
  16. R1とR4が両方ともCHである、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 各R2及びR3が、独立してCR5であり、ここで、各R5が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ又はヒドロキシである、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 各R5が、独立して、H、C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ又はヒドロキシである、請求項17に記載の化合物。
  19. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、
    ここで、
    各R2'、R3'及びR4'が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
    Xa、Xb及びXcのそれぞれが、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され、ここで、RX1が、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり、RX2が、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    YaとYbの組み合わせが、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成する
    請求項1に記載の化合物。
  20. 下記の式:
    Figure 0006248048
    を有する化合物であり、
    ここで、
    各R2'、R3'及びR4'が、独立して、H、場合により置換されているC1〜6アルキル、場合により置換されているハロ-C1〜6アルキル、場合により置換されているC1〜6アルコキシ、場合により置換されているハロ-C1〜6アルコキシ、場合により置換されているC1〜7アシル、場合により置換されているC1〜7アシルアミノ、場合により置換されているC1〜7アシルオキシ、場合により置換されているC6〜10アリール、場合により置換されているアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ又はカルボキシルであり;
    Xa、Xb及びXcのそれぞれが、独立して、O、S、NRX1、N又はCRX2から選択され、ここで、RX1が、H又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり、RX2が、H、ハロ又は場合により置換されているC1〜6アルキルであり;
    YaとYbの組み合わせが、一緒に、場合により置換されているC1〜12ヘテロシクリルを形成する
    請求項1に記載の化合物。
  21. 下記の式:
    Figure 0006248048
    Figure 0006248048
    Figure 0006248048
    Figure 0006248048
    Figure 0006248048
    Figure 0006248048
    を有する化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩。
  22. 請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  23. B細胞関連疾患又はマスト細胞関連疾患の治療又は予防的治療を、それを必要とする対象において行うための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を含む医薬
  24. 前記B細胞関連疾患又は前記マスト細胞関連疾患が、がん、炎症性障害又は自己免疫性障害である、請求項23に記載の医薬
  25. がんの治療又は予防的治療を、それを必要とする対象において行うための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を含む医薬
  26. 前記がんが、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は膵新生物である、請求項25に記載の医薬
  27. 前記がんが、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、膵島細胞腫、膵グルカゴン産生腫瘍又は膵ガストリン産生腫瘍である、請求項25又は26に記載の医薬
  28. 炎症性又は自己免疫性障害の治療又は予防的治療を、それを必要とする対象において行うための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を含む医薬
  29. 前記炎症性又は自己免疫性障害が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病、糸球体腎炎、自己免疫仲介溶血性貧血、免疫複合体仲介血管炎又は乾癬である、請求項28に記載の医薬
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