JP6246699B2 - 競泳水着 - Google Patents

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Description

本発明は、競泳水着に関するものであり、接合部を水泳中の水の流れに沿わせることで水中での抵抗を削減できるカッティングの競泳水着、好ましくは体幹部に強緊締部分を設けることによって水中でのフラットな姿勢維持を容易にするとともに、弱緊締部分を設けることにより着脱の容易性や脚部の動かし易さを両立することができる競泳水着に関するものである。
競泳水着に求められる機能は、競泳時にスイマーが受ける抵抗を小さくすることやキックなどの動作をサポートすることであり、従来、スイマーの姿勢を抵抗の小さい姿勢に維持する技術、動作をサポートする技術、水着の抵抗を削減する技術などが種々提案されている。
特許文献1には、前側部材より後側部材の伸長応力を大きくすることで、股関節伸展時の出力を向上させる水着が提案されている。
特許文献2には、衿ぐりの前部中央からそれぞれ前身頃の左右のバスト部を縁どりしながら脇腹部を通ってヒップ部中央に至る左右対称な2本の縫目を形成した水着が提案されている。
特許文献3には、腹部および背下部の領域の周りに延在するようにベース生地の内側に接着された、伸縮性のある生地からなるコア層を設けることで、水中での姿勢を安定させる水着が提案されている。
特許第5068384号公報 実開昭62−079818号公報 特許第5130572号公報
上記のように従来から競泳水着は、様々な改良を加えられてきたものであるが、以下のように解決すべき問題点があった。
特許文献1に記載の水着では、水泳中の水の流れに対する縫目などの接合部の配置が考慮されていないため、接合部の配置によって水中での水流抵抗が増加する場合がある。また、前側部材に伸長応力が大きい部材が配置されていないために、体幹部が前側からサポートされておらず、水中でのフラットな姿勢維持が困難である。
特許文献2に記載の水着でも、水泳中の水の流れに対する縫目などの接合部の配置が考慮されていないため、接合部の配置によって水中での水流抵抗が増加する場合がある。また、体幹部に強緊締部分および弱緊締部分が設けられておらず、水中でのフラットな姿勢維持を容易にし、着脱の容易性や脚部の動かし易さを両立することを実現できない。
特許文献3に記載の水着でも、水泳中の水の流れに対する縫目などの接合部の配置が考慮されていないため、接合部の配置によって水中での水流抵抗が増加する場合がある。また、腹部および背下部の領域の周りに強緊締部分に相当する部分が設けられているが、上半身から下半身にかけてはサポートされておらず、水中でのフラットな姿勢維持が十分に行われない。また、骨盤の周囲に連続して強緊締部分を設けているため、着脱が容易にはできない。
本発明は、上記問題を解決するため、接合部を水泳中の水の流れに沿わせることで水中での抵抗を削減できるカッティングの競泳水着、好ましくは体幹部に強緊締部分を設けることによって水中でのフラットな姿勢維持を容易にするとともに、弱緊締部分を設けることにより着脱の容易性や脚部の動かし易さを両立することができる競泳水着を提供する。
本発明は、伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨下部から乳頭部を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲し、上前腸骨稜、大転子を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されている競泳水着に関する。
又、本発明は、伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨周辺から乳頭部周辺を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲するように形成されていることを特徴とする競泳水着に関する。
又、本発明は、伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、上前腸骨稜周辺、大転子周辺を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されていることを特徴とするスパッツ型競泳水着に関する。
本発明の水着は、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地からなり、該水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地を、その他の部位に弱緊締生地を配置することが好ましい。
本発明は、前記の様に生地片を配置することによって、最も水の抵抗を受けやすい胸部からウエスト部の接合線による抵抗を削減することができる競泳水着を提供する。
また、好ましくは、前記の様に生地に強緊締部位と弱緊締部位を設けることによって、水中でのフラットな姿勢維持を容易にするとともに、体幹部を安定させながら股関節の動きを妨げることなくキック動作を容易にさせることができる競泳水着を提供する。
更には、前記の様に前身頃の両脇部分に弱緊締生地を配置することで、着脱を容易にすることができる競泳水着を提供する。
図1Aは本発明の一実施形態の水着の正面図であり、図1Bは同側面図であり、図1Cは同背面図である。 図2Aは本発明の他の一実施形態の水着の正面図であり、図2Bは同側面図であり、図2Cは同背面図である。 図3Aは本発明の他の一実施形態の水着の正面図であり、図3Bは同側面図であり、図3Cは同背面図である。 図4は、水泳時の人体周りの水の流れを可視化した模式図であり、図4Aは水着の正面図における水の流れを示したものであり、図4Bは同側面図における水の流れを示したものであり、図4Cは同背面図における水の流れを示したものである。 図5は水泳におけるフラットな姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Bは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。図5Cは、水泳における腰が水平位置から落ちた姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Dは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。図5Eは、水泳における脚が水平位置から落ちた姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Fは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。
本発明の課題を解決するに際し、本発明者らはまず、水泳中の人体周りの水の流れを可視化した。実験は、等身大人体模型を用いて、回流水槽を使用して行った。等身大人体模型は実泳時を考慮して、頭部および身体の一部が水面から上にある状態と、完全に水没した状態の2つの状態で行い、可視化はタフト法や色素注入法などを用いた。その結果、特に水の抵抗を受けやすい身体前面において、胸部では体長方向に沿って流れ、肋骨下部あたりで両脇へと湾曲する流れと、体長方向に沿う流れとが生じ、両脇へと湾曲した流れはウエスト部周辺でさらに体側へと流れ、骨盤周辺で背面の上流からの流れと合流し、体長方向下流へと流れることが判明した。図4に水泳中の水の流れを可視化した模式図の一例を示す。図4Aは本発明における一実施形態となる水着の正面図における水の流れを示したものであり、図4Bは同側面図における水の流れを示したものであり、図4Cは同背面図における水の流れを示したものである。特にウエスト部では流れが早くなっていることが見受けられた。等身大人体模型の水面に対する2つの状態では、背面の肩甲骨あたりからウエスト部においては水の流れの違いが見られたが、身体前面ではほとんど違いは見られなかった。このことから、水の流れに直行するように接合部を設けると、水着表面に形成された凸部が水の流れを妨げて抵抗増加につながるため、上記の水の流れに沿って接合部を設けることが抵抗減少に効果的であることが分かる。
したがって本発明では、伸縮性を有する生地からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨下部から乳頭部を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲し、上前腸骨稜、大転子を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されていることで、最も水の抵抗を受けやすい胸部からウエスト部、および大腿部外側面の接合線による抵抗を削減することができる競泳水着を提供する。特に限定されないが、例えば、ハーフスーツ型競泳水着は、該実施形態の競泳水着の構成とすることができる。
又、本発明は、伸縮性を有する生地からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨周辺から乳頭部周辺を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲するように形成されていることで、最も水の抵抗を受けやすい胸部からウエスト部の接合線による抵抗を削減することができる競泳水着を提供する。特に限定されないが、例えば、女子用ハイカット型競泳水着は、該実施形態の競泳水着の構成とすることができる。
更に、本発明は、伸縮性を有する生地からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、上前腸骨稜周辺、大転子周辺を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されていることで、水の抵抗を受けやすいウエスト部から大腿部外側面の接合線による抵抗を削減することができるスパッツ型競泳水着とした。
本発明者らは、次に、競水泳時に腰や脚の位置が上半身の位置より下がることで、形状抵抗が大きくなり、運動パフォーマンスが低下する問題を解決するため、鋭意検討した。競泳などにおいて、レースの進行に伴って疲れてくると、キックのテンポが落ち、腰の位置が上半身の位置より下がって身体が立ってしまうことがある。身体が立ってしまうと、脚の位置も下がることになる。図5Aは水泳におけるフラットな姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Bは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。図5Cは、水泳における腰が水平位置から落ちた姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Dは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。図5Eは、水泳における脚が水平位置から落ちた姿勢を側面から観察した場合を説明する側面模式図であり、図5Fは同姿勢時の水中の進行方向に対する身体の投影面積を示す説明図である。図5A−Bに示しているように、身体がフラットな姿勢(水平姿勢)の場合は、水中の進行方向における投影面積が小さく、水による形状抵抗が少ない。しかし、図5C−Fに示しているように、腰の位置や脚の位置が下がると、水中の進行方向における投影面積が大きくなり、水による形状抵抗が大きくなる。そのため、腰の位置や脚の位置が下がると、ストロークも短くなり、速度も低下し、結果的に運動パフォーマンスが低下する問題があった。例えば、フラットな姿勢に対して、腰の位置や脚の位置が下がると形状抵抗は約2倍以上になる。選手が図5Aのようなフラットな姿勢を維持するためには、胸を内側へ絞り、腹圧を高めることが重要である。それを補助するためには、少なくとも腹部から下腹部にかけての身体前面と、腰部から臀部にかけての身体背面の、両面を強緊締生地で押えることが効果的である。骨盤周囲を連続して強緊締生地で覆う方法も姿勢維持には有効であるが、キック動作を妨げたり、着脱に労力を必要とする欠点がある。特に大転子は、キック動作の基点となるため、緊締力を弱めることが動かし易さにつながる。また、背面において、少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて強緊締生地を配置することで、疲労しやすいハムストリングスを補助し、下半身が下がるのを防ぐのにより効果的である。さらに、腹部より上部の身体前面に強緊締生地を配置することで、胸を内側に絞る感覚を補助する効果が得られ、腰部より上部の身体背面に強緊締生地を配置することで、前後両面を強緊締生地で押さえるため、より姿勢が安定する効果が得られる。
したがって本発明の競泳水着は、好ましくは、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地からなり、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地を、その他の部位に弱緊締生地を配置することで、腰の位置や足の位置を下げることを防いで、身体をフラットな姿勢に保ち、体幹部を安定させながら股関節の動きを妨げることなくキック動作を容易にさせることができる。更には、両脇部分に弱緊締生地を配置することで、着脱を容易にすることができる。
上記競泳水着のタイプは、特に限定されず、ハーフスーツ型競泳水着、男子用スパッツ型競泳水着、女子用ハイカット型競泳水着などのいずれであってもよい。男子用スパッツ型競泳水着は、ハーフスパッツ型であってもよい。
ハーフスーツ型競泳水着又は男子用スパッツ型競泳水着においては、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に配置された強緊締生地の最大幅が、該水着のヒップ幅に対して42〜60%であることが好ましい。42%未満では、十分な体幹安定効果が得られにくい傾向があり、60%を超えると着脱が難くなる傾向があるとともに、それ以上の体幹安定効果の向上が見られない傾向がある。体幹安定効果および着脱しやすさの両立の観点から、45〜55%であることがより好ましい。
また、女子用ハイカット型競泳水着においては、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に配置された強緊締生地の最大幅が、該水着のヒップ幅に対して60〜70%であることが好ましい。60%未満では、十分な体幹安定効果が得られにくい傾向があり、70%を超えると着脱がし難くなる傾向があるとともに、それ以上の体幹安定効果の向上が見られない傾向がある。
ヒップ幅の算出方法は、ハーフスーツ型競泳水着は、股下から上に7cmの部位でのパターン寸法での幅、男子用スパッツ型競泳水着は、股下から上に8cmの部位でのパターン寸法での幅、女子用ハイカット型競泳水着は、左右の足繰りの頂点を結ぶ線のパターン寸法での幅とする。前身頃身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に配置された強緊締生地の最大幅(以下において、前身頃強緊締生地の最大幅とも記す。)は、その部位のパターン寸法とする。
以下図面を用いて説明する。図1Aは本発明の一実施形態における競泳水着10の正面図、図1Bは同側面図、図1Cは背面図である。競泳水着10は、ハーフスーツ型競泳水着である。図1Aに示しているように、競泳水着10は伸縮性を有する生地11、12、13および14からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片12が、水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成(配置)されており、鎖骨下部から乳頭部を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲し、上前腸骨稜、大転子を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されていることで、水泳中に最も水の抵抗を受けやすい胸部からウエスト部の接合線による抵抗を削減することができる。競泳水着10は、好ましくは、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地11、12、13および14からなり、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地11を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地14を、その他の部位には弱緊締生地12および13を配置している。強緊締生地11および14により、前後より身体幅方向の中央部分を挟み込むことで、身体をフラットな姿勢に保ち、体幹を安定させ水泳時に腰や脚が上半身より下がることを防ぐ。競泳水着10を着用し、水泳時にキックを打つと、強緊締生地14により、矢印1で示す方向に力が掛かり、この力は矢印2で示す方向の力と矢印3で示す方向の力として機能する。矢印2で示す方向の力は、股関節内旋方向の力(トルク)となり、脚(膝)が外へ開くのを防ぐことができる。また、矢印3で示す方向の力は、股関節伸展方向の力となり、脚が落ちるのを防ぐことができる。又、弱緊締生地12によって、股関節の動きを妨げることなくキック動作を容易にさせることができ、着脱を容易にすることができる。
図2Aは本発明の他の一実施形態における競泳水着20の正面図、図2Bは同側面図、図2Cは背面図である。競泳水着20は、女性用ハイカット型競泳水着である。図2Aに示しているように、競泳水着20は伸縮性を有する生地21、22および24からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片22が、水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨下部から乳頭部を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲するように形成されていることで、最も水の抵抗を受けやすい胸部からウエスト部の接合線による抵抗を削減することができる。競泳水着20は、好ましくは、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地21、22および24からなり、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地21を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地24を、その他の部位には弱緊締生地22を配置している。強緊締生地21および24により、前後より身体幅方向の中央部分を挟み込むことで、身体をフラットな姿勢に保ち、体幹を安定させ水泳時に腰や脚が上半身より下がることを防ぐ。又、弱緊締生地22によって、着脱を容易にすることができる。
図3Aは本発明の他の一実施形態における競泳水着30の正面図、図3Bは同側面図、図3Cは背面図である。競泳水着30は、男性用ハーフスパッツ型競泳水着である。図3Aに示しているように、競泳水着30は伸縮性を有する生地31、32、33および34からなり、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片32が、水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、前腸骨稜周辺、大転子周辺を経て大腿部外側に沿って裾部へ至るように形成されていることで、水の抵抗を受けやすいウエスト部から大腿部外側面の接合線による抵抗を削減することができる。競泳水着30は、好ましくは、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地31、32、33および34からなり、水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地31を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または少なくとも腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地34を、その他の部位として弱緊締生地32および33を配置している。強緊締生地31および34により、前後より身体幅方向の中央部分を挟み込むことで、身体をフラットな姿勢に保ち、体幹を安定させ水泳時に腰や脚が上半身より下がることを防ぐ。競泳水着30を着用し、水泳時にキックを打つと、強緊締生地34により、矢印4で示す方向に力が掛かり、この力は矢印5で示す方向の力と矢印6で示す方向の力として機能する。矢印5で示す方向の力は、股関節内旋方向の力(トルク)となり、脚(膝)が外へ開くのを防ぐことができる。また、矢印6で示す方向の力は、股関節伸展方向の力となり、脚が落ちるのを防ぐことができる。又、弱緊締生地32によって、股関節の動きを妨げることなくキック動作を容易にさせることができ、着脱を容易にすることができる。
本発明に係る競泳用水着は、伸縮性を有する生地を用いることにより人体にフィットさ
せることができる。本発明に係る競泳用水着に用いられる生地の素材としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維マルチフィラメント糸条、あるいは、これらの合成繊維マルチフィラメント糸条とポリウレタン弾性糸条の交編、または交織よりなる編物、織物を用いることができる。特に競泳用水着は動きやすさが重要視される場合も多く、素材形態としては合成繊維マルチフィラメント糸条とポリウレタン弾性糸条の交編による編物がより好ましい。また、この編物形態としては、丸編地であるシングル丸編地、ダブル丸編地、経編地であるトリコット地、ラッセル地のいずれも用いることができるが、動きやすさに影響するストレッチ性、生地薄さ等の観点からトリコット地がより好ましい。より強いサポート力が求められる場合は、素材形態としてはポリウレタン弾性糸条を合成繊維マルチフィラメント糸条でカバーリングした複合糸を経糸、緯糸に使用した織物がより好ましい。
本発明に係る競泳水着に用いられる生地は、撥水性を有することが望ましい。本発明に係る競泳水着に用いられる撥水剤としては、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等従来から用いられていた各種撥水処理剤の中から適宜選択することができる。また、本発明に係る競泳水着の撥水部分に用いられる処理剤は、撥水剤という名称に拘泥するものではなく、生地が水を含みにくくすることで水着の水中での重量を実質的に低減するものであればどの様な処理剤でもよく、例えば、プリント剤、シーリング剤といった名称のものでもよい。
本発明に係る競泳水着に用いられる生地は、表面の摩擦抵抗ができるだけ小さいことが好ましい。そのためには表面平滑加工、リブレット加工等を施すことが好ましい。
その中でも特に表面平滑化加工を生地に施す手法としては、以下の通りである。
ここでいう平滑化加工とは、編地表面におけるループによる凹凸形状などを熱や圧力などにより押しつぶすなどして、表面を該加工処理前よりも滑らかに変化させる加工手段のことをいう。なかでも、加工安定性と生産性の観点から、平滑化加工の具体的手段としてはカレンダー加工が好ましい。
その加工機としては通常の加熱ロールとペーパーロール、またはコットンロールよりな
るカレンダー加工機、あるいは板状物を用いたカレンダー加工を用いることができ、加熱
金属ロールを用いる場合は鏡面ロールであることが好ましい。なお、競泳水着用の編地として用いる場合、例えばカレンダー加工条件は、編地の幅100〜220cmに対して、線圧で1〜60t/cm程度とし、ロール温度は130〜250℃程度で行うことが好ましい。
また、他の平滑化加工としては、加熱金属ロールと皮ベルトを有する転写プリント機を利用して行うこともできる。これら平滑化加工の条件は、編地の種類、表面凹凸感、風合いなどにより適宜設定すれば良い。
平滑面よりさらに表面摩擦抵抗を低減させる方法として、生地表面に体長方向に沿って微細な溝または畝を形成することにより抵抗低減効果が発揮される。
本発明に係る競泳水着に用いられる強緊締生地は、弱緊締生地に対して、50%伸長時の応力がタテ、ヨコともに130〜300%であることが望ましい。50%伸長時の応力が130%未満の場合、緊締力の差が体感できず水中でフラットな姿勢を維持する効果を発揮できない恐れがある。また、50%伸長時の応力が300%を超えると水着着用時に違和感を感じる恐れがある。測定方法は、JIS L 1096.8.14.1A法(定速伸長法)に準拠し、測定条件としては、試験片サイズが幅5cm、長さ30cm、チャック間距離が20cm、引張速度が20cm/minで測定する。
上記強緊締生地は、特に限定されないが、一枚の生地で構成されてもよく、二枚の生地を重ね合せた二重生地で構成してもよい。例えば、水着を構成する第1の生地に第2の生地を重ね合わせて二重生地にすることができる。前記第1の生地と第2の生地は、同じ生地であってもよく、異なる生地であってもよい。
本発明における生地片は、水着上端と下端に連続して延在するため、身体幅方向において、前中心部側と脇部側とで他の部材と接合されており、それぞれの接合線が前記の身体部位を通る前記生地片を介して略平行に形成される。その際に、それぞれの接合線がそれぞれの身体部位における水の流れ方向に沿うように設けられることがより抵抗を低減させる効果が大きく望ましい。
生地片の接合の方法としては、ミシンによる縫製や超音波接着やさらに補強のシームテープを接合部に接着するなどの方法から選択することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
下記の強緊締生地と弱緊締生地を用い、図1A〜1Cに示すようなハーフスーツ型競泳水着10(JASPO規格Mサイズ)を作製した。水着10において生地11および14に強緊締生地を、生地12および13に弱緊締生地を用い、それぞれをミシンで縫製した。図1A〜1Cに示しているように、生地(生地片)12と生地11および13との接合部(縫目)および生地(生地片)12と生地14との接合部(縫目)は、水泳中の水の流れに沿うように設けられていた。
強緊締生地は、55デシテックスのポリエステルフィラメント糸と44デシテックスのポリウレタン弾性糸が80:20の割合で交編されたハーフトリコット組織の生地で、ウエール密度82、コース密度120、目付け260g/mの生地を用いた。弱緊締生地は、44デシテックスのポリエステルフィラメント糸と44デシテックスのポリウレタン弾性糸が80:20の割合で交編されたハーフトリコット組織の生地で、ウエール密度85、コース密度120、目付け230g/mの生地を用いた。強緊締生地、弱緊締生地はそれぞれ撥水加工が施されていた。強緊締生地の50%伸長時応力がタテ12N、ヨコ4.5N、弱緊締生地の50%伸長時応力がタテ8.5N、ヨコ2.5Nであった。
実施例1のハーフスーツ型競泳水着10において、ヒップ幅は306mm、前身頃強緊締生地の最大生地幅は149mmであった。実施例1のハーフスーツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、48.7%であった。なお、ヒップ幅および前身頃強緊締生地の最大生地幅は、いずれもパターン寸法である。
(実施例2)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が184mmになるようにした以外は、実施例1と同様にして、ハーフスーツ型競泳水着を作製した。実施例2のハーフスーツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、60.1%であった。
(実施例3)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が122mmになるようにした以外は、実施例1と同様にして、ハーフスーツ型競泳水着を作製した。実施例3のハーフスーツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、39.9%であった。
(比較例1)
強緊締生地を用いず、生地11、12、13および14のいずれにも弱緊締生地のみを用いて実施例1と同様にして、水着を作製した。
実施例1〜3の水着および現行品1の水着(ミズノ株式会社製の「KX」ハーフスーツ型競泳水着)を、女子大学水泳部員3名に着用させ、SLD(飛び込んで12.5mのタイム)を測定した。その結果を下記表1に示した。
上記表1の結果から分かるように、現行品1より、実施例の水着を着用した方が、タイムが速く、運動パフォーマンスが向上していた。実施例の中でも、実施例3に比べて、実施例1、2の水着を着用した方が、タイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
実施例1〜3および現行品1、比較例1の水着を女子大学水泳部員6名に着用させ、レース形式のタイムを測定した。その結果を下記表2に示した。
上記表2の結果からわかるように、実施例の水着を着用した方が、現行品1、比較例1よりも各レース形式のタイムが速く、運動パフォーマンスが向上していた。実施例の中でも、実施例3に比べて、実施例1、2の水着を着用した方が、各レース形式のタイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
また、現行品1を基準とし、比較例1および実施例1〜3における、下記表3に示す項目について女子大学水泳部員6名にアンケートをとった。各項目に対する評価が悪い場合を1とし、同等の場合を3とし、よい場合を5とし、1〜5の間の数値(0.5間隔)で評価の度合を示した。下記表3には、女子大学水泳部員6名の評価結果の平均を示した。
上記表3の結果から、本発明の実施例1〜3の水着を着用すると、脚の動きやすさを確保しつつ、現行品1および比較例1より、体幹の安定度、下半身の浮き感に優れていることが分かった。実施例の中でも、実施例3に比べて、実施例1、2の水着を着用した方が、体幹の安定度、下半身の浮き感に優れていることが分かった。実施例1〜3の水着の着用しやすさも現行品1とほぼ変わらなかった。実施例の中では、実施例2の方が着用のしやすさの点で、実施例1および3より劣っていた。
(実施例4)
前記の強緊締生地と弱緊締生地を用い、図2A〜2Cに示すようなハイカット型競泳水着20(JASPO規格Mサイズ)を作製した。水着20において生地21および24に強緊締生地を、生地22に弱緊締生地を用い、それぞれをミシンで縫製した。図2A〜2Bに示しているように、生地(生地片)22と生地21との接合部(縫目)および生地(生地片)22と生地24との接合部(縫目)は、水泳中の水の流れに沿うように設けられていた。実施例4のハイカット型競泳水着20において、ヒップ幅は244mm、前身頃強緊締生地の最大生地幅は163mmであった。実施例4のハイカット型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、66.8%であった。なお、ヒップ幅および前身頃強緊締生地の最大生地幅は、いずれもパターン寸法である。
(実施例5)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が183mmになるようにした以外は、実施例4と同様にして、ハイカット型競泳水着を作製した。実施例5のハイカット型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、75.0%であった。
(実施例6)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が122mmになるようにした以外は、実施例4と同様にして、ハイカット型競泳水着を作製した。実施例6のハイカット型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、50.0%であった。
(比較例2)
強緊締生地を用いず、生地21、22および24のいずれにも弱緊締生地のみを用いて実施例4と同様にして、水着を作製した。
実施例4〜6の水着および現行品2の水着(ミズノ株式会社製の「KX」ハイカット型競泳水着)を、女子大学水泳部員3名に着用させ、SLD(飛び込んで12.5mのタイム)を測定した。その結果を下記表4に示した。
上記表4の結果から分かるように、現行品2の水着を着用した場合に比べて、実施例4〜6の水着を着用した方が、タイムが速く、運動パフォーマンスが向上した。実施例の中でも、実施例6に比べて、実施例4、5の水着を着用した方が、タイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
実施例4〜6および現行品2、比較例2の水着を女子大学水泳部員6名に着用させ、レース形式のタイムを測定した。その結果を下記表5に示した。
上記表5の結果からわかるように、実施例の水着を着用した方が、現行品2、比較例2よりも各レース形式のタイムが速く、運動パフォーマンスが向上した。実施例の中でも、実施例6に比べて、実施例4、5の水着を着用した方が、タイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
また、現行品2を基準とし、比較例2および実施例4〜6における、下記表6に示す項目について女子大学水泳部員6名にアンケートをとった。各項目に対する評価が悪い場合を1とし、同等の場合を3とし、よい場合を5とし、1〜5の間の数値(0.5間隔)で評価の度合を示した。下記表6には、女子大学水泳部員6名の評価結果の平均を示した。
上記表6の結果から、本発明の実施例4〜6の水着を着用すると、脚の動きやすさを確保しつつ、現行品2および比較例2より、体幹の安定度、下半身の浮き感に優れていることが分かった。実施例の中でも、実施例6に比べて、実施例4、5の水着を着用した方が、体幹の安定度、下半身の浮き感に優れていることが分かった。実施例4〜6の水着の着用しやすさも現行品2とほぼ変わらなかった。実施例の中では、実施例5の方が着用のしやすさの点で、実施例4および6より劣っていた。
(実施例7)
前記の強緊締生地と弱緊締生地を用い、図3A〜3Cに示すようなスパッツ型競泳水着30(JASPO規格Mサイズ)を作製した。水着30において生地31および34に強緊締生地を、生地32および33に弱緊締生地を用い、それぞれをミシンで縫製した。図3A〜3Cに示しているように、生地(生地片)32と生地31および33との接合部(縫目)および生地(生地片)32と生地34との接合部(縫目)は、水泳中の水の流れに沿うように設けられていた。実施例7のスパッツ型競泳水着30において、ヒップ幅は323mm、前身頃強緊締生地の最大生地幅は162mmであった。実施例7のスパッツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、50.2%であった。なお、ヒップ幅および前身頃強緊締生地の最大生地幅は、いずれもパターン寸法である。
(実施例8)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が194mmになるようにした以外は、実施例7と同様にして、スパッツ型競泳水着を作製した。実施例8のスパッツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、60.1%であった。
(実施例9)
前身頃強緊締生地の最大生地幅が126mmになるようにした以外は、実施例7と同様にして、スパッツ型競泳水着を作製した。実施例9のスパッツ型競泳水着において、ヒップ幅に対する前身頃強緊締生地の最大生地幅の比率は、39.0%であった。
(比較例3)
強緊締生地を用いず、生地31、32および33、34のいずれにも弱緊締生地のみを用いて実施例7と同様にして、水着を作製した。
実施例7〜9の水着および現行品3の水着(ミズノ株式会社製の「KX」スパッツ型競泳水着)を、男子大学水泳部員3名に着用させ、SLD(飛び込んで12.5mのタイム)を測定した。その結果を下記表7に示した。
上記表7の結果から分かるように、現行品3の水着を着用した場合に比べて、実施例7〜9の水着を着用した方が、タイムが速く、運動パフォーマンスが向上した。実施例の中でも、実施例9に比べて、実施例7、8の水着を着用した方が、タイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
実施例7〜9および現行品3、比較例3の水着を男子大学水泳部員5名に着用させ、レース形式のタイムを測定した。その結果を下記表8に示した。
上記表8の結果からわかるように、実施例の水着を着用した方が、現行品3、比較例3よりも、各レース形式のタイムが速く、運動パフォーマンスが向上した。実施例の中でも、実施例9に比べて、実施例7、8の水着を着用した方が、タイムがより速く、運動パフォーマンスがより向上していた。
また、現行品3を基準とし、比較例3および実施例7〜9における、下記表9に示す項目について女子大学水泳部員6名にアンケートをとった。各項目に対する評価が悪い場合を1とし、同等の場合を3とし、よい場合を5とし、1〜5の間の数値(0.5間隔)で評価の度合を示した。下記表9には、女子大学水泳部員6名の評価結果の平均を示した。
上記表9の結果から、本発明の実施例7〜9の水着を着用すると、脚の動きやすさを確保しつつ、現行品3および比較例3より、体幹の安定度、下半身の浮き感に優れていることが分かった。実施例の中でも、実施例9に比べて、実施例7、8の水着を着用した方が、体幹の安定度、下半身の浮き感により優れていることが分かった。実施例7〜9の水着の着用しやすさも現行品3とほぼ変わらなかった。実施例の中では、実施例8の方が着用のしやすさの点で、実施例7および9より劣っていた。
本発明の水着は、とくに競泳用水着に好適である。
1、4 キック時に強緊締生地にかかる力
2、5 股関節内旋方向の力
3、6 股関節伸展方向の力
10、20、30 競泳水着
11、14、21、24、31、34 伸縮性生地(強緊締生地)
12、13、22、32、33 伸縮性生地(弱緊締生地)

Claims (8)

  1. 伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨周辺から乳頭部周辺を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲し、上前腸骨稜周辺、大転子周辺を経て大腿部外側を裾部へ至るように形成されていることを特徴とする競泳水着。
  2. 伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、鎖骨周辺から乳頭部周辺を通り、肋骨下端部に沿って外側へ湾曲するように形成されていることを特徴とする競泳水着。
  3. 伸縮性を有する生地からなる競泳水着であって、上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片を有し、該生地片が水泳中に水の流れに沿うように左右一対で形成されており、上前腸骨稜周辺、大転子周辺を経て大腿部外側を裾部へ至るように形成されていることを特徴とするスパッツ型競泳水着。
  4. 前記水着は、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地からなり、該水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に強緊締生地を、後身頃の全部、あるいは、少なくとも後身頃の身体幅方向の中心部分を含む腰部から臀部または腰部から大腿部後面部にかけて覆う部分に強緊締生地を、その他の部位に弱緊締生地を配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載の競泳水着。
  5. 前記上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片は、弱緊締生地である請求項1〜3のいずれか1項に記載の競泳水着。
  6. 前記上前腸骨稜上を含む両脇部分から体長方向に沿って水着の上端と下端に連続して延在する生地片と他の部材との接合線が水泳中に水の流れに沿うように設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の競泳水着。
  7. 前記水着は、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地からなり、該水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に配置された強緊締生地の最大幅が、該水着のヒップ幅に対して45〜55%である請求項1、3〜6のいずれか1項に記載の競泳水着。
  8. 前記水着は、少なくとも2種類以上の緊締力の異なる伸縮性を有する生地からなり、該水着前身頃の身体幅方向の中心部分を含む一部、少なくとも腹部から下腹部を覆う部分に配置された強緊締生地の最大幅が、該水着のヒップ幅に対して60〜70%である請求項2、4〜6のいずれか1項に記載の競泳水着。
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