JP6245023B2 - オーステナイト系耐熱鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱鋼に関し、さらに詳しくは、オーステナイト系耐熱鋼に関する。
石炭火力発電は、国内の電力供給に利用されている。石炭は石油と異なり、世界中で産出され、その価格も比較的安定している。そのため、石炭火力発電は今後も広く活用されると予想される。
しかしながら、他の発電システムと比較して、石炭火力発電では、単位発電量当たりのCO2排出量が高い。そのため、石炭火力発電では、発電効率を高めてCO2排出量を抑制することが要求されている。
発電効率を高めるには、発電に用いられる蒸気の温度及び圧力を高める必要がある。現在の発電では、蒸気温度が600℃程度、圧力が25MPa程度であり、発電効率が42%程度である。そこで、蒸気温度を700℃以上まで高めて発電効率を46〜48%まで高めた石炭火力発電プラントの開発が進められている。
蒸気温度の高温化に伴い、発電プラントの過熱器官及び蒸気配管といったボイラ部材に利用される鋼材には高いクリープ強度が求められている。従来の過熱器官では、SUS304H、SUS316H、SUS347H等のオーステナイト系耐熱鋼が利用されている。しかしながら、蒸気温度が700℃以上となる環境において、これらのオーステナイト系耐熱鋼のクリープ強度は低い。したがって、上述の高温環境においても、優れたクリープ強度を有する耐熱鋼が求められている。
高温環境においても優れたクリープ強度を有する耐熱鋼が、特開2004−3000号公報(特許文献1)、国際公開第2009/154161号(特許文献2)及び国際公開第2010/038826号(特許文献3)、特開2011−195880号公報(特許文献4)及び特開2012−46796号公報(特許文献5)に提案されている。
特許文献1に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:20%以上28%未満、Ni:35%を超え50%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜1%、sol.Al:0.0005〜0.04%、およびB:0.0005〜0.01%を含み、残部はFeおよび不純物からなる。そして、不純物としてのPが0.04%以下、Sが0.010%以下、Moが0.5%未満、Nが0.02%未満、O(酸素)が0.005%以下である。
特許文献2に開示されたオーステナイト系耐熱合金は、質量%で、C:0.02%を超えて0.15%以下、Si:2%以下、Mn:3%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:28〜38%、Ni:40%を超えて60%以下、W:3%を超えて15%以下、Ti:0.05〜1.0%、Zr:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.3%を含有し、かつ、N:0.02%以下、Mo:0.5%未満であり、残部がFeおよび不純物からなり、さらに、P≦3/{200(Ti+8.5×Zr)}、1.35×Cr≦Ni≦1.85×Cr、及びAl≧1.5×Zrを満たす。
特許文献3に開示されたNi基耐熱合金は、質量%で、C:0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:15%以上28%未満、Fe:15%以下、W:5%を超えて20%以下、Al:0.5%を超えて2%以下、Ti:0.5%を超えて2%以下、Nd:0.001〜0.1%、B:0.0005〜0.01%を含み、残部がNiおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、Pb、Sb、ZnおよびAsがそれぞれ、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Sn:0.020%以下、Pb:0.010%以下、Sb:0.005%以下、Zn:0.005%以下、As:0.005%以下であり、さらに、0.015≦Nd+13.4×B≦0.13、Sn+Pb≦0.025、及び、Sb+Zn+As≦0.010を満たす。
特許文献4に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、Cr:17〜19%、Ni:30〜32%、Nb:3.0〜3.6%を含有し、残部はFe及び不純物からなる。
特許文献5に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、Cr:15〜25%、Ni:20〜40%、及び、Nb:2.3〜5.0%を含有し、かつ、Zr:0.001〜0.50%、及び/又は、Nd:0.001〜0.30%を含有し、残部はFe及び不純物からなる。
特開2004−3000号公報 国際公開第2009/154161号 国際公開第2010/038826号 特開2011−195880号公報 特開2012−46796号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された鋼では、700℃以上の高温環境において、クリープ強度及び靭性が低くなる場合があり得る。特許文献3に開示されたNi基耐熱合金は高強度である。しかしながら、Ni含有量が高いため、製造コストも高くなる。特許文献4及び5のオーステナイト系ステンレス鋼では、700℃以上の高温環境において、クリープ強度及び靭性が低くなる場合があり得る。
本発明の目的は、700℃以上の高温環境において優れたクリープ強度及び靭性を有するオーステナイト系耐熱鋼を提供することである。
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、質量%で、C:0.02%未満、Si:0.005〜2.0%、Mn:2%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:14〜24%、Ni:25〜35%未満、Zr:0.005〜0.3%、Hf:0〜0.2%、B:0.0004〜0.01%、Cu:0.1〜5.0%、Al:0.005〜0.3%、N:0.02%以下、及び、O:0.01%以下を含有し、さらに、Ti:2.5%以下、V:2.5%以下、及び、Ta:2.0%以下からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)〜式(3)を満たす。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
上記オーステナイト系耐熱鋼はさらに、Feの一部に代えて、第1群〜第4群から選択された1種又は2種以上を含有してもよい。
第1群:Co:5%以下、
第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
第4群:Re:3%以下。
本実施形態によるオーステナイト系耐熱鋼は、700℃以上の高温環境においても優れたクリープ強度及び靭性を有する。
本発明者らは、700℃以上の高温環境でのオーステナイト系耐熱鋼のクリープ強度及び靭性について調査及び検討を行い、次の知見を得た。
(A)700℃以上の高温環境において、炭化物で強化する場合よりも、金属間化合物で強化した方がクリープ強度が高くなる。上記高温環境では、炭化物は熱的に不安定になるのに対して、金属間化合物は熱的に安定しているためである。
(B)Ti、V、Nb及びTaからなる群から選択される1種又は2種以上が鋼に含有された場合、Fe2M、Ni3M(Mは、Ti、V、Nb、Ta)の金属間化合物が粒界及び粒内に析出する。この場合、高いクリープ強度が得られる。しかしながら、Nbは、オーステナイト系耐熱鋼の熱間加工性及び靭性を低下する。そのため、クリープ強度を高めるために、Ti、V及びTaからなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
(C)Ti、V及びTaからなる群から選択される1種又は2種以上を含有する耐熱鋼に、Zr及び/又はHfを含有すれば、クリープ強度がさらに高まる。Zr及びHfがTi、V及びTaにより形成される金属間化合物に固溶して、金属間化合物を熱力学的に安定化するためと考えられる。具体的には、式(1)を満たすZr及び/又はHfが含有されれば、700℃以上の高温環境において、クリープ強度が高まる。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
(D)上記耐熱鋼にBを含有すればさらに、クリープ強度が高まる。Bは粒界に偏析し、粒界における金属間化合物の析出を促進するためと考えられる。耐熱鋼にBが含有されれば、粒界強度が高まり、クリープ強度が高まる。
(E)Zr、Hf及びBが酸化物又は窒化物を形成すれば、上記効果が得られない。Zr、Hf及びBは、金属間化合物に固溶することで、上記効果が発生すると考えられる。そのため、Zr、Hf及びBの酸化及び窒化を抑制する方が好ましい。そこで、Al及びSiを含有して、Al及びSiに酸素及び窒素を固定させ、Zr、Hf及びBの酸化及び窒化を抑制する。具体的には、Al含有量及びSi含有量が式(2)を満たせば、Zr、Hf及びBがクリープ強度の向上に寄与する。
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
(F)Ti、V及びTa含有量に対して、Zr、Hf及びB含有量が過剰に高かったり、低かったりすれば、金属間化合物を適切に安定化できず、耐熱鋼の靭性も低下する。Ti、V及びTa含有量と、Zr、Hf及びB含有量とが式(3)を満たせば、高い靭性及び高いクリープ強度が得られる。
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量が代入される。
(G)さらに、耐熱鋼にCuを含有すれば、鋼中でCu相が析出する。この場合、金属間化合物の析出強化だけでなく、Cu相の析出強化も利用でき、クリープ強度がさらに高まる。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、質量%で、C:0.02%未満、Si:0.005〜2.0%、Mn:2%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:14〜24%、Ni:25〜35%未満、Zr:0.005〜0.3%、Hf:0〜0.2%、B:0.0004〜0.01%、Cu:0.1〜5.0%、Al:0.005〜0.3%、N:0.02%以下、及び、O:0.01%以下を含有し、さらに、Ti:2.5%以下、V:2.5%以下、及び、Ta:2.0%以下からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)〜式(3)を満たす。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
上記オーステナイト系耐熱鋼はさらに、Feの一部に代えて、第1群〜第4群から選択された1種又は2種以上を含有してもよい。
第1群:Co:5%以下、
第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
第4群:Re:3%以下。
以下、本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼について詳述する。
[化学組成]
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、次の化学組成を有する。
C:0.02%未満
炭素(C)は、不可避的に含有される。Cは、従前のオーステナイト系耐熱鋼では、炭化物を形成してクリープ強度を高めるために利用される。しかしながら、本実施形態では、炭化物に代えて、金属間化合物によりクリープ強度を高める。C含有量が高すぎれば、金属間化合物の析出量が減少し、クリープ強度が低下する。C含有量が高すぎればさらに、炭化物が過剰に析出して鋼の靭性を低下する。したがって、C含有量は0.02%未満である。C含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。C含有量の好ましい上限は0.015%であり、さらに好ましくは0.012%である。
Si:0.005〜2.0%
シリコン(Si)は鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の耐酸化性及び耐水蒸気酸化性を高める。Siはさらに、酸素(O)と優先的に結合して酸化物を形成し、Zr、Hf及びBが酸化するのを抑制する。Si含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は0.005〜2.0%である。Si含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.03%である。Si含有量の好ましい上限は2.0%未満であり、さらに好ましくは1.0%であり、さらに好ましくは0.5%である。
Mn:2%以下
マンガン(Mn)は不可避的に含有される。Mnは鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の熱間加工性を高める。しかしながら、Mn含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、Mn含有量は2%以下である。Mn含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.2%である。Mn含有量の好ましい上限は2%未満であり、さらに好ましくは1.5%であり、さらに好ましくは1.3%である。
Cr:14〜24%
クロム(Cr)は、鋼の耐酸化性、耐水蒸気酸化性及び耐食性を高める。700℃以上の高温環境において、Crは、鋼の表面近傍にクロミア(Cr23)皮膜を形成する。これにより、高い耐酸化性、耐水蒸気酸化性及び耐食性が得られる。Cr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、クリープ強度が低下する。Cr含有量が高すぎればさらに、オーステナイト組織を安定化するため、Ni含有量を増加しなければならず、製造コストが高くなる。Cr含有量が高すぎればさらに、鋼の溶接性も低下する。したがって、Cr含有量は14〜24%である。Cr含有量の好ましい下限は14%よりも高く、さらに好ましくは16%であり、さらに好ましくは17%である。Cr含有量の好ましい上限は24%未満であり、さらに好ましくは23%であり、さらに好ましくは22%である。
Ni:25〜35%未満
ニッケル(Ni)は、オーステナイト組織を安定化する。Niはさらに、鋼の耐食性を高める。Ni含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、製造コストが高くなる。Ni含有量が高すぎればさらに、クリープ強度が低下する。したがって、Ni含有量は25〜35%未満である。Ni含有量の好ましい下限は25%よりも高く、さらに好ましくは26%であり、さらに好ましくは27%である。Ni含有量の好ましい上限は33%であり、さらに好ましくは32%である。
P:0.04%以下
燐(P)は不純物である。Pは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、P含有量は0.04%以下である。好ましいP含有量は0.03%以下である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
S:0.01%以下
硫黄(S)は不純物である。Sは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、S含有量は0.01%以下である。好ましいS含有量は0.008%以下である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
Al:0.005〜0.3%
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、酸素(O)及び窒素(N)と優先的に結合して酸化物及び窒化物を形成し、O及びNを固定する。これにより、Zr、Hf及びBが酸化及び窒化するのが抑制され、クリープ強度が高まる。Al含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、組織安定性が低下する。したがって、Al含有量は0.005〜0.3%である。Al含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.01%である。Al含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。本実施形態におけるAl含有量はsol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
N:0.02%以下
窒素(N)は不純物である。Nは、Zr、Hf及びBと結合して窒化物を形成する。この場合、金属間化合物に固溶するZr、Hf及びB量が低下するため、クリープ強度が低下する。したがって、N含有量は0.02%以下である。好ましいN含有量が0.015%以下であり、さらに好ましくは、0.01%以下である。
O:0.01%以下
酸素(O)は不純物である。Oは、鋼の熱間加工性及び靭性を低下する。Oはさらに、Zr、Hf及びBと酸化物を形成する。この場合、金属間化合物に固溶するZr、Hf及びB量が低下するため、クリープ強度が低下する。したがって、O含有量は0.01%以下である。好ましいO含有量は0.008%以下であり、さらに好ましくは0.006%以下である。
Zr:0.005〜0.3%
ジルコニウム(Zr)は、金属間化合物に固溶して、金属間化合物を安定化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。Zr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Zr含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。Zr含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の靭性が低下する。したがって、Zr含有量は0.005〜0.3%である。Zr含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.01%である。Zr含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.1%であり、さらに好ましくは0.08%である。
Hf:0〜0.2%
ハフニウム(Hf)は含有されなくてもよい。含有される場合、HfはZrと同様に、金属間化合物に固溶して、金属間化合物を安定化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。一方、Hf含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Hf含有量は0〜0.2%である。Hf含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。Hf含有量の好ましい上限は0.2%未満であり、さらに好ましくは0.1%であり、さらに好ましくは0.08%である。
B:0.0004〜0.01%
ボロン(B)は、粒界に偏析して、粒界での金属間化合物の析出を促進する。Bの金属間化合物促進のメカニズムは必ずしも明らかでないが、Bが金属間化合物中に固溶することで金属間化合物を安定化させていると考えられる。これにより、鋼のクリープ強度が高まる。B含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、B含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、B含有量は、0.0004〜0.01%である。B含有量の好ましい下限は0.0004%よりも高く、さらに好ましくは0.0006%であり、さらに好ましくは0.0008%である。B含有量の好ましい上限は0.01%未満であり、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.006%である。
Cu:0.1〜5.0%
銅(Cu)はオーステナイト相中にCu富化相として析出し、鋼を析出強化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。Cu含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Cu含有量が高すぎれば、鋼の延性が低下し、加工性も低下する。Cu含有量が高すぎればさらに、鋼の靭性も低下する。したがって、Cu含有量は0.1〜5.0%である。Cu含有量の好ましい下限は0.1%よりも高く、さらに好ましくは0.5%であり、さらに好ましくは1.0%である。Cu含有量の好ましい上限は5.0%未満であり、さらに好ましくは4.0%であり、さらに好ましくは3.5%である。
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼はさらに、Ti、V及びTaからなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
Ti:2.5%以下
チタン(Ti)は、析出強化相となる金属間化合物を形成し、結晶粒界及び粒界を析出強化する。これにより、鋼のクリープ強度が高まる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。Ti含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は2.5%以下である。Ti含有量の好ましい下限は0.2%であり、さらに好ましくは0.4%である。Ti含有量の好ましい上限は2.5%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
V:2.5%以下
バナジウム(V)は、Tiと同様に金属間化合物を形成し、鋼のクリープ強度を高める。しかしながら、V含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。V含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、V含有量は2.5%以下である。V含有量の好ましい下限は0.2%であり、さらに好ましくは0.4%である。V含有量の好ましい上限は2.5%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
Ta:2.0%以下
タンタル(Ta)は、Ti及びVと同様に金属間化合物を形成し、鋼のクリープ強度を高める。しかしながら、Ta含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。Ta含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、Ta含有量は2.0%以下である。Ta含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.2%である。Ta含有量の好ましい上限は2.0%未満であり、さらに好ましくは1.5%である。
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼の残部は、Fe及び不純物である。ここで、不純物とは、鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入されるものである。
本実施形態によるオーステナイト系耐熱鋼はさらに、Feの一部に代えて、次の第1群〜第4群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素は任意元素である。
[第1群]
Co:5%以下
コバルト(Co)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、CoはNiと同様に、オーステナイト組織を安定化し、クリープ強度を高める。しかしながら、Co含有量が高すぎれば、製造コストが高くなる。したがって、Co含有量は5%以下である。Co含有量の好ましい下限は0.5%である。
[第2群]
W及びMoはいずれも、固溶強化により鋼のクリープ強度を高める。
W:7.0%以下
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Wは母相であるオーステナイトに固溶して、鋼の固溶強化によりクリープ強度を高める。Wはさらに、金属間化合物に固溶して、クリープ強度を高める。しかしながら、W含有量が高すぎれば金属間化合物が過剰に析出して、高温延性及び熱間加工性が低下する。したがって、W含有量は7.0%以下である。W含有量の好ましい下限は、1.0%である。W含有量の好ましい上限は7.0%未満であり、さらに好ましくは5.0%である。
Mo:3.0%以下
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、MoはWと同様に、母相であるオーステナイトに固溶して、固溶強化によりクリープ強度を高める。Moはさらに、金属間化合物に固溶して、クリープ強度を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば金属間化合物が過剰に析出して、鋼の靭性が低下する。したがって、Mo含有量は3.0%以下である。Mo含有量の好ましい下限は、0.5%である。Mo含有量の好ましい上限は3.0%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
[第3群]
Ca、Mg及び希土類元素(REM)はいずれも、Sを硫化物として固定して、鋼の熱間加工性を高める。
Ca:0.05%以下
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、CaはSと結合して硫化物を形成する。これにより、鋼の熱間加工性が高まる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、鋼の靭性、延性及び清浄度が低下する。したがって、Ca含有量は0.05%以下である。Ca含有量の好ましい下限は0.0005%である。Ca含有量の好ましい上限は0.05%未満であり、さらに好ましくは0.01%である。
Mg:0.05%以下
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を高める。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、鋼の靭性、延性及び清浄度が低下する。したがって、Mg含有量は0.05%以下である。Mg含有量の好ましい下限は0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.05%未満であり、さらに好ましくは0.01%である。
希土類元素(REM):0.2%以下
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を高める。REMはさらに、酸化物を形成して、耐食性、クリープ強度及びクリープ延性を高める。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、酸化物等の介在物が過剰に多くなり、鋼の熱間加工性及び溶接性が低下する。REM含有量が高すぎればさらに、製造コストが高くなる。したがって、REM含有量は0.2%以下である。REM含有量の好ましい下限は0.0005%である。REM含有量の好ましい上限は0.2%未満であり、さらに好ましくは0.1%である。
本実施形態において、REMとは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイドの合計17元素の総称である。本実施形態において、REM含有量とは、上述の17元素の1種又は2種以上の総含有量を意味する。REMは一般的にミッシュメタルに含有される。そのため、製造工程において、ミッシュメタルを含有することにより、REM含有量を上記範囲に調整してもよい。
[第4群]
Re:3%以下
レニウム(Re)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Reは固溶強化により鋼の高温強度及びクリープ強度を高める。しかしながら、Re含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性及び靭性が低下する。したがって、Re含有量は3%以下である。Re含有量の好ましい下限は0.1%である。Re含有量の好ましい上限は3%未満であり、さらに好ましくは2%である。
[式(1)〜式(3)について]
上述のオーステナイト系耐熱鋼の化学組成はさらに、式(1)〜式(3)を満たす。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
[式(1)について]
F1=Zr+Hf/2と定義する。F1が低すぎれば、金属間化合物に固溶するZr及びHfの量が少なすぎる。そのため、金属間化合物が熱的に安定しにくく、クリープ強度が低下する。一方、F1が高すぎれば、鋼の熱間加工性、溶接性、及び、長時間時効後の靭性が低下する。F1が0.008〜0.35であれば、Zr及びHfにより金属間化合物が安定化し、クリープ強度が高まる。
F1の好ましい下限は0.008よりも高く、さらに好ましくは0.01である。F1の好ましい上限は0.35未満であり、さらに好ましくは0.1である。
[式(2)について]
F2=(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}と定義する。F2が低すぎれば、B、Zr及びHf含有量に対して、Al及びSi含有量が低すぎる。この場合、Al及びSiにより固定しきれないO及びNがB、Zr及びHfと結合し、酸化物及び窒化物を形成する。その結果、金属間化合物に固溶するB、Zr及びHf量が低くなりすぎ、クリープ強度が低下する。一方、F2が高すぎれば、Al含有量及びSi含有量が高すぎるため、組織安定性が低下し、クリープ強度が低下する。F2が0.5〜13.5であれば、B、Zr及びHf含有量に対するAl及びSi含有量が適切である。そのため、B、Zr及びHfが酸化物及び窒化物を形成するのが抑制され、B、Zr及びHfが金属間化合物に十分に固溶する。そのため、クリープ強度が高まる。
F2の好ましい下限は0.5よりも高く、さらに好ましくは0.8である。F2の好ましい上限は13.5未満であり、さらに好ましくは12.5である。
[式(3)について]
F3=100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)と定義する。F3が低すぎれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して低すぎる。この場合、金属間化合物に固溶するB、Zr及びHfが不足するため、クリープ強度が低下する。一方、F3が高すぎれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して高すぎる。この場合、鋼の熱間加工性、溶接性及び長時間時効後の靭性が低下する。F3が0.5〜6.5であれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して適切である。そのため、金属間化合物にB、Zr及びHfが十分固溶し、金属間化合物が安定化する。そのため、クリープ強度が高まる。
F3の好ましい下限は0.5よりも高く、さらに好ましくは0.55である。F3の好ましい上限は6.5未満であり、さらに好ましくは5.5である。
[製造方法]
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼の製造方法について説明する。
上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼に対して、必要に応じて周知の脱ガス処理を実施する。
次に、溶鋼を連続鋳造法により連続鋳造材にする。連続鋳造材はたとえば、スラブ、ブルーム、ビレット等である。溶鋼を造塊法によりインゴットにしてもよい。連続鋳造材又はインゴットを周知の方法により熱間加工して、オーステナイト系耐熱鋼材にする。オーステナイト系耐熱鋼材はたとえば、鋼管、鋼板、棒鋼、線材、鍛鋼等である。オーステナイト系耐熱鋼管はたとえば、ユジーン・セジュルネ法による熱間押出加工により製造される。
製造されたオーステナイト系耐熱鋼材に対して溶体化処理を実施する。溶体化処理は周知の方法により実施される。溶体化処理の温度(溶体化温度)はたとえば、1000〜1300℃である。溶体化処理の時間はたとえば、0.1時間〜2時間である。溶体化処理されたオーステナイト系耐熱鋼材に対して、周知の時効処理を実施してもよい。以上の工程により、本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼が製造される。
[試験方法]
表1及び表2に示す試験番号1〜25の化学組成を有する溶鋼を、高周波真空溶解炉を用いて製造した。表2は表1の続きである。
Figure 0006245023
Figure 0006245023
表2中のF1、F2及びF3は、上述で定義したF1、F2及びF3値が記載されている。
各試験番号の溶鋼を用いて、外径120mm、30kgのインゴットを製造した。インゴットを熱間鍛造して、中間品を製造した。中間品に対して熱間圧延及び冷間圧延を実施して、厚さ10.5mmのオーステナイト系耐熱鋼板を複数製造した。製造された耐熱鋼板に対して溶体化処理を実施した。溶体化温度は1200℃であり、溶体化処理時間は10分であった。溶体化処理後、鋼板を水冷した。
[クリープ破断試験]
溶体化処理後の各鋼板の厚さ方向中心部から、長手方向(圧延方向)に平行に、直径が6mmで標点距離が30mmの丸棒引張試験片を機械加工により作製した。作製された丸棒引張試験片を用いて、クリープ破断試験を実施した。具体的には、700〜800℃の大気中において、クリープ破断試験を実施し、破断強度を求めた。得られた破断強度を用いて、Larson−Millerパラメータ(LMP)法で回帰し、700℃、15000時間でのクリープ破断強度(MPa)を求めた。
[シャルピー衝撃試験]
長時間加熱後(時効処理後)の各試験番号の鋼の靱性を次の方法で調査した。上記溶体化処理が実施された各試験番号の鋼板に対して、時効処理を実施した。時効温度は700℃であり、時効温度での保持時間は10000時間であった。保持時間経過後、鋼板を水冷した。
時効処理後の各鋼板の厚さ方向中心部から、長手方向に平行に、JIS Z2242(2005)に記載の、幅5mm、高さ10mm、長さ55mmのVノッチ試験片を作製した。Vノッチ試験片を用いて、0℃において、JIS Z2242(2005)に基づくシャルピー衝撃試験を実施して、シャルピー衝撃値(J/cm2)を求めた。
[試験結果]
表3に試験結果を示す。
Figure 0006245023
表1〜表3を参照して、試験番号1〜12の化学組成は適切であり、式(1)〜式(3)を満たした。そのため、これらの試験番号の鋼板は、700℃、15000時間におけるクリープ破断強度は130MPa以上と高く、優れたクリープ強度を有した。さらに、これらの試験番号のシャルピー衝撃値は40J/cm2以上であり、優れた靱性を示した。
一方、試験番号13では、Zr含有量が高すぎた。そのため、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
試験番号14では、Zr含有量が低すぎ、F1値も低すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。
試験番号15では、F1値が高すぎた。そのため、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
試験番号16では、Ti含有量が高すぎた。試験番号17では、V含有量が高すぎた。試験番号18では、Ta含有量が高すぎた。そのため、これらの試験番号では、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
試験番号19では、F2値が低すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。
試験番号20では、F2値が高すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。
試験番号21では、F3値が低すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。
試験番号22では、F3値が高すぎた。そのため、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
試験番号23では、F2値及びF3値が高すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。さらに、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
試験番号24では、Cu含有量が低すぎた。そのため、クリープ破断強度が130MPa未満であり、クリープ強度が低かった。
試験番号25では、Cu含有量が高すぎた。そのため、シャルピー衝撃値が40J/cm2未満と低く、靱性が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.02%未満、
    Si:0.005〜2.0%、
    Mn:2%以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、
    Cr:14〜24%、
    Ni:25〜35%未満、
    Zr:0.005〜0.3%、
    Hf:0〜0.2%、
    B:0.0004〜0.01%、
    Cu:0.1〜5.0%、
    Al:0.005〜0.3%、
    N:0.02%以下、及び、
    O:0.01%以下を含有し、
    さらに、
    Ti:2.5%以下、
    V:2.5%以下、及び、
    Ta:2.0%以下からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
    式(1)〜式(3)を満たす、オーステナイト系耐熱鋼。
    0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
    0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
    0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
    ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  2. 請求項1に記載のオーステナイト系耐熱鋼であってさらに、
    前記Feの一部に代えて、第1群〜第4群から選択された1種又は2種以上を含有する、オーステナイト系耐熱鋼。
    第1群:Co:5%以下、
    第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
    第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
    第4群:Re:3%以下。
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