JP6245023B2 - オーステナイト系耐熱鋼 - Google Patents
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0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
第1群:Co:5%以下、
第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
第4群:Re:3%以下。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量が代入される。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
第1群:Co:5%以下、
第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
第4群:Re:3%以下。
以下、本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼について詳述する。
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼は、次の化学組成を有する。
炭素(C)は、不可避的に含有される。Cは、従前のオーステナイト系耐熱鋼では、炭化物を形成してクリープ強度を高めるために利用される。しかしながら、本実施形態では、炭化物に代えて、金属間化合物によりクリープ強度を高める。C含有量が高すぎれば、金属間化合物の析出量が減少し、クリープ強度が低下する。C含有量が高すぎればさらに、炭化物が過剰に析出して鋼の靭性を低下する。したがって、C含有量は0.02%未満である。C含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。C含有量の好ましい上限は0.015%であり、さらに好ましくは0.012%である。
シリコン(Si)は鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の耐酸化性及び耐水蒸気酸化性を高める。Siはさらに、酸素(O)と優先的に結合して酸化物を形成し、Zr、Hf及びBが酸化するのを抑制する。Si含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は0.005〜2.0%である。Si含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.03%である。Si含有量の好ましい上限は2.0%未満であり、さらに好ましくは1.0%であり、さらに好ましくは0.5%である。
マンガン(Mn)は不可避的に含有される。Mnは鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の熱間加工性を高める。しかしながら、Mn含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、Mn含有量は2%以下である。Mn含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.2%である。Mn含有量の好ましい上限は2%未満であり、さらに好ましくは1.5%であり、さらに好ましくは1.3%である。
クロム(Cr)は、鋼の耐酸化性、耐水蒸気酸化性及び耐食性を高める。700℃以上の高温環境において、Crは、鋼の表面近傍にクロミア(Cr2O3)皮膜を形成する。これにより、高い耐酸化性、耐水蒸気酸化性及び耐食性が得られる。Cr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、クリープ強度が低下する。Cr含有量が高すぎればさらに、オーステナイト組織を安定化するため、Ni含有量を増加しなければならず、製造コストが高くなる。Cr含有量が高すぎればさらに、鋼の溶接性も低下する。したがって、Cr含有量は14〜24%である。Cr含有量の好ましい下限は14%よりも高く、さらに好ましくは16%であり、さらに好ましくは17%である。Cr含有量の好ましい上限は24%未満であり、さらに好ましくは23%であり、さらに好ましくは22%である。
ニッケル(Ni)は、オーステナイト組織を安定化する。Niはさらに、鋼の耐食性を高める。Ni含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、製造コストが高くなる。Ni含有量が高すぎればさらに、クリープ強度が低下する。したがって、Ni含有量は25〜35%未満である。Ni含有量の好ましい下限は25%よりも高く、さらに好ましくは26%であり、さらに好ましくは27%である。Ni含有量の好ましい上限は33%であり、さらに好ましくは32%である。
燐(P)は不純物である。Pは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、P含有量は0.04%以下である。好ましいP含有量は0.03%以下である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
硫黄(S)は不純物である。Sは鋼の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、S含有量は0.01%以下である。好ましいS含有量は0.008%以下である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、酸素(O)及び窒素(N)と優先的に結合して酸化物及び窒化物を形成し、O及びNを固定する。これにより、Zr、Hf及びBが酸化及び窒化するのが抑制され、クリープ強度が高まる。Al含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、組織安定性が低下する。したがって、Al含有量は0.005〜0.3%である。Al含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.01%である。Al含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。本実施形態におけるAl含有量はsol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
窒素(N)は不純物である。Nは、Zr、Hf及びBと結合して窒化物を形成する。この場合、金属間化合物に固溶するZr、Hf及びB量が低下するため、クリープ強度が低下する。したがって、N含有量は0.02%以下である。好ましいN含有量が0.015%以下であり、さらに好ましくは、0.01%以下である。
酸素(O)は不純物である。Oは、鋼の熱間加工性及び靭性を低下する。Oはさらに、Zr、Hf及びBと酸化物を形成する。この場合、金属間化合物に固溶するZr、Hf及びB量が低下するため、クリープ強度が低下する。したがって、O含有量は0.01%以下である。好ましいO含有量は0.008%以下であり、さらに好ましくは0.006%以下である。
ジルコニウム(Zr)は、金属間化合物に固溶して、金属間化合物を安定化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。Zr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Zr含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。Zr含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の靭性が低下する。したがって、Zr含有量は0.005〜0.3%である。Zr含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.01%である。Zr含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.1%であり、さらに好ましくは0.08%である。
ハフニウム(Hf)は含有されなくてもよい。含有される場合、HfはZrと同様に、金属間化合物に固溶して、金属間化合物を安定化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。一方、Hf含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Hf含有量は0〜0.2%である。Hf含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。Hf含有量の好ましい上限は0.2%未満であり、さらに好ましくは0.1%であり、さらに好ましくは0.08%である。
ボロン(B)は、粒界に偏析して、粒界での金属間化合物の析出を促進する。Bの金属間化合物促進のメカニズムは必ずしも明らかでないが、Bが金属間化合物中に固溶することで金属間化合物を安定化させていると考えられる。これにより、鋼のクリープ強度が高まる。B含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、B含有量が高すぎれば、鋼の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、B含有量は、0.0004〜0.01%である。B含有量の好ましい下限は0.0004%よりも高く、さらに好ましくは0.0006%であり、さらに好ましくは0.0008%である。B含有量の好ましい上限は0.01%未満であり、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.006%である。
銅(Cu)はオーステナイト相中にCu富化相として析出し、鋼を析出強化する。そのため、鋼のクリープ強度が高まる。Cu含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Cu含有量が高すぎれば、鋼の延性が低下し、加工性も低下する。Cu含有量が高すぎればさらに、鋼の靭性も低下する。したがって、Cu含有量は0.1〜5.0%である。Cu含有量の好ましい下限は0.1%よりも高く、さらに好ましくは0.5%であり、さらに好ましくは1.0%である。Cu含有量の好ましい上限は5.0%未満であり、さらに好ましくは4.0%であり、さらに好ましくは3.5%である。
チタン(Ti)は、析出強化相となる金属間化合物を形成し、結晶粒界及び粒界を析出強化する。これにより、鋼のクリープ強度が高まる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。Ti含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は2.5%以下である。Ti含有量の好ましい下限は0.2%であり、さらに好ましくは0.4%である。Ti含有量の好ましい上限は2.5%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
バナジウム(V)は、Tiと同様に金属間化合物を形成し、鋼のクリープ強度を高める。しかしながら、V含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。V含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、V含有量は2.5%以下である。V含有量の好ましい下限は0.2%であり、さらに好ましくは0.4%である。V含有量の好ましい上限は2.5%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
タンタル(Ta)は、Ti及びVと同様に金属間化合物を形成し、鋼のクリープ強度を高める。しかしながら、Ta含有量が高すぎれば、鋼中の金属間化合物の体積率が過剰に高くなり、高温延性及び熱間加工性が低下する。Ta含有量が高すぎればさらに、長時間時効後の鋼の靭性が低下する。したがって、Ta含有量は2.0%以下である。Ta含有量の好ましい下限は0.1%であり、さらに好ましくは0.2%である。Ta含有量の好ましい上限は2.0%未満であり、さらに好ましくは1.5%である。
Co:5%以下
コバルト(Co)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、CoはNiと同様に、オーステナイト組織を安定化し、クリープ強度を高める。しかしながら、Co含有量が高すぎれば、製造コストが高くなる。したがって、Co含有量は5%以下である。Co含有量の好ましい下限は0.5%である。
W及びMoはいずれも、固溶強化により鋼のクリープ強度を高める。
W:7.0%以下
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Wは母相であるオーステナイトに固溶して、鋼の固溶強化によりクリープ強度を高める。Wはさらに、金属間化合物に固溶して、クリープ強度を高める。しかしながら、W含有量が高すぎれば金属間化合物が過剰に析出して、高温延性及び熱間加工性が低下する。したがって、W含有量は7.0%以下である。W含有量の好ましい下限は、1.0%である。W含有量の好ましい上限は7.0%未満であり、さらに好ましくは5.0%である。
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、MoはWと同様に、母相であるオーステナイトに固溶して、固溶強化によりクリープ強度を高める。Moはさらに、金属間化合物に固溶して、クリープ強度を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば金属間化合物が過剰に析出して、鋼の靭性が低下する。したがって、Mo含有量は3.0%以下である。Mo含有量の好ましい下限は、0.5%である。Mo含有量の好ましい上限は3.0%未満であり、さらに好ましくは2.0%である。
Ca、Mg及び希土類元素(REM)はいずれも、Sを硫化物として固定して、鋼の熱間加工性を高める。
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、CaはSと結合して硫化物を形成する。これにより、鋼の熱間加工性が高まる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、鋼の靭性、延性及び清浄度が低下する。したがって、Ca含有量は0.05%以下である。Ca含有量の好ましい下限は0.0005%である。Ca含有量の好ましい上限は0.05%未満であり、さらに好ましくは0.01%である。
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を高める。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、鋼の靭性、延性及び清浄度が低下する。したがって、Mg含有量は0.05%以下である。Mg含有量の好ましい下限は0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.05%未満であり、さらに好ましくは0.01%である。
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を高める。REMはさらに、酸化物を形成して、耐食性、クリープ強度及びクリープ延性を高める。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、酸化物等の介在物が過剰に多くなり、鋼の熱間加工性及び溶接性が低下する。REM含有量が高すぎればさらに、製造コストが高くなる。したがって、REM含有量は0.2%以下である。REM含有量の好ましい下限は0.0005%である。REM含有量の好ましい上限は0.2%未満であり、さらに好ましくは0.1%である。
Re:3%以下
レニウム(Re)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Reは固溶強化により鋼の高温強度及びクリープ強度を高める。しかしながら、Re含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性及び靭性が低下する。したがって、Re含有量は3%以下である。Re含有量の好ましい下限は0.1%である。Re含有量の好ましい上限は3%未満であり、さらに好ましくは2%である。
上述のオーステナイト系耐熱鋼の化学組成はさらに、式(1)〜式(3)を満たす。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F1=Zr+Hf/2と定義する。F1が低すぎれば、金属間化合物に固溶するZr及びHfの量が少なすぎる。そのため、金属間化合物が熱的に安定しにくく、クリープ強度が低下する。一方、F1が高すぎれば、鋼の熱間加工性、溶接性、及び、長時間時効後の靭性が低下する。F1が0.008〜0.35であれば、Zr及びHfにより金属間化合物が安定化し、クリープ強度が高まる。
F2=(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}と定義する。F2が低すぎれば、B、Zr及びHf含有量に対して、Al及びSi含有量が低すぎる。この場合、Al及びSiにより固定しきれないO及びNがB、Zr及びHfと結合し、酸化物及び窒化物を形成する。その結果、金属間化合物に固溶するB、Zr及びHf量が低くなりすぎ、クリープ強度が低下する。一方、F2が高すぎれば、Al含有量及びSi含有量が高すぎるため、組織安定性が低下し、クリープ強度が低下する。F2が0.5〜13.5であれば、B、Zr及びHf含有量に対するAl及びSi含有量が適切である。そのため、B、Zr及びHfが酸化物及び窒化物を形成するのが抑制され、B、Zr及びHfが金属間化合物に十分に固溶する。そのため、クリープ強度が高まる。
F3=100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)と定義する。F3が低すぎれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して低すぎる。この場合、金属間化合物に固溶するB、Zr及びHfが不足するため、クリープ強度が低下する。一方、F3が高すぎれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して高すぎる。この場合、鋼の熱間加工性、溶接性及び長時間時効後の靭性が低下する。F3が0.5〜6.5であれば、B、Zr及びHf含有量が、Ti、V及びTa含有量に対して適切である。そのため、金属間化合物にB、Zr及びHfが十分固溶し、金属間化合物が安定化する。そのため、クリープ強度が高まる。
本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼の製造方法について説明する。
表1及び表2に示す試験番号1〜25の化学組成を有する溶鋼を、高周波真空溶解炉を用いて製造した。表2は表1の続きである。
溶体化処理後の各鋼板の厚さ方向中心部から、長手方向(圧延方向)に平行に、直径が6mmで標点距離が30mmの丸棒引張試験片を機械加工により作製した。作製された丸棒引張試験片を用いて、クリープ破断試験を実施した。具体的には、700〜800℃の大気中において、クリープ破断試験を実施し、破断強度を求めた。得られた破断強度を用いて、Larson−Millerパラメータ(LMP)法で回帰し、700℃、15000時間でのクリープ破断強度(MPa)を求めた。
長時間加熱後(時効処理後)の各試験番号の鋼の靱性を次の方法で調査した。上記溶体化処理が実施された各試験番号の鋼板に対して、時効処理を実施した。時効温度は700℃であり、時効温度での保持時間は10000時間であった。保持時間経過後、鋼板を水冷した。
表3に試験結果を示す。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.02%未満、
Si:0.005〜2.0%、
Mn:2%以下、
P:0.04%以下、
S:0.01%以下、
Cr:14〜24%、
Ni:25〜35%未満、
Zr:0.005〜0.3%、
Hf:0〜0.2%、
B:0.0004〜0.01%、
Cu:0.1〜5.0%、
Al:0.005〜0.3%、
N:0.02%以下、及び、
O:0.01%以下を含有し、
さらに、
Ti:2.5%以下、
V:2.5%以下、及び、
Ta:2.0%以下からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)〜式(3)を満たす、オーステナイト系耐熱鋼。
0.008≦Zr+Hf/2≦0.35 (1)
0.5≦(3Al+3Si+15)/{1000×(10B×(2Zr+Hf/2)+0.001)}≦13.5 (2)
0.5≦100B×(Zr+Hf/2+12)/(2Ti+2V+Ta/2)≦6.5 (3)
ここで、式(1)〜(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載のオーステナイト系耐熱鋼であってさらに、
前記Feの一部に代えて、第1群〜第4群から選択された1種又は2種以上を含有する、オーステナイト系耐熱鋼。
第1群:Co:5%以下、
第2群:W:7.0%以下、Mo:3.0%以下、
第3群:Ca:0.05%以下、Mg:0.05%以下及び希土類元素(REM):0.2%以下、及び、
第4群:Re:3%以下。
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