JP5857894B2 - オーステナイト系耐熱合金 - Google Patents

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Description

本発明は、オーステナイト系耐熱合金に関する。詳しくは、本発明は、高温強度と耐食性とが求められる発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材、耐熱耐圧部材の板材、棒材、バルブ等として用いられる、鋳造ままでも高温強度に優れたオーステナイト系耐熱合金に関する。
従来、高温環境下で使用されるボイラ、化学プラント等においては、装置用材料としてSUS304H、SUS316H、SUS321H、SUS347H等のいわゆる「18−8系オーステナイトステンレス鋼」が使用されてきた。
しかしながら、近年、このような高温環境下における装置の使用条件が著しく過酷化し、それに伴って使用材料に対する要求性能が厳しくなり、従来用いられてきた上述の18−8系オーステナイトステンレス鋼では高温強度、特に、クリープ破断強度が著しく不足する状況となっている。そこで、適正量の各種元素を含有させることよって、クリープ破断強度を改善したオーステナイト系ステンレス鋼が開発されてきた。
一方、最近では、例えば火力発電用ボイラの分野で、従来は高々600℃程度であった蒸気温度を700℃以上に高める計画が推進されている。そして、この場合には、使用される部材の温度は700℃を遙かに超えてしまうため、上記の新たに開発されたオーステナイト系ステンレス鋼を用いても、クリープ破断強度と耐食性が不十分である。
一般に、耐食性を改善するためには、鋼中のCr含有量を高めることが有効である。しかしながら、Cr含有量を高めた場合には、例えば、25質量%程度のCrを含有するSUS310Sにみられるように、600〜800℃のクリープ破断強度は、18−8系ステンレス鋼よりもむしろ低くなってしまうし、σ相析出による靱性劣化も生じる。
そこで、特許文献1〜5に、CrおよびNiの含有量を高めるとともに、Mo、W、Ti等を含有させて、高温強度(クリープ破断強度)の向上を図った耐熱合金が開示されている。
また、特許文献6に、C:0.05〜0.30%、Cr:15〜35%、Ni:15〜50%、Mg:0.001〜0.02%等を含有し、オーステナイト結晶粒度番号が4以下である耐熱合金が開示されている
特開昭61−179833号公報 特開昭61−179834号公報 特開昭61−179835号公報 特開昭61−179836号公報 特開2004−3000号公報 特開平2−200756号公報
前述の特許文献1〜5で開示された耐熱合金はいずれも、鋳塊を鍛造等で熱間加工してから、または必要に応じてその後さらに冷間加工してから、熱処理を施して使用することを前提としたものである。このため、これらの耐熱合金を、形状、寸法、経済性の観点から鋳造材が求められる耐圧部材であるバルブ等に用いると、十分な高温強度が確保できないことがある。
特許文献6で開示された耐熱合金も、同様に鋳造ままで使用すれば、高温強度は全く不十分である。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、20%以上28%未満のCrを含有し、鋳造ままで十分な高温強度、特にクリープ破断強度を発現することができる高Crオーステナイト系耐熱合金を提供することを目的とする。
本発明者らは、耐食性確保のために、ベース成分として、質量%で、Crを20%以上28%未満、Niを40%を超えて60%以下で含有する種々の耐熱合金を用いて、鋳造ままで十分な高温強度、特にクリープ破断強度を発現することが可能な条件を調査した。その結果、下記(a)〜(f)の重要な知見を得た。
(a)Cを0.15%を超えて0.30%未満含有させることにより共晶炭化物が晶出し、クリープ破断強度が大幅に向上する。
(b)Bは、共晶炭化物中および母相中に存在して、共晶炭化物を安定化するとともに600〜800℃程度と想定される高温での使用中に母相中に二次析出する炭化物(M236)を微細分散化させて、クリープ破断強度を向上させる。ただし、Cの含有量に応じて適正量のBを含有させる、具体的には、B含有量が、
0.011×C≦B
を満たす必要がある。上記の条件を満たすことで、共晶炭化物が安定化し、さらに高温使用中に二次析出する炭化物が微細化して、クリープ破断強度が向上する。なお、上記の式中の元素記号はその元素の含有量(質量%)を表す。
(c)Wを4〜10%含有させることでFe2W型のLaves相やFe76型のμ相が析出し、クリープ破断強度が大幅に向上する
(d)従来、一般的には、MoとWは同等の作用をすると考えられてきた。しかしながら、4〜10%のW、20%以上28%未満のCr、40%を超えて60%以下のNiを含む合金において、Moが複合して含まれていると、長時間側でσ相が析出し、クリープ破断強度や延性、靱性が低下することがある。このため、上記の合金においては、Moの含有量を極力低くすることが望ましい。
(e)TiとNbを複合して含むことで高温使用中に二次析出する炭窒化物が微細化し、クリープ破断強度が一層向上する。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記に示すオーステナイト系耐熱合金にある。
(1)質量%で、C:0.15%を超えて0.30%未満、Si:2%以下、Mn:3%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:20%以上28%未満、Ni:40%を超えて60%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜1%、Nb:0.01〜2%で、かつTi+Nb:0.2〜2.5%、B:(0.011×C)%以上で0.01%以下、Mo:0.5%未満、Al:0.5%以下N:0.1%未満およびFe:10.0%以上を含有し、残部が不純物からなることを特徴とするオーステナイト系耐熱合金。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、Co:20%以下を含有することを特徴とする上記(1)に記載のオーステナイト系耐熱合金。
(3)Feの一部に代えて、質量%で、下記の第1グループから第3グループまでに示される元素から選択される1種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のオーステナイト系耐熱合金。
第1グループ:V:1.5%以下、Zr:0.1%以下およびHf:1%以下
第2グループ:Mg:0.05%以下、Ca:0.05%以下、Y:0.5%以下、La:0.5%以下、Ce:0.5%以下、Nd:0.5%以下およびSc:0.5%以下
第3グループ:Ta:8%以下およびRe:8%以下。
本発明のオーステナイト系耐熱合金は、鋳造ままでも十分な高温強度、特にクリープ破断強度を発現することができる合金である。このため、高温強度と耐食性とが求められる発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材、耐熱耐圧部材の板材、棒材、バルブ等として、なかでも、鋳造材が求められる耐圧部材であるバルブ等として好適に用いることができる。
本発明において、オーステナイト系耐熱合金の化学組成を限定する理由は次のとおりである。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.15%を超えて0.30%未満
Cは、共晶炭化物を形成して高温環境下で使用される際に必要となる引張強さおよびクリープ破断強度を向上させる、本発明において最も重要な元素である。共晶炭化物を晶出させて上記の効果を得るためには、0.15%を超える量のCを含有させる必要がある。しかし、Cを0.30%以上含有させると、共晶炭化物が過剰となり、延性、靱性などの機械的性質や溶接性を劣化させる。したがって、Cの含有量は0.15%超を超えて0.30%未満とした。Cの含有量は0.17%以上とすることが好ましく、0.20%を超えるようにすればさらに好ましい。また、Cの含有量は0.28%以下とすることが好ましい。
Si:2%以下
Siは、脱酸元素として添加され、また、耐酸化性、耐水蒸気酸化性等を高めるのに有効な元素である。さらに、Siは、鋳造材で湯流れを良好にする元素でもある。しかし、2%を超えてSiを含有させると、σ相等の金属間化合物相の生成を促進して、高温における組織安定性劣化に起因した靱性や延性の低下を生ずる。また、溶接性も低下する。よって、Siの含有量は2%以下とした。組織安定性を重視する場合のSiの含有量は1%以下にするのがよい。
なお、他の元素で十分脱酸作用が確保されている場合は、Siの含有量に特に下限を設ける必要はない。しかし、脱酸作用や耐酸化性、耐水蒸気酸化性等を重視する場合は、Siの含有量は0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすればより好ましい。
Mn:3%以下
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有するとともに、合金中に不純物として含有されるSを硫化物として固着して高温での延性を改善する。しかし、その含有量が3%を超えると、σ相等の金属間化合物相の析出を助長するので、組織安定性および高温強度などの機械的性質が劣化する。したがって、Mnの含有量は3%以下とした。Mnの含有量は2%以下とすることが好ましく、1.5%以下とすれば一層好ましい。
なお、Mnの含有量について特に下限を設ける必要はないが、高温での延性改善作用を重視する場合は、Mnの含有量は0.1%以上とすることが好ましく、0.2%以上とすればより好ましい。
P:0.03%以下
Pは、不純物として合金中に含まれ、溶接性や高温での延性を著しく低下させる。このため、Pの含有量を0.03%以下とした。Pの含有量は、極力低くすることがよく、好ましくは0.02%以下、さらに好ましくは0.015%以下である。
S:0.01%以下
Sは、Pと同様に合金中に不純物として含有され、溶接性や高温での延性を著しく低下させる。このため、Sの含有量を0.01%以下とした。高温での延性低下を抑止し、できるだけ良好な熱間加工性を確保したい場合は、Sの含有量は0.005%以下とすることが好ましく、0.003%以下とすればさらに好ましい。
Cr:20%以上28%未満
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性、耐高温腐食性などの耐食性改善に優れた作用を発揮し、さらに本発明においては高温強度を担う共晶炭化物を形成する重要な元素である。しかし、その含有量が20%未満ではこれら所望の効果が得られない。一方、Crの含有量が28%以上になると、σ相の析出などによる組織の不安定化を招き、溶接性も劣化する。よって、Crの含有量は20%以上28%未満とした。Crの含有量は21%以上とすることが望ましく、22%以上とすればさらに望ましい。また、Crの含有量は26%以下とすることが望ましく、25%以下とすればさらに望ましい。
Ni:40%を超えて60%以下
Niは、オーステナイト組織を安定にする元素であり、耐食性の確保にも重要な元素である。20%以上28%未満というCrを含む本発明のオーステナイト系耐熱合金において、上記の効果を得るには、40%を超えるNi含有量が必要である。一方、過剰なNiの含有は、コスト上昇を招き、かつクリープ破断強度の向上に寄与するLaves相の析出量も減少する。このため、上限を設けてNiの含有量を40%を超えて60%以下とした。Niの含有量は41%以上とすることが望ましく、42%以上とすればさらに望ましい。また、Niの含有量は58%以下とすることが望ましく、55%以下とすればさらに望ましい。
W:4〜10%
Wは、母相に固溶し固溶強化元素としてクリープ破断強度向上に寄与するとともに本発明では4%以上含有させることでFe2W型のLaves相やFe76型のμ相を析出させ析出強化によりクリープ破断強度を大幅に向上させる重要な元素である。しかし、Wを10%を超えて含有させても強度向上効果が飽和するとともに、組織安定性および高温での延性が劣化する。したがって、Wの含有量は4〜10%とした。Wの含有量は5%以上とすることが好ましく、6%を超えるようにすればさらに好ましい。また、Wの含有量は9.5%以下とすることが好ましく、9%以下とすればさらに好ましい。
Ti:0.01〜1%
Tiは、炭窒化物を形成しクリープ破断強度を向上させるため含有させる。さらに、TiをNbと複合して含むことでクリープ破断強度は一層向上する。しかし、Tiの含有量が0.01%未満では十分な効果が得られない。一方、1%を超えてTiを含有させると高温での延性や溶接性が低下する。よって、Tiの含有量は0.01〜1%とした。Tiの含有量は0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすればさらに好ましい。また、Tiの含有量は0.9%以下とすることが好ましく、0.8%以下とすればさらに好ましい。
なお、Tiの含有量は上記の範囲で、Nb含有量との和(Ti+Nb)が0.2〜2.5%も満たす必要がある。
Nb:0.01〜2%
Nbは、炭窒化物を形成しクリープ破断強度を向上させるため含有させる。さらに、NbをTiと複合して含むことでクリープ破断強度は一層向上する。しかし、Nbの含有量が0.01%未満では十分な効果が得られない。一方、2%を超えてNbを含有させると高温での延性や溶接性が低下する。よって、Nbの含有量は0.01〜2%とした。Nbの含有量は0.1%以上とすることが好ましい。また、Nbの含有量は1.8%以下とすることが好ましく、1.5%以下とすればさらに好ましい。
なお、Nbの含有量は上記の範囲で、Ti含有量との和が0.2〜2.5%も満たす必要がある。
Ti+Nb:0.2〜2.5%
上述した範囲のTiとNbを、それらの含有量の和(Ti+Nb)で0.2%以上含むことでクリープ破断強度が一層向上する。しかしながら、(Ti+Nb)で2.5%を超える量のTiとNbを複合して含有させると高温での延性や溶接性が低下する。したがって、TiとNbの含有量の和であるTi+Nbを0.2〜2.5%とした。
B:(0.011×C)%以上で0.01%以下
Bは、共晶炭化物中および母相中に存在して、共晶炭化物を安定化するとともに、高温使用中に母相中に二次析出する炭化物(M236)を微細分散化させて、クリープ破断強度を一層向上させる重要な元素である。しかしながら、Bの含有量がC含有量の0.011倍未満つまり、(0.011×C)%未満であれば、ほとんどのBが共晶炭化物中に存在するため、600〜800℃程度と想定される高温使用中に母相において二次析出する炭化物が微細化せず、クリープ破断強度が向上しない。一方、Bの含有量が0.01%を超えると、高温での延性が低下し融点も低下する。よって、Bの含有量は(0.011×C)%以上で0.01%以下とした。Bの含有量は0.008%以下とすることが好ましく、0.006%以下とすればさらに好ましい。
Mo:0.5%未満、
従来、Moは、Wと同様の作用を有する元素、つまり、母相に固溶し、固溶強化元素としてクリープ破断強度向上に寄与する元素と考えられてきた。しかし、本発明のオーステナイト系耐熱合金において、0.5%以上のMoを含有させると、長時間側でσ相が析出してクリープ破断強度や延性、靱性が大幅に低下することが判明した。そのため、Moの含有量は0.5%未満とした。Moの含有量は0.2%未満とすることが好ましく、少なければ少ないほどよい。
Al:0.5%以下
Alは、脱酸剤として含有させる元素である。しかし、その含有量が0.5%を超えると、高温での延性が劣化する。したがって、Alの含有量を0.5%以下とした。Alの含有量は0.3%以下とすることが好ましく、0.2%以下とすれば一層好ましい。
なお、Alの含有量について特に下限を設ける必要はないが、脱酸作用を重視する場合は、Alの含有量は0.01%以上とすることが好ましく、0.02%以上とすればより好ましい。
N:0.1%未満
Tiを必須の元素として含有する本発明のオーステナイト系耐熱合金においては、通常の溶解法では不可避的に含まれる元素であるNは、TiNの形成によるTiの消費を避けるために、その含有量は極力低減する必要がある。しかし、大気溶解の場合は極度に低減することは困難であるため、N含有量は0.1%未満とした。
本発明のオーステナイト系耐熱合金は、上述の各元素を含み、残部がFeおよび不純物からなるものである。
なお、「不純物」とは、オーステナイト系耐熱合金を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものを指す。
本発明のオーステナイト系耐熱合金には、上述のFeの一部に代えて、下記の量のCoを含有させてもよい。
Co:20%以下
Coは、Niと同様オーステナイト組織を安定にし、クリープ破断強度向上にも寄与する元素である。このため、Coを含有させてもよい。しかしながら、Coを20%を超えて含有させても上記の効果が飽和し、さらに経済性も低下する。このため、Coを含有させる場合には、その含有量を20%以下とする。Co含有量の上限は、望ましくは15%である。
一方、前記したCoの効果は、その含有量が0.05%以上の場合に安定して得られる。Co含有量の下限は、好ましくは0.5%である。
本発明のオーステナイト系耐熱合金には、さらに、Feの一部に代えて、V、Zr、Hf、Mg、Ca、Y、La、Ce、Nd、Sc、TaおよびReから選択される1種以上の元素を含有させてもよい。
すなわち、第1グループ中のV〜Hfはいずれも、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有し、また、第2グループ中のMg〜Ceはいずれも、高温延性を改善する作用を有する。さらに、第3グループ中のTaおよびReはいずれも、固溶強化によって高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、以下の範囲で含有させてもよい。
V:1.5%以下
Vは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。したがって、Vを含有させてもよい。しかしながら、Vの含有量が1.5%を超えると、耐高温腐食性が劣化し、また脆化相析出に起因して延性、靱性が劣化する。そのため、Vを含有させる場合には、その含有量を1.5%以下とする。V含有量の上限は、好ましくは1%である。
一方、前記したVの効果は、その含有量が0.02%以上の場合に安定して得られる。V含有量の下限は、好ましくは0.04%である。
Zr:0.1%以下
Zrは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。したがって、Zrを含有させてもよい。しかしながら、Zrの含有量が0.1%を超えると、高温での延性が低下する。そのため、Zrを含有させる場合には、その含有量を0.1%以下とする。Zr含有量の上限は、好ましくは0.06%であり、より好ましくは0.05%である。
一方、前記したZrの効果は、その含有量が0.005%以上の場合に安定して得られる。Zr含有量の下限は、好ましくは0.01%である。
Hf:1%以下
Hfは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。したがって、Hfを含有させてもよい。しかしながら、Hfの含有量が1%を超えると、加工性、溶接性を損なう。そのため、Hfを含有させる場合には、その含有量を1%以下とする。Hf含有量の上限は、好ましくは0.8%であり、より好ましくは0.5%である。
一方、前記したHfの効果は、その含有量が0.005%以上の場合に安定して得られる。Hf含有量の下限は、好ましくは0.01%であり、より好ましくは0.02%である。
上記のV、ZrおよびHfは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は、1.5%以下が望ましい。
Mg:0.05%以下
Mgは、高温での延性を阻害するSを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。このため、Mgを含有させてもよい。しかしながら、Mgの含有量が0.05%を超えると、清浄性が低下し、かえって高温延性が損なわれる。したがって、Mgを含有させる場合には、その含有量を0.05%以下とする。Mg含有量の上限は、好ましくは0.02%であり、より好ましくは0.01%である。
一方、前記したMgの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Mg含有量の下限は、好ましくは0.001%である。
Ca:0.05%以下
Caは、高温での延性を阻害するSを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。このため、Caを含有させてもよい。しかしながら、Caの含有量が0.05%を超えると、清浄性が低下し、かえって高温延性が損なわれる。したがって、Caを含有させる場合には、その含有量を0.05%以下とする。Ca含有量の上限は、好ましくは0.02%であり、より好ましくは0.01%である。
一方、前記したCaの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Ca含有量の下限は、好ましくは0.001%である。
Y:0.5%以下
Yは、Sを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。また、Yには、合金表面のCr23保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度やクリープ破断延性を向上させる作用もある。このため、Yを含有させてもよい。しかしながら、Yの含有量が0.5%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性や溶接性が損なわれる。したがって、Yを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Y含有量の上限は、好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.15%である。
一方、前記したYの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Y含有量の下限は、好ましくは0.001%であり、より好ましくは0.002%である。
La:0.5%以下
Laは、Sを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。また、Laには、合金表面のCr23保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度やクリープ破断延性を向上させる作用もある。このため、Laを含有させてもよい。しかしながら、Laの含有量が0.5%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性や溶接性が損なわれる。したがって、Laを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。La含有量の上限は、好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.15%である。
一方、前記したLaの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。La含有量の下限は、好ましくは0.001%であり、より好ましくは0.002%である。
Ce:0.5%以下
Ceも、Sを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。また、Ceには、合金表面のCr23保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度やクリープ破断延性を向上させる作用もある。このため、Ceを含有させてもよい。しかしながら、Ceの含有量が0.5%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性や溶接性が損なわれる。したがって、Ceを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Ce含有量の上限は、好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.15%である。
一方、前記したCeの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Ce含有量の下限は、好ましくは0.001%であり、より好ましくは0.002%である。
Nd:0.5%以下
Ndは、Sを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。また、Ndには、合金表面のCr23保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度やクリープ破断延性を向上させる作用もある。このため、Ndを含有させてもよい。しかしながら、Ndの含有量が0.5%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性や溶接性が損なわれる。したがって、Ndを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Nd含有量の上限は、好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.15%である。
一方、前記したNdの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Nd含有量の下限は、好ましくは0.001%であり、より好ましくは0.002%である。
Sc:0.5%以下
Scも、Sを硫化物として固着し、高温延性を改善する作用を有する。また、Scには、合金表面のCr23保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度やクリープ破断延性を向上させる作用もある。このため、Scを含有させてもよい。しかしながら、Scの含有量が0.5%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性や溶接性が損なわれる。したがって、Scを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Sc含有量の上限は、好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.15%である。
一方、前記したScの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。Sc含有量の下限は、好ましくは0.001%であり、より好ましくは0.002%である。
上記のMg、Ca、Y、La、Ce、NdおよびScは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は、0.7%以下が望ましい。
Ta:8%以下
Taは、固溶強化元素として、さらに、炭窒化物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、Taを含有させてもよい。しかしながら、Taの含有量が8%を超えると、加工性や機械的性質が損なわれる。したがって、Taを含有させる場合には、その含有量を8%以下とする。Ta含有量の上限は、好ましくは7%であり、より好ましくは6%である。
一方、前記したTaの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。Ta含有量の下限は、好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.5%である。
Re:8%以下
Reは、固溶強化元素として、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、Reを含有させてもよい。しかしながら、Reの含有量が8%を超えると、加工性や機械的性質が損なわれる。したがって、Reを含有させる場合には、その含有量を8%以下とする。Re含有量の上限は、好ましくは7%であり、より好ましくは6%である。
一方、前記したReの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。Re含有量の下限は、好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.5%である。
上記のTaおよびReは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は、12%以下が望ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有するオーステナイト系の合金1〜14およびA〜Fを高周波真空溶解炉を用いて溶製し、外径100mmの17kgインゴットとした。
表1中の合金1〜14は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある合金である。一方、合金A〜Fは、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の合金である。
Figure 0005857894
このようにして得たインゴットの直径方向の「D/4」部(「D」はインゴットの直径を表す。)から、長手方向に平行に、直径が6mmで標点距離が30mmの丸棒引張試験片を機械加工により作製し、クリープ破断試験を実施した。
すなわち、上記の試験片を用いて、700℃、750℃および800℃の大気中においてクリープ破断試験を実施し、得られた破断強度をラーソンミラーパラメータ法で回帰して、700℃、10000時間での破断強度を求めた。
表2に、上記のクリープ破断試験結果を示す。
Figure 0005857894
表2から、化学組成が本発明で規定する範囲内にある合金1〜14を用いた本発明例の試験番号1〜14の場合、インゴットの状態、すなわち鋳造ままでも良好なクリープ破断強度を有することが明らかである。
これに対して、化学組成が本発明で規定する条件から外れた合金A〜Fを用いた比較例の試験番号15〜20の場合、上記の試験番号1〜14の本発明例の場合と比べて、クリープ破断強度が低い。
すなわち、試験番号15の場合、合金AはCの含有量が本発明で規定する範囲外である点以外は、試験番号2で用いた合金2とほぼ同等の化学組成を有しているが、クリープ破断強度が低い。
同様に、試験番号16〜20の場合、合金BはBの含有量が本発明で規定する範囲外で少ない点以外は、合金CはWの含有量が本発明で規定する範囲外で少ない点以外は、合金DはMoの含有量が本発明で規定する範囲外で多い点以外は、合金EはNbを含有しない点以外は、また、合金FはTiを含有しない点以外は、いずれの合金も試験番号2で用いた合金2とほぼ同等の化学組成を有している。しかし、上記いずれの試験番号の場合も、クリープ破断強度が低い。
本発明のオーステナイト系耐熱合金は、鋳造ままでも十分な高温強度、特にクリープ破断強度を発現することができる合金である。このため、高温強度と耐食性とが求められる発電用ボイラ、化学工業用プラント等において管材、耐熱耐圧部材の板材、棒材、バルブ等として、なかでも、鋳造材が求められる耐圧部材であるバルブ等として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.15%を超えて0.30%未満、Si:2%以下、Mn:3%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:20%以上28%未満、Ni:40%を超えて60%以下、W:4〜10%、Ti:0.01〜1%、Nb:0.01〜2%で、かつTi+Nb:0.2〜2.5%、B:(0.011×C)%以上で0.01%以下、Mo:0.5%未満、Al:0.5%以下N:0.1%未満およびFe:10.0%以上を含有し、残部が不純物からなることを特徴とするオーステナイト系耐熱合金。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Co:20%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、下記の第1グループから第3グループまでに示される元素から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオーステナイト系耐熱合金。
    第1グループ:V:1.5%以下、Zr:0.1%以下およびHf:1%以下
    第2グループ:Mg:0.05%以下、Ca:0.05%以下、Y:0.5%以下、La:0.5%以下、Ce:0.5%以下、Nd:0.5%以下およびSc:0.5%以下
    第3グループ:Ta:8%以下およびRe:8%以下
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