以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前」「後」「左」「右」「上」「下」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、その注記された方向を指す。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
<テープ印字装置の概略構成>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態のテープ印字装置の概略構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のテープ印字装置1(印刷装置に相当)は、樹脂製の筐体2と、筐体2の背面部(後面部)全体を覆うように着脱可能に取り付けられる樹脂製の背面カバー3とを備える。筐体2は、前側筐体4と、後側筐体5とを備える。
前側筐体4の中央部表面には、文字等を入力するための文字キーや印刷を実行させるための印刷キー、電源をオン・オフするための電源キー等の各種のキー6(操作手段に相当)が配列されたキー配列部7が設けられている。また、前側筐体4の上側表面の中央部には、左右方向に横長の窓部8が穿設され、窓部8の中には、キー6を介して入力された文字等を表示する液晶ディスプレイ9が配設されている。また、筐体2の液晶ディスプレイ9の左側面部には、カッターレバー10が設けられている。操作者は、カッターレバー10を親指等により内側に押すことで、筐体2の上端部に形成されたテープ排出口11から排出される、後述のサーマルヘッド22による印字形成後の被印字テープ12(被印字媒体に相当。後述の図3参照)を、切断刃(図示せず)により切断させ、所望の印字が被印字テープ12に形成された印刷物としての印字ラベル(図示せず)とすることができる。なお、被印字テープ12は、文字等が印刷される受像層、貼り付け対象に貼り付けるための接着層、及び接着層の接着面を保護する剥離紙が積層されて構成されている。
また、筐体2の下側の左右幅寸法は、筐体2の上側の左右幅寸法よりも少し狭く形成され、後側筐体5の左右両側部には、グリップ部材13A,13Bが取り付けられている。グリップ部材13A,13Bの表面には、上下方向に沿って3本の突条14が形成されている。
また、テープ印字装置1には、上端部を被覆する第1保護部材と、第1保護部材とは別体に形成され下端部を被覆する第2保護部材とが取り付けられている。第1及び第2保護部材は、筐体2と背面カバー3との間で2つに分割されて構成されている。すなわち、筐体2には、第1保護部材15Aと第2保護部材16Aとが取り付けられ、背面カバー3には、第1保護部材15Bと第2保護部材16Bとが取り付けられている。これにより、操作者は、第1及び第2保護部材15A,15B,16A,16Bがテープ印字装置1に取り付けられた状態で、背面カバー3を後側筐体5に対し着脱することができる。
<筐体の内部構造>
次に、図3を参照しつつ、筐体2の内部構造について説明する。
図3に示すように、後側筐体5内の上側には、被印字テープ12を供給するテープカセット20が収納される、テープカセット20の外形とほぼ同じ略四角形状のカセット収納部21が設けられている。また、カセット収納部21の右端縁部近傍には、サーマルヘッド22(印字手段に相当)が取り付けられた薄板状のサーマルヘッド取付部23が、上下方向に沿うように略直角に立設されている。サーマルヘッド22は、後述のテープ搬送機構により搬送される被印字テープ12に対し所望の印字を形成する。また、サーマルヘッド22に対向するカセット収納部21の右側部に設けられた駆動部24には、被印字テープ12を搬送するテープ搬送機構(搬送手段に相当。図示せず)が設けられたプラテンホルダ(図示せず)が回動可能に設けられている。テープ搬送機構は、駆動モータ(図示せず)により駆動される。
背面カバー3が後側筐体5に取り付けられる際には、背面カバー3の内側面に設けられた突起部(図示せず)が駆動部24の係合孔25内に進入する。その際、プラテンホルダがサーマルヘッド22側に回動すると共に、テープカセット20内の被印字テープ12の一部がサーマルヘッド22に押し付けられる。この状態で、サーマルヘッド22により印字形成された被印字テープ12が、テープ搬送機構により搬送され、テープ排出口11から排出される。
また、後側筐体5内の下側には、電池38(後述の図4等参照)を6本並べて収納可能な電池収納部27が形成されている。なお、電池収納部27に収納される6本の電池38は直列に接続される。また、前側筐体4の内部には、制御基板部37(後述の図4等参照)が配設されている。
また、筐体2の下端部には、DCジャック33(受電端子に相当。前述の図1も参照)が設けられている。DCジャック33は、外部電源装置としてのACアダプタ34(後述の図4等参照)のDCプラグ34E(給電端子に相当)の接続口(差込口)である。テープ印字装置1は、DCジャック33に対しACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続されることで、ACアダプタ34を駆動電源として用いることが可能である。また、テープ印字装置1は、電池収納部27に電池38が収納されている場合には、DCジャック33に対しACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続されていないときに、電池38を駆動電源として用いることが可能である。すなわち、テープ印字装置1は、駆動電源としてACアダプタ34及び電池38の2種類からどちらか一方を選択的に使用可能な多電源方式である。
また、背面カバー3が後側筐体5に取り付けられる際には、背面カバー3の下端部に形成された第1差込部28が、後側筐体5の下端部に設けられた差込溝29に差し込まれた後、背面カバー3の上端部に形成された第2差込部30(前述の図2参照)が、後側筐体5の上端部に設けられた固定部に嵌合される。これにより、背面カバー3が後側筐体5に取り付けられる。操作者は、背面カバー3が後側筐体5から取り外された状態で、テープカセット20や電池38の交換を行うことができる。
また、背面カバー3の後側筐体5に収納されたテープカセット20に対向する部分には、確認窓32(前述の図2も参照)が設けられている。なお、上記保護部材15Bは、確認窓32を覆うことなく背面カバー3に取り付けられている。操作者は、カセット収納部21に収納されたテープカセット20の種類を、背面カバー3を後側筐体5から取り外すことなく、確認窓32を通して確認することができる。
<ACアダプタ及びテープ印字装置の電気的構成>
次に、図4及び図5を参照しつつ、本実施形態のACアダプタ34及びテープ印字装置1の電気的構成について説明する。なお、図4は、テープ印字装置1のDCジャック33に対しACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続されていない(以下適宜、単に「テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されていない」等という)状態に対応する。また、図5は、テープ印字装置1のDCジャック33に対しACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続されている(以下適宜、単に「テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されている」等という)状態に対応する。
図4及び図5に示すように、本実施形態のACアダプタ34は、ACコンセント(図示せず)側に接続されるACプラグ34Cと、ACプラグ34Cと接続された電圧変換部34Dと、電圧変換部34Dと接続された上記DCプラグ34Eとを有する。DCプラグ34Eは、上述のようにテープ印字装置1のDCジャック33に接続可能であり、正極側の第1端子34Aと、負極側の第2端子34Bとを有する。
また、本実施形態のテープ印字装置1は、上記DCジャック33と、上記電池収納部27と、バイパス電源回路46と、定電圧回路47と、電解コンデンサC101(蓄電手段に相当)と、逆流防止ダイオードD1と、プルアップ抵抗R1及び抵抗R2,R3と、ツェナーダイオードDzと、抵抗R101,R102と、上記制御基板部37と、スイッチ99と、供給スイッチ40と、負荷39とを有する。
DCジャック33には、上述のようにACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続可能である。DCジャック33は、DCプラグ34Eの第1端子34Aが接続されると共に正極側母線BPが接続された正極側の第1端子33Aと、DCプラグ34Eの第2端子34Bが接続されると共に負極側母線BNが接続された負極側の第2端子33Bとを有する。第1端子33Aは、正極側母線BPを介して負荷39の後述の負荷回路と接続されると共に、正極側母線BPを介して定電圧回路47及び電解コンデンサC101と接続されている。また、第1端子33Aには、テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されたときに第1端子33Aに対し開放されるブレーク接点33Cが設けられている。ブレーク接点33Cは、電池収納部27の正極側(電池収納部27に収納される電池38の正極側に対応する側)と接続されている。なお、第1端子33A及びブレーク接点33Cにより、切替機構33Dが構成されている。
すなわち、テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されないとき(図4の状態のとき)には、切替機構33Dは、ブレーク接点33Cが第1端子33Aに対し閉成された状態(以下適宜「閉成状態」という)となり、電池収納部27の正極側と定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが導通される。この結果、電池収納部27に電池38が収納されている場合には、電池38の正極側の電圧Vb(以下適宜「電池電圧Vb」という)が、ブレーク接点33C、第1端子33A、及び正極側母線BPを介して、定電圧回路47及び電解コンデンサC101に供給される。
そして、テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されたとき(図5の状態のとき)には、切替機構33Dは、ブレーク接点33Cが第1端子33Aに対し開放された状態(以下適宜「開放状態」という)となり、ACアダプタ34と定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが導通され、かつ電池収納部27の正極側と定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが非導通となる。この結果、電池収納部27に電池38が収納されているか否かに拘らず、ACアダプタ34の電圧変換部34Dの出力電圧Vad(電源電圧に相当。以下適宜「アダプタ電圧Vad」という)が、DCプラグ34Eの第1端子34A、DCジャック33の第1端子33A、及び正極側母線BPを介して、定電圧回路47及び電解コンデンサC101に供給される。
バイパス電源回路46は、電池収納部27の正極側と定電圧回路47との間に接続され、ツェナーダイオード43及びダイオード45が直列に接続されて構成されている。
定電圧回路47は、供給される正極側母線BPの電圧Vbp(供給電圧に相当)を所定の電圧値に安定化し、ロジック電圧Vccとして制御基板部37に供給する。この例では、ロジック電圧Vccは、3[V]となるように安定化されている。
電解コンデンサC101は、この例では有極性の電解コンデンサであり、正極側母線BPと回路の基準電位となる接地部位(GND)に接続された負極側母線BNとの間に接続され、上記電圧Vbpに対応する電荷を蓄積したり、蓄積した電荷を放出することで、電圧Vbpの脈動成分を平滑化する。
逆流防止ダイオードD1は、負極側母線BNに設けられ、アノード側が電池収納部27の負極側(電池収納部27に収納される電池38の負極側に対応する側)と接続され、カソード側がDCジャック33の第2端子33Bと接続されている。
プルアップ抵抗R1及び抵抗R2,R3は、直列に接続されている。プルアップ抵抗R1と抵抗R2との間の接続点52は、DCジャック33の第2端子33Bと接続されている。また、抵抗R3には、ツェナーダイオードDzが並列に接続されている。この例では、プルアップ抵抗R1及び抵抗R2,R3のそれぞれの抵抗値は、全て10[kΩ]に設定されている。この結果、上記接続点52の電圧V52は、DCジャック33の第2端子33B側の電圧を所定の割合(この例では1/2)に分圧した電圧となる。また、抵抗R2,R3間の接続点53の電圧V53は、上記電圧V52をさらに所定の割合(この例では1/2)に分圧した電圧となる。
抵抗R101,R102は、直列に接続されている。抵抗R101は、スイッチ99を介して正極側母線BPと接続され、抵抗R102は、負極側母線BNと接続されている。この例では、抵抗R101の抵抗値は40[kΩ]、抵抗R102の抵抗値は10[kΩ]に設定されている。この結果、スイッチ99が閉成した状態での抵抗R101,R102間の接続点98の電圧V98は、上記電圧Vbpを所定の割合(この例では1/5)に分圧した電圧となる。
制御基板部37は、上記液晶ディスプレイ9と、A/D入力部48と、ROM54と、RAM55と、CPU51とを備える。A/D入力部48は、上記接続点53,98にそれぞれ接続され、上記電圧V53,V98をそれぞれ測定し、測定結果をCPU51に出力する。ROM54には、テープ印字装置1を動作させる各種のプログラム及びデータ等が格納されている。RAM55は、CPU51の演算結果等を一時的に記憶する。CPU51は、RAM55の一時記憶機能を利用しつつROM54に予め記憶されたプログラムを実行し、テープ印字装置1全体の制御を行う。
なお、上記切替機構33D(第1端子33A及びブレーク接点33C)、定電圧回路47、及び制御基板部37の各要素(液晶ディスプレイ9、A/D入力部48、ROM54、RAM55、及びCPU51)が、各請求項記載の制御回路を構成し、そのうちの定電圧回路47が、入力部に相当する。
スイッチ99は、正極側母線BPと上記抵抗R101との間に接続されると共に、CPU51と接続されている。スイッチ99は、CPU51により、A/D入力部48による上記電圧V98の測定のときに閉成するようにオン制御され、それ以外のときには開放するようにオフ制御される。
供給スイッチ40は、正極側母線BPに設けられ、CPU51と接続されている。供給スイッチ40は、CPU51により、後述の印刷処理等のときに閉成するようにオン制御され、それ以外のときには開放するようにオフ制御される。
負荷39は、上記サーマルヘッド22、テープ搬送機構、駆動モータ等を含む複数の動作機構のうち、駆動電圧により作動する負荷回路を備える動作機構の総称である。例えば、負荷39としては、負荷回路としての複数の発熱素子(図示せず)を備えたサーマルヘッド22や、負荷回路としてのコイル(図示せず)を備えた駆動モータ等が挙げられる。負荷39の負荷回路には、後述の印刷処理等のときに、供給スイッチ40がオン制御されることで、駆動電圧が供給される一方、それ以外のときには、供給スイッチ40がオフ制御されることで、駆動電圧が供給されない。
<本実施形態の特徴>
上記基本構成において、本実施形態の特徴は、テープ印字装置1のDCジャック33に適正なACアダプタ34のDCプラグ34Eが接続されているにも拘らずエラー処理が行われるという不具合を回避する手法にある。以下、その詳細について説明する。なお、以下では、電池収納部27に電池38が収納されておらず、テープ印字装置1の駆動電源としてACアダプタ34が用いられる場合を例にとって説明する。
すなわち、操作者がテープ印字装置1のDCジャック33にACアダプタ34のDCプラグ34Eを接続して上記電源キーのオン操作(所定の操作に相当)を行うと、制御基板部37の各要素の制御動作を開始するウェイクアップ処理(開始処理に相当)が実行され、スリープ状態(スリープモード)の制御基板部37がアクティブ状態(アクティブモード)とされる。この例では、スリープ状態を、定電圧回路47からロジック電圧Vccが供給されず、全ての要素の制御動作が停止される状態とし、アクティブ状態を、定電圧回路47からロジック電圧Vccが供給され、各要素の制御動作が実行される状態とする。なお、スリープ状態及びアクティブ状態は、上記の状態に限られず、例えば、スリープ状態を、定電圧回路47からロジック電圧Vccが供給されるが、少なくとも一部の要素の制御動作が停止される状態としてもよい。
ここで、上記のようにテープ印字装置1のDCジャック33にACアダプタ34のDCプラグ34Eを接続する際に、操作者が誤って、テープ印字装置1の定格電圧(第1電圧に相当)を供給可能なACアダプタ34a(後述の図6参照。以下適宜「適正アダプタ34a」という)のDCプラグ34Eではなく、テープ印字装置1の定格電圧よりも高い電圧(第2電圧に相当)を供給可能なACアダプタ34b(後述の図7参照。以下適宜「高電圧アダプタ34b」という)のDCプラグ34Eを接続してしまう可能性がある。なお、適正アダプタ34aが、各請求項記載の第1外部電源装置及び第1ACアダプタに相当する。また、高電圧アダプタ34bが、各請求項記載の第2外部電源装置及び第2ACアダプタに相当する。
上記のような接続異常状態では、高電圧アダプタ34bのDCプラグ34Eからテープ印字装置1の定格電圧よりも高い電圧が供給されることとなり、テープ印字装置1の故障の原因となるおそれがある。
<接続異常状態の検出>
そこで本実施形態では、上記のようにして制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、A/D入力部48により測定される上記電圧V98の値を用いて、上記接続異常状態の検出が行われる。以下、その検出手法について説明する。
なお、以下では、テープ印字装置1の定格電圧が9[V]である場合を例にとって説明する。また、上述のように、この例では、抵抗R101の抵抗値は40[kΩ]、抵抗R102の抵抗値は10[kΩ]に設定されている。
(A)適正アダプタ装着
まず、図6を参照しつつ、テープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aが装着された場合について想定する。図6に示すように、テープ印字装置1に定格電圧(アダプタ電圧Vad)が9[V]の適正アダプタ34aが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記電圧Vbpの値は、9[V]となる。この結果、A/D入力部48により測定される上記電圧V98の値は、9[V]を1/5にした1.8[V]となる。
(B)高電圧アダプタ装着
次に、図7を参照しつつ、テープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bが装着された場合について想定する。図7に示すように、テープ印字装置1に定格電圧(アダプタ電圧Vad)が15[V]の高電圧アダプタ34bが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記電圧Vbpの値は、15[V]となる。この結果、A/D入力部48により測定される上記電圧V98の値は、15[V]を1/5にした3[V]となる。
ここで、本実施形態では、テープ印字装置1の定格電圧(この例では9[V])に対応して、上記電圧V98の値に関する所定の電圧しきい値(例えばテープ印字装置1の故障の原因とならない程度の電圧という観点で許容されるある程度のマージンを取った上限値)が設定されている。この例では、電圧しきい値は、上記電圧Vbpの値が11[V]となる場合に対応する、2.2[V]に設定されている。そして、A/D入力部48により測定される上記電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。
このとき、例えば図6に示すように、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記判定において、電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定され、接続異常状態は検出されない。この場合には、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
一方、例えば図7に示すように、テープ印字装置1に高電圧アダプタ34bが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記判定において、電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。この場合には、エラー処理が行われる。すなわち、液晶ディスプレイ9に、対応するエラーメッセージ(例えば「不適正アダプタが接続されています。すぐに取り外してください。」)が一定時間(例えば3秒間)表示された後、制御基板部37の各要素の制御動作を停止するスリープ処理(停止処理に相当)が実行され、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。液晶ディスプレイ9にエラーメッセージを表示することで、操作者に接続異常状態にあることを報知し、動作不具合が生じている原因が何であるかを認識させることができる。また、制御基板部37をスリープ状態とすることで、テープ印字装置1の故障を防止することができる。
上記判定において接続異常状態が検出された場合には、上記のようにして制御基板部37がスリープ状態とされた後、上記エラーメッセージに対応して、操作者が、テープ印字装置1のDCジャック33への高電圧アダプタ34bのDCプラグ34Eの接続を解除し、DCジャック33に別のACアダプタ34のDCプラグ34Eを接続して電源キーのオン操作を行うと、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、テープ印字装置1のDCジャック33への高電圧アダプタ34bのDCプラグ34Eの接続を解除することを、以下適宜、単に「テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bを取り外す」等という。
<ACアダプタ交換後に制御基板部がアクティブ状態とされた後の処理>
(A)比較例における処理
まず、本実施形態の比較例における、ACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後の処理内容等について説明する。なお、比較例のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成は、本実施形態のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成(前述の図1〜図5参照)と同様である。
比較例では、上記のようにしてACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、再度、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。
このとき、例えば、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されず(又は、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に別の高電圧アダプタ34bが装着され)、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記判定において、電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。この場合には、上記エラー処理が行われる。
一方、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記判定において、電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定され、接続異常状態は検出されない。この場合には、上記エラー処理は行われず、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
ここで、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合があり得る。この場合には、上記電解コンデンサC101に蓄積された、前回誤ってテープ印字装置1に装着された高電圧アダプタ34bから供給されたテープ印字装置1の定格電圧(この例では9[V])よりも高いアダプタ電圧Vadに対応する電荷が、あまり放出されておらず、電圧V98の値が2.2[V]以上となる可能性がある。したがって、この場合には、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されているにも拘らず、上記判定において、電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出されて、上記エラー処理が行われるという不具合を生じる可能性がある。
以下、図8を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの比較例における処理内容の例について説明する。なお、図8のチャートでは、横軸に時刻t、縦軸に電圧Vbpの値をとっている。
図8に示す例では、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、電圧Vbpの値が15[V]となり、電解コンデンサC101に当該電圧Vbpに対応する電荷が蓄積される。
その後、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされ、制御基板部37の各要素により電力が消費されるが、電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、時刻t40で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
その後、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、テープ印字装置1の回路に僅かにリーク電流が流れるため、電解コンデンサC101から電荷が放出され、電圧Vbpの値が15[V]から漸減する。但し、この状態における電解コンデンサC101からの電荷放出量は極小であり、電圧Vbpの低下率は極小である。
そして、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着する。なお、DCジャック33の第2端子33Bには逆流防止ダイオードD1のカソード側が接続されているので、電解コンデンサC101から放出される電荷は適正アダプタ34aへ移動しない。したがって、この状態でも、電解コンデンサC101からの電荷放出量は極小であり、電圧Vbpの低下率は極小である。
その後、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされ、制御基板部37の各要素により電力が消費されるため、電解コンデンサC101からの電荷放出量が大きくなり、電圧Vbpの低下率が大きくなって、時刻t70から一定時間経過後(例えば0.8秒後)の時刻t100で、電圧Vbpの値が11[V]未満(正常範囲内)まで低下する。
そして、上記時刻t100よりも前の時刻t80で、再度、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は14[V]までしか低下していないので、このときの電圧V98の値は14[V]を1/5にした2.8[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されているにも拘わらず、接続異常状態が誤検出されてしまう。
これにより、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、時刻t90で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。
(B)本実施形態における処理
次に、本実施形態における、ACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後の処理内容等について説明する。
本実施形態では、上記のように、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外された後、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されても、電圧Vbpの値がすぐには11[V]未満(正常範囲内)まで低下しないことに対応して、上記のようにしてACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、電圧V98の所定の下降挙動の検出が行われる。
なお、本実施形態では、ACアダプタ34の交換後であるか否かを問わず制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、適宜のメモリにおける接続異常状態が検出された旨のエラー履歴(対応する履歴に相当)の記憶の有無を表すエラーフラグが立っているか否かの判定が行われる。
この判定において、エラーフラグが落ちている(言い換えれば、適宜のメモリにエラー履歴の記憶がない)と判定された場合には、接続異常状態が検出された後の実行ではないとみなされ、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。そして、この判定において、電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出された場合には、制御基板部37がスリープ状態とされる前に、エラーフラグが立てられる(言い換えれば、適宜のメモリにエラー履歴が記憶される)。
一方、上記判定において、エラーフラグが立っている(言い換えれば、適宜のメモリにエラー履歴の記憶がある)と判定された場合には、接続異常状態が検出された後の実行であるとみなされ、電圧V98の所定の下降挙動の検出が行われる。具体的には、上記のようにしてACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後、所定時間経過後に、当該所定時間経過後の電圧V98が2.2[V]未満であるか否かの判定が行われる。上記所定時間は、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外された直後に制御基板部37がアクティブ状態とされた場合における電圧Vbpの値が11[V]未満(正常範囲内)まで低下する時間よりも長い時間(例えば1秒)に設定されている。
このとき、例えば、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されず、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、上記判定において、所定時間経過後の電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定される(電圧V98の下降挙動は検出されない)。この場合には、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)とみなされ、上記エラー処理が行われる。
一方、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされた場合であっても、上記判定において、所定時間経過後の電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定される(電圧V98の下降挙動が検出される)。この場合には、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、上記エラー処理は行われず、エラーフラグが落とされ、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
以下、図9を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの本実施形態における処理内容の例について説明する。なお、図9は、前述の図8に対応する図である。
図9に示す例では、前述の図8と同様、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、電圧Vbpの値が15[V]となる。
その後、前述の図8と同様、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、エラーフラグが立っているか否かの判定が行われ、エラーフラグが落ちていると判定されたため、前述の図8と同様、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、時刻t35で、エラーフラグが立てられ、前述の図8と同様、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、時刻t40で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
その後、前述の図8と同様、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、電圧Vbpの値が15[V]から漸減する。
そして、前述の図8と同様、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着する。
その後、前述の図8と同様、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。
そして、前述の図8と同様、上記時刻t100よりも前の時刻t80で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われる。このときの電圧Vbpの値は14[V]までしか低下していないので、このときの電圧V98の値は14[V]を1/5にした2.8[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定されるが、この時点では接続異常状態とはみなされない。
その後、上記時刻t70から所定時間経過後(例えば1秒後)の、上記時刻t100よりも後の時刻t110で、電圧V98の値が2.2[V]未満であるか否かの判定が行われる。このときの電圧Vbpの値は11[V]よりも低いので、このときの電圧V98の値は2.2[V]よりも低い。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定され(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、エラーフラグが落とされ、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
<制御フロー>
次に、図10を参照しつつ、上記手法を実現するために、本実施形態におけるテープ印字装置1の定電圧回路47及びCPU51により実行される処理内容について説明する。
図10において、このフローチャートに示す処理は、例えば操作者により上記電源キーがオン操作されることを契機に開始される。
まず、ステップS10で、定電圧回路47は、上記ウェイクアップ処理を実行し、スリープ状態の制御基板部37をアクティブ状態とする。なお、このステップS10を実行する定電圧回路47が、各請求項記載の開始処理手段として機能する。
その後、ステップS20で、CPU51は、上記エラーフラグが立っているか否かを判定することで、後述のステップS40で上記接続異常状態が検出された後の実行であるか否かを判定する。なお、このステップS20を実行するCPU51が、各請求項記載の履歴検出手段として機能する。エラーフラグが落ちている場合には、ステップS20の判定は満たされず、接続異常状態が検出された後の実行ではないとみなされ、ステップS30に移る。
ステップS30では、CPU51は、A/D入力部48からこのときの上記電圧V98の値を取得する。
そして、ステップS40で、CPU51は、上記ステップS30で取得された電圧V98の値が2.2[V]以上である否かを判定することで、上記接続異常状態の検出を行う。なお、このステップS40を実行するCPU51が、各請求項記載の状態検出手段として機能する。電圧V98の値が2.2[V]未満である場合には、ステップS40の判定は満たされず(接続異常状態は検出されず)、ステップS50に移る。
ステップS50では、CPU51は、操作者による上記文字キーを介した所望の印字データを入力する操作の受け付けを開始し、当該操作に対応した印字データの取得を図り、印字データを取得したら、ステップS55に移る。
ステップS55では、CPU51は、操作者による上記印刷キーのオン操作の受け付けを開始し、印刷キーがオン操作されたら、ステップS60に移る。
ステップS60では、CPU51は、複数の負荷39の少なくとも一部の負荷回路に駆動電圧が供給されるように供給スイッチ40をオン・オフ制御することで、複数の負荷39の少なくとも一部を連携して制御し、上記ステップS50で取得された印字データが被印字テープ12に形成された印字ラベルを作成する印刷処理を実行する。
その後、ステップS70で、CPU51は、操作者による上記電源キーのオフ操作の受け付けを開始し、電源キーがオフ操作されたら、ステップS80に移る。
ステップS80では、定電圧回路47は、上記スリープ処理を実行し、アクティブ状態の制御基板部37をスリープ状態とする。なお、このステップS80を実行する定電圧回路47が、各請求項記載の停止処理手段として機能する。これにより、このフローチャートに示す処理が終了される。なお、このフローチャートに示す処理は、操作者により上記電源キーがオン操作されることを契機に再度開始される。
一方、上記ステップS40において、電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS40の判定が満たされ(接続異常状態が検出され)、ステップS90に移る。
ステップS90では、CPU51は、液晶ディスプレイ9に上記エラーメッセージを一定時間表示させることで、接続異常状態が検出された旨の報知を行う。なお、このステップS90を実行するCPU51が、各請求項記載の報知手段として機能する。
そして、ステップS100で、CPU51は、上記エラーフラグを立てることで、適宜のメモリに上記エラー履歴を記憶する。なお、このステップS100を実行するCPU51が、各請求項記載の記憶手段として機能する。その後、上記ステップS80に移り、CPU51は、上記と同様の処理を行う。
一方、上記ステップS20において、エラーフラグが立っている場合には、ステップS20の判定が満たされ、接続異常状態が検出された後の実行であるとみなされ、ステップS110に移る。
ステップS110では、CPU51は、A/D入力部48からこのときの上記電圧V98の値を取得する。
その後、ステップS120で、CPU51は、上記ステップS110で取得された電圧V98の値が2.2[V]以上である否かを判定する。電圧V98の値が2.2[V]未満である場合には、ステップS120の判定は満たされず、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、ステップS130に移る。
ステップS130では、CPU51は、上記エラーフラグを落とすことで、適宜のメモリから上記エラー履歴を消去する。その後、上記ステップS50に移り、CPU51は、上記と同様の処理を行う。
一方、上記ステップS120において、電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS120の判定が満たされるが、この時点では接続異常状態とはみなされず、ステップS155に移る。
ステップS155では、CPU51は、上記ステップS10の実行により制御基板部37がアクティブ状態とされてから上記所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過したら、ステップS165に移る。
ステップS165では、CPU51は、A/D入力部48からこのとき(上記所定時間経過後)の電圧V98の値を取得する。
そして、ステップS175で、CPU51は、上記ステップS165で取得された上記所定時間経過後の電圧V98の値が2.2[V]未満である否かを判定することで、電圧V98の所定の下降挙動を検出する。なお、このステップS175を実行するCPU51が、各請求項記載の挙動検出手段として機能する。電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS175の判定は満たされず(電圧V98の下降挙動は検出されず)、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)とみなされ、ステップS180に移る。
ステップS180では、CPU51は、液晶ディスプレイ9に上記エラーメッセージを一定時間表示させることで、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)旨の報知を行う。その後、上記ステップS80に移り、CPU51は、上記と同様の処理を実行する。なお、このステップS180を実行するCPU51、及び、ステップS180から移行した場合の上記ステップS80を実行する定電圧回路47が、各請求項記載のエラー処理手段として機能する。
一方、上記ステップS175において、電圧V98の値が2.2[V]未満である場合には、ステップS175の判定が満たされ(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、上記ステップS130に移り、CPU51は、上記と同様の処理を実行する。
<第1実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、ACアダプタ34の交換後に制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、電圧V98の所定の下降挙動の検出を行う。電圧V98の所定の下降挙動が検出されなかった場合には、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)とみなされ、エラー処理を行う。一方、電圧V98がすぐには正常範囲内まで低下していないが電圧V98の所定の下降挙動が検出された場合には、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、エラー処理が行われないようにする。
これにより、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合でも、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されているにも拘らずエラー処理が行われるという不具合を回避することができる。
また、本実施形態では特に、接続異常状態が検出された場合に、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージを表示する。これにより、操作者に対し接続異常状態にあることを報知し、動作不都合が生じている原因が何であるかを確実に認識させることができる。
また、本実施形態では特に、接続異常状態が検出された場合に、エラーフラグを立てる。そして、制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、エラーフラグが立っているか否かを判定し、エラーフラグが落ちている場合には、接続異常状態の検出を行い、エラーフラグが立っている場合には、電圧V98の所定の下降挙動の検出を行う。これにより、テープ印字装置1に前回誤って高電圧アダプタ34bが装着されていた場合には、接続異常状態の検出ではなく、電圧V98の所定の下降挙動の検出を実行させることができる。この結果、上記不具合を確実に回避することができる。
また、本実施形態では特に、電圧V98が所定の電圧しきい値(上記の例では2.2[V])以上であるか否かの判定を行うことで、接続異常状態の検出を行う。これにより、電圧V98と電圧しきい値との大小を比較するという単純な処理により、接続異常状態であるか否かを確実に見分けることができる。
また、本実施形態では特に、制御基板部37がアクティブ状態とされてから所定時間経過後の電圧V98が電圧しきい値(上記の例では2.2[V])未満であるか否かの判定を行う。そして、所定時間経過後の電圧V98が電圧しきい値以上である場合には、エラー処理を行い、電圧V98がすぐには正常範囲内まで低下していないが所定時間経過後の電圧V98が電圧しきい値未満である場合には、エラー処理が行われないようにする。これにより、所定時間経過後の電圧V98と電圧しきい値との大小を比較するという単純な処理により、上記不具合を確実に回避することができる。
なお、第1実施形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
(1)電圧V98が漸減しているか否かの判定を行う場合
上記第1実施形態では、制御基板部37がアクティブ状態とされてから所定時間経過後の電圧V98が2.2[V]未満であるか否かの判定を行うことで、電圧V98の下降挙動の検出を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減しているか否かの判定を行うことで、電圧V98の下降挙動の検出を行ってもよい。
以下、図11を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの本変形例における処理内容の例について説明する。なお、図11のチャートは、前述の図8及び図9に対応する図である。
図11に示す例では、前述の図9と同様、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、電圧Vbpの値が15[V]となる。
その後、前述の図9と同様、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、前述の図9と同様、エラーフラグが立っているか否かの判定が行われ、エラーフラグが落ちていると判定されたため、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、前述の図9と同様、時刻t35で、エラーフラグが立てられ、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、時刻t40で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
その後、前述の図9と同様、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、電圧Vbpの値が15[V]から漸減する。
そして、前述の図9と同様、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着する。
その後、前述の図9と同様、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。
そして、前述の図9と同様、前述の時刻t100よりも前の時刻t80で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われる。このときの電圧Vbpの値は14[V]までしか低下していないので、このときの電圧V98の値は14[V]を1/5にした2.8[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定されるが、この時点では接続異常状態とはみなされず、このときの電圧V98の値(この例では2.8[V])が適宜のメモリに記憶される。
その後、前述の時刻t100よりも前の時刻t85で、このときの電圧V98の値が上記時刻t80のときの電圧V98の値(この例では2.8[V])未満か否かの判定が行われることで、上記時刻t70で制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減しているか否かの判定が行われる。このときの電圧Vbpの値は14[V]よりも低いので、このときの電圧V98の値は2.8[V]よりも低い。したがって、上記判定において、このときの電圧V98の値が2.8[V]未満であると判定されることで、上記時刻t70で制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減していると判定され(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、エラーフラグが落とされ、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
次に、図12を参照しつつ、本変形例におけるテープ印字装置1の定電圧回路47及びCPU51により実行される処理内容について説明する。なお、図12は、前述の図10に対応する図である。
図12において、ステップS10,S20,S30,S40,S50,S55,S60,S70,S80,S90,S100,S110,S120,S130,S180は、前述の図10と同様であり、前述のステップS120において、前述のステップS110で取得された電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS120の判定が満たされるが、この時点では接続異常状態とはみなされず、ステップS140に移る。
ステップS140では、CPU51は、前述のステップS110で取得された電圧V98の値(以下適宜「電圧V98の値(1)」という)を適宜のメモリに記憶する。
その後、ステップS150で、CPU51は、前述のステップS120で判定を行ってから一定時間が経過するまで待機し、一定時間が経過したら、ステップS160に移る。
ステップS160では、CPU51は、A/D入力部48からこのとき(上記一定時間経過後)の電圧V98の値(以下適宜「電圧V98の値(2)」という)を取得する。
そして、ステップS170で、CPU51は、上記ステップS160で取得された電圧V98の値(2)が上記ステップS140で記憶された電圧V98の値(1)未満であるか否かを判定することで、上記ステップS10の実行により制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減しているか否かを判定する。これにより、CPU51は、電圧V98の所定の下降挙動を検出する。なお、本変形例では、このステップS170を実行するCPU51が、各請求項記載の挙動検出手段として機能する。電圧V98の値(2)が電圧V98の値(1)以上である場合、つまり制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減していない場合には、ステップS170の判定は満たされず(電圧V98の下降挙動は検出されず)、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)とみなされ、前述のステップS180に移る。一方、電圧V98の値(2)が電圧V98の値(1)未満である場合、つまり制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減している場合には、ステップS170の判定が満たされ(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、前述のステップS130に移る。
以上説明した本変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減しているか否かの判定を行う。そして、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減していない場合には、エラー処理を行い、電圧V98がすぐには正常範囲内まで低下していないが制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98が漸減している場合には、エラー処理が行われないようにする。これにより、電圧V98が漸減していることを検出するという単純な処理により、上記不具合を確実に回避することができる。
(2)電圧V98が低下しているか否かの判定を行う場合
例えば、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98の値が、制御基板部37がスリープ状態とされる前の電圧V98の値よりも低いか否かの判定を行うことで、電圧V98の下降挙動の検出を行ってもよい。
以下、図13を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの本変形例における処理内容の例について説明する。なお、図13のチャートは、前述の図8、図9、及び図11に対応する図である。
図13に示す例では、前述の図9と同様、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、電圧Vbpの値が15[V]となる。
その後、前述の図9と同様、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、前述の図9と同様、エラーフラグが立っているか否かの判定が行われ、エラーフラグが落ちていると判定されたため、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、時刻t35で、エラーフラグが立てられ、上記時刻t30のときの電圧V98の値(この例では3[V])が適宜のメモリに記憶され、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、前述の図9と同様、時刻t40で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
その後、前述の図9と同様、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、電圧Vbpの値が15[V]から漸減する。
そして、前述の図9と同様、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着する。
その後、前述の図9と同様、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。
そして、前述の時刻t100よりも前の時刻t80で、このときの電圧V98の値が上記時刻t30のときの電圧V98の値(この例では3[V])未満であるか否かの判定が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]よりも低いので、このときの電圧V98の値は3[V]よりも低い。したがって、上記判定において、このときの電圧V98の値が3[V]未満であると判定され(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、エラーフラグが落とされ、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
次に、図14を参照しつつ、本変形例のテープ印字装置1の定電圧回路47及びCPU51により実行される処理内容について説明する。なお、図14は、前述の図10及び図12に対応する図である。
図14において、ステップS10,S20,S30,S40,S50,S55,S60,S70,S80,S90,S100,S130,S180は、前述の図10と同様であり、前述のステップS100で、CPU51が前述のエラーフラグを立てたら、ステップS105に移る。
ステップS105では、CPU51は、前述のステップS30で取得された(この後に実行される前述のステップS80の実行により制御基板部37がスリープ状態とされる前の)電圧V98の値(以下適宜「電圧V98の値(A)」という)を適宜のメモリに記憶する。その後、前述のステップS80に移る。
また、前述のステップS20において、エラーフラグが立っている場合には、ステップS20の判定が満たされ、接続異常状態が検出された後の実行であるとみなされ、ステップS115に移る。
ステップS115では、CPU51は、A/D入力部48からこのとき(前述のステップS80の実行により制御基板部37がスリープ状態とされ、その後前述のステップS10の実行により制御基板部37がアクティブ状態とされた後)の電圧V98の値(以下適宜「電圧V98の値(B)」という)を取得する。
その後、ステップS125で、CPU51は、上記ステップS115で取得された電圧V98の値(B)が上記ステップS105で記憶された電圧V98の値(A)未満であるか否かを判定することで、電圧V98の所定の下降挙動を検出する。なお、本変形例では、このステップS125を実行するCPU51が、各請求項記載の挙動検出手段として機能する。電圧V98の値(B)が電圧V98の値(A)以上である(電圧V98の値(A)よりも低下していない)場合には、ステップS125の判定は満たされず(電圧V98の下降挙動は検出されず)、接続異常状態である(接続異常状態が解消されていない)とみなされ、前述のステップS180に移る。一方、電圧V98の値(B)が電圧V98の値(A)未満である(電圧V98の値(A)よりも低い)場合には、ステップS125の判定が満たされ(電圧V98の下降挙動が検出され)、接続異常状態ではない(接続異常状態が解消されている)とみなされ、前述のステップS130に移る。
以上説明した本変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98の値が、制御基板部37がスリープ状態とされる前の電圧V98の値よりも低いか否かの判定を行う。そして、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98の値が、制御基板部37がスリープ状態とされる前の電圧V98の値よりも低くない場合には、エラー処理を行い、電圧V98がすぐには正常範囲内まで低下していないが、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98の値が、制御基板部37がスリープ状態とされる前の電圧V98の値よりも低い場合には、エラー処理が行われないようにする。これにより、制御基板部37がアクティブ状態とされた後の電圧V98の値と、制御基板部37がスリープ状態とされる前の電圧V98の値との大小を比較するという単純な処理により、上記不具合を確実に回避することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下では、主に上記第1実施形態と異なる点等について説明する。
本実施形態のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成は、上記第1実施形態のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成(前述の図1〜図5参照)と同様であるので、説明を省略する。
<本実施形態における処理>
本実施形態では、前述のように、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外された後、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されても、電圧Vbpの値がすぐには11[V]未満(正常範囲内)まで低下しないことに対応して、前述のようにして接続異常状態が検出された場合に、液晶ディスプレイ9に前述のエラーメッセージが表示されつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されたことの検出が行われる。なお、液晶ディスプレイ9におけるエラーメッセージは、例えば高電圧アダプタ34bが取り外されるまで表示される。
前述のように、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されると、アクティブ状態の制御基板部37の各要素による電力消費により前述の電圧Vbpは漸減するので、この例では当該電圧Vbpの値を1/5にした前述の電圧V98が漸減しているか否かの判定が行われることで、高電圧アダプタ34bが取り外されたことの検出が行われる。すなわち、上記エラーメッセージに対応して、操作者がテープ印字装置1から高電圧アダプタ34bを取り外すと、上記判定において、電圧V98が漸減していると判定され、高電圧アダプタ34bが取り外されたことが検出される。
そして、上記のようにして高電圧アダプタ34bが取り外されたことが検出された後に、前述の電解コンデンサC101に蓄積された電荷を放出させ電圧Vbpの値を11[V]未満(正常範囲内)まで低下させるため、電圧V98の値が前述の電圧しきい値である2.2[V]未満となるまで放電処理が実行される。放電処理は、前述の複数の負荷39に備えられた前述の複数の負荷回路の少なくとも1つの負荷回路の少なくとも一部に、前述の印字ラベルを作成する印刷処理において供給される駆動電圧(第1駆動電圧に相当。以下適宜「第1駆動電圧」という)よりも低い駆動電圧(第2駆動電圧に相当。以下適宜「第2駆動電圧」という)が供給されるように制御する処理である。この例では、放電処理として、前述のサーマルヘッド22に備えられた前述の複数の発熱素子の少なくとも一部に、例えば印字形成されない程度の第2駆動電圧が供給されるように制御する放電処理が実行される。放電処理を実行して電解コンデンサC101に蓄積された電荷を放出させることにより、迅速に電圧Vbpの値を11[V]未満(正常範囲内)まで低下させることができる。また、上記放電処理が実行される間は、液晶ディスプレイ9に、所定のメッセージ(例えば「放電中・・・」。以下適宜「放電中メッセージ」という)が表示される。
そして、上記放電処理により電圧V98の値が2.2[V]未満となった後に、前述のスリープ処理が実行され、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。
したがって、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、そのときには既に電圧V98の値が2.2[V]未満となっているので、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、再度、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われても、接続異常状態は検出されないため、前述のエラー処理は行われず、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
以下、図15を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの本実施形態における処理内容の例について説明する。なお、図15のチャートは、前述の図8等に対応する図である。
図15に示す例では、前述の図8と同様、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、電圧Vbpの値が15[V]となる。
その後、前述の図8と同様、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、前述の図8と同様、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが表示されつつ、電圧V98が漸減しているか否かの判定が開始されることで、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されたことの検出が開始される。その後、前述の図8と同様、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、アクティブ状態の制御基板部37の各要素による電力消費により、電解コンデンサC101から電荷が放出され、電圧Vbpの値が15[V]から漸減する。但し、この状態における電解コンデンサC101からの電荷放出量はあまり大きくなく、電圧Vbpの低下率はあまり大きくない。
これにより、時刻t52で、電圧V98が漸減していると判定され、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されたことが検出された後、放電処理が開始されると、電力消費量が大きくなるため、電解コンデンサC101からの電荷放出量が大きくなり、電圧Vbpの低下率が大きくなって、時刻t54で、電圧Vbpの値が11[V]未満(正常範囲内)まで低下する。
これにより、時刻t56で、放電処理が終了された後、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。
そして、前述の図8と同様、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着する。なお、このときの電圧Vbpの値は既に11[V]未満(正常範囲内)となっている。
その後、前述の図8と同様、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。
そして、前述の図8と同様、時刻t80で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は既に11[V]未満となっているので、このときの電圧V98の値は2.2[V]未満である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定され、接続異常状態は検出されず、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
<制御フロー>
次に、図16を参照しつつ、上記手法を実現するために、本実施形態におけるテープ印字装置1の定電圧回路47及びCPU51により実行される処理内容について説明する。
図16において、このフローチャートに示す処理は、例えば操作者により前述の電源キーがオン操作されることを契機に開始される。
まず、ステップS210で、定電圧回路47は、前述のウェイクアップ処理を実行し、スリープ状態の制御基板部37をアクティブ状態とする。なお、このステップS210を実行する定電圧回路47が、各請求項記載の開始処理手段として機能する。
その後、ステップS220で、CPU51は、A/D入力部48からこのときの電圧V98の値を取得する。
そして、ステップS230で、CPU51は、上記ステップS220で取得された電圧V98の値が2.2[V]以上である否かを判定することで、上記接続異常状態の検出を行う。なお、このステップS230を実行するCPU51が、各請求項記載の状態検出手段として機能する。電圧V98の値が2.2[V]未満である場合には、ステップS230の判定は満たされず(接続異常状態は検出されず)、ステップS240に移る。
ステップS240では、CPU51は、操作者による前述の文字キーを介した所望の印字データを入力する操作の受け付けを開始し、当該操作に対応した印字データの取得を図り、印字データを取得したら、ステップS250に移る。
ステップS250では、CPU51は、操作者による前述の印刷キーのオン操作の受け付けを開始し、印刷キーがオン操作されたら、ステップS260に移る。
ステップS260では、CPU51は、複数の負荷39の少なくとも一部の負荷回路に上記第1駆動電圧が供給されるように供給スイッチ40をオン・オフ制御することで、複数の負荷39の少なくとも一部を連携して制御し、上記ステップS240で取得された印字データが被印字テープ12に形成された印字ラベルを作成する印刷処理を実行する。なお、このステップS260を実行するCPU51が、各請求項記載の印刷制御手段として機能する。
その後、ステップS270で、CPU51は、操作者による前述の電源キーのオフ操作の受け付けを開始し、電源キーがオフ操作されたら、ステップS280に移る。
ステップS280では、定電圧回路47は、前述のスリープ処理を実行し、アクティブ状態の制御基板部37をスリープ状態とする。なお、このステップS280を実行する定電圧回路47が、各請求項記載の停止処理手段として機能する。これにより、このフローチャートに示す処理が終了される。なお、このフローチャートに示す処理は、操作者により前述の電源キーがオン操作されることを契機に再度開始される。
一方、上記ステップS230において、電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS230の判定が満たされ(接続異常状態が検出され)、ステップS290に移る。
ステップS290では、CPU51は、液晶ディスプレイ9に上記エラーメッセージを表示させることで、接続異常状態が検出された旨の報知(第1報知に相当)を行う。なお、このステップS290を実行するCPU51が、各請求項記載の第1報知手段として機能する。
そして、ステップS300で、CPU51は、A/D入力部48からこのときの電圧V98の値を取得する。
その後、ステップS310で、CPU51は、上記ステップS300で取得された電圧V98の値に基づき、電圧V98が漸減しているか否かの判定を行うことで、テープ印字装置1から高電圧アダプタ32bが取り外されたことの検出を行う。なお、このステップS310を実行するCPU51が、各請求項記載の解除検出手段として機能する。電圧V98が漸減しない間は、ステップS310の判定はみたされず(高電圧アダプタ32Bが取り外されたことは検出されず)、上記ステップS300に戻り、同様の手順を繰り返す。そして、電圧V98が漸減したら、ステップS310の判定が満たされ(高電圧アダプタ32Bが取り外されたことが検出され)、ステップS320に移る。
ステップS320では、CPU51は、上記複数の発熱素子の少なくとも一部に例えば印字形成されない程度の上記第2駆動電圧が供給されるように制御する上記放電処理を開始し、電解コンデンサC101に蓄積された電荷を迅速に放出させる。
そして、ステップS330で、CPU51は、上記ステップS320で開始された放電処理が実行される間、液晶ディスプレイ9に上記放電中メッセージを表示させることで、放電処理の実行中である旨の報知(第2報知に相当)を行う。なお、このステップS330を実行するCPU51が、各請求項記載の第2報知手段として機能する。
その後、ステップS340で、CPU51は、A/D入力部48からこのときの電圧V98の値を取得する。
そして、ステップS350で、CPU51は、上記ステップS340で取得された電圧V98の値が2.2[V]未満である否かを判定する。電圧V98の値が2.2[V]以上である間は、ステップS350の判定は満たされず、上記ステップS340に戻り、同様の手順を繰り返す。そして、電圧V98の値が2.2[V]未満となったら、ステップS350の判定がみたされ、ステップS360に移る。
ステップS360では、CPU51は、上記ステップS320で開始された放電処理を終了する。その後、上記ステップS280に移り、CPU51は、上記と同様の処理を実行する。なお、上記ステップS320、及び、このステップS360を実行するCPU51が、各請求項記載の放電制御手段として機能する。
<第2実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、接続異常状態が検出された場合に、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージを表示しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されたことの検出を行う。上記エラーメッセージに対応して、操作者がテープ印字装置1から高電圧アダプタ34bを取り外すと、高電圧アダプタ34bが取り外されたことが検出される。すると、放電処理を実行して、少なくとも1つの負荷回路の少なくとも一部に比較的低い第2駆動電圧を供給させることにより、電解コンデンサC101に蓄積された電荷を放出させ、電圧Vbpを正常範囲内まで低下させる。上記放電処理を実行して電解コンデンサC101に蓄積された電荷を放出させることにより、迅速に電圧Vbpを正常範囲内まで低下させることができる。そして、電圧Vbpが正常範囲内まで低下した後に、スリープ処理を実行して、制御基板部37がスリープ状態とされる。
これにより、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合でも、制御基板部37がアクティブ状態とされるよりも前に、電圧Vbpを正常範囲内まで低下させておくことができるので、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されているにも拘らずエラー処理が行われるという不具合を回避することができる。
また、本実施形態では特に、放電処理が実行される間、液晶ディスプレイ9に放電中メッセージを表示する。これにより、操作者に対し放電処理中であることを報知し、放電処理中であることを確実に認識させることができる。
また、本実施形態では特に、サーマルヘッド22の複数の発熱素子の少なくとも一部に第2駆動電圧が供給されるように制御する放電処理を実行する。これにより、サーマルヘッド22が例えば印字形成しない程度の駆動電圧に基づき駆動して電力消費することにより、電圧V98を確実に正常範囲内まで低下させることができる。
また、本実施形態では特に、電圧V98が所定の電圧しきい値(上記の例では2.2[V])以上であるか否かの判定を行うことで、接続異常状態の検出を行う。これにより、電圧V98と電圧しきい値との大小を比較するという単純な処理により、接続異常状態であるか否かを確実に見分けることができる。
なお、第2実施形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上記第2実施形態では、CPU51は、放電処理として、サーマルヘッド22に備えられた複数の発熱素子の少なくとも一部に、例えば印字形成されない程度の第2駆動電圧が供給されるように制御する放電処理を実行したが、これに限られない。例えば、CPU51は、放電処理として、前述の駆動モータに備えられた前述のコイルに、例えば駆動モータが回転しない程度の第2駆動電圧が供給されるように制御する放電処理を実行してもよい。この場合には、駆動モータが例えば回転しない程度の駆動電圧に基づき駆動して電力消費することにより、電圧V98を確実に正常範囲内まで低下させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、以下では、主に上記第1実施形態と異なる点等について説明する。
本実施形態のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成は、上記第1実施形態のテープ印字装置1及びACアダプタ34の基本構成(前述の図1〜図5参照)とほぼ同様である。但し、本実施形態のテープ印字装置1の電気的構成は、上記第1実施形態のテープ印字装置1の電気的構成(前述の図4及び図5参照)と少し異なる。
<ACアダプタ及びテープ印字装置の電気的構成>
以下、図17及び図18を参照しつつ、本実施形態のACアダプタ34及びテープ印字装置1の電気的構成について説明する。なお、図17は、前述の図4に対応する図であり、図18は、前述の図5に対応する図である。
図17及び図18に示すように、本実施形態のACアダプタ34の電気的構成は、上記第1実施形態のACアダプタ34の電気的構成と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態のテープ印字装置1は、上記第1実施形態のテープ印字装置1の電気的構成に加え、電解コンデンサC102を有する。
電解コンデンサC102は、この例では有極性の電解コンデンサであり、前述の電解コンデンサC101に蓄積された電荷を吸収するために電解コンデンサC101と並列に接続されると共に、前述の電池収納部27と並列に(電池収納部27の正極側と負極側との間に)接続されている。なお、本実施形態では、電解コンデンサC101が、各請求項記載の第1蓄電装置及び第1コンデンサに相当し、電解コンデンサC102が、各請求項記載の第2蓄電装置及び第2コンデンサに相当する。この例では、電解コンデンサC102の静電容量は、電解コンデンサC101の静電容量よりも大きくなっている。例えば、電解コンデンサC101の静電容量は1000[μF]、電解コンデンサC102の静電容量は3300[μF]となっている。
また、本実施形態では、前述のブレーク接点33Cは、電池収納部27の正極側及び電解コンデンサC102と接続されている。
すなわち、テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されないとき(図17の状態のとき)には、前述の切替機構33Dは、前述の閉成状態(第2状態に相当)となり、電池収納部27の正極側及び電解コンデンサC102と前述の定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが導通される。この結果、電池収納部27に電池38が収納されている場合には、電池38の前述の電池電圧Vbが、前述のブレーク接点33C、第1端子33A、及び正極側母線BPを介して、定電圧回路47及び電解コンデンサC101に供給される。
そして、テープ印字装置1にACアダプタ34が装着されたとき(図18の状態のとき)には、切替機構33Dは、前述の開放状態(第1状態に相当)となり、ACアダプタ34と定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが導通され、かつ電池収納部27の正極側及び電解コンデンサC102と定電圧回路47及び電解コンデンサC101とが非導通となる。この結果、電池収納部27に電池38が収納されているか否かに拘らず、ACアダプタ34の前述のアダプタ電圧Vadが、前述のDCプラグ34Eの第1端子34A、DCジャック33の第1端子33A、及び正極側母線BPを介して、定電圧回路47及び電解コンデンサC101に供給される。
<制御フロー>
以下、図19を参照しつつ、本実施形態におけるテープ印字装置1の定電圧回路47及びCPU51により実行される処理内容について説明する。
図19において、このフローチャートに示す処理は、例えば操作者により前述の電源キーがオン操作されることを契機に開始される。
まず、ステップS410で、定電圧回路47は、前述のウェイクアップ処理を実行し、スリープ状態の制御基板部37をアクティブ状態とする。
その後、ステップS420で、CPU51は、A/D入力部48からこのときの電圧V98の値を取得する。
そして、ステップS430で、CPU51は、上記ステップS420で取得された電圧V98の値が前述の電圧しきい値である2.2[V]以上である否かを判定することで、前述の接続異常状態の検出を行う。電圧V98の値が2.2[V]未満である場合には、ステップS430の判定は満たされず(接続異常状態は検出されず)、ステップS440に移る。
ステップS440では、CPU51は、操作者による前述の文字キーを介した所望の印字データを入力する操作の受け付けを開始し、当該操作に対応した印字データの取得を図り、印字データを取得したら、ステップS450に移る。
ステップS450では、CPU51は、操作者による前述の印刷キーのオン操作の受け付けを開始し、印刷キーがオン操作されたら、ステップS460に移る。
ステップS460では、CPU51は、前述の複数の負荷39の少なくとも一部の負荷回路に駆動電圧が供給されるように前述の供給スイッチ40をオン・オフ制御することで、複数の負荷39の少なくとも一部を連携して制御し、上記ステップS440で取得された印字データが前述の被印字テープ12に形成された印字ラベルを作成する印刷処理を実行する。
その後、ステップS470で、CPU51は、操作者による前述の電源キーのオフ操作の受け付けを開始し、電源キーがオフ操作されたら、ステップS480に移る。
ステップS480では、定電圧回路47は、前述のスリープ処理を実行し、アクティブ状態の制御基板部37をスリープ状態とする。これにより、このフローチャートに示す処理が終了される。なお、このフローチャートに示す処理は、操作者により前述の電源キーがオン操作されることを契機に再度開始される。
一方、上記ステップS430において、電圧V98の値が2.2[V]以上である場合には、ステップS430の判定が満たされ(接続異常状態が検出され)、ステップS490に移る。
ステップS490では、CPU51は、液晶ディスプレイ9に前述のエラーメッセージを表示させることで、接続異常状態が検出された旨の報知を行う。その後、上記ステップS480に移り、CPU51は、上記と同様の処理を実行する。
<高電圧アダプタの装着・取り外し>
ここで、本実施形態では、前述の比較例で生じていた、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外された後、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されても、電圧Vbpの値がすぐには11[V]未満(正常範囲内)まで低下しない現象が、生じないようになっている。以下、その詳細について説明する。
(A)高電圧アダプタ装着
まず、図20を参照しつつ、テープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bが装着された場合について想定する。図20に示すように、テープ印字装置1に定格電圧(アダプタ電圧Vad)が15[V]の高電圧アダプタ34bが装着された場合には、切替機構33Dが開放状態に切り替わり、高電圧アダプタ34bと電解コンデンサC101とが導通され、かつ電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが非導通となる。この結果、高電圧アダプタ34bからDCプラグ34Eの第1端子34A及びDCジャック33の第1端子33Aを介して正極側母線BPに供給される、テープ印字装置1の定格電圧(この例では9[V])よりも高いアダプタ電圧Vad(この例では15[V])に対応する電荷は、電解コンデンサC101に蓄積されるが電解コンデンサC102には蓄積されない。なお、このときの電圧Vbpの値は、15[V]となる。この結果、A/D入力部48により測定される電圧V98の値は、15[V]を1/5にした3[V]となる。
(B)高電圧アダプタ取り外し
次に、図21を参照しつつ、テープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bが取り外された場合について想定する。図21に示すように、テープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bが取り外された場合には、切替機構33Dが閉成状態に切り替わり、電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが導通され、電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが並列に接続された状態となる。この結果、電解コンデンサC101に蓄積された電荷が瞬時に電解コンデンサC102に移動し、電圧Vbpの値が迅速に11V未満(正常範囲内)まで低下する。この例では、電圧Vbpの値は、3.5[V]まで低下している。この結果、A/D入力部48により測定される電圧V98の値は、3.5[V]を1/5にした0.7[V]となる。
したがって、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、上記ステップS410で制御基板部37がアクティブ状態とされた場合には、そのときには既に電圧V98の値が2.2[V]未満となっているので、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされた後に、再度、上記ステップS420で電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われても、接続異常状態は検出されないため、エラー処理(上記ステップS490でのエラーメッセージの表示処理、及び、当該ステップS490から移行した上記ステップS480でのスリープ処理)は行われず、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
以下、図22を参照しつつ、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合における電圧Vbpの変化挙動の例、及び、そのときの本実施形態における処理内容の例について説明する。なお、図22は、前述の図8等に対応する図である。
図22に示す例では、前述の図8と同様、時刻t10で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が15[V]の高電圧アダプタ34bを装着すると、切替機構33Dが開放状態に切り替わり、高電圧アダプタ34bと電解コンデンサC101とが導通され、かつ電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが非導通となる。この結果、電圧Vbpの値が15[V]となり、電解コンデンサC101に当該電圧Vbpに対応する電荷が蓄積される。
その後、前述の図8と同様、時刻t20で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
そして、前述の図8と同様、時刻t30で、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は15[V]のままであるので、このときの電圧V98の値は15[V]を1/5にした3[V]である。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]以上であると判定され、接続異常状態が検出される。
これにより、前述の図8と同様、液晶ディスプレイ9にエラーメッセージが一定時間表示された後、時刻t40で、アクティブ状態の制御基板部37がスリープ状態とされる。なお、このときの電圧Vbpの値は15[V]のままである。
その後、前述の図8と同様、時刻t50で、操作者がテープ印字装置1から上記高電圧アダプタ34bを取り外すと、切替機構33Dが閉成状態に切り替わり、電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが導通され、電解コンデンサC102と電解コンデンサC101とが並列に接続された状態となる。この結果、電解コンデンサC101に蓄積された電荷が瞬時に電解コンデンサC102に移動し、電圧Vbpの値が迅速に11[V]未満(正常範囲内)まで低下する。
そして、前述の図8と同様、時刻t60で、操作者がテープ印字装置1に定格電圧が9[V]の適正アダプタ34aを装着すると、電圧Vbpの値が9[V]まで上昇する。
その後、前述の図8と同様、上記時刻t50からあまり時間が経過していない時刻t70で、操作者が電源キーをオン操作すると、スリープ状態の制御基板部37がアクティブ状態とされる。
そして、前述の図8と同様、時刻t80で、再度、電圧V98の値が2.2[V]以上であるか否かの判定が行われることで、接続異常状態の検出が行われる。このときの電圧Vbpの値は11[V]よりも低いので、このときの電圧V98の値は2.2[V]よりも低い。したがって、上記判定において電圧V98の値が2.2[V]未満であると判定され、接続異常状態が検出されず、アクティブ状態の制御基板部37が維持される。
<第3実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、テープ印字装置1に高電圧アダプタ34bが装着されると、切替機構33Dが開放状態に切り替わり、高電圧アダプタ34bと電解コンデンサC101とを導通すると共に、電解コンデンサC101と電解コンデンサC102とを非導通とする。この結果、高電圧アダプタ34bのDCプラグ34EからDCジャック33を介して供給される正常範囲よりも高いアダプタ電圧Vadに対応する電荷を、電解コンデンサC101に蓄積させつつ電解コンデンサC102に蓄積させないようにすることができる。そして、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外されると、切替機構33Dが閉成状態に切り替わり、電解コンデンサC101と電解コンデンサC102とを導通する(電解コンデンサC101と電解コンデンサC102とが並列に接続された状態とする)。この結果、電解コンデンサC101に蓄積された電荷を瞬時に電解コンデンサC102に移動させ、迅速に電圧Vbpを正常範囲内まで低下させることが可能となる。
これにより、テープ印字装置1から高電圧アダプタ34bが取り外され、その後テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着され、高電圧アダプタ34bが取り外されてからあまり時間が経過していないときに制御基板部37がアクティブ状態とされる場合でも、制御基板部37がアクティブ状態とされるよりも前に、電圧Vbpを正常範囲内まで低下させておくことができるので、テープ印字装置1に適正アダプタ34aが装着されているにも拘らずエラー処理が行われるという不具合を回避することができる。
また、本実施形態では特に、電解コンデンサC102は、電解コンデンサC101よりも静電容量が大きくなっている。これにより、電解コンデンサC101から放出される電荷を電解コンデンサC102が確実に吸収することができるので、電圧Vbpを確実に正常範囲内まで低下させることができる。
また、本実施形態では特に、電解コンデンサC102は、電池収納部27と並列に接続される。これにより、電池収納部27に電池38が収納されるときには、電池38の電池電圧Vbの脈動成分を平滑化することで、電池38の寿命を延ばすことができる。
なお、第3実施形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上記第3実施形態では、電解コンデンサC102の静電容量は、電解コンデンサC101の静電容量よりも大きくなっていたが、これに限られない。例えば、電解コンデンサC102の静電容量は、電解コンデンサC101の静電容量とほぼ等しくてもよい。例えば、電解コンデンサC101,C102の静電容量は、それぞれ2200[μF]となっていてもよい。この場合でも、電解コンデンサC101から放出される電荷を電解コンデンサC102が吸収することができるので、電圧Vbpを正常範囲内まで低下させることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態等に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
(1)他の外部電源装置を用いる場合
上記各実施形態等では、外部電源装置としてACアダプタ34を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、外部電源装置として、図23に示すようなシガープラグ付きの電源コードユニット134を用いてもよい。
電源コードユニット134は、上記ACアダプタ34と同等の出力電圧特性を備えており、シガーソケット(図示せず)側に接続されるシガープラグ134Cと、シガープラグ134Cと接続された電圧変換部(図示せず)と、電圧変換部と接続されたDCプラグ134E(給電端子に相当)とを有する。DCプラグ134Eは、上記テープ印字装置1のDCジャック33に接続可能であり、正極側の第1端子134Aと、負極側の第2端子(図示せず)とを有する。
本変形例においても、上記各実施形態等と同様の効果を得ることができる。
(2)その他
上記各実施形態等では、電圧Vbpの分圧である電圧V98の値を電圧しきい値と比較することで各種判定を行ったが、これに限られない。例えば、電圧Vbpの値そのものを電圧しきい値と比較することで各種判定を行ってもよい。この場合も、上記各実施形態等と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」等とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」等という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」等とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」等という意味である。但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
また、図4〜図7、図17、図18、図20、及び図21中に示す矢印は、信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図10、図12、図14、図16、及び図19に示すフローチャートは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。