本発明は、エンジン等に装着される圧力検出装置の電気的伝達手段に関する。
従来、例えばエンジンに装着されて燃焼室内の圧力を検出するために、圧電素子を使用した圧力検出装置が提案されている。このような圧力検出装置をエンジンの燃焼室に臨ませた機能部材の先端部に装着する場合、圧力検出装置の圧電素子から電気信号(検出信号)を取り出すには、機能部材の先端部、すなわち、エンジンの燃焼室に臨ませた圧力検出装置にまで延出し接続する電気的伝達手段が必須となる。
この種の電気的伝達手段として、導体部(中心導体)の周囲に樹脂からなる絶縁層を形成し、絶縁層の周囲に例えば金属編組からなる遮へい層(外部導体)を形成し、さらに遮へい層の周囲に樹脂からなる保護層を形成した同軸ケーブルが知られている。このケーブル構造において、金属編組に代えて、絶縁層の周囲に電解金属メッキ層を被覆してなる同軸ケーブルが開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、中心導体の外周に樹脂からなる絶縁被膜を形成し、絶縁層の外周に無電解およびまたは電解金属メッキにてシールド導体を形成した同軸ケーブルが開示されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、圧力検出装置の電気的伝達手段として、フレキシブルプリント基板(以下、FPCと略す)を用いて、外部に電気信号を伝達することも考えられる。
特開2007−48719号公報
特開2005−149892号公報
ところで、エンジン等で使用される圧力検出装置は、燃焼室内での圧力変化に伴って振動する。そして、このような振動が圧力検出装置に設けられた電気的伝達手段に作用した場合、従来例のような同軸ケーブルでは、金属メッキで形成される遮へい層に割れや剥がれが発生して、結果として同軸ケーブルからの電気信号にノイズが重畳し、最悪の場合は同軸ケーブルの断線が引き起こされる懸念があった。また、同軸ケーブルやFPCによる接続では、圧力検出装置側の同軸ケーブルやFPCの位置と、圧力検出装置からの信号を受ける外部装置側の電極位置とを、位置合わせて組み立てる必要があり、装置間の取り付け方向(周方向の取付角度)が限定されるので、作業性が悪い問題があった。
また、エンジンの燃焼室に臨ませた圧力検出装置に接続する電気的伝達手段は、機能部材内部のわずかな隙間を通して機能部材の先端まで延出し接続する必要がある。したがって、従来の同軸ケーブルでは径が太いために、このようなわずかな隙間を通すことが難しい問題もあった。
本発明の目的は上記課題を解決し、振動や衝撃に強い電気的伝達手段を備え、機能部材の先端部の外周に容易に装着できる圧力検出装置を提供することにある。
本発明に係る圧力検出装置は、上述した課題を解決するため、エンジンの燃焼室に臨ませた機能部材の先端部外周に装着することによりシリンダの内圧を検出する円筒状に構成した圧力検出装置において、外部からの圧力を受ける受圧部材と、該受圧部材からの圧力を伝達する圧力伝達部材と、圧力伝達部材に当接して圧力の変動を検出する圧電素子と、該圧電素子に当接する電極部材とを備え、圧電素子は対向する二つの電極から圧力に応じた電気信号を出力し、圧電素子の一方の電極は該圧電素子を支持する筐体に当接して接地電極となり、他方の電極は圧力伝達部材と圧電素子との間に設けられた電極部材に当接し、該電極部材は接続端子を介して電気的伝達手段により電気的に接続され、該電気的伝達手段は環状形状の接続電極で構成され、該接続電極によって電気信号を外部装置に伝達することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、圧電素子は筐体の内部の周方向に沿って一又は複数配置するとともに、この圧電素子は、スペーサを介して交互に配置することができる。一方、接続端子は、スペーサ及び筐体に設けた貫通孔を通して電気的伝達手段に接続することができる。なお、接続端子と電極部材間には、スプリングを介在させることが望ましい。また、接続電極には、電極面の所定の箇所から延びる細長い延長電極を一体に設け、この延長電極を、前記貫通孔から露出する接続端子の先端部に電気的に接続することができる。他方、接続電極は、筐体の中心線と直交する電極面を設け、この電極面に外部装置の外部電極を電気的に接続してもよいし、或いは筐体側の開口部の内面に収容する円筒状の電極面を設け、この電極面に前記外部装置の外部電極を電気的に接続してもよい。筐体の中心線と直交する電極面を設ける場合には、この電極面の外周の複数の箇所には爪部を形成し、この爪部を介して筐体側に固定することができる。また、外部装置に、円筒状の外部電極を設け、この外部電極に対して前記接続電極における電極面を、ハンダ付けにより電気的に接続することができる。一方、筐体側の開口部の内面に収容する円筒状の電極面を設ける場合には、この電極面に対して、外部装置の外部電極を圧入することにより電気的に接続することができる。この際、電極面に、環状に配置された複数の弾性電極を設け、この弾性電極を外部装置の外部電極に接触させて電気的に接続することができる。
このような構成を有する本発明に係る圧力検出装置によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 本発明によれば、圧力検出装置からの電気信号を、環状形状の接続電極で成る電気的伝達手段によって外部装置側に直接伝達するので、同軸ケーブルやFPCを用いる必要がなく、外部装置に確実に伝達できるので、振動や衝撃に強い圧力検出装置を提供できる。
(2) 環状形状の接続電極を用いることで、圧力検出装置の取り付け方向が限定されず、機能部材の先端部の外周に容易に装着できるなど、装置の組み立てが容易になる。さらに、接続電極の全周を用いて外部装置側の電極と接続可能になるので、電気的接続面積を広く確保でき、この結果、接続の抵抗値が極めて小さくなり、小レベルの電気信号を確実に伝達できる信頼性に優れた圧力検出装置を提供できる。
(3) 好適な態様により、圧電素子を筐体の内部の周方向に沿って複数配置するとともに、この圧電素子を、スペーサを介して交互に配置すれば、圧力をバランス良く均一に検出でき、高精度な圧力検出が可能となる。一方、圧電素子が一個の場合であっても、C形状に形成されるスペーサと共に配置することにより、その配置位置を正確かつ容易に組み込むことが可能であるとともに、圧電素子に対して損失のない圧力伝達が可能となる。さらに、応力バランスをとることで圧電素子のカケや割れが発生せず、圧電素子の数量削減によるコストダウンが可能となる。
(4) 好適な態様により、接続端子を、スペーサ及び筐体に設けた貫通孔を通して電気的伝達手段に接続するようにすれば、電気的伝達手段に接続する接続端子を位置決めしつつ配置することができる。また、円筒状となる筐体内の開口部に燃料噴射装置等の機能部材を配置でき、圧力検出装置のための余分なスペースを確保する必要がない。
(5) 好適な態様により、接続端子と電極部材間にスプリングを介在させれば、接続端子と電極部材の位置関係が外部からの圧力によって変動しても、スプリングのバネ力により電極部材と接続端子を確実に電気接続することができる。
(6) 好適な態様により、接続電極に、前記電極面の所定の箇所から延びる細長い延長電極を一体に設け、この延長電極を、前記貫通孔から露出する前記接続端子の先端部に電気的に接続するようにすれば、接続端子の先端部を当該延長電極に直接接続できるので、圧電素子からの電気信号を、接続端子を介して接続電極に確実に伝達できる。
(7) 好適な態様により、接続電極に、前記筐体の中心線と直交する電極面を設け、この電極面に外部装置の外部電極を電気的に接続するようにすれば、当該筐体側における端面に対して平行に電極面を設けることができるため、広い電極面積を確保しつつ中心線方向の電極寸法をより小さくでき、もって、圧力検出装置の小サイズ化に寄与できる。
(8) 好適な態様により、前記電極面の外周における複数の箇所に爪部を形成し、接続電極を、この爪部を介して前記筐体側に固定するようにすれば、前記筐体側に複数の爪部を填め込み可能となるため、当該接続電極を確実に固定できる。
(9) 好適な態様により、外部装置における円筒状の外部電極に対して、前記接続電極における前記電極面を、ハンダ付けにより電気的に接続するようにすれば、外部電極に対して環状形状の接続電極の全周をハンダ付け可能となる。これにより、電気的接続面積を広く確保でき、振動や衝撃に強く、且つ、接続の抵抗値が小さいので、小レベルの電気信号を確実に外部装置に伝達できる。しかも、圧力検出装置の取り付け方向が限定されず、装置の組み立てを容易に行うことができる。
(10) 好適な態様により、接続電極に、前記筐体側の開口部の内面に収容する円筒状の電極面を設け、この電極面に前記外部装置の外部電極を電気的に接続するようにすれば、筐体側における内面を利用して電極面を設けることができるため、より広い電気的接続面積を確保できる。これにより、振動や衝撃に強い構造にできるとともに、接続の抵抗値が小さいので、小レベルの電気信号を確実に外部装置に伝達できる。
(11) 好適な態様により、円筒状の電極面に、前記外部装置の外部電極を圧入するようにすれば、圧入接続可能になるため、ハンダ付け作業が不要となる。この結果、装置の組み立て工程数を減らすことができる。
(12) 好適な態様により、円筒状の電極面に、環状に配置された複数の弾性電極を設け、この弾性電極を前記外部装置の外部電極に接触させて電気的に接続するようにすれば、接続電極と外部装置側の電極を複数の弾性電極によって接続するので、ハンダ付け作業が不要であり、装置の組み立て工程数を減らすことができる。加えて、接続電極の全周を用いて外部装置側の電極と弾性電極によって接続するので、電気的接続面積を広く確保でき、振動や衝撃に強く、且つ、接続の抵抗値が小さいので、小レベルの電気信号を確実に外部装置に伝達できる。
本発明の圧力検出装置が装着されるエンジンの概略構成図である。
第1実施形態の圧力検出装置の中心線に沿った断面図である。
図2の断面図の領域Aを拡大した拡大断面図である。
図2の断面図の領域Bを拡大した拡大断面図である。
第1実施形態の圧力検出装置の斜視図である。
第1実施形態の接続電極を説明するための斜視図である。
図2で示す第1実施形態の圧力検出装置を切断線F−F´で切断した圧電素子付近の断面図である。
第1実施形態の圧力検出装置の燃料噴射装置への装着例を説明するための断面図である。
第1実施形態の圧力検出装置の圧力検出動作を説明するためのブロック図である。
第2実施形態の圧力検出装置の中心線に沿った断面図である。
第2実施形態の接続電極を説明するための斜視図である。
第3実施形態の圧力検出装置の中心線に沿った断面図である。
第3実施形態の接続電極を圧力検出装置の背面側から見た接続電極単体の背面図である。
1:エンジン,2:シリンダブロック,2a:シリンダ,4:シリンダヘッド,4a:連通孔,4b:連通孔,5:点火プラグ,6:インジェクタユニット,7:燃料噴射装置,10:圧力検出装置,80:圧力検出装置,90:圧力検出装置,10a:開口部,11:フロント外側筐体,12:フロント内側筐体,13:リア筐体,13c:貫通孔,14:受圧リング,15:圧力伝達リング,16:圧電素子群,17:電極部材,20 筐体,31:電極コネクタ,81:電極コネクタ,91:電極コネクタ,32:接続電極,82:接続電極,92:接続電極,32a:電極面,82a:電極面,32b:延長電極,82b:延長電極,92b:延長電極,32c:爪部,32d:爪部,32e:爪部,33:コネクタハウジング,52:接続端子,56:コイルスプリング,71:内部筐体,72:外部筐体,75:外部電極,76:ハンダ,77:アンプ回路,78:制御回路,82a:圧入電極面,92a:押さえバネ,171〜176:スペーサ
次に、本発明に係る最良実施形態を含む各種実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
最初に、各実施形態の特徴について説明する。第1実施形態の特徴は、筐体の中心線と直交する環状形状の電極面を有する接続電極を外部装置側の電極とハンダ付けによって電気的に接続する圧力検出装置である。第2実施形態の特徴は、円筒状の圧入電極面を有する接続電極を外部装置側の電極と圧入によって電気的に接続する圧力検出装置である。第3実施形態の特徴は、環状に配置された複数の弾性電極を有する接続電極を外部装置側の電極と接触させることで電気的に接続する圧力検出装置である。
まず、本発明の第1実施形態〜第3実施形態の圧力検出装置が装着されるエンジンの概略構成を図1を用いて説明する。なお、ここでは、第1実施形態の圧力検出装置を装着する例を説明するが、後述する第2実施形態及び第3実施形態の圧力検出装置も同様に装着することができる。図1において、符号1は本発明の圧力検出装置が装着されるエンジンである。このエンジン1は、シリンダ2aを有するシリンダブロック2と、シリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダブロック2に締結されてシリンダ2aおよびピストン3などとともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド4とを備えている。
また、エンジン1は、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内の混合気を爆発させるための点火を行う点火プラグ5と、シリンダヘッド4に装着されて燃焼室C内に燃料を噴射し、且つ、燃焼室C内の圧力を検出するインジェクタユニット6とを、さらに備えている。なお、シリンダヘッド4には、燃焼室Cと外部とを連通する連通孔が2つ設けられており、一方の連通孔4aには点火プラグ5が、他方の連通孔4bにはインジェクタユニット6が、それぞれ貫通した状態で取り付けられている。
エンジン用機能部材としてのインジェクタユニット6は、燃焼室C内に燃料を噴射する燃料噴射装置7と、この燃料噴射装置7に取り付けられる本発明の第1実施形態である圧力検出装置10とによって構成する。ここで、燃料噴射装置7は、燃焼室Cの外部に配置される本体部7aと、本体部7aから燃焼室Cに向かって延びる円柱状の先端部7bとを備えている。
一方、圧力検出装置10は、燃焼室C内の内圧(燃焼圧:矢印D)を検出する機能を有しており、燃料噴射装置7の先端部7bの外周に取り付けられている。そして、この圧力検出装置10は、後述するように貫通した開口部を有する円筒状に構成される。
第1実施形態
次に、第1実施形態の圧力検出装置10の構成について図2〜図5を用いて説明する。図2は第1実施形態の圧力検出装置10の中心線方向の断面図であり、図3及び図4は、図2で示す領域A及び領域Bの拡大断面図である。また、図5は圧力検出装置10の外観斜視図であり、説明のためにコネクタハウジング33の図示を省略している。
なお、以下の説明においては、燃料噴射装置7とともにインジェクタユニット6を構成した際に、圧力検出装置10のうち、燃焼室Cを向く側を『前面側』と称し、燃焼室Cとは反対を向く側を『背面側』と称する。また、図2における領域Aは、圧力を検出する圧電素子周辺領域を示しており、領域Bは電気信号を伝達する接続端子周辺領域を示している。なお、図2の切断線F−F´については後述する。
ここで、圧力検出装置10は、全体として円筒状を呈しており、前面側から背面側に貫通し、図1に示す燃料噴射装置7における先端部7bの先端側を収容する開口部10aが設けられている。すなわち、円筒状の圧力検出装置10の開口部10aに、燃料噴射装置7の先端部7b(図2の二点鎖線で示す)が収容される。なお、圧力検出装置10と燃料噴射装置7の先端部7bの接続関係の詳細は後述する。
圧力検出装置10の構造は、円筒状の形状を有するフロント外側筐体11と、円筒状の形状を有し、且つ、フロント外側筐体11の内側にフロント外側筐体11と同心状に配置されるフロント内側筐体12と、円筒状の形状を有し、フロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の背面側に取り付けられるリア筐体13と、環状の形状を有するとともにフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の前面側に取り付けられ、外部からの圧力を受ける受圧部材としての受圧リング14とを備えている。
また、リア筐体13の背面側には、円筒状の形状を有し、環状形状の接続電極32を組み込んだ絶縁材で成る電極コネクタ31が配置され、さらに、円筒状の形状を有し、電極コネクタ31の全周を外側から覆うコネクタハウジング33を備えている。また、受圧リング14、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13に囲まれた領域には、圧力伝達リング15、圧電素子群16、接続端子52などが配置されるが、それぞれの構成部品の詳細な説明は後述する。
次に、圧力検出装置10の筐体の詳細を図2〜図4を用いて説明する。フロント外側筐体11は、前述したように円筒状の形状を有しており、その前面側の端部内側には、受圧リング14の後述する受圧先端部の外側端部をはめ込むための切り欠き11aが形成されている(図3、図4参照)。
フロント内側筐体12は、前述したように円筒状の形状を有しており、その外径は、前述したフロント外側筐体11の内径よりも小さい。また、フロント内側筐体12の前面側における端部外側には、受圧リング14の受圧先端部の内側端部をはめ込むための切り欠き12aが形成されている(図3、図4参照)。また、フロント内側筐体12の背面側における端部外側には、リア筐体13の前面側の端部内側をはめ込むための切り欠き12bが形成されている(図3、図4参照)。
リア筐体13は、円筒状の形状を有し、リア筐体13の前面側となる端面に圧電素子群16の接地電極として機能する接地電極層13bを備えている(図3参照)。ここで、リア筐体13は、前面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された前段部131と、前段部131の背面側においてフロント外側筐体11の外径とほぼ同じ外径に設定された中段部132と、中段部132の背面側においてフロント外側筐体11の内径とほぼ同じ外径に設定された後段部133とを有する(図3、図4参照)。
そして、前述した接地電極層13bは、リア筐体13の前段部131の前面側の端面に、ほぼ全周にわたって形成されている。また、前段部131の前面側の端部外側には、中段部132とによって、フロント外側筐体11の背面側の端部外側をはめ込むための切り欠き131aが形成されている(図3、図4参照)。また、前段部131の前面側における端部内側は、前述したフロント内側筐体12の背面側の端部外側に設けられた切り欠き12bにはめ込まれる構造である。
ここで、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13を合わせて筐体20と称する。この筐体20は高温となり得る燃焼室Cに面する位置または燃焼室Cに近い位置に存在することになるため、少なくとも、−40℃〜350℃の使用温度環境に耐える材料を用いて製作することが望ましい。また、後述するように、圧電素子群16の接地対象としてリア筐体13を使用することから、リア筐体13は導電性を有する材料を用いて製作することが望ましい。具体的に筐体20は、耐熱性が高く、且つ、導電性を有するステンレス鋼材、例えばJIS規格のSUS630、SUS316、SUS430等を用いて構成するとよい。
そして、フロント外側筐体11の背面側の端部は、リア筐体13の前面側の端部外側に設けられた切り欠き131aにはめ込まれた状態で、全周にわたってレーザ溶接が施されることで固定される。また、フロント内側筐体12の背面側の切り欠き12bは、リア筐体13の前面側にはめ込まれた状態で、全周にわたってレーザ溶接が施されることで固定される。これによって、フロント外側筐体11とリア筐体13がレーザ溶接され、フロント内側筐体12とリア筐体13がレーザ溶接されることで、一体化された筐体20が完成する。
なお、リア筐体13の前面側となる前段部131の端面に設けられる接地電極層13bは、導電性の高い金属薄膜をリア筐体13に対し単層あるいは複数層積層して構成されている。このような接地電極層13bとしては、リア筐体13上に例えば密着強化層としてTiを用いた内層を積層し、内層の上に例えば拡散防止層としてPtを用いた中間層を積層し、中間層の上となる最上層に、例えばAuを用いた接合層を積層したものを使用することができる。
次に、圧力検出装置10の筐体20内に形成される内部空間について、図3、図4を用いて説明する。圧力検出装置10は、前述したフロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13および受圧リング14によって囲まれる領域に、円筒状の内部空間10bが形成されている。そして、この内部空間10bは、環状の形状を有するとともに受圧リング14の背面側に配置され、受圧リング14からの圧力をさらに背面側に伝達する圧力伝達部材としての圧力伝達リング15と、この圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13の前段部131の端面との間に配置され、圧力伝達リング15から受けた圧力を電気信号に変換する圧電素子群16とを備えている。この圧電素子群16の詳細については後述する。
次に、受圧リング14の詳細について、図3、図4を用いて説明する。受圧リング14は、同心状に配置したフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12が前面側において形成する環状の隙間を、塞ぐように設けられる。この受圧リング14は、外部すなわち燃焼室C(図1参照)側に露出することで、シリンダ2aの燃焼室Cの内圧を受ける受圧先端部14aと、この受圧先端部14aの背面側において受圧先端部14aが受けた圧力を圧力伝達リング15に伝達する伝達部14bとを、一体化して構成している。そして、受圧リング14の受圧先端部14aの外側端部は、フロント外側筐体11の前面側の端部内側に設けられた切り欠き11aにはめ込まれた状態で、全周にわたってレーザ溶接が施されることで固定される。
また、受圧リング14の受圧先端部14aの内側端部は、フロント内側筐体12の前面側の端部外側に設けられた切り欠き12aにはめ込まれた状態で、全周にわたってレーザ溶接が施されることで固定される。そして、受圧リング14に設けられた伝達部14bは、フロント外側筐体11の内周面およびフロント内側筐体12の外周面の両面に接触しないように、これら両面に対する位置決めがなされる。なお、受圧リング14を構成する材料としては、高温であり、且つ、高圧となる燃焼室C内に露出することを考慮し、弾性が高く、且つ、耐久性、耐熱性、耐食性に優れる合金製であることが望ましく、例えばSUH660等を用いることができる。
この受圧リング14は、燃焼室Cからの燃焼圧(図3の矢印D)を受圧先端部14aによって受け、その燃焼圧Dは伝達部14bを経て圧力伝達リング15に伝達され、さらに、圧力伝達リング15に当接する圧電素子群16に伝達して後述する電気信号に変換されるのである。
圧力伝達リング15は、環状の形状を有しており、断面は矩形状であり、その外径はフロント外側筐体11の内径よりも小さく、内径はフロント内側筐体12の外径よりも大きい。なお、圧力伝達リング15は、耐熱性および絶縁性を有するアルミナ等のセラミック材料で構成するとよい。
また、圧力伝達リング15の背面側となる端面には、圧電素子群16からの電気信号を出力するための出力電極として機能する電極部材17が設けられている。この電極部材17は、圧力伝達リング15の背面側の端面に、環状に全周にわたって配置される。すなわち、電極部材17は、圧力伝達リング15と圧電素子群16との間に設けられている。
この電極部材17は、一例として、圧力伝達リング15とは別部材の導電性の高い金属膜を片面に形成した環状の絶縁フィルムを、圧力伝達リング15の背面側となる端面に接着剤等によって固着して配置するとよい。また、圧力伝達リング15の端面に導電性の高い金属膜を直接形成し、圧力伝達リング15と一体となった電極部材17でも良い。すなわち、圧力伝達リング15の背面側となる端面は、電極部材17が設けられていることで、導電性の電極面となる。
次に、リア筐体13に形成される貫通孔について、図4を用いて説明する。図4において、リア筐体13の所定の位置に、中心線方向に沿ってリア筐体13を貫通する貫通孔13cが形成されている。貫通孔13cの前面側は、前述した圧力伝達リング15および圧電素子群16を収容する内部空間10bと繋がり、貫通孔13cの背面側は、電極コネクタ31の切り欠き部31c(後述する)に繋がっている。この貫通孔13cは、接続端子52が挿入され、この接続端子52を内部空間10bから電極コネクタ31側に露出させると共に、接続端子52を位置決めする機能を有している。
次に、接続端子52について、図4を用いて説明する。接続端子52は耐熱性および導電性を有する金属製の棒状体で構成されており、圧力伝達リング15の端面に設けられた電極部材17に突き当たる突き当て部52aと、突き当て部52aの背面側に位置して突き当て部52aより径の大きい止め部52bと、さらに背面側に位置して先端部を含む接続部52cとを、一体化して構成している。なお、接続端子52の形状は特に限定されるものではない。
この接続端子52は、リア筐体13の貫通孔13cに内部空間10b側から挿入され、接続部52cがリア筐体13に隣接する電極コネクタ31側に露出する。そして、電極コネクタ31側に露出した接続部52cの先端部は、後述する延長電極32bとレーザ溶接されるが、ここでの詳細な説明は省略する。
この接続端子52の接続部52cが貫通孔13cに挿入されるにあたり、位置決めチューブ55に填め込まれて貫通孔13cの内部で位置決めされる。また、接続端子52の突き当て部52aの外周面に巻き回され、電極部材17に当接して電極部材17と接続端子52を電気的に接続するコイルスプリング56が配設されている。このコイルスプリング56のバネ力によって、コイルスプリング56の前面側の端部が電極部材17に当接し、コイルスプリング56の背面側の端部が接続端子52の止め部52bに当接する。これにより、電極部材17が固着している圧力伝達リング15と接続端子52の位置関係が外部からの圧力によって変動しても、電極部材17と接続端子52は、コイルスプリング56を介して確実に電気的に接続される。
また、貫通孔13cの出口付近において、製造時の防水や防塵等を保つために、Oリング57が接続端子52の接続部52cに填め込まれている。このOリング57によって、外部から内部空間10bに水分等が侵入することを防ぐことができる。
次に、第1実施形態の特徴である電気的伝達手段としての接続電極32と電極コネクタ31について、図2、図5、図6を用いて説明する。なお、図6は電極コネクタ31から外した接続電極32の単体の斜視図である。図2、図5、図6において、円筒状の電極コネクタ31は、リア筐体13の背面側に取り付けられ、その外径はリア筐体13の後段部133の外径とほぼ同じように設定され、内径はリア筐体13の後段部133の内径より若干大きく設定されている(図2参照)。
また、電極コネクタ31は、前面側の前面部31aと背面側の背面部31bに分かれており、背面部31bの外径は前面部31aの外径より僅かに小さく設定されている(図2、図5参照)。この電極コネクタ31は、背面部31bに環状形状の接続電極32を填め込んでから前面部31aと背面部31bの嵌合構造(図示せず)によって一体化する。
また、電極コネクタ31の前面部31aの外周の一部には、切り欠き部31cが形成されており、この切り欠き部31cによって、貫通孔13cに挿入された接続端子52の接続部52cの先端が外部に露出する。
このように、接続電極32は電極コネクタ31に填め込まれ、電極コネクタ31はリア筐体13の背面側、すなわち、筐体20の背面側に取り付けられる。この取り付けられた状態において、電極コネクタ31に填め込まれた接続電極32は、筐体20の中心線と直交する環状形状の電極面32aを有しており、この電極面32aは、電極コネクタ31の背面部31bの端面に露出している(図5参照)。
また、接続電極32は、電極面32aの所定の箇所から前面側に向かって延びる細長い延長電極32bを有している。また、接続電極32の電極面32aの外周の複数の箇所には、爪部32c〜32eが形成される(図6参照)。
ここで、環状形状の電極面32aは、詳細は後述するが、外部装置側の電極とハンダ付けによって電気的に接続される箇所である。また、延長電極32bは、その先端部が接続端子52の接続部52cとレーザ溶接によって電気的に接続される。さらに、複数の爪部32c〜32eは、電極コネクタ31の背面部31bに填め込むようにする。これにより、接続電極32を電極コネクタ31(筐体20側)に確実に固定することができる(図5、6参照)。なお、接続電極32の材質は、一例としてりん青銅にメッキ処理を施した導電性部材が望ましい。
次に、電極コネクタ31を外側から覆うコネクタハウジング33について説明する。図2において、コネクタハウジング33は、円筒状の形状を有しており、前面側の前面部33aと背面側の背面部33bで構成され、背面部33bの外径は前面部33aの外径よりわずかに小さく一体加工されている。ここで、コネクタハウジング33の前面部33aの内径は、リア筐体13の後段部133の外径、及び、電極コネクタ31の前面部31aの外径とほぼ同じ径に設定されている。また、コネクタハウジング33の背面部33bの内径は、電極コネクタ31の背面部31bの外径とほぼ同じ径に設定されている。
次に、圧力検出装置10に組み込まれる圧電素子群16について、図2、図3、及び図7を用いて説明する。図7は図2の切断線F−F´で切断した圧電素子群16付近の断面図である。図2、図3、図7において、圧電素子群16は、圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13の前面側の端面との間の内部空間10bに、円筒状のリア筐体13の周方向に沿って、リア筐体13に支持されて複数配置されている。
また、圧電素子群16の外側は、フロント外側筐体11で覆われ、内側はフロント内側筐体12で覆われている。なお、本実施形態では、6個の圧電素子161〜166が略等間隔で配置されているが、圧電素子群16の数は6個より少なくてもよいし、多くてもよい。
ここで、圧電素子161〜166は共通の構成を有しており、それぞれが直方体状に加工された圧電体16aと、圧電体16aの前面側の端面に形成されたフロント側電極16bと、圧電体16aの背面側の端面に形成されたリア側電極16cとを備えている(図3参照)。このフロント側電極16bとリア側電極16cは、導電性の高い金属膜が圧電体16aを挟んで対向して形成されている。
また、圧電体16aは、圧電縦効果及び圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LGTA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。なお、本実施形態の圧電素子群16には、圧電体としてランガサイト単結晶を用いている。
圧電素子161〜166のそれぞれにおいて、各フロント側電極16bは、圧力伝達リング15の端面に設けられた電極部材17に当接し、各リア側電極16cは、リア筐体13に設けられた接地電極層13bに当接する(図3参照)。
各圧電素子161〜166の周方向の隙間には、スペーサ171〜176が配置され、圧電素子161〜166が略等間隔で配置されるように機能している(図7参照)。また、スペーサ171の略中央部分には、前述の接続端子52を貫通させるためのスペーサ貫通孔171aが設けられ、接続端子52が貫通している。なお、スペーサ171〜176の材質はセラミックス(アルミナ、ジルコニア)などであるが、絶縁材であれば材質は限定されない。このように、圧電素子群16は、筐体20の内部において周方向に沿って等間隔で複数配置されているので、外部からの圧力をバランス良く均一に受けることができ、高精度な圧力検出が可能となる。
次に、圧力検出装置10の組立手順の概要について、図2を用いて説明する。図2において、前述したように、フロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13が組み立てられて、それぞれにレーザ溶接が施されて一体化した筐体20となる。この筐体20の内部には、各要素部品(圧力伝達リング15、圧電素子群16、接続端子52など)が組み込まれるが、最後に受圧リング14がフロント外側筐体11とフロント内側筐体12の前面側に填め込まれてレーザ溶接が施され固定する。
次に、電極コネクタ31は、前述したように、背面部32bに接続電極32を填め込んで後、前面部32aと背面部32bを嵌合して接続電極32を含めて一体化する。これにより、接続電極32の延長電極32bの先端が、電極コネクタ31の切り欠き部31cに露出する。
次に、一体化した筐体20のリア筐体13の背面側(後段部133)に、電極コネクタ31を所定の方向で取り付ける。すなわち、リア筐体13の貫通孔13cから露出している接続端子52の接続部52cと、電極コネクタ31の切り欠き部31cに露出している延長電極32bの先端が接触する位置に、電極コネクタ31を取り付ける。
この接続端子52の接続部52cと接続電極32の延長電極32bとの接触位置は、電極コネクタ31の切り欠き部31cによって外部に露出しているので、この切り欠き部31cの上方からレーザ照射を行い(図示せず)、接続端子52の接続部52と接続電極32の延長電極32bとをレーザ溶接して電気的に接続する。
次に、コネクタハウジング33の前面部33aを電極コネクタ31の背面側から填め込み、さらに、前面部33aの先端を一体化した筐体20のリア筐体13の中段部132まで隙間無く填め込んだ後、リア筐体13の中段部132とコネクタハウジング33の前面部33aの先端の全周をレーザ溶接によって固定する(溶接箇所:G1)。これにより、筐体20とコネクタハウジング33は確実に結合され、電極コネクタ31はコネクタハウジング33に覆われて筐体20に固定される。これにより、一体化された圧力検出装置10が完成する。
なお、接続電極32の電極面32aは、コネクタハウジング33から外部に露出しており、また、接続電極32は絶縁性の電極コネクタ31に組み込まれているので、接続電極32とコネクタハウジング33は、電気的に絶縁されている。
このように、一体化された圧力検出装置10は円筒状であって、その内部には開口部10aを有しているので、開口部10aに燃料噴射装置7の先端部7bを配置でき、燃料噴射装置7と圧力検出装置10は、一つのインジェクタユニット6としてシリンダブロック2に組み込むことができる(図1参照)。これにより、圧力検出装置10のためにシリンダブロック2に新たな連通孔を設ける必要がなくなり、スペース効率に優れた圧力検出装置を提供できる。
次に、第1実施形態の圧力検出装置の電気的接続構造について、図2〜図4、及び図7を用いて説明する。まず、圧電素子群16を構成する圧電素子161〜166の背面側に設けられたそれぞれのリア側電極16cは、前述したように、リア筐体13に設けられた接地電極層13bに当接して電気的に接続される。ここで、リア筐体13は導電性を有するので、リア筐体13と接地電極層13bとは、電気的に接続された状態となる(図3参照)。
ここで、燃料噴射装置7及び圧力検出装置10で構成するインジェクタユニット6を、図1に示すシリンダヘッド4に取り付けた際、少なくともフロント外側筐体11が、金属製のシリンダヘッド4と電気的に接続される。このシリンダヘッド4は、シリンダ2aに繋がって電気的に接地された状態にあるため、圧力検出装置10の圧電素子161〜166の各リア側電極16cは、リア筐体13およびフロント外側筐体11を介して、インジェクタユニット6の接地電極に接続して接地されることになる。これにより、圧電素子群16の一方の電極であるリア側電極16cは、エンジン1全体の接地電極に接続されるので、外部からの電気的なノイズの影響を遮断して、高精度な圧力検出を実現できる。
これに対し、圧電素子群16を構成する圧電素子161〜166の前面側に設けられたそれぞれのフロント側電極16bは、圧力伝達リング15の端面に設けられた電極部材17に当接して電気的に接続される。このような構成によって、圧電素子群16は、リア筐体13の接地電極層13bと電極部材17に挟まれて、電気的に接続される。
すなわち、圧電素子群16の個々の圧電素子161〜166は、接地電極層13bと電極部材17の間にあって並列接続されている。このため、個々の圧電素子161〜166が受けた圧力によって発生するそれぞれの電荷が並列接続によって平均化されて、一つの電気信号として出力されるので、圧電素子161〜166の位置の僅かな違いによる圧力差や、各圧電素子の特性ばらつき等が平均化によってキャンセルされ、高精度な圧力検出を実現できる。
また、圧力伝達リング15は、前述したように絶縁性を有するので、圧力伝達リング15と電極部材17とは固着しているが電気的には絶縁された状態であり、これにより、電極部材17は、周囲のフロント外側筐体11とフロント内側筐体12からも絶縁されている。
一方、電極部材17は、コイルスプリング56を介して接続端子52と電気的に接続されている(図4参照)。さらに前述したように、接続端子52は、貫通孔13cを通って接続部52cが電極コネクタ31の切り欠き部31cに露出し、その接続部52cと接続電極32の延長電極32bがレーザ溶接によって電気的に接続される。すなわち、圧電素子群16のフロント側電極16bに当接して出力電極として機能する電極部材17は、接続端子52を介して接続電極32に電気的に接続されるのである。
これにより、接続電極32に圧電素子群16からの電気信号が伝達され、後述するが接続電極32が燃料噴射装置7側の電極に接続されることで、電気信号を外部装置に伝達することができる。
また、接続端子52から接続電極32への電気信号の伝達経路は、それぞれが絶縁体で構成された内部空間10b、位置決めチューブ55、電極コネクタ31によって、金属で構成され相互に電気的に接続されたフロント外側筐体11、フロント内側筐体12、リア筐体13、及び、コネクタハウジング33と電気的に絶縁される。また、接続端子52は、貫通孔13cと位置決めチューブ55によって位置が規制されていることから、接続端子52は、フロント外側筐体11における外周面およびフロント内側筐体12における内周面には接触しない(図4参照)。
このように、圧力検出装置10の電気的接続は、圧電素子群16のフロント側電極16bとリア側電極16cに対してそれぞれ接続ルートが形成されて、リア側電極16cは接地されると共に、フロント側電極16bからは電気信号が外部装置に伝達される。
次に、圧力検出装置10をエンジンの機能部材としての一例である燃料噴射装置7の先端部7b(図1参照)の外周への装着例について、図8を用いて説明する。なお、図8は圧力検出装置10の開口部10aに、燃料噴射装置7の先端部7bが組み込まれていることを示している。図8において、燃料噴射装置7の先端部7bは、略円筒状の金属で成る内部筐体71と、内部筐体71の外側を覆う略円筒状の外部筐体72の2重構造を有している。
この内部筐体71は、圧力検出装置10の開口部10aに挿入され、内部筐体71の先端に設けられているノズル7cは、圧力検出装置10の前面側から露出している。この構造によって、燃料噴射装置7の先端部7bのノズル7cは、圧力検出装置10の前面側の開口部10aから燃焼室C内に燃料を噴射することができる。
一方、外部筐体72は、圧力検出装置10のコネクタハウジング33の前面部33aと背面部33bの境の段差部33cまで填め込まれ、この段差部33cの全周でレーザ溶接が施されることで(溶接箇所:G2)、コネクタハウジング33と外部筐体72は固定されて、圧力検出装置10と燃料噴射装置7は一体化する。
また、内部筐体71と外部筐体72の隙間には、2重構造で円筒状の絶縁部材73、74が設けられ、この絶縁部材73、74の隙間に、外部装置側の電極である円筒状の外部電極75が形成されている。この構造によって、外部電極75は、2重構造の絶縁部材73、74に挟まれることで、内側の内部筐体71と外側の外部筐体72のいずれにも接触せず、電気的に絶縁されている。
また、外部電極75の先端部分は、一例として全周に立体的な凹凸の段差を有し、圧力検出装置10が燃料噴射装置7に組み込まれると、その外部電極75の先端部分の直近に圧力検出装置10の環状形状の接続電極32の電極面32aが位置するように設定されている。ここで、外部電極75の先端部分の凹部75aの全周に、一例として糸ハンダを配置してから、圧力検出装置10を組み込み、所定の温度で一定期間加熱することで、糸ハンダが溶けて、圧力検出装置10の接続電極32の電極面32aと燃料噴射装置7側の外部電極75がハンダ76によって電気的に接続される。
これにより、圧力検出装置10は燃料噴射装置7に装着され、圧力検出装置10に組み込まれた圧電素子群16からの電気信号を外部電極75に伝達することができる。また、圧力検出装置10の接続電極32は環状に形成されているので、燃料噴射装置7の円筒状の外部電極75の全周とハンダ76によって接続できる。このように、接続電極32に、筐体11…の中心線と直交する電極面32aを設け、この電極面32aに外部装置の外部電極を電気的に接続するようにしたため、当該筐体11…側における端面に対して平行に電極面32aを設けることができる。これにより、広い電極面積を確保しつつ中心線方向の電極寸法をより小さくでき、もって、圧力検出装置10の小サイズ化に寄与できる。しかも、外部装置における円筒状の外部電極に対して、接続電極32における電極面32aを、ハンダ付けにより電気的に接続したため、外部電極に対して環状形状の接続電極32の全周をハンダ付け可能となる。これにより、電気的接続面積を広く確保でき、振動や衝撃に強く、且つ、接続の抵抗値が小さいので、小レベルの電気信号を確実に外部装置に伝達できる。しかも、圧力検出装置の取り付け方向が限定されず、装置の組み立てを容易に行うことができる。
また、圧力検出装置10の環状形状の接続電極32と円筒状の外部電極75との接続箇所が全周に及ぶので、圧力検出装置10と燃料噴射装置7との取り付け方向(周方向の取付角度)が限定されず、圧力検出装置10が燃料噴射装置7に対してどのような向きに取り付けられても構わない。これにより、装置の組み立てを容易に行うことができる。なお、環状形状の接続電極32に対して、燃料噴射装置7側の外部電極75の形状は、円筒状に限定されず、接続電極32に対して所定の幅を有する円弧状、または、帯状などの電極形状でもよい。すなわち、環状形状の接続電極32の全周に渡って外部電極75が接続せず、接続電極32の周方向の一部分が外部電極75と接続する構成でもよい。
この場合、接続電極32と外部電極75の電気的接続面積は狭くなるが、接続電極32が環状形状であるので、圧力検出装置10と燃料噴射装置7との取り付け方向(周方向の取付角度)が限定されないという効果は、円筒状の外部電極75と同様に備わっている。また、外部電極75が円筒状に限定されないことは、後述する第2実施形態及び第3実施形態においても同様である。なお、外部電極75は、燃料噴射装置7に直接接続されるのではなく、詳細は後述するが、圧力検出装置10の電気信号を変換する外部装置としてのアンプ回路などを経て、燃料噴射装置7や他の装置に接続される。
次に、エンジン1に装着された圧力検出装置10の圧力検出動作の概要について、図9のブロック図を用いて説明する。なお、圧力検出装置10の構成は図2〜図8を参照する。図9において、圧力検出装置10は、受圧リング14、圧力伝達リング15、圧電素子群16,接続端子52、接続電極32などで構成されて筐体20(破線で示す)で覆われている。
一方、エンジン1のシリンダブロック2内の燃焼室Cに発生した内圧としての燃焼圧(矢印D)の変動は、圧力検出装置10の受圧リング14および圧力伝達リング15を介して圧電素子群16に作用する。このとき、燃焼圧Dの変動に伴って発生する振動は、最大で数KHz程度の周波数成分を含むものである。
この例において、圧電素子群16は、筐体の周方向に沿って等間隔に配置された圧電素子161〜166を備えており(図7参照)、圧電素子161〜166には、ほぼ均一に燃焼圧Dの変動に応じた電荷が発生する。そして、圧電素子161〜166を構成する各圧電体16aに発生した電荷は、各圧電体16aの各フロント側電極16bから電気信号P1として圧力伝達リング15の端面に設けられた電極部材17を通って接続端子52に伝達される。
次に接続端子52に伝達された電気信号P1は、接続端子52に接続している接続電極32に伝達される。さらに、接続電極32に伝達された電気信号P1は、接続電極32が接続されている外部装置側の外部電極75を介して、外部装置の一部であるアンプ回路77に伝達される。このアンプ回路77は積分回路を含み、微分波形でなる電気信号P1を積分して圧力信号P2に換算し、その圧力信号P2をエンジン1を制御する制御回路78に伝達して、燃料噴射装置7や点火プラグ5の制御を行う。
また、圧電素子群16を構成する圧電素子161〜166の背面側のリア側電極16cは、接地電極層13bから筐体20を介してシリンダブロック2と電気的に接続されて接地電極となる。この結果、圧力検出装置10の筐体20とシリンダブロック2の全体が接地されるので、外部からの電気的なノイズの混入を軽減することができる。
そして、接続電極32は環状に形成されているので、燃料噴射装置7に形成される円筒状の外部電極75(図8参照)の全周と電気的に接続でき、この結果、電気的接続面積を広く確保できるので、エンジン1から長期にわたって振動や衝撃を受けても破損や断線がなく、信頼性に優れた圧力検出装置を提供することができる。以上のように、本発明の圧力検出装置は、振動や衝撃に強い電気的伝達手段を備え、機能部材である燃料噴射装置7の先端部の外周に容易に装着できるすぐれた効果を有している。
第2実施形態
次に、第2実施形態の圧力検出装置の構成について、図10を用いて説明する。なお、図10は第2実施形態の圧力検出装置の中心線に沿った断面図である。ここで、第2実施形態の圧力検出装置は、接続電極が円筒状の圧入電極面を有する構成で有り、基本的な構成は第1実施形態と同様であるので、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図10において、符号80は第2実施形態の圧力検出装置である。圧力検出装置80は、第1実施形態の圧力検出装置10と同様に、円筒状の形状を有するフロント外側筐体11と、円筒状の形状を有し、且つ、フロント外側筐体11の内側にフロント外側筐体11と同心状に配置されるフロント内側筐体12と、円筒状の形状を有し、フロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の背面側に取り付けられるリア筐体13と、環状の形状を有するとともにフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の前面側に取り付けられ、外部からの圧力を受ける受圧リング14とを備えている。
また、受圧リング14からの圧力を背面側に伝達する圧力伝達リング15と、圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13における前面側の端面との間に配置され、圧力伝達リング15から受けた圧力を電気信号に変換する圧電素子群16などを備えている。これらの各要素の構成と機能は、第1実施形態と同様なので詳細な説明は省略する。
次に、第2実施形態の特徴である電気的伝達手段としての接続電極と電極コネクタについて、図10、図11を用いて説明する。なお、図11は第2実施形態の接続電極を電極コネクタから取り外した状態を示す斜視図である。図10、図11において、電極コネクタ81は、リア筐体13の背面側に取り付けられ、その外径はリア筐体13の後段部133の外径とほぼ同じように設定され、内径はリア筐体13の後段部133の内径より若干大きく設定されている。
また、電極コネクタ81は、前面側の前面部81aと背面側の背面部81bに分かれており、背面部81bの外径は前面部81aの外径よりわずかに小さく設定されている。この電極コネクタ81は、背面部81bに環状形状の接続電極82を填め込んでから、前面部81aと背面部81bの嵌合構造(図示せず)によって一体化する。
また、電極コネクタ81の前面部81aの外周の一部には、切り欠き部81cが形成されており、この切り欠き部81cによって、貫通孔13cに挿入された接続端子52の接続部52cの先端部が外部に露出する。
接続電極82は、内面に円筒状の圧入電極面82aを有し、この圧入電極面82aは、接続電極82が電極コネクタ81に填め込まれることで、電極コネクタ81の内側に位置する。また、接続電極82の所定の箇所から前面側に向かって延びる細長い延長電極82bを有している。
この延長電極82bは、第1実施形態と同様に、その先端部が接続端子52の接続部52cとレーザ溶接によって電気的に接続される。なお、接続電極82の材質は、一例としてりん青銅にメッキ処理を施した導電性部材が望ましい。
ここで、第1実施形態と同様に、圧力検出装置10の開口部10aに燃料噴射装置7の先端部7bが挿入されると(図8参照)、接続電極82の圧入電極面82aは、開口部10aの内側の全周に露出するので、開口部10aに挿入された燃料噴射装置7の先端部7bに接触する。このとき、燃料噴射装置7側の外部電極の形状を、図示しないが、圧入電極面82aと全周に渡って接触する環状の電極面として形成し、且つ、圧入電極面82aの内径と、燃料噴射装置7側の外部電極の外径をほぼ同じとして、圧入によって圧入電極面82aに燃料噴射装置7側の外部電極面を填め込む設定とする。
また、円筒状の形状を有し、電極コネクタ81を外側から覆うコネクタハウジング33は、第1実施形態のコネクタハウジング33と同一の構成と機能を備えており、コネクタハウジング33によって、筐体20と電極コネクタ81は固定されて一体化する。
以上の構造によって、第2実施形態の圧力検出装置80は、圧電素子群16から電気信号を接続端子52を介して接続電極82に伝達し、さらに、圧入によって電気的に接続する燃料噴射装置7側の外部電極に伝達することができる。このように、接続電極82と外部電極とは圧入によって接続されるので、ハンダ付け作業などの工程が不要であり、圧力検出装置80を燃料噴射装置7に装着する組み立て作業を容易に行うことができる。
また、接続電極82の圧入電極面82aは円筒状であるため、その全周で燃料噴射装置7側の電極面と圧入によって接触することができる。これにより、燃料噴射装置7側の電極面との電気的接続面積を広く確保でき、接続が確実となって振動や衝撃に強く、且つ、接続の抵抗値が小さくなり、小レベルの電気信号を確実に伝達できる。さらに、圧力検出装置80の環状の接続電極82と外部電極との接続箇所が接続電極82の全周に及ぶので、圧力検出装置80と燃料噴射装置7との取り付け方向が限定されず、圧力検出装置80が燃料噴射装置7に対してどのような向きに取り付けられても構わない。これにより、装置の組み立て作業を容易に行うことができる。
第3実施形態
次に、第3実施形態の圧力検出装置の構成について、図12を用いて説明する。なお、図12は第3実施形態の圧力検出装置の中心線に沿った断面図である。ここで、第3実施形態の圧力検出装置は、接続電極が環状に配置された複数の弾性電極を有する構成となる。したがって、基本的な構成は第1実施形態と同様になるため、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
図12において、符号90は第3実施形態の圧力検出装置である。圧力検出装置90は、第1実施形態の圧力検出装置10と同様に、円筒状の形状を有するフロント外側筐体11と、円筒状の形状を有し、且つ、フロント外側筐体11の内側にフロント外側筐体11と同心状に配置されるフロント内側筐体12と、円筒状の形状を有し、フロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の背面側に取り付けられるリア筐体13と、環状の形状を有するとともにフロント外側筐体11およびフロント内側筐体12の前面側に取り付けられ、外部からの圧力を受ける受圧リング14とを備えている。
また、受圧リング14からの圧力を背面側に伝達する圧力伝達リング15と、圧力伝達リング15の背面側とリア筐体13における前面側の端面との間に配置され、圧力伝達リング15から受けた圧力を電気信号に変換する圧電素子群16とを備えている。これらの各要素の構成と機能は、第1実施形態と同様なので詳細な説明は省略する。
次に、第3実施形態の特徴である電気的伝達手段としての接続電極と電極コネクタについて、図12、図13を用いて説明する。なお、図13は第3実施形態の接続電極を圧力検出装置90の背面側から見た接続電極単体の背面図である。図12、図13において、電極コネクタ91は、リア筐体13の背面側に取り付けられ、その外径はリア筐体13の後段部133の外径とほぼ同じように設定され、内径はリア筐体13の後段部133の内径より若干大きく設定されている。
また、電極コネクタ91は、前面側の前面部91aと背面側の背面部91bに分かれており、背面部91bの外径は前面部91aの外径よりわずかに小さく設定されている。この電極コネクタ91は、背面部91bに環状形状の接続電極92を填め込んでから、前面部91aと背面部91bの嵌合構造(図示せず)によって一体化する。
さらに、電極コネクタ91の前面部91aの外周の一部には、切り欠き部91cが形成されており、この切り欠き部91cによって、貫通孔13cに挿入された接続端子52の接続部52cの先端部が外部に露出する。
接続電極92は、内側の全周に沿って環状に配置された弾性電極としての複数の押さえバネ92aを有し、この押さえバネ92aは、接続電極92が電極コネクタ91に填め込まれることで、電極コネクタ91の内側の全周に位置する。また、接続電極92の所定の箇所から前面側に向かって延びる細長い延長電極92bを有している。
この延長電極92bは、第1実施形態と同様に、その先端部が接続端子52の接続部52cとレーザ溶接によって電気的に接続される。なお、接続電極92の材質は、一例としてりん青銅にメッキ処理を施した導電性部材が望ましい。
ここで、第1実施形態と同様に、圧力検出装置90の開口部10aに、燃料噴射装置7の先端部7bが挿入されると(図8参照)、接続電極92の押さえバネ92aは、開口部10aの内側の全周に露出しているので、開口部10aに挿入された燃料噴射装置7の先端部7bに接触する。このとき、燃料噴射装置7側の外部電極の形状を、図示しないが、押さえバネ92aと全周に渡って接触する環状の電極面として形成し、且つ、その電極面の外径は、押さえバネ92aが外部電極の全周に接触して所定の量だけたわむ径に設定する。これにより、圧力検出装置90の開口部10aに、燃料噴射装置7の先端部7bが挿入されると、開口部10aの内側の全周に露出しているすべての押さえバネ92aが燃料噴射装置7側の外部電極に所定のバネ圧で接触し、圧力検出装置90と燃料噴射装置7側の外部電極は電気的に接続される。
また、円筒状の形状を有し、電極コネクタ91を外側から覆うコネクタハウジング33は、第1実施形態のコネクタハウジング33と同一の構成と機能を備えており、コネクタハウジング33によって、筐体20と電極コネクタ91は固定されて一体化する。
以上の構造によって、第3実施形態の圧力検出装置90は、圧電素子群16から電気信号を接続端子52を介して接続電極92に伝達し、さらに、接続電極92の複数の押さえバネ92aによって電気的に接続する燃料噴射装置7側の外部電極に伝達することができる。このように、接続電極92と外部電極とは押さえバネ92aのバネ圧によって接続されるので、ハンダ付け作業などの工程が不要であり、圧力検出装置90を燃料噴射装置7に装着する組み立て作業を容易に行うことができる。
さらに、押さえバネ92aは、接続電極92の内側の全周に沿って環状に複数配置されているため、接続電極92の全周で燃料噴射装置7側の電極面と接触する。これにより、燃料噴射装置7側の電極面との電気的接続面積を広く確保でき、接続が確実となって振動や衝撃に強く、且つ、接続の抵抗値が小さくなり、小レベルの電気信号を確実に伝達できる。
また、圧力検出装置90の環状の接続電極92と外部電極との接続箇所が接続電極92の全周に及ぶので、圧力検出装置90と燃料噴射装置7との取り付け方向が限定されず、圧力検出装置90が燃料噴射装置7に対してどのような向きに取り付けられても構わない。これにより、装置の組み立て作業を容易に行うことができる。本実施形態では、押さえバネ92aのたわみによって外部装置側の電極面と接触するので、接続電極92の寸法と外部電極の寸法のばらつきが多少生じても、接触状態に影響することが少ないという利点がある。なお、接続電極92の全周に形成される押さえバネ92aは、環状に配置されるならば数は特に限定されない。
さらに、本実施形態では、接続電極92の複数の押さえバネ92aは、接続電極92の内側の全周に沿って環状に配置されているが、押さえバネ92aの位置は、これに限定されない。例えば図示しないが、接続電極92を第1実施形態と同様に、筐体の中心線と直交する電極面(図6の電極面32a参照)のように構成し、この電極面上に複数の押さえバネを環状に、且つ、押さえバネが筐体の中心線方向にたわむように形成してもよい。また、燃料噴射装置7側の外部電極は、この押さえバネの位置に対応して、中心線と直交する環状の電極面として形成するとよい。
この構造により、圧力検出装置90の開口部10aに燃料噴射装置7の先端部7bを挿入すると、筐体の中心線と直交する電極面に環状に複数形成された押さえバネが燃料噴射装置7側の外部電極の全周で接触するので、第2実施形態と同様な効果を有する圧力検出装置を実現できる。
以上、各種実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の精神を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。また、本発明の圧力検出装置が装着される機能部材は燃料噴射装置に限定されるものではなく、エンジンに組み込まれるどのような装置でも適応できる。
本発明に係る圧力検出装置は、エンジンの燃焼室内の圧力測定、特に、点火プラグ,インジェクタ等の先端外周部に装着して燃焼圧を検出する際に利用することができる。