以下、この発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、収納・包装される食物がハンバーガーである場合を例に説明するが、この場合には限定されない。例えば、矩形状のサンドイッチ、おにぎり、どら焼き等でも良い。
(食物収納袋形成装置10の全体構成)
図1は、本実施形態における食物収納袋形成装置10の全体構成を示す側面図である。
本実施形態における食物収納袋形成装置10は、製品供給部Aと、収納袋形成部Bと、収納袋折畳み部Cとを備えている。図1に示すように、右側の上流側に製品供給部Aを配置し、中央に収納袋形成部Bを配置し、左側の下流側に収納袋折畳み部Cを配置している。
製品供給部Aは、製品である食物であるハンバーガーHと、そのハンバーガーHを包装する樹脂製フィルム26をそれぞれ供給する装置である。
収納袋形成部Bは、上記製品供給部Aの下流側に配置されるもので、上記製品供給部Aで供給された長筒状の筒状フィルム12と共にハンバーガーHが投入されて、ハンバーガーHが収納された単体の食物収納袋11を形成するものである。
収納袋折畳み部Cは、上記収納袋形成部Bで単体の食物収納袋11の形態になったものを袋の一部を折り畳み処理して出荷の形態に体裁よく折畳み処理する装置である。なお、本願発明では、収納袋折畳み部Cは自動的に袋の一部を折り畳み処理する装置であるが、収納袋折畳み部Cの代わりにこの処理を手作業で折り畳みすることもできる。
(製品供給部Aの全体構成)
図2は、本発明の食物収納袋形成装置10の全体構成を模式的に説明する説明図である。
製品供給部Aは、図2に示すように、包装するハンバーガーHを供給する食物搬入コンベア21と、そのハンバーガーHを包装する筒状フィルム12を供給する樹脂製フィルム供給手段25を備えたものである。
食物搬入コンベア21は、図2に示すように、包装するハンバーガーHを供給する搬送コンベアであり、終端部に配設した駆動ドラム22と従動ドラム23との間に無端式のコンベアベルト24を巻回したものである。
樹脂製フィルム供給手段25は、図2に示すように、帯状の樹脂製フィルム26をロール状に巻き取ったフィルムロール30から連続して繰り出すように構成したものである。
また、製品供給部Aは、図2に示すように、樹脂製フィルム供給手段25から供給されるシート状の樹脂製フィルム26を下手方向に連続して供給して筒状に形成する筒状形成手段28と、筒状に形成された樹脂製フィルム26の重合部分にシールを施すセンターシール手段27と、を備えたものである。
筒状形成手段28は、図1及び図2に示すように、左右一対の羽根板を備えた製袋器29により、シート状の樹脂製フィルム26を連続した筒状に形成するものである。
センターシール手段27は、筒状フィルム12の下部重合部分をシールするものである。すなわち、センターシール手段27は、断面矩形の筒状フィルム12下部を左右一対でヒートシールする左右一対の円筒状のヒータを備えるものである。
このように、製品供給部Aは、図2に示すように、フィルムロール30から帯状に繰り出した樹脂製フィルム26を製袋器29で長い筒状の筒状フィルム12を形成し、搬送コンベア下方に配置したセンターシール手段27で背中シールを施し、中身の製品を充填・装着しつつ、この後に以下に説明する収納袋形成部Bにより上下熱シール処理(エンドシール)をして密封するものである。
また、本実施形態における製品供給部Aは、上記製袋器29に投入される前に筒状フィルム12内に収納されるようにハンバーガーHの高さを調整する食物高さ調整機構31を製袋器29の直前上流側に配設している。
食物高さ調整機構31は、食物搬入コンベア21のコンベア面上方に2つの従動ドラム33、33間に無端式のベルト34を巻回した短長のベルトコンベアの形式で配設されている。
また、食物高さ調整機構31は、そのベルト34下面が食物搬入コンベア21のコンベア面21aからの高さがコンベア面下流側に向かって漸次低くなるように設定されており、そのベルト34下流側端部の高さは製袋器29で形成される筒状フィルム12内にハンバーガーHが収納されるように設定されている。
このように構成することにより、ハンバーガーH等の食物が製袋器29の一部に接触して崩れるのを防止している。
(収納袋形成部Bの全体構成)
収納袋形成部Bは、上記製品供給部Aの下流側に配置されるもので、上記製品供給部Aで供給された長筒状の筒状フィルム12と共にハンバーガーHが投入されて、ハンバーガーHが包装された単体の食物収納袋11を形成するものである。
図3は、収納袋形成部Bの構造を示した説明図であり、(a)は収納袋形成部Bの全体構造を示した右側面図であり、(b)は搬送面中央での断面構造を示した断面図である。図4は、収納袋形成部Bを平面視した平面図である。図5は、収納袋形成部Bを下流側からみた断面図である。
すなわち、収納袋形成部Bは、図3(b)に示すように、このような単体の食物収納袋11の形態にするための処理系として、熱シール部13を有する。
熱シール部13は、図3(b)に示すように、トップシーラ35、36を上下一対で構成したものである。
上側トップシーラ35の下端部は、上流側熱シール部37を備え、それより所定距離を有して下流側熱シール部38を備える。
また、下側トップシーラ36の上端部は、上流側熱シール部37を備え、それより所定距離を有して下流側熱シール部38を備える。
各トップシーラ35、36の上流側熱シール部37は、食物収納袋11の先端シール部140を形成するものであり、下流側熱シール部38は、食物収納袋11の後端シール部141を形成するものである。
熱シール部13は、公知のボックスモーションで駆動、すなわち、上側トップシーラ35と下側トップシーラ36とを側面視略円状に回転させながら近接・離反させて熱シール処理をするものである。
ボックスモーションは、上下のトップシーラ35、36が接近した状態(熱シール処理時)では、筒状フィルム12と共に上流から下流へ同じ速度で移動し、その後、上下のトップシーラ35、36が離反した状態では、下流側から上流側へと元の位置に戻るような動きをする。
このような公知のボックスモーション駆動は、本実施形態では、収納袋形成ボックス40に設けた駆動モータ41を上下の大径ギヤ112、113からカム機構(図示せず)を介して上下のトップシーラ35、36を側面視円状に回転させながら近接・離反させるものである。
また、上側トップシーラ35の上流側熱シール部37と下流側熱シール部38との間には袋カッタ42を配設している。
袋カッタ42は、その下端部に刃面を形成しており、上流側熱シール部37と下流側熱シール部38との間から下方に刃面を出し入れすることで、搬送される長筒状の筒状フィルム12を切断して単体の食物収納袋11を形成するように構成したものである。
次に、収納袋形成部Bは、図3(b)に示すように、搬送系として、熱シール部13の上流側に第1搬送コンベア45と、熱シール部13の下流側に第2搬送コンベア61とを有している。
具体的には、図3(b)に示すように、第1可動フレーム46は、上流側に第1従動ドラム51を配設し、下流側に第2従動ドラム52を配設したものである。
また、第1固定フレーム47は、第1搬送コンベア45を構成する図示しない機枠に固定されるものであり、垂直方向にフレーム本体55を有し、そのフレーム本体55の中途部から下流側に凸部56を形成し、その凸部56先端に第3従動ドラム53を設けている。第1固定フレーム47には第1搬送用駆動モータ57(図4に示す)を連設し、第1搬送用駆動モータ57の駆動軸に駆動ドラム48を連設し、駆動ドラム48上方に第4従動ドラム54を設けている。
さらに、駆動ドラム48、第1従動ドラム51〜第4従動ドラム54に搬送ベルト59を巻回している。さらに、収納袋形成ボックス40側にテンションローラ60を取り付け、テンションローラ60のローラ先端を搬送ベルト59面に押圧させている。そして、第1搬送コンベア45の搬送ベルト59を回動自在とすることで、第4従動ドラム54と第2従動ドラム52との間に搬送コンベア面が形成される。
第2搬送コンベア61は、図3(b)に示すように、第1搬送コンベア45の下流側に配設されるものであり、第1搬送コンベア45と基本構造は同じである。
具体的には、図3(b)に示すように、第2固定フレーム63下部に第2搬送用駆動モータ64を配設し、第2搬送用駆動モータ64(図4に示す)の駆動軸に駆動ドラム65を連設し、駆動ドラム65の上流側上方に第5従動ドラム66を、下流側下方に第9従動ドラム70を備えている。また、第2固定フレーム63は下流側に伸延させ、その伸延させた端部に第8従動ドラム69を配設している。
さらに、第2固定フレーム63の中途部には上流方向への凸部を形成し、その凸部先端に第5従動ドラム66を設けている。さらに、収納袋形成ボックス40側にテンションローラ73を取り付け、テンションローラ73のローラ先端を第2固定フレーム63の凸部74下方の搬送ベルト面に押圧させている。
また、第2可動フレーム62には、上流側に第6従動ドラム67を配設し、下流側に第7従動ドラム68を配設している。
さらに、駆動ドラム65、第5従動ドラム66〜第9従動ドラム70に搬送ベルトを巻回している。
各可動フレーム46、62は各固定フレーム47、63上で、公知の開閉機構により筒状フィルム12の搬送方向に往復動可能としている。公知の開閉機構とは、各可動フレーム46、62側にカム溝(図示せず)が形成されたカム板(図示せず)を配設し、カム機構(図示せず)を介して駆動モータからの回転駆動を上下動するカムをカム板のカム溝内で摺動させることで、各固定フレーム47、63上に設けたレール77上に沿って可動フレーム46、62が前後に往復自在に構成したものである。
すなわち、第1搬送コンベア45は、第1固定フレーム47上で第1可動フレーム46を可動自在に構成することで、熱シール部13に近接するコンベア終端部が筒状フィルム12の搬送方向に往復動可能としたものである。
第2搬送コンベア61も、第2可動フレーム62と第2固定フレーム63とを有し、第2可動フレーム62は第1固定フレーム47に対して上流側で前後に移動可能としている。
このように構成することで、第1搬送コンベア45と第2搬送コンベア61との間を開閉機構により開閉可能に構成することができ、この開閉可能とする第1搬送コンベア45と第2搬送コンベア61との間で熱シール部13の下側トップシール36を出没可能としている。
次に、熱シール部13及び搬送コンベアの駆動系を説明する。
収納袋形成部Bは、図3(b)に示すように、第1搬送コンベア45と第2搬送コンベア61との間であって熱シール部13の下方側に、これらを駆動する駆動機構を備えた収納袋形成ボックス40を設けている。
図4に示すように、収納袋形成ボックス40にはその外側部に駆動モータ41を備え、収納袋形成部Bは駆動モータ41の動力を基に駆動可能な以下の駆動機構を備える。
すなわち、収納袋形成ボックス40は、図3(b)に示すように、上記熱シール部13で熱シール処理を施す上下一対のトップシーラ35、36をボックスモーションで駆動するシール駆動機構(図示せず)を備える。また、収納袋形成部Bは、上流側コンベアの下流端部と下流側コンベアの上流端部を開閉させるコンベア開閉機構(図示せず)を備える。
なお、本実施形態における収納袋形成部Bでは、シール駆動機構及びコンベア開閉機構は公知の駆動系を採用しておりここでは説明を省略する。
このような構成において、本実施形態における収納袋形成部Bは、上記ピロー包装を行う収納袋形成部Bにおいて、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15を有することを特徴とする。
以下、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15の各機構の詳細について説明する。まず、袋内部空気排出装置14の詳細について説明する。
(袋内部空気排出装置14の詳細)
袋内部空気排出装置14は、収納ハンバーガーHが位置しない食物収納袋11単体の略過半部Rを上下押圧板82で筒状フィルム12の高さ略中心線S上で挟持することにより袋内の空気抜きを行う装置である。
図6は、本実施形態における袋内部空気排出装置14の構造を示す斜視図である。
すなわち、袋内部空気排出装置14は、図6に示すように、空気抜き装置本体80と、空気抜き装置本体80内に基端部を配設し、その先端を回動自在にして搬送面側に伸延させた上下一対の支持片81と、その支持片81の先端側に連結機構89を介して取り付けた左右一対の押圧板82とを備えるものである。
図7は、袋内部空気排出装置14の空気抜き装置本体80の内部構造を示す説明図である。
空気抜き装置本体80は、直方体形状を有し、上下一対の押圧板82を接近・離反させるエアチャック式の駆動機構を備えるものである。エアチャック式の駆動機構としては、例えば、SMC製の支点開閉エアチャック等を用いることができる。
支点開閉エアチャックとは、図7に示すように、上下一対の押圧する支持片81を正面視90度に折曲し、各折曲部分を水平軸回りに回動自在に空気抜き装置本体80に枢支し、支持片81の基端部同士をピストンロッド83の先端側に回動自在に連結したものである。
ピストンロッド83は、空気抜き装置本体80に配設された空気室76内を給気用ガスケット84及び排気用ガスケット85を介してエアーを給気及び排気することで水平方向に進退自在としている。
また、上記空気抜き装置本体80より上下に回動する上下一対の支持片81が設けられ、各支持片81の先端側に連結機構89を介して押圧板82がそれぞれ配設されている。
押圧板82は、剛性で平板形状を有し、上下一対で構成することで筒状フィルム12の先端シール部140とハンバーガーHとの間に設けられる食物収納袋11の略過半部Rを挟持可能な大きさを有する。本実施形態では、図6に示すように、押圧板82にはそれ自体の軽量化のために複数のスリット86を設けている。
このように、袋内部空気排出装置14は、空気抜き装置本体80上に給気及び排気弁に図示しないエアー供給管を介して外部からエアーを供給することで支持片81を回動自在に作用させることができ、そして、上下一対の押圧板82を接近させて筒状フィルム12の高さ略中心線S上で挟持して袋内部空気を排出できるように構成している。
なお、袋内部空気排出装置14は、上下一対の押圧板82で食物収納袋11を押圧・挟持させたり、その押圧・挟持を開放させたりする駆動機構を備えるものであればよく、すなわち、上記エアチャック式に限れず、電動モータ、ソレノイド、電磁石、クランク式を用いてもよい。
図8は、袋内部空気排出装置14の別構造を示す説明図である。
また、上記のように上下一対の押圧板82を回動させるもの以外に、図8に示すように、上下一対の押圧板82のうち、一方側の押圧板82を回動自在に構成し、他方は押圧板82を上下に昇降させることで、筒状フィルム12の高さ略中心線S上にて挟持可能に構成することもできる。
また、袋内部空気排出装置14には、上下一対の押圧板82の高さ位置を筒状フィルム12の高さ略中心線S上になるように設定した状態で、上下一対の押圧板82の回動範囲を調整可能とする回動範囲調整手段87を備えている。
すなわち、回動範囲調整手段87は各押圧板82を支持する支持片81の基端側でその回動を規制する回動規制体90の搬送コンベア方向への位置を変更することで、高さ調節機構88(図3(b)に示す)により熱シール部13等の高さを変更した状態で一対の押圧板82の回動範囲を変更可能に構成している。
具体的には、回動範囲調整手段87は、押圧板82の基端部に設けた半環状の回動規制体90と、空気抜き装置本体80に固設した固定部材91と、回動規制体90上に設けた垂直板90aから固定部材91に挿通させた上下2本のガイド杆92と、支持杆の間に回動規制体90から固定部材91に挿通させると共に螺合可能に設けた位置調節用螺子杆93と、固定部材91中で位置調節用螺子杆93に螺合させる第1螺子杆94と、固定部材91の外側方で位置調節用螺子杆93に螺合させる第2螺子板95と、を備える。
回動規制体90は、その断面がコ字状であり、コ字状端部を空気抜き装置本体80の表裏面に位置させることで、空気抜き装置本体80の表裏面上で回動によって出没する支持片81の基端部を規制するように構成している。
固定部材91は、袋内部空気排出装置14本体に固設されている。
ガイド杆92は、円柱体の細長い杆であり、その一端は回動規制体90に固設されており、その他端は固定部材91中で遊嵌されている。
位置調節用螺子93は、円柱体の細長い杆であり、その円柱体の外周面に螺子山を形成しており、一端は回動規制体90に固設されており、その他端は固定部材91中で遊嵌されている。
第1螺子板94は、固定部材91の中央に設けた挿通孔内で回転自在に位置調節用螺子杆93に螺合されている。また、第2螺子板95は、固定部材91の外側方から突出させた位置調節用螺子杆93に螺合されている。
そして、第1螺子板94を回動することで位置調節用螺子杆93上での螺合位置を変更、すなわち、位置調節用螺子杆93を左右のいずれかに往復移動可能としている。これにより、固定部材91に対して搬送コンベア方向への回動規制体90の位置を変更可能となる。この後、第2螺子板95を固定部材91側に回動させて、回動規制体90の前後位置を固定させる。
すなわち、図7に示すように、回動規制体90を空気抜き装置本体80の表裏面上で搬送方向に前進させて位置変更すれば、支持片81の上下への回転角度を小さく設定でき、その逆方向に位置変更すれば支持片81の回動角度を大きく設定することができる。このように、支持片81の回動角度を変更することができると共に押圧板82の押圧範囲を変更することができる。
そして、押圧範囲の中心位置は、例えば、図1に示す制御パネル144上でハンバーガーHの高さの情報を入力することで、図3(b)に示す高さ調節機構88によって熱シール部13等の高さ位置を位置決めした状態で高さの異なるハンバーガーHに応じて押圧範囲を変更できる効果を有する。
(ガゼット形成体15の詳細)
本実施形態における収納袋形成部Bは、筒状フィルム12の流通過程において、筒状フィルム12の両側面に向かってガゼット爪を突出させて筒状フィルム12両側面内方に折曲ガゼットを形成するガゼット形成体15を有する。
ガゼット形成体15は、図4に示すように、左右一対のガゼット爪を、熱シール部13の上流側に1組、下流側に2組で構成したものである。すなわち、ガゼット形成体15は、熱シール部13より上流側に配置された1組の上流側ガゼット体101と、下流側に配置された2組で構成した下流側ガゼット体102とを備える。
図4に示すように、上流側ガゼット体101は左右一対で構成する第1ガゼット爪103を備え、第1ガゼット爪103は、熱シール部13の上流側において長筒状の包装袋がその先端でカットされる時に、後続の食物収納袋11となる筒状フィルム12の両側面に折曲ガゼットを形成するものである。
第1ガゼット爪103は、先端先細りの垂直板で構成し、さらに、その先端側に略矩形片99を取り付けている。なお、最先端部は筒状フィルム12を貫通させないように丸みを付けている。略矩形片99は、第1ガゼット爪103の先端側において高さ略中心線S上で水平に取り付けられている。
また、第1ガゼット爪103は、筒状フィルム12の両側面に内方折曲のガゼットg1を形成するときに筒状フィルム12が破損しないように、その先端側を平面視して熱シール部13側に所定角度で折曲した形状とすることで当接力を緩和させる構造を有している。
第1ガゼット爪103は、爪支持体106によって支持され、その爪支持体106は連結部材107を介して収納袋形成ボックス40上に設けた垂直支持板124に連結されている。第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105も同構造である。
下流側ガゼット体102は、第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105を備える。第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105は、袋内部空気排出装置14での袋内部空気抜き動作と同時に筒状フィルム12の側面前部にガゼットg2、g31、g32を形成するものである。
第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105は、第1ガゼット爪103と同様に、それぞれ先端先細りの垂直板で構成すると共に、最先端部が丸みを帯びて形成されている。第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105は、第1ガゼット爪103と同様に、その先端側を平面視して熱シール部13側に所定角度で折曲した形状を有している。第2ガゼット爪104は熱シール部13に向け、第3ガゼット爪105は下流方向に向けて折曲した構造を有しており、第2ガゼット爪104と第3ガゼット爪105との間にハンバーガーHを位置させやすくしている(図11に示す)。
そして、上記袋内部空気排出装置14によって筒状フィルム12内の空気排出が行われると同時に、第2ガゼット爪104がハンバーガーH後方側の筒状フィルム12両側面に当接し、第3ガゼット爪105はハンバーガーH前方側の筒状フィルム12両側面に当接させるように構成している。
(袋内部空気排出装置14とガゼット形成体15の駆動連結機構の説明)
次に、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15の駆動連結機構について説明する。
図3〜5に示すように、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15は、連結機構123を介して駆動機構を有する収納袋形成ボックス40に連設されている。
すなわち、収納袋形成ボックス40には、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15を筒状フィルム12の左右側方から接近・離反させる左右接近・離反機構108を配設している。また、前後に移動可能な前後移動機構109を配設している。
(左右接近・離反機構)
まず、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15の駆動機構を説明する。
収納袋形成部Bの収納袋形成ボックス40には駆動モータ41を備え、その駆動モータ41の動力を基に駆動可能な以下の駆動機構を備える。
具体的には、図4に示すように、収納袋形成ボックス40の一外側方には駆動モータ41を備え、図5に示すように、駆動モータ41のモータ軸(図示せず)のモータギヤ(図示せず)から小径ギヤ111を介して下側大径ギヤ112が連結されている。
下側大径ギヤ112は、図3(a)及び図5に示すように、左右の収納袋形成ボックス40の外側方に回転軸112aで連結することにより左右一対で構成したものである。また、下側大径ギヤ112の上部に上側大径ギヤ113が噛み合わされている。
上側大径ギヤ113も、図3(a)及び図5に示すように、左右の収納袋形成ボックス40の外側方に回転軸113aで連結することにより左右一対で構成したものである。
左右接近・離反機構108は、図3(a)に示すように、熱シール部13を駆動させる駆動モータ41を駆動源としている。具体的には、駆動モータ41のモータ軸上のモータギヤ及び小径ギヤ111を介して回転する下側大径ギヤ112から動力を生成している。
すなわち、図3(a)に示すように、下側大径ギヤ112外側方に同軸に変形円盤状のカム板114を回転自在に配設している。このカム板114の外周部分にカムフォロア115が係合されている。
カムフォロア115は、棒状のカムフォロア支持板116の中途部に固着されており、カムフォロア支持板116は、収納袋形成ボックス40にその基端部を水平軸回りに枢支されており、その先端部は上下に回動自在としている。
図3(a)に示すように、その先端部には、第1連結部材117を上方に連設すると共に、収納袋形成ボックス40に左右一対で配設した取付支持板118上で水平軸回りに回動自在に挿通された水平回動軸119の一端部から水平方向に突出片120を突出し、その突出片120に第1連結部材117の上端部を回動自在に連結している。
さらに、その水平回動軸119から第2連結部材122を上方に伸延させてその上端部を収納袋形成ボックス40上部に配設した以下に示す連結機構123を介して連結している。
連結機構123は、図4に示すように、搬送コンベア面から左右に突出した収納袋形成ボックス40の上方に、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15を支持する垂直支持板124を配設している。その垂直支持板124には、左右側方に伸延させた第1左右連結杆125が連設されており、第1左右連結杆125の左右端部には端部支持板126を設け、端部支持板126の底面にはローラ部材127を固設し、このローラ部材127を水平支持体135の上面に設けたガイド溝128内で摺動自在としている。
図5に示すように、収納袋形成ボックス40内に固定させた固定支持台129から左右一対の第2左右連結杆130を左右側方に伸延させ、その第2左右連結杆130を水平支持体135が左右側方に摺動自在にするように挿嵌させている。また、第2左右連結杆130の左右端部には水平支持体135に対するストッパー板131を連設している。
そして、その水平支持体135の下部に連結片132を配設し、その連結片132に上記第2連結部材122の上端部を回動自在に連結している。
このように、左右接近・離反機構108は、駆動モータ41→小径ギヤ111→下側大径ギヤ112→カム板114→カムフォロア115→カムフォロア支持板116→第1連結部材117→突出片120→水平回動軸119→第2連結部材122→水平支持体135→ローラ部材127→端部支持板126→第1左右連結杆125→垂直支持板124→袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15へと動力を伝達することで筒状フィルム12に対して近接・離反できるように構成している。
なお、左右接近・離反機構108は、図4に示す右側の収納袋形成ボックス40上の機構について説明しており、左側の機構については図面上省略しているが基本的には左右同構造を有する。
そして、左右接近・離反機構108により、袋内部空気排出装置14を筒状フィルム12の左右両側面まで接近させ、ガゼット形成体15の第1ガゼット爪103〜第3ガゼット爪105を同時に筒状フィルム12の左右側面に当接させることができる。
本実施形態では、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15は駆動モータ41から上記左右接近・離反機構108を介して筒状フィルム12に接近・離反するように構成しているが、上記機構に限られず、例えば、電動アクチュエータを使用して直接袋内部空気排出装置14及びガゼット形成体15を筒状フィルム12に接近・離反するように構成することもできる。
(前後移動機構)
袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15は、収納袋形成ボックス40内のコ字状の連動部材133を介して連結されており、連動部材133は熱シール部13と連結されているため、熱シール部13の動きに連動して前後に移動可能に構成している。
すなわち、駆動モータ41からの大径ギヤの回転動を、収納袋形成ボックス40内の図示しないカム機構により、熱シール部13と共に前後動する連動部材133の前後方向の往復動に変換可能としている。
そして、連動部材133の往復動に連動して連動部材133内に挿嵌された第1左右連結杆125が前後に往復動することで第1左右連結杆125を介して袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15は前後方向に往復動可能に構成される。
このように、本発明の収納袋形成部Bは、トップシーラ35、36のボックスモーションに連動して、コンベア上の筒状フィルム12に対して、袋内部空気排出装置14の押圧板82や第1〜第3ガゼット爪105が近接できるように構成されている。
(本実施形態における食物収納袋形成方法)
以下、ハンバーガーHの食物収納袋形成方法について詳細に説明する。
まず、図2に示すように、フィルムロール30から樹脂製フィルム26が連続に帯状になった状態で製袋器29に供給される。
そして、図2に示すように、製袋器29で筒状フィルム12に成形されながら下側重合部16をセンターシール手段27でヒートシールすることで、熱シール部13側に流れる。
また、図2に示すように、製造されたハンバーガーHが食物半優コンベア21の始端部より投入され、投入されたハンバーガーHは、高さ調整機構31により高さ調整された後、製袋器29内に投入される。そして、ハンバーガーHは、製袋器29で筒状に成形された筒状フィルム12内に投入されて熱シール部13の方向に流れる。
すなわち、ハンバーガーHは、図2に示すように、上記供給された長筒状の筒状フィルム12内で収納された状態で、筒状フィルム12と共に食物搬入コンベア21により収納袋形成部Bまで搬送される。ハンバーガーHは、袋の形態にもよるが所定間隔(例えば単体の食物収納袋11の長手方向の長さ分)を有して筒状フィルム12内に複数供給される。
図9は、収納袋形成部B上で筒状フィルム12先端側にハンバーガーH本体が供給された状態を示す。
図9に示すように、長筒状の筒状フィルム12はその先端部が熱シールされた状態となっている。なお、この状態は筒状フィルム12から単体の食物収納袋11が形成された直後の状態であって、連続処理の途中工程であるが、ここでは本発明の食物収納袋形成方法の最初の工程として説明する。
最初の工程では、袋内部空気排出装置14とガゼット形成体15は、筒状フィルム12の先端部より離れた位置にある。
図10は、前後移動機構109により袋内部空気排出装置14と第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105が筒状フィルム12の左右側方に接近した状態を示す。
次に、図10に示すように、前後移動機構109により、袋内部空気排出装置14と第2ガゼット爪104及び第3ガゼット爪105が筒状フィルム12の先端部まで接近する。
図11は、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15が筒状フィルム12に接近した状態を示す。
図11に示すように、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15を左右接近・離反機構108により筒状フィルム12両側面に接近させることで、第2ガゼット爪104はハンバーガーH後方の筒状フィルム12両側面に当接させ、第3ガゼット爪105はハンバーガーH前方の筒状フィルム12両側面に当接させることができる。
図12は、袋内部空気排出装置14が筒状フィルム12の先端シール部140から食物が位置しない部分を挟持した状態を示す説明図である。
そして、筒状フィルム12の先端シール部140からハンバーガーHが位置しない部分、すなわち、ハンバーガーHが位置しない食物収納袋11単体の略過半部Rを、袋内部空気排出装置14の上下一対の押圧板82が筒状フィルム12の高さ略中心線S上まで接近して挟持するようにしている。
このように、筒状フィルム12内の袋内部空気が前部から未だシールされていない後部にまで袋内部空気を熱シール部13より上流側の方向に排出することができる。すなわち、本実施形態における袋内部空気排出装置14は、筒状フィルム12の高さ略中心線Sを基準にして上下均等に挟持できるようにしている。
そして、筒状フィルム12の先端シール部140からハンバーガーHまでの部分を残留袋内部空気がないフラット状態にすることができる。さらに、この後に行う長手方向前部を折り畳み処理するのを簡単化できる構造とすることができる。したがって、食物収納袋11は略過半部Rを扁平に体裁よく包装できる効果を有する。
図13は、熱シール部13で食物収納袋11の後端側に熱シールを施す処理の説明図である。
さらに、上記袋内部空気排出装置14の挟持処理が解除され、上下のトップシーラ35、36が接近状態になる。そして、上下のトップシーラ35、36同士で筒状フィルム12の後端部に熱シールを施す。同時に次の筒状フィルム12の前端部にも熱シールが施される。
ボックスモーションにより上下のトップシーラ35、36が接近した状態で、上流から下流方向に所定間隔移動する。この移動時間は熱処理の時間となる。
また、図13に示すように、第2ガゼット爪104〜第3ガゼット爪105により筒状フィルム12の左右側面にガゼットg2、g31、g32を形成することができる。すなわち、第2ガゼット爪104では、爪先端が当接した箇所を折り返し点とする内方へのガゼットg2が形成される。
第3ガゼット爪105では、押圧板82で挟持した箇所については、断面視では筒状フィルム12を高さ略中心線S上で内方に上下部分を完全に折り返した形状を有する折曲ガゼットg31が形成される。それ以外のハンバーガーHの存在しない箇所は第3ガゼット爪105の爪先端が当接した箇所を折り返し点とする内方へのガゼットg32が形成される。
第1ガゼット爪103では、その先端に設けた略矩形片99により、筒状フィルム12の左右側面に内方へのガゼットg1を水平線上に形成することで、筒状フィルム12の両側面を内方に折り曲げやすくすると共にこの後での略過半部Rを挟持することにより扁平形態にしやすくする。
図14は、ヒートシールとカッタ切断した状態を示す説明図である。
この後、上側トップシーラ35の中間部に配設された袋カッタ42の刃面が突出することで、筒状フィルム12が所定長さで切断されることで、食物が包装された単体の食物収納袋11の形態になる。
このように、収納したハンバーガーHの前後方位置の筒状フィルム12を熱溶着して切断し、ハンバーガー収納袋単体としての食物収納袋11を形成する。なお、袋単体の前後の長さは、ハンバーガーHの径の約1.5倍の長めに形成しておく。
図15は、上下のトップシーラ35、36が離間した状態を示す説明図である。
この後、上下のトップシーラ35、36が離間し、袋内部空気排出装置14・ガゼット形成体15は元の位置に戻る。
図16は、完成された食物収納袋11の移送状態を示す説明図である。
完成した食物収納袋11は、次の折畳み処理部まで搬出コンベア(図示せず)で移送される。
以上のようにして、収納袋形成部BによりハンバーガーHが単体の食物収納袋11に包装される。
このように、本実施形態における収納袋形成部Bは、食物収納袋11を形成する際に筒状フィルム12内の袋内部空気を排出するように構成しているので、この後に行う折畳み処理で、体裁よく折畳みができる効果を有する。
すなわち、本発明の袋内部空気排出装置14は、熱シール部13の熱シール処理前に筒状フィルム12の先端シール部140からハンバーガーHまでの袋部分を左右一対の押圧板で挟持することにより袋内部空気を抜くことができるので、その袋部分内の袋内部空気を確実に抜くことができ、平坦な形態にすることができる。
そして、上記袋部分を折畳み処理し易い形態にすることができ、出荷品として体裁が整った食物収納袋11の形態にすることができる。すなわち、収納袋の底面折り畳み箇所となる底面を略フラット状態にすることができ、しかも、店頭に並べて整列して陳列することができるようになる。
略過半部Rを食物収納袋11の下方に折り畳む処理は、手作業により行うことができ、また、図1に示すような収納袋折畳み部Cを使用することもできる。
(収納袋折畳み部Cの全体構成)
図17は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cの全体構成例を示す側面図である。図17に示す収納袋折畳み部Cは、図1に示すように、収納袋形成部Bの下流側に配置されている。
この収納袋折畳み部Cは、押圧板開閉機構201、収納袋保持機構202、折り板当接機構203、昇降機構204、押出し機構205、印刷シール貼着機構206、搬出機構207、駆動機構302、上側搬送コンベア401、下側搬送コンベア402等を備える。
押圧板開閉機構201は、一対の下押圧板211及び上押圧板212、昇降柱213、214等を備える。これら一対の上下押圧板211、212を開閉自在であって開閉することにより、食物収納袋11の略過半部R(以下、「他側略過半部R」ともいう、図20参照)を上下から挟み込んで押圧する。
下押圧板211は、駆動機構302によって昇降可能な昇降柱213の上端部に取り付けられる平板である。一方、上押圧板212は、昇降機構302によって昇降柱213と独立して昇降可能な昇降柱214の上端部に取り付けられる平板である。
なお、押圧板開閉機構201が一対の上下押圧板211、212によって食物収納袋11の他側略過半部Rを上下から挟み込む場合、下押圧板211は食物収納袋11の鉛直方向略中心まで上昇し、上押圧板212は食物収納袋11の鉛直方向略中心まで降下するように設定・制御される。
収納袋保持機構202は、駆動機構302によって昇降可能な昇降柱221、昇降柱221の下端部に取り付けられる平板状の保持板222を備える。この収納袋保持機構202は、基台241上に載置された食物収納袋11を上方から押さえ付けて保持するためのものである。
折り板当接機構203は、駆動機構302によって昇降可能な昇降柱231、昇降柱231の上端部に取り付けられる側面視L字状の折り板232を備える。この折り板当接機構203は、基台241上に載置された食物収納袋11を、他側過半部Rの基端を折り位置として折り曲げるために、当該折り位置に折り板232を当接させるものである。
昇降機構204は、食物収納袋11が載置される平面視正方形状の平板形状である基台241、基台241が上端部に取り付けられ、駆動機構302によって昇降可能な昇降柱242を備える。この昇降機構204は、下側搬送コンベア402を移送されてきた食物収納袋11を上側搬送コンベア401まで移送するものである。
詳細には後述するが、所定の工程において、前述の折り板232(折り板当接機構203)と、基台241(昇降機構204)とを揃って上昇すべく構成されている。
押出し機構205は、駆動機構302によって水平方向に移動可能な押出し板251を備える。この押出し機構205は、昇降機構204によって上昇された食物収納袋11を、上側搬送コンベア401に移送するためのものである。
押出し板251は天井面と側壁面とを有する側面視逆L字状の板材で構成されており、この押出し板251は、ガイド溝252に沿って水平方向に移動可能である。
印刷シール貼着部206は、上側搬送コンベア401の下方に配設され、製造元や原材料や制御年月日が印刷された印刷シール(不図示)を、上側搬送コンベア401上を搬送される食物収納袋11に下方から貼着・固定する。
この印刷シール貼着部206は、印刷シール用のテープを保持するテープ保持ローラ261、テープ保持ローラ261に保持されたテープを繰出すためのテープ繰出しローラ262、テープ繰出しローラ262から繰出されたテープを所定長さで切断するテープカッター(不図示)、この切断したテープ(印刷シール)を吸着し、上側搬送コンベア401を搬送される食物収納袋11の底面に貼着・固定するテープ吸着・貼着部263を有する。
搬出機構207は、上側搬送コンベア401の終端部に設けられ、始端部より終端部を下方にした傾斜面に複数個の回転ローラ271を連結して構成される搬出用の機構である。一連の工程を完了した食物収納袋11は、この搬出機構207から搬出される。
駆動機構302は、ステージ301の下方に配設され、駆動モータ303によって、上下押圧板211、212、収納袋保持機構202、折り板当接機構203及び昇降機構204の各昇降動作、押出し機構205の水平移動動作等を制御する駆動機構である。
上側搬送コンベア401は、昇降機構204によって上昇された食物収納袋11(図20等参照)を搬送するためのものである。下側搬送コンベア402は、収納袋形成部Bを通ってきた食物収納袋11を搬入するためのものである。
以上に示す構成により、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cでは、食物収納袋11を折畳む処理を行う。以下、図18を参照して、収納袋折畳み部Cを上面から見た図について詳細に説明を行う。
(収納袋折畳み部Cの上面図)
図18は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cの一例を示す上面図である。
図18に示すように、上側搬送コンベア401は、食物収納袋11を搬送する搬送面411の搬送方向左右側方にサイドコンベア412A、412Bを備える。
サイドコンベア412Aは、垂直軸線周りに回転する駆動ドラム413Aと、垂直方向周りに回転する従動ドラム414Aと、駆動ドラム413Aと従動ドラム414Aとの間に配設された2つの補助ローラ415とに巻回された無端式のコンベアベルト416Aを有する。コンベアベルト416Aは、ベルト面が垂直になるように配設される。一方のサイドコンベア412Bは、垂直軸線周りに回転する駆動ドラム413Bと、垂直方向周りに回転する従動ドラム414Bと、これら駆動ドラム413Bと従動ドラム414Bとの間に巻回された無端式のコンベアベルト416Bを有する。コンベアベルト416Bも、ベルト面が垂直になるように配設される。
以上に示す構成により、食物収納袋11(図18では不図示)は左右一対のガイドレール417に沿って、サイドコンベア412A、412Bによって前方に押し出されるよう搬送される。
(食物収納包装方法)
以下、収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、前述の製品供給部A及び収納袋形成部B(図1参照)によって、図19に示す食物収納袋11、すなわち一側の略過半部(以下、「一側略過半部」ともいう。)Lに食物塊の一例としてのハンバーガーHを収納し、残りの略過半部(以下、「他側略過半部」ともいう。)Rが空白状態となっている食物収納袋11が形成されているものとする。
(第1工程:搬入工程)
図19は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第1工程を示す図である。この第1工程では、食物収納袋11が下側搬送コンベア402上を搬送される。
まず、下側搬送コンベア402には、収納袋形成部Bによって袋内部空気を抜くことによって他側略過半部Rが空白状態となった食物収納袋11が投入され、下側搬送コンベア402上を基台241側に向かって移送される。そして、下側搬送コンベア402の前端において停止する。
(第2工程:基台載置工程)
図20は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第2工程を示す図である。この第2工程では、下側搬送コンベア402を移送されてきた食物収納袋11が、基台241上に載置される。
前述の第1工程において下側搬送コンベア402の前端に食物収納袋11が停止すると、次の第2工程に進み、下側搬送コンベア402の上方に配設された押し込み板216が駆動機構302によって駆動されて鉛直方向を向くように回動した後に、食物収納袋11の後面に向かって平行に移動し(図中矢印参照)、食物収納袋11を基台241に向かって押し出す。これにより、図20に示すように、食物収納袋11は基台241上に載置される。
また、第2工程では、収納袋保持機構202の昇降柱221が降下し(図20中の矢印参照)、保持板222が基台241に載置された食物収納袋11の上面を上方から押止するよう制御される。これにより、食物収納袋11は保持板222と基台241とに挟持されて保持される。
(第3工程:空気抜き工程、折り板当接工程)
図21は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第3工程を示す図である。この第3工程では、食物収納袋11の他側略過半部Rを上下外方から上下押圧板211、212により押圧して空気抜きを行うことによって扁平化し、扁平部R1を形成する。
すなわち、この第3工程では、基台241の先方に設けられた上下押圧板211、212が、図21の矢印に示すように、食物収納袋11の他側略過半部Rを上下外方から挟み込んで押圧する。そうすると、食物収納袋11の他側略過半部Rに含まれる空気は、一側略過半部L側に流入すると共に、他側略過半部Rは扁平化し、扁平部R1となる。
ここで、上下押圧板211、212により押圧される上下位置は、ハンバーガーHが収納された食物収納袋11の他側略過半部Rの鉛直方向(上下)略中間位置高さとする。扁平部R1が、丸みのある一側略過半部Lの鉛直方向略中間位置に延設された状態とすることにより、後工程において扁平部R1を折り曲げた後の食物収納袋11の外観を美麗にすることができる。
以上のように、この第3工程では、食物収納袋11の他側略過半部Rを扁平化して扁平部R1を形成する過程で、他側略過半部R内部の空気抜きが行われる。すなわち、他側略過半部Rに封入された空気は、ハンバーガーHが収納された一側略過半部L方向に逃がされる。
また、この第3工程では、上下押圧板211、212による挟み込みと同時又は挟み込みの後に、折り板当接機構203の昇降柱231を上昇させ(図21中の矢印参照)、扁平部R1の基端を折り位置(基端折り位置)Fとして、折り板232の先端が基端折り位置Fに下方から当接した状態とするよう制御する。なお、この基端折り位置Fは、食物収納袋11の鉛直方向略中間位置を示すものである。
これにより、上下押圧板211、212によって一側略過半部Lに逃がされた空気が扁平部R1に対して戻ってしまうのを防ぐことができるとともに、基端折り位置Fを、後述する工程で扁平部R1を折り曲げる際の折り目とすることができる。なお、収納袋保持機構202によって食物収納袋11は上方から押圧されているので、折り板232によって食物収納袋11が上方に持ち上がることはない。
なお、前述の第1工程(搬入工程)において、既に扁平部R1が形成された食物収納袋11、すなわち一側略過半部Lに食物塊としてのハンバーガーHが収納され、残りの他側略過半部Rに扁平部R1が形成された食物収納袋11を搬入することによって、この第3工程における空気抜き工程を省略しても良い。
(第4工程:折り曲げ工程)
図22は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第4工程を示す図である。この第4工程では、第3工程で形成された扁平部R1を垂直方向に折り曲げる。
この第4工程では、押圧板開閉機構201によって扁平部R1を挟み込んだ状態で、収納袋保持機構202、折り板当接機構203及び昇降機構204を同じ速度で、すなわち揃って上昇させることによって(図22中の矢印参照)、基台241と上部搬送コンベア401の搬送面411とが同じ高さになった状態になるよう食物収納袋11を持ち上げる。
そうすると、食物収納袋11の扁平部R1は、基端折り位置Fから折り板232の側面に沿って垂直に折り曲げられ、この扁平部(扁平部R1と区別するため、以下、「垂下扁平部R2」ともいう。)が垂直方向に折り曲げられた食物収納袋11は、搬送面411の高さまで移送される。
このようにして、食物収納袋11の一端過半部Lと垂下扁平部R2とは、略L字状に折曲した形態を現出する。かかる略L字状に垂下した扁平部R1は、垂下扁平部R2となってこの第4工程の折り曲げ工程は終了する。なお、後述する第5工程に示す折り板232による当接の解除を、本折り曲げ工程において行っても良い。
(第5工程:垂下扁平部固定工程その1)
図23は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第5工程を示す図である。この第5工程では、押出し機構205によって食物包装袋11を上側搬送コンベア401の搬送面411に押出す。
前述の第4工程において食物収納袋11を上昇させて垂下扁平部R2を形成した後に、この第5工程では、まず図23の矢印に示すように、上下押圧板211、212による挟み込みを解除する。
また、折り板232による当接を解除すべく、折り板232を下方に離隔作動させる。これにより、垂下扁平部R2は、図22に示す状態、すなわち自重により基端折り位置Fから下方に折曲垂下された垂下状態となる。
その後、押出し機構205の押出し板251が食物収納袋11を後部から上側搬送コンベア401に向かって押出す。すなわち、押出し板251を食物収納袋11の後部に当接させて、その後、前方の上部搬送コンベア401の始端部まで押出す。そうすると、図23に示すように、垂下扁平部R2は食物収納袋11中のハンバーガーHの外底面B側に折込まれる。
垂下扁平部R2の折込み作動は、具体的には次のように行われる。すなわち、前端に垂下扁平部R2を形成した状態の食物収納袋11は上部搬送コンベア401で搬送され、進行方向に立設した受板418に垂下扁平部R2を当接させる。かかる状態で、更に受板418上方を食物収納袋11が搬送方向に進行させることによって、垂下扁平部R2は受板418に当接した状態から食物収納袋11の外底面Bの方向に折込まれた状態となる。
(第6工程:垂下扁平部固定工程その2)
図24は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第6工程を示す図である。この第6工程では、食物収納袋11の下部に印刷シール(不図示)を貼着することによって、垂下扁平部R2を食物収納袋11の外底面Bに重合固定する。
この工程では、食物収納袋11は、左右一対で構成したサイドコンベア412A、412Bで搬送面411上を移送され、前述の第5工程で折り曲げられた垂下扁平部R2と外底面Bとの間に、印刷シール貼着部206(テープ吸着・貼着部263)によって印刷シール(不図示)が下方から貼着される。これにより、垂下扁平部R2は食物収納袋11の外底面Bに重合固定された状態となり、ハンバーガーHの包装が完了する。
また、この第6工程では、下側搬送コンベア402を次に搬送されてくる食物収納袋11に対する一連の処理を行うために、図24の矢印で示すように、折り板当接機構203及び昇降機構204を下降させて図19の状態に戻す。
なお、この第6工程では、印刷シールを下方から貼着することによって垂下扁平部R2を外底面Bに重合固定しているが、この場合に限定されるものではない。例えば、垂下扁平部R2を外底面Bに熱溶着する等、その他の方法によって重合固定してもよい。
(第7工程:搬出工程)
図25は、本実施形態に係る収納袋折畳み部Cによる食物収納包装方法の第7工程を示す図である。この第7工程では、印刷シールが貼着されて包装が完了した食物収納袋11を搬出する。
すなわち、包装が完了した食物収納袋11は、引き続きサイドコンベア412A、412Bによって搬送面411の終端まで移送され、その後、搬出機構207を通って搬出される。
以上の図19〜図25に示す各工程により、本実施形態に係る食物収納包装方法によって出荷品の形態としての食物収納袋11が作成される。これにより、おにぎりやハンバーガー等の食物塊を収納した袋から空気抜きをした際に形成された略過半部の袋の扁平部R1を、食物塊の収納された他側略過半部Rの底面Bに折曲して重合固定し、食物収納袋11による包装全体の形状が食物塊になじんだ美麗な円形を顕出し、折曲した扁平部R1は食物塊の袋底面Bに重合固定して収納食物塊の載置クッションの機能も果たすことができる。
また、本実施形態に係る食物収納包装方法によれば、扁平部の基端折り位置を折り板により当接させる折り板当接工程と、垂下扁平部を形成して基端折り位置から折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げた垂下扁平部を収納袋の外底面まで折込み固定する垂下扁平部固定工程とよりなる。そのため、空気抜きに利用した扁平部を最終的には収納袋の外底面に折込んで収納袋の空気貯留を可及的に少なくして収納食物の酸化抑制機能を果し、かつ収納袋の概観を可及的に食物塊の外形に沿った美麗な円形に形成し得る効果を有し、更には、収納袋と食物塊とがほぼ密着して包装されているため食物塊が収納袋中で転動して損壊することもなく、かつ収納袋全体の容積も可及的に食物塊容積に近づき、搬送容積を減少させて搬送付加価値も増大する等の効果を有する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、折り板当接機構203(図21参照)が、扁平部R1の基端折り位置Fを、その下方から折り板232の先端で当接させる形態について説明を行ったが、この場合に限定されるものではない。例えば、下方から当接させる折り板232に加え、更に、上方から当接させる折り板を設けて、これら上下折り板によって基端折り位置Fを上下方から挟持させる構成としても良い。この場合、図23に示す第5工程では、上下折り板による挟持を解除すべく、上下折り板を上下方に離隔作動させる。