以下、図面を参照して、本発明に係る脱気装置および包装機について詳細に説明する。まず、図1および図2を用いて、包装機1の構成について説明する。図1は、包装機1の全体の概略を示す正面図であり、図2は、本実施形態の主要部分について抜き出して示す概略正面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
図1に示す包装機1は、物品XA1が順次供給されることに合わせて、フィルム等の包装材料YA1が連続して供給されて筒状に製袋され、所定ピッチ毎に包装材料YA1の幅方向にシールとカットとが行われる、いわゆる横型製袋充填機であって、連続して包装材料YA1内にガス(例えば、窒素ガス)が充填されるガス充填包装機である。
包装機1は、連続して供給される樹脂フィルム等の包装材料YA1(以下、「包装フィルムYA1」という)を利用して、前工程から順次供給される物品XA1を上流から下流に向けて搬送しながら包装する。図1では、左側を上流とし、右側を下流とする。なお、物品XA1は、例えば、食品や日用品などであるが、本発明の包装機は、その他の様々な物品XA1を包装するために使用可能である。
<包装機>
図1を参照して、包装機1は、物品供給装置2と、フィルム供給装置3と、包装機本体4と、制御ユニット(図示省略)と、などを備えている。なお、包装機本体4における各種方向の定義として、包装フィルムYA1の長手方向(センターシールが延びる方向)となる第一方向を搬送方向Tとし、帯状に延びる包装フィルムYA1の幅方向(横シール(トップシール、エンドシール)が延びる方向)となる第二方向を搬送幅方向Wとし、包装フィルムYAの高さ方向(搬送方向L及び搬送幅方向Wに対して直角となる方向)となる第三方向を搬送高さ方向Hとする。
これら包装機1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、当該物品XA1を下流の包装機本体4に順次搬送する。この物品供給装置2は、例えば、フィンガーコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、スリットを有する搬送面(符号省略)と、この搬送面上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット5と、従動用のスプロケット(図示省略)と、これらスプロケットに架け渡されて走行する環状のチェーン6と、このチェーン6に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー7と、動力源となるサーボモーター(図示省略)などを備えている。
駆動用のスプロケットは、サーボモーターの駆動によって回転する。従動用のスプロケット5は、チェーン6の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。チェーン6は、駆動用のスプロケットの回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー7は、スリットを介して搬送面の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー7は、チェーン6の走行によって、搬送面上を走行する。これにより、複数のフィンガー7は、搬送面上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
フィルム供給装置3は、包装フィルムYA1を下流の包装機本体4に連続して供給する。フィルム供給装置3は、原反軸8と、サーボモーター(図示省略)と、ガイドローラー9a、9bなどを備えている。原反軸8は、原反ロールYB1を回転自在に保持する。この原反軸8は、サーボモーターに動力が与えられて回転し、保持している原反ロールYB1を回転させる。これにより、原反ロールYB1から包装フィルムYA1が繰り出される(引き伸ばされる)。ガイドローラー9a、9bは、原反ロールYB1の搬送方向を適宜変換して、包装機本体4側に案内する。
なお、原反ロールYB1から包装フィルムYA1を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラーを別途設け、当該フィードローラーを動かして包装フィルムYA1を引き出すフィードローラー駆動式の方法を採用してもよい。
包装機本体4は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、フィルム供給装置3から供給される包装フィルムYA1で包装する。具体的に、包装機本体4は、製袋器14と、ピンチローラー10と、センターシール装置16と、横シール装置13と、脱気装置15と、第一の搬送装置11と、第二の搬送装置12などを備えている。
製袋器14は、フィルム供給装置3から供給される包装フィルムYA1を、幅方向の両端縁が互いに重なるように筒状に製袋する。また、製袋器14は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、筒状に製袋される包装フィルムYA1に供給する。これにより、物品XA1は、筒状に製袋された包装フィルムYA1に包まれる。すなわち、製袋器14は、包装フィルムYA1を幅方向に曲げて筒状に成形する製袋装置として機能する。
ピンチローラー10は、互いに重なる包装フィルムYA1の両端縁(以下、センターシール部CE1(図3参照)という。)を挟み込んで、当該センターシール部CE1に搬送力を付与する。
センターシール装置16は、一対のバーシーラー16aと、プレスローラー16bと、を備えている。このセンターシール装置16は、一対のバーシーラー16aでセンターシール部を挟んで加熱する。そして、センターシール装置16は、加熱されたセンターシール部をプレスローラー16bで圧着してセンターシールする。すなわち、センターシール装置16は、製袋器14の下流において、筒状に成形された包装フィルムYA1にセンターシールを施す。
第一の搬送装置11は、上流側に配置された搬送手段である上流側ベルトコンベア11であり、センターシールされた筒状の包装フィルムYA1を、当該包装フィルムYA1に包まれた物品XA1と共に、搬送面(符号省略)に載せて横シール装置13に向けて搬送する。この上流側ベルトコンベア11は、横シール装置13のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向Lに伸縮させる。
第二の搬送装置12は、上流側ベルトコンベア11に後続する搬送手段である下流側ベルトコンベア(シュートコンベア)12であり、上流側ベルトコンベア11で搬送された物品XA1を引き継いで搬送する。下流側ベルトコンベア12も、横シール装置13のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向Lに伸縮させる。
両ベルトコンベア11、12は、横シール装置13の前後方向の移動に追従して前後移動することで、横シール装置13との前後方向での隙間を一定距離以下に保持するようになっている。
横シール装置13は、物品XA1の長さに応じたピッチ毎に、包装フィルムYA1の幅方向に、横シール(トップシール、エンドシールともいう)とカットを行う。これにより、図3に示すような包装体ZA1が製造される。すなわち、横シール装置13は、センターシールされた包装フィルムYA1に対し、所定の間隔で幅方向にシールとカットを施す。包装体ZA1は、幅方向に帯状に延びる横シール部(トップシール部、エンドシール部)TO1が成形される。横シール部TO1の幅方向両端には、包装フィルムYA1の搬送高さ方向Hに相当のフィルムが内側に折り込まれることにより、三角錐形状の凹みとなるガゼット部GA1が成形される。
脱気装置15は、搬送面上で物品XA1を搬送しながら包装フィルムYA1によって筒状に包み込む際に、包装フィルムYA1の内部の気体を抜く手段である。
図2は、包装機本体4の主要構成を抜き出して示す正面概略図である。上流側ベルトコンベア11は、上流から下流に向けて走行する環状のベルト17と、複数のプーリ(ローラ)18、19、20、21、23、24、25と、モータ(図示省略)に接続された駆動用のプーリ22と、各構成要素を支持する移動フレーム31および固定フレーム32等を備え、前工程から供給された物品XA1を、筒状に製袋された包装フィルムYA1に包み込んで搬送する。
移動フレーム31は、下流側端部(進行方向前方側先端(横シール装置13側))に搬送方向Lの前後方向に移動可能に配置され、固定フレーム32は、移動フレーム31の下方から後方に至るように配置されている。これら両フレーム31,32の適宜位置にプーリ(ローラ)18〜25を回転自在に支持させ、そのプーリ18〜25にベルト17が掛け渡されている。
ベルト17は、上流から下流に向けて走行する上流側走行面17aと、この上流側走行面17aの下方に配置され、下流から上流に向けて走行する戻り面17bと、が無端で連結されている。このベルト17は、上流側走行面17aに、上流工程から供給された物品XA1が載置される。つまり、上流側走行面17aは、上流側ベルトコンベア11の搬送面である。
移動フレーム31は、ベルト17の幅方向(搬送幅方向W)の両側に左右一対で所定間隔を置いて配置され、横シール装置13の前後方向の移動に追従して前後進移動する。この一対の移動フレーム31の下流側先端に、プーリ18が回転支持される。また、プーリ18下方にはプーリ19が回転支持される。これらプーリ18、19は、その両端が移動フレーム31の所定位置に設けられた不図示の貫通孔(軸受け部)に挿入されることで、自転は許容されるが、簡単に移動フレーム31から離脱するのは抑制される。また、これらプーリ18,19は、ベルト17の内面側に接触する。
さらに移動フレーム31の上流側でプーリ19より下方に、プーリ20を回転自在に支持させる。プーリ20は、ベルト17の外面側に接触し、これによりベルト17は、プーリ20で折り返してプーリ21からプーリ25に至るように掛け渡される。
一方、固定フレーム32は、例えば、横シール装置13の機枠(不図示)に対して固定される。固定フレーム32の適宜位置には、プーリ21〜25を回転自在に支持させる。また、プーリ21,22,24,25は、ベルト17の内面側に接触する。さらにプーリ22は、不図示の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力がベルト17に伝わり、ベルト17が回転する。
固定フレーム32のプーリ22より上流側上方の所定位置には、抑え用のプーリ23を取り付けている。このプーリ23は、ベルト17の外面側に接触し、内方に向けてテンションを掛けるものである。プーリ23は、固定フレーム32に対して移動可能に構成され、ベルト17の外表面に接触するように移動するとベルト17を内方に付勢し、プーリ23をベルト17から離反させるように移動すると、付勢が解除される。
つまり、プーリ23がベルト17の外表面に接触するように移動すると、ベルト17は、プーリ22の部分で大きく折り返されるとともに、プーリ23によって一定のテンションが与えられ、ぴんと張った状態となる。そして、プーリ22の回転に伴って回転し、搬送処理を行なう。
上流側ベルトコンベア11は、移動フレーム31が下流方向へ移動すると下流方向の上流側走行面17aは下流方向へ伸長されることになるが、この際、プーリ19とプーリ20との間隔が縮小して、この間に蓄えられているベルト17の余長分が繰り出される。一方、移動フレーム31が上流方向へ移動すると上流側走行面17aは短縮し、それによって生じたベルト17の余長分は、プーリ19とプーリ20との間隔が拡大することにより吸収される。
下流側ベルトコンベア(シュートコンベア)12は、上流側ベルトコンベア11と同様の構成を備えている。すなわち、下流側ベルトコンベア12は、上流から下流に向けて走行する環状のベルト40と、複数のプーリ(ローラ)41、42、43、44、46、47、48と、モータ(図示省略)に接続された駆動用のプーリ45と、各構成要素を支持する移動フレーム51および固定フレーム52等を備え、上流側ベルトコンベア11から引き継いだ物品XA1を下流工程に搬送する。
移動フレーム51は、上流側端部(進行方向後方側先端(横シール装置13側))に搬送方向Lの前後方向に移動可能に配置され、固定フレーム52は、移動フレーム51の下方から前方に至るように配置されている。これら両フレーム51,52の適宜位置にプーリ(ローラ)41〜48を回転自在に支持させ、そのプーリ41〜48にベルト40が掛け渡されている。
ベルト40は、上流から下流に向けて走行する下流側走行面40aと、この下流側走行面40aの下方に配置され、下流から上流に向けて走行する戻り面40bと、が無端で連結されている。このベルト40は、下流側走行面40aに、上流側ベルトコンベア11から引き継いだ物品XA1が載置される。つまり、下流側走行面40aは、下流側ベルトコンベア12の搬送面である。
移動フレーム51は、ベルト40の幅方向(搬送幅方向W)の両側に左右一対で所定間隔を置いて配置され、横シール装置13の前後方向の移動に追従して前後進移動する。この一対の移動フレーム51の上流側先端に、プーリ41が回転支持される。また、プーリ41下方にはプーリ42が回転支持される。これらプーリ41、42は、その両端が移動フレーム51の所定位置に設けられた不図示の貫通孔(軸受け部)に挿入されることで、自転は許容されるが、簡単に移動フレーム51から離脱するのは抑制される。また、これらプーリ41、42は、ベルト40の内面側に接触する。
さらに移動フレーム51の下流側でプーリ42より下方に、プーリ43を回転自在に支持させる。プーリ43は、ベルト40の外面側に接触し、これによりベルト40は、プーリ43で折り返してプーリ24からプーリ48に至るように掛け渡される。
一方、固定フレーム52は、例えば、横シール装置13の機枠(不図示)に対して固定される。固定フレーム52の適宜位置には、プーリ44〜48を回転自在に支持させる。また、プーリ44、45、47、48は、ベルト40の内面側に接触する。さらにプーリ45は、不図示の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力がベルト40に伝わり、ベルト40が回転する。
固定フレーム52のプーリ45より上流側上方の所定位置には、抑え用のプーリ46を取り付けている。このプーリ46は、ベルト40の外面側に接触し、内方に向けてテンションを掛けるものである。プーリ46は、固定フレーム52に対して移動可能に構成され、ベルト40の外表面に接触するように移動するとベルト40を内方に付勢し、プーリ46をベルト40から離反させるように移動すると、付勢が解除される。
つまり、プーリ46がベルト40の外表面に接触するように移動すると、ベルト40は、プーリ25の部分で大きく折り返されるとともに、プーリ46によって一定のテンションが与えられ、ぴんと張った状態となる。そして、プーリ45の回転に伴って回転し、搬送処理を行なう。
下流側ベルトコンベア12は、移動フレーム51が上流方向へ移動すると上流方向の下流側走行面40aは上流方向へ伸長されることになるが、この際、プーリ42とプーリ43との間隔が縮小して、この間に蓄えられているベルト40の余長分が繰り出される。一方、移動フレーム51が下流方向へ移動すると下流側走行面40aは短縮し、それによって生じたベルト40の余長分は、プーリ42とプーリ43との間隔が拡大することにより吸収される。
なお、上流側コンベア11と下流側ベルトコンベア12は、横シール装置13の前後方向の移動に追従して前後移動することで、両ベルトコンベア11、12と横シール装置13との前後方向での隙間を一定距離以下に保持する構成であれば、上記の構成に限らない。
横シール装置13は、上流側ベルトコンベア11および下流側ベルトコンベア12の間に配置されて筒状に製袋された包装フィルムYA1を上流側走行面17aおよび下流側走行面40aの幅方向(搬送幅方向W)にシールすると共にカットする手段であり、トップシール装置またはエンドシール装置ともいう。
横シール装置13は、例えば、筒状の包装フィルムYA1を挟んでその上方および下方に対向するように幅方向に沿って配置された第一シーラー120(カッター刃が内蔵されている)および第二シーラー160と、第一シーラー120を保持する第一保持部114、第二シーラー160を保持する第二保持部(ここでは不図示)等を備えている。
上方の第一シーラー120は、そのシール面が下方に向けた姿勢が保たれながら昇降させられる。下方の第二シーラー160は、そのシール面が上方に向けた姿勢が保たれながら昇降させられる。第二シーラー160は、第一シーラー120が上昇する際に下降し、第一シーラー120が下降する際に上昇する。各シーラー120,160は、第一シーラー120が最下位に達すると共に第二シーラー160が最上位に達する時に、包装フィルムYA1を上下に挟み込んでシールすると共にカットする。このように、各シーラー120、160は、包装フィルムYA1を上下に挟み込んでシールするシール手段として機能する。
第一保持部114は、第一シーラー120の上部を保持する。この第一保持部114は、一対の回転円板(図示省略)の偏心した位置で支持されており、これらの回転円板の回転によって、姿勢が保たれながら回転円板の回転軸回りに公転することで昇降する。第二保持部は、第二シーラー160の下部を保持するとともに、第一保持部114と同様に一対の回転円板(図示省略)の偏心した位置で支持されており、これらの回転円板の回転軸回りの回転によって、姿勢が保たれながら回転軸回りに公転することで昇降する。
このように、上下のシーラー120、160は、筒状の包装フィルムYA1の所定位置を上下から挟み込んだ状態で一定量だけ当該包装フィルムYA1とともに前進移動する。これにより、筒状の包装フィルムYA1の挟まれた部位が熱シールされるとともに、カットされる。この種の横シール装置のタイプは、ボックスモーションタイプとも称されている。
既述の上流側ベルトコンベア11の移動フレーム31と下流側ベルトコンベア12の移動フレーム51とは、それぞれ第二シーラー160が取り付けられる第二保持部に連係され、その第二保持部の搬送方向Lの前後方向の移動に追従して前後移動する。
この包装機1では、物品XA1の包装に際し、上流側から連続してガス(例えば、窒素ガス)が注入されている。これにより、少なくとも上流側ベルトコンベア11上においては、筒状の包装フィルムYA1の内部には物品XA1とともに窒素ガスが充填されており、包装フィルムYA1は最大限に膨張した状態となっている。
脱気装置15は、上流側ベルトコンベア11の下流(下流側ベルトコンベア12の上流側端部付近)に配置されている。本実施形態の脱気装置15は、物品XA1が収容された筒状の包装フィルムYA1を上方から押圧する押さえ部材(脱気手段)57と、この押さえ部材57を支持する支持部58と、物品XA1の搬送方向Lに移動しながら押さえ部材57の上下方向(搬送高さ方向H)の移動を規制可能な第一移動規制部55および第二移動規制部56等を備えている。脱気装置15は、横シール装置13とともに少なくとも上下方向(搬送高さ方向H)に移動可能であり、包装フィルYA1を押圧することで該包装フィルYA1内の気体を排出させる。
押さえ部材57は、例えばスポンジブロックであり、包装フィルムYA1を押さえる押さえ面57Sは、下流側ベルトコンベア12の下流側走行面40aに対向するように設けられる。
第一移動規制部55は、押さえ部材57と連係して移動可能であり、第二移動規制部56は、この例では下流側ベルトコンベア12の移動フレーム51に連結している。そして押さえ部材57は、包装フィルムYA1を押圧可能ではあるが、第一移動規制部55と第二移動規制部56によって、押さえ部材57(押さえ面57S)の位置が所定高さよりも下降しないように規制される。また、第一移動規制部55は、横シール装置13の第一シーラー120と押さえ部材57とを所定の位置関係に保持する(これらの構成については、後に詳述する)。
押さえ部材57(第一移動規制部55および第二移動規制部56)は、横シール装置13のボックスモーションの前後進移動と連動して、前後進移動する。また、押さえ部材57は、第一シーラー120の移動の一部の期間においてこれと連動し、搬送面となる下流側走行面40aに対して近接・離間するように、下降・上昇する。そして、第一シーラー120の下降に際して押さえ部材57が包装フィルムYA1を押圧することで、筒状の包装フィルムYA1内部のガスを排出させる。
<横シール装置>
図3から図5を参照して、横シール装置13について詳細に説明する。
横シール装置13は、物品XA1の長さに応じたピッチ毎に、包装フィルムYA1の幅方向にシールとカットを行う。これにより、図3に示すような包装体ZA1が製造される。包装体ZA1は、幅方向に帯状に延びる横シール部(トップシール部、エンドシール部)TO1が成形される。
また、横シール装置13はガゼット成形機構200を有しており、ガゼット成形機構200によって、包装フィルムYA1の搬送高さ方向Hに相当のフィルムが内側に折り込まれることにより、横シール部TO1の幅方向両端には、略三角錐形状の凹みとなるガゼット部GA1が成形される。
図4および図5は、上記の包装機1に採用される横シール装置13を説明する図であり、図4(A)は、第一シーラー120と第二シーラー160が離反状態の搬送方向の下流側から視た正面図であり、同図(B)は、第一シーラー120と第二シーラー160が接近状態の正面図であり、同図(C)は、第一シーラー120と第二シーラー160が離反状態の側面断面図であり、同図(D)は、第一シーラー120と第二シーラー160が接近状態の側面断面図である。また、図5は、横シール装置13に採用されるガゼット成形機構を示す図であり、同図(A)が第一シーラー120と第二シーラー160が離反状態の搬送方向下流側から視た正面図であり、同図(B)第一シーラー120と第二シーラー160が接近状態の正面図である。
図4(A)及び(C)に示すように、横シール装置13は、上側に配置される第一シールユニット110と下側に配置される第二シールユニット150と、これらを相対移動させる移動装置180を備える。第一シールユニット110と第二シールユニット150は、包装フィルムYA1の両側に対向するように配置されて、移動装置180によって互いに接近・離反する。なお、第一シールユニット110には、カッターユニット130が設けられている。
この接近・離反動作は、例えばボックスモーションの移動軌跡によって移動させることができる。具体的には、第一シールユニット110と第二シールユニット150が接近して包装フィルムYA1を挟持し、包装フィルムYA1の搬送方向に追従するように上流から下流に向かって所定距離移動する間にシールとカットを施す。その後、第一シールユニット110と第二シールユニット150が包装フィルムYA1から離反し、更に下流から上流に向かって所定距離移動して元の位置に復帰する。これらの動作を繰り返すことで、包装フィルムYA1を繰り返しシール及びカットする。
第一シールユニット110は、第一基台112と、この第一基台112に対して包装フィルムYA1側に配置される第一保持部114と、第一保持部114に固定される第一シーラー120を有する。第一保持部114は、摺動可能なスライド軸114Aを介して第一基台112に配置されており、第一基台112に対して包装フィルムYA1の面垂直方向、即ち、第二シールユニット150に対する接近・離反方向に往復移動自在となっている。なお、第一保持部114は、例えば、圧縮ばね等の付勢部材114Bによって、第一基台112に対して包装フィルムYA1側に常に付勢される。なお、第一シーラー120内には、特に図示しないヒータが内蔵されており、第一シーラー120を加熱するようになっている。
第一シールユニット110に設置されるカッターユニット130は、第一保持部114及び第一シーラー120内において上下動自在に収容されるカッター132と、このカッター132を駆動するカッター駆動装置134を備える。カッター駆動装置134によってカッター132を下降させると、図4(B)及び図4(D)に示すように、第一シーラー120のシール面からカッター132が突出し、その刃先が、第二シーラー160の受け溝に進入する。結果、包装フィルムYA1がカットされる。
第二シールユニット150は、第二基台152と、この第二基台152に対して包装フィルムYA1側に配置される第二保持部154と、第二保持部154に固定される第二シーラー160を有する。第二保持部154は第二基台152に固定される。
この第二保持部154に、既述の上流側ベルトコンベア11の移動フレーム31と下流側ベルトコンベア12の移動フレーム51とが連係される。具体的には、図示は省略するが、移動フレーム31の下流側端部および移動フレーム51の上流側端部にそれぞれ、案内溝を有するカム板が配設され、当該案内溝に第二基台152に取り付けられたカムフォロアが係合する。カム板および案内溝の形状は、第二シーラー160の動作に伴って、移動フレーム31、51が搬送方向Lに沿って進退移動すると共に相互に近接・離間するよう設定される。
これにより、その第二保持部の搬送方向Lの前後方向の移動に追従して移動フレーム31、51が搬送方向Lに前後移動する。
なお、第二基台152には垂直方向に伸びるようにレール(不図示)が取り付けられ、第一基台112にレールと係合するスライダ(不図示)が取り付けられており、第一シーラー120と、第二シーラー160のシール面が水平に保たれる。
また、第二シーラー160内には、特に図示しないヒータが内蔵されており、第二シーラー160を加熱するようになっている。
図4(B)及び(D)に示すように、横シール装置13のシールの際は、上流側ベルトコンベア11と下流側ベルトコンベア12との隙間が大きくなり、第二シーラー160が、両コンベア間の隙間を通過して第一シールユニット110と第二シールユニット150が互いに接近し、第一シーラー120と第二シーラー160が包装フィルムYA1に当接する。
第一シールユニット110と第二シールユニット150が更に接近すると、第一シールユニット110の第一シーラー120が、付勢部材114Bの付勢力に抗して第一基台112側に押し込まれ、第一シーラー120と第二シーラー160の間に適切な挟持力が生じる。第一シーラー120及び第二シーラー160の熱により、包装フィルムYA1がシールされる。
シールが完了すると略同時に、カッターユニット130が、カッター132を下降させることで、包装フィルムYA1をカットする。
横シール装置13は、更に、ガゼット成形機構200を有する。このガゼット成形機構200は、包装フィルムYA1における搬送幅方向Wの両外側に配置される一対のガゼットユニット210を有しており、このガゼットユニット210によって、包装フィルムYA1の搬送幅方向Wの一対の側面を内側に折り込むことで、包装体ZA1にガゼットGA1(図3参照)を成形する。
シール後、第二シーラー160は、上流側ベルトコンベア11と下流側ベルトコンベア12の隙間を通過して両コンベア11,12の搬送面(上流側走行面17a、下流側走行面40a)の下方に移動し、両コンベア間11,12の隙間は所定の間隔に狭められる。物品XA1が充填された筒状の包装フィルムYA1は、フィルム移送速度と同速で走行する搬送装置11から搬送装置12に移送される(図4(Ce参照)。
図5に示すように、一対のガゼットユニット210は、搬送幅方向Wの一方側と他方側に配置され、それぞれ、ガゼット爪300と、ガゼット爪300を進退させる移動機構(進退機構)230を有する。一対のガゼットユニット210は、同一構成であり、搬送方向Lの中心線に対して対称に(対向して)配置される。
移動機構230は、搬送幅方向Wに延びるガイドレール232と、このガイドレール232に沿って移動自在に配置されるスライダ234と、このスライダ234に鉛直方向に固定されるスライドプレート236と、モータ238と、揺動軸239を有する。揺動軸239は、一端がモータ238に固定されると共に、他端にはピンが配置される。このピンは、スライドプレート236の鉛直方向の長孔236Aに挿入される。これにより、移動機構230には、回転運動を往復運動に変換する直交スライド機構が構成され、モータ238によって揺動軸239が回転すると、ピンが長孔236A内を移動して、スライドプレート236及びスライダ234が搬送幅方向Wに往復移動する。なお、ここでは移動機構230として揺動軸239を揺動させる構造を例示したが、例えばエアシリンダや、例えば、円筒カムを用いたカム機構を採用することもできる。
<脱気装置>
図6および図7を参照して、本実施形態の脱気装置15について詳細に説明する。図6(A)、(B)は押さえ部材57と第一移動規制部55の構成の概略を示す正面図であり、同図(C)は第二移動規制部56の構成の概略を示す正面図である。また、図7(A)は脱気装置15の第一移動規制部55と第二移動規制部56とが当接している状態の上面図であり、同図(B)は第一移動規制部55と第二移動規制部56とが離間している状態を上流方向から見た正面図であり、同図(C)は第一移動規制部55と第二移動規制部56とが当接している状態を上流方向から見た正面図であり、同図(D)はシール時の状態を上流方向から見た正面図である。なお、図6は、図7(A)のX−X線から見た正面図として示している。
脱気装置15は、押さえ部材57と、支持部58と、第一移動規制部55と、第二移動規制部56等を有する。第一移動規制部55と、第二移動規制部56は別体に構成されているが、いずれも物品XA1の搬送方向Lに移動しながら、両者が協働して押さえ部材57(脱気手段)の上下方向(搬送高さ方向H)の移動(所定高さより下降する移動)を規制することが可能である。そして、脱気装置15は、押さえ部材57、と第一移動規制部55と、第二移動規制部56とが協働して物品XA1の搬送方向に移動しながら、筒状の包装フィルムYA1内のガスを外部(上流方向)に排出する。
図6(A),(B)および図7に示すように、支持部58は、押さえ部材57の下流側(図6では右側)端部から、押さえ面57Sに対して垂直方向に延在するように設けられ、その下端部が押さえ部材57の上面に固定される。
第一移動規制部55は、基部551と、軸部552と、弾性部553と、当接部555を有し、押さえ部材57が所定の高さより下降しないように、その上下方向の移動(下降)を規制する。
軸部552は、押さえ部材57支持部58よりも上流側(図6では左側)の位置から、押さえ面57Sに対して垂直方向に延在するように設けられ、下端部が押さえ部材57の上面に固定される。支持部58と軸部552は、基部551に設けられた孔部にそれぞれ挿通され、基部551は、支持部58および軸部552に対して上下移動可能となるようにこれらに保持される。
軸部552の上方先端には、当接部555が設けられる。当接部555は、脱気の際に第二移動規制部56の一部(規制手段)に当接し、これにより押さえ部材57の下降が規制される。
また、軸部552の下端部には、基部551と押さえ部材57の間に弾性部553が介在される。弾性部553は、この例では軸部552の周りに巻回された圧縮ばね(コイルばね)である。また、基部551の上流側端部は、第一基台112に固定される。
第一基台112は基部551と一体的に上下に移動する。基部551は軸部552および支持部58に対して上下に移動自在に支持されており、押さえ部材57および支持部58も或る期間(横シール装置13がシールを行う期間を除いた期間)においては基部551および第一基台112と一体的に移動するが、横シール装置13がシールを行う際は、基部551および第一基台112は、押さえ部材57および支持部58に対して相対的に移動(下降)する。
図6(C)および図7に示すように、第二移動規制部56は、フレーム部561とフレーム部561の先端に設けられたストッパー(規制手段)562と、連結部563を有する。フレーム部561は、上面視において略コの字状のストッパー支持部562Aを備え(図7(A))、開放端となる略コの字の2つの先端上側に、樹脂素材などにより構成されたストッパー562が取り付けられている。ストッパー562は、第一移動規制部55の当接部555の下方に当接して下方からこれを支持することが可能に構成されており、当接部555に当接した場合には、当接部555およびこれに固定される軸部552および押さえ部材57が、その当接時の位置よりも下方に移動することを規制する。
フレーム部561は、下流側ベルトコンベア12の移動フレーム51と同期して移動可能となるように、連結部563にて連結され、下流側ベルトコンベア12のベルト40の搬送方向Lの前後に移動可能となっている。そして移動フレーム51は、第二シーラー160が取り付けられる第二保持部154に連係され、第二保持部154および第二保持部154の搬送方向Lの前後の移動に追従して前後移動する。
このように、本実施形態の脱気装置15は、押さえ部材57が、第一移動規制部55の当接部555と第二移動規制部56のストッパー562とともに、搬送方向Lの前後に移動可能に構成されている。
また、図6(A)に示すように、第一移動規制部55では、基部551が、第一シーラー120の動きに完全に同期して、ボックスモーションで搬送方向Lの前後および搬送高さ方向Hの上下に移動する。
一方、同図(B)に示すように、当接部555、軸部552、支持部58および押さえ部材57は、第一シーラー120の動きに一部同期して、横シール装置13がシールを行う期間を除いた期間においては、搬送方向Lの前後および搬送高さ方向Hの上下に移動するが、第一シーラー120がシールする際には、第一シーラー120の下降動作とは同期せず、所定位置に停止する。
弾性部553は、自身が圧縮されることによって、当接部555、軸部552、支持部58および押さえ部材57が所定位置に停止した状態(停止後)において、第一シーラー120が下方へ移動することを許容する。つまり、第一シーラー120のシール面は、押さえ部材57の押さえ面57Sよりも下方に移動可能に構成されている。
また、フレーム部561を移動フレーム51に取り付けるための取付部564は、例えば、フレーム部561の高さ(搬送高さ方向H)に長い取付溝(不図示)と、取付溝の任意の位置にフレーム部561を固定する固定手段563A(例えば、ねじなど)などにより構成され、フレーム部561の高さ(上下方向の位置)、すなわち、ストッパー562の高さ(上下方向の位置)を調整可能に構成されている。
<脱気動作>
図8および図9を参照して、本実施形態の脱気装置15における脱気動作について説明する。図8および図9は、脱気動作を行う脱気装置15および横シール装置13の主要部分を抜き出して示す概略図である。
図8(A)に示すように、物品XA1が下流側ベルトコンベア12上に移載されると、横シール装置13は、その上流側端部をシールおよびカットするために、第一シーラー120と第二シーラー160とが互いに近接するようにボックスモーションで移動する。
脱気装置15は、横シール装置13によるシールがされる前のタイミングでは、横シール装置13に連動して移動する。具体的には、押さえ部材57と第一移動規制部55は、第一シーラー120と同期して搬送方向Lの前方向および下方向に移動し、第二移動規制部56は、第二シーラー160に連動する下流側ベルトコンベア12の移動フレーム51と同期して、搬送方向Lの前方向に移動する。
そして、同図(B)に示すように、所定のシール位置において第一シーラー120が下降を開始すると、これと連動して押さえ部材57と第一移動規制部55が下降する。包装フィルムYA1内には、ガス(例えば、窒素ガス)が充満しており、包装フィルムYA1は、物品XA1の高さより十分高い位置まで膨張している。
押さえ部材57は、同図(C)に示すように、第一シーラー120とともに下降し、包装フィルムYA1の上方に当接し、押圧を開始する。このとき、上流側からガスは連続して流入しており、押さえ部材57は、ガスの流入を阻止しつつ包装フィルムYA1内のガスが排出できる十分な力で包装フィルムYA1を押圧する。このタイミングでは、第一シーラー120のシール面120Sは、押さえ部52の押さえ面57Sよりも上方に位置している。
同図(B)、(C)に示す、押さえ部材57によって押圧を開始する前のタイミングでは、当接部555とストッパー562は当接しておらず、押さえ部材57は第一シーラー120と同期して下降が可能である。
図9(A)に示すように、押さえ部材57の押圧によって包装フィルムYA1内のガスが排出され、押さえ部材57および第一移動規制部55が所定の高さまで下降すると、第一移動規制部55の当接部555の下面が第二移動規制部56の上面に当接し、押さえ部材57および第一移動規制部55の下方への移動が規制されて押さえ部材57の下降動作は停止する。
この所定の高さ(下流側走行面40aからの高さ)H1、すなわち押さえ部材57の下降が規制されて停止する位置は、例えば、物品XA1の高さ(搬送高さH方向の高さ)と同等かそれよりも僅かに高い位置である。この高さH1は、フレーム部561の取付部564を調節することにより、第二移動規制部56のストッパー562の上面の高さを予め設定する(押さえ部材57の押さえ面57Sが高さH1で停止できる位置に設定する)ことによって実現されている。
つまり、押さえ部材57は、包装フィルムYA1内へのガスの流入を阻止しつつ包装フィルムYA1内のガスが排出できる十分な力で包装フィルムYA1を押圧するが、第一移動規制部55(の当接部555)と第二移動規制部56(のストッパー562)によって物品XA1には非接触の状態で下降が規制されて停止する。
そして、この期間(押さえ部材57が停止している期間)も、第一シーラー120は下降を継続しており、例えば、同図(A)に示す押さえ部材57が停止したタイミングでは、第一シーラー120のシール面120Sの下流側走行面40aからの高さからの高さH2は、押さえ部材57の押さえ面57Sの高さH1より高い位置にある。
そして、押さえ部52が所定位置で停止して包装フィルムYA1内のガスが十分に排出された状態(図9(A)に示す脱気の後のタイミング)で、図4および図5に示すようにガゼット成形機構200のガゼット爪300が搬送幅方向Wに進出し、包装フィルムYA1の上流側の側面を内側(搬送幅方向Wの中心)に向かって折り込み、ガゼットGA1(図3参照)を成形する。
その後、同図(B)に示すように、押さえ部材57が停止した後も、第一シーラー120は下降を継続する。第一シーラー120は、第一保持部114および第一基台112を介して第一移動規制部55の基部551に連結されているが、基部551は、軸部552に対して上下移動可能に支持されており、また、弾性部553の圧縮によって下方への押圧力が吸収されて、第一シーラー120の下降が許容される。つまり、当接部555が第二移動規制部56のストッパー562と当接して押さえ部材57の下降が停止した後であっても、押さえ部材57の高さ方向の位置を移動させることなく第一シーラー120の下降が可能となっている。
そして、このタイミングでは、第一シーラー120のシール面120Sの高さからの高さH2は、押さえ部材57の押さえ面57Sの高さH1より低い位置にある。
このように本実施形態では、脱気装置15(押さえ部材57)による脱気の際は、第一シーラー120のシール面120Sは、押さえ部材57の押さえ面57Sより上方に位置し、第一シーラー120、及び第二シーラー160によるシールの際は、当該シール面120Sは,押さえ部材57の押さえ面57Sより下方に位置する。
そして、第一シーラー120のシール面120Sが第二シーラー160のシール面と当接し、包装フィルムYA1を介して当接し、シールおよびカットが行われる。
その後、横シール装置13がボックスモーションを行い、第一シーラー120と第二シーラー160が離間し、これに同期して、押さえ部材57および第一移動規制部55が上方に移動する。また、上流側ベルトコンベア11の下流端部が上流側に移動し、上流側ベルトコンベア11の移動に同期して第一移動規制部55が上流方向に移動するとともに、下流側ベルトコンベア12の移動に同期して第二移動規制部56が上流方向に移動する。そして、シール部(トップシール部TO1)が形成された包装体ZA1が下流に搬送される。
このように、本実施形態によれば、脱気装置15は、横シール装置13が包装材料YA1をシールおよびカットするより前に、押さえ部材57が包装フィルムYA1を上方から押え、包装フィルムYA1内の脱気を行う。このとき、押さえ部材57は、第一移動規制部55および第二移動規制部56によって、包装フィルムYA1内のガス(例えば、窒素ガス)を十分に排出しつつも、物品XA1を傷つけない高さ(例えば、物品XA1の高さと同等かそれよりもわずかに大きい高さ)で停止し、それより下方への移動が規制される。
連続して包装フィルムYA1内にガスが供給されるガス充填包装機の場合、ガスを排出するためには大きな力で押圧する必要があるが、この大きな押圧力が包装フィルムYA1内の物品XA1にかかると、物品XA1が傷つく恐れがある。一方、特に物品XA1が柔らかい場合など、当該物品XA1を傷付けない程度の押圧力では、包装フィルムYA1内の脱気が不十分となる問題がある。
本実施形態によれば、押さえ部52が所定高さで下降が規制されて停止するため、ガスの排出には十分大きな押圧力で包装フィルムYA1を押圧しつつも、製品となる物品XA1を傷つける恐れがなく、十分な脱気を行うことができる。
また、横シール装置13のシールに先駆けて、さらに、横シール装置13のシールに際してガゼットGA1が形成されるより前に、押さえ部52が物品XA1の高さに応じた位置に下降し、その移動が規制される。そして、押さえ部材57が停止した後も、それよりも下方に第一シーラー120の移動が許容され、押さえ部材57の押さえ面57Sよりも下方に第一シーラー120のシール面120Sを移動させることができる。
このため、押さえ部材57が包装フィルムYA1を上方から押さえて脱気した状態のまま、横シール装置13のガゼット成形機構200がガゼットGA1を形成し、その後シールおよびカットを行うことができる。つまり、ガスが連続して充填される包装機1であっても、包装フィルムYA1内へのガスの流入(排出したガスの逆流)を回避して、正確で、かつ包装体ZA1間において均一なシール部(例えば、トップシール部TO1)およびガゼットGA1形成が可能となる。
また、脱気装置15は、第一移動規制部55および第二移動規制部56と一体的に、少なくとも搬送方向Lに移動可能である。より具体的には、脱気装置15(押さえ部材57、第一移動規制部55および第二移動規制部56)は、横シール装置13およびこれに連動する下流側ベルトコンベア12と連動して移動(ボックスモーションで移動)する。つまり、横シール装置13のボックスモーションにタイミングを合わせる別途の制御や装置等が不要であり、包装フィルムYA1内の脱気を効率よく十分に行うとともに、正確および均一なガゼットGA1およびシール部の形成が可能となる。
また、押さえ部材57は第一シーラー120と同期して移動するため、押さえ部材57を移動させる専用の駆動手段(例えば、エアシリンダーなど)が不要であり、押さえ部材57の動作の高速化が図れる。従って、高速運転される包装機であっても、十分な脱気を行うことができる。
このようにして形成された本実施形態の包装体ZA1は、内部のガスが十分に脱気されるため、ガス充填式包装機で包装される場合であっても、包装体ZA1の外形サイズを、ほぼ物品XA1のサイズと同等に縮小することができる。
従って、包装体ZA1を箱詰めする場合であっても、物品XA1の外形サイズに合わせた効率的な規格の箱を使用することができ、箱詰めした際の小型化を実現できる。あるいは、箱内に複数の包装体ZA1を箱詰めする場合に、その収容率を向上させることができる。
また、第二移動規制部56は、フレーム部561の取付部564を調節することによりストッパー562の上面の高さを任意の位置に調整可能であるため、物品XA1の高さや、包装フィルムYA1内に充填するガス量が変化した場合であっても、容易に、それぞれの高さに応じた適切な位置に押さえ部材57を停止させることができる。
なお、上記の実施形態では、包装フィルムYA1内のガスの略全量を排出する場合を例に説明したが、包装フィルムYA1内のガス量は所定量を残存させるものであってもよい。その場合であっても、包装フィルムYA1内に残存させるガス量に応じて、押さえ部材57の移動を規制する高さ(停止位置)を適宜選択できるので、所望量のガスを排出する(包装フィルムYA1内に残存させる)ことができる。
<変形例>
図10を参照して、本実施形態の変形例について説明する。同図は、脱気装置15の他の例を示す正面図である。上記の実施形態では、第二移動規制部56を下流側ベルトコンベア12と同期して移動させる構成について説明したが、第二移動規制部56は、例えば、搬送方向Lに沿っては移動不可となるように包装機本体4の機体F等に取り付けられたものであってもよい。
この場合、第二移動規制部56のストッパー562は、搬送方向Lに沿って所定長さ(下流側ベルトコンベア12の搬送方向Lの移動量よりも大きい長さ)を有するものとし、第一移動規制部55の当接部555をローラー状に構成する点が上記の実施形態と異なっており、それ以外の構成は同様である。
この構成では、当接部555がストッパー562に当接し、押さえ部材57の下降が停止した後は、第一移動規制部55がローラー状の当接部555によって下流方向へ移動しながら、第一シーラー120が下降して、シールおよびカットを行うことができる。
なお、この場合も、フレーム部561の取付部564を調節することにより、ストッパー562の上面の高さを任意の位置に調整可能である。
以上、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では包装機1が横型製袋充填機である場合を例に説明したが、縦型製袋充填機であってもよい。
また、包装機1は連続してガスが充填されるガス充填包装機に限らず、一般的な包装機(ガスが積極的に充填されない包装機)であっても、不要な包装フィルムYA1内のエアを脱気する場合などにおいて同様に実施できる。
また、包装機1は、三方シール機、四方シール機またはシュリンク包装機であってもよい。
上流側ベルトコンベア11は、ベルト17が搬送方向に伸縮しない構成であってもよい。
また、センターシール装置16によるセンターシールは、フィルム表面とフィルム裏面を接触した状態でシールする封筒貼りとしてもよい。また、センターシール装置16は、一対のバーシーラーの替りに加熱ローラーを用いてセンターシール部を挟んで加熱してもよい。
また、脱気装置15は、筒状の包装フィルムYA1の側部を押圧するエア抜き手段を設けてもよい。これにより、被包装物(物品XA1)の形状や硬度に関係なく所定位置に綺麗にガゼットを形成することができる。