JP6230704B2 - アンテナ装置、アンテナ装置の製造方法、及び無線装置 - Google Patents

アンテナ装置、アンテナ装置の製造方法、及び無線装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、アンテナ装置、アンテナ装置の製造方法、及び無線装置に関する。
従来、アンテナ素子と容量結合する無給電素子を備えることでアンテナ装置を小型化する技術が知られている。
しかしながら、従来のアンテナ装置では、アンテナ装置をさらに小型化するために、アンテナ素子を基板に近づけると、インピーダンスの整合が取れる帯域が非常に狭くなってしまう。そのため、インピーダンスの整合が取れる帯域を確保しつつ、アンテナ装置をさらに小型化することが難しいという問題があった。
特許第4063833号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、インピーダンスの整合が取れる帯域を確保しつつ、装置の小型化・薄型化を可能とするアンテナ装置、アンテナ装置の製造方法、及び無線装置を提供することを目的とする。
実施形態のアンテナ装置は、直線状の辺を有する有限地板と、有限地板と対向し、有限地板の辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下である第1導体板と、一端が第1導体板の辺に接続され、他端が有限地板の辺の一端部に短絡される導体線と、を備える。また、アンテナ装置は、有限地板と対向し、有限地板の辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下であり、第1導体板と容量結合するように近接配置される第2導体板と、一端が第2導体板の辺に接続され、他端が有限地板の辺の他端部に接続される給電線と、を備える。
第1実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の動作原理を説明する図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の動作原理を説明する図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の動作原理を説明する図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の動作原理を説明する図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の動作原理を説明する図。 第1実施形態にかかるアンテナ装置の変形例1を示す図。 第2実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第2実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の構成を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の構成を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の周波数特性を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の放射効率及び指向性を示す表。 第2実施形態にかかる無線装置の放射特性を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の放射特性を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置の放射特性を示す図。 第2実施形態にかかる無線装置を指に装着した例を示す図。 第2実施形態にかかるアンテナ装置の変形例2を示す図。 第3実施形態にかかる無線装置の構成を示す図。 第4実施形態にかかる無線装置の構成を示す図。 第4実施形態にかかる無線装置の他の例を示す図。 第4実施形態にかかる無線装置の他の例を示す図。 第4実施形態にかかるアンテナ装置の変形例3を示す図。 第4実施形態にかかるアンテナ装置の変形例4を示す図。 第4実施形態にかかるアンテナ装置の変形例4を示す図。 第5実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第5実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第6実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第7実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第7実施形態にかかるアンテナ装置の拡大図。 第7実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第7実施形態にかかるアンテナ装置の拡大図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の製造方法を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の製造方法を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の製造方法を示す図。 第8実施形態にかかるアンテナ装置の製造方法を示す図。 第9実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第9実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 第9実施形態にかかるアンテナ装置の等価回路を示す図。 第9実施形態にかかるアンテナ装置の等価回路を示す図。 第9実施形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図。 変形例5にかかるアンテナ装置を示す図。 変形例5にかかるアンテナ装置を示す図。 変形例5にかかるアンテナ装置を示す図。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるアンテナ装置10の構成を示す図である。なお、説明をわかりやすくするため、図1には、図中上向きを正方向とし、図中下向きを負方向とするY軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、以下の説明に用いる他の図面においても示す場合がある。
ここで、図1Aは本実施形態に示すアンテナ装置10をZ軸方向からみた上面図である。また、図1Bはアンテナ装置10をX軸方向からみた側面図であり、図1Cはアンテナ装置10をY軸方向からみた側面図である。
アンテナ装置10は、有限地板100、第1導体板210、第2導体板220、導体線300、及び給電線400を有する。
有限地板100は、直線状の辺100aを有する長さLg、幅Wgの矩形の導体板である。また、第1、第2導体板210、220は、有限地板100と対向するように配置される。第2導体板220は、第1導体板210と容量結合するように、ギャップG離して近接配置される。
また、第1、第2導体板210、220は、直線状の辺210a、220aをそれぞれ有する長さWの略正方形の導体板である。第1、第2導体板210、220の、有限地板100の辺100aに対応する辺の長さWは、それぞれ略8分の1波長以下となる。
ここで、有限地板100の辺100aに対応する辺とは、辺100aと平行で、辺100aに最も近い辺を指す。図1の例では、辺100aに対応する第1導体板210の辺は、辺210aであり、辺100aに対応する第2導体板220の辺は、辺220aである。
導体線300及び給電線400は、長さHの導電性の線路である。導体線300は、一端が第1導体板210の辺210aに接続され、他端が有限地板100の辺100aの一端部320に短絡される。本実施形態では、導体線300の一端は、辺210aの一端部310に接続される。
給電線400は、一端が第2導体板220の辺220aに接続され、他端が有限地板100の辺100aの一端部420に接続される。本実施形態では、給電線400の一端は、辺220aの一端部410に接続される。
ここで、一端部420は、例えば無線部(図示せず)の信号線と接続され、給電点として動作する。また、第2導体板220は、アンテナ素子として動作し、第1導体板210は、無給電素子として動作する。
導体線300及び給電線400は、有限地板100と略直交するように接続される。したがって、第1、第2導体板210、220の有限地板100からの高さは、導体線300及び給電線400の長さHとほぼ等しくなる。
図2を用いて、アンテナ装置10の動作原理、及び辺210a、220aの長さWについて説明する。図2Aは、アンテナ装置10の動作原理を説明する上面図であり、図2Bは、側面図である。なお、図2中の曲線C1、C2は、アンテナ装置10、10Aに流れる電流分布を示す。
図2に示すアンテナ装置10Aは、長さがLgc(=2×Lg)、幅が無限の地板100Aを有する。なお、図2に示すアンテナ装置10Aは、図1のアンテナ装置10をZ軸周りに90度回転させたものと対応する。
アンテナ装置10Aは地板100Aの直線B上に配置した導体パッチ220Aを有する。さらに、アンテナ装置10Aは導体パッチ220Aと地板100Aとを接続する給電線400Aと、給電点420Aを有する。なお、図2Aに示す直線Bは、地板100Aの長さLgcを二等分する線であり、直線A1は給電線400Aを通り、直線Bと直交する線である。
また、アンテナ装置10Aは、直線B上であって、導体パッチ220Aの両側に一列に配列した複数の導体パッチ210Aと、複数の導体パッチ210Aと地板100Aとをそれぞれ短絡する複数の導体線300Aとを有する。
導体バッチ210A、220Aは、一辺の長さがLc(=2×W)の略正方形の導体板である。また、導体線300A及び給電線400Aの一端は、導体バッチ210A、220Aのほぼ中心に接続される。
このように、図2に示すアンテナ装置10Aは、1×N(N=1,2,・・・)のマッシュルーム型EBG構造の基板のうち、ひとつの導体パッチ220Aを直接励振させることで、導体パッチ220Aをアンテナ素子として動作させるものである。
無限周期のマッシュルーム型EBG構造の基板は、原理的に高インピーダンス基板として動作することが知られている。したがって、図2に示すアンテナ装置10Aも高インピーダンス基板として動作する。
ここで、アンテナ装置10Aが、中心周波数fc(波長λc)にバンドギャップを有し、表面インピーダンスがZs(f)(Zs(f→fc)→∞)である場合について考える。
図2Cに示すように、アンテナ装置10Aを、直線Bを通る面で半分に分割する。アンテナ装置10Aは直線Bに対して対称な構造であるため、分割後のアンテナ装置10Aの表面インピーダンスは概ねZs(f)/2となる。
次に、図2Dに示すように、アンテナ装置10Aを、直線A1を通る面でさらに半分に分割する。アンテナ装置10Aは直線A1に対して対称な構造であるため、分割後のアンテナ装置10Aの表面インピーダンスは概ねZs(f)/4となる。
図2Eに示すように、アンテナ装置10Aを、直線A2で通る面でさらに分割し、周期構造のアンテナ装置10Aから単位セルサイズのアンテナ装置10を切り出す。なお、直線A2は、給電線400Aと隣接する導体線300Aを通り、直線A1と略平行な直線である。
ここで、アンテナ装置10の電流分布を説明する。まず、図2Bに示すように、アンテナ装置10Aの電流分布C1は、導体パッチ210A、220Aの中心部を腹、両端部を節とする分布となる。
アンテナ装置10Aから単位セルサイズのアンテナ装置10を切り出すと、アンテナ装置10Aに流れる電流を腹のところで切り出すことになる。したがって、図2Eに示すアンテナ装置10に流れる電流分布C2は、図2Bに示すアンテナ装置10Aの電流分布C1のうち、腹から腹までの2分の1波長分を切り出した電流分布とほぼ等しくなる。
このように、アンテナ装置10Aから単位セルサイズのアンテナ装置10を切り出しても、アンテナ装置10の電流分布C2は、アンテナ装置10Aの電流分布C1とほぼ同じ周期を保つ。
アンテナ装置10のインピーダンスの説明に戻る。切り出した単位セルサイズのアンテナ装置10の導体パッチ220Aを直接励振する場合、アンテナ装置10の入力インピーダンスZin(f)は、Zin(f)=Zs(f)/4〜Zs(f)/6程度となる。
アンテナ装置10を、動作周波数f0(波長λ0)で入力インピーダンスZin(f0)が50Ωとなるように整合させるには、アンテナ装置10の表面インピーダンスZsをZs(f0)=200〜300Ωとなるようにすればよい。
アンテナ装置10の動作周波数f0及び中心周波数fcをf0≦fc(λc≦λ0)の範囲に設定すると、アンテナ装置10は、この整合条件を満たす。また、アンテナ装置10の帯域幅を考慮すると、整合条件を満たす範囲は、概ねfc/2≦f0の範囲となる。したがって、整合条件を満たすアンテナ装置10の中心波長λcの範囲は、λ0/2≦λc≦λ0となる。
ストップバンドが得られる中心周波数fcでは、単位セルで位相が反転する(位相量φ=π)位相条件を満たすため、原理的には、アンテナ装置10Aの単位セル、すなわち導体パッチ210A、220Aの電気長はλc/2となる。
実際には、構造による位相遅延と、表面インピーダンスZs(f0)=200〜300Ωとなる動作帯域幅とを考慮すると、導体パッチ210A、220Aの物理長Lcは、λc/4程度となる。これを、上述した中心波長λcの範囲λ0/2≦λc≦λ0にあてはめると、λ0/2≦4×Lc≦λ0、すなわちλ0/8≦Lc≦λ0/4となる。
ここで、アンテナ装置10の第1、第2導体板210、220の辺210a、220aの長さWは、導体パッチ210A、220Aの長さLcの2分の1(W=Lc/2)である。したがって、辺210a、220aの長さWの範囲は、λ0/8≦2×W≦λ0/4、すなわち、λ0/16≦W≦λ0/8となる。
このように、本実施形態のアンテナ装置10では、第1、第2導体板210、220の辺210a、220aの長さWを、それぞれ略8分の1波長以下とすることで、アンテナ装置の整合を取ることができる。また、アンテナ装置10の帯域幅を考慮する場合は、辺210a、220aの長さWをそれぞれ略16分の1波長以上とすればよい。
上述したように、アンテナ装置10は、入力インピーダンスZin(f0)が50Ωとなるように整合を取りつつ、辺210a、220aの長さWを略8分の1波長以下とすることができ小型のアンテナ装置となる。
さらに、マッシュルーム型EBG構造の基板は、基板の高さHが、動作波長λ0と比較して低姿勢(H<<λc<λ0)である。したがって、本実施形態のアンテナ装置10の高さHも、動作波長λ0と比較して低姿勢となる。
このように、本実施形態にかかるアンテナ装置10は、インピーダンスの整合が取れる帯域を確保しつつ、アンテナ装置を小型化することができる。
また、アンテナ装置10の第1、第2導体板210、220は、有限地板100と対向するように配置するため、有限地板100の投影面からはみ出さない。したがって、例えばアンテナ装置10を筐体に収容する場合、かかる筐体を小型化することができる。
(変形例1)
図3を用いて、第1実施形態にかかる変形例1を説明する。図3に示すアンテナ装置11は、第1、第2導体板211、221を除き、アンテナ装置10と同じである。なお、第1実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
本変形例にかかるアンテナ装置11は、第1、第2導体板211、221を有する。第1、第2導体板211、221は、長さL1、幅Wの長方形の導体板である。
このように、第1、第2導体板211、221の形状は、正方形に限らず長方形であってもよい。この場合、アンテナ装置11の動作周波数f0(波長λ0)とすると、長さL1、幅Wが、λ0/16≦W≦λ0/8及びλ0/16≦L1≦λ0/8を満たしていればよい。
なお、本変形例では、第1、第2導体板211、221の長さL1が、幅Wより長い(L1>W)場合について示したが、逆(L1<W)であってもよい。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかるアンテナ装置12の構成を示す図である。図4Aは本実施形態に示すアンテナ装置12をZ軸方向からみた上面図である。また、図4Bはアンテナ装置12をX軸方向からみた側面図である。なお、第1実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
本実施形態にかかるアンテナ装置12は、第1、第2導体板212、222を有する。第1導体板212は、長さL1、幅W1の長方形の導体板である。第1導体板212は、直線状の辺212aを有する。辺212aは、有限地板100の辺100aに対応する辺であり、長さW1は、λ0/16≦W1≦λ0/8(λ0はアンテナ装置12の動作波長)を満たす。
第2導体板222は、長さL1、幅W2(W2<W1)の長方形の導体板である。また、第2導体板222は、直線状の辺222aを有する。辺222aは、有限地板100の辺100aに対応する辺であり、長さW2は、λ0/16≦W2≦λ0/8(λ0はアンテナ装置12の動作波長)を満たす。また、第1、第2導体板212、222の長さL1は、λ0/16≦L1≦λ0/8を満たす。
次に、図5及び図6を用いて、アンテナ装置12を無線装置1に搭載した場合について説明する。ここでは、アンテナ装置12を搭載した例を説明するが、第1実施形態及び変形例1にかかるアンテナ装置10、11、あるいは後述する実施形態にかかるアンテナ装置を搭載してもよい。
図5は無線装置1の斜視図であり、図6は第1、第2導体板212、222、導体線300及び給電線400を除いた無線装置1の斜視図である。
図5及び図6に示すように、無線装置1は、アンテナ装置12、無線部510及び電池520を有する。
アンテナ装置12の有限地板100は、一般的な回路基板で構成され、無線部510や図示しない回路のグランドとしても動作する。
無線部510は、有限地板100上に配置される。また、無線部510は、第1導体板212又は第2導体板222の少なくとも一方と有限地板100との間に配置される。本実施形態では、無線部510は、第1導体板212及び第2導体板222と有限地板100との間に配置される。
無線部510は、アンテナ装置12の給電部420と信号線(図示せず)で接続されており、アンテナ装置12を介して無線通信を行う。
電池520は、有限地板100上に配置され、無線部510に電力を供給する。本実施形態では、電池520は、第1、第2導体板212、222及び無線部510が配置されていない有限地板100上に配置されている。
なお、電池520は、無線部510だけでなく、その他の回路や装置(図示せず)に電力を供給してもよい。あるいは、電池520を有限地板100上に配置せず、無線装置1の外部に設けるようにしてもよい。
ここで、無線部510を第1、第2導体板212、222の少なくとも一方と有限地板100との間に配置することができる理由について説明する。これは、第1実施形態でも述べたように、アンテナ装置12が、EBG構造の基板から単位セルサイズの基板を切り出した構成を有するためである。
EBG構造の基板は、地板に電流が流れにくいことを特徴とする。したがって、EBG構造の基板から単位セルサイズの基板を切り出した構造を持つアンテナ装置12も同様に有限地板100に電流が流れにくいという特徴を有する。
従来のアンテナ装置は、アンテナ直下に大きな電流が流れるため、かかるアンテナ直下に回路を配置することができなかった。したがって、有限地板上にアンテナ装置と回路とをそれぞれ個別に配置する必要があり、無線装置の小型化・薄型化が難しかった。
ところが、本実施形態にかかるアンテナ装置12は、アンテナ直下の有限地板100に電流が流れにくいという特徴を有するため、無線部510等の電流の影響を受ける部品をアンテナ直下に搭載することができ、無線装置1を小型化・薄型化することができる。
続いて、図7及び図8を用いて、アンテナ装置12を搭載した無線装置1の周波数特性を説明する。図7は、無線装置1のシミュレーション結果を示す図である。
図7の点線は、自由空間での無線装置1の周波数特性を示す。図7の直線は、図8に示すように、無線装置1が人体を模擬した箱型のファントム600上に存在する場合での無線装置1の周波数特性を示す。
ここで、有限地板100の長さLgをLg=40mm、幅WgをWg=20mmとする。また、第1導体板212の幅W1をW1=10.71mm、第2導体板222の幅W2をW2=8.64mmとする。
第1、第2導体板212、222の長さL1をL1=13mm、ギャップGをG=0.65mm、第1、第2導体板212、222の高さHをH=2mmとする。また、アンテナ装置12の中心動作周波数f0をf0=2450MHzとする。
図7の点線より、自由空間では、中心動作周波数f0付近で、無線装置1に搭載したアンテナ装置12の整合が取れていることがわかる。また、図7の直線に示すように、有限地板100の第1、第2導体板212、222を配置した面と反対側にファントム600を配置した場合であっても、中心動作周波数f0付近で整合が取れている。
このように、本実施形態にかかるアンテナ装置12は、自由空間における周波数特性と、ファントム600が存在する場合における周波数特性とを比較すれば明らかなように、整合が取れる中心周波数のずれが小さい。したがって、本実施形態に示す無線装置1は、ファントム600有無といった周辺環境の変化による整合特性の変動を小さくすることができる。
次に、図9及び図10を用いて、無線装置1の放射特性を説明する。なお、無線装置1の各寸法及び動作周波数は、図7に示す周波数特性を測定した場合と同じである。
図9は、放射効率及び指向性を示す表である。図10は、無線装置1の放射特性をシミュレーションによって測定した結果を示す図である。
図10Aは、図8に示すようにファントム600上に無線装置1が存在する場合の放射特性を示す図である。図10Bは、図10Aの点線を通る平面(φ=0度)での放射特性を示す図である。また、図10Cは、図10Aの一点鎖線を通る平面(θ=90度)での放射特性を示す図である。
図9に示すように、無線装置1のアンテナ装置12の放射効率は、−8.03dBとなる。また、図9及び図10から、無線装置1の最大指向性は、地板直上方向(Z軸負方向)からX軸に約30度傾いた方向(θ≒30度)を向き、最大値5.63dBであることがわかる。
また、図9から、θ=90度平面における最大指向性は最大値が1.94dBであり、平均値が−0.53dBであることがわかる。また、図10Cから、θ=90度平面すなわち有限地板100と同一平面内への放射が良好であることがわかる。これは、有限地板100と略垂直な導体線300及び給電線400に電流が集中し、かかる導体線300及び給電線400が主放射源となっているためである。
上述したように、本実施形態にかかる無線装置1は、小型で有り、さらに有限地板100と同一平面内への放射が良好であることから、人体表面(On−body)通信への応用に適している。この点について図11を用いて説明する。
図11に示すように、On−body通信として、無線装置1を指に装着する場合を例に説明する。例えば、無線装置1を指輪(図示せず)に搭載し、かかる指輪を指に装着することで、無線装置1を指に装着する。あるいは、ベルトを用いて無線装置1を指に装着してもよい。
指に装着した無線装置1と、例えば胸に装着した無線装置1(図示せず)同士が通信を行う場合を考える。歩行時など指及び胸に装着した無線装置1同士が対面することは少ない。一方、無線装置1を胸に装着する場合は人間の顔の向きと有限地板100を含む平面とが略垂直になると考えると、有限地板100と略同一平面上を指に装着した無線装置1が通過する場合が増える。このように、On−body通信の場合、一般的な無線通信と比べて略同一平面上にある無線装置1同士が通信を行う場合が増える。
本実施形態にかかる無線装置1は、小型であるため、人体に装着しやすい。また有限地板100と同一平面内への放射が良好であることから人体に装着しても他の無線装置との通信を良好に行うことができる。
以上のように、本実施形態にかかるアンテナ装置12によれば、第1実施形態と同様な効果が得られる。さらに、第1、第2導体板212、222の幅W1、W2を異なる長さとすることで、第1、第2導体板212、222のサイズに起因する位相遅延量を調整することができる。これにより、アンテナ装置12のインピーダンスを調整することができる。
アンテナ装置12のインピーダンスを調整することができると、例えば、アンテナ装置12の近くに回路等を配置することで整合条件が変化した場合であっても、アンテナ装置12の整合を取ることができる。
また、第2実施形態にかかる無線装置1は、アンテナ装置12を搭載することで、インピーダンスの整合が取れる帯域を確保しつつ、無線装置1の小型化を可能とする。
さらに、第1導体板212又は第2導体板222の少なくとも一方と有限地板100との間に、例えば無線部510等の回路を配置することができるため、無線装置1をより小型化・薄型化することができる。
なお、本実施形態では、アンテナ装置12の第1導体板212の幅W1が第2導体板222の幅W2より長い(W1>W2)場合について説明したが、第1導体板212の幅W1が第2導体板222の幅W2と異なる長さであればよい。したがって、第1導体板212の幅W1が第2導体板222の幅W2より短く(W1<W2)てもよい。
(変形例2)
図12に、第2実施形態にかかるアンテナ装置12の変形例2を示す。第2実施形態のアンテナ装置12では、第1、第2導体板212、222の幅W1、W2のみを異なる長さとしたが、本変形例のアンテナ装置13では、第1、第2導体板214、224の長さL1、L2も異なる長さとしている。それ以外の構成要素は、第2実施形態と同じであるため、同一符号を付し説明を省略する。
図12に示すように、第1導体板214は、幅W1、長さL1の長方形の導体板である。また、第2導体板224は、幅W2(W1>W2)、長さL2の長方形の導体板である。
第1導体板214の第2導体板224に近接する辺214bの長さL1は、第2導体板224の第1導体板214に近接する辺224bの長さL2より長い。なお、ここでは、辺214b、224bの長さL1、L2が、L1>L2であるとしたが、L1<L2であってもよい。
このように、第1、第2導体板214、224の幅W1、W2だけでなく、長さL1、L2の長さが異なるように調整することで、アンテナ装置13の整合をより取りやすくすることができる。
なお、本変形例では、第1、第2導体板214、224の幅W1、W2及び長さL1、L2の両方を異なる長さとしたが、幅W1、W2を等しくし、長さL1、L2をそれぞれ異なる長さにしてもよい。
(第3実施形態)
図13に、第3実施形態にかかるアンテナ装置14を示す。本実施形態にかかるアンテナ装置14は、有限地板160の形状を除き、第2実施形態のアンテナ装置12と同じであるため、同一構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
図13の有限地板160は、直線状の辺160aを有する多角形状を有する。具体的には、有限地板160は、矩形の導体板のうち隣接する2つの角部を落とした6角形状を有する。また、有限地板160は、辺160bに幅Wn、長さLnの切り込み151を有する。
ここで、有限地板160を多角形状とする、あるいは辺に切り込みを入れる効果について説明する。アンテナ装置14は、有限地板160と第1、第2導体板212、222との間を電波が伝搬することで、電波の送受信を行う。これは、近似的に2枚の平行平板を電波が伝搬する状態として考えられる。
したがって、有限地板160の形状や寸法を調整することで、相対的に第1、第2導体板212、222の寸法を調整することになる。これにより、有限地板160の形状や寸法を調整することで、第1、第2導体板212、222の位相遅延量を調整することができ、アンテナ装置14のインピーダンスを調整することができる。
以上のように、本実施形態にかかるアンテナ装置14は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、有限地板160の形状を調整することでアンテナ装置14のインピーダンスを調整することができる。
なお、図13では、すべての辺が直線状である多角形の有限地板160を示したが、一端部が導体線300に接続され、多端部が給電線400に接続される直線状の辺160aを有していれば、それ以外の辺は任意の数及び形状としてよい。
また、切り込み151を入れる辺は、辺160bに限られない。直線状の辺160aを除く辺であれば、どの辺であってもよい。また複数の切り込み151を有限地板160に設けてもよい。
また、例えば有限地板160上に種々の部品や回路を実装する場合や製造上の制約によって、有限地板160を矩形以外の形状とする必要があり、有限地板160に電気的非対称性が存在する場合がある。
このような場合であっても、第1、第2導体板212、222の寸法を他の実施形態や他の変形例のように変更することでアンテナ装置14のインピーダンスを調整することができる。
このように、有限地板160、あるいは第1、第2導体板212、222の形状や寸法を調整することで、アンテナ装置14のインピーダンスを調整することができるため、アンテナ装置14の設計の自由度を高めることができる。
なお、本実施形態では、第2実施形態のアンテナ装置12の有限地板100の形状を変更した場合について説明したが、同様に他の実施形態や他の変形例にかかるアンテナ装置の有限地板の形状を変更してもよい。
(第4実施形態)
図14に、第4実施形態にかかるアンテナ装置15を示す。本実施形態にかかるアンテナ装置15は、第1、第2導体板215、225がテーパー部215B、225Bを有する点を除き、第2実施形態のアンテナ装置と同じ構成要素を有する。したがって、第2実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
図14に示すように、第1、第2導体板215、225の少なくとも一方は、第1、第2導体板215、225の互いに近接する辺215b、225bと対向する側がテーパー状に形成されている。
具体的には、第1導体板215は、矩形導体部215Aと、直角三角形状のテーパー部215Bを有する。また、第1導体板215は、有限地板100の辺100aに対応する辺215aと、辺215aに対向する辺215cを有する。
テーパー部215Bは、矩形導体部215Aの辺215bと対向する辺を底辺とし、テーパーを斜辺とする直角三角形状を有する。なお、矩形導体部215Aは、図4に示す第1導体板212と同じであるため説明を省略する。
また、第1導体板215は、矩形導体部215Aの一辺とテーパー部215Bの一辺とをあわせて、辺215cを構成する。したがって、第1導体板215の辺215cの長さW3は、辺215aの長さW1より長くなる(W3>W1)。
次に、第2導体板225は、矩形導体部225Aと、直角三角形状のテーパー部225Bを有する。また、第2導体板225は、有限地板100の辺100aに対応する辺225aと、辺225aに対向する辺225cを有する。
テーパー部225Bは、矩形導体部225Aの辺225bと対向する辺を底辺とし、テーパーを斜辺とする直角三角形状を有する。なお、矩形導体部225Aは、図4に示す第2導体板222と同じであるため説明を省略する。
また、第2導体板225は、矩形導体部225Aの一辺とテーパー部225Bの一辺とをあわせて、辺225cを構成する。したがって、第2導体板225の辺225cの長さW4は、辺225aの長さW2より長くなる(W4>W2)。
なお、辺215cの長さW3及び辺225cの長さW4は、それぞれアンテナ装置15の動作周波数f0(波長λ0)に対して、λ0/16≦W3≦λ0/8、λ0/16≦W4≦λ0/8を満たす。
図15に第4実施形態にかかるアンテナ装置15の別の例を示す。図15に示すように、第1、第2導体板215、225は、矩形導体部215A、225Aの一辺とテーパー部215B、225Bの一辺とをあわせて、辺215a、225aをそれぞれ構成する。
この場合、導体線300の一端は、辺215aの一端部ではなく、辺215a上の接続部315に接続される。同様に、給電線400の一端は、辺225aの一端部ではなく、辺225上の接続部415に接続される。
このように、辺215a、225aの長さW1、W2を、辺215c、225cの長さW3、W4より長く(W1>W3、W2>W4)してもよい。
続いて、図16に第4実施形態にかかるアンテナ装置15の別の例を示す。図16に示すように、第1、第2導体板215、225のテーパー部215B、225Bは、テーパーを2カ所に有する。
このように、テーパー部215B、225Bの形状は、直角三角形に限られず、矩形導体部215A、225Aの一辺を底辺とする三角形状としてもよい。
この場合、第1導体板215の辺215bからテーパー部215Bの頂点までの長さW3が、辺215aの長さW1より長くなる(W1<W3)。また、第2導体板225の辺225bからテーパー部225Bの頂点までの長さW4が、辺225aの長さW2より長くなる(W2<W4)。
なお、テーパー部215B、225Bの高さ(W3−W1、W4−W2)は、それぞれ動作周波数の10分の1波長以下程度であればよい。
以上のように、第4実施形態にかかるアンテナ装置15は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1、第2導体板215、225にテーパー部215B、225Bを設けることで、アンテナ装置15を広帯域化することができる。これは、第1、第2導体板215、225にテーパー部215B、225Bを設けることで、アンテナ装置15の伝搬状態が多様化、すなわち伝搬モードが増加するためである。
なお、矩形導体部215A、225Aとテーパー部215B、225Bは、それぞれ別の導体板を接続して形成してもよく、また一体形成してもよい。
(変形例3)
図17に、第4実施形態にかかるアンテナ装置15の変形例3を示す。図17に示すアンテナ装置18は、第1、第2導体板216、226が、矩形の凸部216B、226Bを有する点を除き、アンテナ装置15と同じである。
図17に示すように、第1、第2導体板216、226の少なくとも一方は、第1、第2導体板216、226の互いに近接する辺215b、225bと対向する側に凸部216B、226Bが形成されている。
第1導体板216の凸部216Bは、矩形状を有する。また、第1導体板216は、矩形導体部215Aの一辺と凸部216Bの一辺とをあわせて、辺216cを構成する。
第2導体板226の凸部226Bは、矩形状を有する。また、第2導体板226は、矩形導体部225Aの一辺と凸部226Bの一辺とをあわせて、辺226cを構成する。
このように、三角形状のテーパー部215B、225Bの代わりに矩形の凸部216B、226Bを用いても、アンテナ装置18を広帯域化することができる。
なお、本変形例では凸部216B、226Bを、辺216c、226c側に設けているが、辺215a、225a側に設けてもよく、中央に設けてもよい。
(変形例4)
図18に、第4実施形態にかかるアンテナ装置15の変形例4を示す。図18に示すアンテナ装置19は、第1、第2導体板217、227が、三角形状のテーパー部217B、227Bを有する点を除き、アンテナ装置15と同じである。
図18に示すように、第1、第2導体板217、227の少なくとも一方は、辺100aに対応する第1、第2導体板215、225の辺215a、225aと対向する側がテーパー状に形成されている。
第1導体板217のテーパー部217Bは、直角三角形状を有する。また、第1導体板217は、矩形導体部215Aの一辺とテーパー部217Bの一辺とをあわせて、辺217dを構成する。
第2導体板227のテーパー部227Bは、直角三角形状を有する。また、第2導体板227は、矩形導体部225Aの一辺とテーパー部227Bの一辺とをあわせて、辺227dを構成する。
この場合、第1、第2導体板217、227の辺217d、227dの長さL1が、辺215b、225bの長さL2より長くなる(L1>L2)。なお、テーパー部217B、227Bの高さ(L1−L2)は、動作周波数の10分の1波長以下程度であればよい。
なお、第1、第2導体板217、227の互いに近接する辺215b、225bの長さL2が、辺215b、225bと対向する辺217d、227dの長さL1より長くなる(L1<L2)ようにしてもよい。
さらに、テーパー部217B、227Bは、三角形状に限られない。図19に示すように、テーパー217c、227cを曲線としてもよい。これは、図14乃至図16に示すアンテナ装置15のテーパー部215B、225Bも同様である。また、図17に示す凸部216B、226Bの辺を曲線としてもよい。
なお、図19は、電池520を有する無線装置2にアンテナ装置19を搭載した例を示している。図19では、電池520の形状に沿って、テーパー217c、227cを曲線としている。このように、第1、第2導体板217、227の形状を無線装置2に搭載した部品の形状に合わせることができる。なお、図19では図示を省略しているが、無線装置2が無線部510等の回路部を有するようにしてもよい。
テーパー部215B、217B、225B、227B又は凸部216B、226Bは、第1導体板215〜217、第2導体板225〜227のいずれか一方のみに設けるようにしてもよい。
また、テーパー部215B、217B、225B、227B又は凸部216B、226Bの形状は上述した例に限られない。第1導体板215〜217は、有限地板100の直線状の辺100aと対応する辺215aを有し、長さL1、幅W1の長方形に内接する形状であれば任意の形状としてよい。
さらに、第2導体板225〜227は、有限地板100の直線状の辺100aと対応する辺225aを有し、長さL2、幅W2の長方形に内接する形状であれば任意の形状としてよい。なお、L1、L2、W1、W2は、いずれも動作周波数の16分の1波長以上、8分の1波長以下とする。
(第5実施形態)
図20に、第5実施形態にかかるアンテナ装置21を示す。本実施形態にかかるアンテナ装置21は、導体線301及び給電線401を除き、第2実施形態のアンテナ装置と同じ構成要素を有する。したがって、第2実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
ここで、図20Aは本実施形態に示すアンテナ装置21をZ軸方向からみた上面図である。また、図20Bはアンテナ装置21をX軸方向からみた側面図である。
図20に示すように、アンテナ装置21は、長さの異なる導体線301と給電線401とを有する。本実施形態では、導体線301は長さH1の線路であり、給電線401は長さH2(H1>H2)の線路である。
導体線301及び給電線401は、有限地板100と略直交するように接続される。したがって、第1、第2導体板212、222の有限地板100からの高さは、導体線301及び給電線401の長さH1、H2とほぼ等しくなる。したがって、第1導体板212の高さH1は、第2導体板222の高さH2より高くなる。
ここで、図1に示すアンテナ装置10では、Y軸方向にギャップG離して第1、第2導体板210、220を配置することで、第1、第2導体板212、222が容量結合するように近接配置している。
一方、本実施形態では、図20に示すように、第1導体板212の高さH1と、第2導体板222の高さH2とを異ならせることで、Z軸方向にギャップG(G=H1―H2)離して近接配置する。
このように、Z軸方向からみて、第1、第2導体板212、222が一部重複するように配置することで、第1、第2導体板212、222間の容量結合性を強めることができる。
以上のように、本実施形態に示すアンテナ装置21は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1導体板212の高さH1と第2導体板222の高さH2とを異ならせることで、第1、第2導体板212、222間の容量結合性を強めることができる。
また、第1、第2導体板212、222間の容量結合性を強めることで、アンテナ装置21をさらに小型化することができる。
なお、アンテナ装置21を多層構造で構成し、第1、第2導体板212、222をそれぞれ異なる層に形成することで、高さの異なる第1、第2導体板212、222を有するアンテナ装置21を製造することができる。
この場合、多層構造の基材となる誘電体の誘電率や厚さを適切に選択することで、第1、第2導体板212、222間の容量結合性を精度よく調整することができる。
また、本実施形態では、第1導体板212の高さH1が、第2導体板222の高さH2より高い場合について示したが、第2導体板222の高さH2が、第1導体板212の高さH1より高くなるようにしてもよい(H2>H1)。
さらに、本実施形態では、アンテナ装置12の第1、第2導体板212、222の高さを異ならせているが、その他のアンテナ装置の第1、第2導体板の高さを異ならせてもよい。
(第6実施形態)
図21に、第6実施形態にかかるアンテナ装置22を示す。本実施形態にかかるアンテナ装置22は、第1、第2導体板219、229を除き、第2実施形態のアンテナ装置と同じ構成要素を有する。したがって、第2実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
図21に示すように、第1、第2導体板219、229は、メッシュ状の板である。具体的には、第1、第2導体板219、229は、マトリクス状に配置された矩形の隙間を複数有する。
このように、第1、第2導体板219、229にメッシュ状の隙間を設けると、第1、第2導体板219、229に流れる電流の経路が制限される。これにより、アンテナ装置22の誘導性が増加し、第1、第2導体板219、229と有限地板100との間の容量性が減少する。誘導性の増加及び容量性の減少によって、アンテナ装置22を広帯域化することができる。
第1、第2導体板219、229の有限地板100からの高さを低くすると、アンテナ装置22は狭帯域化する。しかしながら、本実施形態にかかるアンテナ装置22は、上述したように広帯域化することができるため、第1、第2導体板219、229の有限地板100からの高さを低くしても所望の帯域を確保することができる。
このように、本実施形態にかかるアンテナ装置22は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1、第2導体板219、229をメッシュ状の板とすることで、アンテナ装置22を広帯域化することができる。さらに、アンテナ装置22を低姿勢化することも可能である。
なお、図21に示すように、本実施形態では、第1導体板219に5横列×6縦列のマトリクス状に配置された矩形の隙間を設け、第2導体板229に4横列×6縦列のマトリクス状に配置された矩形の隙間を設けているが、隙間の数や形状はこれに限られない。
第1、第2導体板219、229に、2以上の整数n、mを用いて、n横列×m縦列のマトリクス状に隙間を設けてもよく、1横列×m縦列又はn横列×1縦列のマトリクス状に隙間を設けてもよい。あるいは、隙間の形状を、多角形、円形等種々の形状としてもよい。
本実施形態では、第1、第2導体板219、229の両方をメッシュ状の板としているが、第1、第2導体板219、229のいずれか一方をメッシュ状の板としてもよい。
また、本実施形態では、アンテナ装置12の第1、第2導体板210、220に複数の隙間を形成しメッシュ状の板とした場合について示したが、その他のアンテナ装置の第1、第2導体板をメッシュ状の板としてもよい。
(第7実施形態)
図22に、第7実施形態にかかるアンテナ装置23を示す。本実施形態にかかるアンテナ装置23は、導体線302及び給電線402を除き、第2実施形態のアンテナ装置と同じ構成要素を有する。したがって、第2実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
図22に示すように、導体線302及び給電線402は螺旋状に形成される。このように、導体線302及び給電線402を螺旋状に形成することで、導体線302及び給電線402の誘導性が増加する。導体線302及び給電線402の誘導性を増加させることで、アンテナ装置23を広帯域化、あるいは低姿勢化することができる。
図23は、図22の点線で囲んだ部分の拡大図である。図23に示すアンテナ装置23は、導電線302aと、スルーホール302bを有する導体線302と、誘電体340とを有する。誘電体340は、有限地板100と第1導体板212との間に配置される。誘電体340は、螺旋状の一辺の長さと等しい厚さを有する。
次に、図23を用いて、導体線302及び給電線402を螺旋状に形成する一例を説明する。ここでは、導体線302の形成方法について述べるが、給電線402も同様に形成するようにしてよい。
まず、誘電体340の一面に、図23に直線で示す導電線302aをパターニングする。ここでは、誘電体340の一面に形成された導体箔をエッチングすることによって、導電線302aをパターニングする。また、同様に、誘電体340の一面と対向する他面に図23に点線で示す導電線302aをパターニングする。
続いて、誘電体340の一面に形成された導電線302aと、他面に形成された導電線302aとをスルーホール302bで電気的に接続する。これにより、誘電体340に、四角螺旋状の導体線302を形成することができる。なお、ここでは、エッチングによって導電線302aを形成する方法について述べたが、誘電体340の面に導電性インクで印刷することで形成してもよい。
また、導体線302及び給電線402をメアンダ状に形成してもよい。図24は、メアンダ状の導体線303及び給電線403を有するアンテナ装置24を示す図である。
図24に示すように、導体線303及び給電線403がメアンダ状である場合も、導体線303及び給電線403の誘導性を増加させることができ、アンテナ装置24を広帯域化、あるいは低姿勢化することができる。
図25は、図24の点線で囲んだ部分の拡大図である。図23に示すアンテナ装置23は、導電線303aを有する導体線303と、誘電体340とを有する。また、誘電体340は、有限地板100と第1導体板212との間に配置される。
導電線303aは、誘電体340の一面に形成された導体箔をエッチングすることによって形成される。あるいは、誘電体340の一面に導電性インクで印刷することで形成される。
以上のように、本実施形態にかかるアンテナ装置23、24は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、導体線302、303及び給電線402、403を螺旋状又はメアンダ状とすることで、アンテナ装置23、24を広帯域化、あるいは低姿勢化することができる。
なお、本実施形態では、誘電体340に導電線302a、303aをパターニングする例を説明したが、これ以外の方法で導体線302、303及び給電線402、403を形成してもよい。この場合、アンテナ装置23、24は必ずしも誘電体340を有している必要はない。
また、本実施形態では、導体線302、303及び給電線402、403の両方を螺旋状又はメアンダ状としているが、導体線302、303及び給電線402、403のいずれか一方を螺旋状又はメアンダ状としてもよい。
本実施形態では、アンテナ装置12の導体線300及び給電線400を螺旋状又はメアンダ状とした場合について示したが、その他のアンテナ装置の導体線及び給電線を螺旋状又はメアンダ状としてもよい。
(第8実施形態)
図26及び図27を用いて、アンテナ装置25の製造方法の一例について説明する。本実施形態では、アンテナ装置12と同様に動作するアンテナ装置25の製造方法について述べるが、その他のアンテナ装置についても同様に製造するようにしてもよい。
図26は、本実施形態にかかる製造方法によって製造したアンテナ装置25を示す図である。ここで、図26Aはアンテナ装置25をZ軸方向からみた上面図である。また、図26Bはアンテナ装置25をX軸方向からみた側面図であり、図26Cはアンテナ装置25をY軸方向からみた側面図である。
図26に示すように、アンテナ装置25は、図4に示すアンテナ装置11の構成に加えさらにフレキシブル基板700を有する。また、フレキシブル基板700には、穴750が形成される。また、フレキシブル基板700は、穴750を囲むように、それぞれ第1〜第4基板710〜740を有する。
フレキシブル基板700の第1基板710は、有限地板100に接続される。また、第2基板720には、第1、第2導体板212、222が金属膜として形成される。第3基板730には、導体線300が金属膜として形成され、第4基板740には給電線400が金属膜として形成される。
このように、本実施形態にかかるアンテナ装置25では、第1、第2導体板212、222、導体線300、及び給電線400は、フレキシブル基板700上に形成された金属膜となる。
次に、図27を用いてアンテナ装置25の製造方法を説明する。まず、図27Aに示すようにフレキシブル基板700の第1基板710に有限地板100を接続する。
続いて、第2基板720に、第1、第2導体板212、222を形成する。フレキシブル基板700が単層の場合は、第2基板720の片面に第1、第2導体板212、222を形成する。あるいは、第2基板720の一面に第1導体板212を形成し、一面と対向する他面に第2導体板222を形成するようにしてもよい。
フレキシブル基板700が多層の場合は、第2基板720の内層に第1、第2導体板212、222をそれぞれ形成するようにしてもよい。この場合、第1、第2導体板212、222を同じ層に形成してもよく、異なる層に形成してもよい。図27では、第2基板720の片面に、第1、第2導体板212、222を形成した場合を示している。
次に、第3基板730に導体線300を有限地板100のグランドと接続するように形成する。また、第4基板740に給電線400を有限地板100上に配置される無線部(図示せず)と信号線を介して給電点420で接続するように形成する。
なお、第1、第2導体板212、222、導体線300、及び給電線400を形成する工程、及び有限地板100を接続する工程は、必ずしも上述した順に行う必要は無い。例えば、第1、第2導体板212、222、導体線300、及び給電線400を同一工程で一括形成してもよい。また、第1、第2導体板212、222、導体線300、及び給電線400を形成してから有限地板100をフレキシブル基板700に接続するようにしてもよい。
続いて、図27C及び図27Dに示すように、フレキシブル基板700を一点鎖線D1で略直角に折り曲げる。一点鎖線D1上に、有限地板100の辺100a(図4参照)が存在する。したがって、ここではフレキシブル基板700を有限地板100の辺100aで略直角に折り曲げることとなる。
その後、第1、第2導体板212、222と有限地板100とが対向するようにフレキシブル基板700を一点鎖線D2で略直角に折り曲げることで、図26に示すアンテナ装置25を得る。
フレキシブル基板700を折り曲げた形状で安定に固定するため、例えば、誘電体で構成される支持材(図示せず)とフレキシブル基板700とを接着固定すればよい。この場合、支持材の高さを導体線300及び給電線400の高さHに見合った高さにすればよい。
なお、本実施形態では、フレキシブル基板700に穴750を設けることで、フレキシブル基板700を折り曲げやすくしているが、必ずしも穴750を設ける必要はない。フレキシブル基板700に穴750を設けない場合は、例えば、図27に示す一点鎖線D1、D2に沿ってフレキシブル基板700にあらかじめ折り目を形成しておくことで、折り曲げ加工を容易にすることができる。
以上のように、本実施形態にかかるアンテナ装置25は、第2実施形態と同様の効果が得られるとともに、フレキシブル基板700を折り曲げることでアンテナ装置25を容易に製造することができる。
これにより、アンテナ装置25の各部品を個別に製造してから実装する場合に比べ、実装時の例えばはんだ付けといった工程を削減することができ製造コストを削減することができる。
また、フレキシブル基板700へのパターニングの寸法精度が高いため、第1、第2導体板212、222、導体線300、及び給電線400をフレキシブル基板700上に形成することで、各素子の寸法精度を高めることができる。
これにより、例えば第1、第2導体板212、222の寸法を調整してアンテナ装置25のインピーダンスを調整する場合に、高精度にインピーダンスを調整することができる。また、詳細な構造を有するアンテナ装置25を、設計通りに製造することができる。
なお、上述した各実施形態及び各変形例では、導体線を給電線よりY軸の正方向に配置したが、逆に配置するようにしてもよい。すなわち、導体線と給電線とを入れ替え、第1導体板をアンテナ素子として動作させ、第2導体板を無給電素子として動作させるようにしてもよい。
また、上述した各実施形態及び各変形例に示す各アンテナ装置がさらに誘電体を有することで、アンテナ装置のさらなる小型化・薄型化を実現するようにしてもよい。この場合、誘電体は、例えば第1、第2導体板の少なくとも1つと有限地板との間に配置してもよい。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態にかかるアンテナ装置26を説明する。アンテナ装置26は、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgが、第1、第2導体板212、222と有限地板100との間に生じる容量Crより大きい点を除き、図4のアンテナ装置12と同じであるため、同じ構成要素には同一符号を付し説明を省略する。
図28に、電子部品として電池800を搭載したアンテナ装置26を示す。図28Aはアンテナ装置26をZ軸方向からみた上面図である。また、図28Bはアンテナ装置26をY軸方向からみた側面図である。
アンテナ装置26の有限地板100上には、電子部品が搭載される。図28では、電子部品として電池800を搭載した例を示しているが、電子部品は電池800に限られず、スイッチや表示ディスプレイなどアンテナ装置26に搭載されるものであればよい。
一般に、アンテナ装置に電子部品を搭載した場合、かかる電子部品による影響で、アンテナ装置の性能が劣化してしまう。そこで、本実施形態にかかるアンテナ装置26では、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgを、第1、第2導体板212、222と有限地板100との間に生じる容量Crより大きくすることで、かかる電子部品が搭載された場合であってもアンテナ装置26の性能の劣化を抑制する。
図29を用いて、アンテナ装置26の性能の劣化を抑制できる点について説明する。図29Aは、アンテナ装置26をX軸方向からみた場合の等価回路を示す図である。図29Bは、図28に示す、電池800を搭載したアンテナ装置26の等価回路を示す図である。
図29Aに示すように、アンテナ装置26は、インダクタンスL及びキャパシタンスCを有する回路として表される。アンテナ装置26の動作周波数f0は、インダクタンスL及びキャパシタンスCによって決定される。また、アンテナ装置26のインダクタンスL及びキャパシタンスCのいずれかの値を大きくするとアンテナ装置26の動作周波数f0が低くなり、アンテナ装置26を小型化することができる。
また、図29Bに示すように、アンテナ装置26は、第1導体板212によるインダクタンス成分LR1及び第2導体板222によるインダクタンス成分LR2を有する。また、アンテナ装置26は、導体線300によるインダクタンス成分LL1及び給電線400によるインダクタンス成分LL2を有する。アンテナ装置26のインダクタンスLは、インダクタンス成分LR1、LR2、LL1及びLL2によって決定される。
アンテナ装置26は、第1導体板212と第2導体板222との間のキャパシタンス成分Cgを有する。また、アンテナ装置26は、第1導体板212と有限地板100との間のキャパシタンス成分CR1及び第2導体板222と有限地板100との間のキャパシタンス成分CR2を有する。アンテナ装置26は、第1導体板212と電池800との間のキャパシタンス成分CE1及び第2導体板222と電池800との間のキャパシタンス成分CE2を有する。アンテナ装置26のキャパシタンスCは、キャパシタンス成分Cg、CR1、CR2、CE1及びCE2によって決定される。
ここで、キャパシタンス成分CR1、CR2は、有限地板100に搭載される電子部品等の影響によって値が変化する。またキャパシタンス成分CE1、CE2は、電池800の大きさや配置によって値が変化する。
このように、キャパシタンス成分CR1、CR2、CE1及びCE2の値は、アンテナ装置26以外の電子部品による影響を受けやすい。すなわち、アンテナ装置26は、搭載する電子部品の種類や数、あるいは配置等によって動作周波数f0が変化する可能性がある。
一方、キャパシタンス成分Cgの値は、第1、第2導体板212、222の大きさ及びキャップGによって決定されるため、電池800など他の電子部品の影響を受けにくい。そこで、本実施形態では、キャパシタンス成分Cgをキャパシタンス成分CR1、CR2、CE1及びCE2より大きくすることで、電子部品等の影響によるアンテナ装置26の動作周波数f0の変化を小さくする。
ここで、図28に示すアンテナ装置26では、キャパシタンス成分CR1、CR2が、キャパシタンス成分CE1、CE2より大きくなる。これは、平板状の第1、第2導体板212、222及び有限地板100が対向して配置されているのに対し、電池800と第1、第2導体板212、222の辺212c、222cとが対向して配置されているためである。
そこで、本実施形態では、Cg>CR1(>CE1)及びCg>CR2(>CE2)となるようにアンテナ装置26を構成することで、電子部品等の影響によるアンテナ装置26の動作周波数f0の変化を小さくし、アンテナ装置26の性能の劣化を抑制する。
具体的には、第1、第2導体板212、222と有限地板100との間に生じる容量Cr=CR1+CR2が、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgより小さくなる(Cr<Cg)ようにする。すなわち、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgが、式(1)を満たすようにする。
Figure 0006230704
なお、εは真空の誘電率、εは第1、第2導体板212、222及び有限地板100で囲まれた空間の比誘電率(図29A参照)、Wは、第1導体板212の幅W1と第2導体板222の幅W2の相加平均、hは、第1、第2導体板212、222と有限地板100との平均距離(図29Aではh=H)である。
また、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgは、以下の式(2)によって求められる。
Figure 0006230704
なお、Gは第1導体板212と第2導体板222との間のギャップ(図29A参照)、πは円周率である。
第1導体板212と第2導体板222とは近接配置されているため、G<<Waとなる。G<<Wa、式(1)及び式(2)から、第1導体板212と第2導体板222との間のギャップGが式(3)を満たすように、第1、第2導体板212、222を配置することで、式(1)を満たすアンテナ装置26が得られる。
Figure 0006230704
以上のように、本実施形態にかかるアンテナ装置26によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgを、第1、第2導体板212、222と有限地板100との間に生じる容量Crより大きくすることで、アンテナ装置26に電子部品を搭載した場合であっても、アンテナ装置26の性能の劣化を抑制することができる。
なお、例えば図30に示すように第1、第2導体板212、222の互いに近接する辺212b、222bをメアンダ形状とすることで第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgを大きくしてもよい。
(変形例5)
図31に、第9実施形態にかかるアンテナ装置26の変形例5を示す。図31Aは本変形例にかかるアンテナ装置27をZ軸方向からみた上面図である。また、図31Bは、アンテナ装置27に電池800を搭載した場合の上面図であり、図31Cは、アンテナ装置27に電池800を搭載した場合の側面図である。
本変形例にかかるアンテナ装置27は、アンテナ装置26と同様に第1導体板230と第2導体板240との間に生じる容量Cgが、第1、第2導体板230、240と有限地板100との間に生じる容量Crより大きくなるように構成される。
これにより、アンテナ装置27に電子部品を搭載した場合であっても、アンテナ装置27の性能の劣化を抑制することができる。したがって、アンテナ装置27の第1、第2導体板230、240を電子部品の近くに搭載することができる。
そのため、本変形例では、第1、第2導体板230、240を電子部品の外形に沿った形状とする。図31には、電子部品として例えばボタン型電池のような薄い円形の電池800を搭載する場合の例を示している。
図31Aに、電池800を搭載する前のアンテナ装置27を示す。図31Aの第1導体板230は、有限地板100の辺100aに対応する辺230aと、辺230aに対向する辺230cを有する。第2導体板240は、有限地板100の辺100aに対応する辺240aと、辺240aに対向する辺240cを有する。
図31Bに示すように、アンテナ装置27は、第1、第2導体板230、240の辺230c、240cを電池800の外形に沿った曲線形状とする。かかる点を除き、図28に示すアンテナ装置26と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付し説明を省略する。
このように、第1、第2導体板230、240の辺230c、240cを電池800の外形に沿った曲線形状とすることで、アンテナ装置27に電池800を搭載する場合であっても電池800を搭載した後の限られた実装スペースに第1、第2導体板230、240を実装することができる。
また、図31Cに示すように、本変形例では、アンテナ装置27の第1、第2導体板230、240の有限地板100からの高さHを、電池800の高さHcより高くしている。すなわち、導体線300及び給電線400の長さHが電池800の高さHcより長くなる。これにより、高さHを電池800の高さHcと同じとする場合に比べ、第1、第2導体板230、240と、電池800との間の距離を長くすることができるため、電池800による影響をさらに低減することができる。
なお、第9実施形態及び変形例5では、アンテナ装置12の第1導体板212と第2導体板222との間に生じる容量Cgを、第1、第2導体板212、222と有限地板100との間に生じる容量Crより大きくする場合について説明したが、その他のアンテナ装置についても同様に容量Cgを容量Crより大きくしてもよい。また、第9実施形態及び変形例5にかかるアンテナ装置26、27を第8実施形態にかかるアンテナ装置25の製造方法で製造してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (16)

  1. 直線状の辺を有する有限地板と、
    前記有限地板と対向し、前記有限地板の前記辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下である第1導体板と、
    一端が前記第1導体板の前記辺に接続され、他端が前記有限地板の前記辺の一端部に短絡される導体線と、
    前記有限地板と対向し、前記有限地板の前記辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下であり、前記第1導体板と容量結合するように近接配置される第2導体板と、
    一端が前記第2導体板の前記辺に接続され、他端が前記有限地板の前記辺の他端部に接続される給電線と、
    を備えるアンテナ装置。
  2. 前記第1導体板の前記辺の長さは、略16分の1波長以上であり、
    前記第2導体板の前記辺の長さは、略16分の1波長以上である請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1導体板の前記辺の長さが、前記第2導体板の前記辺の長さと異なる請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1導体板の前記第2導体板に近接する辺の長さが、前記第2導体板の前記第1導体板に近接する辺の長さと異なる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1導体板又は前記第2導体板の少なくとも一方は、
    前記第1導体板及び前記第2導体板の前記辺と対向する側がテーパー状に形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1導体板又は前記第2導体板の少なくとも一方は、
    前記第1導体板及び前記第2導体板の互いに近接する辺と対向する側がテーパー状に形成されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1導体板の前記有限地板からの高さは、前記第2導体板の前記有限地板からの高さと異なる請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1導体板又は前記第2導体板の少なくとも一方は、メッシュ状の板である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記導体線又は前記給電線の少なくとも一方は、螺旋状又はメアンダ状である請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10. 前記第1導体板、前記導体線、前記第2導体板、及び前記給電線がフレキシブル基板上に形成された金属膜である請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1導体板と前記第2導体板との間に生じる容量は、前記第1、第2導体板と前記有限地板との間に生じる容量より大きい請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  12. 真空の誘電率をε、前記第1、第2導体板と前記有限地板とに囲まれた空間の比誘電率をε、前記第1導体板の前記辺の長さW1と前記第2導体板の前記辺の長さW2との相加平均をW、前記第1、第2導体板と前記有限地板との間の距離をhとした場合に、前記第1導体板と前記第2導体板との間に生じる容量Cは、
    Figure 0006230704
    を満たす請求項1乃至11のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  13. 前記第1導体板と前記第2導体板との間の距離Gは、
    Figure 0006230704
    を満たす請求項12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記第1、第2導体板は、電子部品の外形に沿った形状を有する請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  15. 直線状の辺を有する有限地板を形成する工程と、
    前記有限地板に接続されたフレキシブル基板に、一端が前記有限地板の前記辺の一端部に短絡する導体線を形成する工程と、
    前記フレキシブル基板に、一端が前記有限地板の前記辺の他端部に接続する給電線を形成する工程と、
    前記フレキシブル基板に前記導体線の他端と接続し、前記有限地板の辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下である第1導体板を形成する工程と、
    前記フレキシブル基板に、前記給電線の他端と接続し、前記有限地板の前記辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下であり、前記第1導体板と容量結合するように近接して配置される第2導体板を形成する工程と、
    前記フレキシブル基板を前記有限地板の前記辺で折り曲げる工程と、
    前記第1導体板及び前記第2導体板と前記有限地板とが対向するように、前記フレキシブル基板を折り曲げる工程と、
    を含むアンテナ装置の製造方法。
  16. 直線状の辺を有する有限地板と、
    前記有限地板と対向し、前記有限地板の前記辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下である第1導体板と、
    一端が前記第1導体板の前記辺に接続され、他端が前記有限地板の前記辺の一端部に短絡される導体線と、
    前記有限地板と対向し、前記有限地板の前記辺に対応する辺の長さが略8分の1波長以下であり、前記第1導体板と容量結合するように近接配置される第2導体板と、
    一端が前記第2導体板の前記辺に接続され、他端が前記有限地板の前記辺の他端部に接続される給電線と、
    を有するアンテナと、
    前記有限地板上であって、前記第1導体板又は前記第2導体板の少なくとも一方と前記有限地板との間に配置される無線部と、
    を備える無線装置。
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