JP6229775B2 - 非水系二次電池用炭素材 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系二次電池に用いる非水系二次電池用炭素材と、その炭素材を用いて形成された負極と、その負極を有する非水系二次電池に関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池に対する需要が高まってきている。特に、ニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高く、大電流充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池が注目されてきている。従来、リチウムイオン二次電池の高容量化は広く検討されているが、近年リチウムイオン二次電池に対する高性能化要求の高まりから、更なる高容量化・大電流充放電特性・高温保存特性・高サイクル特性を満たすことが求められている。
リチウムイオン二次電池の炭素材としては、コストと耐久性の面で、黒鉛材料や非晶質炭素が使用されることが多い。しかしながら、非晶質炭素材は、ラマン値が大きいため、実用化可能な材料範囲での可逆容量が小さく、活物質層の高密度化が困難なことから高容量化に至らないといった問題点があった。一方、黒鉛材料はリチウム吸蔵の理論容量である372mAh/gに近い容量が得られ、活物質として好ましいが、高容量化のために負極材料を含む活物質層を高密度化すると、材料の破壊・変形により、初期サイクル時の充放電不可逆容量の増加、大電流充放電特性の低下、サイクル特性の低下といった問題点があった。
上記問題点を解決するため、例えば、特許文献1には鱗片状黒鉛質炭素粒子に力学的エネルギー処理を与えて得られる球形化処理黒鉛を用いること、及び得られた球形化処理黒鉛と有機化合物とを混合した後に、その有機化合物を炭化した複層構造炭素材を用いることで、炭素材の充填性、容量、大電流充放電特性に優れた非水溶媒二次電池が得られることが開示されている。
特許文献2には、黒鉛性炭素質物の表面に有機物の炭化物を付着してなる複層構造炭素材であって、有機物の炭化物量を該黒鉛性炭素質物100重量部に対する残炭量として12重量部以下0.1重量部以上となるように調整することにより、放電容量が高く、且つ初期サイクル時の充放電不可逆容量が低く抑えられ、更に電解液に対する安全性も高い非水溶媒二次電池が得られることが開示されている。
また、特許文献3には扁平状の粒子を複数配向面が非平行となるように集合又は結合させた黒鉛粒子の表面に窒素含有樹脂化合物に由来する炭化物が付着してなる複層構造炭素材であって、該複層構造炭素材表面に一定量の窒素原子を存在させることにより、初期サイクル時の充放電不可逆容量が低く、大電流充放電特性に優れた非水溶媒二次電池が得られることが開示されている。
一方、特許文献4には、鱗片状黒鉛質炭素粒子に力学的エネルギー処理を与えて得られる球形化処理黒鉛を、少なくとも硫酸、及び塩酸と接触処理を行い、硫黄、又は塩素から選ばれる元素を含む官能基を炭素質粒子表面に付与することにより、初期サイクル時の充放電不可逆容量が低く、高温保存特性に優れた非水溶媒二次電池が得られることが開示されている。
日本国特許第3534391号公報 日本国特許第3712288号公報 日本国特開2009−117334号公報 日本国特開2010−219036号公報
しかしながら本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の技術では、鱗片黒鉛を折りたたんでいる構造上、内部空隙量が大きく柔らかいため、負極活物質層を高密度化した場合に黒鉛粒子が変形しやすく、単に鱗片黒鉛を球状化しただけの黒鉛粒子では、大電流充放電特性やサイクル特性が著しく低下してしまうという問題があった。
特許文献2に記載の技術では、黒鉛性炭素質物に付着させる有機物の非晶質炭素化物量を調整することにより比表面積の減少が抑えられ、一定の大電流充放電特性向上は確認されたものの、有機物の非晶質炭素化物に特段の規定がないため、効果的に負極抵抗を減少させることが出来ず、昨今求められている大電流充放電特性を十分に満足できるとは言い難い。
特許文献3に記載の技術では、黒鉛性炭素質物に付着させる有機物の非晶質炭素化物として、窒素元素量の規定のみにとどまっており、初期サイクル時の充放電不可逆容量抑制への対応、大電流充放電特性に対する対応は不十分であった。
また特許文献4に記載の技術では、負極活物質層を高密度化した場合に黒鉛粒子が変形しやすい、鱗片黒鉛を球状化した内部空隙量が大きく柔らかい黒鉛粒子を使用している点、及び、炭素質粒子表面に付与させた官能基量として、硫黄元素量、又は塩素元素量の規定のみにとどまっている点などから、初期サイクル時の充放電不可逆容量抑制への対応、大電流充放電特性に対する対応は不十分であった。
そこで、本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、負極活物質層を高密度化した場合にも、初期サイクル時にみられる充放電不可逆容量が十分に小さく、高入出力特性、高サイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を作製するための負極材を提供し、その結果として、高容量、高入出力特性、高サイクル特性を有する非水系二次電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、黒鉛粒子が非晶質炭素で被覆された複層構造炭素材であり、特定の窒素元素量及び酸素元素量が含有された炭素材を負極材に用いることにより、初期サイクル時にみられる充放電不可逆容量が十分に小さく、大電流充放電特性、高サイクル特性を満たす非水系二次電池が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の趣旨は、下記に存する。
<1>
黒鉛粒子が非晶質炭素で被覆された複層構造炭素材であり、下記式5で表されるN/Oが30%以上80%以下である非水系二次電池用炭素材。
式5:
N/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕×100
<2>
下記式1で表されるラマンR値が0.01以上1以下である<1>に記載の非水系二次電池用炭素材。
式1:
ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm −1 付近のピークP の強度I /1580cm −1 付近のピークP の強度I
<3>
下記式2で表されるN/Cが0.05%以上2%以下である<1>または<2>に記載の非水系二次電池用炭素材。
式2:
N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
<4>
下記式3で表されるS/Cが0.05%以上2%以下である<1>〜<3>のいずれか1に記載の非水系二次電池用炭素材。
式3:
S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
<5>
下記式4で表されるO/Cが0.1%以上10%以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の非水系二次電池用炭素材。
式4:
O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100

黒鉛粒子が天然黒鉛を含む<1>〜<5>のいずれか1に記載の非水系二次電池用炭素材。

黒鉛粒子の下記式1で表されるラマンR値が0.05以上1以下である<1>〜<6>のいずれか1に記載の非水系二次電池用炭素材。
式1:
ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm−1付近のピークPの強度I/1580cm−1付近のピークPの強度I

黒鉛粒子のタップ密度が0.7g/cm以上1.20g/cm以下である<1>〜<7>のいずれか1に記載の非水系二次電池用炭素材。
本発明の非水系二次電池用炭素材は、それを非水系二次電池用負極材として用いることにより、高容量、高入出力特性、高サイクル特性を有する非水系二次電池を提供することができる。
以下、本発明の内容を詳細に述べる。なお、以下に記載する発明構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨をこえない限り、これらの形態に特定されるものではない。
また、本明細書において“質量%”と“重量%”、及び“質量部”と“重量部”とは、それぞれ同義である。
<非水系二次電池用炭素材>
本発明の非水系二次電池用炭素材は、以下のような特性を持つ。
(1)ラマンR値
非水系二次電池用炭素材のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。つまり、ラマン値は下記式1で表される。
式1:
ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm−1付近のピークPの強度I/1580cm−1付近のピークPの強度I
ラマンR値は0.01以上、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上である。また1以下、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
ラマンR値が大きすぎると、粒子表面の結晶が乱れ、電解液との反応性が増し、効率の低下を招く傾向があり、ラマンR値が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。
なお、本発明においては、上記ラマンR値の範囲内であるものの中で、黒鉛粒子に非晶質炭素物を被覆したものが、粒子界面におけるLiイオン挿入脱離が容易、且つ粒子に適度の硬さを与えて高密度電極においても粒子が過度に変形することを防ぐことにより、初期サイクル時の充放電不可逆容量が低く、大電流充放電特性に優れた非水溶媒二次電池が得られる点で好ましい。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(2)表面官能基量(N/C)
非水系二次電池用炭素材の表面官能基量(N/C)は下記式2にて定義する。
式2:
N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
なお、N/Cは、0.05%以上、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.4%以上である。また2%以下、好ましくは1.7%以下、より好ましく、1.5%以下である。この表面官能基量N/Cが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、N/Cが大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下する傾向がある。
本発明における表面官能基量N/CはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とN1s(390〜410eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとN1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとNの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたNとCの表面原子濃度を用いて、式2にてN/Cを算出する。
(3)表面官能基量(S/C)
非水系二次電池用炭素材の表面官能基量(S/C)は下記式3にて定義する。
式3:
S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
なお、S/Cは、0.05%以上、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.4%以上である。また2%以下、好ましくは1.7%以下、より好ましく、1.5%以下である。この表面官能基量S/Cが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
本発明における表面官能基量S/CはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とS2p(160〜175eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとS2pのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとSの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのSとCの表面原子濃度を用いて、式3にてS/Cを算出する。
(4)表面官能基量(O/C)
非水系二次電池用炭素材の表面官能基量(O/C)は、下記式4にて定義する。
式4:
O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
なお、O/Cは、通常0.1%以上、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上である。また通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましく、3%以下である。この表面官能基量O/Cが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、O/Cが大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
本発明における表面官能基量O/CはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの表面原子濃度を用いて、式4にてO/Cを算出する。
(5)S/CとN/Cの和
S/CとN/Cの和は、通常0.3%以上、好ましくは0.32%以上、より好ましくは0.33%以上であり、通常4%以下、好ましくは3.8%以下、より好ましくは3.7%以下である。S/CとN/Cの和が小さすぎると負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、S/CとN/Cの和が大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
(6)表面官能基量(N/O)
非水系二次電池用炭素材の表面官能基量(N/O)は、下記式5にて定義する。
式5:
N/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕 × 100
なお、N/Oは、通常30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、通常80%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。N/Oが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、N/Oが大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
本発明における表面官能基量N/OはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、N1s(390〜410eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1s(280〜300eV)のピークトップを284.3eVとして帯電補正し、N1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、NとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのNとOの表面原子濃度を用いて、式5にてN/Oを算出する。
(7)表面官能基量(S/O)
非水系二次電池用炭素材の表面官能基量(S/O)は、下記式6にて定義する。
式6:
S/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕 × 100
なお、S/Oは、通常5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、通常50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。S/Oが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する傾向があり、S/Oが大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
本発明における表面官能基量S/OはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、S2p(160〜175eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1s(280〜300eV)のピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、SとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのSとOの表面原子濃度を用いて、式6にてS/Oを算出する。
(8)002面の面間隔(d002)、結晶子サイズ(Lc(004))
非水系二次電池用炭素材のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は、通常0.337nm以下、通常結晶子サイズ(Lc(004))が90nm以上である。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)、結晶子サイズ(Lc(004))が前記範囲内であることは、非水系二次電池用炭素材の粒子の表面を除く大部分の結晶性が高いということであり、非晶質炭素材に見られるような不可逆容量が大きいことによる低容量化を生じない高容量電極となる炭素材であることを示す。
(9)タップ密度
非水系二次電池用炭素材のタップ密度は、通常0.7g/cm以上であり、1.3g/cm以下が好ましい。
タップ密度が小さすぎると、特に高密度に圧延された電極内で充分な連続空隙が確保されず、空隙に保持された電解液内のLiイオンの移動性が落ちることで、大電流充放電特性が低下する傾向がある。タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる傾向がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、測定対象を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(10)BET法による比表面積
非水系二次電池用炭素材のBET法による比表面積は通常0.5m/g以上、好ましくは1.0m/g以上である。また通常8m/g以下、より好ましくは7m/g以下である。比表面積が大きすぎると電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く虞があり、比表面積が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。
なおBET比表面積の測定方法は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。
(11)細孔容量
非水系二次電池用炭素材の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、通常5ml/g以下、好ましくは、3ml/g以下、より好ましくは2ml/g以下であり、通常、0.01ml/g以上、好ましくは、0.05ml/g以上、より好ましくは0.1ml/g以上であり、250〜2500nmの範囲の細孔容積は、通常、0.001ml/g以上、好ましくは0.002ml/g以上、より好ましくは0.005ml/g以上であり、通常1ml/g以下、好ましくは0.9ml/g以下、より好ましくは、0.7ml/g以下である。細孔量が大きすぎると、細孔に起因した比表面積が増加し、電解液との反応が過剰に発生して、不可逆容量が増加する傾向があり、少なすぎると、大電流充放電特性が低下する傾向がある。
(12)平均粒径(d50)
非水系二次電池用炭素材の平均粒径(d50)は通常40μm以下、好ましくは、30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、通常、3μm以上、好ましくは、4μm以上、より好ましくは5μm以上である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えて極板化した際に、筋引きなどの工程上の不都合が出ることが多く、また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
なお粒径の測定方法は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、炭素材0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、本発明におけるd50と定義する。
(13)黒鉛結晶配向比(I(110)/I(004))
広角X線回折測定により得られる、非水系二次電池用炭素材の格子面(110)と(004)に対応するピークの強度比R(=I(110)/I(004))が通常0.5以下、好ましくは、0.4以下、より好ましくは0.3以下であり、通常、0.05以上、好ましくは、0.1以上、より好ましくは0.15以上である。粉体配向比が上記範囲を下回ると、電池充電時の電極の膨張が大きくなり、サイクル試験中の膨張収縮に起因する活物質の脱落等によりサイクル特性が低下しやすくなる傾向がある。一方、粉体配向比が上記範囲を上回ると、プレスにより電極の活物質充填密度を上げ難くなる場合がある。
(14)平均円形度
非水系二次電池用炭素材の粒径10μm〜40μmの範囲の粒子について測定した下記式で与えられる円形度(=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の周長)が通常0.85以上、好ましくは、0.9以上、より好ましくは0.93以上である。平均円形度がこの範囲を下回ると、大電流充放電特性の低下が生じる傾向がある。
<非水系二次電池用炭素材の製造方法>
非水系二次電池用炭素材の製造方法は、ラマンR値が0.01以上1以下、N/Cが0.05%以上2%以下、及びS/Cが0.05%以上2%以下であることを満たす非水系二次電池用炭素材が製造されれば特に制限はない。
なお、好ましい態様として、黒鉛粒子に特定条件の有機化合物を混合させ、特定の温度条件で焼成させることで黒鉛粒子に非晶質炭素物を被覆させる製造方法を下記に記載するが、非水系二次電池用炭素材はこれに限定されるものではない。
<黒鉛粒子>
黒鉛粒子は非水系二次電池用炭素材を製造するに際し、核となる原料である。
・黒鉛粒子の物性
本発明における黒鉛粒子は以下の物性を示すものが好ましい。なお、本発明における測定方法は特に制限はないが、特段の事情がない限り実施例に記載の測定方法に準じる。
(1)黒鉛粒子の表面官能基量(O/C)
黒鉛粒子の表面官能基量(O/C)は下記式7にて定義する。
式7:
O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕 × 100
なお、O/Cは、通常1%以上4以%下であり、2%以上3.6%以下では好ましく、2.6%以上3%以下であるとより好ましい。O/Cが小さすぎると、水溶性高分子(B)との親和性が低下し、負極表面と被覆材の相互作用が弱くなり、被覆材がはがれやすくなる傾向があり、大きすぎるとO/Cの調整が困難となり、製造処理を強く長時間行う必要が生じたり、工程数を増加させる必要が生じたりする傾向があり、生産性の低下、コストの上昇を招く虞がある。
本発明における表面官能基量O/CはX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの表面原子濃度を用いて、式7にてO/Cを算出する。
(2)黒鉛粒子の粒径(d50)
黒鉛粒子の粒径については特に制限が無いが、使用される範囲として、d50が通常50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは25μm以下である。また通常1μm以上、好ましくは4μm以上、更に好ましくは10μm以上である。この粒径範囲を超えると極板化した際に、筋引きなどの工程上の不都合が出ることが多く、また、これ以下であると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる。
(3)黒鉛粒子のBET比表面積(SA)
黒鉛粒子のBET法で測定した比表面積については、通常4m/g以上、好ましくは5m/g以上である。また通常11m/g以下、好ましくは9m/g以下、より好ましくは8m/g以下である。比表面積がこの範囲を下回ると、Liが出入りする部位が少なく、高速充放電特性出力特性に劣り、一方、比表面積がこの範囲を上回ると、活物質の電解液に対する活性が過剰になり、初期不可逆容量が大きくなるため、高容量電池を製造できない可能性がある。
(4)黒鉛粒子のX線構造解析(XRD)
黒鉛粒子のX線構造解析(XRD)から得られる、Rhombohedral(菱面体晶)に対するHexagonal(六方体晶)の結晶の存在比(3R/2H)は0.2以上であることが好ましい。3R/2Hがこの範囲を下回ると、高速充放電特性の低下を招く虞がある。
なお、X線構造解析(XRD)の測定方法は、0.2mmの試料板に炭素材を配向しないように充填し、X線回折装置で、CuKα線にて出力30kV、200mAで測定する。得られた43.4°付近の3R(101)、及び44.5°付近の2H(101)の両ピークからバックグラウンドを差し引いた後、強度比3R(101)/2H(101)を算出できる。
(5)黒鉛粒子のタップ密度
黒鉛粒子のタップ密度は、通常0.7g/cm以上、1g/cm以上が好ましい。また、通常1.20g/cm以下、1.1g/cm以下が好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、測定対象を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(6)黒鉛粒子のラマン(Raman)スペクトル
黒鉛粒子のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。その値は、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上である。また1以下、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。また、通常1以下、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く虞がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶が乱れ、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下やガス発生の増加を招く虞がある。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
・黒鉛粒子の製造方法
黒鉛粒子は、その原料として、黒鉛化されている炭素粒子であれば特に限定はないが、天然黒鉛、人造黒鉛、並びにコークス粉、ニードルコークス粉、樹脂の黒鉛化物の粉体等が挙げられる。この中でも商業的にも容易に入手可能であるという点、他の負極活物質を用いた場合よりも、高電流密度での充放電特性の改善効果が著しく大きい点で黒鉛が好ましい。これらのうち、天然黒鉛が好ましく、中でも球形化処理を施した球状黒鉛が特に好ましい。
球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された炭素材に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。また、炭素材を循環させることによって機械的作用を繰り返して与える機構を有するものであるのが好ましい。好ましい装置として、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロン(アーステクニカ社製)、CFミル(宇部興産社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)等が挙げられる。これらの中で、奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
黒鉛粒子は、上記の表面処理による球形化工程を施すことにより、鱗片状の天然黒鉛が折りたたまれる、もしくは周囲エッジ部分が球形粉砕されることにより球状とされた母体粒子に、粉砕により生じた主に5μm以下の微粉が付着してなり、表面処理後の黒鉛粒子の表面官能基量O/C値(%)が通常1%以上4%以下となる条件で、球形化処理を行うことにより製造される。この際には、機械処理のエネルギーにより黒鉛表面の酸化反応を進行させ、黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば前述の装置を用いて処理する場合は、回転するローターの周速度を30〜100m/秒にするのが好ましく、40〜100m/秒にするのがより好ましく、50〜100m/秒にするのが更に好ましい。また、処理は、単に炭素質物を通過させるだけでも可能であるが、30秒以上装置内を循環又は滞留させて処理するのが好ましく、1分以上装置内を循環又は滞留させて処理するのがより好ましい。
<有機化合物>
有機化合物は、下記に示す条件を満たすことが好ましい。本発明における有機化合物とは、上記黒鉛粒子に非晶質炭素物又は黒鉛質物を被覆する際に用いる原料をいう。
・有機化合物の種類
有機化合物の種類としては、焼成によって黒鉛化又は非晶質化が可能な炭素質であれば特に限定はなく、タール、軟ピッチから硬ピッチまでの石油系及び石炭系の縮合多環芳香族類が好ましく用いられる。具体的には、含浸ピッチ、コールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直留系重質油、エチレンヘビーエンドタール等の分解系重質油等の石油系重質油等が挙げられる。
・有機化合物の物性
本発明において、有機化合物は以下の物性を満たすことが好ましい。
(1)有機化合物の表面官能基量(N/C、S/C、O/C)
有機化合物の表面官能基量(N/C、S/C、O/C)は、該有機化合物を1000℃焼成炭化した後、CNT製高速振動型サンプルミル(TI−100型)にて、大気中にて30秒間粉砕処理して得られた炭素粉末を分析したとき、下記に示す条件を満たすことが好ましい。
(1−1)表面官能基量(N/C)
有機化合物の下記式8で表される表面官能基量(N/C)は、通常0.05%以上、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.27%以上、更に好ましくは0.40%以上であり、通常6%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。N/Cが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する虞があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く虞がある。
なお、N/Cは、下記式8にて定義する。
式8:
N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
有機化合物の表面官能基量(N/C)はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とN1s(390〜410eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとN1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとNの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのNとCの表面原子濃度を用いて、式8にてN/C値を算出する。
(1−2)表面官能基量(S/C)
有機化合物の下記式9で表される表面官能基量(S/C)は、通常0.01%以上、好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.07%以上であり、通常6%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。S/Cが小さすぎると負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する虞があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
なお、S/Cは、下記式9にて定義する。
式9:
S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
有機化合物の表面官能基量(S/C)はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とS2p(160〜175eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとS2pのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとSの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのSとCの表面原子濃度を用いて、式9にてS/Cを算出する。
(1−3)表面官能基量(O/C)
有機化合物の表面官能基量(O/C)は、通常0.1%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは4.1%以上である。また通常10%以下、好ましくは8%以下、より好ましく5%以下である。この表面官能基量O/Cが小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する虞があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く虞がある。
なお、O/Cは、下記式10にて定義する。
式10:
O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
本発明における表面官能基量(O/C)はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの表面原子濃度を用いて、式10にてO/Cを算出する。
(1−4)S/CとN/Cの和
有機化合物中のS/CとN/Cの和は、通常0.3%以上、好ましくは0.4%以上、より好ましくは0.5%以上であり、通常10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。S/CとN/Cの和が小さすぎると負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する虞があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く傾向がある。
(2)X線パラメータ(d002値)
有機化合物を黒鉛化処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が好ましくは0.3357nm以上、より好ましくは0.3358nm以上、さらに好ましくは0.3359nm以上、好ましくは0.340nm以下、より好ましくは0.338nm以下、さらに好ましくは0.337nm以下である。d002値が大きすぎるということは結晶性が低いことを示し、非水系二次電池用炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する場合があり、d002が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
該有機化合物を1000℃焼成炭化した後、CNT製高速振動型サンプルミル(TI−100型)にて、大気中にて30秒間粉砕処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が好ましくは0.34nm以上、より好ましくは0.342nm以上、さらに好ましくは0.345nm以上、特に好ましくは0.346nm以上、好ましくは0.360nm以下、より好ましくは0.355nm以下、さらに好ましくは0.350nm以下である。d002値が大きすぎるということは結晶性が低いことを示し、非水系二次電池用炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する場合があり、d002が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
(3)結晶子サイズ(Lc(004))
有機化合物を黒鉛化処理して得られた炭素粉末の学振法によるX線回折で求めた有機化合物の結晶子サイズ(Lc(004))が、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは50nm以上、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。
この範囲を上回ると、非水系二次電池用炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する場合があり、この範囲を下回ると、充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
該有機化合物を1000℃焼成炭化した後、CNT製高速振動型サンプルミル(TI−100型)にて、大気中にて30秒間粉砕処理して得られた炭素粉末の学振法によるX線回折で求めた炭素材の結晶子サイズ(Lc(004))が、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは1nm以上、さらに好ましくは3nm以上、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。
この範囲を上回ると、非水系二次電池用炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する場合があり、この範囲を下回ると、充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
(4)軟化点
有機化合物の軟化点が通常400℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下である。この範囲を下回ると、黒鉛粒子と混合・捏合する際に、均一に混合することが困難になり、且つ高温でとり行う必要が生じるため生産性に欠ける場合がある。下限は特に制限されないが、通常40℃以上である。
(5)キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)
有機化合物はキノリン不溶分が、通常0.6質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。また通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
有機化合物はトルエン不溶分が通常16質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また通常60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)がこの範囲を上回ると、非水系二次電池用炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下してしまう可能性があり、この範囲を下回ると、充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
<非水系二次電池用炭素材の製造方法>
非水系二次電池用炭素材の製造方法は、下記条件(1)〜(3)を満たす非水系二次電池用炭素材が製造されれば特に制限は無い。
(1)下記式1で表されるラマンR値が0.01以上1以下である
式1:
ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm−1付近のピークPの強度I/1580cm−1付近のピークPの強度I
(2)下記式2で表されるN/Cが0.05%以上2%以下である。
式2:
N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
(3)下記式3で表されるS/Cが0.05%以上2%以下である
式3:
S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
好ましい態様としては、上述した条件を満たす黒鉛粒子及び有機化合物を原料として用いる製造する方法が挙げられる。
より具体的には、本発明の非水系二次電池用炭素材は、上述した条件を満たす黒鉛粒子及び有機化合物を混合し、混合物中の有機化合物の炭素化処理を行うことにより製造する。炭素化処理とは、非晶質化処理又は黒鉛化処理を意味する。このように非晶質炭素又は黒鉛質で黒鉛粒子が被覆された炭素材を本明細書では複層構造炭素材という場合がある。
例えば、黒鉛粒子と有機化合物を混合する際に、(i)非晶質炭素被覆部分又は黒鉛質被覆部分を得るための有機化合物をそのまま用いて、有機化合物と黒鉛粒子との混合物を加熱処理して非水系二次電池用炭素材を得る方法、(ii)前述の有機化合物を一部炭素化した非晶質炭素粉体を予め作製しておき、黒鉛粒子と混合し、加熱処理して複合化する方法、(iii)前述の非晶質炭素粉体を予め作製しておき、黒鉛粒子と非晶質炭素粉体と有機化合物とを混合し、加熱処理して複合化する方法等が採用可能である。なお、後二者の予め非晶質炭素粉体を用意しておく方法では、平均粒子径が黒鉛粒子の平均粒径の10分の1以下の非晶質炭素を用いることが好ましい。また、予め作製した非晶質炭素と黒鉛粒子を粉砕等の力学的エネルギーを加えることで、一方に他方が巻き込まれた構造や、静電的に付着した構造にする方法も採用が可能である。
黒鉛粒子と有機化合物を混合したものを得るか、あるいは、黒鉛粒子と非晶質炭素の混合物と有機化合物を混合したものを加熱して中間物質を得て、その後、炭化焼成、粉砕することにより、最終的に黒鉛粒子に非晶質炭素を複合化させた非水系二次電池用炭素材を得ることが好ましい。
本発明の非水系二次電池用炭素材を得るためのより詳細な製造工程は、以下の3工程に分けられる。
第1工程:黒鉛粒子及び有機化合物、更に、必要に応じて溶媒とを、種々の市販の混合機や混練機等を用いて混合し、混合物を得る。有機化合物は、炭化・黒鉛化により得られる加熱処理を経た非水系二次電池用炭素材に占めている有機化合物由来残炭素成分の比率が通常0.3質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上となるように仕込み量を調整して混合する。その上限としては、この比率が通常60質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下となる量である。有機化合物の混合量が多すぎると、充放電容量が低下し、集電体に塗布された活物質層を高密度に圧延する際に必要なプレス荷重が高くなり、結果として非水系二次電池の高容量化が困難となる場合がある。一方、有機化合物の混合量が少なすぎると、集電体に塗布された活物質層を高密度に圧延した際に粒子が破壊・変形し、良好な大電流充放電特性が得られない場合がある。
非水系二次電池用炭素材中の有機化合物由来炭素成分の量は、捏合以前の段階で添加する有機化合物の量によってコントロールする。例えばJIS K2270記載の方法で求めた有機化合物の残炭率がp%である場合には所望の量の100/p倍の有機化合物を添加することとなる。
充放電容量の増加とプレス性の改良のために、炭素質粒子と有機化合物の混合に際し、黒鉛化触媒を添加しても良い。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、ホウ素等の金属及びこれらの炭化物、酸化物、窒化物等の化合物が挙げられる。なかでも、ケイ素、ケイ素化合物、鉄、鉄化合物が好ましく、ケイ素化合物のなかでは炭化珪素、鉄化合物のなかでは酸化鉄が特に好ましい。黒鉛化触媒としてケイ素やケイ素化合物を用いた場合、加熱により生成する炭化ケイ素が2800℃以上の温度ですべて熱分解して結晶性の極めて良好な黒鉛を成長させ、且つケイ素が揮散する時に黒鉛結晶間に細孔が形成されるので、粒子内部のリチウムイオンの電荷移動反応と拡散とを助長し電池性能を向上させることができる。また、黒鉛化触媒として鉄又はその化合物を用いた場合、炭素の触媒への溶解、析出の機構により結晶性の良好な黒鉛を成長させ、ケイ素と同様な効果を発現することができる。これらの黒鉛化触媒の添加量は、原料としての炭素質一次粒子に対して通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。黒鉛化触媒が多すぎると、黒鉛化が進みすぎ、リチウムイオン二次電池製造時の特性、特に浸液性が充分でないといった問題が生じる場合がある。同時に、非水系二次電池用炭素材内に細孔を生成させるためか、粒子の強度が低下し、その結果極板作製時のプレス工程において表面が平滑化し、イオンの移動を阻害する場合もある。一方、黒鉛化触媒が少なすぎると、黒鉛化が不十分で非水系二次電池にした時の充放電容量の低下の問題があり、また、極板作製時のプレス工程において高圧力を必要とし高密度化するのが困難となる場合もある。更に、非水系二次電池用炭素材内に適量の細孔が存在しないためか、粒子の強度が高くなりすぎ、集電体に塗布された活物質層を所定の嵩密度にプレス成形するときに高圧力を必要とし、負極活物質層を高密度化するのが困難となる場合がある。
黒鉛粒子、有機化合物、必要に応じて溶媒、及び所望により添加された黒鉛化触媒等の原料は、まず、必要に応じて加熱下で捏合される。これにより、炭素質粒子及び捏合温度では溶融しない原料に液状の有機化合物が添着された状態となる。この場合、捏合機に全原料を仕込んで捏合と昇温を同時に行っても良いし、捏合機に有機化合物以外の成分を仕込んで攪拌状態で加熱し、捏合温度まで温度が上がった後に常温又は加硫溶融状態の有機化合物を仕込んでも良い。
加熱温度は、有機化合物の軟化点以上であり、通常軟化点より10℃以上高い温度、好ましくは軟化点より20℃以上高い温度、通常450℃以下、好ましくは250℃以下で行われる。加熱温度が低すぎると、有機化合物の粘度が高くなって混合が困難となる虞があり、加熱温度が高すぎると有機化合物の揮発と重縮合によって混合系の粘度が高くなりすぎる虞がある。
捏合機は撹拌翼をもつ機種が好ましく、撹拌翼はZ型、マチスケータ型といった汎用的なものを用いることができる。捏合機に投入する原料の量は、通常混合機容積の10体積%以上、好ましくは15体積%以上で、50体積%以下、好ましくは30体積%以下である。捏合時間は5分以上必要であり、最長でも揮発分の揮散による大きな粘性の変化を来たす時間までで、通常は30〜120分である。捏合機は捏合に先立ち捏合温度まで予熱しておくことが好ましい。
得られた捏合物は、そのまま、揮発成分(以下、「VM」と略記する)の除去と炭化を目的とする脱VM焼成工程に供してもよく、ハンドリングしやすいように、必要に応じて成形してから脱VM焼成工程に供してもよい。
成形方法は形状を保持することが可能であれば特に制限はなく、押し出し成形、金型成形、静水圧成形等を採用することができる。このうち、成形体内で粒子が配向し易い押し出し成形に比べ、粒子の配向がランダムに保たれる金型成形、静水圧成形が好ましい。
成形温度は、室温(冷間)、加熱下(熱間、バインダーの軟化点以上の温度)のどちらでもよい。冷間で成形する場合は、成形性の向上と成形体の均一性を得るために、捏合後冷却された混合物を予め最大寸法が1mm以下に粗砕することが望ましい。成形体の形状、大きさは特に制限は無いが、熱間成形では、成形体が大きすぎると成形に先立つ均一な予熱を行うのに時間がかかる問題があるので、通常最大寸法で150cm程度以下の大きさとすることが好ましい。
成形圧力は、圧力が高すぎると成形体の細孔を通しての脱揮発成分除去(脱VM)が困難となり、かつ真円ではない炭素質粒子が配向し、後工程における粉砕が難しくなる場合があるので、成形圧力の上限は、通常3tf/cm(294MPa)以下、好ましくは1500kgf/cm(49MPa)以下、更に好ましくは600kgf/cm(0.98MPa)以下である。下限の圧力は特に制限はないが、脱VMの工程で成形体の形状を保持できる程度に設定することが好ましい。
第2工程:得られた混合物もしくは成形体を加熱し、黒鉛粒子、溶媒、及び有機化合物から発生する揮発成分(VM)を除去した中間物質を得るため脱VM焼成を行う。脱VM焼成は、通常600℃以上、好ましくは650℃以上で、通常1300℃以下、好ましくは1100℃以下の温度で、通常0.1時間〜10時間行う。加熱は、酸化を防止するために、通常、窒素、アルゴン等不活性ガスの流通下又はブリーズ、パッキングコークス等の粒状炭素材を間隙に充填した非酸化性雰囲気で行う。
脱VM焼成に用いる設備は、例えば、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、電気炉やガス炉等、非酸化性雰囲気で焼成可能であれば特に限定されない。加熱時の昇温速度は揮発分の除去のために低速であることが望ましく、通常、低沸分の揮発が始まる200℃付近から水素の発生のみとなる700℃近傍までを、3〜100℃/hrで昇温する。処理時には、必要に応じて攪拌を行なってもよい。
脱VM焼成により得られた炭素材は、高温で加熱(焼成)処理する。入出力特性を特に重視する用途には有機化合物を非晶質化することが好ましく、高容量用特性を特に重視する用途には有機化合物を黒鉛化することが好ましく、本発明の効果に加えて更に効果を要求する用途によって焼成温度を変更することもできる。
有機化合物を非晶質化する場合の加熱温度は、通常600℃以上、好ましくは800℃以上、より好ましくは900℃以上、更に好ましくは1000℃以上、通常2600℃以下、好ましくは2200℃以下、より好ましくは1800℃以下、更に好ましくは1500℃以下である。
有機化合物を黒鉛化する場合の加熱温度は、通常2600℃以上、好ましくは2800℃以上で加熱する。また、加熱温度が高過ぎると、黒鉛の昇華が顕著となるので、3300℃以下が好ましい。加熱時間は、有機化合物及び炭素質粒子が黒鉛となるまで行えばよく、通常1〜24時間である。
加熱処理時の雰囲気は、酸化を防止するため、窒素、アルゴン等の不活性ガスの流通下又はブリーズ、パッキングコークス等の粒状炭素材を間隙に充填した非酸化性雰囲気下で行う。加熱処理に用いる設備は、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、電気炉やガス炉、電極材用アチソン炉等、上記の目的に添うものであれば特に限定されず、昇温速度、冷却速度、熱処理時間等は使用する設備の許容範囲で任意に設定することができる。
第3工程:前記非水系二次電池用炭素材を必要に応じて粉砕、解砕、磨砕、分級処理等の粉体加工をする。粉砕に用いる装置に特に制限はないが、例えば、粗粉砕機としてはせん断式ミル、ジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、ハンマーミル等が挙げられ、微粉砕機としてはボールミル、振動ミル、ピンミル、攪拌ミル、ジェットミル等が挙げられる。
分級処理に用いる装置としては特に制限はないが、例えば、乾式篩い分けの場合は、回転式篩い、動揺式篩い、旋動式篩い、振動式篩い等を用いることができ、乾式気流式分級の場合は、重力式分級機、慣性力式分級機、遠心力式分級機(クラシファイア、サイクロン等)を用いることができ、また、湿式篩い分け、機械的湿式分級機、水力分級機、沈降分級機、遠心式湿式分級機等を用いることができる。
<他の炭素材との混合>
本発明の非水系二次電池用炭素材は、何れか一種を単独で、又は二種以上を任意の組成及び組み合わせで併用して、リチウムイオン二次電池の負極材として好適に使用することができる。本発明の非水系二次電池用炭素材一種又は二種以上を、他の一種又は二種以上のその他炭素材と混合し、これを非水系二次電池、好ましくはリチウムイオン二次電池の負極材として用いても良い。
上述の非水系二次電池用炭素材にその他炭素材を混合する場合、非水系二次電池用炭素材とその他炭素材の総量に対する非水系二次電池用炭素材の混合割合は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下の範囲である。その他炭素材の混合割合が、前記範囲を下回ると、添加した効果が現れ難い傾向がある。一方、前記範囲を上回ると、非水系二次電池用炭素材の特性が現れ難い傾向がある。
その他炭素材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質被覆黒鉛、非晶質炭素の中から選ばれる材料を用いる。これらの材料は、何れかを一種を単独で用いても良く、二種以上を任意の組み合わせ及び組成で併用しても良い。
天然黒鉛としては、例えば、高純度化した鱗片状黒鉛や球形化した黒鉛を用いることができる。天然黒鉛の体積基準平均粒径は、通常8μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。天然黒鉛のBET比表面積は、通常3.5m/g以上、好ましくは、4.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下の範囲である。
人造黒鉛としては、炭素材を黒鉛化した粒子等が挙げられ、例えば、単一の黒鉛前駆体粒子を粉状のまま焼成、黒鉛化した粒子などを用いることができる。
非晶質被覆黒鉛としては、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛に非晶質前駆体を被覆、焼成した粒子や、天然黒鉛や人造黒鉛に非晶質をCVDにより被覆した粒子を用いることができる。
非晶質炭素としては、例えば、バルクメソフェーズを焼成した粒子や、有機化合物を不融化処理し、焼成した粒子を用いることができる。
非水系二次電池用炭素材とその他炭素材との混合に用いる装置としては、特に制限はないが、例えば、回転型混合機の場合:円筒型混合機、双子円筒型混合機、二重円錐型混合機、正立方型混合機、鍬形混合機、固定型混合機の場合:螺旋型混合機、リボン型混合機、Muller型混合機、Helical Flight型混合機、Pugmill型混合機、流動化型混合機等を用いることができる。
<非水系二次電池用負極>
本発明の非水系二次電池用負極(以下適宜「電極シート」ともいう。)は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備えると共に、活物質層は少なくとも本発明の非水系二次電池用炭素材とを含有することを特徴とする。更に好ましくはバインダを含有する。
ここでいうバインダとは、非水系二次電池用負極を作成する際に、活物質同士の結着、及び活物質層を集電体に保持することを目的として添加するバインダを意味し、本明細書でいう有機化合物とは異なるものである。
バインダとしては、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものを用いることが好ましい。その種類は特に制限されないが、具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダと、前述の活物質とを組み合わせて用いることにより、負極板の強度を高くすることができる。負極の強度が高いと、充放電による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命を長くすることができる。また、本発明に係る負極では、活物質層と集電体との接着強度が高いので、活物質層中のバインダの含有量を低減させても、負極を捲回して電池を製造する際に、集電体から活物質層が剥離するという課題も起こらないと推察される。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダとしては、その分子量が大きいものか、或いは、不飽和結合の割合が大きいものが望ましい。具体的に、分子量が大きいバインダの場合には、その重量平均分子量が通常1万以上、好ましくは5万以上、また、通常100万以下、好ましくは30万以下の範囲にあるものが望ましい。また、不飽和結合の割合が大きいバインダの場合には、全バインダの1g当たりのオレフィン性不飽和結合のモル数が、通常2.5×10−7以上、好ましくは8×10−7以上、また、通常1×10−6以下、好ましくは5×10−6以下の範囲にあるものが望ましい。バインダとしては、これらの分子量に関する規定と不飽和結合の割合に関する規定のうち、少なくとも何れか一方を満たしていればよいが、両方の規定を同時に満たすものがより好ましい。オレフィン性不飽和結合を有するバインダの分子量が小さ過ぎると機械的強度に劣り、大き過ぎると可撓性に劣る。また、バインダ中のオレフィン性不飽和結合の割合が小さ過ぎると強度向上効果が薄れ、大き過ぎると可撓性に劣る。
また、オレフィン性不飽和結合を有するバインダは、その不飽和度が、通常15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、また、通常90%以下、好ましくは80%以下の範囲にあるものが望ましい。なお、不飽和度とは、ポリマーの繰り返し単位に対する二重結合の割合(%)を表す。
本発明においては、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、本発明の効果が失われない範囲において、上述のオレフィン性不飽和結合を有するバインダと併用することができる。オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、通常150重量%以下、好ましくは120重量%以下の範囲である。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダを併用することにより、塗布性を向上することができるが、併用量が多すぎると活物質層の強度が低下する。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸、或いはこれらポリマーの金属塩、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー及びこれらの共重合体などが挙げられる。
本発明の負極は、上述の本発明の負極材料とバインダとを分散媒に分散させてスラリーとし、これを集電体に塗布することにより形成される。分散媒としては、アルコールなどの有機溶媒や、水を用いることができる。このスラリーには更に、所望により導電剤を加えてもよい。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などが挙げられる。導電剤の添加量は、本発明の負極材料に対して通常10重量%以下程度である。
スラリーを塗布する集電体としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、圧延銅箔、電解銅箔、ステンレス箔等の金属薄膜が挙げられる。集電体の厚さは、通常4μm以上、好ましくは6μm以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
このスラリーを、集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極材料が14.5±0.3mg/cm付着するように、ドクターブレードを用いて幅5cmに塗布し、室温で風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径20cmのローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度が1.7±0.03g/cmになるよう調整し電極シートを得た。
スラリーを集電体上に塗布した後、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは195℃以下の温度で、乾燥空気又は不活性雰囲気下で乾燥し、活物性層を形成する。
スラリーを塗布、乾燥して得られる活物質層の厚さは、通常5μm以上、好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、また、通常200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。活物質層が薄すぎると、活物質の粒径との兼ね合いから負極としての実用性に欠け、厚すぎると、高密度の電流値に対する十分なLiの吸蔵・放出の機能が得られにくい。
活物質層における非水系二次電池用炭素材の密度は、用途により異なるが、容量を重視する用途では、好ましくは1.55g/cm以上、とりわけ1.6g/cm以上、更に1.65g/cm以上、特に1.7g/cm以上が好ましい。密度が低すぎると、単位体積あたりの電池の容量が必ずしも充分ではない。また、密度が高すぎるとレート特性が低下するので、1.9g/cm以下が好ましい。
以上説明した本発明の非水系二次電池用炭素材を用いて非水系二次電池用負極を作製する場合、その手法や他の材料の選択については、特に制限されない。また、この負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する場合も、リチウムイオン二次電池を構成する正極、電解液等の電池構成上必要な部材の選択については特に制限されない。以下、本発明の負極材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池の詳細を例示するが、使用し得る材料や作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
<非水系二次電池>
本発明の非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様であり、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える。負極としては、上述した本発明の負極を用いる。
正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
正極活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物などが挙げられる。金属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、モリブデンの酸化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、タングステンの酸化物などの遷移金属酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの硫化物、チタンの硫化物、CuSなどの遷移金属硫化物、NiPS、FePS等の遷移金属のリン−硫黄化合物、VSe、NbSeなどの遷移金属のセレン化合物、Fe0.25V0.75S、Na0.1CrSなどの遷移金属の複合酸化物、LiCoS、LiNiSなどの遷移金属の複合硫化物等が挙げられる。
これらの中でも、V、VO1、VO、Cr、MnO、TiO、MoV、LiCoO、LiNiO、LiMn、TiS、V、Cr0.25V0.75S、Cr0.5V0.5Sなどが好ましく、特に好ましいのはLiCoO、LiNiO、LiMnや、これらの遷移金属の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物である。これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
正極活物質を結着するバインダとしては、公知のものを任意に選択して用いることができる。例としては、シリケート、水ガラス等の無機化合物や、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン等の不飽和結合を有さない樹脂などが挙げられる。これらの中でも好ましいのは、不飽和結合を有さない樹脂である。正極活物質を結着する樹脂として不飽和結合を有する樹脂を用いると酸化反応時に分解される恐れがある。これらの樹脂の重量平均分子量は通常1万以上、好ましくは10万以上、また、通常300万以下、好ましくは100万以下の範囲である。
正極活物質層中には、電極の導電性を向上させるために、導電材を含有させてもよい。導電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
正極板は、前記したような負極の製造と同様の手法で、正極活物質やバインダを溶剤でスラリー化し、集電体上に塗布、乾燥することにより形成する。正極の集電体としては、アルミニウム、ニッケル、SUSなどが用いられるが、何ら限定されない。
電解質としては、非水系溶媒にリチウム塩を溶解させた非水系電解液や、この非水系電解液を有機高分子化合物等によりゲル状、ゴム状、固体シート状にしたものなどが用いられる。
非水系電解液に使用される非水系溶媒は特に制限されず、従来から非水系電解液の溶媒として提案されている公知の非水系溶媒の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類などが挙げられる。
これらの非水系溶媒は、何れか一種を単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。混合溶媒の場合は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含む混合溶媒の組合せが好ましく、環状カーボネートが、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶媒であることが、低温でも高いイオン電導度を発現でき、低温充電不可特性が向上するという点で特に好ましい。中でもプロピレンカーボネートが非水系溶媒全体に対し、2質量%以上80質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上70質量%以下の範囲がより好ましく、10質量%以上60質量%以下の範囲がさらに好ましい。プロピレンカーボネートの割合が上記より低いと低温でのイオン電導度が低下し、プロピレンカーボネートの割合が上記より高いと、黒鉛系電極を用いた場合にはLiイオンに溶媒和したPCが黒鉛相間へ共挿入することにより黒鉛系負極活物質の層間剥離劣化がおこり、十分な容量が得られなくなる問題がある。
非水系電解液に使用されるリチウム塩も特に制限されず、この用途に用い得ることが知られている公知のリチウム塩の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、LiCl、LiBrなどのハロゲン化物、LiClO、LiBrO、LiClOなどの過ハロゲン酸塩、LiPF、LiBF、LiAsFなどの無機フッ化物塩などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCSOなどのパーフルオロアルカンスルホン酸塩、Liトリフルオロスルフォンイミド((CFSONLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸イミド塩などの含フッ素有機リチウム塩などが挙げられ、この中でもLiClO、LiPF、LiBF、が好ましい。
リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、通常0.5M以上、2.0M以下の範囲である。
また、上述の非水系電解液に有機高分子化合物を含ませ、ゲル状、ゴム状、或いは固体シート状にして使用する場合、有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
上述の非水系電解液は、更に被膜形成剤を含んでいても良い。被膜形成剤の具体例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチルカーボネート、メチルフェニルカーボネートなどのカーボネート化合物、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイドなどのアルケンサルファイド;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン化合物;マレイン酸無水物、コハク酸無水物などの酸無水物などが挙げられる。更に、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていても良い。上記添加剤を用いる場合、その含有量は通常10質量%以下、中でも8質量%以下、更には5質量%以下、特に2質量%以下の範囲が好ましい。上記添加剤の含有量が多過ぎると、初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、電解質として、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。高分子固体電解質としては、前述のポリエーテル系高分子化合物にLiの塩を溶解させたものや、ポリエーテルの末端水酸基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げられる。
正極と負極との間には通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させる。この場合、非水系電解液は、多孔性のセパレータに含浸させて用いる。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルスルホンなどが用いられ、好ましくはポリオレフィンである。
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は特に制限されない。例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。また、これらの形態の電池を任意の外装ケースに収めることにより、コイン型、円筒型、角型等の任意の形状にして用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池を組み立てる手順も特に制限されず、電池の構造に応じて適切な手順で組み立てればよいが、例を挙げると、外装ケース上に負極を乗せ、その上に電解液とセパレータを設け、更に負極と対向するように正極を乗せて、ガスケット、封口板と共にかしめて電池にすることができる。
<電池の性能>
上述のように作製した電池は以下の様な性能を示すものである。
不可逆容量は、通常50mAh/g以下、好ましくは40mAh/g以下、より好ましくは35mAh/g以下、さらに好ましくは30mAh/g以下である。充電負荷特性は、通常20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。放電負荷特性は、通常、55%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上である。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(測定方法)
(1)表面官能基量
表面官能基量はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定する。
・N/C(%)
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器(アルバック・ファイ社製ESCA)を用い、測定対象(黒鉛材料)を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とN1s(390〜410eV)のスペクトルを測定し、C1sとN1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとNの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのNとCの表面原子濃度を用いて、式11にてN/Cを算出した。
式11:
N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕 × 100
・S/C(%)
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器(アルバック・ファイ社製ESCA)を用い、測定対象(黒鉛材料)を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)のスペクトルとS2p(160〜175eV)のスペクトルを測定し、C1sのスペクトルのピーク面積、及び160〜175eVの範囲に存在するS2pに対応するスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとSの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのSとCの表面原子濃度を用いて、式12にてS/Cを算出した。
式12:
S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕 × 100
・O/C(%)
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器(アルバック・ファイ社製ESCA)を用い、測定対象(黒鉛材料)を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの表面原子濃度を用いて、式13にてO/Cを算出した。
式13:
O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕 × 100
・N/O(%)
上記と同様の方法にて、O1s(525〜545eV)とN1s(390〜410eV)のスペクトルを測定し、O1sとN1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、OとNの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのNとOの表面原子濃度を用いて、式14にてN/Oを算出した。
式14:
N/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕 × 100
・S/O(%)
上記と同様の方法にて、O1s(525〜545eV)のスペクトルとS2p(160〜175eV)のスペクトルを測定し、O1sのスペクトルのピーク面積、及び160〜175eVの範囲に存在するS2pに対応するスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、OとSの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのSとOの表面原子濃度を用いて、式15にてS/Oを算出した。
式15:
S/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕 × 100
(2)粒径
粒径の測定方法は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、炭素材0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、本発明におけるd50と定義する。
(3)BET比表面積(SA)
BET比表面積の測定方法は、例えば大倉理研社製比表面積測定装置「AMS8000」を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。具体的には、試料(炭素材)0.4gをセルに充填し、350℃に加熱して前処理を行った後、液体窒素温度まで冷却して、窒素30%、He70%のガスを飽和吸着させ、その後室温まで加熱して脱着したガス量を計測し、得られた結果から、通常のBET法により比表面積を算出した。
(4)X線構造解析(XRD)
X線構造解析(XRD)の測定方法は、0.2mmの試料板に炭素材を配向しないように充填し、X線回折装置(例えば日本電子製、JDX−3500)で、CuKα線にて出力30kV、200mAで測定する。得られた43.4°付近の3R(101)、及び44.5°付近の2H(101)の両ピークからバックグラウンドを差し引いた後、強度比3R(101)/2H(101)を算出する。
(5)タップ密度
タップ密度は、粉体密度測定器である(株)セイシン企業社製「タップデンサーKYT−4000」を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、炭素材を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(6)ラマンスペクトル(Raman)スペクトル
ラマンスペクトルは、ラマン分光器:「日本分光社製ラマン分光器」で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(7)不可逆容量測定、充電負荷特性試験、放電負荷特性試験方法
非水系二次電池を用いて、下記の測定方法で電池充放電時の不可逆容量・放電容量を測定した。
0.16mA/cmの電流密度でリチウム対極に対して5mVまで充電し、更に、5mVの一定電圧で充電容量値が350mAh/gになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.33mA/cmの電流密度でリチウム対極に対して1.5Vまで放電を行なった。引き続き2、3回目は、同電流密度でcc−cv充電にて10mV、0.005Ccutにて充電し、放電は、全ての回で0.04Cで1.5Vまで放電した。この計3サイクルの充電容量と放電容量の差の和を不可逆容量として算出した。また、3サイクル目の放電容量を本材料の放電容量、3サイクル目の放電容量/(3サイクル目の放電容量+3サイクルの充電容量と放電容量の差の和)を初期効率とした。
充電負荷特性試験は、通常の充放電試験を3サイクル施した後、cc充電にて充電電流0.04C(0.16mA/cm)、0.5C(2.0mA/cm)の条件で極間電位差が0Vvs.Liになるまでの容量を測定し、[0.5C(2.0mA/cm)]/[0.04C(0.16mA/cm)]x100(%)で表記した。放電負荷特性試験は、通常の充放電試験を3サイクル施した後、cc放電にて放電電流0.2C(0.8mA/cm)、2.0C(8.0mA/cm)の条件で極間電位差が1.5Vvs.Liになるまでの容量を測定し、[2.0C(8.0mA/cm)]/[0.2C(0.8mA/cm)]x100(%)で表記した。
(電極シートの作製)
本発明の炭素材を負極材料として用い、活物質層密度1.70±0.03g/cmの活物質層を有する極板を作製した。具体的には、負極材料20.00±0.02gに、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液を20.00±0.02g(固形分換算で0.200g)、及び重量平均分子量27万のスチレン・ブタジエンゴム水性ディスパージョン0.50±0.05g(固形分換算で0.2g)を、キーエンス製ハイブリッドミキサーで5分間撹拌し、30秒脱泡してスラリーを得た。
このスラリーを、集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極材料が14.5±0.3mg/cm付着するように、ドクターブレードを用いて幅5cmに塗布し、室温で風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径20cmのローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度が1.70±0.03g/cmになるよう調整し電極シートを得た。
(非水系二次電池(2016コイン型電池)の作製)
上記方法で作製した電極シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜き、リチウム金属箔を直径14mmの円板状に打ち抜き対極とした。両極の間には、A:エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容量比=3:7)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液、B:エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(容量比=2:4:4)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液、C:エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(容量比=1:5:4)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液(表中ではそれぞれ電解液A、B、Cと表す)を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、A〜Cの電解液を使用した2016コイン型電池をそれぞれ作製した。
(原料の種類)
(1)黒鉛粒子
本実施例では、黒鉛粒子として以下の天然黒鉛の材料を使用する。
黒鉛粒子(a):前記測定法で測定した、粒径d50、タップ密度、比表面積、ラマンR値がそれぞれ21μm、0.91g/cm、4.6m/g、0.20である球状天然黒鉛粒子
黒鉛粒子(b):前記測定法で測定した、粒径d50、タップ密度、比表面積、ラマンR値がそれぞれ25μm、1.05g/cm、4.3m/g、0.22である球状天然黒鉛
(2)有機化合物
本実施例では、有機化合物として以下の材料を使用する。
コールタールピッチ(a):キノリン不溶分が7質量%、トルエン不溶分が30質量%、H/Cが0.04、残炭率25質量%、1000℃焼成後、CNT製高速振動型サンプルミル(TI−100型)にて大気中にて30秒間粉砕処理して得られた炭素粉末の、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が0.3467nm、Lc(004)が17nm、X線光電子分光法分析により求めたO/C、N/C、S/C、N/C+S/Cがそれぞれ、4.86、0.42、0.08、0.51であるコールタールピッチ。
石油系重質油(b):キノリン不溶分≦0.5質量%、トルエン不溶分が15質量%、H/Cが0.07、残炭率15質量%、1000℃焼成後、CNT製高速振動型サンプルミル(TI−100型)にて大気中にて30秒間粉砕処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が0.3454nm、Lc(004)が22nm、X線光電子分光法分析により求めたO/C、N/C、S/C、N/C+S/Cがそれぞれ4.05、0.26、<0.01、0.26である石油系重質油。
ここで、コールタールピッチ(a)、及び石油系重質油(b)を1000℃で焼成したサンプルは結晶性が低いため硬く、分析用粉体サンプルを得るためには比較的高い粉砕処理を行う必要があるため、大気中の酸素により酸化されるため、下記実施例1、2に比べX線光電子分光法分析により求めたO/Cが高くなる傾向にある。
実施例1
黒鉛粒子(a)とコールタールピッチ(a)とを混合し、不活性ガス中で1300℃の熱処理を施し焼成物を粉砕・分級処理することにより、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素が被覆された複層構造炭素材を得た。焼成収率から、得られた複層構造炭素材は、黒鉛重量部に対して3重量部の非晶質炭素で被覆されていることが確認された。
このサンプルについて、前記測定法で粒径d50、タップ密度、比表面積、ラマンR値、O/C、N/C、S/C、N/C+S/C、N/O、S/Oを測定・算出した。結果を表1に示す。また、前記測定法に従い、不可逆容量、放電容量、初期効率、放電負荷特性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
コールタールピッチ(a)から石油系重質油(b)に変えた以外は、実施例1と同様に行い複層構造炭素材を得た。これについて、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
比較例2
黒鉛粒子(a)について、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
比較例3
黒鉛粒子(a)を、濃硫酸中で4時間攪拌した後、純水で洗浄し、300℃にて6時間保持した。ここで得られたサンプルを、不活性ガス中において1000℃で熱処理を施して得られた黒鉛粒子について、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
比較例4
黒鉛粒子(a)に不活性ガス中において3000℃で熱処理を施し、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
実施例2
黒鉛粒子(a)を黒鉛粒子(b)に変えた以外は、実施例1と同様に行い複層構造炭素材を得た。これについて、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
比較例5
コールタールピッチ(a)を石油系重質油(b)に変えた以外は、実施例2と同様に行い複層構造炭素材を得た。これについて、実施例1と同様の方法で物性、及び電池特性の測定を行った。結果を表1、表2に示す。
以上の結果から、実施例1のように窒素元素と硫黄元素を特定量存在させた炭素材を負極材に用いることにより、窒素元素と硫黄元素を特定量存在していない炭素材を負極材に用いた比較例1〜4に比べて、高いサイクル初期の充放電効率を維持しつつ、充電負荷特性及び放電負荷特性の向上効果が顕著に見られた。同様に実施例2と比較例5を比較しても同様の効果が顕著に見られた。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2011年5月13日出願の日本特許出願(特願2011−108457)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の炭素材は、非水系二次電池用の炭素材として用いることにより、高容量、且つ充放電負荷特性の良好な非水系二次電池用負極材を提供することができる。

Claims (8)

  1. 黒鉛粒子が非晶質炭素で被覆された複層構造炭素材であり、下記式5で表されるN/Oが30%以上80%以下である非水系二次電池用炭素材。
    式5:
    N/O(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度〕×100
  2. 下記式1で表されるラマンR値が0.01以上1以下である請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材。
    式1:
    ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm −1 付近のピークP の強度I /1580cm −1 付近のピークP の強度I
  3. 下記式2で表されるN/Cが0.05%以上2%以下である請求項1または2に記載の非水系二次電池用炭素材。
    式2:
    N/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるN1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたN原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
  4. 下記式3で表されるS/Cが0.05%以上2%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
    式3:
    S/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるS2sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたS原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
  5. 下記式4で表されるO/Cが0.1%以上10%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
    式4:
    O/C(%)=〔X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度〕×100
  6. 黒鉛粒子が天然黒鉛を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
  7. 黒鉛粒子の下記式1で表されるラマンR値が0.05以上1以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
    式1:
    ラマンR値=ラマンスペクトル分析における1360cm−1付近のピークPの強度I/1580cm−1付近のピークPの強度I
  8. 黒鉛粒子のタップ密度が0.7g/cm以上1.20g/cm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
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