JP6227155B2 - 固定子およびこの固定子を用いた回転電機並びに固定子の製造方法および回転電機の製造方法 - Google Patents

固定子およびこの固定子を用いた回転電機並びに固定子の製造方法および回転電機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固定子および回転電機、並びに固定子の製造方法および回転電機の製造方法関するものであり、特に分布巻コイルを用いた生産性向上と品質向上をはかる技術に関する。
近年、電動機や発電機等の回転電機は、多様な用途に対応する必要があり、生産性の向上と品質向上が要望されている。特に、分布巻コイルを用いたものは、固定子コアへのコイルの設置工程が複雑であり、組立性の向上が望まれている。
固定子コアへコイルを設置する組立工程が向上する固定子として、以下に記すものがある。それは、コイルが、同芯巻で形成されており、隣り合う導線の間に導線が挿入可能な隙間を有しており、且つコイルエンド部に形成されるレーンチェンジ部が導線1本分の幅をかわすようになっている。そして、このコイルの複数を周方向に配設してコイル籠を形成し、形成されたコイル籠をステータコアに配置して作製した固定子である(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−125043号公報(第8−10頁、第3−4図、第7図)
特許文献1に記載の固定子では、同芯巻コイルの端末線の結線が、一方のコイルにおける径方向の最も内側に位置する端末線(最内側端末線と記す)と、他方のコイルにおける径方向の最も外側の端末線(最外側端末線と記す)とを溶接することにより行われるので、最内側端末線および最外側端末線のいずれか、あるいは両方を、寄合わせてから、溶接する必要があり、固定子製造の生産性が低下するとの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、固定子コアのスロットに同芯巻の固定子コイルを設置している固定子において、固定子コイルの端末線の接続を容易にして、生産性向上が図れる、固定子およびこの固定子を用いた回転電機、並びにこれらの製造方法を得ることである。
本発明に係わる固定子は、周方向に配置された複数のティースおよび複数のスロットを有する固定子コアと、固定子コアに配設した分布巻の固定子コイルとを備えた固定子であって、固定子コイルは、1本の導線を巻回して形成された単位コイルを周方向にずらして複数個配設して構成されており、単位コイルは、第1スロット収納部と、第2スロット収納部と、第1スロット収納部から延べ出す第1端末線と、第2スロット収納部から延べ出す第2端末線と、第1端末線と第2端末線とがある側の端末側で、第1スロット収納部と第2スロット収納部とを繋ぐ端末側コイルエンド部と、軸方向における端末側の反対側である反端末側で、第1スロット収納部と第2スロット収納部とを繋ぐ反端末側コイルエンド部とを有しており、第1スロット収納部は、周方向で所定数のティースを挿んで離れている一方側の位置にあるスロットに収納されており、第2スロット収納部は、周方向で所定数のティースを挿んで離れている他方側の位置にあるスロットに収納されており、第1スロット収納部と第2スロット収納部とは、各々n本(nは2以上の整数)の導線で形成されており、端末側コイルエンド部は、(n−1)本の導線で形成されており、反端末側コイルエンド部は、第1反端末側コイルエンド部と第2反端末側コイルエンド部とで形成されており、第1反端末側コイルエンド部は、(n−1)本の導線で形成されており、第2反端末側コイルエンド部は、1本の導線で形成されており、第1スロット収納部の各導線および第2スロット収納部の各導線は、各々径方向で導線の1本分の隙間が設けられており、端末側コイルエンド部の(n−1)本の導線と第1反端末側コイルエンド部の(n−1)本の導線との各々は、径方向で導線の1本分ずれている、第1スロット収納部の導線と第2スロット収納部の導線とを繋いでおり、第2反端末側コイルエンド部の1本の導線は、径方向で導線の(2n−1)本分ずれている、第1スロット収納部の導線と第2スロット収納部の導線とを繋いでおり、第1端末線と第2端末線とは、径方向で導線1本分ずれており、異なる単位コイルの、第1端末線と第2端末線とが接合しているものである。
本発明に係わる固定子の製造方法は、第1スロット収納部と第2スロット収納部とを、各々n本の導線で形成している単位コイルを作製する工程と、一方の単位コイルの第1スロット収納部の導線の間に、他方の単位コイルの第2スロット収納部の導線を通過させて、他方の単位コイルと一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の単位コイルを周方向に配設してコイル籠を形成する工程と、コイル籠の内側に、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接するティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを配置する工程と、内側に内側コアが配置されたコイル籠を外周部から締め付けて、コイル籠の内径を小さくするとともに、ティースの間のスロットに全てのスロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、内径を小さくした収縮コイル籠を装着した内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えたものである。
本発明に係わる固定子の製造方法は、第1スロット収納部と第2スロット収納部とが、各々n本の導線で形成しており且つ端末側コイルエンド部の周方向の幅が反端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっている単位コイルを作製する工程と、一方の単位コイルの第1スロット収納部の導線の間に、他方の単位コイルの第2スロット収納部の導線を通過させて、他方の単位コイルと一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の単位コイルを周方向に配設して、端末側の内径が反端末側の内径より大きなコイル籠を形成する工程と、コイル籠の端末側から、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接するティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを挿入する工程と、内側コアが挿入されたコイル籠に、外周側から力を加えて、コイル籠の端末側の内径と反端末側の内径とを等しくして、ティースの間のスロットに全てのスロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、コイル籠の端末側の内径を小さくした収縮コイル籠を装着した内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えたものである。
本発明に係わる固定子の製造方法は、第1スロット収納部と第2スロット収納部とが、各々n本の導線で形成しており且つ反端末側コイルエンド部の周方向の幅が端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっている単位コイルを作製する工程と、一方の単位コイルの第1スロット収納部の導線の間に、他方の単位コイルの第2スロット収納部の導線を通過させて、他方の単位コイルと一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の単位コイルを周方向に配設して、反端末側の内径が端末側の内径より大きなコイル籠を形成する工程と、コイル籠の反端末側から、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接するティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを挿入する工程と、内側コアが挿入されたコイル籠に、外周側から力を加えて、コイル籠の反端末側の内径と端末側の内径とを等しくして、ティースの間のスロットに全てのスロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、コイル籠の反端末側の内径を小さくした収縮コイル籠を装着した内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えたものである。
本発明に係わる固定子は、第1端末線と第2端末線とが、径方向で導線1本分ずれているものであるので、固定子コイルの端末線の接続を容易にして、生産性向上が図れるとともに、絶縁信頼性が向上する。
本発明に係わる固定子の製造方法は、固定子コイルにかかる荷重が小さいので、固定子コイルの絶縁性の低下を防止できる。
本発明の実施の形態1に係わる固定子の斜視模式図である。 図1の固定子のA−A断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる単位コイルの正面模式図(a)と斜視模式図(b)とである。 本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの軸方向に対して垂直な断面の部分模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの端末側の端面の部分模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの反端末側の端面の部分模式図である。 従来の単位コイルの正面模式図である。 固定子コアに比較例の単位コイルを装着した固定子中間体の斜視模式図である。 図8の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。 比較例の単位コイルにおける、接合する第1端末線と第2端末線とを径方向で対向させた固定子中間体を示す斜視模式図である。 図10の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。 比較例の単位コイルにおける第1端末線を第2端末線に寄せ合わせた固定子中間体を示す部分斜視模式図である。 図12の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。 比較例の固定子を示す部分斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる単位コイルの、固定子コアに装着される前の状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる、折り曲げられていない端末線を有する単位コイルが装着された固定子中間体の斜視模式図である。 図16の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる単位コイルにおける、接合する第1端末線と第2端末線とを径方向で対向させた固定子中間体を示す斜視模式図である。 図18に示す固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。 比較例の固定子の周方向と直交する断面を示す部分模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる固定子の周方向と直交する断面を示す部分模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる固定子における、コイル籠に固定子コアを装着した固定子中間体を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる固定子に用いられる固定子コア構成体の、斜視模式図(a)と軸方向の端面の模式図(b)とである。 本発明の実施の形態2に係わる固定子に用いられるコイル籠の斜視模式図である。 本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製に用いられる2個の単位コイルを示す正面模式図である。 本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製時の、受入側単位コイルに挿入側単位コイルを重ねて配設する状態を説明する端末側上面模式図である。 本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製時の、受入側単位コイルに挿入側単位コイルを配設した状態を説明する、正面模式図(a)と端末側上面模式図(b)とである。 本発明の実施の形態2に係わるコイル籠に固定子コア構成体を組み付ける状態を説明する、斜視模式図である。 図28のコイル籠のB−B断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる固定子における、固定子コアに収縮コイル籠を装着した固定子中間体を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる固定子に用いられる固定子コアの軸方向の端面の模式図である。 本発明の実施の形態3に係わるコイル籠に内側コアを配置した状態を示す、軸方向の端面の模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる内側コアに収縮コイル籠を装着した状態を示す軸方向の端面の模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる単位コイルの正面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる固定子に用いられるコイル籠の斜視模式図である。 本発明の実施の形態4に係わるコイル籠に内側コアが配設された状態を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる収縮コイル籠を装着した内周コアを示す斜視模式図である。 図38の収縮コイル籠を装着した内側コアの、径方向と直交する断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる収縮コイル籠を形成する収縮単位コイルを示す正面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる固定子中間体を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態5に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる固定子に用いられるコイル籠に内側コアが配設された状態を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる単位コイルの正面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる固定子に用いられるコイル籠に内側コアが挿入された状態を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる収縮コイル籠を装着した内周コアを示す断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる収縮コイル籠を形成する収縮単位コイルを示す正面模式図である。 本発明の実施の形態7に係わる回転電機の側面断面模式図である。
以下、本発明に係る固定子および回転電機、並びに、固定子および回転電機の製造方法について、図を用いて説明する。
本発明における、周方向、径方向、軸方向、の各々は、特に指定しない限り、固定子における、周方向、径方向、軸方向、の各々を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる固定子の斜視模式図である。
図2は、図1の固定子のA−A断面模式図である。
図1と図2とに示すように、本実施の形態の固定子100は、円環状の固定子コア2と固定子コイル10とを備えている。
固定子コア2は、外周部であるバックヨーク22とバックヨーク22の内周面から径方向に突出しているティース21とで形成されており、各ティース21の間がスロット5となっている。
固定子コイル10は、複数の後述する単位コイル4で形成されており、U相とV相とW相との3相がY結線されている。
単位コイル4は、スロット5の内に挿入されてティース21に巻回されている。
単位コイル4は、軸方向において固定子コア2から露出している部分がある。固定子100において、単位コイル4の、第1端末線42aと第2端末線42bとを有する露出部の側を端末側とし、その反対側を反端末側としている。
本実施の形態では、スロット5およびティース21が、各々48個となっている固定子コア2を例示しているが、これに限るものではない。
図3は、本発明の実施の形態1に係わる単位コイルの正面模式図(a)と斜視模式図(b)とである。
図4は、本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの軸方向に対して垂直な断面の部分模式図である。
単位コイル4は、導体部と導体部の表面を被覆する絶縁皮膜とからなる1本の導線3を略六角形状に巻回して形成されている。すなわち、同芯巻きに形成されている。
また、図4に示すように、単位コイル4は、複数のティース21を跨いで2箇所のスロット5に配設されている。すなわち、本実施の形態の固定子コイル10は、分布巻コイルである。
単位コイル4は、2箇所のスロット5の各々に収納される部分であるスロット収納部と、スロット収納部間を繋ぐコイルエンド部と、各スロット収納部から延べ出た端末線とを備えている。
本実施の形態では、図3における、紙面左側に位置するスロット収納部を第1スロット収納部41aとし、紙面右側に位置する他方のスロット収納部を第2スロット収納部41bとしている。
また、図3に示すように、第1スロット収納部41aと第2スロット収納部41bとは、各々2本の導線3で形成されている。
すなわち、第1スロット収納部41aは、図3(a)において、内側に位置する第1スロット収納部内側導線41a1と、外側に位置する第1スロット収納部外側導線41a2とで構成されている。そして、第2スロット収納部41bは、図3(a)において、内側に位置する第2スロット収納部内側導線41b1と、外側に位置する第2スロット収納部外側導線41b2とで構成されている。
また、図3(b)に示すように、第1スロット収納部内側導線41a1は、第1スロット収納部外側導線41a2より径方向の内側に位置し、第2スロット収納部内側導線41b1は、第2スロット収納部外側導線41b2より径方向の内側に位置している。
固定子コア2において、第1スロット収納部41aが配設されるスロット5と第2スロット収納部41bが配設されるスロット5とは、径方向で所定数のティースを挿んで離れた位置に配置している。
本実施の形態では、1個の単位コイル4の、第2スロット収納部41bが配設されるスロット5は、第1スロット収納部41aが配設されるスロット5に対して、周方向の時計回り方向で所定数のティースを挿んで離れた位置にある。
図4に示すように、本実施の形態は、端末側から見た固定子コア2の、周方向左側のスロット5に第1スロット収納部41aが配設され、周方向右側のスロット5に第2スロット収納部41bが配設された場合である。
また、図4に示すように、第1スロット収納部41aが配設されたスロット5では、第1スロット収納部内側導線41a1は径方向の内側に配置されおり、第1スロット収納部外側導線41a2は径方向の外側に配置されている。
第2スロット収納部41bが配設されたスロット5では、第2スロット収納部内側導線41b1は径方向の内側に配置さており、第2スロット収納部外側導線41b2は径方向の外側に配置されている。
そして、図4に示すように、単位コイル4の各スロット収納部における導線の径方向の位置関係は、以下のようになっている。
径方向における、第2スロット収納部内側導線41b1の位置は、第1スロット収納部内側導線41a1の位置より、外側に導線3の1本分ずれている。
径方向における、第1スロット収納部外側導線41a2の位置は、第2スロット収納部内側導線41b1の位置より、外側に導線3の1本分ずれている。
径方向における、第2スロット収納部外側導線41b2の位置は、第1スロット収納部外側導線41a2の位置より、外側に導線3の1本分ずれている。
また、径方向における、第2スロット収納部外側導線41b2の位置は、第1スロット収納部内側導線41a1の位置より、外側に導線3の3本分ずれている。
また、第1スロット収納部内側導線41a1と第1スロット収納部外側導線41a2との間および第1スロット収納部外側導線41a2とバックヨーク22との間には、1本の導線3を挿入できる隙間がある。
そして、第2スロット収納部内側導線41b1と第2スロット収納部外側導線41b2との間にも、1本の導線3を挿入できる隙間がある。
また、図3に示すように、単位コイル4は、第1スロット収納部外側導線41a2から延べ出た第1端末線42aと、第2スロット収納部外側導線41b2から延べ出た第2端末線42bとを有している。
また、各端末線42a,42bがある側すなわち端末側に、第1スロット収納部内側導線41a1と第2スロット収納部内側導線41b1とを繋ぐコイルエンド部(端末側コイルエンド部と記す)42cが設けられている。
また、反端末側に、第1スロット収納部外側導線41a2と第2スロット収納部内側導線41b1とを繋ぐコイルエンド部(第1反端末側コイルエンド部と記す)43a、および、第1スロット収納部内側導線41a1と第2スロット収納部外側導線41b2とを繋ぐコイルエンド部(第2反端末側コイルエンド部と記す)43bが設けられている。
図5は、本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの端末側の端面の部分模式図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係わる1個の単位コイルが配設された固定子コアの反端末側の端面の部分模式図である。
図5に示すように、端末側コイルエンド部42cには、第2スロット収納部内側導線41b1の、第1スロット収納部内側導線41a1に対する導線3の1本分の径方向外側へのずれを調整するレーンチェンジ部42c1が設けられている。すなわち、レーンチェンジ部42c1は、導線3の1本分の幅を径方向でかわしている。
図6に示すように、第1反端末側コイルエンド部43aには、第1スロット収納部外側導線41a2の、第2スロット収納部内側導線41b1に対する導線3の1本分の径方向外側へのずれを調整するレーンチェンジ部43a1が設けられている。すなわち、レーンチェンジ部43a1は、導線3の1本分の幅を径方向でかわしている。
また、第2反端末側コイルエンド部43bには、第2スロット収納部外側導線41b2の、第1スロット収納部内側導線41a1に対する導線3の3本分の径方向外側へのずれを調整するレーンチェンジ部43b1が設けられている。すなわち、レーンチェンジ部43b1は、導線3の3本分の幅を径方向でかわしている。
また、第2反端末側コイルエンド部43bは、第1反端末側コイルエンド部43aより、軸方向の外側に配置されており、第1反端末側コイルエンド部43aと交差している。
また、第2端末線42bは、径方向の最外側の位置にある第2スロット収納部外側導線41b2から延び出しており、第1端末線42aは、径方向の最外側から導線3の1本分内側の位置にある第1スロット収納部外側導線41a2から延び出している。
本実施の形態では、第1端末線42aが第1スロット収納部外側導線41a2から延び出しており、第2端末線42bが第2スロット収納部外側導線41b2から延び出しており、端末側コイルエンド部42cが第1スロット収納部内側導線41a1と第2スロット収納部内側導線41b1とを繋いでいる。
しかし、第1端末線42aが第1スロット収納部内側導線41a1から延び出しており、第2端末線42bが第2スロット収納部内側導線41b1から延び出しており、端末側コイルエンド部42cが第1スロット収納部外側導線41a2と第2スロット収納部外側導線41b2とを繋いでいても良い。
本実施の形態では、単位コイル4は、第1スロット収納部41aと第2スロット収納部41bとを、各々2本の導線3で形成しているが、各スロット収納部を形成する導線は、各々、固定子コイルを形成できる範囲以下のn本であっても良い。ただし、nは2以上の整数ある。
この場合、単位コイルは、(n−1)本の端末側コイルエンド部と、(n−1)本の第1反端末側コイルエンド部と、1本の第2反端末側コイルエンド部とを備えている。
各端末側コイルエンド部と各第1反端末側コイルエンド部とには、導線の1本分の幅をかわすレーンチェンジ部が設けられている。すなわち、各端末側コイルエンド部と各第1反端末側コイルエンド部とは、径方向で導線1本分ずれている第1スロット収納部導線と第2スロット収納部導線とをつないでいる。
第2反端末側コイルエンド部には、導線の(2n−1)本分の幅をかわすレーンチェンジ部が設けられている。すなわち、第2反端末側コイルエンド部は、径方向で導線の(2n−1)本分ずれている第1スロット収納部導線と第2スロット収納部導線とをつないでいる。
また、第2反端末側コイルエンド部は、各第1反端末側コイルエンド部より、軸方向の外側に配置されており、(n−1)本の第1反端末側コイルエンド部43aと交差している。
第2端末線が、径方向の最外側の位置にある第2スロット収納部導線から延び出しており、第1端末線が、径方向の最外側の位置にある第2スロット収納部導線から径方向で導線3の1本分内側の位置にある第1スロット収納部導線から延び出している。
しかし、第1端末線が、径方向の最内側の位置にある第1スロット収納部導線から延び出し、第2端末線が、径方向の最内側の位置にある第1スロット収納部導線から径方向で導線3の1本分外側の位置にある第2スロット収納部導線から延び出していても良い。
端末線を延び出している両導線は、端末側コイルエンド部で繋がれていない。
また、第1端末線と第2端末線とは、径方向で導線の1本分ずれている。
次に、比較例として特許文献1に記載されている従来の単位コイルについて説明する。
図7は、従来の単位コイルの正面模式図である。
図7に示すように、従来の単位コイル104も、1本の導線を重ね巻きして形成されており、第1スロット収納部141aと、第2スロット収納部141bと、スロット収納部間を繋ぐコイルエンド部と、各スロット収納部から延べ出た端末線とを備えている。
第1スロット収納部141aは、図7の紙面前側の第1スロット収納部内側導線141a1と図7の紙面後側の第1スロット収納部外側導線141a2との2本の導線で形成されている。
第2スロット収納部141bは、図7の紙面前側の第2スロット収納部内側導線141b1と図7の紙面後側の第2スロット収納部外側導線141b2との2本の導線で形成されている。
コイルエンド部には、第1スロット収納部内側導線141a1と第2スロット収納部内側導線141b1とを繋ぐ第1反端末側コイルエンド部143aと、第2スロット収納部内側導線141b1と第1スロット収納部外側導線141a2とを繋ぐ端末側コイルエンド部142cと、第1スロット収納部外側導線141a2と第2スロット収納部外側導線141b2とを繋ぐ第2反端末側コイルエンド部143bとが有る。
端末側コイルエンド部142cには、導線3の1本分の幅を径方向でかわすレーンチェンジ部142c1が設けられている。第1反端末側コイルエンド部143aには、導線3の1本分の幅を径方向でかわすレーンチェンジ部143a1が設けられている。第2反端末側コイルエンド部143bには、導線3の1本分の幅を径方向でかわすレーンチェンジ部143b1が設けられている。
そして、径方向における、第2スロット収納部外側導線141b2の位置は、第1スロット収納部内側導線141a1の位置に対して、外側へ導線3の3本分ずれている。
端末線は、第1スロット収納部内側導線141a1から延べ出した第1端末線142aと、第2スロット収納部外側導線141b2から延べ出した第2端末線142bとが有る。すなわち、径方向において、第1端末線142aの位置と第2端末線142bとの位置は、導線3の3本分ずれている。
図8は、固定子コアに比較例の単位コイルを装着した固定子中間体の斜視模式図である。
図9は、図8の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。
図8と図9とに示す固定子中間体では、各端末線が他の単位コイルの端末線と接合されていない。
後述する比較例の固定子500では、一の単位コイル104の第1端末線142aが、反時計回りの周方向で、例えば5スロット挿んではなれた単位コイル104の第2端末線142bと接合されており、第2端末線142bが、時計回りの周方向で、例えば5スロット挿んではなれた単位コイル104の第1端末線142aと接合されている。
図8と図9とに示す固定子中間体500aは、単位コイル104の第1端末線142aと、この第1端末線142aに接合させる他の単位コイル104の第2端末線142bとが、径方向で対向した位置に配置されていない。
そこで、単位コイル104の第1端末線142aと他の単位コイル104の第2端末線142bとを接合するために、まず、単位コイル104の第1端末線142aを、図9の矢印Lで示す反時計回り方向に曲げる。この時、折り曲げられた第1端末線142aは、固定子コア2の内周面と略平行となる円弧状にする。
固定子コア2の内周面とは、回転電機とした場合に設置される回転子の外周面と対向する面である。
また、単位コイル104の第2端末線142bを、図9の矢印Rで示す時計回り方向に曲げる。この時、折り曲げられた第2端末線142bは、固定子コア2の内周面と略平行となる円弧状にする。
第1端末線142aの折り曲げおよび第2端末線142bの折り曲げは、全ての単位コイル104について、同時に行う。
図10は、比較例の単位コイルにおける、接合する第1端末線と第2端末線とを径方向で対向させた固定子中間体を示す斜視模式図である。
図11は、図10の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。
図10と図11とに示す固定子中間体500bは、単位コイル104の第1端末線142aと他の単位コイル104の第2端末線142bとが、径方向で対向した位置に配置されている。
しかし、第1端末線142aと他の単位コイル104の第2端末線142bとは、径方向で離れて配置されている。したがって、第1端末線142aと第2端末線142bとを接合するには、第1端末線142aおよび第2端末線142bの少なくとも一方の端末線を径方向に曲げて、端末線どうしを寄せ合わせる必要がある。
図12は、比較例の単位コイルにおける第1端末線を第2端末線に寄せ合わせた固定子中間体を示す部分斜視模式図である。
図13は、図12の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。
図14は、比較例の固定子を示す部分斜視模式図である。
図12と図13とに示す、比較例の単位コイルの、第1端末線142aを第2端末線142bに寄せ合わせた固定子中間体500cにおいて、寄せ合わせ部144aを溶接で接合して、図14に示す比較例の固定子500を得る。
図14では、溶接部144cを、第1端末線142aと第2端末線142bとの頂上部としているが、寄せ合わせ部144aの部分であれば、これに限定されない。
また、比較例の固定子500の固定子コイルは、第1端末線142aおよび第2端末線142bの少なくとも一方の端末線が、端末側コイルエンド部を跨いでいる。すなわち、固定子コイルに跨部144bがある。
次に、本実施の形態の固定子100における、単位コイルの装着と端末線の接続とについて説明する。
図15は、本発明の実施の形態1に係わる単位コイルの、固定子コアに装着される前の状態を示す模式図である。
まず、図15に示す、第1スロット収納部外側導線41a2から曲げられずに延在している第1端末線42aと、第2スロット収納部外側導線41b2から曲げられずに延在している第2端末線42bとを備えた単位コイル4を、固定子コア2に装着する。
図16は、本発明の実施の形態1に係わる、折り曲げられていない端末線を有する単位コイルが装着された固定子中間体の斜視模式図である。
図17は、図16の固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。
図16に示すように、複数の単位コイル4を、固定子コア2に装着する。この時、単位コイル4のスロット収納部の導線間に、他の単位コイル4のスロット収納部の導線を挿入する。
図16と図17とには、各端末線が他の単位コイルの端末線と接合されていない状態を示している。
本実施の形態の固定子100でも、一の単位コイル4の第1端末線42aが、反時計回りの周方向で、例えば5スロット挿んではなれた他の単位コイル4の第2端末線42bと接合され、第2端末線42bが、時計回りの周方向で、例えば5スロット挿んではなれた他の単位コイル4の第1端末線42aと接合される。
図16に示す、単位コイル4が装着された固定子中間体100aは、単位コイル4の第1端末線42aと接合する他の単位コイル4の第2端末線42bとが、径方向で対向した位置に配置されていない。
そこで、単位コイル4の第1端末線42aと他の単位コイル4の第2端末線42bとを接合するために、まず、単位コイル4の第1端末線42aを、図17に示す矢印Lで示す反時計回り方向に曲げる。この時、折り曲げられた第1端末線42aは、固定子コア2の内周面と略平行となる円弧状にしている。
また、単位コイル4の第2端末線42bを、図17に示す矢印Rで示す時計回り方向に曲げる。この時、折り曲げられた第2端末線42bは、固定子コア2の内周面と略平行となる円弧状にしている。
第1端末線42aの折り曲げおよび第2端末線42bの折り曲げは、全ての単位コイル4について、同時に行う。
図18は、本発明の実施の形態1に係わる単位コイルにおける、接合する第1端末線と第2端末線とを径方向で対向させた固定子中間体を示す斜視模式図である。
図19は、図18に示す固定子中間体を矢印Fで示す方向からみた部分端面模式図である。
図18と図19とに示す固定子中間体100bは、単位コイル4の第1端末線42aと接合する他の単位コイル4の第2端末線42bとが、径方向で対向した位置に配置されている。
しかも、第1端末線42aと接合する他の単位コイル4の第2端末線42bとが、径方向で接している。
そこで、第1端末線42aと他の単位コイル4の第2端末線42bとの、対向するとともに接している部分(接触部分と記す)44aを、溶接で接合して、本実施の形態の固定子100を得る。
図1に示すように、本実施の形態の固定子100では、溶接部44cを、第1端末線42aと第2端末線42bとの頂上部にしているが、第1端末線42aと第2端末線42bとの接触部分44aであれば、これに限定されない。
本実施の形態の固定子100は、第1端末線42aおよび第2端末線42bの少なくとも一方の端末線を径方向で曲げて、端末線どうしを寄せ合わせる必要がないので、コイルを形成する導線3の折り曲げ回数が少なく、固定子の製造工程数を低減でき、生産性が向上する。
また、導線3の折り曲げ回数が少ないので、導線3の絶縁被膜が損傷する頻度を低減でき、コイルのダメージが小さくなり、固定子の絶縁信頼性が優れている。
図20は、比較例の固定子の周方向と直交する断面を示す部分模式図である。
図21は、本発明の実施の形態1に係わる固定子の周方向と直交する断面を示す部分模式図である。
図20と図21とは、ともに、固定子における端末側を示している。
図20に示すように、比較例の固定子500では、第1端末線142aを折り曲げて第2端末線142bに寄せ合わせており、跨部144bが形成される。
すなわち、跨部144bがあるので、端末側コイルエンド部142cを溶接時に保護するカバーを設けることができない。
したがって、第1端末線142aと第2端末線142bとを溶接で接合する場合に、端末側コイルエンド部142cにスパッタが付着して、コイルの絶縁品質が悪化する可能性がある。
しかし、図21に示すように、本実施の形態の固定子100では、跨部がないので、端末側コイルエンド部42cをカバー8で覆った状態で溶接でき、端末側コイルエンド部42cにスパッタが付着するのを防止できる。
すなわち、溶接時のスパッタによる、コイルの絶縁品質が劣化するのを防止でき、信頼性が優れている。
また、本実施の形態の固定子では跨部がないので、跨部の分のコイルエンド高さを低くすることができる。
本実施の形態では、導線に丸線を用いたが、丸線に限ったものではなく、平角線であっても良い。
本実施の形態では、第2スロット収納部41bが配設されるスロット5は、第1スロット収納部41aが配設されるスロット5に対して、周方向の時計回り方向で所定数のティースを挿んで離れた位置にある。しかし、第2スロット収納部41bが配設されるスロット5は、第1スロット収納部41aが配設されるスロット5に対して、周方向の反時計回り方向で所定数のティースを挿んで離れた位置であっても良い。
すなわち、固定子コアにおける、周方向で所定数のティースを挿んで離れている、一方側の位置にあるスロット5に第1スロット収納部41aが収納され、他方側の位置にあるスロット5に、第2スロット収納部41bが収納されている。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係わる固定子は、コイル籠で形成される固定子コイルと固定子コイルに装着される固定子コアとを備えている。本実施の形態で用いられる単位コイルは形状が実施の形態1の単位コイル4と同様であり、1本の導線を巻回して形成している。
図22は、本発明の実施の形態2に係わる固定子における、コイル籠に固定子コアを装着した固定子中間体を示す斜視模式図である。
図22に示す、コイル籠206に固定子コア202を装着した固定子中間体200aでは、第1端末線42aと第2端末線42bとが、まだ、周方向に折り曲げられておらず、且つ溶接等により接合されていない。
また、図22に示すように、固定子コア202は、固定子コア構成体202aを周方向で連結して環状に配置することにより形成されている。
図23は、本発明の実施の形態2に係わる固定子に用いられる固定子コア構成体の、斜視模式図(a)と軸方向の端面の模式図(b)とである。
図23に示すように、本実施の形態の固定子コア構成体202aは、バックヨーク形成部222aと、バックヨーク形成部222aの内周面222cから突出する2個のティース221とを備えている。ティース221の先端部の側面には、例えば先端シューのような突出部は設けられておらず、ティース221の周方向の側面は平坦である。
そして、2個のティース221の間隙がスロット205となっている。
また、各ティース221における周方向の外側の端面(ティース周方向外側端面と記す)221bが、バックヨーク形成部222aにおける周方向の端面(バックヨーク形成部周方向端面と記す)222bより、周方向において内側になっている。
そして、各固定子コア構成体202aを、バックヨーク形成部周方向端面222bで接触させて接合するとともに、環状に配置して形成した固定子コア202では、隣接する固定子コア構成体202aのティース221における対向するティース周方向外側端面221bの間もスロット205となっている。
図24は、本発明の実施の形態2に係わる固定子に用いられるコイル籠の斜視模式図である。
図24に示すように、本実施の形態のコイル籠206は、複数の単位コイル4を、周方向に配設して形成されている。
コイル籠206は、詳細を後述するが、一方の単位コイル4のスロット収納部の導線の間に、隣接する他方の単位コイル4のスロット収納部の導線を挿入して、複数の単位コイル4を環状に配置して形成されている。
次に、コイル籠206の作製方法について説明する。
図25は、本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製に用いられる2個の単位コイルを示す正面模式図である。
図25では、コイル籠206の作製時に、スロット収納部の導線を挿入する方の単位コイル(挿入側単位コイルと記す)45aを紙面の左側に示しており、スロット収納部の導線間に導線が挿入される方の単位コイル(受入側単位コイルと記す)45bを紙面の右側に示している。
図26は、本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製時の、受入側単位コイルに挿入側単位コイルを重ねて配設する状態を説明する端末側上面模式図である。
図26に示すように、挿入側単位コイル45aの第2スロット収納部内側導線41b1を矢印Sで示す方向に回転しながら移動して、受入側単位コイルの45bの、第1スロット収納部内側導線41a1と第1スロット収納部外側導線41a2との間を通過させて、配設する。
同時に、挿入側単位コイル45aの第2スロット収納部外側導線41b2を矢印Sで示す方向に回転しながら移動して、受入側単位コイルの45bの第1スロット収納部外側導線41a2の径方向の外側を横切って、配設する。
すなわち、挿入側単位コイル45aと受入側単位コイル45bとが、周方向にずらして重ねられる。
図27は、本発明の実施の形態2に係わるコイル籠の作製時の、受入側単位コイルに挿入側単位コイルを配設した状態を説明する、正面模式図(a)と端末側上面模式図(b)とである。
図27に示すように、重なっている挿入側単位コイル45aと受入側単位コイル45bとは、挿入側単位コイル45aの第1スロット収納部41aが、受入側単位コイル45bの第1スロット収納部41aに対して、反時計回りの周方向でスロット205の1個分ずれており、挿入側単位コイル45aの第2スロット収納部41bが、受入側単位コイル45bの第2スロット収納部41bに対して、反時計回りの周方向でスロット205の1個分ずれている。
このようにして、単位コイルをずらせて重ね合わせながら、環状に配置することにより、コイル籠206が形成される。
本実施の形態では、スロット数が48個であるので、スロットの1個分のずれ量は、中心と、単位コイルと重なった単位コイルのとの同様な位置とを結ぶ2辺のなす角度が7.5度になる状態である。
当然、スロット数が異なれば、スロットの1個分のずれ量も異なっており、7.5度に限定されない。
次に、コイル籠206に、固定子コア構成体202aを組み付けて、固定子を作製する方法について説明する。
図28は、本発明の実施の形態2に係わるコイル籠に固定子コア構成体を組み付ける状態を説明する、斜視模式図である。
図29は、図28のコイル籠のB−B断面模式図である。
図28と図29とに示すように、コイル籠206への固定子コア構成体202aの組み付けは、まず、コイル籠206を形成する複数の単位コイル4のスロット収納部の間に、固定子コア構成体202aのティース221を挿入する。コイル籠206へティース221の挿入は、固定子コア構成体202aを、コイル籠206の外周側から矢印Pで示す方向に押して、径方向の内側へ移動させて行う。
次に、同様にして、全ての固定子コア構成体202aをコイル籠206に取り付けて、図22に示す固定子中間体200aを作製する。
固定子中間体200aでは、全てのスロット収納部が、スロット205に収納される。
コイル籠206に取り付けられており且つバックヨーク形成部周方向端面222bを接して円環状に配置した各固定子コア構成体202aは、各バックヨーク形成部222aを、溶接等で接合し一体化する。この一体化したバックヨーク形成部222aの部分が、固定子コア202のバックヨークとなり、固定子コア202が形成される。
次に、実施の形態1と同様にして、単位コイル4の、第1端末線42aと第2端末線42bとを折り曲げる。そして、単位コイル4の第1端末線42aと他の単位コイル4の第2端末線42bとを、径方向で対向させるとともに接した状態にする。
次に、対向するとともに接している、第1端末線42aと他の単位コイル4の第2端末線42bとを、溶接等により接合して、固定子コイルを完成させて、固定子が作製される。
本実施の形態の固定子も、単位コイル4の、第1端末線42aと第2端末線42bとが、径方向で導線1本分ずれた状態で配置されているので、単位コイル4の第1端末線42aと他の単位コイル4の第2端末線42bとを、跨部を設けることなく径方向で対向させるとともに接した状態にすることができ、実施の形態1の固定子と同様の効果を有する。
また、固定子コア構成体202aをコイル籠206に径方向の外周方向から挿し込んで固定子が作製されるので、固定子コイルへの固定子コアの装着が容易となり、生産性が向上する。
また、固定子コア構成体202aをコイル籠206へ挿入する時に、固定子コイルにかかる荷重が小さいので、単位コイル4の絶縁性の低下を防止できる。
本実施の形態では、固定子コア構成体に2個のティースが設けられているが、ティースの数は2個に限定されない。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係わる固定子は、固定子コイルと固定子コイルを装着する固定子コアとを備えている。
本実施の形態で用いられる、単位コイルは、形状が実施の形態1の単位コイル4と同様であり、1本の導線を巻回して形成している。
固定子コイルを形成するコイル籠は、実施の形態2のコイル籠206と同様である。
図30は、本発明の実施の形態3に係わる固定子における、固定子コアに収縮コイル籠を装着した固定子中間体を示す斜視模式図である。
図30に示す、固定子コア302に収縮コイル籠306aを装着した固定子中間体300aは、第1端末線342aと第2端末線342bとが、まだ、周方向に折り曲げられておらず、且つ溶接等により接合されていない。
図30に示す固定子コア302は、径方向の内側にある内側コア302aと、内側コア302aとは別体であり且つ径方向の外側にある外側コア302bとで形成されている。そして、外側コア302bは固定子コア302のバックヨークになっている。
図31は、本発明の実施の形態3に係わる固定子に用いられる固定子コアの軸方向の端面の模式図である。
図31に示すように、内側コア302aは、複数のティース321と複数の連結部321aとで形成されている。
複数のティース321は、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている。連結部321aは、隣接するティース321における径方向の内側の先端部どうしを結んでいる。そして、複数のティース321の径方向の内側の先端部と複数の連結部321aとで環状体を形成している。
また、隣接するティース321の間が、スロット305となっている。
また、固定子コア302のバックヨークとなる外側コア302bは、円筒状である。そして、外側コア302bの内周面が、内側コア302aのティース321における径方向外側の端部を固定している。
本実施の形態の固定子の製造方法について説明する。
図32は、本発明の実施の形態3に係わるコイル籠に内側コアを配置した状態を示す、軸方向の端面の模式図である。
まず、実施の形態2と同様な操作により、コイル籠306を作製する。
ただし、用いられる単位コイルの、端末側のコイルエンド部の周方向の幅および反端末側のコイルエンド部の周方向の幅が大きくなっており、コイル籠306は、その内径が内側コア302aの外径Dより大きくなっている。
次に、図32に示すように、コイル籠306の内周側に、内側コア302aを設置する。
次に、図32に示すように、コイル籠306を矢印Qで示す外周部から締め付けて、単位コイルが、端末側および反端末側のコイルエンド部の折り曲げ角度を小さくして、コイルエンド部における周方向の幅が縮まった収縮単位コイルとなる。
すなわち、コイル籠306を収縮させてその内径を小さくするとともに、各単位コイルのスロット収納部の間にティース321を挿入することにより、収縮させたコイル籠(収縮コイル籠と記す)306aを、内側コア302aに装着する。
図33は、本発明の実施の形態3に係わる内側コアに収縮コイル籠を装着した状態を示す軸方向の端面の模式図である。
内側コア302aに装着された収縮コイル籠306aは、スロット305に全てのスロット収納部が収納されている。
次に、収縮コイル籠306aが装着された内側コア302aを、外側コア302bに圧入して、図30に示す固定子中間体300aを作製する。
次に、実施の形態1と同様にして、収縮単位コイルの、第1端末線342aと第2端末線342bとを折り曲げる。そして、収縮単位コイルの第1端末線342aと接合する他の収縮単位コイルの第2端末線342bとを、径方向で対向させるとともに接した状態にする。
次に、対向するとともに接している、第1端末線342aと他の収縮単位コイルの第2端末線342bとを、溶接等により接合して固定子コイルを完成させて、固定子が作製される。
本実施の形態の固定子は、設置された単位コイルの第1端末線342aと第2端末線342bとが、径方向で導線1本分ずれた状態で配置されているので、設置された単位コイルの第1端末線342aと他の設置された単位コイルの第2端末線342bとを、跨部を設けることなく径方向で対向させるとともに接した状態にすることができ、実施の形態1の固定子と同様の効果を有する。
また、本実施の形態の固定子に用いられる固定子コア302が、ティース321における径方向の内側の先端部を連結部321aで連結しているので、固定子コアの内周の形状精度が優れている。それ故、本実施の形態の固定子を用いた回転電機は、コギングトルクおよびトルクリップルが少なくなる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係わる固定子も、固定子コイルと固定子コイルを装着する固定子コアとを備えている。本実施の形態で用いられる、固定子コアは、実施の形態3の固定子コア302と同様である。
しかし、単位コイルの形状およびコイル籠の形状が、実施の形態3とは異なっている。ただし、単位コイルにおける、スロット収納部の導線数と、各コイルエンド部の数と、レーンチェンジ部がかわす幅とは、実施の形態3と同様である。
単位コイルは、1本の導線を巻回して、形成している。
図34は、本発明の実施の形態4に係わる単位コイルの正面模式図である。
図34に示すように、本実施の形態の単位コイル404は、端末側コイルエンド部442cの周方向の幅(端末側コイルエンド部の幅と記す)E1が、第1反端末側コイルエンド部443aおよび第2反端末側コイルエンド部443bの周方向の幅(反端末側コイルエンド部の幅と記す)E2より広くなっている。
本実施の形態の単位コイル404には、端末側コイルエンド部442cにレーンチェンジ部442c1が設けられており、第1反端末側コイルエンド部443aにレーンチェンジ部443a1が設けられており、第2反端末側コイルエンド部443bにレーンチェンジ部443b1が設けられている。
また、第1スロット収納部441aは、第1スロット収納部内側導線441a1と第1スロット収納部外側導線441a2とで構成されている。
また、第2スロット収納部441bは、第2スロット収納部内側導線441b1と第2スロット収納部外側導線441b2とで構成されている。
図35は、本発明の実施の形態4に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。
図35に示すように、単位コイル404は、第1,第2スロット収納部441a,441bの延長線に対して、第1,第2端末線442a,442bおよび端末側コイルエンド部442cが、矢印Mで示すコイル籠の径方向における内側に曲がっている。
また、第1,第2スロット収納部441a,441bの延長線に対して、第1,第2反端末側コイルエンド部443a,443bが、矢印Nで示すコイル籠の径方向における外側に曲がっている。
後述するコイル籠406を形成している単位コイル404は、コイル籠406の中心軸Xとスロット収納部の端末側の端部との距離T1が、コイル籠406の中心軸Xとスロット収納部の反端末側の端部との距離T2より大きくなっている。
すなわち、本実施の形態のコイル籠406を形成している単位コイル404は、各スロット収納部441a,441bが傾いている。
本実施の形態の固定子の製造方法について説明する。
本実施の形態のコイル籠406は実施の形態2のコイル籠206と同様な方法で作製される。
すなわち、受入側の単位コイル404における第1スロット収納部441aの導線間に、挿入側の単位コイル404における第2スロット収納部441bの導線を通過させることにより、単位コイル404どうしを周方向でずらして重ねあわせる。そして、全ての単位コイル404を、周方向でずらして重ねあわせて環状の配置することにより、コイル籠406が作製される。
図36は、本発明の実施の形態4に係わる固定子に用いられるコイル籠の斜視模式図である。
図36に示すように、本実施の形態のコイル籠406は、端末側の内径が反端末側の内径より大きくなっている。
そして、コイル籠406の端末側の内径は、図32に示す内側コア302aの外径Dより大きくなっている。コイル籠406の反端末側の内径は、図31に示す内側コア302aにおける対向するスロット305の底部間の直径(スロット間直径と記す)Gより大きくなっている。コイル籠406の端末側の内径と内側コア302aの外径Dとの差およびコイル籠406の反端末側の内径とスロット間直径Gとの差は、小さいのが好ましい。
次に、内側コア302aへコイル籠406を装着する。
図37は、本発明の実施の形態4に係わるコイル籠に内側コアが配設された状態を示す断面模式図である。
図38は、本発明の実施の形態4に係わる収縮コイル籠を装着した内側コアを示す斜視模式図である。
図39は、図38の収縮コイル籠を装着した内側コアの、径方向と直交する断面を示す模式図である。
内側コア302aへのコイル籠406の装着は、まず、コイル籠406の端末側から内側コア302aを挿入する。そして、図37に示すように、コイル籠406に矢印Qで示す外周側から力を加える。
この時、コイル籠406のスロット収納部間の間隙に、内側コア302aのティース321が挿入されるとともに、コイル籠406が収縮して、スロット305に全てのスロット収納部が収納される。
そして、図38と図39とに示すように、収縮コイル籠406aが内側コア302aに装着された状態となる。
図40は、本発明の実施の形態4に係わる収縮コイル籠を形成する収縮単位コイルを示す正面模式図である。
単位コイル404は、コイル籠406が内側コア302aに装着される過程で、端末側コイルエンド部442cの周方向の幅が狭められる。
そして、図40に示すように、単位コイル404は、端末側コイルエンド部442cの周方向の幅が、反端末側コイルエンド部の周方向の幅E2とほぼ同じである収縮単位コイル404aになる。
次に、収縮コイル籠406aが装着された内側コア302aを、外側コア302bに圧入して、固定子中間体400aを作製する。
図41は、本発明の実施の形態4に係わる固定子中間体を示す斜視模式図である。
次に、実施の形態3と同様にして、収縮単位コイル404aの、第1端末線442aと第2端末線442bとを折り曲げる。そして、収縮単位コイル404aの第1端末線442aと接合する他の収縮単位コイル404aの第2端末線442bとを、径方向で対向させるとともに接した状態にする。
次に、対向するとともに接している、第1端末線442aと他の収縮単位コイル404aの第2端末線442bとを、溶接等により接合して固定子コイルを完成させて、固定子が作製される。
本実施の形態の固定子も、設置された単位コイルの第1端末線442aと第2端末線442bとが、径方向で導線1本分ずれた状態で配置されているので、設置された単位コイルの第1端末線442aと他の設置された単位コイルの第2端末線442bとを、跨部を設けることなく径方向で対向させるとともに接した状態にすることができ、実施の形態1の固定子と同様の効果を有する。
また、固定子コアが実施の形態3のものと同様であるので、固定子コアの内周の形状精度が優れており、本実施の形態の固定子を用いた回転電機も、コギングトルクおよびトルクリップルが少なくなる。
また、本実施の形態の固定子は、作製時に、単位コイル404の端末側コイルエンド部が変形するが、反端末側コイルエンド部は変形しないので、単位コイルに加わる力が小さく、コイルの絶縁信頼性が優れている。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係わる固定子は、コイル籠を形成する単位コイルの形状が異なる以外、実施の形態4の固定子と同様である。
図42は、本発明の実施の形態5に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。
図43は、本発明の実施の形態5に係わる固定子に用いられるコイル籠に内側コアが配設された状態を示す断面模式図である。
図43における内側コア302aは、コイル籠506へ端末側から挿入して配設されている。
図42に示す、コイル籠506に用いられている単位コイル504は、第1,第2端末線542a,542bおよび端末側コイルエンド部542c、並びに、第1,第2反端末側コイルエンド部543a,543bが、第1,第2スロット収納部541a,541bの延長線に対して、コイル籠の径方向に曲がっていない以外、単位コイル404と同様である。
そして、第1スロット収納部541aは、第1スロット収納部内側導線541a1と第1スロット収納部外側導線541a2とで構成されている。
また、第2スロット収納部541bは、第2スロット収納部内側導線541b1と第2スロット収納部外側導線541b2とで構成されている。
本実施の形態の固定子の製造における、収縮コイル籠を形成して内側コア302aに装着する工程と、収縮コイル籠が装着された内側コア302aを外側コア302bに圧入して固定子中間体を作製する工程と、第1端末線542aと接合する他の収縮単位コイルの第2端末線542bとを接合する工程とは、実施の形態4の固定子の製造と同様である。
したがって、本実施の形態のコイル籠506を用いた固定子は、コイル籠406を用いた固定子と同様な効果を有する。
また、第1,第2端末線542a,542bおよび端末側コイルエンド部542c、並びに、第1,第2反端末側コイルエンド部543a,543bが、コイル籠の径方向に曲がっていないので、単位コイルの折り曲げられる部分が少なくなり、単位コイルの製造工程数を低減でき、生産性が、さらに向上する。また、導線3の絶縁被膜が損傷する頻度をより低減できるので、コイルのダメージが小さくなり、固定子の絶縁信頼性がさらに向上する。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係わる固定子も、固定子コイルと固定子コイルを装着する固定子コアとを備えている。本実施の形態で用いられる固定子コアは、実施の形態3の固定子コア302と同様である。
しかし、単位コイルの形状およびコイル籠の形状が、実施の形態4とは異なっている。ただし、単位コイルにおける、スロット収納部の導線数と、各コイルエンド部の数と、レーンチェンジ部がかわす幅とは、実施の形態4と同様である。
単位コイルは、1本の導線を巻回して、形成している。
図44は、本発明の実施の形態6に係わる単位コイルの正面模式図である。
図44に示すように、本実施の形態の単位コイル604は、第1反端末側コイルエンド部643aおよび第2反端末側コイルエンド部643bの周方向の幅(反端末側コイルエンド部の幅と記す)E4が、端末側コイルエンド部642cの周方向の幅(端末側コイルエンド部の幅と記す)E3より、広くなっている。
本実施の形態の単位コイル604には、端末側コイルエンド部642cにレーンチェンジ部642c1が設けられており、第1反端末側コイルエンド部643aにレーンチェンジ部643a1が設けられており、第2反端末側コイルエンド部643bにレーンチェンジ部643b1が設けられている。
また、第1スロット収納部641aは、第1スロット収納部内側導線641a1と第1スロット収納部外側導線641a2とで構成されている。
また、第2スロット収納部641bは、第2スロット収納部内側導線641b1と第2スロット収納部外側導線641b2とで構成されている。
図45は、本発明の実施の形態6に係わるコイル籠を形成している1個の単位コイルの側面模式図である。
図45に示すように、後述するコイル籠606に用いられている単位コイル604は、第1,第2スロット収納部641a,641bの延長線に対して、第1,第2端末線642a,642bおよび端末側コイルエンド部642c、並びに、第1,第2反端末側コイルエンド部643a,643bが、コイル籠606の径方向に曲がっていない。
そして、コイル籠606を形成している単位コイル604は、コイル籠606の中心軸Xとスロット収納部の反端末側の端部との距離T4が、コイル籠606の中心軸Xとスロット収納部の端末側の端部との距離T3より大きくなっている。
すなわち、コイル籠606を形成している単位コイル604の各スロット収納部641a,641bは、傾いている。
本実施の形態の固定子の製造方法について説明する。
本実施の形態のコイル籠606は実施の形態2のコイル籠206と同様な方法で作製される。
すなわち、受入側の単位コイル604における第1スロット収納部641aの導線間に、挿入側の単位コイル604における第2スロット収納部641bの導線を通過させることにより、単位コイル604どうしを周方向でずらして重ねあわせる。そして、全ての単位コイル604を、周方向でずらして重ねあわせて環状の配置することにより、コイル籠606が作製される。
次に、内側コア302aへコイル籠606を装着する。
図46は、本発明の実施の形態6に係わる固定子に用いられるコイル籠に内側コアが挿入された状態を示す断面模式図である。
図47は、本発明の実施の形態6に係わる収縮コイル籠を装着した内周コアを示す断面模式図である。
図46に示すように、本実施の形態のコイル籠606は、反端末側の内径が端末側の内径より大きくなっている。
そして、コイル籠606の反端末側の内径は、図32に示す内側コア302aの外径Dより大きくなっている。
コイル籠606の端末側の内径は、図31に示す内側コア302スロット間直径Gより大きくなっている。
コイル籠606の反端末側の内径と内側コア302aの外径Dとの差およびコイル籠606の端末側の内径とスロット間直径Gとの差は、小さいのが好ましい。
内側コア302aへのコイル籠606の装着は、まず、コイル籠606の反端末側から内側コア302aを挿入して、図46に示す、コイル籠606に内側コア302aが挿入された状態にする。
次に、コイル籠606に矢印Qで示す外周側から力を加える。すると、コイル籠606のスロット収納部間の間隙に、内側コア302aのティース321が挿入されるとともに、コイル籠606が収縮して、スロット305に全てのスロット収納部が収納される。
そして、図47に示すように、収縮コイル籠606aが内側コア302aに装着された状態となる。
図48は、本発明の実施の形態6に係わる収縮コイル籠を形成する収縮単位コイルを示す正面模式図である。
単位コイル604は、コイル籠606が内側コア302aに装着される過程で、第1,第2反端末側コイルエンド部643a,643bの周方向の幅が狭められる。
そして、図48に示す、反端末側コイルエンド部の周方向の幅が、端末側コイルエンド部の周方向の幅E3と同じである収縮単位コイル604aになる。
次に、収縮コイル籠606aが装着された内側コア302aを、外側コア302b(図示せず)に圧入して、固定子中間体(図示せず)を作製する。
次に、実施の形態4と同様にして、収縮単位コイル604aの、第1端末線642aと第2端末線642bとを折り曲げる。そして、収縮単位コイル604aの第1端末線642aと接合する他の収縮単位コイル604aの第2端末線642bとを、径方向で対向させるとともに接した状態にする。
次に、対向するとともに接している、第1端末線642aと他の収縮単位コイル604aの第2端末線642bとを、溶接等により接合して固定子コイルを完成させて、固定子が作製される。
本実施の形態の固定子も、設置された単位コイルの第1端末線642aと第2端末線642bとが、径方向で導線1本分ずれた状態で配置されているので、設置された単位コイルの第1端末線642aと他の設置された単位コイルの第2端末線642bとを、跨部を設けることなく径方向で対向させるとともに接した状態にすることができ、実施の形態4の固定子と同様の効果を有する。
また、固定子コアが実施の形態3のものと同様であるので、固定子コアの内周の形状精度が優れており、本実施の形態の固定子を用いた回転電機も、コギングトルクおよびトルクリップルが少なくなる。
また、本実施の形態の固定子は、作製時に、単位コイル604の反端末側コイルエンド部が変形するが、端末側コイルエンド部は変形しないので、単位コイルに加わる力が小さく、コイルの絶縁信頼性が優れている。
本実施の形態の単位コイル604は、第1,第2端末線642a,642bおよび端末側コイルエンド部642cが、第1,第2スロット収納部641a,641bの延長線に対してコイル籠の径方向における外側に曲がっており、第1,第2反端末側コイルエンド部643a,643bを、第1,第2スロット収納部641a,641bの延長線に対してコイル籠の径方向における内側に曲がっていても良い。
実施の形態7.
図49は、本発明の実施の形態7に係わる回転電機の側面断面模式図である。
図49に示すように、本実施の形態の回転電機700は、実施の形態1の固定子100と、固定子100の内周側に所定の間隙を設けて配設された回転子61と、回転子61の中心を軸方向に挿通するともに、回転子61を固定する回転軸62とを備えている。
回転軸62は、ハウジング60に設けられた軸受63で回転自在に保持されている。
そして、本実施の形態の回転電機700に用いられる固定子は、実施の形態2から実施の形態6のいずれかの固定子であっても良い。
本実施の形態の回転電機700は、固定子が実施の形態1から実施の形態6のいずれかの固定子であるので、絶縁信頼性と生産性に優れている。
次に、本実施の形態の回転電機700の製造方法について説明する。
本実施の形態の回転電機の製造方法は、実施の形態1に記載の方法で固定子100を作製する工程と、作製された固定子100の内周側の空間部に、回転軸62に、例えば焼きばめ等で固定した回転子61を、軸方向から挿入する工程とを備えている。
本実施の形態の回転電機700の製造方法では、実施の形態1に記載の方法で固定子を作製しているが、実施の形態2から実施の形態6のいずれかに記載の方法で固定子を作製しても良い。
本実施の形態の回転電機の製造方法は、実施の形態1から実施の形態6のいずれかに記載の方法で固定子を作製するので、絶縁信頼性と生産性に優れた回転電機を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本発明の固定子およびこの固定子を用いた回転電機は、絶縁信頼性と生産性に優れているので、低コストと高信頼性とが要求される産業用機器に用いることができる。

Claims (15)

  1. 周方向に配置された複数のティースおよび複数のスロットを有する固定子コアと、上記固定子コアに配設した分布巻の固定子コイルとを備えた固定子であって、
    上記固定子コイルは、1本の導線を巻回して形成された単位コイルを周方向にずらして複数個配設して構成されており、
    上記単位コイルは、第1スロット収納部と、第2スロット収納部と、上記第1スロット収納部から延べ出す第1端末線と、上記第2スロット収納部から延べ出す第2端末線と、上記第1端末線と第2端末線とがある側の端末側で、上記第1スロット収納部と上記第2スロット収納部とを繋ぐ端末側コイルエンド部と、軸方向における上記端末側の反対側である反端末側で、上記第1スロット収納部と上記第2スロット収納部とを繋ぐ反端末側コイルエンド部とを有しており、
    上記第1スロット収納部は、周方向で所定数の上記ティースを挿んで離れている一方側の位置にある上記スロットに収納されており、上記第2スロット収納部は、周方向で所定数の上記ティースを挿んで離れている他方側の位置にある上記スロットに収納されており、
    上記第1スロット収納部と上記第2スロット収納部とは、各々n本(nは2以上の整数)の上記導線で形成されており、
    上記端末側コイルエンド部は、(n−1)本の上記導線で形成されており、
    上記反端末側コイルエンド部は、第1反端末側コイルエンド部と第2反端末側コイルエンド部とで形成されており、上記第1反端末側コイルエンド部は、(n−1)本の上記導線で形成されており、上記第2反端末側コイルエンド部は、1本の上記導線で形成されており、
    上記第1スロット収納部の上記各導線および上記第2スロット収納部の上記各導線は、各々径方向で上記導線の1本分の隙間が設けられており、
    上記端末側コイルエンド部の上記(n−1)本の導線と上記第1反端末側コイルエンド部の上記(n−1)本の導線との各々は、径方向で上記導線の1本分ずれている、上記第1スロット収納部の導線と上記第2スロット収納部の導線とを繋いでおり、
    上記第2反端末側コイルエンド部の上記1本の導線は、径方向で上記導線の(2n−1)本分ずれている、上記第1スロット収納部の導線と上記第2スロット収納部の導線とを繋いでおり、
    上記第1端末線と上記第2端末線とは、径方向で導線1本分ずれており、
    異なる上記単位コイルの、上記第1端末線と上記第2端末線とが接合している、
    固定子。
  2. 上記第1スロット収納部と上記第2スロット収納部とを形成する上記各導線の本数nが、2以上で、上記スロットに収納される範囲の数以下である請求項1に記載の固定子。
  3. 上記固定子コアが、バックヨーク形成部と上記バックヨーク形成部の内周面から突出するティースとを有する固定子コア構成体を、環状に配置して形成されており、
    上記固定子コイルが、複数の上記単位コイルを周方向に配設して形成されたコイル籠であり、
    上記コイル籠が、一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを周方向でずらして重ねることにより、形成されており、
    上記ティースを、上記コイル籠に外周側から挿入して、上記ティースの間に形成された上記スロットに、全ての上記スロット収納部が収納されている請求項1に記載の固定子。
  4. 上記固定子コアが、径方向の内側にある内側コアと、上記内側コアとは別体であり且つ径方向の外側にある外側コアとで形成されており、
    上記内側コアが、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数の上記ティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されており、上記ティースの先端部と上記連結部とで環状体を形成しており、隣接する上記ティースの間が、上記スロットとなっており、
    上記外側コアが、円筒状であり、上記外側コアの内周面が上記内側コアにおける上記ティースの径方向外側の端部を固定しており、
    上記固定子コイルは、複数の上記単位コイルを周方向に配設して形成されたコイル籠を、径方向で収縮させた収縮コイル籠であり、
    上記コイル籠は、一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、形成されており、
    上記収縮コイル籠が上記内側コアに装着されて、上記スロットに全ての上記スロット収納部が収納されており、
    上記外側コアに、上記収縮コイル籠を装着した上記内側コアが取り付けられている請求項1に記載の固定子。
  5. 上記固定子コアが、径方向の内側にある内側コアと、上記内側コアとは別体であり且つ径方向の外側にある外側コアとで形成されており、
    上記内側コアが、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数の上記ティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されており、上記ティースの先端部と上記連結部とで環状体を形成しており、隣接する上記ティースの間が、上記スロットとなっており、
    上記外側コアが、円筒状であり、上記外側コアの内周面が上記内側コアにおける上記ティースの径方向外側の端部を固定しており、
    上記固定子コイルが、複数の上記単位コイルを周方向に配設して形成されたコイル籠を、径方向で収縮させた収縮コイル籠であり、
    上記コイル籠が、一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、形成されており、且つ上記端末側の直径が上記反端末側の直径より大きくなっており、
    上記単位コイルは、上記端末側コイルエンド部の周方向の幅が上記反端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっており、
    上記収縮コイル籠が上記内側コアに装着されて、上記スロットに全ての上記スロット収納部が収納されており、
    上記外側コアに、上記収縮コイル籠を装着した上記内側コアが取り付けられている請求項1に記載の固定子。
  6. 上記単位コイルが、上記第1スロット収納部の延長線および上記第2スロット収納部の延長線に対して、上記第1端末線と上記第2端末線と上記端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向における内側に曲がっており、上記第1反端末側コイルエンド部と上記第2反端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向における外側に曲がっている請求項5に記載の固定子。
  7. 上記単位コイルが、上記第1スロット収納部の延長線および上記第2スロット収納部の延長線に対して、上記第1端末線と上記第2端末線と上記端末側コイルエンド部と上記第1反端末側コイルエンド部と上記第2反端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向に曲がっていない請求項5に記載の固定子。
  8. 上記固定子コアが、径方向の内側にある内側コアと、上記内側コアとは別体であり且つ径方向の外側にある外側コアとで形成されており、
    上記内側コアが、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数の上記ティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されており、上記ティースの先端部と上記連結部とで環状体を形成しており、隣接する上記ティースの間が、上記スロットとなっており、
    上記外側コアが、円筒状であり、上記外側コアの内周面が上記内側コアにおける上記ティースの径方向外側の端部を固定しており、
    上記固定子コイルが、複数の上記単位コイルを周方向に配設して形成されたコイル籠を、径方向で収縮させた収縮コイル籠であり、
    上記コイル籠が、一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、形成されており、且つ上記反端末側の直径が上記端末側の直径より大きくなっており、
    上記単位コイルは、上記反端末側コイルエンド部の周方向の幅が上記端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっており、
    上記収縮コイル籠は、上記内側コアに装着されて、上記スロットに全ての上記スロット収納部が収納されており、
    上記外側コアに、上記収縮コイル籠を装着した上記内側コアが取り付けられている請求項1に記載の固定子。
  9. 上記単位コイルが、上記第1スロット収納部の延長線および上記第2スロット収納部の延長線に対して、上記第1端末線と上記第2端末線と上記端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向における外側に曲がっており、上記第1反端末側コイルエンド部と上記第2反端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向における内側に曲がっている請求項8に記載の固定子。
  10. 上記単位コイルが、上記第1スロット収納部の延長線および上記第2スロット収納部の延長線に対して、上記第1端末線と上記第2端末線と上記端末側コイルエンド部と上記第1反端末側コイルエンド部と上記第2反端末側コイルエンド部とが、上記コイル籠の径方向に曲がっていない請求項8に記載の固定子。
  11. 固定子と、上記固定子の内周側に所定の間隙を設けて配設された回転子と、上記回転子の中心を軸方向に挿通するとともに、上記回転子を固定する回転軸とを備えており、上記回転軸が、ハウジングに設けられた軸受で回転自在に保持されている回転電機であって、
    上記固定子が、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の固定子である回転電機。
  12. 1本の導線を巻回して、第1スロット収納部と第2スロット収納部とを、各々n本の導線で形成している単位コイルを作製する工程と、
    一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の上記単位コイルを周方向に配設してコイル籠を形成する工程と、
    上記コイル籠の内側に、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを配置する工程と、
    内側に上記内側コアが配置された上記コイル籠を外周部から締め付けて、上記コイル籠の内径を小さくするとともに、上記ティースの間のスロットに全ての上記スロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、
    内径を小さくした収縮コイル籠を装着した上記内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えた固定子の製造方法。
  13. 1本の導線を巻回して、第1スロット収納部と第2スロット収納部とが、各々n本の導線で形成しており且つ端末側コイルエンド部の周方向の幅が反端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっている単位コイルを作製する工程と、
    一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の上記単位コイルを周方向に配設して、端末側の内径が反端末側の内径より大きなコイル籠を形成する工程と、
    上記コイル籠の上記端末側から、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを挿入する工程と、
    上記内側コアが挿入された上記コイル籠に、外周側から力を加えて、上記コイル籠の上記端末側の内径と上記反端末側の内径とを等しくして、上記ティースの間のスロットに全ての上記スロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、
    上記コイル籠の端末側の内径を小さくした収縮コイル籠を装着した上記内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えた固定子の製造方法。
  14. 1本の導線を巻回して、第1スロット収納部と第2スロット収納部とが、各々n本の導線で形成しており且つ反端末側コイルエンド部の周方向の幅が端末側コイルエンド部の周方向の幅より広くなっている単位コイルを作製する工程と、
    一方の上記単位コイルの上記第1スロット収納部の導線の間に、他方の上記単位コイルの上記第2スロット収納部の導線を通過させて、上記他方の単位コイルと上記一方の単位コイルとを、周方向でずらして重ねることにより、複数の上記単位コイルを周方向に配設して、反端末側の内径が端末側の内径より大きなコイル籠を形成する工程と、
    上記コイル籠の上記反端末側から、周方向で一定の間隔を設けて放射状に配置されている複数のティースと、隣接する上記ティースにおける径方向の内側の先端部どうしを結ぶ連結部とで形成されている内側コアを挿入する工程と、
    上記内側コアが挿入された上記コイル籠に、外周側から力を加えて、上記コイル籠の上記反端末側の内径と上記端末側の内径とを等しくして、上記ティースの間のスロットに全ての上記スロット収納部を収納する、コイル籠収縮工程と、
    上記コイル籠の反端末側の内径を小さくした収縮コイル籠を装着した上記内側コアを、外側コアに圧入する工程と、を備えた固定子の製造方法。
  15. 請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の方法で固定子を製造する工程と、
    上記固定子を製造する工程で作製された固定子の内周側の空間部に、回転軸に固定した回転子を軸方向から挿入する工程と、を備えた回転電機の製造方法。
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