[第1実施形態]
図1から図7を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、表示装置の構成、タッチパネルの電気的構成、ドライブ電極の構成、センシング電極の構成、タッチセンサの構成、および、タッチセンサ用電極の作用を順番に説明する。
[表示装置]
図1を参照して表示装置の構成を説明する。なお、図1では、ドライブ面に形成されるドライブ電極と、センシング面に形成されるセンシング電極との構成を説明する便宜状、ドライブ電極、および、センシング電極が誇張して示されている。
図1が示すように、表示装置は、例えば液晶パネルである表示パネル10とタッチパネル20とが、1つの透明接着層によって貼り合わされた積層体であり、タッチパネル20を駆動する駆動回路を備えている。表示パネル10の表面には、矩形形状に形成された表示面10Sが区画され、表示面10Sには、外部からの画像データに基づく画像などの情報が表示される。なお、表示パネル10とタッチパネル20との相対的な位置が筐体などの他の構成によって固定される前提であれば、透明接着層が割愛されてもよい。
タッチパネル20は、静電容量式のタッチパネルであり、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが透明接着層23によって貼り合わされた積層体であり、表示パネル10の表示する情報を透過する。カバー層22は、ガラス基板や樹脂フィルムなどによって形成され、カバー層22における透明接着層23とは反対側の面は、タッチパネル20における操作面20Sとして機能する。透明接着層23は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性を有し、透明接着層23には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤が用いられる。
タッチセンサ用電極21を構成する透明基板31は、表示パネル10に形成された表示面10Sの全体に重ねられて、表示面10Sに形成される画像を透過する。透明基板31は、例えば、透明ガラス基板や透明樹脂フィルムなどの基材から構成されて、1つの基材から構成される単層構造であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造であってもよい。透明基板31は、第1基材の一例である。
透明基板31における表示パネル10とは反対側の面は、ドライブ面31Sとして設定され、透明基板31のドライブ面31Sには、複数のパッド31Pが、1つの方向である第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並び、複数の電極線31Lが、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。複数の電極線31Lの各々は、第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿ってパッド31Pに向けて延びる折れ線形状を有している。透明基板31において、ドライブ面31Sが表面の一例であり、透明基板31において、ドライブ面31Sと対向する面が裏面の一例である。
複数の電極線31Lの各々は、第1配列方向D1の2つの端のうちの一方に位置する電極線31Lから順番に、9本ずつ、1つのパッド31Pに対応付けられている。1つのパッド31Pに対応付けられた9本の電極線31Lの各々は、第2配列方向D2において2つの端部を有し、パッド31Pに近い端部において、各電極線31Lが対応付けられたパッド31Pに接続している、あるいは、隙間を空けて近接している。なお、パッド31Pは、第1パッドの一例であり、第1パッドごとの9本の電極線31Lは、第1線群の一例である。1つのパッド31Pと、この1つのパッド31Pごとの9本の電極線31Lとは、第1帯状電極の一例である1つのドライブ電極31DPを構成し、複数のドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。複数のドライブ電極31DPと、透明基板31とが、第1電極層を構成している。
複数の電極線31Lの各々には、銅やアルミニウムなどの金属膜、酸化亜鉛などの金属酸化物膜、および、酸化インジウム錫や酸化インジウムガリウム亜鉛などのインジウム、スズ、ガリウム、および、亜鉛などの金属酸化物を含む複合酸化物膜が用いられる。また、複数の電極線31Lの各々には、銀ナノワイヤー、導電性高分子膜、および、グラフェン膜などの導電膜も用いられる。1つのパッド31Pと9本の電極線31Lとから構成されるドライブ電極31DPの各々は、個別に選択回路34に接続されて、選択回路34が供給する駆動信号を受けることにより、選択回路34によって選択される。
ドライブ面31S、複数の電極線31L、および、複数のパッド31Pは、1つの透明接着層32によって透明誘電体基板33に貼り合わされている。透明接着層32は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性を有して、ドライブ面31S、複数の電極線31L、および、複数のパッド31Pと、透明誘電体基板33とを接着する。透明接着層32には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤などが用いられる。透明接着層32、および、透明誘電体基板33は、誘電体基材を構成し、誘電体基材の裏面に、複数の電極線31L、および、複数のパッド31Pが形成されている。
透明誘電体基板33は、例えば、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂フィルムや透明ガラス基板などの基材から構成されて、1つの基材から構成される単層構造であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造であってもよい。透明誘電体基板33は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性と、電極間における静電容量の検出に適した比誘電率とを有する。透明誘電体基板33は、第2基材の一例である。
透明誘電体基板33における透明接着層32とは反対側の面は、センシング面33Sとして設定され、透明誘電体基板33のセンシング面33Sには、複数のパッド33Pが、1つの方向である第2方向に沿って間隔を空けて並び、複数の電極線33Lが、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。複数の電極線33Lの各々は、第1配列方向D1に沿ってパッド33Pに向けて延びる折れ線状に形成されている。透明誘電体基板33において、センシング面33Sが表面の一例であり、透明誘電体基板33において、センシング面33Sと対向する面が裏面の一例である。
複数の電極線33Lの各々は、第2配列方向D2の2つの端うちの一方に位置する電極線33Lから順番に、9本ずつ、1つのパッド33Pに対応付けられている。1つのパッド33Pに対応付けられた9本の電極線33Lの各々は、第1配列方向D1において2つの端部を有し、パッド33Pに近い端部において、各電極線31Lが対応付けられたパッド33Pに接続している、あるいは、隙間を空けて近接している。なお、パッド33Pは、第2パッドの一例であり、第2パッドごとの9本の電極線33Lは、第2線群の一例である。1つのパッド33Pと、この1つのパッド33Pごとの9本の電極線33Lとは、第2帯状電極の一例である1つのセンシング電極33SPを構成し、複数のセンシング電極33SPは、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。複数のセンシング電極33SPが、第2電極層を構成している。
複数の電極線33Lの各々には、上述したドライブ電極31DPを構成する電極線31Lと同様に、銅やアルミニウムなどの金属膜、酸化亜鉛などの金属酸化物膜、および、酸化インジウム錫や酸化インジウムガリウム亜鉛などのインジウム、スズ、ガリウム、および、亜鉛などの金属酸化物を含む複合酸化物膜が用いられる。また、複数の電極線33Lの各々には、銀ナノワイヤー、導電性高分子膜、および、グラフェン膜などの導電膜も用いられる。
1つのパッド33Pと9本の電極線33Lとから構成されるセンシング電極33SPの各々は、個別に検出回路35に接続されて、センシング電極33SPごとの電圧が、検出回路35によって検出される。タッチセンサ用電極21、選択回路34、および、検出回路35が、タッチセンサの一例である。
センシング面33S、複数の電極線33L、および、複数のパッド33Pは、上述した透明接着層23によってカバー層22に貼り合わされている。
すなわち、図2が示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、透明基板31、ドライブ電極31DP、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置している。このうち、透明誘電体基板33は、透明基板31とドライブ電極31DPとから構成される第1電極層と、センシング電極33SPから構成される第2電極層との間に位置している。すなわち、透明誘電体基板33は、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとに挟まれている。
なお、透明接着層32は、ドライブ電極31DPを構成する各電極線31Lの周りを覆って、隣り合う電極線31Lの間を埋めながら、ドライブ電極31DPと透明誘電体基板33との間に位置している。また、透明接着層23は、センシング電極33SPを構成する各電極線33Lの周りを覆って、隣り合う電極線33Lの間を埋めながら、センシング電極33SPとカバー層22との間に位置している。これらの構成要素において、透明接着層23、および、透明基板31の少なくとも一方は、割愛されてもよい。
また、表示パネル10では、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、表示パネル10を構成する複数の構成要素が以下のように並んでいる。すなわち、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、下側偏光板11、薄膜トランジスタ(以下、TFT)基板12、TFT層13、液晶層14、カラーフィルタ層15、カラーフィルタ基板16、上側偏光板17が位置している。このうち、TFT層13には、サブ画素を構成する画素電極がマトリクス状に位置している。そして、カラーフィルタ層15では、ブラックマトリクスが、サブ画素の各々と向かい合う矩形形状を有する複数の領域を区画し、ブラックマトリクスの区画する各領域には、白色光を赤色、緑色、および、青色のいずれかの色の光に変える着色層が位置している。
なお、表示パネル10は、液晶パネルでなくともよく、例えば、有機ELパネルなどであってもよい。
タッチパネル20において、複数の電極線31Lと、複数のパッド31Pとは、ドライブ面31Sに形成された1つの薄膜が、マスクを介したエッチングによって同時に形成されてもよい。あるいは、複数の電極線31Lと、複数のパッド31Pとは、各別の工程によって相互に異なる材料から形成されてもよい。また、複数の電極線31Lと、複数のパッド31Pとは、透明基板31とは異なる他の基材に形成され、複数の電極線31Lと、複数のパッド31Pとが、他の基材から透明基板31に貼り付けられることによって形成されてもよい。
タッチパネル20において、複数の電極線33Lと、複数のパッド33Pとは、センシング面33Sに形成された1つの薄膜が、マスクを介したエッチングによって同時に形成されてもよい。あるいは、複数の電極線33Lと、複数のパッド33Pとは、各別の工程によって相互に異なる材料から形成されてもよい。また、複数の電極線33Lと、複数のパッド33Pとは、透明誘電体基板33とは異なる他の基材に形成され、複数の電極線33Lと、複数のパッド33Pとが、他の基材から透明誘電体基板33に貼り付けられることによって形成されてもよい。
なお、透明接着層23の割愛される構成においては、カバー層22の面の中で透明誘電体基板33と対向する面がセンシング面33Sとして設定され、そのセンシング面33Sに形成される1つの薄膜のパターニングによって、パッド33Pや電極線33Lが形成されてもよい。
また、タッチパネル20の製造に際しては、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが、透明接着層23によって貼り合わされる方法が採用されてもよいし、こうした製造方法とは異なる他の例として、以下の製造方法が採用されてもよい。すなわち、樹脂フィルムなどのカバー層22に銅などの導電性金属から構成される薄膜層を直に、もしくは、下地層を介して形成し、薄膜層の上にセンシング電極のパターン形状を有したレジスト層を形成する。次いで、塩化第二鉄などを用いたウエットエッチング法によって、薄膜層からセンシング電極33SPに加工して、第1のフィルムを得る。また、センシング電極33SPと同様に、他の樹脂フィルムに形成された薄膜層をドライブ電極31DPに加工して、第2のフィルムを得る。そして、第1フィルムと第2フィルムとが透明誘電体基板33を挟むように、透明誘電体基板33に対して透明接着層によって貼り付けられる。
[タッチパネルの電気的構成]
図3を参照して、タッチパネル20の電気的構成を説明する。なお、以下では、静電容量式のタッチパネル20の一例として、相互容量方式のタッチパネル20における電気的構成を説明する。
図3が示すように、タッチパネル20は、選択回路34、検出回路35、および、制御部36を備えている。選択回路34は、複数のドライブ電極31DPに接続することが可能であり、検出回路35は、複数のセンシング電極33SPに接続することが可能であり、制御部36は、選択回路34と検出回路35とに接続している。
制御部36は、各ドライブ電極31DPに対する駆動信号の生成を選択回路34に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、駆動信号が供給される対象を1番目のドライブ電極31DPからn番目のドライブ電極31DPに向けて選択回路34に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
一方で、制御部36は、各センシング電極33SPを流れる電流の検出を検出回路35に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、検出の対象を1番目のセンシング電極33SPからn番目のセンシング電極33SPに向けて検出回路35に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
選択回路34は、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、駆動信号の生成を開始し、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、駆動信号の出力先を1番目のドライブ電極31DP1からn番目のドライブ電極31DPnに向けて走査する。
検出回路35は、信号取得部35aと信号処理部35bとを備えている。信号取得部35aは、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、各センシング電極33SPに生成されたアナログ信号である電流信号の取得を開始する。そして、信号取得部35aは、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、電流信号の取得元を1番目のセンシング電極33SP1からn番目のセンシング電極33SPnに向けて走査する。
信号処理部35bは、信号取得部35aの取得した各電流信号を処理して、デジタル値である電圧信号を生成し、生成した電圧信号を制御部36に向けて出力する。このように、選択回路34と検出回路35とは、静電容量の変化に応じて変わる電流信号から電圧信号を生成することで、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量の変化を測定している。選択回路34および検出回路35が、周辺回路の一例である。
制御部36は、信号処理部35bの出力した電圧信号に基づいて、タッチパネル20において使用者が触れている位置を検出する。
なお、タッチパネル20は、上述した相互容量方式のタッチパネル20に限らず、自己容量方式のタッチパネルであってもよい。
[ドライブ電極]
図4を参照してドライブ電極の構成を説明する。図4は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図4では、電極線31Lの配置を説明する便宜上、電極線31Lの線幅が誇張して示されている。
図4が示すように、1つのドライブ電極31DPは、第2配列方向D2に沿って延びる折れ線状に形成された9本の電極線31Lを備え、第2配列方向D2に沿って延びる帯状電極である。複数のドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
1つのドライブ電極31DPを構成する9本の電極線31Lにおいて、ドライブ電極31DPにおける第1配列方向D1の2つの端のうちの一方から順番に、パッド31Pに接続しているドライブ電極線41と、パッド31Pに接続していないドライブ非接続線42とが、交互に並んでいる。1つのパッド31Pに対して第2配列方向D2にて向かい合う9本の電極線31Lのうち、5本の電極線31Lが第1接続線の一例であるドライブ電極線41であり、4本の電極線31Lが第1非接続線の一例であるドライブ非接続線42である。
ドライブ非接続線42の各々は、第2配列方向D2においてパッド31Pと所定の間隔を空けて向かい合っている。各ドライブ非接続線42におけるパッド31Pに近い端と、パッド31Pとの間の隙間の各々が、各電極線31Lをパッド31Pとの間に位置するパッド間隙部43である。各パッド間隙部43は、表示面10Sの外側に位置している。表示面10Sの内側において、ドライブ電極線41とドライブ非接続線42とは、相互に同じ構造を有し、第1配列方向D1における位置のみが相互に異なっている。パッド間隙部43は、第1間隙部の一例である。
1つのドライブ電極31DPを構成する9本の電極線31Lのうち、第1配列方向D1における2つの端の各々に位置する電極線31Lは、パッド31Pに接続しているドライブ電極線41である。そして、第1配列方向D1における2つの端の各々に位置する電極線31L以外の電極線31Lのうちの一部が、パッド間隙部43を介してパッド31Pと向かい合うドライブ非接続線42である。
複数のドライブ非接続線42は、複数のドライブ電極31DPの中で第1配列方向D1において規則的に並んでいる。すなわち、第1配列方向D1において2つのパッド31Pが隣り合う部位では、2本のドライブ非接続線42が、相互に異なるパッド31Pに接続している2本のドライブ電極線41を挟んでいる。一方で、第1配列方向D1において1つのパッド31Pに沿った部位では、2本のドライブ非接続線42が1本のドライブ電極線41を挟んでいる。
各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部43の各々は、複数の電極線31Lと同時に形成されてもよい。複数の電極線31Lと複数のパッド間隙部43とが同時に形成されるとき、例えば、複数の電極線31Lと複数のパッド間隙部43とに対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。そして、パッド間隙部43の数や位置の変更は、電極線31Lとパッド31Pとの接続部位に対応するマスクの設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線31Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
もしくは、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部43の各々は、複数の電極線31Lとは別に形成されてもよい。複数の電極線31Lと複数のパッド間隙部43とが別に形成されるとき、まず、各種の方法で複数の電極線31Lが形成され、次いで、複数の電極線31Lの一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断されることで、パッド間隙部43が形成される。そして、パッド間隙部43の数や位置の変更は、切断位置の設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線31Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
[センシング電極]
図5を参照してセンシング電極の構成を説明する。図5は、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図5では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線31Lの線幅、および、電極線33Lの線幅が誇張して示されている。
図5が示すように、1つのセンシング電極33SPは、第1配列方向D1に沿って延びる折れ線状に形成された9本の電極線33Lから構成されて、第1配列方向D1に沿って延びる帯状電極である。複数のセンシング電極33SPの各々は、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並び、かつ、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、複数のドライブ電極31DPの各々と交差する位置に配置されている。
1つのセンシング電極33SPを構成する9本の電極線33Lにおいて、センシング電極33SPにおける第2配列方向D2の2つの端のうちの一方から順番に、パッド33Pに接続しているセンシング電極線51と、パッド33Pに接続していないセンシング非接続線52とが、交互に並んでいる。1つのパッド33Pに対して第1配列方向D1にて向かい合う9本の電極線33Lのうち、5本の電極線33Lが第2接続線の一例であるセンシング電極線51であり、4本の電極線33Lが第2非接続線の一例であるセンシング非接続線52である。
センシング非接続線52の各々は、第1配列方向D1においてパッド33Pと所定の間隔を空けて向かい合っている。各センシング非接続線52におけるパッド33Pに近い端と、パッド33Pとの間の隙間の各々が、各電極線33Lをパッド33Pとの間に位置するパッド間隙部53である。各パッド間隙部53は、表示面10Sの外側に位置し、かつ、複数のドライブ電極31DPにおけるパッド間隙部43とは重ならない部位に位置している。表示面10Sの内側において、センシング電極線51とセンシング非接続線52とは、相互に同じ構造を有し、第2配列方向D2における位置のみが相互に異なっている。パッド間隙部53は、第2間隙部の一例である。
各センシング非接続線52は、パッド33Pに接続していないため、センシング電極33SPの電圧を検出する検出回路35にも接続していない。それゆえに、センシング非接続線52の電圧は、検出回路35によって検出されない。
1つのセンシング電極33SPを構成する9本の電極線33Lのうち、第2配列方向D2における2つの端の各々に位置する電極線33Lは、パッド33Pに接続しているセンシング電極線51である。そして、第2配列方向D2における2つの端の各々に位置する電極線33以外の電極線33Lのうちの一部が、パッド間隙部53を介してパッド33P向かい合うセンシング非接続線52である。
複数のセンシング非接続線52は、複数のセンシング電極33SPの中で第2配列方向D2において規則的に並んでいる。すなわち、第2配列方向D2において2つのパッド33Pが隣り合う部位では、2本のセンシング非接続線52が、相互に異なるパッド33Pに接続している2本のセンシング電極線51を挟んでいる。一方で、第2配列方向D2において1つのパッド33Pに沿った部位では、2本のセンシング非接続線52が1つのセンシング電極線51を挟んでいる。
各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部53の各々は、複数の電極線33Lと同時に形成されてもよい。複数の電極線33Lと複数のパッド間隙部53とが同時に形成されるとき、例えば、複数の電極線33Lと複数のパッド間隙部53とに対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。そして、パッド間隙部53の数や位置の変更は、電極線33Lとパッド33Pとの接続部位に対応するマスクの設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線33Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
もしくは、各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部53の各々は、複数の電極線33Lとは別に形成されてもよい。複数の電極線33Lと複数のパッド間隙部53とが別に形成されるとき、まず、各種の方法で複数の電極線33Lが形成され、次いで、複数の電極線33Lの一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断されることで、パッド間隙部53が形成される。そして、パッド間隙部53の数や位置の変更は、切断位置の設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線33Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
[タッチセンサ用電極]
図5を参照してタッチセンサ用電極21の構成の一部を説明する。
図5が示すように、タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定されている。各セル21Cは、透明誘電体基板33と対向する平面視において、1つのドライブ電極31DPを構成する第1線群と、1つのセンシング電極33SPを構成する第2線群とが、立体的に交差する領域である。そのため、複数のドライブ電極31DPの各々において、複数のセル21Cは、ドライブ電極31DPの並ぶ第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿って並ぶ。これに対して、複数のセンシング電極33SPの各々において、複数のセル21Cは、センシング電極33SPの並ぶ第2配列方向D2と直交する第1配列方向D1に沿って並ぶ。各セル21Cは、表示面10Sの内側に位置している。
ドライブ電極31DPごとにパッド31Pに最も近接するセル21Cが、最近接セル21Cdであり、最近接セル21Cdは、第1最近接セルの一例である。各ドライブ電極31DPを構成する第1線群は、パッド31Pに接続しないドライブ非接続線42と、パッド31Pに接続するドライブ電極線41とを最近接セル21Cdに含む。各ドライブ電極31DPにおいて、各ドライブ非接続線42とパッド31Pとの間に位置するパッド間隙部43は、パッド31Pと最近接セル21Cdとの間に位置している。
一方で、センシング電極33SPごとにパッド33Pに最も近接するセル21Cが、最近接セル21Csであり、最近接セル21Csは、第2最近接セルの一例である。各センシング電極33SPを構成する第2線群は、パッド33Pに接続しないセンシング非接続線52と、パッド33Pに接続するセンシング電極線51とを最近接セル21Csに含む。各センシング電極33SPにおいて、各センシング非接続線52とパッド33Pとの間に位置するパッド間隙部53は、パッド33Pと最近接セル21Csとの間に位置している。
つまり、各ドライブ電極31DPの有する複数のパッド間隙部43は、表示面10Sの外側に位置し、かつ、各センシング電極33SPの有する複数のパッド間隙部53も、表示面10Sの外側に位置している。そのため、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部43、および、各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部53のいずれもが、表示装置の使用者によって視認される部分に位置しないため、表示面10Sに表示される画像の質が、複数のパッド間隙部によって低くなることが避けられる。
[タッチセンサ用電極の作用]
図6および図7を参照してタッチセンサ用電極の作用を説明する。なお、図6および図7では、タッチセンサ用電極の作用を説明する便宜上、ドライブ電極の形状、および、センシング電極の形状が模式的に示されている。
図6が示すように、1つのセル21Cにおいて、1つのセンシング電極33SPが、1つのドライブ電極31DPの上に積み重なっている。センシング電極33SPは、上述のように、パッド33Pに接続しているセンシング電極線51と、パッド33Pに接続していないセンシング非接続線52とを備えている。一方で、ドライブ電極31DPは、パッド31Pに接続しているドライブ電極線41と、パッド31Pに接続していないドライブ非接続線42とを備えている。
各セル21Cにおいて、ドライブ電極線41とセンシング電極線51とは、検出回路35によって検出される電圧の大きさの変化に寄与する静電容量Cを形成する。一方で、ドライブ電極線41とセンシング非接続線52とは、検出回路35によって検出される電圧の大きさの変化に寄与しない寄生容量を形成する。ドライブ非接続線42とセンシング電極線51とは、ドライブ電極線41とセンシング非接続線52と同じく、寄生容量を形成する。つまり、各セル21Cでは、各電極線31Lと各電極線33Lとが立体的に交差する部分のうち、各ドライブ電極線41と各センシング電極線51とが立体的に交差する部分においてのみ検出回路35の検出結果に反映される静電容量Cが形成される。
図7が示すように、1つのセンシング電極33SPの備える電極線33Lの全てが、パッド33Pに接続しているセンシング電極線51であり、1つのドライブ電極31DPの備える電極線31Lの全てが、パッド31Pに接続しているドライブ電極線41である。そのため、各電極線31Lと各電極線33Lとが立体的に交差する部分の全てにおいて、検出回路35によって検出される電圧の大きさの変化に寄与する静電容量Cが形成される。
このように、各ドライブ電極31DPが複数のパッド間隙部43を備え、かつ、各センシング電極33SPが複数のパッド間隙部53を備えるタッチセンサ用電極21によれば、パッド間隙部を備えていない構成と比べて、各セル21Cにおける電圧の変化に寄与する静電容量Cの初期値が小さくなる。
そして、ドライブ電極線41の本数が増える分だけドライブ非接続線42の本数が減るような設計の変更や、ドライブ電極線41の本数が減る分だけドライブ非接続線42の本数が増えるような設計の変更によって、静電容量Cの初期値を至適な範囲に合わせることが可能である。また、センシング電極線51の本数が増える分だけセンシング非接続線52の本数が減るような設計の変更や、センシング電極線51の本数が減る分だけセンシング非接続線52の本数が増えるような設計の変更によって、静電容量Cの初期値を至適な範囲に合わせることが可能である。
それゆえに、相互に異なる静電容量Cの至適範囲に対して、電極線の幅や電極線の本数の変更を強いるような構造上の変更を軽減することができる。
ところで、各ドライブ電極を構成する複数の電極線が並ぶ方向と、各センシング電極を構成する複数の電極線が並ぶ方向とは、一般に相互に直交する。一方で、表示装置は、格子形状を有するブラックマトリクスを備えているため、複数の電極線が形成する格子形状と、ブラックマトリクスの有する格子形状との間のずれによって、干渉縞が形成されてしまう。そこで、上述した構成では、各ドライブ電極31DPを構成する複数の電極線31Lの各々、および、各センシング電極33SPを構成する複数の電極線33Lの各々が、折れ線形状を有することで、表示装置における干渉縞の発生が抑えられている。
こうした干渉縞を抑えるための構成において、複数の電極線の各々が折れ線形状を有するとき、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量Cの初期値は、複数の電極線の各々の形状によって規定される。そのため、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量Cの初期値が、接触による容量の変化分に適した値の範囲を超える場合もある。
この点で、上述のように、ドライブ電極31DPが複数のパッド間隙部43を備え、かつ、センシング電極33SPが複数のパッド間隙部53を備える構成によれば、表示装置における干渉縞の発生を抑えつつ、静電容量Cの初期値が、接触による容量の変化分に適した値の範囲に含まれやすくなる。
しかも、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部43は、複数のドライブ電極31DPの中で第1配列方向D1に沿って規則的に並び、また、各センシング電極33SPにおけるパッド間隙部53は、複数のセンシング電極33SPの中で第2配列方向D2に沿って規則的に並んでいる。そのため、複数のドライブ電極31DP、および、複数のセンシング電極33SPにおいて、静電容量を形成しない部分が規則的に並んでいる。それゆえに、タッチセンサ用電極21が形成された領域の内部にて容量の変化が測定される位置に偏りが生じにくくなる。結果として、タッチセンサによる検出に偏りが生じにくくなる。
さらには、各ドライブ電極31DPにおいて、パッド間隙部43を介してパッド31Pと向かい合う電極線31Lは、各ドライブ電極31DPの中で第1配列方向D1における2つの端の各々に位置する電極線31L以外の電極線31Lである。また、各センシング電極33SPにおいて、パッド間隙部53を介してパッド33Pと向かい合う電極線33Lは、センシング電極33SPの中で第2配列方向D2における2つの端の各々に位置する電極線33L以外の電極線33Lである。
そのため、各ドライブ電極31DPにおいては、少なくとも第1配列方向D1の両端にて静電容量が形成され、各センシング電極33SPにおいては、少なくとも第2配列方向D2の両端にて静電容量が形成される。それゆえに、パッドに接続していない電極線、すなわち、静電容量の検出にほぼ寄与しない電極線を有する構成とはいえ、相互に隣り合う2つの電極の間では、静電容量の検出にほぼ寄与しない部分が広がることが抑えられる。それゆえに、タッチセンサ用電極21が形成された領域の内部にて容量の変化が測定される位置に偏りが生じにくくなる。結果として、タッチセンサによる検出の偏りが生じにくくなる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)各ドライブ電極31DPを構成する電極線31Lのうち、パッド31Pに接続していないドライブ非接続線42は、周辺回路によって測定される静電容量を各センシング電極線51との間にほぼ形成しない。また、各センシング電極33SPを構成する電極線33Lのうち、パッド33Pと接続していないセンシング非接続線52は、周辺回路によって測定される静電容量を各ドライブ電極線41との間にほぼ形成しない。
そのため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、パッドに接続していない電極線を有しない構成と比べて、パッドに接続していない電極線の数に応じて小さくなる。それゆえに、各セル21Cにおける静電容量の初期値が、接触による容量の変化分に適した値を超えることが抑えられる。
そして、ドライブ電極線41の本数が増える分だけドライブ非接続線42の本数が減るような設計の変更や、ドライブ電極線41の本数が減る分だけドライブ非接続線42の本数が増えるような設計の変更によって、静電容量Cの初期値を至適な範囲に合わせることが可能である。また、センシング電極線51の本数が増える分だけセンシング非接続線52の本数が減るような設計の変更や、センシング電極線51の本数が減る分だけセンシング非接続線52の本数が増えるような設計の変更によって、静電容量Cの初期値を至適な範囲に合わせることが可能である。
それゆえに、相互に異なる静電容量Cの至適範囲に対して、電極線の幅や電極線の本数の変更を強いるような構造上の変更を軽減することができる。
(2)複数のドライブ電極31DP、および、複数のセンシング電極33SPにおいて、静電容量を形成しない部分が規則的に並んでいる。そのため、タッチセンサ用電極21が形成された領域の内部にて容量の変化が測定される位置に偏りが生じにくくなる。それゆえに、タッチセンサによる検出に偏りが生じにくくなる。
(3)各ドライブ電極31DPにおいては、少なくとも第1配列方向D1の両端にて静電容量が形成され、各センシング電極33SPにおいては、少なくとも第2配列方向D2の両端にて静電容量が形成される。そのため、静電容量の検出にほぼ寄与しない非接続線を有する構成とはいえ、相互に隣り合う2つの電極の間では、静電容量の検出にほぼ寄与しない部分が広がることが抑えられる。それゆえに、タッチセンサ用電極が形成された領域の内部にて容量の変化が測定される位置に偏りが生じにくくなる。結果として、タッチセンサによる検出に偏りが生じにくくなる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
[第1変形例]
図8を参照して第1変形例を説明する。第1変形例は、上述した第1実施形態と比べて、複数のドライブ電極31DPの中で、第1配列方向D1におけるパッド間隙部の位置が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第1実施形態と同等の構成には、図5と同じ符号を付すことで、詳細な説明を省略する。
図8は、図5と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図8では、図5と同様、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線31L、および、電極線33Lの線幅が誇張して示されている。
図8が示すように、1つのドライブ電極31DPは、パッド31Pと、第2配列方向D2に沿って延びる折れ線状に形成された9本の電極線31Lとから構成されて、第2配列方向D2に沿って延びる帯状電極である。複数のドライブ電極31DPの各々は、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
1つのドライブ電極31DPを構成する9本の電極線31Lにおいて、4本目の電極線31Lと、6本目の電極線31Lとが、ドライブ非接続線42として設定されている。そして、1つのドライブ電極31DPにおいて、ドライブ電極31DPにおける第1配列方向D1の2つの端のうちの一方から、3本のドライブ電極線41、1本のドライブ非接続線42、1本のドライブ電極線41、1本のドライブ非接続線42、および、3本のドライブ電極線41が順番に並んでいる。9本の電極線31Lにおいて、第1配列方向D1における中央に位置するドライブ電極線41を対称軸とするとき、残りの8本の電極線を構成するドライブ電極線41の位置、および、ドライブ非接続線42の位置が、ほぼ線対称に配置されている。
1つのパッド31Pに対して第2配列方向D2にて向かい合う9本の電極線31Lのうち、7本の電極線31Lがドライブ電極線41であり、2本の電極線31Lがドライブ非接続線42である。
ドライブ非接続線42の各々は、第2配列方向D2においてパッド31Pと所定の間隔を空けて向かい合っている。各ドライブ非接続線42におけるパッド31Pに近い端と、パッド31Pとの間の隙間の各々がパッド間隙部44である。各パッド間隙部44は、表示面10Sの外側に位置している。
タッチセンサ用電極21の有するドライブ非接続線42は、複数のドライブ電極31DPの中で第1配列方向D1において規則的に並んでいる。すなわち、第1配列方向D1において2つのパッド31Pが隣り合う部位では、2本のドライブ非接続線42が、相互に異なるパッド31Pに3本ずつ接続している6本のドライブ電極線41を挟んでいる。一方で、第1配列方向D1において1つのパッド31Pに沿った部位では、2本のドライブ非接続線42が1本のドライブ電極線41を挟んでいる。
1つのドライブ電極31DPは、2本のドライブ非接続線42を備える一方、1つのセンシング電極33SPは、上述した第1実施形態と同様、4本のセンシング非接続線52を備えている。つまり、1つのドライブ電極31DPが備えるドライブ非接続線42の数と、1つのセンシング電極33SPが備えるセンシング非接続線52の数とが、相互に異なっている。これにより、各セル21Cの静電容量が、上述した第1実施形態における各セル21Cの静電容量とは異なる。
このように、タッチセンサ用電極21においては、1つのドライブ電極31DPが備えるドライブ非接続線42の数と、1つのセンシング電極33SPが備えるセンシング非接続線52の数とが相互に異なることにより、各セル21Cの静電容量が変わる。また、タッチセンサ用電極21を構成する各ドライブ電極31DPの形状、および、各センシング電極33SPの形状を変えずとも、各セル21Cの静電容量を変えることができる。結果として、各セル21Cに含まれる非接続線の数が変わることによって、各セル21Cの静電容量が、タッチセンサ用電極21に接続する周辺回路の仕様に合わせられる。
以上説明したように、第1変形例によれば、上述した(1)から(3)の効果に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(4)1つのドライブ電極31DPのドライブ非接続線42の数と、1つのセンシング電極33SPのセンシング非接続線52の数とが相互に異なる。これにより、1つのドライブ電極31DPのドライブ非接続線42の数と、1つのセンシング電極33SPのセンシング非接続線52の数とが相互に同じである構成と比べて、各セル21Cの静電容量の値が異なる。
[第2変形例]
図9を参照して第2変形例を説明する。第2変形例は、上述した第1実施形態と比べて、複数のドライブ電極31DPの各々と、複数のセンシング電極33SPとの各々が、上述したパッド間隙部以外の間隙部を有する点が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第1実施形態と同等の構成には、図5と同じ符号を付すことで、詳細な説明を省略する。
図9は、図5と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図9では、図5と同様、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、電極線31L、および、電極線33Lの線幅が誇張して示されている。
図9が示すように、1つのドライブ電極31DPは、1つのパッド31Pと、第2配列方向D2に沿って延びる折れ線状に形成された9本の電極線31Lとから構成されて、第2配列方向D2に沿って延びる帯状電極である。複数のドライブ電極31DPの各々は、第1配列方向D1に沿って並んでいる。
1つのドライブ電極31DPを構成する9本の電極線31Lにおいて、ドライブ電極31DPにおける第1配列方向D1の2つの端のうちの一方から順番に、パッド31Pに接続しているドライブ電極線41と、パッド31Pに接続していないドライブ非接続線42とが、交互に並んでいる。
ドライブ非接続線42の各々は、第2配列方向D2においてパッド31Pと所定の間隔を空けて向かい合っている。各ドライブ非接続線42におけるパッド31Pに近い端と、パッド31Pとの間の隙間の各々がパッド間隙部43である。各パッド間隙部43は、表示面10Sの外側に位置している。
各ドライブ非接続線42は、さらに、第2配列方向D2における途中の部位で、複数の電極線間隙部45によって、複数のドライブ非接続片42aに分けられている。複数の電極線間隙部45は、パッド間隙部43よりもパッド31Pから離れた部位にて第2配列方向D2に沿って並び、かつ、各電極線間隙部45は、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのセル21Cの間の全てに位置している。
各ドライブ非接続線42を構成する複数のドライブ非接続片42aの各々は、第2配列方向D2に沿った長さがほぼ等しい。そのため、各ドライブ非接続片42aが向かい合う電極線33Lとの間に形成する寄生容量の大きさがほぼ等しくなる。それゆえに、複数のセル21Cにおいて、寄生容量を含む静電容量の大きさがほぼ等しくなる。
一方で、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、第1配列方向D1に沿って延びる折れ線状に形成された9本の電極線33Lとから構成されて、第1配列方向D1に沿って延びる帯状電極である。複数のセンシング電極33SPの各々は、第2配列方向D2に沿って並び、かつ、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、複数のドライブ電極31DPの各々と立体的に交差する位置に配置されている。
1つのセンシング電極33SPを構成する9本の電極線33Lにおいて、センシング電極33SPにおける第2配列方向D2の2つの端のうちの一方から順番に、パッド33Pに接続しているセンシング電極線51と、パッド33Pに接続していないセンシング非接続線52とが、交互に並んでいる。
センシング非接続線52の各々は、第2配列方向D2においてパッド33Pと所定の間隔を空けて向かい合っている。各センシング非接続線52におけるパッド33Pに近い端と、パッド33Pとの間の隙間の各々がパッド間隙部53である。各パッド間隙部53は、表示面10Sの外側に位置している。
各センシング非接続線52は、さらに、第1配列方向D1における途中の部位で、複数の電極線間隙部54によって、複数のセンシング非接続片52aに分けられている。複数の電極線間隙部54は、パッド間隙部53よりもパッド33Pから離れた部位にて第1配列方向D1に沿って並び、かつ、各電極線間隙部54は、第1配列方向D1において相互に隣り合う2つのセル21Cの間の全てに位置している。
各センシング非接続線52を構成する複数のセンシング非接続片52aの各々は、第1配列方向D1に沿った長さがほぼ等しい。そのため、各センシング非接続片52aが向かい合う電極線31Lとの間に形成する寄生容量の大きさがほぼ等しくなる。それゆえに、複数のセル21Cにおいて、寄生容量を含む静電容量の大きさがほぼ等しくなる。
以上説明したように、第2変形例によれば、上述した(1)から(3)の効果に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(5)各セル21Cにおける寄生容量の大きさがほぼ等しく、かつ、各セル21Cにおける寄生容量が相互に関わり難くなるため、寄生容量を含む各セル21Cにおける静電容量の大きさがほぼ等しくなる。
[他の変形例]
上述した第1実施形態、第1変形例、および、第2変形例の各々は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第2変形例では、各ドライブ電極31DPを構成するドライブ非接続線42の各々において、第2配列方向D2に沿って隣り合う2つのセル21Cの間の全てに電極線間隙部45が位置している。また、各センシング電極33SPを構成するセンシング非接続線52の各々において、隣り合う2つのセル21Cの間の全てに電極線間隙部54が位置している。
これに限らず、各ドライブ電極31DPを構成するドライブ非接続線42の各々において、第2配列方向D2に沿って隣り合う2つのセル21Cの間における一部に電極線間隙部45が位置してもよい。また、各センシング電極33SPを構成するセンシング非接続線52の各々において、第1配列方向D1に沿って隣り合う2つのセル21Cの間における一部に電極線間隙部54が位置してもよい。こうした構成であっても、以下に記載の効果を得ることはできる。
(6)各非接続線の長さが短くなる分、非接続線において連続する部分の形成する寄生容量が小さくはなる。それゆえに、各セル21Cにおける静電容量の初期値に対して非接続線の及ぼす影響が、さらに抑えられる。
・第2変形例では、各ドライブ電極31DPを構成するドライブ非接続線42の各々において、第2配列方向D2に沿って隣り合う2つのセル21Cの間の全てに電極線間隙部45が位置している。また、各センシング電極33SPを構成するセンシング非接続線52の各々において、隣り合う2つのセル21Cの間の全てに電極線間隙部54が位置している。
これに限らず、電極線間隙部45は、パッド間隙部43よりもパッド31Pから離れていれば、第2配列方向D2に沿って隣り合う2つのセル21Cの間以外の部位に位置してもよい。また、電極線間隙部54も、パッド間隙部53よりもパッド33Pから離れていれば、第1配列方向D1に沿って隣り合う2つのセル21Cの間以外の部位に位置してもよい。こうした構成によれば、上述した(6)に準じた効果を得ることはできる。
・第2変形例では、各ドライブ電極31DPを構成するドライブ非接続線42の途中に電極線間隙部45が位置し、かつ、各センシング電極33SPを構成するセンシング非接続線52の途中に電極線間隙部54が位置している。これに限らず、各ドライブ電極31DPを構成するドライブ非接続線42の途中のみに電極線間隙部45が位置する構成、あるいは、各センシング電極33SPを構成するセンシング非接続線52のみに電極線間隙部54が位置する構成でもよい。
・各ドライブ電極31DPを構成する9本の電極線31Lのうち、第1配列方向D1における2つの端に位置する電極線31Lの少なくとも一方は、ドライブ非接続線42であってもよい。また、各センシング電極33SPを構成する9本の電極線33Lのうち、第2配列方向D2における2つの端に位置する電極線33Lの少なくとも一方は、センシング非接続線52であってもよい。こうした構成であっても、各ドライブ電極31DPがドライブ非接続線42を備え、また、各センシング電極33SPがセンシング非接続線52を備える以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・パッド間隙部43は、複数のドライブ電極31DPの中で第1配列方向D1に沿って不規則に並んでいてもよい。また、パッド間隙部53は、複数のセンシング電極33SPの中で第2配列方向D2に沿って不規則に並んでいてもよい。こうした構成であっても、各ドライブ電極31DPがドライブ非接続線42を備え、また、各センシング電極33SPがセンシング非接続線52を備える以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・各ドライブ電極31DPの備えるドライブ非接続線42の数は、上述した数に限らず、各ドライブ電極31DPが少なくとも1本のドライブ電極線41を備えていれば、任意の数であってよい。また、各センシング電極33SPの備えるセンシング非接続線52の数は、上述した数に限らず、各センシング電極33SPが少なくとも1本のセンシング電極線51を備えていれば、任意の数であってよい。
・複数のドライブ電極31DPの各々と、複数のセンシング電極33SPの各々とが、少なくとも1本の非接続線を備えている。これに限らず、複数のドライブ電極31DPの各々のみ、あるいは、複数のセンシング電極33SPの各々のみが、非接続線を備える構成でもよい。こうした構成であっても、複数のドライブ電極31DPの各々、あるいは、複数のセンシング電極33SPの各々が非接続線を備える以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・第1変形例では、各ドライブ電極31DPが2本のドライブ非接続線42を備え、各センシング電極33SPが4本のセンシング非接続線52を備えている。すなわち、各ドライブ電極31DPの備えるドライブ非接続線42の数が、各センシング電極33SPの備えるセンシング非接続線52の数よりも小さい。これに限らず、各ドライブ電極31DPの備えるドライブ非接続線42の数が、各センシング電極33SPの備えるセンシング非接続線52の数よりも大きくてもよい。
・第1変形例におけるタッチセンサ用電極21と、第2変形例におけるタッチセンサ用電極21とは、組み合わせて実施することができる。
・各ドライブ電極31DPは9本の電極線31Lを備え、各センシング電極33SPは9本の電極線33Lを備えている。これに限らず、各ドライブ電極31DPは、2本以上8本以下の電極線31Lを備える構成でもよいし、10本以上の電極線31Lを備える構成でもよい。また、各センシング電極33SPは、2本以上8本以下の電極線33Lを備える構成でもよいし、10本以状の電極線33Lを備える構成でもよい。
・第1実施形態および第2変形例において、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部43、および、各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部53は、表示面10Sの内部に位置してもよい。また、第1変形例において、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部44は、表示面10Sの内部に位置してもよい。
・第1実施形態、第1変形例、および、第2変形例において、各ドライブ電極31DPにおけるパッド間隙部43は、パッド31Pと最近接セル21Cdとの間に位置していなくともよく、パッド間隙部43は、最近接セル21Cdの内部に位置してもよい。また、複数のパッド間隙部43において、一部がパッド31Pと最近接セル21Cdとの間に位置し、かつ、残りの部分が最近接セル21Cdの内部に位置してもよい。要は、ドライブ電極31DPを構成する第1線群が、パッド31Pに接続しないドライブ非接続線42と、パッド31Pに接続するドライブ電極線41とを含んでいればよい。
・第1実施形態、第1変形例、および、第2変形例において、各センシング電極33SPにおけるパッド間隙部53は、パッド33Pと最近接セル21Csとの間に位置していなくともよく、パッド間隙部53は、最近接セル21Csの内部に位置してもよい。また、複数のパッド間隙部53において、一部がパッド33Pと最近接セル21Csとの間に位置し、かつ、残りの部分が最近接セル21Csの内部に位置してもよい。要は、センシング電極33SPを構成する第2線群が、パッド33Pに接続しないセンシング非接続線52と、パッド33Pに接続するセンシング電極線51とを含んでいればよい。
・第1実施形態、第1変形例、および、第2変形例では、第1帯状電極の一例は、ドライブ電極31DPではなく、センシング電極33SPであってもよい。こうした構成であれば、第2帯状電極の一例がドライブ電極31DPであり、第1基材の一例が透明誘電体基板33であり、第2基材の一例が透明基板31である。
[第2実施形態]
図10および図11を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて、各ドライブ電極31DPの構成、および、各センシング電極33SPの構成が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第1実施形態と同等の構成には、図5などと同じ符号を付すことで、詳細な説明を省略する。また、以下では、ドライブ電極の構成、および、センシング電極の構成を順番に説明する。
[ドライブ電極の構成]
図10を参照してドライブ電極の構成を説明する。図10は、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図10では、ドライブ電極31DPの備える電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
タッチセンサ用電極21の備える複数のドライブ電極31DPの各々は、複数の電極線を備えている。各ドライブ電極31DPにおける複数の電極線は、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとが積層される方向から見て、複数のセンシング電極33SPの各々が備える複数の電極線とともに格子形状を形成する。すなわち、各ドライブ電極31DPの備える複数の電極線は、格子形状の一部に倣う形状である。格子形状は、第1配列方向D1に沿って等しい間隔を空けて並び、かつ、第1配列方向D1、および、第2配列方向D2に対して傾きを有した複数の第1基準直線と、第2配列方向D2に沿って等しい間隔を空けて並び、第1基準直線と直交する複数の第2基準直線とから構成される。
図10が示すように、1つのドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並ぶ複数のパッド31Pのうちの1つを備えている。1つのドライブ電極31DPは、さらに、第1配列方向D1と所定の角度である対向角度θ1を形成する第1延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の主電極線61Lと、主電極線61Lと直交する方向である第2延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の副電極線62Lとから構成される第1線群を備えている。対向角度θ1は、90°よりも小さい角度である。1つのドライブ電極31DPは、第2配列方向D2に沿って延びる第1帯状電極の一例である。複数のドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う主電極線61Lは、第2延在方向に沿って第1間隔S1を空け、かつ、第1延在方向に沿って延びている。複数の副電極線62Lのうち、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の副電極線62Lは、第2配列方向D2に沿って第2間隔S2を空けている。
1つのドライブ電極31DPにおいて、第1配列方向D1に沿って並ぶ2つの副電極線62Lは、1つの副電極線対を構成している。第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2つの副電極線対は、第2配列方向D2に沿って第2間隔S2を空けている。以下、1つのドライブ電極31DPにおいて、パッド31Pに近い副電極線対から順番に、1行目の副電極線対、2行目の副電極線対、…、n行目の副電極線対(nは3以上の整数)という。
1つのドライブ電極31DPにおいて、1つの副電極線62Lは、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う3本の主電極線61Lに接続している。また、1つの副電極線対は、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う5本の主電極線61Lに接続している。5本の主電極線61Lの中では、1本の主電極線61Lのみが、第2配列方向D2に沿って第2間隔S2以上の長さを有している。そして、k行目の副電極線対とk+1行目の副電極線対とは(kは1以上n以下の整数)、第2配列方向D2に沿って第2間隔S2以上の長さを有する1本の主電極線61Lによって接続している。
例えば、1つのパッド31Pには、5本の主電極線61Lが接続し、これら5本の主電極線61Lは、1行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、パッド31Pに接続する5本の主電極線61Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する1本の主電極線61Lのみが、第2配列方向D2に沿って第2間隔S2以上の長さを有している。そして、1つのパッド31Pに接続する5本の主電極線61Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する1本の主電極線61Lのみが、2行目の副電極線対に接続している。
また、2行目の副電極線対には、5本の主電極線61Lが接続し、これら5本の主電極線61Lは、2行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線61Lの中で、これもまた第1配列方向D1の端に位置する1本の主電極線61Lのみが、3行目の副電極線対に向けて第2間隔S2以上の長さを有している。そして、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線61Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する1本の主電極線61Lのみが、3行目の副電極線対に接続している。
こうした主電極線61Lの配置と、副電極線62Lの配置とは、第2配列方向D2に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。そして、図10にてドットが示すように、パッド31Pに電気的に接続する接続電極線の一例であるドライブ電極線が、複数の主電極線61Lと複数の副電極線62Lとから構成されている。
1つのドライブ電極31DPを構成する複数の主電極線61Lは、パッド31Pに電気的に接続していない複数のドライブ非接続線63を含んでいる。各ドライブ非接続線63は、1つのドライブ電極31DPの中で、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれている。
各ドライブ非接続線63は、2つの間隙部64によって、副電極線対から離れ、パッド31Pに対して電気的に接続していない。各間隙部64は、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれる部分に位置している。間隙部64は、第1間隙部の一例である。
例えば、1つのパッド31Pに接続する5本の主電極線61Lの中で、2番目の主電極線61Lと、3番目の主電極線61Lとは、1行目の副電極線対と2行目の副電極線対との間において、ドライブ非接続線63として機能している。また、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線61Lの中で、これもまた2番目の主電極線61Lと、3番目の主電極線61Lとは、2行目の副電極線対と3行目の副電極線対との間において、ドライブ非接続線63として機能している。
こうした主電極線61Lにおけるドライブ非接続線63の設定は、第2配列方向D2に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。そして、図8にて白抜き線が示すように、パッド31Pに対して電気的に接続していないドライブ非接続線63が、複数の主電極線61Lから構成されている。そして、各ドライブ電極31DPにおいて、複数の主電極線61Lのうち、複数のドライブ非接続線63を除く部分と、複数の副電極線62Lとによって、パッド31Pに接続しているドライブ電極線が構成されている。
各ドライブ電極31DPにおける複数の間隙部64の各々は、複数の主電極線61L、および、複数の副電極線62Lと同時に形成されてもよい。このとき、例えば、複数の主電極線61L、複数の副電極線62L、および、複数の間隙部64に対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。そして、間隙部64の数や位置の変更は、主電極線61Lと副電極線62Lとの接続部位に対応するマスクの設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線31Lに対して幅、位置、数などの構造上の変更を強いられることはない。
もしくは、各ドライブ電極31DPにおける複数の間隙部64の各々は、複数の主電極線61L、および、複数の副電極線62Lとは別に形成されてもよい。このとき、まず、各種の方法で複数の主電極線61L、および、複数の副電極線62Lが形成され、次いで、複数の主電極線61Lの一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断されることで、複数の間隙部64が形成される。そして、間隙部64の数や位置の変更は、切断位置の設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21の静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線31Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
[センシング電極]
図11を参照してセンシング電極の構成を説明する。図11は、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図11では、センシング電極33SPの備える電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
タッチセンサ用電極21の備える複数のセンシング電極33SPの各々は、ドライブ電極31DPと同様、複数の電極線を備えている。複数のセンシング電極33SPにおける電極線は、上述したように、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとが積層される方向から見て、複数のドライブ電極31DPの各々が備える複数の電極線とともに格子形状を形成する。すなわち、各センシング電極33SPの備える複数の電極線は、格子形状の一部であって、上述した各ドライブ電極31DPの備える複数の電極線とは異なる部分に倣う形状である。
図11が示すように、1つのセンシング電極33SPは、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並ぶ複数のパッド33Pのうちの1つを備えている。1つのセンシング電極33SPは、さらに、第2配列方向D2と上述の対向角度θ1を形成する方向である上述した第2延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の主電極線71Lを備えている。1つのセンシング電極33SPは、さらに、主電極線71Lと直交する方向であって、上述した第1延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の副電極線72Lを備えている。1つのセンシング電極33SPは、第1配列方向D1に沿って延びる第2帯状電極の一例である。複数のセンシング電極33SPの各々は、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。
第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う主電極線71Lは、第1延在方向に沿って第1間隔S1を空け、かつ、第2延在方向に沿って延びている。複数の副電極線72Lのうち、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の副電極線72Lは、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2を空けている。
1つのセンシング電極33SPにおいて、第2配列方向D2に沿って並ぶ2つの副電極線72Lは、1つの副電極線対を構成している。第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う2つの副電極線対は、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2を空けている。以下、1つのセンシング電極33SPにおいて、パッド33Pに近い副電極線対から順番に、1行目の副電極線対、2行目の副電極線対、…、m行目の副電極線対(mは3以上の整数)という。
1つのセンシング電極33SPにおいて、1つの副電極線72Lは、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う3本の主電極線71Lに接続している。また、1つの副電極線対は、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う5本の主電極線71Lに接続している。5本の主電極線71Lの中では、1本の主電極線71Lのみが、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2以上の長さを有している。そして、j行目の副電極線対とj+1行目の副電極線対とは(jは1以上m以下の整数)、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2以上の長さを有する1本の主電極線71Lによって接続している。
例えば、1つのパッド33Pには、5本の主電極線71Lが接続し、これら5本の主電極線71Lは、1行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、パッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lのみが、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2以上の長さを有している。そして、1つのパッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lのみが、2行目の副電極線対に接続している。
また、2行目の副電極線対には、5本の主電極線71Lが接続し、これら5本の主電極線61Lは、2行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、これもまた第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lのみが、3行目の副電極線対に向けて第2間隔S2以上の長さを有している。そして、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lのみが、3行目の副電極線対に接続している。
こうした主電極線71Lの配置と、副電極線72Lの配置とは、第1配列方向D1に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。そして、図11にてドットで示すように、パッド33Pに電気的に接続する接続電極線の一例であるセンシング電極線が、複数の主電極線71Lと複数の副電極線72Lとから構成されている。
1つのセンシング電極33SPを構成する複数の主電極線71Lは、パッド33Pに接続していない複数のセンシング非接続線73を含んでいる。各センシング非接続線73は、1つのセンシング電極33SPの中で、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれている。
各センシング非接続線73は、2つの間隙部74によって、副電極線対から離れ、パッド33Pに対して電気的に接続していない。各間隙部74は、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれる部位に位置している。間隙部74は、第2間隙部の一例である。
例えば、1つのパッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、1番目の主電極線71Lと、2番目の主電極線71Lとは、1行目の副電極線対と2行目の副電極線対との間において、センシング非接続線73として機能している。また、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、これもまた1番目の主電極線71Lと、2番目の主電極線71Lとは、2行目の副電極線対と3行目の副電極線対との間において、センシング非接続線73として機能している。
こうした主電極線71Lにおけるセンシング非接続線73の設定は、第1配列方向D1に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。そして、図11にて白抜き線が示すように、パッド33Pに対して電気的に接続していないセンシング非接続線73が、複数の主電極線71Lから構成されている。そして、各センシング電極33SPにおいて、複数の主電極線71Lのうち、複数のセンシング非接続線73を除く部分と、複数の副電極線72Lとによって、パッド33Pに接続しているセンシング電極線が構成されている。
各センシング電極33SPにおける複数の間隙部74の各々は、複数の主電極線71L、および、複数の副電極線72Lと同時に形成されてもよい。このとき、例えば、複数の主電極線71L、複数の副電極線72L、および、複数の間隙部74に対応する開口部を有するマスクを用いたスパッタ法が用いられる。そして、間隙部74の数や位置の変更は、主電極線71Lと副電極線72Lとの接続部位に対応するマスクの変更を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線33Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
もしくは、各センシング電極33SPにおける複数の間隙部74の各々は、複数の主電極線71L、および、複数の副電極線72Lとは別に形成されてもよい。このとき、まず、各種の方法で複数の主電極線71L、および、複数の副電極線72Lが形成され、次いで、複数の主電極線71Lの一部が、エッチング法やレーザーアブレーション法によって切断されることで、複数の間隙部74が形成される。そして、間隙部74の数や位置の変更は、切断位置の設定を変えることで足りる。それゆえに、タッチセンサ用電極21における静電容量の至適範囲が変わるとしても、電極線33Lに対して幅、位置、および、数などの構造上の変更を強いられることはない。
[タッチセンサ用電極]
図12を参照してタッチセンサ用電極21の構成の一部を説明する。図12は、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図12では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、ドライブ電極31DPの備える電極線の線幅、および、センシング電極33SPの備える電極線の線幅が誇張して示されている。さらに、図12では、ドライブ電極31DPと、センシング電極33SPとの区別を簡単にするために、ドライブ電極31DPが細線で示される一方、センシング電極33SPが太線で示されている。
図12が示すように、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとは、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとが積層される方向であって、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、格子形状を形成する。このとき、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、1つのドライブ電極31DPを構成する複数の主電極線61Lの各々が、各センシング電極33SPの備える複数の主電極線71Lの一部と立体的に交差する。これにより、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間の各々、および、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間の各々を除く部分に、格子形状が形成される。
これに対して、各ドライブ電極31DPでは、複数の副電極線62Lの各々が、第2配列方向D2における相互に隣り合うセンシング電極33SPの間に位置する。そして、複数の副電極線62Lの各々が、複数のセンシング電極33SPの中で、第2延在方向に沿って隣り合う主電極線71Lの間を埋める。結果として、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間の各々に、格子形状が形成される。
一方、1つのセンシング電極33SPを構成する複数の副電極線72Lの各々が、第1配列方向D1における相互に隣り合うドライブ電極31DPの間に位置する。そして、複数の副電極線72Lの各々が、複数のドライブ電極31DPの中で、第1延在方向に沿って隣り合う主電極線61Lの間を埋める。結果として、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間の各々に、格子形状が形成される。
タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定されている。各セル21Cは、透明誘電体基板33と対向する平面視において、1つのドライブ電極31DPと、1つのセンシング電極33SPとが、立体的に交差する領域である。そのため、複数のドライブ電極31DPの各々において、複数のセル21Cは、ドライブ電極31DPの並ぶ第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿って並ぶ。これに対して、複数のセンシング電極33SPの各々において、複数のセル21Cは、センシング電極33SPの並ぶ第2配列方向D2と直交する第1配列方向D1に沿って並ぶ。各セル21Cは、表示面10Sの内部に位置している。
ドライブ電極31DPごとにパッド31Pに最も近接するセル21Cが、最近接セル21Cdである。各ドライブ電極31DPを構成する主電極線61Lの群は、パッド31Pに接続しないドライブ非接続線63を各セル21Cに含む。各ドライブ電極31DPにおいて、複数のパッド間隙部64aのうち、3番目の主電極線61Lを副電極線対から切断するパッド間隙部64aは、最近接セル21Cdの内部に位置している。一方で、2番目の主電極線61Lを副電極線対から切断するパッド間隙部64aは、最近接セル21Cdとパッド33Pとの間に位置している。そして、パッド間隙部64aを除く複数の間隙部64には、セル21Cの内部に位置する間隙部64と、2つのセル21Cの間に位置する間隙部64とが含まれる。
一方で、センシング電極33SPごとにパッド33Pに最も近接するセル21Cが、最近接セル21Csである。各センシング電極33SPを構成する主電極線71Lの群は、パッド33Pに接続しないセンシング非接続線73を各セル21Cに含む。各センシング電極33SPにおいて、複数のパッド間隙部74aは、最近接セル21Csの内部に位置している。そして、パッド間隙部74aを除く複数の間隙部74には、セル21Cの内部に位置する間隙部74と、2つのセル21Cの間に位置する間隙部74とが含まれる。
タッチセンサ用電極21において、各ドライブ電極31DPが複数のドライブ非接続線63を含み、かつ、各センシング電極33SPが複数のセンシング非接続線73を含んでいる。そのため、各ドライブ電極31DPがドライブ非接続線を含まず、かつ、各センシング電極33SPがセンシング非接続線を含まない構成と比べて、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、パッドに電気的に接続していない非接続線の数に応じて小さくなる。それゆえに、各セル21Cにおける静電容量の初期値が、接触による容量の変化分に適した値を超えることが抑えられる。結果として、上述した構成からなるタッチセンサ用電極21であれば、電極線とパッドとが接続しているか否かという簡単な変更によって、静電容量の初期値を調整することが可能である。すなわち、静電容量の初期値が、接触による容量の変化分に適した値の範囲に含まれやすくなる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(7)各セル21Cに含まれる主電極線の群が非接続線を含むことで、主電極線の全てが非接続線を含まない構成と比べて、複数のセル21Cの各々における静電容量の初期値が小さくなる。そして、非接続線の本数が減るような設計の変更や、非接続線の本数が増えるような設計の変更によって、静電容量の初期値を至適な範囲に合わせることが可能である。それゆえに、相互に異なる静電容量の至適範囲に対して、電極線の幅や電極線の本数の変更を強いるような構造上の変更を軽減することができる。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[第3変形例]
図13を参照して第3変形例を説明する。第3変形例は、上述した第2実施形態と比べて、複数のセンシング電極33SPの各々における間隙部の数が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第2実施形態と同等の構成には、図12と同じ符号を付すことで、詳細な説明を省略する。
図13は、図12と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図13では、図12と同様、ドライブ電極31DPの備える電極線の線幅、および、センシング電極33SPの備える電極線の線幅が誇張して示されている。さらに、図13では、ドライブ電極31DPと、センシング電極33SPとの区別を簡単にするために、ドライブ電極31DPが細線で示される一方、センシング電極33SPが太線で示されている。
図13が示すように、1つのセンシング電極33SPは、1つのパッド33Pと、複数の主電極線71Lと、複数の副電極線72Lとを備えている。1つのセンシング電極33SPは、第1配列方向D1に沿って延びる第2帯状電極の一例である。複数のセンシング電極33SPの各々は、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。
1つのパッド33Pには、5本の主電極線71Lが接続し、これら5本の主電極線71Lは、1行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、パッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の端に位置する1本の主電極線71Lと、第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lとが、第1配列方向D1に沿って第2間隔S2以上の長さを有している。そして、1つのパッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の端に位置する1本の主電極線71Lと、中央に位置する1本の主電極線71Lのみが、2行目の副電極線対に接続している。
また、2行目の副電極線対には、5本の主電極線71Lが接続し、これら5本の主電極線71Lは、2行目の副電極線対によって電気的に接続されている。一方で、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、これもまた第2配列方向D2の端に位置する1本の主電極線71Lと、中央に位置する1本の主電極線71Lとが、3行目の副電極線対に向けて第2間隔S2以上の長さを有している。そして、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、第2配列方向D2の端に位置する1本の主電極線71Lと、第2配列方向D2の中央に位置する1本の主電極線71Lとが、3行目の副電極線対に接続している。
こうした主電極線71Lの配置と、副電極線72Lの配置とは、第1配列方向D1に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。
1つのセンシング電極33SPを構成する複数の主電極線71Lは、パッド33Pに接続していない複数のセンシング非接続線73を含んでいる。各センシング非接続線73は、1つのセンシング電極33SPの中で、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれている。
各センシング非接続線73は、2つの間隙部74によって、副電極線対から離れ、パッド33Pに対して電気的に接続していない。各間隙部74は、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線対に挟まれる部位に位置している。
1つのパッド33Pに接続する5本の主電極線71Lの中で、2番目の主電極線71Lは、1行目の副電極線対と2行目の副電極線対との間において、センシング非接続線73として機能している。また、2行目の副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、これもまた2番目の主電極線71Lは、2行目の副電極線対と3行目の副電極線対との間において、センシング非接続線73として機能している。
こうした主電極線71Lにおけるセンシング非接続線73の設定は、第1配列方向D1に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。
このように、第3変形例の複数のセンシング電極33SPの各々は、第2実施形態の複数のセンシング電極33SPの各々とは異なり、1つの副電極線対に接続する5本の主電極線71Lの中で、2番目の主電極線71Lのみがセンシング非接続線73として機能している。そのため、各セル21Cには、ドライブ電極31DPの備える2本のドライブ非接続線63と、センシング電極33SPの備える1本のセンシング非接続線73とが含まれる。つまり、各セル21Cにおいて、ドライブ電極31DPの備えるドライブ非接続線63の数と、センシング電極33SPの備えるセンシング非接続線73の数とが相互に異なる。
これにより、第3変形例のタッチセンサ用電極21では、第2実施形態におけるタッチセンサ用電極21と、各セル21Cにおける静電容量の初期値が異なる。このように、各セル21Cに含まれる非接続線の数が変わることによって、各セル21Cの静電容量の初期値が、タッチセンサ用電極21に接続する周辺回路の仕様に合わせられる。
以上説明したように、第3変形例によれば、上述した(4)に準じた効果を得ることができる。
[第4変形例]
図14から図16を参照して第4変形例を説明する。第4変形例は、上述した第2実施形態と比べて、各ドライブ電極31DPを構成する複数の電極線の配置、および、各センシング電極33SPを構成する複数の電極線の配置が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、第2実施形態と同等の構成には、図10などと同じ符号を付すことで、詳細な説明を省略する。
図14は、図10と同様、ドライブ電極31DPの平面構造を示す平面図であり、図14では、ドライブ電極31DPの備える電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。図15は、図11と同様、センシング電極33SPの平面構造を示す平面図であり、図15は、センシング電極33SPの備える電極線の配置を説明する便宜上、電極線の線幅が誇張して示されている。
図16は、図12と同様、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとをドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの積層される方向から見た平面図である。なお、図16では、ドライブ電極31DP、および、センシング電極33SPの配置を説明する便宜上、ドライブ電極31DPの備える電極線の線幅、および、センシング電極33SPの備える電極線の線幅が誇張して示されている。さらに、図16では、ドライブ電極31DPと、センシング電極33SPとの区別を簡単にするために、ドライブ電極31DPが細線で示される一方、センシング電極33SPが太線で示されている。
各ドライブ電極31DPにおける複数の電極線は、第2実施形態と同様、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとが積層される方向から見て、複数のセンシング電極33SPの各々が備える複数の電極線とともに格子形状を形成する。すなわち、各ドライブ電極31DPの備える複数の電極線は、格子形状の一部に倣う形状であり、各センシング電極33SPの備える複数の電極線は、格子形状の残りの部分に倣う形状である。そして、格子形状は、第1配列方向D1に沿って等しい間隔を空けて並び、かつ、第1配列方向D1、および、第2配列方向D2に対して傾きを有した複数の第3基準直線と、第3基準直線と直交する複数の第4基準直線とから構成される。
図14が示すように、1つのドライブ電極31DPは、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並ぶ複数のパッド31Pのうちの1つを備えている。1つのドライブ電極31DPは、さらに、第1配列方向D1と所定の対向角度θ2を形成する第3延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の主電極線81Lと、主電極線81Lと直交する方向である第4延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の副電極線82Lとを備えている。対向角度θ2は、90°よりも小さい角度である。1つのドライブ電極31DPは、第2配列方向D2に沿って延びる第1帯状電極の一例である。複数のドライブ電極31DPの各々は、第1配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う主電極線81Lは、第3延在方向に沿って第3間隔S3を空け、かつ、第4延在方向に沿って延びている。複数の主電極線81Lのうち、2つの端のうちの一方がパッド31Pに接続される14本の主電極線81Lの各々は、第3延在方向に沿ってパッド31Pに向けて延びる途中で折れ曲がって、第2配列方向D2に沿ってパッド31Pまで延びている。複数の副電極線のうち、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の副電極線82Lは、第2配列方向D2に沿って第4間隔S4を空けている。
1つのドライブ電極31DPにおいて、第1配列方向D1に沿って並ぶ7つの副電極線82Lは、1つの副電極線群を構成している。第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2つの副電極線群は、第2配列方向D2に沿って第4間隔S4を空けている。以下、1つのドライブ電極31DPにおいて、パッド31Pに近い副電極線群から順番に、1行目の副電極線群、2行目の副電極線群、…、n行目の副電極線群(nは3以上の整数)という。
1つのドライブ電極31DPにおいて、1行目の副電極線群のうち、第1配列方向D1における右側の端に位置する副電極線82L以外の6本の副電極線82Lの各々は、第4延在方向に沿ってパッド31Pに向けて延びる途中で折れ曲がって、第2配列方向D2に沿ってパッド31Pまで延びている。1行目の副電極線群に含まれる副電極線82Lの各々は、第4延在方向に沿って延びる部分において、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う2本の主電極線81Lに接続している。一方で、2行目以降の副電極線群に含まれる副電極線82Lの各々は、第2配列方向D2において第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う3本の主電極線81Lと向かい合っている。
また、1つの副電極線群は、第2配列方向D2において第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う14本の主電極線81Lと向かい合っている。14本の主電極線81Lの中では、5本の主電極線81Lが、第2配列方向D2に沿って第4間隔S4以上の長さを有している。そして、k行目の副電極線対とk+1行目の副電極線対とは(kは1以上n以下の整数)、第2配列方向D2に沿って第4間隔S4以上の長さを有する5本の主電極線81Lによって接続している。
例えば、1つのパッド31Pには、第2配列方向D2において14本の主電極線81Lが接続し、これら14本の主電極線81Lのうち、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う2本の主電極線81Lが、1つの副電極線82Lによって電気的に接続されている。一方で、パッド31Pに接続する14本の主電極線81Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する主電極線81L、3番目の主電極線81L、5番目の主電極線81L、7番目の主電極線81L、および、8番目の主電極線81Lが、第2配列方向に沿って第4間隔S4以上の長さを有している。そして、1つのパッド31Pに接続する14本の主電極線81Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する主電極線81L、3番目の主電極線81L、5番目の主電極線81L、7番目の主電極線81L、および、8番目の主電極線81Lが、2行目の副電極線群に接続している。
また、2行目の副電極線群には、第2配列方向D2において14本の主電極線81Lが向かい合い、これら14本の主電極線81Lの一部は、2行目の副電極線群によって電気的に接続されている。一方で、2行目の副電極線群に接続する複数の主電極線81Lの中で、これもまた第1配列方向D1の端に位置する主電極線81L、3番目の主電極線81L、5番目の主電極線81L、7番目の主電極線81L、および、8番目の主電極線81Lが、3行目の副電極線群に向けて第4間隔S4以上の長さを有している。そして、第2配列方向において2行目の副電極線群に向かい合う14本の主電極線81Lの中で、第1配列方向D1の端に位置する主電極線81Lと、3番目の主電極線81L、5番目の主電極線81L、7番目の主電極線81L、および、8番目の主電極線81Lが、3行目の副電極線群に接続している。
こうした主電極線81Lの配置と、副電極線82Lの配置とは、第2配列方向D2に沿って副電極線群の行ごとに繰り返されている。そして、図12にてドットが示すように、パッド31Pに電気的に接続する接続電極線の一例であるドライブ電極線が、複数の主電極線81Lと複数の副電極線82Lとから構成されている。
1つのドライブ電極31DPを構成する複数の主電極線81Lは、パッド31Pに電気的に接続していない複数のドライブ非接続線83を含んでいる。各ドライブ非接続線83は、1つのドライブ電極31DPの中で、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つの副電極線群に挟まれている。
複数のドライブ非接続線83の一部は、2つの間隙部84によって、副電極線群から離れ、パッド31Pに対して電気的に接続していない。一方で、複数のドライブ非接続線83の残りの部分において、2つの端のうちの一方は、1つの間隙部84によって副電極線群から離れ、かつ、他方は、副電極線群から離れた位置に配置されている。各間隙部84は、第2配列方向D2にて相互に隣り合う2つの副電極線群に挟まれる部分に位置している。間隙部84は、第1間隙部の一例である。
例えば、第1配列方向D1において1つのパッド31Pに接続する14本の主電極線81Lの中で、以下の5本の主電極線81Lが、1行目の副電極線対と2行目の副電極線対との間において、ドライブ非接続線83として機能している。すなわち、第1配列方向D1における2番目の主電極線61L、4番目の主電極線61L、6番目の主電極線81L、10番目の主電極線81L、および、12番目の主電極線81Lは、ドライブ非接続線83として機能している。また、2行目の副電極線群に向かい合う14本の主電極線81Lの中で、以下の5本の主電極線81Lが、2行目の副電極線対と3行目の副電極線対との間において、ドライブ非接続線83として機能している。すなわち、第1配列方向D1における2番目の主電極線81L、4番目の主電極線81L、6番目の主電極線81L、10番目の主電極線81L、および、12番目の主電極線81Lは、ドライブ非接続線83として機能している。
こうした主電極線81Lにおけるドライブ非接続線83の設定は、第2配列方向D2に沿って副電極線対の行ごとに繰り返されている。そして、図12にて白抜き線が示すように、パッド31Pに対して電気的に接続していないドライブ非接続線83が、複数の主電極線81Lから構成されている。そして、各ドライブ電極31DPにおいて、複数の主電極線81Lのうち、複数のドライブ非接続線83を除く部分と、複数の副電極線82Lとによって、パッド31Pに接続しているドライブ電極線が構成されている。
図15が示すように、1つのセンシング電極33SPは、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並ぶ複数のパッド33Pのうちの1つを備えている。1つのセンシング電極33SPは、さらに、第2配列方向D2と上述した対向角度θ2を形成する第4延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の主電極線91Lと、主電極線91Lと直交する方向である第3延在方向に沿って延びる直線形状を有する複数の副電極線92Lとを備えている。1つのセンシング電極33SPは、第1配列方向D1に沿って延びる第2帯状電極の一例である。複数のセンシング電極33SPの各々は、第2配列方向D2に沿って間隔を空けて並んでいる。
第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う主電極線91Lは、第3延在方向に沿って第3間隔S3を空け、かつ、第4延在方向に沿って延びている。複数の主電極線91Lのうち、2つの端のうちの一方がパッド33Pに接続される14本の主電極線91Lの各々は、第4延在方向に沿ってパッド31Pに向けて延びる途中で折れ曲がって、第1配列方向D1に沿ってパッド33Pまで延びている。複数の副電極線92Lのうち、第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う2本の副電極線92Lは、第1配列方向D1に沿って第4間隔S4を空けている。
1つのセンシング電極33SPにおいて、第2配列方向D2に沿って並ぶ7つの副電極線82Lは、1つの副電極線群を構成している。第1配列方向D1に沿って相互に隣り合う2つの副電極線群は、第1配列方向D1に沿って第4間隔S4を空けている。以下、1つのセンシング電極33SPにおいて、パッド33Pに近い副電極線群から順番に、1行目の副電極線群、2行目の副電極線群、…、m行目の副電極線群(mは3以上の整数)という。
1つのセンシング電極33SPにおいて、1行目の副電極線群のうち、第2配列方向D2における下側の端に位置する副電極線92L以外の6本の副電極線92Lの各々は、第3延在方向に沿ってパッド33Pに向けて延びる途中で折れ曲がって、第1配列方向D1に沿ってパッド33Pまで延びている。1行目の副電極線群に含まれる副電極線92Lのうち、上側の端に位置する副電極線92L以外の6本の副電極線92Lの各々は、第3延在方向に沿って延びる部分において、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の主電極線91Lに接続している。1行目の副電極線群に含まれる副電極線92Lのうち、上側の端に位置する副電極線92Lは、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う3本の主電極線91Lに接続している。
一方で、2行目以降の副電極線群に含まれる副電極線92Lのうち、第2配列方向の下側の端に位置する副電極線92Lと、上側の端に位置する副電極線92Lと以外の副電極線92Lは、第1配列方向D1において第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う3本の主電極線91Lと向かい合っている。これに対して、第2配列方向D2の上側の端に位置する副電極線92Lは、第1配列方向D1において第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う4本の主電極線91Lと向かい合っている。第2配列方向D2の下側の端に位置する副電極線92Lは、第1配列方向D1において第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の主電極線91Lと向かい合っている。
また、1つの副電極線群は、第1配列方向D1において第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う15本の主電極線91Lと向かい合っている。15本の主電極線91Lの中では、4本の主電極線91Lが、第1配列方向D1に沿って第4間隔S4以上の長さを有している。そして、j行目の副電極線群とj+1行目の副電極線群とは(jは1以上m以下の整数)、第1配列方向D1に沿って第4間隔S4以上の長さを有する4本の主電極線91Lによって接続している。
例えば、1つのパッド33Pには、第1配列方向D1において15本の主電極線81Lが向かい合っている。これら15本の主電極線91Lのうち、第2配列方向D2の上側の端に位置する1本の主電極線91Lを除く部分では、第2配列方向D2に沿って相互に隣り合う2本の主電極線91Lが、1つの副電極線92Lによって電気的に接続されている。一方で、パッド33Pに向かい合う15本の主電極線91Lの中で、第2配列方向D2における2番目の主電極線91L、4番目の主電極線91L、6番目の主電極線91L、および、8番目の主電極線91Lが、第1配列方向D1に沿って第4間隔S4以上の長さを有している。そして、1つのパッド33Pに向かい合う15本の主電極線91Lの中で、第2配列方向D2における2番目の主電極線91L、4番目の主電極線91L、6番目の主電極線91L、および、8番目の主電極線91Lが、2行目の副電極線群に接続している。
また、2行目の副電極線群には、第2配列方向D2において15本の主電極線91Lが向かい合い、これら15本の主電極線91Lの一部は、2行目の副電極線群によって電気的に接続されている。一方で、2行目の副電極線群に接続する複数の主電極線91Lの中で、これもまた第2配列方向D2における2番目の主電極線91L、4番目の主電極線91L、6番目の主電極線91L、および、8番目の主電極線91Lが、3行目の副電極線群に向けて第4間隔S4以上の長さを有している。そして、第1配列方向D1において2行目の副電極線群に向かい合う15本の主電極線91Lの中で、第2配列方向D2における2番目の主電極線91L、4番目の主電極線91L、6番目の主電極線91L、および、8番目の主電極線91Lが、3行目の副電極線群に接続している。
こうした主電極線91Lの配置と、副電極線92Lの配置とは、第1配列方向D1に沿って副電極線群の行ごとに繰り返されている。そして、図13にてドットが示すように、パッド33Pに電気的に接続する接続電極線の一例であるセンシング電極線が、複数の主電極線91Lと複数の副電極線92Lとから構成されている。
1つのセンシング電極33SPを構成する複数の主電極線91Lは、パッド33Pに電気的に接続していない複数のセンシング非接続線93を含んでいる。各センシング非接続線93は、1つのセンシング電極33SPの中で、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線群に挟まれている。
複数のセンシング非接続線93の一部は、2つの間隙部94によって、副電極線群から離れ、パッド33Pに対して電気的に接続していない。一方で、複数のセンシング非接続線93の残りの部分において、2つの端のうちの一方は、1つの間隙部94によって副電極線群から離れ、かつ、他方は、副電極線群から離れた位置に配置されている。各間隙部94は、第1配列方向D1にて相互に隣り合う2つの副電極線群に挟まれる部分に位置している。間隙部94は、第2間隙部の一例である。
例えば、第1配列方向D1において1つのパッド33Pに向かい合う15本の主電極線91Lの中で、以下の6本の主電極線91Lが、1行目の副電極線対と2行目の副電極線対との間において、センシング非接続線93として機能している。すなわち、第2配列方向D2における3番目の主電極線91L、5番目の主電極線91L、7番目の主電極線91L、9番目の主電極線91L、11番目の主電極線91L、および、13番目の主電極線91Lは、センシング非接続線93として機能している。また、2行目の副電極線群に向かい合う15本の主電極線81Lの中で、以下の6本の主電極線81Lが、2行目の副電極線対と3行目の副電極線対との間において、センシング非接続線93として機能している。すなわち、第2配列方向D2における3番目の主電極線91L、5番目の主電極線91L、7番目の主電極線91L、9番目の主電極線91L、11番目の主電極線91L、および、13番目の主電極線91Lは、センシング非接続線93として機能している。
こうした主電極線91Lにおけるセンシング非接続線93の設定は、第1配列方向D1に沿って副電極線群の行ごとに繰り返されている。そして、図13にて白抜き線が示すように、パッド33Pに対して電気的に接続していないセンシング非接続線93が、複数の主電極線91Lから構成されている。そして、各センシング電極33SPにおいて、複数の主電極線91Lのうち、複数のセンシング非接続線93を除く部分と、複数の副電極線92Lとによって、パッド33Pに接続しているセンシング電極線が構成されている。
図16が示すように、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとは、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとが積層される方向であって、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、格子形状を形成する。このとき、透明誘電体基板33と対向する平面視方向から見て、1つのドライブ電極31DPを構成する複数の主電極線81Lの各々が、各センシング電極33SPの備える複数の主電極線91Lの一部と立体的に交差する。これにより、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間の各々、および、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間の各々を除く部分に、格子形状が形成される。
これに対して、各ドライブ電極31DPでは、複数の副電極線82Lの各々が、第2配列方向D2における相互に隣り合うセンシング電極33SPの間に位置する。そして、複数の副電極線82Lの各々が、複数のセンシング電極33SPの中で、第4延在方向に沿って隣り合う主電極線91Lの間を埋める。結果として、第2配列方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間の各々に、格子形状が形成される。
一方、1つのセンシング電極33SPを構成する複数の副電極線92Lの各々が、第1配列方向D1における相互に隣り合うドライブ電極31DPの間に位置する。そして、複数の副電極線92Lの各々が、複数のドライブ電極31DPの中で、第3延在方向に沿って隣り合う主電極線81Lの間を埋める。結果として、第1配列方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間の各々に、格子形状が形成される。
タッチセンサ用電極21には、複数のセル21Cが設定されている。各セル21Cは、透明誘電体基板33と対向する平面視において、1つのドライブ電極31DPと、1つのセンシング電極33SPとが、立体的に交差している領域である。そのため、複数のドライブ電極31DPの各々において、複数のセル21Cは、ドライブ電極31DPの並ぶ第1配列方向D1と直交する第2配列方向D2に沿って並ぶ。これに対して、複数のセンシング電極33SPの各々において、複数のセル21Cは、センシング電極33SPの並ぶ第2配列方向D2と直交する第1配列方向D1に沿って並ぶ。各セル21Cは、表示面10Sの内部に位置している。
ドライブ電極31DPごとにパッド31Pに最も近接するセル21Cが、最近接セル21Cdである。各ドライブ電極31DPを構成する主電極線81Lの群は、パッド31Pに接続しないドライブ非接続線83をセル21Cごとに含む。
各ドライブ電極31DPにおいて、複数の間隙部84のうち、パッド31Pに最も近いパッド間隙部84aは、最近接セル21Cdとパッド31Pとの間に位置している。そして、間隙部84のうち、パッド間隙部84a以外の間隙部84であって、第2配列方向D2において各副電極線82Lに対してパッド31Pとは反対側に位置する間隙部84の各々は、第2配列方向D2において相互に隣り合う2つのセル21Cの間に位置している。一方で、間隙部84のうち、パッド間隙部84a以外の間隙部84であって、第2配列方向D2において各副電極線82Lに対してパッド31P側に位置する間隙部84の各々は、セル21Cの内部に位置している。
一方で、センシング電極33SPごとにパッド33Pに最も近いセル21Cが、最近接セル21Csである。各センシング電極33SPを構成する主電極線91Lの群は、パッド33Pに接続しないセンシング非接続線93をセル21Cごとに含む。
各センシング電極33SPにおいて、複数の間隙部94のうち、パッド33Pに最も近いパッド間隙部94aは、最近接セル21Csとパッド33Pとの間に位置している。そして、間隙部94のうち、パッド間隙部94a以外の間隙部94であって、第1配列方向D1において各副電極線92Lに対してパッド33Pとは反対側に位置する間隙部94の各々は、第1配列方向において相互に隣り合う2つのセル21Cの間に位置している。一方で、間隙部94のうち、パッド間隙部94a以外の間隙部94であって、第1配列方向D1において各副電極線92Lに対してパッド33P側に位置する間隙部94の各々は、セル21Cの内部に位置している。
こうした構成によれば、第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
[他の変形例]
上述した第2実施形態、第3変形例、および、第4変形例の各々は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部64aのうち、最近接セル21Cdの内部に位置するパッド間隙部64aの各々は、パッド31Pと最近接セル21Cdとの間に位置してもよい。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DPにおけるパッド間隙部64aのうち、セル21Cとパッド31Pとの間に位置するパッド間隙部64aの各々は、最近接セル21Cdの内部に位置してもよい。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DPにおけるパッド間隙部64a以外の複数の間隙部64の各々のうち、セル21Cの内部に位置する間隙部64は、セル21Cの外部に位置してもよい。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DPにおけるパッド間隙部64a以外の複数の間隙部64のうち、第2配列方向D2にて相互に隣り合うセル21Cの間に位置する複数の間隙部64の各々は、セル21Cの内部に位置してもよい。
・第2実施形態において、各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部74aの各々は、パッド33Pと最近接セル21Csとの間に位置してもよい。
・第2実施形態において、各センシング電極33SPにおけるパッド間隙部74a以外の複数の間隙部74の各々は、第1配列方向D1において相互に隣り合う2つのセル21Cの間に位置してもよい。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DPが第1配列方向D1における2番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63のみを備え、かつ、各センシング電極33SPが第2配列方向D2の端に位置する主電極線71Lで構成されるセンシング非接続線73のみを備える構成でもよい。あるいは、各ドライブ電極31DPが第1配列方向D1における3番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63のみを備え、かつ、各センシング電極33SPが第2配列方向D2の端に位置する主電極線71Lで構成されるセンシング非接続線73のみを備える構成でもよい。
あるいは、各ドライブ電極31DPが第1配列方向D1における3番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63のみを備え、かつ、各センシング電極33SPが第2配列方向D2における2番目の主電極線71Lで構成されるセンシング非接続線73のみを備える構成でもよい。あるいは、各ドライブ電極31DPが第1配列方向D1における3番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63のみを備え、かつ、各センシング電極33SPが第2配列方向D2における2番目の主電極線71Lで構成されるセンシング非接続線73のみを備える構成でもよい。
・第2実施形態において、各ドライブ電極31DP、および、各センシング電極33SPの一方のみが非接続線を備える構成でもよい。各ドライブ電極31DPのみが非接続線を備える構成であれば、各ドライブ電極31DPは、1つのセル21Cに含まれる2本のドライブ非接続線63のうちの少なくとも一方を備えていればよい。また、各センシング電極33SPのみが非接続線を備える構成であれば、各センシング電極33SPは、1つのセル21Cに含まれる2本のセンシング非接続線73のうちの少なくとも一方を備えていればよい。
・第3変形例において、各センシング電極33SPは、非接続線として第2配列方向D2における2番目の主電極線71Lによって構成されるセンシング非接続線73ではなく、第2配列方向D2における1番目の主電極線71Lによって構成されるセンシング非接続線73を備える構成であってもよい。
・第3変形例において、各ドライブ電極31DPが、第1配列方向D1における1番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63、および、2番目の主電極線61Lで構成されるドライブ非接続線63のいずれか一方を備える構成でもよい。この場合には、各センシング電極33SPが、第2実施形態における各センシング電極33SPと同じ構成であればよい。
・第3変形例において、複数の間隙部64の位置、および、複数の間隙部74の位置は、上述した第2実施形態の変形例のように、第3変形例とは異なる位置とすることが可能である。
・第4変形例において、各ドライブ電極31DPにおける複数のパッド間隙部84aの各々は、最近接セル21Cdの内部に位置してもよい。
・第4変形例において、各センシング電極33SPにおける複数のパッド間隙部94aの各々は、最近接セル21Csの内部に位置してもよい。
・第4変形例において、各ドライブ電極31DPにおける第2配列方向D2にて相互に隣り合うセル21Cの間に位置する複数の間隙部84の各々は、各間隙部84に対してパッド31Pとは反対側に位置するセル21Cの内部に位置してもよい。
・第4変形例において、各センシング電極33SPにおける第1配列方向D1にて相互に隣り合うセル21Cの間に位置する複数の間隙部94の各々は、各間隙部94に対してパッド33Pとは反対側に位置するセル21Cの内部に位置してもよい。
・第4変形例において、各ドライブ電極31DP、および、各センシング電極33SPは、少なくとも1本の非接続線を有していればよい。
・第4変形例において、各ドライブ電極31DP、および、各センシング電極33SPの一方のみが、非接続線を備える構成でもよい。
・第2実施形態、および、第3変形例において、ドライブ電極31DPにおける対向角度θ1と、センシング電極33SPにおける対向角度θ1とは、相互に異なる角度であってもよい。また、第4変形例において、ドライブ電極31DPにおける対向角度θ2と、センシング電極33SPにおける対向角度θ2とは、相互に異なる角度であってもよい。
・図17が示すように、タッチパネル20を構成するタッチセンサ用電極21において、透明基板31および透明接着層32が割愛されてもよい。こうした構成では、透明誘電体基板33の面の中で、表示パネル10と対向する1つの面がドライブ面31Sとして設定され、ドライブ面31Sには、ドライブ電極31DPが位置すればよい。そして、透明誘電体基板33における、ドライブ面31Sと対向する面に、センシング電極33SPが位置すればよい。
なお、こうした構成では、ドライブ電極31DPを構成するパッド31Pや電極線31Lは、例えば、ドライブ面31Sに形成される1つの薄膜のパターニングによって形成される。
こうした構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(8)複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとの間に、透明誘電体基板33が位置するため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、透明誘電体基板33によって影響される。それゆえに、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとの間に複数の基材が位置する構成とは、異なる値になる。結果として、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、周辺回路における所定の仕様に対して適した値になる。
・図18が示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、ドライブ電極31DP、透明基板31、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置してもよい。
なお、こうした構成では、例えば、ドライブ電極31DPを構成するパッド31Pや電極線31Lが、透明基板31の1つの面であるドライブ面31Sに形成され、センシング電極33SPを構成するパッド33Pや電極線33Lが、透明誘電体基板33の1つの面であるセンシング面33Sに形成される。そして、透明基板31においてドライブ面31Sと対向する面と、透明誘電体基板33においてセンシング面33Sと対応する面とが、透明接着層32によって接着される。
こうした構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(9)複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとの間に、透明基板31と透明誘電体基板33とが位置するため、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、2枚の基材によって影響される。それゆえに、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、複数のドライブ電極31DPと複数のセンシング電極33SPとの間に1枚の基材が位置する構成とは、異なる値になる。結果として、各セル21Cにおける静電容量の初期値は、周辺回路における所定の仕様に適した値になる。
・タッチパネル20と表示パネル10とは、個別に形成されていなくともよく、タッチパネル20は、表示パネル10と一体に形成されてもよい。こうした構成では、例えば、タッチセンサ用電極21のうち、複数のドライブ電極31DPがTFT層13に位置する一方、複数のセンシング電極33SPがカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するインセル型の構成とすることができる。あるいは、タッチセンサ用電極21がカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するオンセル型の構成でもよい。