JP6223587B2 - 一体型照明を用いて窓の不透明性及びプライバシーを設ける光シールド - Google Patents

Description

本発明は、窓システム及びその使用に関する。

プライバシー窓は当技術分野において既知である。国際公開第２００６／０８１１８６号は、例えば、一実施形態において、間仕切り内に少なくとも部分的に透明なパネルを含み得る照明式プライバシー窓について記載している。このパネルは、照明式プライバシー窓が「オン状態」の時、何らかのやり方でパネルに一体化された１つ以上のＬＥＤベース照明ユニットにより発生した光によって内部からパネルが照明されることにより不透明になり、プライバシーの増加をもたらすような態様で構成されてもよい。一態様において、著しい不透明性は、発生した光の散乱中心として機能するパネルの表面内又は表面上の摂動によるパネル内の照明の反射により生じる。例えば、表面の摂動を生じさせるために、パネルの表面は積層されても物理的に撹拌されてもよい（例えば、サンドブラスト、エッチング、酸、レーザービーム、塗布されたフリット等により）。プライバシー窓が「オフ状態」にある時、パネルに一体化された１つ以上のＬＥＤベース源によって発生した照明が消されてパネルが明らかに透明になることにより、作業スペース内及び外をある程度見ることが容易になる。

国際公開第２０１３１５３８３７Ａ１号は、窓パネルと、照明ユニットと、制御ユニットとを含む照明システムを開示している。このシステムは、構造体ライト（structural body light）内の物体の視認性をエッジ照明により低下させるように構成されている。

幾つかの先行技術の窓システムではエッジ照明を使用する。こうした窓システムは要素が破損したり良好に調整されたりしない場合に比較的高額となる場合がある。なぜなら、このことは、エッジライトを含む窓システム全体が交換される必要があることを意味し得るからである。

プライバシー窓の代替として、切替可能な窓を含んでもよい。しかしながら、切替可能な窓には同じ課題を伴う場合があり、且つ比較的高額となる。通常のカーテン又はカーテンシステムは、当然、良好且つ安価な解決策となり得るが、これらは中間レベルのプライバシーが容易に選択できないという欠点を伴う場合がある。これら解決策の幾つかには、プライバシーを高めることで、入射光の低減及び人工光を使用する必要性にも繋がり得るという課題もある。

従って、本発明の一態様は、好ましくは更に、上記の欠点の１つ以上を少なくとも一部排除する代替的なプライバシー窓システムを提供することである。

第１の態様において、本発明は、窓パネルと、照明ユニットと、制御ユニットとを含むプライバシー窓システム（本明細書中では「システム」とも示される）であって、
− 窓パネル（本明細書中では「パネル」とも示される）が、第１の表面と、第２の表面と、縁端部とを含み、特に、窓パネルが可視放射を透過可能であり、窓パネルの表面の少なくとも１つが表面構造を含み、前記表面構造（本明細書中では「構造」とも示される）を含む表面の少なくとも１つが、特に照明ユニットの放射による照射下で可視プライバシー光を発生させるように構成されており、
− 照明ユニットが、窓パネルの表面の少なくとも１つを前記照明ユニットの放射で照射し、これにより、前記（可視）プライバシー光を誘起し、且つ少なくとも１つの方向における窓パネルの見通し性を低下させるように構成されており、及び
− 制御ユニットが、照明ユニットの放射を入力信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムを提供する。

更に別の態様において、本発明は、例えば、窓パネルの側の少なくとも１つにおけるプライバシーを制御するための、こうしたプライバシー窓システムの使用も提供する。以下で示されるように、窓パネルは、特に、（窓パネルの）２つの側を画定してもよい。

本窓システムによって、窓パネル及び／又は照明ユニットは互いに別々に交換されてもよい。更に、既存の窓を用いて、窓パネルに照明ユニットを配置し、パネルの１つ（又は両方の）表面に表面構造を取り付け、こうした既存の窓をプライバシー窓にすることもまた可能である。プライバシー窓は、例えば、屋内光の関数として及び／又は屋外光（昼光を含む）の関数としてプライバシーを制御するために使用されてもよい。プライバシー窓は、こうした窓を含む室内の（窓の一方の側にいる）使用者によって制御可能であってもよく、及び／又は中央制御されてもよい。更に、プライバシーの度合いはこのような使用者によって制御されてもよい。従って、本明細書で提案されるプライバシー窓システムは融通が利くものであり、新規及び既存の建物に適用されてもよい。例えば、プライバシー窓システムはホテルの部屋だけでなく他の種類の部屋にも一体化されてよく、内壁又は外壁等に一体化されてもよい。

窓パネルは、特に、ガラスパネルなどの通常の窓パネルであってもよい。窓パネルは、例えば、２重又は３重ガラス窓（それぞれ「２重窓」又は「３重窓」とも示される場合がある）を含んでもよい。ここでは、窓パネルは、特に、（実質的に）透明な材料のユニットであり、１重、２重、３重又はそれを超える数のガラス窓のものである。従って、窓パネルは、透過性材料を含んでもよく、特に、可視放射を透過可能である（少なくとも１つの方向において、以下を参照のこと）。従って、窓パネルは、第１の表面及び第２の表面と、窓パネルの周縁を囲み、第１の表面と第２の表面とにまたがる縁端部とを有する。正方形又は矩形の窓の場合、縁端部は、窓ガラスの周縁を囲む４つの縁端部部品を含む。

窓パネルは、パネルの一方の側に第１の側、パネルの他の側に第２の側を形成する。本明細書中では、プライバシーが（一時的に）所望され得る窓の側を示すために「使用者側」という用語も適用される場合がある。「使用者側」、「他の側」又は「第２の側」という用語は、特に、使用者がプライバシーを所望し得る側を意味する。「外部側」、「一方の側」又は「第１の側」という用語は、特に、窓パネルを基準にして使用者側とは反対側を意味する。例えば、ホテルの部屋又は他の部屋等を想定すると、一般に、使用者側は部屋側である一方で、他の側はホテルの外部等であってもよい。別の例では、シャワー室又は事務所部屋の場合、使用者側はシャワーキャビン又は部屋であってもよく、他の側又は外部側は、それぞれシャワーキャビンの外側又は事務所部屋の外側など、窓パネルの他の側にある側であってもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、両側におけるプライバシーが（一時的に）望まれる場合があることに留意されたい。

用語「窓パネル」は、複数の窓パネルを意味してもよく、複数の窓パネルは、例えば、互いに隣り合って、直に隣接して、又は互いの間に非ゼロの距離を有して配置されてもよい。従って、本発明は、複数の窓パネルを備えるプライバシー窓システムも含む。

窓パネルは特に透明である、即ち、窓パネル材料はガラスなど透明であるが、窓ガラス材料は高分子であってもよい。特に、窓ガラスは、窓の表面の少なくとも１つにおいて構造が利用可能な場合であっても尚（実質的に）透明である。構造を備える透明窓は、例えば、窓パネルを設け、表面構造を含む透明箔を窓表面の少なくとも１つに積層することによって設けられてもよい。別法として又は付加的に、構造を有する透明窓パネルは、例えば、窓パネルを設け、窓表面の少なくとも１つを、サンドブラスト、エッチング、酸エッチング、レーザービーム処理等などによって物理的に撹拌することによって設けられてもよい。また、セリグラフを施した（スクリーンプリントされた）ガラスフリットなど、永久プリントされたガラスコーティングパターンを備える窓パネルが適用されてもよい。特に、構造は、側面のおよそ５〜８５％、特におよそ３０〜５０％が構造によって覆われるようなパターン、特に、規則的なパターンで適用される。この構造は、特に、窪み、溝及び上昇部の１つ以上を含んでもよい。従って、構造の位置において、窓は透明でなくてもよいが、任意選択的に半透明であってもよい。「窪み」、「溝」又は「上昇部」という用語は、特に、平均表面又は平均表面高さに対するそのような構造を意味する。上昇部は、一実施形態において、例えば、インクドット又は他の種類のドットの印刷されたパターンなどの薄膜又は箔を含んでもよい。構造は、実施形態において、５ｍｍ以下、特に、０．０１〜５ｍｍの範囲、例えば、２ｍｍ未満、１．５ｍｍ未満等、特に、０．０１〜１ｍｍの範囲のうちの１つ以上の寸法を有してもよい。特に、構造は、０．０１〜５ｍｍの範囲の高さ又は深さを有してもよい。例えば、０．５ｍｍの深さ（及び数センチメートル以上の長さ）を有する溝が適用されてもよい。しかしながら、他の寸法が適用されてもよい。

従って、これらの構造が利用可能であったとしても、窓パネルは１つ又は両方向に、特に両方向に（実質的に）透明であってもよい。即ち、一方の側又は別の側にいる視認者（及び他の側又は一方の側のそれぞれにある物体）の位置に関係なく、窓パネルを見通し、窓パネルの背後にある物体を見ることができる（特にプライバシー照明がオンにされていない段階を想定している）。しかしながら、窓パネルは昼光条件下で一方向窓又はマジックミラーであってもよい（以下を参照のこと）。従って、特に少なくとも１つの方向において、表面の少なくとも１つにある表面構造を含む窓パネルに対し垂直に移動する可視光の少なくとも大部分が実質的に偏向されることなく窓パネル中を移動してもよい。例えば、１つの表面に入射する光強度のおよそ少なくとも２０％、特におよそ少なくとも３０％、例えばおよそ３０〜９０％が窓パネルを透過し、偏向されることなく窓パネルの他方の表面から出る。

一実施形態において、窓は１つの方向において（実質的に）透明である。更に別の実施形態において、窓は両方向において（実質的に）透明である。多くの場合、窓が両方向において（実質的に）透明である状況が適用可能であってもよい。こうした実施形態において、（表面構造を有する又は有しない）１つの表面に入射する光強度のおよそ少なくとも２０％が窓パネルを透過し、偏向されることなく窓パネルの他方の表面（又は反対の表面）から出る。可視光が（表面構造を有しない又は有する）他方の表面に入射する場合にも同じことが当てはまる。即ち、（表面構造を有しない又は有する）１つの表面に入射する光強度のおよそ少なくとも２０％が窓パネルを透過し、偏向されることなく窓パネルの他方の（又は反対の）表面から出る。しかしながら、前者の状況、即ち、１つの方向において（実質的に）透明が当てはまってもよい。こうした実施形態は、特に、マジックミラー又はマジックガラスに関連する。マジックミラー、マジックガラス又は双方向ガラス（two-way glass）は、一部反射性及び一部透明のミラーである。ミラーの一方の側が明るく照明され、他方の側が暗い場合、暗くなった側からは見ることができるが、逆からは見ることはできない。こうしたマジックミラーが部屋の窓であると想定すると、１つの方向における不透明性の度合い、即ち、ミラー機能（mirror function）は一方向窓パネルの裏面における光の強度に依存し得る。室内の光がオフにされると、室内の人は非常に良好な透明性（及びプライバシー）を享受してもよく、室外の（窓パネルの他の側にいる）人は非常に良好なミラー特性を享受してもよい。しかしながら、室内の人が室内のライトをオンにすると、ミラー特性、従ってプライバシーが低下する場合がある。

この構造は、特に、散乱させるものであってもよい。従って、可視光で照明すると、可視光を散乱させる。この構造は、大部分が１つの方向に（表面の１つから離れる方に）導かれるように配置され得る。例えば、照明ユニットが一方の側に配置される場合、構造は同じ側に配置されてもよく、構造によって散乱及び／又は反射される照明ユニットの放射は、窓パネルからこの側から離れる方向に出てもよい。照明ユニットが可視放射を提供すると想定すると、この側において視認者は反射及び／又は散乱光を知覚し、光が出る方向とは反対方向に窓パネルを見通すことが妨げられる。プライバシー光の強度が高いほど（以下も参照のこと）、プライバシー光の伝搬方向に平行でない方向において窓パネルを見通すことはできなくなる。これは窓パネルの他の側にいる使用者にプライバシーを提供するための洗練されたやり方であり、（例えば、従来の層状プライバシーカーテンと同様に）入来する昼光及び／又は他の方向における窓の透明性が低減するような不利が強いられる可能性はない。従って、一体型照明を用いた一種の光シールドが提供される。本発明により、照明ユニットの放射をオンにすること又はその強度を増加することによって窓に不透明性及びプライバシーを提供することにより可視プライバシー光を提供することが可能になる。可視プライバシー光の少なくとも一部に平行でない１つの方向において窓パネルは不透明であり、これにより、（窓パネルの）他の側におけるプライバシーを提供すると考えられる。

従って、本発明は、表面構造が反射性表面構造を含み、照明ユニットの放射が可視光を含む、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。「反射性構造」という用語は、散乱構造を含んでもよい。概して、反射性構造が適用される場合、反射性構造は、実質的なランバート特性を有する照明ユニットの放射の反射を提供するように配置されている。これにより、プライバシーは特定の視野角に限定されない。

付加的に又は別法として、構造は、照明ユニットの放射によって励起可能な発光物質を含んでもよい。従って、照明ユニットの放射は、発光物質を励起することができる放射を含んでもよい。照明ユニットの放射は、紫外線及び可視放射の１つ以上を含んでもよい。発光物質は紫外線及び可視放射の１つ以上によって励起可能であってもよい。発光物質によって吸収されない放射は反射（及び／又は散乱）されてもよい。従って、本発明は、表面構造が、照明ユニットの放射によって励起可能な発光物質を含む、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。従って、プライバシー光は、反射光（特に散乱光）及び発光の１つ以上を含んでもよい。プライバシー光は可視光である。このため、表面構造が反射性構造となるように構成されている場合、照明ユニットは少なくとも可視光を提供するように構成される。表面構造が発光物質を含む場合、発光物質は照明ユニットの放射によって励起されると（少なくとも）可視光を提供するように構成される。

発光物質は、蛍光物質及び燐光物質の１つ以上から選択されてもよい。蛍光物質は０．１μｓ以下の寿命を有してもよく、燐光物質は０．１μｓを超える、例えば１秒をも超える寿命を有してもよい。幾つかの燐光物質、特に、１秒以上の寿命を有する燐光物質は、暗闇で光る燐光体としても知られる。

従って、更に別の第１の態様において、本発明は、窓パネルと、任意選択的に照明ユニットと、任意選択的に制御ユニットとを含むプライバシー窓システム（本明細書中では「システム」とも示される）を提供する。窓パネルは、第１の表面と、第２の表面と、縁端部とを含み、窓パネルは透過性材料を含み、可視放射を透過可能であり、窓パネルの表面の少なくとも１つが表面構造を含み、前記表面構造（本明細書中では「構造」とも示される）を含む表面の少なくとも１つは、昼光などの放射による照射下で可視プライバシー光を発生させるように構成されており、表面構造は昼光によって励起可能であり、少なくとも０．５時間、特に少なくとも１時間の寿命を有する発光物質（特に暗闇で光る発光物質、即ち、長い残光を有する物質）を含み、任意選択的な照明ユニットが、窓パネルの表面の１つを前記照明ユニットの放射で照射し、これにより、前記（可視）プライバシー光を誘起し、且つ少なくとも１つの方向において窓パネルの見通し性を低下させるように構成されており、及び任意選択的な制御ユニットは、照明ユニットの放射（の１つ以上の変動要素）を入力信号の関数として制御するように構成されている。

表面構造（発光する又はしない）は均一に分配されてもよく、幾つかの実施形態では、僅かに不透明な窓パネルを作製してもよい。これもまた、幾つかの部分を完全に透過性のある状態のままとし、他の部分が大幅に改質され得る不連続な構造（discrete structures）が適用される実施形態と同様に機能してもよい。しかしながら、特に、１つの表面に入射する光強度のおよそ少なくとも２０％、特におよそ少なくとも３０％、例えばおよそ３０〜９０％（上記も参照のこと）は、窓パネルを透過し、偏向されることなく窓パネルの他方の表面から出る。

別の更なる実施形態において、窓の外側及び内側（例えばエッチングされた表面）の両方への光を反射する、例えば、窓の外側及び内側の両方への光を等しく反射するように構成された構造が適用される。別の更なる実施形態において、例えば、塗料が反射するものの塗料に光を通さないように構造を塗装することなどにより光を実質的に反射するように構成された構造が、（ＬＥＤ）光源が配置された側に適用される。この効果は、ガラスなどの窓パネル自体が光を外側に反射する（ガラス内に取り込まれる光は殆どない）ように、光を主に窓パネルに平行に当てることによって更に高められてもよい。

上で示したように、窓パネルの表面の少なくとも１つは表面構造を含む。従って、本発明は、窓パネルの両面が表面構造を含む実施形態にも関する。特に、それらの実施形態においても、窓パネルは尚（実質的に）透明である。即ち、表面構造が窓パネルの両面に構成され、透明窓パネルを提供する（上記も参照のこと）。表面構造が両面にある状態で、特に、両面が（特に異なる照明ユニットからの）照明ユニットの放射によって照らされ得ると、窓の両方向においてプライバシーが制御されてもよい。例えば、必要に応じて、１つの方向、他の（反対の）方向、及び両方向におけるプライバシーを制御するために２つの部屋を繋ぐ窓が用いられてもよい。

照明ユニットは、原則的に、任意の照明ユニットであってもよい。特に、照明ユニットは窓パネルを備える単一のユニットに一体化されてもよい。従って、一実施形態においては、窓パネル及び照明ユニット、並びに任意選択的に制御ユニット（以下も参照のこと）が単一の窓ユニットに一体化される。こうした例においては、照明ユニットと窓パネルとの間の最短距離は数センチメートル以内であってもよい。しかしながら、照明ユニットは、窓パネルまでの最短距離が１メートル、最大数十メートル、又は更なる距離であるなど、遠くに離れて配置されてもよい。例えば、プライバシー窓パネルを備える（複数階の）建物用のウォールウォッシャー照明ユニットの一種もまた、本明細書中に記載されるプライバシー窓システムの一実施形態であってよい。特に、照明ユニットは指向性放射（direction radiation）を提供するために設けられる。このようにして、大きい光害なく実質的に窓パネルのみが照射され得る。更に、照明ユニットは、（従って）、窓パネルの側面の１つに、（特に縁端部ではなく）表面の１つを照射するために特に構成されてもよい。

「照明ユニット」という用語は、複数の照明ユニットを意味してもよい。複数の照明ユニットは、単一の窓パネルを照射するように構成されてもよい。しかしながら、複数の照明ユニットは、複数の窓パネルを照射するように構成されてもよい。任意選択的に、プライバシー窓システムは、第１の表面及び第２の表面の両方を照明するように構成された複数の照明ユニットを含んでもよい。両表面が表面構造を含む場合、両側におけるプライバシーが制御されてもよい。

照明ユニットは、１つ以上の（アレイの）光源を含んでもよい。照明ユニットは、例えば、（ｉ）１つ以上の高圧ランプ、（ｉｉ）１つ以上のハロゲンランプ、及び（ｉｉｉ）１つ以上の固体光源の１つ以上を含んでもよい。特定の実施形態において、光源は、（ＬＥＤ又はレーザダイオードなどの）固体ＬＥＤ光源を含む。

上で既に示したように、照明ユニットは、窓パネルの少なくとも１つの第１の表面及び第２の表面に照明ユニットの放射を提供するように構成される。提供される放射は、紫外線放射及び可視光の１つ以上を含んでもよい。従って、放射ユニットは、紫外線及び可視放射を提供するように構成されてもよい。

照明ユニットが可視光を提供するように構成される場合、これは白色光であっても有色光であってもよい。特定の実施形態において、照明ユニットの放射は、色、色温度及び強度の１つ以上が可変である。「照明ユニットの放射が可変強度である」という文言及び類似の文言は、オン状態とオフ状態との間に、非ゼロ値及び非最大値を有する他の状態も選択され得ることを示す。特定の実施形態については以下に更に説明される。

照明ユニットは、特に、表面の１つに、表面に対して０°超〜２５°以下の範囲、特に１５°以下、更に特には７．５°以下の角度などの、前記表面に対するグレージング角で放射を提供するように構成されてもよい。

本明細書中における白色光という用語は当業者には既知である。白色光は、特に、約２０００〜２００００Ｋ、特に、２７００〜２００００Ｋ、一般照明では特に約２７００Ｋ〜６５００Ｋの範囲、及びバックライト目的では特に約７０００Ｋ〜２００００Ｋの範囲の相関色温度（ＣＣＴ：correlated color temperature）を有し、特に、ＢＢＬ（black body locus）（黒体軌跡）〜約１５ＳＤＣＭ（standard deviation of color matching）（等色標準偏差）以内、特にＢＢＬ〜約１０ＳＤＣＭ以内、更により特にはＢＢＬ〜約５ＳＤＣＭ以内の光に関する。

「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約３８０〜４４０ｎｍの範囲の波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、約４４０〜４９０ｎｍの範囲の波長を有する光（幾らかの紫色及び青緑の色相を含む）に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約４９０〜５６０ｎｍの範囲の波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約５４０〜５７０ｎｍの範囲の波長を有する光に関する。「橙色光」又は「橙色発光」という用語は、特に、約５７０〜６００ｎｍの範囲の波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約６００〜７５０ｎｍの範囲の波長を有する光に関する。「桃色光」又は「桃色発光」という用語は、青色成分及び赤色成分を有する光を意味する。「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語は、約３８０〜７５０ｎｍの範囲の波長を有する光を意味する。「紫外線」又は「紫外線放射」という用語は、特に、約１２０〜３８０ｎｍ、特に２００〜３８０ｎｍの範囲の波長を有する放射を意味する。

上で示したように、（窓パネルの）表面の１つを前記照明ユニットの放射によって照射することによって、前記プライバシー光が誘起される（及びそれによって、不透明性が提供される）。これにより、少なくとも１つの方向における窓パネルの見通し性が低下する。これによって、プライバシー窓パネルのプライバシー機能が提供される。

上で示したように、照明ユニットは、窓パネルの表面の１つを照射するように構成されている。従って、照明ユニットから出る放射は表面に入射し、その一部が窓材料を通ってもよく、任意選択的に、例えば、放射が窓パネルに入った場所の別の位置／放射が窓パネルに入った場所以外において窓パネルから出てもよい。従って、窓パネルの照射にエッジ照明を用いる代わりに、照明ユニットは、特に、照明ユニットの放射を表面の１つを通じて窓パネルを照射するように構成され、このため、エッジ照明の原理を用いることも、ガラス自体を導波路として用いることもない。従って、照明ユニットは、特に、表面構造を有する表面に放射を提供するように構成され、その後、任意選択的に、放射の一部が窓パネルを通ってもよい（また、窓パネルの別の場所から出てもよい）。照明ユニットは、従って、特に窓パネル（表面構造を含む表面）を第１の側又は第２の側から（即ち、特に、少なくとも表面構造を含む表面が直接照射され得る側から）照射するように構成されてもよい。

「照明ユニットは、窓パネルの表面の１つを照射するように構成されている」という文言及び類似の文言は、照明システムの使用時、少なくとも一時的に、照明ユニットが窓パネルの表面の１つを照射してもよいことを特に示してもよい。

制御ユニットは、特に、照明ユニットの放射を入力信号の関数として制御するように構成されている。照明ユニットの放射を制御することにより、プライバシー光が制御される。従って、制御ユニットは、特に、プライバシー光を入力信号の関数として制御するように構成されていると表してもよい。「制御ユニット」という用語は、特に機能的に接続されてもよい複数の制御ユニットを意味してもよい。従って、こうした複数の制御ユニットは、互いに及び／又はマスター制御ユニットと通信できてもよい（以下も参照のこと）。従って、制御ユニットは少なくとも照明ユニット、及び任意選択的に、１つ以上の他の制御ユニットと通信する。制御ユニットは、特に、照明ユニットの放射の１つ以上の可変要素を制御するように構成されている。

更に、制御ユニットは、ユーザインターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェースは、制御ユニットに一体化されてもよいが、また、制御ユニットから離してもよい。従って、制御ユニットは、ユーザインターフェースと通信してもよい。「ユーザインターフェース」という用語は、複数のユーザインターフェースを意味してもよい。プライバシー窓システムは、複数のユーザインターフェースを含んでもよい。例えば、複数の制御ユニットがある場合、それぞれの制御ユニットがユーザインターフェースを含んでもよい。

例えば、ホテルの場合、各部屋が各々の照明ユニットの放射を制御するための制御ユニット及びユーザインターフェースを含んでもよい一方で、マスター制御ユニットとして中央制御ユニットがあってもよい。中央制御ユニットは、例えば、様々な部屋で示された（様々な）ユーザー入力情報を考慮できてもよい一方で、また、ホテルの外にある複数の照明ユニットの構成に基づきホテルの前面に情報を表示する（以下も参照のこと）。

制御ユニットは、（照明ユニットなどのプライバシー窓システム内の１つ以上の他の要素と）無線通信するリモートコントロールユニットであってもよい。制御ユニットは、窓パネルと共に単一のユニットに一体化されてもよい（及び任意選択的に、無線通信する）。従って、特定の実施形態においては、窓パネルと制御ユニットとは単一の窓ユニットに一体化されている。上で示したように、照明ユニットは、窓ユニットに一体化されてもよい。従って、更に特定の実施形態においては、窓パネルと、照明ユニットと、制御ユニットとは単一の窓ユニットに一体化されている。

入力信号は、特に、ユーザインターフェース、センサ又はタイマシステムの１つ以上からの、特に、電子入力信号であってもよい。例えば、タイマシステムはタイマ信号によってプライバシー窓システムの全般設定を作動させてもよく、センサは、プライバシー窓システムを一方の側の周囲光に基づき微調整してもよく、ユーザーは、所望されるプライバシーの度合い（「完全」、「中」、「低」、「無し」等）などの特定の設定を定義してもよい。タイマシステムは、例えば、音声信号から時間を得るように構成されたセンサなどのセンサを含んでもよい。

上で既に示したように、プライバシー窓システムはセンサを含んでもよい。「センサ」という用語は、複数のセンサを意味してもよい。従って、システムは複数のセンサを含んでもよい。特に、センサは、（ｉ）窓の一方の側の周囲光を検知するように構成されたセンサ、及び（ｉｉ）窓の別の側の周囲光を検知するように構成されたセンサの群から選択される１つ以上の光センサを含んでもよい。こうしたセンサは、例えば、光感知セルを含んでもよく、及び／又はＣＣＤカメラを含んでもよい。

上で示したように、プライバシーが所望される側の周囲光のレベルは、所望のプライバシーを提供するのに必要とされる（他の側における）照明ユニットの放射の強度に影響を及ぼす場合がある。その一方で、構造が照らされる側における周囲光の強度が高い場合、照明ユニットの放射の強度は、所望されるプライバシーを満たすように適応させる必要があってもよい又は所望されるプライバシーを満たすように適合され得る。従って、本発明は、光センサを更に含み、制御ユニットが、更に、照明ユニットの放射（の１つ以上の変動要素）を光センサの周囲光センサ信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。この光センサは、窓パネルの一方の側（例えば、使用者側）に構成されてもよいが、パネルの別の側（例えば、外部側）に構成されてもよい。特に、本発明は、更に、窓パネルの両側に光センサを含み、制御ユニットが、更に、照明ユニットの放射を両方の光センサの周囲光センサ信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。

更なる種類のセンサは、例えば、モーションセンサであっても割り込みセンサ（interruption sensor）であってもよい（例えば、ＩＲレーザービームなどのレーザービームを人が通過する場合）。こうしたセンサは、本明細書中では、「人感センサ」として示される。従って、本発明は、人感センサを更に含み、制御ユニットが、更に、照明ユニットの放射（の１つ以上の変動要素）を人感センサの人感センサ信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。人の存在が検知されると、照明ユニットの放射の放射強度が増加されてもよい。

システムが最適に使用され得るため、上記のようなセンサは、エネルギーを節約するために使用されてもよい。

使用者が、例えば、照明ユニットの放射の色又は色温度、及び特に強度に作用し得ることが望ましい場合がある。このようにして、使用者はプライバシーを特定レベルに調整することができる。従って、本発明は、照明ユニットの放射の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、プライバシー窓システムがユーザインターフェースを更に備え、制御ユニットが、更に、照明ユニットの放射をユーザインターフェースの入力信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。

別法として又は付加的に、使用者側の光の光特性は可変であってもよい。こうした例では、照明ユニットの放射を使用者側の光特性の関数として制御することが望ましい場合もある。これは、例えば、使用者側にある光センサによって実施されてもよく（上記も参照のこと）、及び／又はこれは使用者側における光の１つ以上の光特性及び照明ユニットの放射の両方を制御する制御ユニットにより実施されてもよい。従って、本発明は、窓パネルの、照明ユニットとは別の側に配置された第２の照明ユニットを更に含み、第２の照明ユニットが第２の照明ユニット光を提供するように構成され、第２の照明ユニット光の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、制御ユニットが、照明ユニットの放射（の１つ以上の変動要素）を第２の照明ユニット光の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。色温度及び／又は強度、特にその両方に作用することで、概日リズムに作用するなどの更なる機能性を付加してもよい。特に、ホテルの部屋においては、概日リズムを現地のタイムゾーン又は先の（移動先の）タイムゾーンに制御された方法で変更することが望ましい場合がある。

従って、本発明は、ホテルの部屋などの部屋が、第２の照明ユニット光を提供するように構成された第２の照明ユニットを更に含み、第２の照明ユニット光の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、制御ユニットが、照明ユニットの放射を第２の照明ユニット光の関数として制御するように構成されている、本明細書中に定義されるこうしたプライバシー窓システムの使用も提供する。当然、これは事務所等で使用されてもよい（以下も参照のこと）。

上で示したように、システムは、複数の照明ユニット、複数の窓パネル及び／又は複数の制御ユニット等を含んでもよく、特に、本明細書中で記載されるプライバシー窓システムは、複数の窓パネルと、１つ以上の窓パネルを照射するように構成された１つ以上の照明ユニットとを含むより大きい（より複雑な）システムに含まれてもよい。従って、本発明は、複数の窓パネルと、複数の照明ユニットと、前記制御ユニットとを含み、複数の照明ユニットが、複数の窓パネルの表面の１つを照明ユニットの放射によって照射するように構成され、制御ユニットが、複数の照明ユニットの照明ユニットの放射を入力信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。当然、こうしたシステムは、複数の（機能的に関連する）制御ユニット（及び複数のユーザインターフェース）を含んでもよい。示される複数とは、同じ数を必ずしも意味するものではないことに留意されたい。例えば、単一の照明ユニットが２つ以上の窓パネルを照射してもよい。更に、単一の照明ユニットが複数の照明ユニットを制御してもよい。「複数の照明ユニットが複数の窓パネルの表面の１つを照明ユニットの放射によって照射するように構成されている」という文言は、特に、各窓パネルが、一方の側において、複数の照明ユニットの１つ以上によって照射されることを示す。

従って、本発明は、本明細書中で記載される複数のプライバシー窓システムを含む（複雑な）システムも提供する。制御ユニットの１つは、任意選択的に、マスター制御ユニットであってもよく、或いは、複数のプライバシー窓システムを含むこうしたシステムは、（複雑な）システム内に含まれるプライバシー窓システムの制御ユニットを通信するように構成された、又は通信及び制御するように構成された更なる制御ユニットを更に含んでもよい。

複数の窓パネル及び複数の照明ユニットを備えるこうしたシステムは、特に、事務所用建物、ホテル、病院又は他の大型ホスピタリティエリア（hospitality areas）等に関連するものであってもよい。これにより、窓パネルのサブセット、又はより正確には、窓パネル／照明ユニットの複合体のサブセットを制御することが可能になってもよい。従って、本発明は、１つ以上の窓パネルの複数のサブセットと、サブセット内の前記１つ以上の窓パネルを照射するように構成された１つ以上の照明ユニットとを含み、複数のサブセットの前記１つ以上の照明ユニットが独立制御可能であり、各サブセットがサブセット内の前記１つ以上の照明ユニットを制御するためのユーザインターフェースに機能的に接続されている、プライバシー窓システムの一実施形態も提供する。これにより、一方では使用者にプライバシーを提供しつつも、また、その一方では建物の前面に情報を表示するという選択を提供してもよい。従って、本発明は、複数の窓パネルが建物の前面に一体化され、制御ユニットが、更に、文字、記号、アイコン、シンボル、サイン、書記素及び図の１つ以上を前面の複数のプライバシー窓システムによって表示するように構成されている、本明細書中に定義される複数の窓パネルの少なくとも１つの側におけるプライバシーを制御するための複数のプライバシー窓システムの使用も提供する。

更に一般には、本発明は、窓パネルの少なくとも１つの側におけるプライバシーを制御するための、本明細書中に定義されるプライバシー窓システムの使用を提供する。特に、プライバシー窓システムはホテルの部屋に一体化される。しかしながら、事務所の壁、病院の壁又は別の大型ホスピタリティエリアの壁への一体化などの他の用途もまた可能であってもよく、こうした壁は内壁であっても外壁であってもよい。

「上流側」及び「下流側」という用語は、光発生手段（ここでは、例えば、特に照明ユニット）からの光の伝搬に対する物品又は機能の配置に関連し、光発生手段からの光線内の第１の位置に対し、光線内の、光発生手段により近い方の第２の位置が「上流側」、光線内の、光発生手段から更に離れた第３の位置が「下流側」である。

本明細書中の、「実質的に全ての光」又は「実質的に成る」などの「実質的に」という用語は、当業者には理解されよう。「実質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」等を含む実施形態を含んでもよい。従って、実施形態において、「実質的に」という形容詞は除かれてもよい。該当する場合には、「実質的に」という用語は、９０％以上、例えば、９５％以上、特に９９％以上、更により特には、１００％を含む９９．５％以上に関係してもよい。「含む」という用語は、「含む」という用語が「から成る」を意味する実施形態も含む。「及び／又は」という用語は、特に、「及び／又は」の前及び後に言及した物品の１つ以上に関係する。例えば、「物品１及び／又は物品２」という文言並びに類似の文言は、物品１及び物品２の１つ以上に関係してもよい。「含む」という用語は、一実施形態において、「から成る」を意味してもよいが、別の実施形態においては、「少なくとも定義された種、及び任意選択的に１つ以上のその他の種を含む」も意味してもよい。

更に、本明細書及び特許請求の範囲における第１の、第２の、第３の等の用語は、類似の要素を区別するために用いられ、必ずしも順番又は時系列順を示すためのものではない。このように用いられる用語は、適切な状況下で入れ替え可能であり、本明細書中に記載される本発明の実施形態は、本明細書中に記載される又は示される以外の順序で動作可能であることは理解されるべきである。

本明細書中のデバイスはとりわけ動作時について記載されている。当業者には自明であるように、本発明は、動作方法又は動作時のデバイスに限定されない。

上述の実施形態は、本発明を限定するよりもむしろ、当業者は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく多くの代替的実施形態を設計し得ることを示すことに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧間に配置された任意の参照符号は特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」という動詞及びその活用形の使用は、特許請求の範囲に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する冠詞「１つの（a）」又は「１つの（an）」は複数のこうした要素の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を含むハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙するデバイスクレームにおいて、これら手段の幾つかは同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。相互に異なる従属請求項に特定の施策が列挙されるという単なる事実は、これら施策の組み合わせが効果的に使用され得ないことを示すものではない。

本発明は、更に、本明細書に記載される及び／又は添付の図面に示される特徴事項の１つ以上を含むデバイスに当てはまる。本発明は、更に、本明細書に記載される及び／又は添付の図面に示される特徴事項の１つ以上を含む方法又はプロセスに関する。

本特許で論じられる種々の態様は更なる利点を提供するために組み合わせることができる。更に、特徴の幾つかは１つ以上の分割出願の基礎を成すことができる。

更に別の態様において、本発明は、窓パネルと、照明ユニットと、制御ユニットとを含むプライバシー窓システム（本明細書中では「システム」とも示される）であって、（ｉ）窓パネル（本明細書中では「パネル」とも示される）が、第１の表面と、第２の表面と、縁端部とを含み、特に、窓パネルが可視放射を透過可能であり、窓パネルの表面の少なくとも１つが、反射性特性及び発光特性の１つ以上を有する材料を含み、前記表面構造（本明細書中では「構造」とも示される）を含む表面の少なくとも１つが、特に照明ユニットの放射による照射下で可視プライバシー光を発生させるように構成されており、（ｉｉ）照明ユニットが、窓パネルの表面の１つを前記照明ユニットの放射で照射し、これにより、前記（可視）プライバシー光を誘起し、且つ少なくとも１つの方向において窓パネルの見通し性を低下させるように構成されており、（ｉｉｉ）制御ユニットが、照明ユニットの放射を入力信号の関数として制御するように構成されている、プライバシー窓システムを提供する。反射特性又は発光特性の１つ以上を有する材料の存在に関わらず、窓パネルは可視光を（少なくとも１つの方向に）透過可能である。例えば、材料は、（薄い）コーティング、特に、薄い均一なコーティングとして塗布されてもよい。

ここで、単に例として、対応する参照符号が対応する部品を示す添付の概略図を参照しながら本発明の実施形態について記載する。

プライバシー窓システムの態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムがどのような効果を有し得るかの一例を示す。 プライバシー窓システムの更なる態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの更なる態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの更なる態様を概略的に示す。 プライバシー窓システムの更なる態様を概略的に示す。

概略図は必ずしも一定の縮尺ではない。

図１ａは、窓パネル１００と、制御ユニット３００と、動作中、照明ユニットの放射（２０１）を生成するための少なくとも１つの光源（図示せず）を含む照明ユニット２００とを含む、プライバシー窓システム１の一実施形態を概略的に示す。

窓パネル１００は、第１の表面１１０と、第２の表面１２０と、縁端部１３０とを含む。本発明は、特にエッジ照明の使用に基づくものではない。特に、エッジ照明は全くない。窓パネルは、また、２つの側、即ち、第１の側１１１０（本明細書中では単に第１の表面１１０と関連付けて理解するためのものである、即ち、第１の側１１１０は第１の側１１１０から始まる方向Ｉの空間である）と、第２の側１１２０（窓パネル１００を基準にした第１の側の反対側））（本明細書中では単に第２の表面１２０と関連付けて理解するためのものである、即ち、第２の側１１２０は第２の側１１２０から始まる方向ＩＩの空間である）とを画定する。

窓パネル１００は、ガラス又はＰＭＭＡ又は別の透明高分子材料などの透過性材料１０２を含み、石英も可能であってもよい。窓パネルは可視放射を透過可能である。従って、可視光は窓パネル１００を通して方向の少なくとも１つに透過されてもよい。

表面１１０、１２０の少なくとも１つ、ここでは窓パネル１００の第１の表面１１０は、窪み又は発光物質構造などの表面構造１０５を含む（以下も参照のこと）。前記表面構造１０５、即ち、ここでは第１の表面１１０を含む表面１１０、１２０の少なくとも１つは、照明ユニットの放射２０１による照射下で可視プライバシー光１０１を発生させるように構成されている。この放射１０１は、例えば、照明ユニットの放射のランバート反射等の反射（以下を参照のこと）により誘起される。これは、照明ユニット２００が窓パネル１００の表面１１０、１２０の１つに前記照明ユニットの放射２０１を照射することにより、前記プライバシー光１０１を誘起し、少なくとも１つの方向、ここでは少なくとも第２の方向ＩＩにおける窓パネル１００の見通し性を低下させるように構成されていることによる。照明ユニットの放射２０１は、この概略実施形態では、第１の表面に対しグレージング角未満で提供される。（第１の）表面と照明ユニットの放射との間の角度は角度αで示される。

更に、制御ユニット３００は、特に、照明ユニットの放射２０１の（１つ以上の変動要素）を、例えば、タイマ、内部光センサ４１５若しくは外部光センサ４０５（若しくは日照センサ）などの光センサ４０１から、又はユーザインターフェース３１０から、又はこれらの１つ以上からの入力信号の関数として制御するように構成されてもよい。第２の側１１２０には、更なる照明ユニット２２０が存在してもよい。参照符号２２１で示されるその照明ユニット光は窓パネルの透過率に影響を及ぼし得るため（他の側１１２０の光レベルの方が高い場合、第１の側１１１０における反射はより小さい場合がある）、制御ユニットは照明ユニットの放射２０１を第２の照明ユニット光２２１の関数として制御してもよい。更に、システム１は、例えば、人感センサ４１０を含んでもよい。センサは、特に、制御ユニット３００に機能的に接続されている。

必要に応じて、放射２０１は、（増加したレベルの）可視プライバシー光を一時的に発生させて、第２の方向における不透明性を強いる又は増加させることにより、第２の側１１２０におけるプライバシーを提供する又は向上させるために、スイッチがオンにされてもよく、又はその強度が増加されてもよい。

照明ユニット２００は、第１の側１１１０に構成されるか、又は第１の表面１１０（表面構造１０５を含む）を第１の側１１１０から少なくとも照射する。

図１ａは、非常に概略的な図であり、限定するものではない。ここでは、窓ユニット２が設けられ、窓パネル１００、照明ユニット２００及び制御ユニット３００の２つ以上であるが、少なくとも窓パネル１００が単一のユニット（即ち、窓ユニット２）に一体化された変形形態が示される。

参照符号３１０は、制御ユニット３００に指示するためのユーザインターフェースを示す。

図１ｂは、両表面１１０及び１２０が表面構造を含み、各側に、それぞれ参照符号２００ａ及び２００ｂで示される照明ユニット２００を備える一実施形態を概略的に示す。こうした実施形態においては、両方向のプライバシーが制御されてもよい（任意選択的に独立的に）。従って、両側１１１０、１１２０におけるプライバシーが制御されてもよい。別法として、照明ユニット２００ａ、２００ｂは、例えば、２つの独立制御可能な光源（図示せず）（のアレイ）を含む１つの照明ユニット２００に一体化される。

照明ユニット２００ａは、第１の側１１１０に構成されるか、又は第１の表面１１０（表面構造１０５を含む）を第１の側１１１０から少なくとも照射する。照明ユニット２００ｂは第２の側１１２０に構成されるか、又は第２の表面１２０（同じく表面構造１０５を含む）を第２の側１１２０から少なくとも照射する。

図１ｃは、窓パネル１００の表面構造１０５を備える第１の側１１０の正面図を概略的に示す。表面構造１０５はパターンで配置されてもよい。このパターンは規則的であっても不規則であっても、これらの組み合わせであってもよい。放射分布（図示せず）によっては、実質的に均質なプライバシー光１０１（図示せず）を提供するために、表面構造の非対称分布が所望されてもよい。

図１ｄは、表面構造１０５の実施形態をより詳細に概略的に示す。上部及び中間表面構造は反射性構造であってもよい。これらはプライバシー光１０１のランバート分布を提供するように構成されてもよい。別法として又は付加的に、下部表面構造１０５に概略的に示されるように、表面構造１０５に発光物質が含まれてもよい。発光物質は参照符号１０６で示される。表面構造１０５は、（プライバシー）光を一部窓パネル１００内に案内するように構成されてもよい（図示せず）ことに留意されたい。

図１ｅは、第１の側が照明ユニットの放射２０１によってどのように照射され得るかについての幾つかの形態を概略的に示す。照明ユニット２００ａ、２００ｂ及び２００ｃ、並びにそれら各々の放射２０１ａ、２０１ｂ及び２０１ｃを有する３つの位置形態が示される。これらの選択肢の１つのみ又はこれらの２つ以上の組み合わせが選択されてもよいことに留意されたい。しかしながら、他の構成もまた可能であってもよい。この概略図における照明ユニット２００ｃはグレージング角以外で第１の表面を照射してもよい。しかしながら、他の構成においては、より遠くの照明ユニットが、表面構造を有する表面にグレージング角で照射してもよい。

図１ｆは、窓パネル１００を示す。左側は、オフに切り換えられた又は強度が低く、窓パネルが（両方向において）透明なままの照明ユニット、右側は、オンに切り換えられた又は強度が高い照明ユニットである。プライバシー光は（見かけの）透過を大幅に低減し、窓パネルは不透明に見える（右側の図の状態）。（この種類及び密度の表面構造並びにこの強度の照明ユニット照射では）窓パネルの他方の側の特徴はもはや殆ど見えない。両状態において、照明ユニットの放射がオフに切り換えられるかオンに切り換えられるかの何れかによって、他方の側にいる人物は窓パネルを見通すことができる。

図２ａは、３階建てのホテルなどの３階建ての建物Ｂを非常に概略的に示す。１階は２つの窓パネル１００を含み、各窓パネルに各照明ユニット２００が提供されている。各照明ユニットは参照符号２００−１及び２００−２で示される。このようにして、２つのサブセットＳＳ１及びＳＳ２が設けられる。２つのサブセットＳＳ１及びＳＳ２は１つの制御ユニット３００及び単一のユーザインターフェース３１０によって制御されてもよい。２階は２つの部屋を示す。右の部屋は、２つの窓パネルと、単一の照明ユニット２００（参照符号２００−３で示される）と、制御ユニット３００と、ユーザインターフェース３１０とを有し、左の部屋は、単一の窓パネル１００と、単一の照明ユニット２００（参照符号２００−４で示される）と、また、制御ユニット３００と、ユーザインターフェース３１０とを有する。これによって、２つの更なるサブセットＳＳ３及びＳＳ４のそれぞれが設けられる。最上階は、例として、それぞれ参照符号２００−５及び２００−６で示される対応する照明ユニット２００を備える２つの個々に制御可能な窓パネル１００を有するペントハウスを示す。これにより、単一の制御ユニット３００及びユーザインターフェース３１０により制御されてもよい２つの更なるサブセットＳＳ５及びＳＳ６をそれぞれ提供する。参照符号Ｄはドアを示す。

最下階、即ち主要階にある制御ユニット３００は、例えば、マスター制御ユニット３００を含んでもよい。これは図２ｂに概略的に示される。制御ユニット３００はマスター制御ユニットである。更に、各部屋は、それぞれ参照符号３１０ａ、３１０ｂ、３１０ｃ及び３１０ｄで示されるユーザインターフェースを含んでもよい。主要階にあるユーザインターフェース３１０はマスター命令のために使用されてもよく、他のユーザインターフェースはスレーブ命令のために使用されてもよい。任意選択的に、各部屋は、互いに独立であるか、マスター制御ユニットに従属する（図２ｂに類似する）かの何れかである、それ自体の制御ユニットを含んでもよい。

図２ｃは、制御ユニット３００と、特に、１つ以上の照明ユニット２００、並びに１つ以上のセンサ４００、タイマシステムＴＳ及びユーザインターフェース３１０などの幾つかの考えられる他の要素との間の通信を概略的に示す。

システムは、本明細書中に記載されるように、複数のこうした要素を含んでもよい。本明細書中に記載される、照明ユニット、センサ、タイマシステム、ユーザインターフェース等の１つ以上などの、制御ユニット３００以外の要素は、制御ユニット３００に機能的に接続されてもよい。

図２ｄは、プライバシー窓システム１の一部である窓パネル１００を含む壁４を有する部屋５００、特に、ホテルの部屋５１０を非常に概略的に示す。方向ＩＩにおける視認性は照明システム（図示せず）の放射をオンに切り換えることによって制限されてもよい。従って、室内、即ち、窓パネル１００の側１１２０にいる人のプライバシーを保証するために光シールドが使用されてもよい。正面ＢＦの窓パネルを使用し、任意選択的に、時間と共に変化する色パターンを提供してもよい。特に、概略的に示したものよりも多い窓パネルが利用できる場合、文字、記号、画像等が画素として窓パネルに示されてもよい。従って、制御ユニット３００は、更に、文字、記号、アイコン、シンボル、サイン、書記素及び図の１つ以上を正面ＢＦの複数のプライバシー窓システム１によって表示するように構成されてもよい。

Claims (15)

1. 窓パネルと、照明ユニットと、制御ユニットとを含むプライバシー窓システムであって、
   − 前記窓パネルが、第１の表面と、第２の表面と、縁端部とを含み、前記窓パネルが可視光を透過可能であり、前記窓パネルの前記表面の少なくとも１つが表面構造を含み、前記表面構造を含む前記表面の前記少なくとも１つが、照明ユニットの放射による照射下で可視プライバシー光を発生させ、
   − 前記照明ユニットが、前記窓パネルの前記表面の少なくとも１つを前記照明ユニットの放射で第１の側及び／又は第２の側から照射し、これにより、前記プライバシー光を誘起し、且つ少なくとも１つの方向における前記窓パネルの見通し性を低下させ、及び
   − 前記制御ユニットが、前記照明ユニットの放射を入力信号の関数として制御する、プライバシー窓システム。
2. 光センサを更に含み、前記制御ユニットが、更に、前記照明ユニットの放射を前記光センサの周囲光センサ信号の関数として制御する、請求項１に記載のプライバシー窓システム。
3. 前記窓パネルの両側に光センサを含み、前記制御ユニットが、更に、前記照明ユニットの放射を両方の光センサの周囲光センサ信号の関数として制御する、請求項２に記載のプライバシー窓システム。
4. 人感センサを更に含み、前記制御ユニットが、更に、前記照明ユニットの放射を前記人感センサの人感センサ信号の関数として制御する、請求項１乃至３の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
5. 前記照明ユニットの放射の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、前記プライバシー窓システムがユーザインターフェースを更に含み、前記制御ユニットが、更に、前記照明ユニットの放射を前記ユーザインターフェースの入力信号の関数として制御する、請求項１乃至４の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
6. 前記窓パネルの、前記照明ユニットとは別の側に配置された第２の照明ユニットを更に含み、前記第２の照明ユニットが第２の照明ユニット光を提供し、前記第２の照明ユニット光の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、前記制御ユニットが、前記照明ユニットの放射を前記第２の照明ユニット光の関数として制御する、請求項１乃至５の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
7. 前記窓パネル、前記照明ユニット及び前記制御ユニットが単一の窓ユニットに一体化されている、請求項１乃至６の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
8. 前記表面構造が反射性表面構造を含み、前記照明ユニットの放射が可視光を含む、請求項１乃至７の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
9. 前記表面構造が、前記照明ユニットの放射によって励起可能な発光物質を含む、請求項１乃至８の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
10. 複数の窓パネル、複数の照明ユニット及び前記制御ユニットを含み、前記複数の照明ユニットが、前記複数の窓パネルの前記表面の１つに照明ユニットの放射を照射し、前記制御ユニットが、前記複数の照明ユニットの前記照明ユニットの放射を前記入力信号の関数として制御する、請求項１乃至９の何れか一項に記載のプライバシー窓システム。
11. １つ以上の窓パネルと、１つ以上の照明ユニットとの複数のサブセットを含み、前記１つ以上の照明ユニットは前記サブセット内の前記１つ以上の窓パネルを照射し、前記複数のサブセットの前記１つ以上の照明ユニットは独立に制御可能であり、各サブセットは前記サブセット内の前記１つ以上の照明ユニットを制御するためのユーザインターフェースに機能的に接続されている、請求項１０に記載のプライバシー窓システム。
12. 前記窓パネルの側の少なくとも１つにおけるプライバシーを制御するための、請求項１乃至１１の何れか一項に記載のプライバシー窓システムの使用。
13. 前記プライバシー窓システムがホテルの部屋に一体化される、請求項１２に記載の使用。
14. 前記ホテルの部屋が、第２の照明ユニット光を提供する第２の照明ユニットを更に含み、前記第２の照明ユニット光の色、色温度及び強度の１つ以上が可変であり、前記制御ユニットが、前記照明ユニットの放射を前記第２の照明ユニット光の関数として制御する、請求項１３に記載の使用。
15. 複数の前記窓パネルが建物の正面に一体化され、前記制御ユニットが、更に、文字、記号、アイコン、シンボル、サイン、書記素及び図の１つ以上を前記正面の複数の前記プライバシー窓システムによって表示する、請求項１２乃至１４の何れか一項に記載の複数の前記窓パネルの前記側の少なくとも１つにおけるプライバシーを制御するための複数のプライバシー窓システムの使用。
    

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