JP6218422B2 - 中和装置 - Google Patents

中和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6218422B2
JP6218422B2 JP2013091959A JP2013091959A JP6218422B2 JP 6218422 B2 JP6218422 B2 JP 6218422B2 JP 2013091959 A JP2013091959 A JP 2013091959A JP 2013091959 A JP2013091959 A JP 2013091959A JP 6218422 B2 JP6218422 B2 JP 6218422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon dioxide
bubbling
bubbles
unit
waste water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013091959A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014036950A (ja
Inventor
伸彦 久保田
伸彦 久保田
有香 吉田
有香 吉田
初美 岩崎
初美 岩崎
和行 城代
和行 城代
崇 小林
崇 小林
拓郎 前田
拓郎 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2013091959A priority Critical patent/JP6218422B2/ja
Publication of JP2014036950A publication Critical patent/JP2014036950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6218422B2 publication Critical patent/JP6218422B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

本発明は、セメントと水とを接触させた結果生じる廃水を中和する中和装置に関する。
コンクリートで構造物を建設する場合、砂、砂利等と、セメントおよび水とを混合する。そうすると、セメントと水が反応(水和反応)して、反応生成物が糊として機能し、砂や砂利等を固定する。このような、一連の工程を経て、コンクリートで構造物を建設する処理を、一般的に「コンクリートを打つ」という。
打ち終わった直後のコンクリートには、未反応のセメントが含まれるため、強度が低い。そこで、コンクリートを打ち終わった後、散水を行うことで、未反応のセメントを水と反応させ、強度を向上させることが一般的に行われている(所謂、養生)。
養生を行った後に生じる廃水(養生水)は、pH12程度と高アルカリ性の水溶液であるため、中和を行い、pHを放流基準値まで下げた後に、放流することとなる。
セメントと水とを接触させた結果生じる養生水等の廃水(以下、単に廃水と称する)を中和する技術として、廃水中に希硫酸を導入することで、廃水を中和する技術が開発されている。
しかし、希硫酸は、相対的に粘性が高く、拡散速度が遅いため、高機能な攪拌装置が必要であったり、特定化学物質等作業主任者といった資格が必要であったり、労働基準監督署への届出が必要であったり、貯留量によっては消防署への届出が必要であったりと、使用者にとって制約が多い。
そこで、エジェクタを用いて廃水に二酸化炭素を導入することで、廃水と二酸化炭素とを接触させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術によれば、取り扱いに特別な資格や届出が不要である二酸化炭素を用いることができるため、使用者は煩わしい手続きを経ずとも、廃水を中和することができる。また、二酸化炭素は、常温常圧下(例えば、25℃、1気圧)において、気体であるため、希硫酸と比較して拡散速度が速く、攪拌装置が不要となり、装置自体のコストを低減することができる。
特許第4430204号
特許文献1の技術では、エジェクタによって、アルカリ性水溶液中に二酸化炭素の気流が生じ、アルカリ性溶液が二酸化炭素の気流によって攪拌されることとなる。この場合、二酸化炭素とアルカリ性水溶液の接触時間が短く、アルカリ性水溶液に二酸化炭素が十分に溶解せずに、二酸化炭素が大気に放出されてしまう。
そうすると、放流基準値まで中和するには、長時間を要することとなる。また、放流基準値まで中和するには、二酸化炭素を大量に導入しなければならない。したがって、二酸化炭素を導入するためのポンプの駆動に要するコストや、二酸化炭素自体のコストが高くなってしまっていた。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、二酸化炭素の導入態様を工夫することで、使用する二酸化炭素量を低減するとともに、中和に要する時間を短縮することが可能な中和装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の中和装置は、セメントと水とを接触させた結果生じる廃水を収容する貯水槽と、廃水に、平均粒径が0.2mm以上2.5mm以下の二酸化炭素の泡をバブリングすることで、廃水を中和する複数のバブリング部と、バブリング部が設けられバブリング部によって二酸化炭素の泡がバブリングされる領域と、バブリング部が設けられず二酸化炭素の泡がバブリングされない領域とが混在するように、複数のバブリング部を貯水槽の底部に支持する支持機構と、を備え、廃水中には、バブリングによって生成される二酸化炭素の泡が導入されることを特徴とする。

大気圧より高圧に圧縮された二酸化炭素を貯留する二酸化炭素ボンベをさらに備え、バブリングには、二酸化炭素ボンベから二酸化炭素が圧送されるとしてもよい。
廃水のpHを測定するpHセンサと、測定されたpHが予め定められた閾値を上回る値である間、バブリング部を制御して二酸化炭素をバブリングさせ、測定されたpHが閾値以下となると、バブリング部を制御して二酸化炭素のバブリングを停止させる制御部と、をさらに備えるとしてもよい。
予め定められた閾値は、pH8.6〜pH5.8の間から選択された数値であるとしてもよい。
バブリング部を、廃水内に位置させた状態に維持する係止部をさらに備えるとしてもよい。
ブリング部とともに、pHセンサを廃水内に位置させた状態に維持する係止部をさらに備えるとしてもよい。
本発明によれば、二酸化炭素の導入態様を工夫することで、使用する二酸化炭素量を低減するとともに、中和に要する時間を短縮することが可能となる。
第1の実施形態にかかる中和装置の斜視図である。 第1の実施形態にかかる中和装置を説明するための図である。 (a)は、「気泡・分散工学−基礎と応用 槙書店 1982年発行」を出典とする気泡の平均粒径に対する上昇速度を示すグラフであり、(b)は、「気泡・分散工学−基礎と応用 槙書店 1982年発行」を出典とする気泡の鉛直断面を示す図である。 第2の実施形態にかかる中和装置を説明するための図である。 変形例1の中和装置を説明するための図である。 変形例2の中和装置を説明するための図である。 二酸化炭素の粒径と、アルカリ水溶液のpH変化とを説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:中和装置100)
図1、図2は、第1の実施形態にかかる中和装置100を説明するための図であり、図1は、中和装置100の斜視図を、図2(a)は、中和装置100を上面視した図、図2(b)は、図1のXZ断面図を示す。本実施形態の図1では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。これらの図に示すように、中和装置100は、貯水槽110と、ガス導入部120と、支持部材128(図1では、図示を省略する)と、バブリング部130と、pHセンサ140と、制御部150とを含んで構成される。
貯水槽110は、廃水102を収容する。ここで、廃水102は、セメントと水とを接触させた結果生じる、コンクリートの養生水、コンクリートの洗浄水等の水溶液である。
ガス導入部120は、ガス供給管122と、ガス圧送管124とを含んで構成される。
ガス供給管122は、例えば、可撓性を有する樹脂製の管で構成され、二酸化炭素供給源104とガス圧送管124とを連通する。
二酸化炭素供給源104は、例えば、二酸化炭素ボンベ等で構成される。本実施形態では、二酸化炭素供給源104として、高圧圧縮された二酸化炭素を貯留した二酸化炭素ボンベを用いているため、ポンプを用いずとも二酸化炭素を圧送することができる。しかし、大気圧の二酸化炭素、または、圧縮率の低い二酸化炭素を貯留した貯留槽や、大気圧の二酸化炭素、または、圧縮率の低い二酸化炭素を生成する生成装置を二酸化炭素供給源104とする場合、ガス導入部120は、ポンプを含んで構成され、ポンプを駆動して、二酸化炭素供給源104からガス供給管122へ二酸化炭素を圧送するとよい。
ガス圧送管124は、環状に形成されており、一部がガス供給管122に接続され、他部の一部がバブリング部130に接続された管である。また、図2に示すように、ガス圧送管124は、支持部材128によって貯水槽110の底部近傍に支持されている。
したがって、二酸化炭素供給源104から供給された二酸化炭素は、ガス供給管122、ガス圧送管124を通じて、バブリング部130に供給される。
バブリング部130は、ガス圧送管124と連通するとともに、ガス供給管122、ガス圧送管124を通じて二酸化炭素供給源104から供給された二酸化炭素を廃水102にバブリングする。
バブリング部130は、例えば、樹脂で形成された多孔質体、ガラスで形成された多孔質体、セラミックで形成された多孔質体、金属で形成された多孔質体、軽石等の多孔質体で形成され、廃水102中に、平均粒径(平均の気泡径)が2.5mm未満の二酸化炭素の泡(気泡)、好ましくは、平均粒径が1mm未満の二酸化炭素の泡(図1、図2においては、理解を容易にするために、実際よりも大きく示している)を導入する。
平均粒径が2.5mm未満の泡は、上昇速度が極めて遅い。例えば、粒径が10μmの泡(気泡)の上昇速度は、3mm/min程度である。
図3(a)は、「気泡・分散工学−基礎と応用 槙書店 1982年発行」を出典とする気泡の平均粒径に対する上昇速度を示すグラフであり、図3(b)は、「気泡・分散工学−基礎と応用 槙書店 1982年発行」を出典とする気泡の鉛直断面を示す図である。図3(a)中、実線で示すように、精製水において、平均粒径が1.5mm程度になるまでは、気泡の平均粒径が大きくなるほど、精製水中の気泡の上昇速度は大きくなるが、平均粒径が1.5mmを超えると、上昇速度は一旦徐々に低下し、平均粒径が6mm以上となると、平均粒径が大きくなるほど、上昇速度が大きくなる。
一方、図3(a)中、破線で示すように、実際の廃水としてみなすことができる汚染水では、平均粒径が4mm程度になるまでは、気泡の平均粒径が大きくなるほど、汚染水中の気泡の上昇速度は徐々に大きくなり、4mmを超えると上昇速度は20cm/秒と一定値となり、さらに、平均粒径が10mmを超えると、また、平均粒径が大きくなるほど、上昇速度が徐々に大きくなる。
このように、実際の廃水としてみなすことができる汚染水では、気泡の平均粒径が10mm未満であれば、気泡の上昇速度を18cm/秒未満とすることができ、気泡の滞留時間を長くすることが可能となることが分かる。
また、水中において、気泡の粒径が1mm未満であると、気泡の形状は球状になり(図3(b)参照)、気泡の粒径が1mm以上20mm未満であると、気泡の形状は楕円体状になり(図3(c)、(d)参照)、気泡の粒径が20mm以上であると、気泡の形状は半球状になる(図3(e)、(f)参照)。したがって、気泡の粒径を1mm未満とすることで、気泡の形状を均一化することができ、安定的に気泡を水中に溶解させることができる。
このように、バブリング部130が、後述する制御部150による制御に応じて、平均粒径が10mm未満の泡の状態で二酸化炭素を導入することで、エジェクタによって二酸化炭素を導入する従来と比較して、廃水102における二酸化炭素の滞留時間を長くすることができる。つまり、廃水102と二酸化炭素の接触時間を長くすることができ、廃水102への二酸化炭素の溶解効率を向上させることが可能となる。
また、同じ量の二酸化炭素を導入する場合、二酸化炭素を平均粒径が10mm未満の泡とすることで、平均粒径が10mm以上の泡とした場合と比較して、二酸化炭素の比表面積を大きくすることができるため、これによっても、廃水102への二酸化炭素の溶解効率を向上させることが可能となる。さらに、詳しくは後述するが、二酸化炭素の平均粒径が2.5mm未満の泡とすることで、廃水102の中和に要する時間を著しく短縮することが可能となる。
また、二酸化炭素を平均粒径が1mm未満の泡とすることで、泡の形状を球状とすることができ、気泡の形状を均一化することが可能となり、二酸化炭素を安定的に廃水102に溶解させることができる。
そうすると、下記反応式(1)、(2)に示す中和反応が進行して、廃水102中の水酸化カルシウム(Ca(OH))が中和される。
Ca(OH)+CO→CaCO+H
…反応式(1)
CaCO+CO+HO→Ca(HCO
…反応式(2)
したがって、従来と比較して、少量の二酸化炭素で上記中和反応を行うことができ、二酸化炭素自体のコストを低減することが可能となる。また、従来と比較して、短時間で上記中和反応を行うことができる。
なお、図1に戻って説明すると、本実施形態の中和装置100では、バブリング部130を4つ備える構成を例に挙げて説明したが、バブリング部130の数に限定はない。
pHセンサ140は、廃水102と接触する位置に設けられ、廃水102のpHを測定する。
制御部150は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して中和装置100全体を管理および制御する。本実施形態において制御部150は、pHセンサ140によって測定されたpHが予め定められた閾値(例えば、放流基準値であるpH8.6〜pH5.8の間から選択された数値)を上回る値である間、バブリング部130を制御して二酸化炭素をバブリングさせ、閾値以下となると、バブリング部130を制御して二酸化炭素のバブリングを停止させる。
pHセンサ140、制御部150を備える構成により、廃水102のpHを過剰に下げてしまい、そのまま放流できなくなってしまう事態を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる中和装置100によれば、使用する二酸化炭素量を低減するとともに、中和に要する時間を短縮することが可能となる。
(第2の実施形態:中和装置200)
上述した第1の実施形態では、貯水槽110を備えた中和装置100について説明した。しかし、必ずしも貯水槽110は必要ではない。第2の実施形態では、貯水槽110を有しない中和装置200について説明する。
図4は、第2の実施形態にかかる中和装置200を説明するための図であり、図4(a)は、中和装置200の斜視図を、図4(b)は、中和装置200の使用形態を説明するための図を示す。本実施形態の図4では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。
図4(a)に示すように、中和装置200は、ガス導入部120と、バブリング部130と、pHセンサ140と、制御部150と、係止部210と、を含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態において、すでに説明した、ガス導入部120、バブリング部130、pHセンサ140、制御部150は、実質的に機能が等しいため、重複説明を省略し、ここでは、係止部210について詳述する。
係止部210は、例えば、図4中、XZ断面がL字形状の平板で構成され、制御部150に接続されるとともに、既存の貯水槽250に係止可能に形成されている。そして、制御部150からガス圧送管124が延伸し、ガス圧送管124における制御部150に接続される端部と反対側の端部にバブリング部130が接続されている。
図4(b)に示すように、既存の貯水槽250に収容された廃水102を中和する場合、係止部210を貯水槽250の側壁の上端に係止する。そうすると、ガス圧送管124、バブリング部130が貯水槽250内に配されることとなる。そして、ガス導入部120から二酸化炭素が導入されると、バブリング部130が廃水102に二酸化炭素をバブリングすることとなる。
以上説明したように、本実施形態にかかる中和装置200によれば、係止部210を係止するだけで、既存の貯水槽250にバブリング部130を設置することができ、貯水槽250に収容された廃水102を中和することが可能となる。
また、中和装置200は、ガス導入部120、バブリング部130、pHセンサ140、制御部150、係止部210のみで構成されるため、可搬性(容易に運搬できること)を向上することができる。建設現場等においては、貯水槽250や、二酸化炭素供給源104が設置されていることが多いため、建設現場には、中和装置200のみを運搬するだけで、廃水102を中和することができる。
(変形例1)
図5は、変形例1の中和装置300を説明するための図である。本実施形態の図5では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。図5に示すように、中和装置300は、貯水槽110と、ガス導入部120と、支持部材128(図5では、図示を省略する)と、バブリング部130と、pHセンサ140と、制御部150と、蓋部310とを含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態において、すでに説明した、貯水槽110、ガス導入部120、支持部材128、バブリング部130、pHセンサ140、制御部150は、実質的に機能が等しいため、重複説明を省略し、ここでは、蓋部310について詳述する。
蓋部310は、貯水槽110の開口部を封止する。蓋部310を備える構成により、貯水槽110の内部を密閉することができ、ガス導入部120による二酸化炭素の供給が遂行されることで、貯水槽110内を加圧状態にすることができる。これにより、二酸化炭素の廃水102への溶解を促進することができ、二酸化炭素の溶解効率をさらに向上させることが可能となる。
(変形例2)
図6は、変形例2の中和装置400を説明するための図である。本実施形態の図6では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。図6に示すように、中和装置400は、貯水槽110と、ガス導入部120と、バブリング部430と、pHセンサ140と、制御部150とを含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態において、すでに説明した、貯水槽110、ガス導入部120、pHセンサ140、制御部150は、実質的に機能が等しいため、重複説明を省略し、ここでは、バブリング部430について詳述する。
変形例2において、バブリング部430は、焼結金属や、図6中Z軸方向(鉛直方向)に複数枚重畳された複数枚の金属メッシュで構成されており、貯水槽110におけるXY断面に亘って板状に形成されている。したがって、バブリング部430は、貯水槽110を鉛直方向に2分割する機能を有し、バブリング部430の鉛直上方には、廃水102が収容され、鉛直下方には、空間410が形成されることとなる。
なお、バブリング部430は、平均粒径が2.5mm未満の二酸化炭素の泡を廃水102に導入するため、バブリング部430に形成された孔は、極めて小さい。したがって、廃水102は、バブリング部430の鉛直上方に収容されたとしても、水の表面張力によって、孔を通過できず、空間410まで廃水102が到達する事態を回避することができる。
そして、ガス導入部120のガス圧送管124は、一端がガス供給管122に接続され、他端がバブリング部430の鉛直下方に形成された空間410に接続された管である。したがって、二酸化炭素供給源104から供給された二酸化炭素は、ガス供給管122、ガス圧送管124、空間410、バブリング部430の孔を通じて、廃水102に供給される。
なお、バブリング部430に形成された微細な孔の閉塞を防ぐために、バブリング部430を通じて二酸化炭素を常時流したり、バブリング430を傾けたりするとよい。
以上説明したように、本実施形態にかかる中和装置400によれば、使用する二酸化炭素量を低減するとともに、中和に要する時間を短縮することが可能となる。
(実施例)
図7は、二酸化炭素の粒径と、アルカリ水溶液のpH変化とを説明するための図である。実施例では、アルカリ水溶液として、pH12.40〜pH12.41のNaOH水溶液を作成した。そして、400mlのNaOH水溶液(pH12.40〜pH12.41)に流量5ml/分で、実施例として0.2mmの粒径の二酸化炭素を、比較例として5mmの粒径の二酸化炭素、および、10mmの粒径の二酸化炭素をそれぞれ30分間バブリングした。その結果を表1に示す。
Figure 0006218422
表1および図7(a)に示すように、二酸化炭素の粒径が5mmである場合(図7中黒四角で示す)や、10mmである場合(図7中白丸で示す)には、pH12程度までしかpHの低下が見られなかった。すなわちpHが0.4程度しか低下しなかった。
一方、二酸化炭素の粒径が0.2mmである場合(図7中、白三角で示す)、pH10程度まで低下することが分かった。すわなち、pHを2程度低下させることができることが確認された。
以上の結果から、アルカリ水溶液にバブリングする二酸化炭素の粒径が小さいほど、短時間でpHを低下することができることが分かった。
また、上記結果に基づいて、二酸化炭素の粒径それぞれについて、バブリング時間に対するpH値変化を線形近似し、pH8に達する時間を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0006218422
そうすると、表2に示すように、実施例である粒径が0.2mmである場合、pH8にするまでの時間は、58分(約1時間)であった。一方、従来行われていたエジェクタによって二酸化炭素を導入する場合の二酸化炭素の泡の粒径であると考えられる粒径10mmである場合、pH8にするまでには、367分(約6時間)を要し、粒径5mmである場合には、299分(約5時間)を要することが分かった。
したがって、図7(b)に示すように、粒径が2.5mmの二酸化炭素の泡を導入すれば、従来行われていたエジェクタによって二酸化炭素を導入する場合の約半分の時間(3時間)でpH14のアルカリ水溶液をpH8にまで低下させることができることが確認できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した第2の実施形態において、係止部210がL字形状の平板で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、係止部210は、バブリング部130およびpHセンサ140を廃水102に接触できるように、既存の貯水槽250に係止できれば、形状に限定はない。
また、二酸化炭素供給源104を二酸化炭素ボンベで構成する場合、二酸化炭素ボンベの残量が予め定められた閾値を下回った場合に、警報を発する報知部を備えるとしてもよい。
本発明は、アルカリ性水溶液を中和する中和装置に利用することができる。
100、200、300、400 …中和装置
130 …バブリング部
140 …pHセンサ
150 …制御部

Claims (6)

  1. セメントと水とを接触させた結果生じる廃水を収容する貯水槽と、
    前記廃水に、平均粒径が0.2mm以上2.5mm以下の二酸化炭素の泡をバブリングすることで、該廃水を中和する複数のバブリング部と、
    前記バブリング部が設けられ該バブリング部によって前記二酸化炭素の泡がバブリングされる領域と、該バブリング部が設けられず該二酸化炭素の泡がバブリングされない領域とが混在するように、前記複数のバブリング部を前記貯水槽の底部に支持する支持機構と、
    を備え、
    前記廃水中には、バブリングによって生成される二酸化炭素の泡が導入されることを特徴とする中和装置。
  2. 大気圧より高圧に圧縮された二酸化炭素を貯留する二酸化炭素ボンベをさらに備え、
    前記バブリング部には、前記二酸化炭素ボンベから二酸化炭素が圧送されることを特徴とする請求項1に記載の中和装置。
  3. 前記廃水のpHを測定するpHセンサと、
    測定された前記pHが予め定められた閾値を上回る値である間、前記バブリング部を制御して二酸化炭素をバブリングさせ、測定された前記pHが該閾値以下となると、前記バブリング部を制御して二酸化炭素のバブリングを停止させる制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の中和装置。
  4. 前記予め定められた閾値は、pH8.6〜pH5.8の間から選択された数値であることを特徴とする請求項3に記載の中和装置。
  5. 前記バブリング部を、前記廃水内に位置させた状態に維持する係止部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の中和装置。
  6. 前記バブリング部とともに、前記pHセンサを前記廃水内に位置させた状態に維持する係止部をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の中和装置。
JP2013091959A 2013-04-25 2013-04-25 中和装置 Active JP6218422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013091959A JP6218422B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 中和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013091959A JP6218422B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 中和装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012180522 Division 2012-08-16 2012-08-16

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014036950A JP2014036950A (ja) 2014-02-27
JP6218422B2 true JP6218422B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=50285485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013091959A Active JP6218422B2 (ja) 2013-04-25 2013-04-25 中和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6218422B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6371127B2 (ja) * 2014-06-19 2018-08-08 扶和産業株式会社 生コンクリートの製造方法
WO2021199202A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社Ihi 中和装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50112272A (ja) * 1974-02-14 1975-09-03
JPS5182957A (ja) * 1975-01-17 1976-07-21 Mitsubishi Petrochemical Co Konkuriitohaisuinoshorihoho
JPS5315261A (en) * 1976-07-29 1978-02-10 Shimazaki Mixing Equip Method of treating waste water containing calcium ions
JPS5765384A (en) * 1980-10-06 1982-04-20 Takenaka Komuten Co Ltd Neutralization of alkaline waste water
JPS6046197U (ja) * 1983-09-07 1985-04-01 昭和炭酸株式会社 アルカリ性廃水の中和装置
JP3481276B2 (ja) * 1993-10-01 2003-12-22 俊朗 丸山 アルカリ水の中和方法および装置
JP2008161782A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toshiba Corp pH調整システム
JP5040025B2 (ja) * 2007-05-29 2012-10-03 シャープ株式会社 ナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法
JP3146693U (ja) * 2008-09-13 2008-11-27 新日本リース株式会社 アルカリ廃水処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014036950A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6063806B2 (ja) 中和装置
JP6218422B2 (ja) 中和装置
WO2014199525A1 (ja) マイクロ・ナノバブルの発生方法、発生ノズル及び発生方法
KR101036553B1 (ko) 이산화탄소 마이크로 버블을 이용한 탄산염의 제조방법 및 그로부터 제조된 탄산염
KR102519333B1 (ko) 가스 용해액 제조 장치
US20050031508A1 (en) Apparatus for manufacturing chlorine dioxide
KR102571000B1 (ko) 공급 액체 제조 방법
JPWO2006101214A1 (ja) 水素発生方法及び水素発生装置及び燃料電池設備
CN110663100B (zh) 稀药液制造装置
JP2008288573A (ja) ケミカル供給装置
TWM500788U (zh) 環保磚
JP2009112979A (ja) オゾン水の製造装置及び製造方法
CN205981380U (zh) 一种腐蚀性液态原料缺料报警装置
KR20180135410A (ko) 가스 용해액 제조 장치
US11117114B2 (en) Lithium carbonate production device
JP2018051533A (ja) 水素水の製造装置及び製造方法
JP4512897B2 (ja) 薬液注入工法
US20220041476A1 (en) Effective and/or safe ozonation of water in a tank through evolved gas control
JP7204211B2 (ja) バッチ式マイクロバブル液生成装置および生成方法
JP2010023023A (ja) 気液反応装置及び気液反応方法
TW201903312A (zh) 氣體下降管,安裝構件及脫硫裝置
CN110314620B (zh) 一种高效喷淋气液混合装置
KR20200096742A (ko) 알칼리 폐액 중화 장치
CN109684710A (zh) 一种基于模型计算模板工程量的方法
JP2019181335A (ja) ナノサイズバブル発生器、気体導入保持装置、ナノサイズバブル発生方法、及び気体導入保持方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160704

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160726

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6218422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250