JP6217296B2 - 感光性樹脂組成物、ならびにそれを用いた塗膜 - Google Patents
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Description
[一般式(2)において、mは1〜10の整数であり、pは5〜30の整数であり、Xはアルキレン基、Yはアルキル基である。]
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
<酸性基含有樹脂(A)>
本発明の酸性基含有樹脂(A)は、その主鎖または側鎖に酸性基を有するものであって、芳香環を有する単量体、または脂環式基を有する単量体の少なくとも1種を共重合してなる、重量平均分子量1000以上20000以下である樹脂(A1)を含む。樹脂(A1)を含むことにより、優れた感光性樹脂組成物とすることができる。
また、樹脂(A1)は、酸価が、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。また、側鎖に水酸基を有し、かつエチレン性不飽和二重結合を有し、さらに水酸基当量が300以上900以下であり、かつ二重結合当量が300以上900以下であることがより好ましいものである。
樹脂への酸基の導入方法としては、酸基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合する方法、あるいは重合後に酸基を付与しうるエチレン性不飽和単量体を用いる方法等がある。
重合後に酸基を付与しうるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いる場合には、例えば水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、酸基(カルボキシル基)を導入することが出来る。あるいは、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を用いる場合には、例えばエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、カルボキシル基を有する不飽和一塩基酸を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、酸基(カルボキシル基)を導入することが出来る。この方法では、水酸基と多塩基酸無水物を過不足なく反応させると水酸基が消失する。一方、水酸基の一部と多塩基酸無水物を反応させることで、側鎖に水酸基を有し、かつカルボキシル基等の酸基およびエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が得られる。
[樹脂(A1)]
樹脂(A1)は、下記(1)に示す、芳香環を有する単量体(1−1)、または脂環式基を有する単量体(1−2)の少なくとも1種を共重合した共重合体であることを特徴とし、かつ重量平均分子量が1000以上20000以下であることを特徴とする。さらには、(2)〜(5)に示す単量体を共重合した共重合体であることが好ましい。樹脂(A1)が(1)で示すような芳香環を有する単量体、または脂環式基を有する単量体を共重合したものであることで、樹脂と無機微粒子やそれを分散する分散剤との相溶性が良化して、塗液が白濁することなく高い透過率の塗膜を得ることができる。
(1−1)芳香環を有するエチレン性不飽和単量体
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、下記の<1>〜<4>、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香環を有することで、無機微粒子との相溶性に優れ、現像パターニング性にも優れた組成物とすることができる。
ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン(メタ)アクリレート、o−、m−、またはp−メチルスチレン(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、フェノールのEO2モル付加物の(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート等
o−、m−、またはp−フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート、o−、m−、またはp−フェニルフェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート等
2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのモノ(メタ)アクリレート、2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート、3モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート等
一般式(9):
[一般式(9)中、R6は、水素原子、またはメチル基であり、R7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。]
第一工業製薬社製ニューフロンティア CEA〔EO変性クレゾールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:メチル基、n=1または2、〕、NP−2〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n=2〕、N−177E〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n=16〜17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 1mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 2mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=2〕、
東亞合成社製アロニックス M−101A〔フェノールEO変性(n≒2)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、M−102〔フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒4〕、M−110〔パラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:パラクミル、n≒1〕、M−111〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒1〕、M−113〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはM−117〔n−ノニルフェノールPO変性(n≒2.5)アクリレート、R6:水素原子、R7:プロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレート PO−A〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、P−200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、NP−4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはNP−8EA〔〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n≒8〕、またはライトエステル PO〔フェノキシエチルメタクリレート、R6:メチル基、R7:プロピレン基、R8:水素原子、n=1〕、
日油社製ブレンマー ANE−300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:−ノニル基、n≒5〕、ANP−300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:プロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒5〕、43ANEP−500〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:−ノニル基、n≒5+5〕、70ANEP−550〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒9+3〕、75ANEP−600〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒5+2〕、AAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、AAE−300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒5.5〕、PAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、PAE−100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=2〕、若しくは43PAPE−600B〔フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート、R6:メチル基、R7:エチレン基及びプロピレン基、R8:水素原子、n≒6+6〕、
新中村化学社製NK ESTER AMP−10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、AMP−20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒2〕、AMP−60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n≒6〕、PHE−1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、R6:メチル基、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート #192〔フェノキシエチルアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕、あるいは、
日本化薬製SR−339A〔2−フェノキシエチレングリコールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:水素原子、n=1〕,若しくはSR−504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、R6:水素原子、R7:エチレン基、R8:n−ノニル基〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
脂環式基を有するエチレン性不飽和単量体とては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、一般式(12)にて示されるエチレン性不飽和単量体、または一般式(13)に示すエチレン性不飽和単量体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。またこれらは単独で用いても2種以上を用いても良い。
[一般式(12)、一般式(13)中、R9は、水素原子、またはメチル基であり、R10は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、mは、1〜15の整数である。]
日立化成社製ファンクリル FA−513A〔ジシクロペンタニルアクリレート、R9:水素原子、R10:なし、m=0〕、またはFA−513M〔ジシクロペンタニルメタクリレート、R9:メチル、R10:なし、m=0〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
日立化成社製ファンクリル FA−511A〔ジシクロペンテニルアクリレート、R9:水素原子、R10:なし、m=0〕、FA−512A〔ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、R9:水素原子、R10:エチレン基、m=1〕、FA−512M〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R9:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕、またはFA−512MT〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R9:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
酸性基を有する樹脂(A)にて記したように、酸性基を導入するには酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いる方法、あるいは重合後に酸基を付与しうるエチレン性不飽和単量体を、エチレン性不飽和単量体成分として重合する方法がある。前記酸性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、もしくはフェノール性水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、または多塩基酸無水物等が挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
樹脂(A1)に水酸基を導入する方法としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合する方法(I)、あるいは水酸基を導入するためのエチレン性不飽和単量体を用いる方法(II)がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の導入量は、樹脂(A1)で導入する全単量体の合計100重量%中4〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であるのがよい。
方法(II)としては、例えば、酸基を有するエチレン性不飽和単量体で記載したカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを共重合し、側鎖のカルボキシル基をエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体で変性して水酸基を生成させる方法(II−1)、またはエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体とその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを共重合し、側鎖のエポキシ基を、酸基を有するエチレン性不飽和単量体で記載したカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体で変性して水酸基を生成させる方法(II−2)等が挙げられる。それぞれの方法で用いる単量体を下記に詳述する。
方法(II−1)では酸性基を有するエチレン性不飽和単量体で記載したカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と上述したその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを共重合し、側鎖のカルボキシル基をエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体で変性して水酸基を生成させる方法である。エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル−α−エチルアクリレート、3−メチル−3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−4,5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルなどが挙げられ、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体の導入量は、樹脂(A1)で導入する全単量体の合計100重量%中4〜70重量%、好ましくは5〜60重量%であるのがよい。
樹脂(A1)は、方法(II)のようにして側鎖に水酸基を有する構造とすることが好ましい。方法(I)により主鎖に水酸基を有するより側鎖に水酸基を有することで、より金属微粒子やその分散剤との相溶性が良化し、透明性が高くなる。
エチレン性不飽和二重結合を導入する方法としては、上述した水酸基を生成させる方法(II−1)において、側鎖のカルボキシル基の一部をエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体で変性した場合に、側鎖に水酸基を有し、かつカルボキシル基等の酸基およびエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が得られ、側鎖のカルボキシル基の全部をエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体で変性した場合には、側鎖に水酸基を有し、かつカルボキシル基等の酸基を有さず、かつエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂となる。方法(II−2)では、側鎖に水酸基を有し、かつカルボキシル基等の酸基およびエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が得られる。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、ラジカル重合性二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にラジカル重合性二重結合を増やすことができる。
不飽和一塩基酸を使用した場合には、側鎖に水酸基を有し、かつ、カルボキシル基の酸基とエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が得られ、不飽和一塩基酸を使用しない場合には、側鎖に水酸基を有し、かつカルボキシル基等の酸基を有さず、かつエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂となる。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等を用いることができる。これらのエチレン性不飽和単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
樹脂(A1)が側鎖に水酸基を有し、かつエチレン性不飽和二重結合を有することで、樹脂と無機微粒子やそれを分散する分散剤との相溶性が良化して、塗液が白濁することなく高い透過率の塗膜を得ることができる。
つまり本発明では、方法(II)で水酸基を導入することが好ましく、方法(II−2)が特に好ましい。方法(II)で水酸基を導入することで、方法(I)と比べて、樹脂と無機微粒子やそれを分散する分散剤との相溶性が良化して、塗液が白濁することなく高い透過率の塗膜を得ることができる。
下記一般式(14)で表わされるエチレン性不飽和単量体
一般式(14):
[一般式(14)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。]
上記(1)〜(5)以外のエチレン性不飽和重合体としては例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド類、その他のビニル化合物、及びマクロモノマー類が挙げられる。
光重合開始剤(B)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられ、これらを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、アセトフェノン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤のなかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、とりわけ、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]は、加熱工程時に黄変しないため、絶縁膜としての透過率が高く、特に波長400nm付近の透過率が高い感光性樹脂組成物を提供することができるため、より好ましい。これらはそれぞれを単独で用いても良く、ともに含んでいても良い。
光重合開始剤(B)は、感光性樹脂組成物の固形分の合計100重量%中、1〜30重量%の量で用いることが好ましく、透過率の観点から1〜10重量%の量で用いることがより好ましい。
増感剤は、光重合開始剤(B)100重量部に対して、0.1〜150重量部の量で用いることができる。
本発明の多官能単量体(C)は、1分子中に4つ以上の官能基を有する単量体を含むことを特徴とする。このような多官能単量体を含むことで、硬度に優れるものとなる。また透過率の維持、表面硬度と密着性のバランスなどの観点から1分子中に7つ以上の官能基を有する単量体を含むことが好ましい。
4つ以上の官能基を持つ多官能単量体(C)としては、例えば、下記一般式(1)で表される多官能単量体であることが好ましい。
一般式(1):
[一般式(1)において、nは0〜5の整数であり、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、および(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選ばれるいずれかである。ただし、n=0の場合、R2は(メタ)アクリロイルオキシ基である。]
また、四塩基酸二無水物の具体例としては、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテートモノアセテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキシセンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
また、多官能エポキシ化合物の具体例としては、トリス(グリシジルフェニル)メタン、トリグリシジルイソシアヌレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらのなかでも、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレートが最も好ましく、その他のものを混合して含むものであっても良い。
本発明においては、4つ以上の官能基を有する多官能単量体以外の、その他の多官能単量体を含んでいても良い。
その他の多官能単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
一般式(15):
(H2C=C(R11)COO)k−X−(OCOCH(R11)CH2S(R12)COOH)q
[一般式(15)中、R11は水素原子またはメチル基、R12は炭素数1〜12の炭化水素基、Xは(k+q)価の炭素数3〜60の有機基、kは2〜18の整数、qは1〜3の整数を示す。]
(1)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法
(2)Xで表される有機基を与える化合物をポリイソシアネート化合物で変性させた後、得られた化合物に水酸基を有するアクリレート化合物でアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法
(3)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、ポリイソシアネート化合物で変性させ、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法。
無機微粒子(D)は、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、および酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含むものである。
このなかでも、無機微粒子が、酸化チタンの微粒子であることが特に好ましい。
無機微粒子は、分散性が比較的良好であることから、これらを用いることで屈折率の高い塗膜を得ることが出来る。
本発明の無機微粒子は、これらのうち、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、および酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含むものである。
このような複合酸化物は、多成分の元素からなる化合物や固溶体だけではなく、核となる金属酸化物微粒子の周囲を他の金属元素で構成される金属酸化物で被覆したコアシェル構造を有するもの、1個の金属酸化物微粒子の中に他の複数の金属酸化物微粒子が分散しているような多成分分散型の構造を有するものを包含する。
上記、無機微粒子は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用することも出来る。
表面を疎水化する表面処理剤としては、特に限定されないが、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などの脂肪族系、脂肪族石鹸などの界面活性剤系、後述するカップリング剤、シリコーン化合物またはフッ素化合物等を用いるものがある。
シリコーン化合物としては、ジメチコン、メチコン、アルキル変性シリコーン、シリコーンレジンなどが挙げられる。
フッ素化合物としては、フッ素変性アルキル化合物およびフッ素変性シリコーン化合物が挙げられ、例えばパーフルオロアルキルリン酸エステルとその塩、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルカルボン酸などがを含む。またフッ素化合物とともにアクリル酸アルキルや(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマーなどと併用した疎水化処理を施してもよい。
本発明に特に好ましく用いられるチタンの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、SA−TTO−S−4(10%)MiBrid Powder(ジメチコンで疎水化処理した微粒子(30nm)酸化チタン)(三好化成株式会社製)、MT−02(メチコンで疎水化処理した微粒子(20nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−01(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びステアリン酸で疎水化処理した微粒子(10nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−10EX(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びイソステアリン酸で疎水化処理した微粒子(10nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−100TV(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びステアリン酸で疎水化処理した微粒子(15nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−100Z(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びステアリン酸で疎水化処理した微粒子(15nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−150EX(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及びイソステアリン酸で疎水化処理した微粒子(15nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MTY−02(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化珪素及びシリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(10nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MTY−110M3S(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化珪素及びシリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(10nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MT−500SAS(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化珪素及びシリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(30nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、MTY−700BS(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(80nm)酸化チタン)(テイカ株式会社製)、STR−60C−LP(alumina及びorganopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(30×90nm)酸化チタン)(堺化学工業株式会社製)、STR−100C−LP(alumina及びorganopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(20×100nm)酸化チタン)(堺化学工業株式会社製)、STR−100A−LP(D.silica、alumina及びorganopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(20×100nm)酸化チタン)(堺化学工業株式会社製)、D−962(堺化学工業株式会社製)、ナノテック(シーアイ化成株式会社製)、等が挙げられる。その他、チタニウムの酸化物微粒子分散液は特許4692630号記載の方法で得ることができる。
本発明に好ましく用いられるジルコニアの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製ZR−40BL、ZR−30BS、ZR−30AL、ZR−30AH等、住友大阪セメント(株)製HXU−110JCを挙げることができる。その他、ジルコニアの酸化物微粒子分散液は特許4692630号記載の方法で得ることができる。
本発明に好ましく用いられるアンチモンの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製セルナックスCX−Z330Hを挙げることができる。
本発明に好ましく用いられるセリウムの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、SI01−5 セリガードSC6832(メチコンで疎水化処理した微粒子(35nm)酸化セリウム)(大東化成工業株式会社製)等が挙げられる。
(アルミニウム)
本発明に用いられるアルミニウムの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520、住友大阪セメント(株)製AS−150I、AS−150Tが挙げられる。
(ケイ素)
本発明に用いられるケイ素の酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製MA−ST−MS、IPA−ST、IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、IPA−ST−UP、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MEK−ST−L、MIBK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等、触媒化成工業(株)製中空シリカCS60−IPA等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
本発明に用いられる亜鉛の酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、MZ−505S((ジメチコン/メチコン)コポリマーで疎水化処理した微粒子(30nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、FINEX−K2−LP2((ジメチコン/メチコン)コポリマーで疎水化処理した微粒子(30nm)酸化亜鉛)(堺化学工業株式会社製)、Z−COTE HP1(ジメチコンで疎水化処理した微粒子(25nm)酸化亜鉛)(BASF社製)、SAMTUFZO−450(13%)(ジメチコン及びミリスチン酸で疎水化処理した微粒子(40nm)酸化亜鉛)(三好化成株式会社製)、SAS−UFZO−450(13%)(ジメチコン及びメチコンで疎水化処理した微粒子(40nm)酸化亜鉛)(三好化成株式会社製)、MZY−303S(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(35nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、MZ−306X(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(35nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、MZY−505S(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(25nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、MZY−510M3S(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(25nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、MZ−506X(シリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(25nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、MZ−510HPSX(酸化珪素、水酸化珪素及びシリコーンオイルで疎水化処理した微粒子(25nm)酸化亜鉛)(テイカ株式会社製)、FINEX−30S−LP2(organopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(35nm)酸化亜鉛)(堺化学工業株式会社製)、FINEX−30W−LP2(D.silica及びorganopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(35nm)酸化亜鉛)(堺化学工業株式会社製)、FINEX−50S−LP2(organopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(20nm)酸化亜鉛)(堺化学工業株式会社製)、FINEX−50W−LP2(D.silica及びorganopolysiloxaneで疎水化処理した微粒子(20nm)酸化亜鉛)(堺化学工業株式会社製)、ナノテック(シーアイ化成株式会社)等が挙げられる。
また、無機微粒子を粉体で用いる場合には、これを分散するためにアクリル系分散剤やポリエステル分散剤を使用しても良い。
一般に、分散剤は無機微粒子に吸着する部位と、無機微粒子担体や分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの部位のバランスで分散剤の性能が決まる。つまり、分散性を発現させるためには、分散剤の無機微粒子に吸着する性能と分散媒である溶剤への親和性がともに非常に重要である。
なかでもポリエステル分散剤は、無機微粒子表面への吸着能が高く、高い透明性と良好な現像パターニング性を得ることができるために好ましいものであり、ポリエステル骨格を有していれば、制限がない。
(HOOC−)m−R54−(−COO−[−R56−COO−]q−R55)t
[式中、R54は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R55はモノアルコール残基、R56ラクトン残基、mは2または3、qは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。]
このとき、主鎖のポリカルボン酸部位(B)が無機微粒子吸着基として、側鎖のビニル重合体部位(C)が無機微粒子担体親和基として、作用する。
[一般式(16)中、R32は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は、下記一般式(16)で表される化合物であり、R31は、水素原子、又はメチル基である。]
一般式(17):
[一般式(17)中、R33は、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキレン基であり、R34は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、nは、1〜30の整数である。]
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、p−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキサノール、シクロヘキシルアセテート、メチルシクロヘキサノール等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
中でも無機微粒子の分散性安定性の観点から、1,3−ブチレングリコールジアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノールアセテートが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤(F)を添加することが好ましい。一般にレベリング剤は、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンがある。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−330、BYK−323、BYK−348などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、感光性樹脂組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
一般式(2):
[一般式(2)において、mは1〜10の整数であり、pは5〜30の整数であり、Xはアルキレン基、Yはアルキル基である。]
一般式(2)で表されるレベリング剤を含むことで、無機微粒子と樹脂の相溶性が良化し、塗液の白濁を良化することができる。
具体例としては、ビックケミー社製BYK−348などが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤(G)を含有することが好ましい。酸化防止剤(G)は、加熱工程を経ることによる黄変等による透過率の低下を抑制することができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の黄変を防止し、透過率の高い塗膜を得る事ができる。
例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンなどが挙げられ、単独又は2種以上を使用してもよい。
リン系酸化防止剤としては、市販されているものを使用できるが、トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィントリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、亜りん酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
イオウ系酸化防止剤は分子中にイオウを含む酸化防止剤である。このような含イオウ系酸化防止剤としては市販されているものを使用できるが、3,3’−チオジプロパン酸ジオクタデシル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジパルミチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、4,4’−チオビス−3−メチル−6−tert−ブチルフェノール、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤(H)を用いることにより、パネルとした場合の色度を調整するために、感光性樹脂組成物の色相を補正することができる。
とくに、塗膜の形成工程、および感光性樹脂組成物の構成成分によっては、塗膜が黄味の色相にずれる場合があり、このような場合には、着色剤の展開により、色相調整を行うことにより、より優れた保護膜およびタッチパネル用絶縁膜を形成する事ができるために好ましい。
着色剤(H)のなかでも、顔料(H1)は、色度シフトを補正する効果が大きく、なかでも赤色顔料、青色顔料、および紫色顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む場合、塗膜の色相を適正な色度範囲とすることが容易となり、より優れた保護膜およびタッチパネル用絶縁膜を形成する事ができるために好ましい。
このような場合、感光性樹脂組成物の色相がa*<0,b*>0となるため、色相をa*=0、b*=0とするために、赤味(a*が+方向)かつ青味(b*が−方向)へ色相を調整するために、赤顔料、青顔料、および紫顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む顔料を用いることが好ましく、紫顔料、あるいは青色顔料と赤色顔料を用いた場合、より色相に優れた塗膜とすることができるために好ましい。
顔料(H1)としては、有機または無機の顔料を、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。顔料(H1)のなかでも、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に有機顔料が好ましい。
また、顔料(H1))のなかでも、赤顔料、青顔料、および紫顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが、塗膜の色相を適正な色度範囲とすることが容易となり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用する顔料(H1)は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(H)として染料(H2)も好ましく用いられる。染料(H2)は単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いてもよく、前述の顔料(H1)と併用しても良い。さらに、必要に応じて添加される酸化チタン等、タッチパネル構成部材の色度補正の観点から特に、赤染料、青染料、および紫染料からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また前記染料をレーキ化して用いる場合や、染料と含窒素化合物との造塩化合物等の形態であっても良い。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化した造塩化合物にて用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料、直接染料の形態の場合は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化した造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物とした造塩化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
着色剤(H)の添加方法としては、着色剤をそのまま本発明の樹脂組成物に添加、または樹脂などの着色剤担体および/または溶剤中に混合した着色組成物として添加等、どのような方法を用いても制限されないが、中でも感光性樹脂組成物の透明性に優れる点で、着色組成物として添加することが好ましい。
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度、コントラスト比、および粘度安定性が良好になる。
また、無機微粒子の分散剤として上述した分散剤を用いることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を併用してもよい。シランカップリング剤は、無機微粒子の表面処理剤としても、感光性樹脂組成物の密着促進剤としても使用することができる。
無機微粒子の表面処理剤として使用する場合は、無機微粒子の項で記載した効果が期待できる。
感光性樹脂組成物の密着促進剤として使用する場合は、ガラス、ITO等の基材との密着性が向上するために好ましい。
またシランカップリング剤は、上記化合物の加水分解により生じたシラノール化合物であっても、それらが縮合したポリオルガノシロキサン化合物でも良い。
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、
3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、
(3−カルバメートエチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)ブチルトリプロパキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルメチルジエトキシシラン、(3−カルバメートペンチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートオクチル)ペンチルトリブトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルシリルトリクロライド、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルジメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリブチルシラン、(3−カルバメートエチル)エチル-p-キシレントリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)-p-フェニレントリエトキシシラン等のカルバメートシラン類
が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、その他必要に応じて貯蔵安定剤、光安定剤、酸化防止剤などを使用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物には貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性樹脂組成物の合計100重量%中、0.1〜5重量%の量で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、酸性基を有する樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、4つ以上の官能基を持つ多官能単量体(C)と、無機微粒子(D)と、溶剤(E)等を攪拌・混合して得ることが出来る。
本発明の感光性樹脂組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵、異物の除去を行うことが好ましい。
本発明による感光性樹脂組成物をガラス基材、ITO上、モリブデン上、その他の金属膜上、有機膜上などにスピンコートなどの回転塗布、ダイコートなどの流延塗布、ロールコートによる塗布、ロール転写法による塗布などにより塗膜を形成することができ、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。なかでもフォトリソグラフィー法により製造することが好ましい。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性樹脂組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
樹脂溶液0.5〜1gに、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とする。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
二重結合当量とは、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が小さいほど二重結合の導入量が多くなる。二重結合当量は下記式により算出した。
[二重結合当量]=[二重結合を持つモノマー成分の分子量]/[二重結合を持つモノマー成分の樹脂中の組成比]
水酸基当量とは、分子中に含まれる水酸基量の尺度となるものであり、同じ分子量の化合物であれば、水酸基当量の数値が小さいほど水酸基の導入量が多くなる。水酸基当量は下記式により算出した。
[水酸基当量]=[水酸基を持つモノマー成分の分子量]/[水酸基を持つモノマー成分の樹脂中の組成比]
(樹脂溶液(A1−1)の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略すことがある)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりベンジルメタクリレート50.0部、メタクリル酸15.8部、メタクリル酸メチル20.0部、アゾビスイソブチロニトリル8.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行い、重量平均分子量が約1000の樹脂溶液を得た。不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(A1−1)を調製した。
樹脂溶液(A1−1)の使用する材料を、表1〜3に記載したものに変更した以外は、樹脂溶液(A1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(A1−2〜19)を調製した。それぞれの酸価、分子量は、表1〜3に記載した通りである。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりベンジルメタクリレート50.0部、メタクリル酸19.3部、メタクリル酸メチル20.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部、およびアゾビスイソブチロニトリル3.5部の混合物を2時間かけて滴下し、さらに100℃で5時間撹拌して重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、グリシジルメタクリレート23.2部にジメチルベンジルアミン1.0部、およびメトキノン0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30部に溶解して投入し、110℃で6時間反応を続け固形分酸価=60mgKOH/gとなったところで反応を終了し、重量平均分子量が約10000の樹脂溶液を得た。不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(A1−20)を調製した。
樹脂溶液(A1−20)の組成、および配合量(重量部)を、表3、表4に記載したものに変更した以外は、樹脂溶液(A1−20)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(A1−21〜27)を調製した。それぞれの酸価、分子量は、表3、表4に記載した通りである。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン10.4部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート20.8部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸18.0部にジメチルベンジルアミン1.0部、およびメトキノン0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30部に溶解して投入し、120℃で5時間反応を続け固形分酸価=0.8mgKOH/gとなったところで反応を終了した。
さらにテトラヒドロ無水フタル酸31.6部、トリエチルアミン0.8部を加え120℃で4時間反応させ、重量平均分子量が約10000の樹脂溶液を得た。不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(A1−28)を調製した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30部、メタクリル酸22.7部、メタクリル酸ベンジル30部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、PGMEA32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA30部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル26.4部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。その後、PGMEA30部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMEAを添加して樹脂溶液(A1−29)を得た。樹脂の重量平均分子量は10000、固形分当たりの酸価は80mgKOH/gであった。また二重結合当量は800、水酸基当量は800であった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30部、メタクリル酸22.7部、メタクリル酸シクロヘキシル30部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する場合がある)100部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、PGMEA32部をよく攪拌混合したものを準備した。 反応槽にPGMEA30部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル26.4部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。その後、PGMEA30部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMEAを添加して樹脂溶液(A1−30)を得た。樹脂の重量平均分子量は10000、固形分当たりの酸価は80mgKOH/gであった。また二重結合当量は800、水酸基当量は800であった。
(樹脂溶液(A2−1〜3)の調製)
樹脂溶液(A1−1)の組成、および配合量(重量部)を、表3に記載したものに変更した以外は、樹脂溶液(A1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(A2−1〜3)を調製した。それぞれの酸価、分子量は、表4に記載した通りである。
樹脂溶液(A1−20)の組成、および配合量(重量部)を、表3に記載したものに変更した以外は、樹脂溶液(A1−20)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(A2−4)を調製した。それぞれの酸価、分子量は、表4に記載した通りである。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30部、メタクリル酸10部、メタクリル酸メチル28.6部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する場合がある)100部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、PGMEA32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA30部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル31.2部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。その後、PGMEA30部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMEAを添加して樹脂溶液(A2−5)を得た。樹脂の重量平均分子量は15000、固形分当たりの酸価は120mgKOH/gであった。また二重結合当量は600、水酸基当量は600であった。
St:スチレンメタクリレート
PEA:フェノキシエチルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート
M−110:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)
GMA:グリシジルメタクリレート
THP−DM:ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BMA;n−ブチルメタクリレート
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
AA:アクリル酸
(分散剤1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、および攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、および触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認し第一の工程を終了した。この反応生成物の重量平均分子量は2000であった。
上記反応生成物にピロメリット酸二無水物36.6部を追加し100℃で5時間反応させた。酸価の測定で97%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し第二の工程を終了した。シクロヘキサノンで固形分調整することにより不揮発分50重量%の溶液を調整し、重量平均分子量4000、酸価49mgKOH/gの分散剤1のシクロヘキサノン溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n-ブチルアクリレート5部、tert-ブチルメタクリレート20部、2‐メトキシエチルアクリレート50部、メチルメタクリレート15部、を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.7部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、重量平均分子量が4000であった。次に、ピロメリット酸二無水物9.7部、シクロヘキサノン70部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分を50重量%に調製し、重量平均分子量8,100、酸価50mgKOH/g、ビニル重合部位(C)のガラス転移温度22.5℃の分散剤2のシクロヘキサノン溶液を得た。
(無機微粒子分散液(D−1〜3))
分散剤1、分散剤2を用い、表4に示す配合により無機微粒子の分散を行ない、分散液を作成した。分散方法は、前分散(ジルコニアビーズ(1.25mm)をメディアとして用い、ペイントシェイカーで1時間分散)と、本分散(ジルコニアビーズ(0.1mm)をメディアとして用い、寿工業(株)製分散機UAM−015で分散)の2段階で行なった。得られた無機微粒子分散体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して、表5の固形分に調整した。
ZrO2:日本電工(株)製「PCS−60」(平均一次粒子径:20nm)
(青色微細化顔料(H1−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(H1−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(H1−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(H1−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(青色顔料分散体(H−1))
下記に示した組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し青色顔料分散体(H−1)を得た。
・青色微細化顔料(H1−1) :18.0部
・銅フタロシアニン誘導体 : 2.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(ビックケミー社製 BYK−111)
・樹脂溶液(A1−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
下記の組成の混合物を使用し、青色顔料分散体(H−1)と同様にして赤色顔料分散体(H−2)を得た。
・赤色微細化顔料(H1−2) :10.0部
・アントラキノン系顔料(C.I.ピグメント レッド 177) : 2.0部
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
・ジケトピロロピロール系顔料誘導体 : 4.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(日本ルーブリゾール社製「ソルスパース 20000」)
・樹脂溶液(A1−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
下記の組成の混合物を使用し、青色顔料分散体(H−1)と同様にして紫色顔料分散体(H−3)を得た。
・紫色微細化顔料(H1−3) :20.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(ビックケミー社製 BYK−111)
・樹脂溶液(A1−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
(感光性樹脂組成物(R−1))
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性樹脂組成物(R−1)を得た。
樹脂溶液(A1−1) :11.98部
無機微粒子分散液;(D−1) :44.99部
多官能単量体;DPCA30 : 4.00部
DPCA30;カヤキュア DPCA30(日本化薬社製)
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤;Irg369 : 0.40部
イルガキュア369(BASF社製);
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン
レべリング剤;BYK−330 2% : 1.00部
BYK−330 2%(ビックケミー社製);
ポリエーテル構造含有ジメチルシロキサンのPGMEA溶液(不揮発分2重量%に調整)
溶剤;PGMEA :37.63部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(感光性樹脂組成物(R−2〜81))
表6〜15に示した組成、および配合量(重量部)に変えた以外は、感光性樹脂組成物(R−1)と同様にして、混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性樹脂組成物(R−2〜81)を得た。なお、実施例1〜54及び62−73は参考例である。
《無機微粒子(D)分散液》
・CX−Z330H(日産化学工業(株)製:アンチモンの酸化物微粒子の分散液(不揮発分30重量%)
・PMA−ST(日産化学工業(株)製):ケイ素の酸化物微粒子のPGMEA分散液(不揮発分30重量%)
《多官能単量体(C)》
・DPCA30;カヤキュア DPCA30(日本化薬社製)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・M402;アロニックス M−402(東亜合成社製);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・PET−4A:NKエステルA−TMMT(新中村化学社製)ペンタエリスリトールテトラアクリレート
・V#802;ビスコート#802(大阪有機化学社製)トリペンタエリスリトールオクタアクリレートとテトラペンタエリスリトールデカアクリレートとペンタペンタエリスリトールドデカアクリレートの混合物
・ATMPT;NKエステルATMPT(新中村化学社製)トリメチロールプロパントリアクリレート)
・Irg369;イルガキュア369(BASF社製);2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン
・Irg907;イルガキュア907(BASF社製);2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン
・OXE−02;イルガキュアOXE−02(BASF社製);エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)―9H―カルバゾール―3―イル]―,1−(o―アセチルオキシム)
・OXE−01;イルガキュアOXE−01(BASF社製);1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]
・BYK−330 2%(ビックケミー社製);ポリエーテル構造含有ジメチルシロキサンのPGMEA溶液(不揮発分2重量%に調整)
・BYK−348 2%(ビックケミー社製);ポリエーテル構造含有ジメチルシロキサンのPGMEA溶液(不揮発分2重量%に調整)
・BYK−345 2%(ビックケミー社製);ポリエーテル構造含有ジメチルシロキサンのPGMEA溶液(不揮発分2重量%に調整)
・酸化防止剤1;トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィントリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f]1,3,2]・ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン
・酸化防止剤2;IRGANOX 1010 (BASF社製)
・酸化防止剤3;3,3’−チオジプロパン酸ジオクタデシル
・PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・1,3−BGDA:1,3−ブチレングリコールジアセテート
・EEP:3−エトキシプロピオン酸エチル
・CHXA:シクロヘキサノールアセテート
・KBM−403;KBM−403(信越化学工業社製);3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
以下に示す評価方法にて感光性樹脂組成物(R1〜R81)をそれぞれ評価した。結果を表 〜 に示す。
感光性樹脂組成物(R1〜R81)を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて230℃20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布した基板を得た。次に、100℃に加熱したホットプレート上で2分間保持した後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm2、露光量100mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基板を230℃で20分加熱、放冷後、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、得られた塗膜の波長400nmにおける透過率を求めた。膜厚は、アルバック社製の触針式膜厚計DECTAC−3で測定した。
◎:透過率 90%以上 :非常に良好なレベル
○:透過率 85%以上90%未満 :良好なレベル
△:透過率 80%以上85%未満 :実用可能なレベル
×:透過率 80%未満 :実用には適さないレベル
感光性樹脂組成物(R1〜R81)を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて230℃20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布した基板を得た。次に、100℃に加熱したホットプレート上で2分間保持した後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm2、露光量100mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基板を230℃で20分加熱、放冷した。この基板を、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により保護膜の鉛筆硬度を測定した。この値が2Hまたはそれより硬いとき、鉛筆硬度は良好といえる。
◎:3H以上
○:2H以上
△:H
×:F以下
感光性樹脂組成物(R1〜R81)を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて230℃20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布し、100℃に加熱したホットプレート上で2分間保持した、この塗布基板に対し超高圧水銀ランプを用いて、マスクパターンを通して照度20mW/cm2、露光量100mJ/cm2で紫外線露光後、0.04重量%水酸化カリウム水溶液(現像液温度26℃)を使用して圧力0.25MPaでスプレーし、露光されていない部分の樹脂塗膜が溶解し、基板面が露出するまでの時間を測定した。各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物について現像し、下記の基準で評価した。
「現像時間」
◎:20秒未満
○:20秒以上、60秒未満
△:60秒以上120秒未満
×:120秒以上
感光性樹脂組成物(R1〜R81)を、100mm×100mm、0.7mm厚のPENフィルムにバーコーターを用いて塗布したのち、100℃で30分加熱し乾燥させた。得られたフィルムをアッベ屈折計(アタゴ製、NAR−4T)を用いて、波長589nmの屈折率を測定した。
感光性樹脂組成物(R―1〜R81)を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)、ITO基板(ジオマテック社製)に、スピンコーターを用いて230℃20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布した基板を得た。次に、100℃に加熱したホットプレート上で2分間保持した後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm2、露光量100mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基板を230℃で20分加熱、放冷して評価用基板を作製した。エスペック(株)製の高度加速寿命試験装置EHS−411Mを温度120℃、相対湿度100%に設定し、炉内に48時間放置後、得られた基板をJIS K5600−5−6に準じた付着性(クロスカット法)試験により塗膜の密着性を評価し、碁盤目25個中の剥離個数を数えた。
○;碁盤目の剥離個数 1個未満
△;碁盤目の剥離個数 1個以上5個未満
×;碁盤目の剥離個数 5個以上
Claims (11)
- 酸性基含有樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、多官能単量体(C)と、無機微粒子(D)と、溶剤(E)とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物であって、
無機微粒子(D)が、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、および酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含み、樹脂(A)が芳香環を有する単量体を共重合してなる、重量平均分子量1000以上20000以下である酸性基含有樹脂(A1)を含み、酸性基含有樹脂(A1)の酸価が、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、
樹脂(A1)が、側鎖に水酸基を有し、かつエチレン性不飽和二重結合を有し、樹脂(A1)の水酸基当量が300以上900以下であり、かつ二重結合当量が300以上900以下であり、多官能単量体(C)が、7つ以上の官能基を有する単量体を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 無機微粒子(D)が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 酸性基含有樹脂(A)の含有量が、感光性樹脂組成物の固形分中、40質量%〜80質量%である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- さらにポリエステル分散剤を含有する請求項1〜3いずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリエステル分散剤が、芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 光重合開始剤(B)が、アセトフェノン系光重合開始剤またはオキシムエステル系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
- 溶剤(E)が、1,3−ブチレングリコールジアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびシクロヘキサノールアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
- さらに下記一般式(2)で表されるレベリング剤を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
一般式(2):
- さらにリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
- さらに着色剤(H)を含むことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜10いずれか1項記載の感光性樹脂組成物から形成されてなる塗膜。
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