JP6217217B2 - 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6217217B2
JP6217217B2 JP2013160167A JP2013160167A JP6217217B2 JP 6217217 B2 JP6217217 B2 JP 6217217B2 JP 2013160167 A JP2013160167 A JP 2013160167A JP 2013160167 A JP2013160167 A JP 2013160167A JP 6217217 B2 JP6217217 B2 JP 6217217B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
supply ports
common liquid
liquid chamber
arrangement
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013160167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015030153A (ja
Inventor
良太 木下
良太 木下
峻介 渡邉
峻介 渡邉
山▲崎▼ 啓吾
啓吾 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2013160167A priority Critical patent/JP6217217B2/ja
Priority to US14/447,486 priority patent/US9180669B2/en
Priority to CN201410374539.3A priority patent/CN104339864B/zh
Publication of JP2015030153A publication Critical patent/JP2015030153A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6217217B2 publication Critical patent/JP6217217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/19Ink jet characterised by ink handling for removing air bubbles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/11Embodiments of or processes related to ink-jet heads characterised by specific geometrical characteristics

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置に関する。
液体吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)として、ノズル開口に連通する圧力室内のインクに圧力を付与してノズル開口からインク滴を吐出するインクジェットヘッドが知られている。複数の圧力室に連通するリザーバー(共通液室)に気泡が混入すると、印字中に気泡がノズル開口までの個別流路に入り、該ノズル開口からインク滴が吐出されないノズル抜けが発生し、印字品質が低下する可能性がある。そこで、リザーバー内の気泡を排出させるため、インクジェットヘッドとキャップとにより形成される内部空間を負圧にしてノズル開口からインクを強制的に吸引するクリーニング処理が行われている。
特許文献1に開示されたインクジェットヘッドには、リザーバー内のインクの流れが淀まないようにし、スムーズにリザーバー内の気泡をヘッド外部へ排出できるようにするため、インクタンクからリザーバー内のインクが流れ込んでくる入口近傍に突起が設けられている。
特開平2−52745号公報
インクジェットヘッドを小型化するため、リザーバーを小さく構成することが求められている。しかし、リザーバーを小型化すると、流路が細くなるため、リザーバー内に気泡が滞留し易くなる。このため、クリーニング処理を実行してもリザーバー内の気泡が排出されないことがある。なお、このような問題は、インクジェットヘッドに限らず、種々の液体吐出ヘッド及び液体吐出装置(液体噴射装置)にも同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、気泡排出性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、ノズル開口に連通する圧力室と、
複数の前記圧力室に連通する共通液室とを備え、
前記共通液室は、
液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記共通液室を形成する基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
該範囲内にある流入口は、前記一部の供給口の並びと前記傾斜面との間にあり、
前記範囲内にある流入口と前記一部の供給口の並びとの間には、前記共通液室の壁面が存在しない、態様を有する。
また、本発明は、前記液体吐出ヘッドを備えた、インクジェットプリンター等の液体吐出装置の態様を有する。
上記態様は、気泡排出性を向上させることが可能な液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置を提供することができる。
ここで、前記共通液室には、長穴状の開口といった単一の流入口が設けられてもよいし、複数の流入口が設けられてもよい。
前記傾斜面は、平面でもよいし、曲面でもよい。
前記複数の供給口の並び方向の端から前記流入口における前記並び方向の端までの供給口の数が30でもよい。この態様は、気泡排出性をさらに向上させることが可能な技術を提供することができる。
さらに、本発明の液体吐出ヘッドは、ノズル開口に連通する圧力室と、
複数の前記圧力室に連通する共通液室とを備え、
前記共通液室は、
液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記共通液室を形成する基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
前記流入口における前記並び方向の端の縁部は、面取り状とされている、態様を有する。
さらに、本発明は、前記液体吐出ヘッドを備えた、インクジェットプリンター等の液体吐出装置の態様を有する。
上記態様は、流入口の縁部に気泡が引っ掛かり難いので、気泡排出性をさらに向上させることが可能な技術を提供することができる。むろん、流入口における前記並び方向の端以外の縁部も面取り状とされてもよい。
さらに、本発明の液体吐出ヘッドは、ノズル開口に連通する圧力室と、
複数の前記圧力室に連通する共通液室を形成する基板と、
前記共通液室に供給する液体を貯留する第二の共通液室を形成する第二の部材と、を備え、
前記共通液室は、
液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
前記基板には、前記共通液室に前記流入口を形成し前記共通液室と前記第二の共通液室とを連通させる流入孔が形成され、
前記第二の共通液室は、前記並び方向の端にある前記流入孔に対向し前記並び方向の端の側が前記流入孔に近付くように傾斜した第二の傾斜面を有し、
前記流入孔と前記第二の共通液室とが繋がる部分において、前記流入孔の縁部であって前記並び方向の最も端となる縁部の位置をP1、前記第二の共通液室の縁部の位置をP2とするとき、前記並び方向において、前記位置P2は、前記位置P1と同じ位置であるか、又は、前記位置P1よりも前記並び方向の中央側の位置である、態様を有する。
さらに、本発明は、前記液体吐出ヘッドを備えた、インクジェットプリンター等の液体吐出装置の態様を有する。
上記態様は、気泡排出性をさらに向上させることが可能な技術を提供することができる。
記録ヘッド1を例示する断面図。 記録ヘッド1の要部を例示する断面図。 図2の線A1の位置において記録ヘッド1を例示する断面図。 図2の線A1の位置において記録ヘッド1の要部を例示する断面図。 流路基板30の要部を例示する斜視図。 流路基板30を例示する底面図。 流路基板30の要部を例示する底面図。 クリーニング装置230を有する記録装置200の要部を模式的に例示する図。 変形例の流路基板30を例示する底面図。 記録装置200の構成の概略を例示する斜視図。 別の流路基板30の要部を例示する斜視図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)液体吐出ヘッドの構成例:
図1は液体吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)の一例であるインクジェット式記録ヘッド1を供給口44の並び方向D3(図5参照。)に対する垂直面で断面視した図、図2は図1のB部分を拡大した図、図3は図2の線A1の位置において記録ヘッド1を例示する断面図、図4は図3の要部を拡大した図、図5は流路基板30のノズルプレート側面30bの要部を例示する斜視図、図11は別の流路基板30のノズルプレート側面30bの要部を例示する斜視図、図6は流路基板30のノズルプレート側面30bを例示する底面図、図7は図6の要部を拡大した図、である。図3,4においては、背後にある供給口44等の図示を省略している。図5においては、供給口の並び方向D3中央側の個別流路壁34等の図示を省略している。
上記図中、符号D1は、圧電素子3、基板10,30,50、ケースヘッド70、及び、ノズルプレート80の厚み方向を示している。符号D2は、流路基板30に沿った方向に含まれる方向であり、例えば、基板10,30,50、ケースヘッド70、及び、ノズルプレート80の幅方向とされ、圧力室12及び個別流路35の長手方向とされる。符号D3は、供給口44の並び方向を示し、例えば、基板10,30,50、ケースヘッド70、及び、ノズルプレート80の長手方向とされ、圧力室12及び個別流路35の幅方向及び併設方向とされる。各方向D1,D2,D3は、互いに直交するものとするが、互いに交わっていれば直交していなくてもよい。分かり易く示すため、各方向D1,D2,D3の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
なお、本明細書で説明する位置関係は、発明を説明するための例示に過ぎず、発明を限定するものではない。従って、圧力室やケースヘッドの下以外の位置、例えば、上、左、右、等に流路基板が配置されることも、本発明に含まれる。また、方向や位置等の同一、直交、等は、厳密な同一、直交、等のみを意味するのではなく、製造時等に生じる誤差等も含む意味である。更に、接すること、及び、接合することは、間に接着剤等の介在するものが有ることと、間に介在するものが無いこととの両方を含む。
記録ヘッド1に例示される本技術の液体吐出ヘッドは、ノズル開口81に連通する圧力室12と、複数の圧力室12に連通する共通液室40とを備えている。共通液室40は、液体F1が流入する少なくとも一以上の流入口42と、各圧力室12に液体F1を供給するための並んだ複数の供給口44と、複数の供給口44の並び方向D3と直交する第二方向であって共通液室40を形成する基板(30)に沿った第二方向(D2)から見て並び方向D3の端にある供給口45aを含む一部の供給口45の並びと重なり並び方向D3の端の側が一部の供給口45の並びに近付くように傾斜した傾斜面46と、を有する。図7を参照して説明すると、第二方向(D2)から見て傾斜面46と一部の供給口45の並びとが重なるとは、第二方向(D2)に対して直交する仮想の平面PL1に傾斜面46と一部の供給口45の並びとを第二方向(D2)へ投影したときに並び方向D3の位置が合うことを意味する。流入口42の少なくとも一部(端43)は、第二方向(D2)から見て一部の供給口45の並びの範囲内にある。これは、図7を参照して説明すると、仮想の平面PL1に流入口42と一部の供給口45の並びとを第二方向(D2)へ投影したときに一部の供給口45の並びの並び方向D3における範囲の中に流入口42の少なくとも一部(端43)があることを意味する。本液体吐出ヘッドは、ノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を吸引したときに流入口42における並び方向D3の端43の近傍における液体F1の流速が0.025m/s(メートル毎秒)以上となるように、傾斜面46の傾斜(傾斜角θ)及び流入口42の位置が定められている。本液体吐出ヘッドは、供給口44の並び方向D3においてリザーバー(40)の端部を所定ノズル数(例えば30ノズル)絞った形状にすることによりリザーバー(40)の気排性を良くしている。
図10に示す記録装置200に例示される液体吐出装置(液体噴射装置)は、上述のような液体吐出ヘッドを備える。
ここで、共通液室40には、図6に例示する長穴状の開口といった単一の流入口42が設けられてもよいし、図9に例示するように複数の流入口42が設けられてもよい。
共通液室の傾斜面46は、図6に例示するように平面でもよいし、曲面でもよい。
アクチュエーター2には、圧電素子、発熱により圧力室内に気泡を発生させる発熱素子、等が含まれる。
図1,2に示す記録ヘッド1は、圧電アクチュエーター2が設けられた圧力室基板10、流路基板(第一の部材)30、保護基板50、ケースヘッド(第二の部材)70、ノズルプレート80、等を備える。この記録ヘッド1のリザーバー(72,40)は縦型形状であり、縦型形状のリザーバーは縦型形状でないリザーバーと比べて気泡が排出され難い可能性がある。そこで、本記録ヘッド1は、リザーバーに混入した気泡を排出し易くする構造を有している。
図2等に示す圧力室基板10は、各ノズル開口81に対応した個別の圧力室12を形成し、振動板側面10aに振動板16が設けられ、流路基板側面10bに流路基板30が接合されている。圧力室基板10と流路基板30とは、例えば接着剤で接合される。振動板16は圧力室12の圧電素子3側の壁を構成し、流路基板30の圧力室基板側面30aは圧力室12の流路基板30側の壁を構成している。圧力室12は、例えば、圧力室基板10に対する平面視で長尺な略四角形状に形成され、隔壁を介して圧力室基板の長手方向(D3)へ並べられる。
圧力室基板10の材料には、シリコン基板、ステンレス鋼(SUS)といった金属、セラミック、ガラス、合成樹脂、等を用いることができる。一例を挙げると、圧力室基板10は、特に限定されないが膜厚が例えば数百μm程度と比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。複数の隔壁によって区画された圧力室12は、例えば、KOH水溶液等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)等によって形成することができる。
図2等に示すアクチュエーター2は、振動板16と圧電素子3を含む。
振動板16の材料には、酸化シリコン(SiOx)、金属酸化物、セラミック、合成樹脂、等を用いることができる。振動板は、分離されない圧力室基板の表面を変性する等して圧力室基板と一体に形成されてもよいし、圧力室基板に接合されて積層されてもよい。また、振動板は、複数の膜で構成されてもよい。一例を挙げると、シリコン製の圧力室基板上に酸化シリコン膜といった弾性膜を形成し、この弾性膜上に酸化ジルコニウム(ZrOx)といった絶縁膜を形成し、特に限定されないが厚みが例えば数百nm〜数μm程度の振動板を弾性膜と絶縁膜を含む積層膜で構成してもよい。弾性膜は、例えば、圧力室基板用のシリコンウェハを1000〜1200℃程度の拡散炉で熱酸化する等によって圧力室基板上に形成することができる。絶縁膜は、例えば、スパッタ法といった気相法等によりジルコニウム(Zr)層を弾性膜上に形成した後にジルコニウム層を500〜1200℃程度の拡散炉で熱酸化する等によって形成することができる。
図2に示す圧電素子3は、圧電体層23と、圧電体層23の圧力室12側に設けられた下電極(第一電極)21と、圧電体層23の他方側に設けられた上電極(第二電極)22とを有し、振動板16上に設けられている。電極21,22の一方は、共通電極にされてもよい。図2にはフレキシブル基板等といった接続配線66に下電極21が例えば個別電極として接続されていることが示され、上電極22が例えば共通電極として接地される。両電極は、Pt(白金)、Au(金)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、これらの金属の導電性酸化物、等の一種以上の材料を用いることができ、特に限定されないが厚みを例えば数nm〜数百nm程度にすることができる。下電極と上電極の少なくとも一方には、金属等といった導電性材料のリード電極が接続されてもよい。圧電体層23は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛、化学量論比でPb(Zrx,Ti1-x)O3)といった鉛系ペロブスカイト型酸化物、非鉛系ペロブスカイト型酸化物、といった強誘電体材料等を用いることができ、特に限定されないが厚みを例えば数百nm〜数μm程度にすることができる。
下電極21や上電極22やリード電極は、例えば、スパッタ法といった気相法等によって振動板上に電極膜を形成してパターニングする等によって形成することができる。圧電体層23は、スピンコート法といった液相法や気相法等によって下電極上に圧電体前駆体膜を形成し焼成等によって結晶化させてパターニングする等によって形成することができる。
図2,3等に示す流路基板30は、第一の共通液室40を形成する第一の部材であり、各ノズル開口81に対応した個別の連通孔31,32、圧力室12に供給するインクといった液体F1を貯留する共通液室40、等の液体流路を有している。流路基板30の圧力室基板側面30aには、圧力室基板10及びケースヘッド70が接合されている。流路基板30とケースヘッド70とは、例えば接着剤で接合される。流路基板30のノズルプレート側面30bには、ノズルプレート80が接合されている。流路基板30とノズルプレート80とは、例えば接着剤で接合される。流路基板30のノズルプレート側面30bには、コンプライアンス機能を有するコンプライアンスシートといった部材が接合されてもよい。共通液室40は、前記コンプライアンスシートといった部材と流路基板30とで形成されてもよい。
流路基板30の材料には、シリコン基板、ステンレス鋼といった金属、セラミック、ガラス、合成樹脂、等を用いることができる。一例を挙げると、流路基板30は、特に限定されないが比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。連通孔31,32や共通液室40等の液体流路は、例えば、KOH水溶液等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)等によって形成することができる。
第一の連通孔31は、圧力室12とノズルプレート80のノズル開口81との間に位置し、圧力室12とノズル開口81とを連通させている。第二の連通孔32は、圧力室12と流路基板30の共通液室40との間に位置し、圧力室12と共通液室40とを連通させている。共通液室40への液体F1の流入孔38は、ケースヘッド70に形成される第二の共通液室72と繋がる共通流路であり、共通液室72,40を連通させる。共通液室72,40は、リザーバーとも呼ばれる。流入孔38の形状には、図6に例示するスリット状、円形、楕円形、多角形、等が含まれる。流入孔38の数は、一つでもよいし、二以上でもよい。基板の幅方向D2において流入孔38から第二の連通孔32側には、ノズルプレート側面30bから凹んだハーフエッチング部33が形成されている。図5に示す流路基板30の場合、液体F1を基板の幅方向D2へ流す個別流路35を形成する流路壁34がハーフエッチング部33からノズルプレート80側へ延出している。流入孔38から共通液室40に流入した液体F1は、個別の供給口44から流路35に入って基板の幅方向D2へ流れ、連通孔32を経て圧力室12に入る。図11に示す流路基板30の場合、流路壁34、ひいては個別流路35が無く、共通液室40に形成される個別の連通孔32の開口が供給口44として共通液室40に形成されている。この場合、流入孔38から共通液室40に流入した液体F1は、個別の供給口44から連通孔32に入って基板の厚み方向D1へ流れ、圧力室12に入る。
図5〜7等に示す共通液室40は、少なくとも一以上の流入口42、並んだ複数の供給口44、並び方向D3の端にある供給口45aを含む一部の供給口45の並びに対向した傾斜面46、を有している。流路基板30には、共通液室40に流入口42を形成し共通液室40と第二の共通液室72とを連通させる流入孔38が形成されている。流入口42は、共通液室40に形成された流入孔38の開口部を意味するものとする。符号42aは流入口42の縁部を示し、符号43は流入口42における供給口の並び方向D3の端を示す。図5〜7に示す流入口42は、共通液室40において供給口44の並びに対向する壁面40aに繋がっている。むろん、この壁面40aから流入口42を離間させることも可能である。流入口は、図6に例示するように一つの共通液室40に対して単一とされた長穴状の流入口42でもよいし、図9に例示するように供給口44の並び方向D3において一つの共通液室40に対して複数に分割された流入口42でもよい。
図5,7等に示すように、流入口42における並び方向D3の端43の縁部42aは、面取り状(テーパー状)とされている。図7等には、流入口42における並び方向D3の端43以外の縁部42aも面取り状とされていることが示されている。流入口の縁部42aの面取り形状は、異方性エッチング等により形成することができる。図1〜7に例示する液体吐出ヘッドは、流入口42において少なくとも並び方向D3の端43の縁部42aをエッチング等により面取りすることによりリザーバー(40)の気排性を良くしている。
供給口44は、共通液室40に形成された個別の流路の開口部を意味するものとする。図2,5に示す流路基板30の場合、個別流路35の開口部が供給口44である。この場合の供給口44は、共通液室40の壁面40aに対向している。図11に示す流路基板30の場合、個別の連通孔32の開口部が供給口44である。この場合の供給口44は、共通液室40におけるハーフエッチング部33とは反対側の部分を閉塞する部位(例えばノズルプレート80)に対向している。符号44aは、並び方向D3の中央の供給口を示す。並び方向D3へ並んだ供給口44の数をN(Nは3以上の整数)とするとき、中央の供給口44aは、Nが奇数であれば端から{(N+1)/2}番目の供給口を意味するものとし、Nが偶数であれば端から(N/2)番目の供給口と{(N/2)+1}番目の供給口とを意味するものとする。
傾斜面46は、供給口44の並び方向D3の端に近付くほど前記一部の供給口45の並びに近付くように傾斜している。この傾斜は、供給口44の並び方向D3の端の側が一部の供給口45の並びに近付くような傾斜に含まれる。傾斜面46の傾斜角θは、図7に例示するように、流路基板30の厚み方向D1に対する垂直面において供給口44の並び方向D3と傾斜面46とのなす角度とする。図5〜7に示す流入口42の少なくとも一部(端43)は、一部の供給口45の並びと傾斜面46との間に設けられ、第二方向(D2)から見て一部の供給口45の並びの範囲内にある。図11に示す流入口42の少なくとも一部(端43)も、第二方向(D2)から見て一部の供給口45の並びの範囲内にある。
図2等に示す保護基板50は、圧電素子3の能動部に対向する領域に空間形成部52を有し、圧電素子3が形成された圧力室基板10上に接合されている。保護基板50と圧電素子3が設けられた圧力室基板10とは、例えば接着剤で接合される。空間形成部52は、圧電素子3の能動部の運動を阻害しない程度の空間を有する。保護基板50の材料には、シリコン基板、ステンレス鋼といった金属、セラミック、ガラス、合成樹脂、等を用いることができる。一例を挙げると、保護基板50は、特に限定されないが膜厚が例えば数百μm程度と比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。
図1等に示すケースヘッド70は、第一の共通液室40ひいては圧力室12に供給する液体F1を貯留する第二の共通液室72を形成する第二の部材である。ケースヘッド70は、保護基板50に対向する領域に位置する空間形成部71、接続配線66を通す隙間74、等を有し、流路基板30に接合されている。空間形成部71は、保護基板50が入る空間を有する。第二の共通液室72は、液体導入部73から流入した液体F1を貯留する。流路基板30の圧力室基板側面30aは、圧力室12の壁の一部を構成するとともに、第二の共通液室72の壁の一部も構成する。ケースヘッド70の材料には、ガラス、セラミック、ステンレス鋼といった金属、合成樹脂、シリコン基板、等を用いることができる。
図3,4等に示す第二の共通液室72は、供給口44の並び方向D3の端43にある流入孔38に対向し前記並び方向D3の端に近付くほど流入孔38に近付くように傾斜した第二の傾斜面75を有する。この傾斜は、供給口44の並び方向D3の端の側が流入孔38に近付くような傾斜に含まれる。ここで、図4に示すように、流入孔38と第二の共通液室72とが繋がる部分において、流入孔38の縁部であって前記並び方向D3の最も端となる縁部の位置をP1、第二の共通液室72の縁部の位置をP2とする。供給口44の並び方向D3において、共通液室72の縁部の位置P2は、前記位置P1と同じ位置であるか、又は、図4等に示すように前記位置P1よりも前記並び方向D3の中央側の位置とされる。共通液室72の前記並び方向D3の縁部の位置が流入孔38の前記並び方向D3の最も端となる縁部の位置P1と一致するか、又は、前記流入孔38の内側に位置するので、この点でも、リザーバー(72)に液体、ひいては気泡の滞留が生じ難く、気泡排出性が良好である。
図1に示す駆動回路65は、接続配線66を介して圧電素子3を駆動する。駆動回路65には、回路基板、半導体集積回路(IC)、等を用いることができる。接続配線66には、フレキシブル基板等を用いることができる。
図2等に示すノズルプレート80は、厚み方向D1へ貫通したノズル開口81を複数有し、流路基板30に接合されている。ノズルプレート80の材料には、ステンレス鋼といった金属、ガラス、セラミック、合成樹脂、シリコン基板、等を用いることができる。一例を挙げると、ノズルプレート80は、特に限定されないが厚みが例えば0.01〜1mm程度のガラスセラミック等から形成することができる。
本記録ヘッド1は、図示しない外部液体供給手段と接続した液体導入部73からインクといった液体F1を取り込み、第二の共通液室72から流入孔38、共通液室40、個別流路35、第二の連通孔32、圧力室12、及び、第一の連通孔31を通ってノズル開口81に至るまで内部を液体F1で満たす。駆動回路65からの記録信号に従い、圧力室12毎に下電極21と上電極22との間に電圧を印加すると、圧電体層23、下電極21及び振動板16の変形により圧力室12内に圧力が加えられ、ノズル開口81からインク滴といった液滴が吐出する。
ところで、複数の圧力室12に連通する共通液室40に気泡が混入すると、インクといった液体F1の吐出による記録中に気泡がノズル開口81までの個別流路に入り、該ノズル開口81から液滴が吐出されず、記録物の品質が低下する可能性がある。そこで、共通液室40内の気泡を排出させるため、ノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を強制的に吸引するクリーニング処理が行われている。
図8は、上記クリーニング処理を行うためのクリーニング装置230を有する記録装置200の要部を模式的に例示している。このクリーニング装置230は、キャップ231、吸引ポンプ235、大気開放バルブ236、昇降装置239、を備え、プラテン208(図10参照)の一端となるホームポジションに対向する位置に設けられている。クリーニング装置230は、キャッピング機能を有し、ノズル内のインクの増粘(乾燥)を抑制するために、印刷休止中に記録ヘッド1をキャップ231に対向するホームポジションに移動させた状態でキャップ231を昇降装置239により上昇させてノズルプレート80を封止する。クリーニング実行時、クリーニング装置230は、ノズルプレート80を封止した状態で大気開放バルブ236を閉じ、吸引ポンプ235を駆動することにより、記録ヘッド1とキャップ231とにより形成される内部空間を例えば−20kPa〜−60kPa(−0.2atm〜−0.6atm)程度の負圧にしてノズル開口81からインクを強制的に吸引する。
近年、記録ヘッドを小型化するため、リザーバーを小さく構成することが求められている。しかし、リザーバーを小型化すると、必然的に流路が細くなるため、リザーバー内部に気泡が滞留し易くなる。このため、クリーニング処理を実行してもリザーバー内の気泡が排出されないことがある。図5,11に示したような流路基板を有する液体吐出ヘッドで試験を行ったところ、一部の供給口45の並びに対面する傾斜面46の傾斜具合、供給口45の並びと傾斜面46と流入口42との位置関係、及び、流路断面積や吐出液体量により、ノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を吸引したときの流入口42における前記並び方向D3の端43の近傍における液体F1の流速(V1とする。)が変わることが分かった。また、傾斜面46の傾斜具合、供給口45の並びと傾斜面46と流入口42との位置関係、及び、流路断面積や吐出液体量を調整した結果としての液体の流速V1が気泡排出性に大きく影響することが分かった。
図7を参照して説明すると、傾斜面46の傾斜(θ)、及び、流入口42の位置は、ノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を吸引したときに流入口42における前記並び方向D3の端43の近傍における液体F1の流速V1が0.025m/s以上となるように定められると、共通液室40内の気泡が良好に排出される。流速V1が0.03m/s以上となるように傾斜面46の傾斜(θ)及び流入口42の位置が定められると、共通液室40内の気泡がさらに良好に排出される。一方、流速V1が0.025m/s未満となるように傾斜面46の傾斜(θ)及び流入口42の位置が定められていると、共通液室40内の気泡の排出性が良好ではない。
なお、流速V1を大きくするためには、例えば、供給口44の並び方向D3において、流入口42の端43を中央側(図7の左側)に配置すればよい。これは、流入口の端43の近傍から液体F1を引き寄せる供給口44の数が増えるためと考えられる。図7の例では、端の供給口45aから数えて30の供給口44が流入口の端43の近傍から液体F1を引き寄せる様子を示している。流速V1をさらに大きくするためには、例えば、前記並び方向D3において、端の供給口45aから流入口の端43までの供給口44の数を増やせばよい。一方、流速V1を小さくするためには、例えば、前記並び方向D3において、流入口の端43を端側(図7の右側)に配置すればよい。これは、流入口の端43の近傍から液体F1を引き寄せる供給口44の数が減るためと考えられる。むろん、傾斜面46の傾斜(θ)の具合等を変えることにより流速V1を変えてもよい。
流速V1は、例えば、流入口の端43の近傍における液体F1の流速を検出するためのセンサーを設けた専用の実験用液体吐出ヘッドを用いて測定することができる。このような実験用液体吐出ヘッドを作製し、実験用液体吐出ヘッドに液体F1を通すと、クリーニング時といったノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を吸引するときにセンサーで流速V1を測定することができる。また、ノズル開口81に負圧を作用させて該ノズル開口81から液体F1を吸引する条件で流速V1を予測するシミュレーションを行ってもよい。得られる流速V1の測定値や予測値は、傾斜面46の傾斜(θ)、及び、流入口42の位置の設定に用いることができる。
ここで、液体F1の流速V1を上げると気泡の滞留が生じ難くなるが、流速V1を上げ過ぎると今度はノズル間でリザーバーからノズル開口までの圧力損失の差が大きくなり過ぎて記録物の品質が低下してしまう可能性が考えられる。そこで、傾斜面46の傾斜(θ)、及び、流入口42の位置は、ノズル間の圧力損失の差(抵抗差)に基づいて定められてもよい。例えば、印字時(印刷時)といったノズル開口81から液体F1を吐出して記録を行うときにおいて、複数の供給口44の並び方向D3の端にある供給口45aに連通するノズル開口81までの流入口42からの圧力損失をΔP1とし、複数の供給口44の並び方向D3の中央にある供給口44aに連通するノズル開口81までの流入口42からの圧力損失をΔP2とする。印字時は、文字のようなデューティーの比較的低い状態からベタや写真の印刷のようにデューティーの比較的高い状態までを含む。デューティーとは、ノズルの使用頻度を意味し、ベタの印刷のように所定回数の吐出タイミングの中で全タイミング液滴を吐出するノズルがデューティー100%であり、例えば、2回の吐出タイミングのうち1回だけ液滴を吐出するノズルがデューティー50%である。液滴の本来の用途、すなわち、印刷以外の目的のために行われる空吐出を意味するフラッシングは、印字時に含まれない。フラッシング実行時、記録ヘッド1は、例えば、ホームポジションといった被記録媒体に対向しない位置へ相対移動し、インク滴とともに気泡や増粘インクをノズル開口81から出す。
圧力損失ΔP1,ΔP2の差ΔP1−ΔP2が300Pa以下となるように傾斜面46の傾斜(θ)及び流入口42の位置が定められていると、端にある供給口45aに連通するノズル開口からの液体吐出と中央にある供給口44aに連通するノズル開口からの液体吐出との差が十分に少ない。従って、記録物の品質が向上する。
なお、圧力損失ΔP1,ΔP2の差を小さくするためには、例えば、供給口44の並び方向D3において、流入口42の端43を端側(図7の右側)に配置すればよい。並び方向D3に直交する方向D2に流入口42がある供給口44と流入口42との距離に対して端の供給口45aと流入口42との距離が長く、端の供給口45aに流入口の端43を近付けることにより圧力損失ΔP1,ΔP2の差が小さくなるためと考えられる。圧力損失ΔP1,ΔP2の差を小さくすると流速V1が小さくなる可能性があるため、圧力損失ΔP1,ΔP2の差を大きくすることが必要となることもあり得る。圧力損失ΔP1,ΔP2の差を大きくするためには、例えば、供給口44の並び方向D3において、流入口の端43を中央側(図7の左側)に配置すればよい。むろん、傾斜面46の傾斜(θ)の具合等を変えることにより圧力損失ΔP1,ΔP2の差を変えてもよい。
圧力損失ΔP1,ΔP2は、例えば、圧力損失ΔP1,ΔP2を検出するためのセンサーを設けた専用の実験用液体吐出ヘッドを用いて測定することができる。このような実験用液体吐出ヘッドを作製し、実験用液体吐出ヘッドに液体F1を通すと、印字時といったノズル開口81から液体F1を吐出して記録を行うときセンサーで圧力損失ΔP1,ΔP2を測定することができる。また、ノズル開口81から液体F1を吐出して記録を行う条件で圧力損失ΔP1,ΔP2を予測するシミュレーションを行ってもよい。得られる圧力損失ΔP1,ΔP2の測定値や予測値は、傾斜面46の傾斜(θ)、及び、流入口42の位置の設定に用いることができる。
複数の供給口44の並び方向D3の端(45a)から流入口42における前記並び方向D3の端43までの供給口44の数(Neとする。)は、V1≧0.025m/s以上となる数であればよいが、30以上が好ましく、30が特に好ましい。前記供給口数Neが30以上であると共通液室40の気泡排出性がさらに向上し、前記供給口数Neが30であると共通液室40の気泡排出性が特に向上する。
なお、図5,11で示したような流路基板を有する液体吐出ヘッドのいずれも、流速V1、及び、圧力損失ΔP1,ΔP2の差について同様の傾向が見られる。
(2)液体吐出装置:
図10は、上述した記録ヘッド1を有するインクジェット式の記録装置(液体吐出装置)200の外観を示している。記録ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、記録装置200を製造することができる。図10に示す記録装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、記録ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録シート290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され記録ヘッド1から吐出するインク(液体)により印刷がなされる。
(3)試験例:
表1は、図5,11で示したような流路基板を有する実験用液体吐出ヘッドのクリーニング時において、流入口42における前記並び方向D3の端43の近傍におけるインクの流速を変えたときの気泡排出性の評価結果を示している。
Figure 0006217217

ここで、A4印刷用紙10枚にベタで印刷することを1セットの印刷テストとし、ノズル開口からインク滴が吐出されないというノズル抜けの発生頻度で評価している。各試験区では、通常の表面張力である表面張力25〜35mN/mの染料インク及び顔料インクのそれぞれについて評価している。
表1に示すように、インクの流速V1が0.01m/sである場合、1セットに平均1回以上のノズル抜けが見られる。インクの流速V1が0.02m/sである場合、2〜3セットに平均1回以上のノズル抜けが見られる。インクの流速V1が0.025m/sになると、2〜3セットにノズル抜けが1回あるかないかの程度となる。従って、流速V1が0.025m/s以上となるように傾斜面46の傾斜(θ)及び流入口42の位置が定められていると、染料インクであれ顔料インクであれ、共通液室内の気泡が良好に排出されることが分かる。
さらに、インクの流速V1が0.03m/s以上になると、ノズル抜けの発生が見られない。従って、流速V1が0.03m/s以上となるように傾斜面46の傾斜(θ)及び流入口42の位置が定められていると、染料インクであれ顔料インクであれ、共通液室内の気泡がさらに良好に排出されることが分かる。
なお、インクが高粘度インクであっても、同様である。
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、流体吐出ヘッドから吐出される液体は、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体吐出ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレー等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
保護基板は、省略されてもよく、ケースヘッドと一体化されてもよい。
ノズルプレートは、流路基板と一体化されてもよい。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、気泡排出性を向上させることが可能な液体吐出ヘッドの技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、2…アクチュエーター、3…圧電素子、10…圧力室基板、12…圧力室、16…振動板、30…流路基板(第一の部材)、30a…圧力室基板側面、30b…ノズルプレート側面、31,32…連通孔、33…ハーフエッチング部、34…流路壁、35…流路、38…流入孔、40…共通液室、42…流入口、42a…縁部、43…端、44…供給口、44a…中央の供給口、45…一部の供給口、45a…端の供給口、46…傾斜面、50…保護基板、65…駆動回路、66…接続配線、70…ケースヘッド(第二の部材)、71…空間形成部、72…第二の共通液室、73…液体導入部、74…隙間、75…第二の傾斜面、80…ノズルプレート、81…ノズル開口、200…記録装置(液体吐出装置)、230…クリーニング装置、231…キャップ、235…吸引ポンプ、D1…基板の厚み方向、D2…基板の幅方向(第二方向)、D3…供給口の並び方向、F1…液体、P1…流入孔の縁部の位置、P2…第二の共通液室の縁部の位置、θ…傾斜角。

Claims (5)

  1. ノズル開口に連通する圧力室と、
    複数の前記圧力室に連通する共通液室とを備え、
    前記共通液室は、
    液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
    前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
    前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記共通液室を形成する基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
    前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
    該範囲内にある流入口は、前記一部の供給口の並びと前記傾斜面との間にあり、
    前記範囲内にある流入口と前記一部の供給口の並びとの間には、前記共通液室の壁面が存在しない、液体吐出ヘッド。
  2. 前記複数の供給口の並び方向の端から前記流入口における前記並び方向の端までの供給口の数が30である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. ノズル開口に連通する圧力室と、
    複数の前記圧力室に連通する共通液室とを備え、
    前記共通液室は、
    液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
    前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
    前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記共通液室を形成する基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
    前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
    前記流入口における前記並び方向の端の縁部は、面取り状とされている液体吐出ヘッド。
  4. ノズル開口に連通する圧力室と、
    複数の前記圧力室に連通する共通液室を形成する基板と、
    前記共通液室に供給する液体を貯留する第二の共通液室を形成する第二の部材と、を備え、
    前記共通液室は、
    液体が流入する少なくとも一以上の流入口と、
    前記の各圧力室に液体を供給するための並んだ複数の供給口と、
    前記複数の供給口の並び方向と直交する第二方向であって前記基板に沿った第二方向から見て前記並び方向の端にある供給口を含む一部の供給口の並びと重なり前記並び方向の端の側が前記一部の供給口の並びに近付くように傾斜した傾斜面と、を有し、
    前記流入口の少なくとも一部は、前記第二方向から見て前記一部の供給口の並びの範囲内にあり、
    前記基板には、前記共通液室に前記流入口を形成し前記共通液室と前記第二の共通液室とを連通させる流入孔が形成され、
    前記第二の共通液室は、前記並び方向の端にある前記流入孔に対向し前記並び方向の端の側が前記流入孔に近付くように傾斜した第二の傾斜面を有し、
    前記流入孔と前記第二の共通液室とが繋がる部分において、前記流入孔の縁部であって前記並び方向の最も端となる縁部の位置をP1、前記第二の共通液室の縁部の位置をP2とするとき、前記並び方向において、前記位置P2は、前記位置P1と同じ位置であるか、又は、前記位置P1よりも前記並び方向の中央側の位置である液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを備えた、液体吐出装置。
JP2013160167A 2013-08-01 2013-08-01 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 Active JP6217217B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160167A JP6217217B2 (ja) 2013-08-01 2013-08-01 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置
US14/447,486 US9180669B2 (en) 2013-08-01 2014-07-30 Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
CN201410374539.3A CN104339864B (zh) 2013-08-01 2014-07-31 液体喷出头以及液体喷出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160167A JP6217217B2 (ja) 2013-08-01 2013-08-01 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015030153A JP2015030153A (ja) 2015-02-16
JP6217217B2 true JP6217217B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=52427281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013160167A Active JP6217217B2 (ja) 2013-08-01 2013-08-01 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9180669B2 (ja)
JP (1) JP6217217B2 (ja)
CN (1) CN104339864B (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9969165B2 (en) * 2016-01-08 2018-05-15 Canon Kabushiki Kaisha Liquid discharge head and liquid discharge apparatus
JP6776545B2 (ja) 2016-01-29 2020-10-28 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP6597968B2 (ja) 2016-01-29 2019-10-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2018024162A (ja) 2016-08-10 2018-02-15 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置および液体吐出装置のメンテナンス方法
JP2018140599A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置及びクリーニング方法
CN107187212A (zh) * 2017-06-28 2017-09-22 浙江华丽达包装有限公司 点阵码防伪印刷机
US10759175B2 (en) 2018-03-02 2020-09-01 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge head, head module, liquid discharge device, and liquid discharge apparatus
JP7087713B2 (ja) 2018-06-21 2022-06-21 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP7139710B2 (ja) 2018-06-21 2022-09-21 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP7102980B2 (ja) * 2018-06-29 2022-07-20 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドと液体噴射装置と液体噴射ヘッドの製造方法
JP2022052098A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 東芝テック株式会社 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2992756B2 (ja) 1988-08-17 1999-12-20 セイコーエプソン株式会社 インクジェットヘッド
US5455615A (en) * 1992-06-04 1995-10-03 Tektronix, Inc. Multiple-orifice drop-on-demand ink jet print head having improved purging and jetting performance
JPH09314832A (ja) * 1996-05-28 1997-12-09 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド
JP2001246748A (ja) * 1999-12-27 2001-09-11 Seiko Epson Corp インクジェツト式記録ヘッド
JP2002273870A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Hitachi Koki Co Ltd インクジェットプリントヘッド
DE60226106T2 (de) * 2001-08-28 2009-05-14 Brother Kogyo K.K., Nagoya Tintenstrahlaufzeichnungsgerät
JP2003334951A (ja) * 2002-03-11 2003-11-25 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、及び液体噴射ヘッド用流路形成板の製造方法
JP4069832B2 (ja) * 2003-08-14 2008-04-02 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッド
JP4761042B2 (ja) * 2005-11-14 2011-08-31 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2008044212A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2012020422A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2012139825A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP5881000B2 (ja) * 2011-09-15 2016-03-09 株式会社リコー 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP6041481B2 (ja) * 2011-11-30 2016-12-07 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置及びノズルの回復方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015030153A (ja) 2015-02-16
CN104339864B (zh) 2016-06-01
US20150035910A1 (en) 2015-02-05
CN104339864A (zh) 2015-02-11
US9180669B2 (en) 2015-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6217217B2 (ja) 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置
JP5668482B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US9821554B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US10093092B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP6897086B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2017132211A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2008068508A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2016016522A (ja) 液滴吐出ヘッド、画像形成装置
JP2012061704A (ja) 液滴吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、画像形成装置、及びマイクロポンプ
JP2017132212A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2012061689A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、液体カートリッジ及び画像形成装置
JP2012143923A (ja) 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置
JP2015000560A (ja) 電気機械変換素子及びその電気機械変換素子の製造方法、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、画像形成装置、液滴吐出装置、並びに、ポンプ装置
US10882316B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP5991061B2 (ja) 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置
JP6394771B2 (ja) 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置
JP6098414B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッドの製造方法
US10807363B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP2013176941A (ja) 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置
JP5754495B2 (ja) 液滴噴射ヘッドおよび液滴噴射装置
JP2022032211A (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、液体カートリッジ、液体吐出ユニット及び液体吐出装置
JP2011194777A (ja) 液滴噴射ヘッドおよび液滴噴射装置
JP2017144625A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置
JP2012121260A (ja) 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ、画像形成装置、液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2014058082A (ja) 圧電素子、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6217217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150