JP6215651B2 - 電極、及び、これを有する色素増感太陽電池 - Google Patents

電極、及び、これを有する色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、電極、及び、これを有する色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極及び対極を連結する環状の封止部とを備え、作用極、対極及び封止部によって形成されるセル空間には電解質が充填されている。作用極は、酸化物半導体層を有しており、酸化物半導体層には光増感色素が吸着されている。
このような色素増感太陽電池として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1では、対極として、合成樹脂からなる基材と、この基材の一方の面に形成された導電膜から構成された対極を有する色素増感太陽電池が開示されている。
特開2007−115513号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の対極を備えた色素増感太陽電池は、耐久性の点で更なる改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐久性を色素増感太陽電池に付与することができる電極、及び、これを有する色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池において上記課題が生じる原因について検討した。その結果、対極の基材として合成樹脂を用いることが原因となっているのではないかと考えた。そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、電解質を有する色素増感太陽電池に用いられる電極であって、基材と、触媒層とを備え、前記基材と前記触媒層との間に設けられる樹脂層とを備え、前記樹脂層が前記基材上に直接設けられ、前記触媒層が前記樹脂層上に直接設けられ、前記基材が第1樹脂からなり、前記樹脂層が第2樹脂を含み、前記樹脂層における前記電解質の透過率が、前記基材における前記電解質の透過率よりも小さい、電極である。
本発明の電極によれば、樹脂層における電解質の透過率が基材における電解質の透過率より小さい。このため、電極において基材を通じた電解質の漏洩が十分に抑制される。その結果、本発明の電極によれば、優れた耐久性を色素増感太陽電池に付与することができる。
上記電極においては前記触媒層が炭素材料を含むことが好ましい。
この場合、触媒層が炭素材料以外の材料を含む場合に比べて、安価且つ簡便に高い性能を有する電極を得ることができる。また、色素増感太陽電池の仕様に応じて電極の性能を調整することも、他の材料を用いる場合より容易となる。
また、本発明は、作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記作用極及び前記対極を連結する環状の封止部と、前記作用極、前記対極及び前記封止部によって形成されるセル空間に配置される電解質とを備え、前記対極が上記の電極で構成されている、色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池によれば、対極が上記の電極で構成されることで、優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池においては、前記封止部と前記樹脂層とが少なくとも一部において接続されていることが好ましい。
この場合、電解質に対して耐久性を有する封止部と電解質の透過率が小さい樹脂層とが少なくとも一部において接続されているため、その界面を通じた電解質の漏洩をより十分に抑制することができる。このため、色素増感太陽電池は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池においては、前記封止部と前記樹脂層とが少なくとも一部において接続され、前記封止部と前記樹脂層とが同一の材料で構成されていることが好ましい。
この場合、封止部と樹脂層との接続箇所において界面をなくすことができるため、電解質の漏洩をより十分に抑制することができる。このため、色素増感太陽電池は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
なお、本発明において、樹脂層における電解質の透過率とは、ガラス平板と樹脂層とを、それらの間に電解質を配置させた状態で向かい合わせて配置し、ガラス平板と樹脂層との間で、電解質を包囲するように三井・デュポンポリケミカル社製のニュクレル(商標)からなる樹脂を介在させて電解質を封止し、85℃の雰囲気下で500時間後の電解質の減少量を初期量で除した数値(電解質は、3−メトキシプロピオニトリル溶媒中に、Iを0.05M、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.6M含む)を言う。
本発明によれば、優れた耐久性を色素増感太陽電池に付与することができる電極、及び、これを有する色素増感太陽電池が提供される。
本発明の色素増感太陽電池の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の色素増感太陽電池の第2実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の色素増感太陽電池の第1実施形態を示す断面図である。なお、本明細書において、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極10と、対極20と、作用極10及び対極20を連結する環状の封止部30と、作用極10、対極20及び封止部30によって形成されるセル空間に配置される電解質40とを備えている。
作用極10は、透明導電性基板15と、透明導電性基板15上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。透明導電性基板15は、透明基板11と透明基板11の上に設けられる透明導電膜12とで構成されている。酸化物半導体層13は、封止部30の内側に配置されている。酸化物半導体層13には、光増感色素が吸着されている。
対極20は、第1樹脂を含む基材21と、電解質40と電気化学的に反応する導電性の触媒層22と、基材21と触媒層22との間に設けられ、第2樹脂を含む樹脂層23とを有している。ここで、樹脂層23はその一部において封止部30と接続されている。そして樹脂層23における電解質40の透過率は、基材21における電解質40の透過率よりも小さくなっている。なお、対極20の一部は、導電性の触媒層22を通じて電流を取り出せるように封止部30の外側に延出している。
色素増感太陽電池100によれば、樹脂層23における電解質40の透過率が基材21における電解質40の透過率より小さくなっている。このため、対極20における電解質40の漏洩が十分に抑制される。その結果、色素増感太陽電池100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
また色素増感太陽電池100では、電解質40の透過率が小さい樹脂層23がその一部において電解質40に対して耐久性を有する封止部30と接続されているため、樹脂層23の一部が封止部30と接続されていない場合に比べて、その樹脂層23と封止部30との界面を通じた電解質40の漏洩をより十分に抑制することができる。このため、色素増感太陽電池100は、より優れた耐久性を有することが可能となる。
なお、上記色素増感太陽電池100は、低照度下(1000ルクス以下)での使用に特に適している。低照度下では、発生する電流が少ないため、基材としてチタンなどの金属基板を用いる必要がないためである。
次に、作用極10、対極20、封止部30、電解質40及び光増感色素について詳細に説明する。
(作用極)
作用極10は、上述したように、透明導電性基板15と、透明導電性基板15上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。透明導電性基板15は、透明基板11と透明基板11の上に設けられる透明導電膜12とで構成されている。
透明基板11を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、高歪点ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、透明ポリイミド、及び、ポリエーテルスルフォン(PES)などの樹脂やセラミクスが挙げられる。透明基板11の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜40000μmの範囲にすればよい。
透明導電膜12を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、及び、フッ素添加酸化スズ(Fluorine−doped−Tin−Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜12は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜12が単層で構成される場合、透明導電膜12は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。透明導電膜12の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子で構成されている。酸化物半導体粒子は、例えば酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される。酸化物半導体層13の厚さは、例えば0.1〜100μmとすればよい。
(対極)
対極20は、上述したように、第1樹脂を含む基材21と、触媒層22と、第2樹脂を含む樹脂層23とを有している。
基材21に含まれる第1樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)及びポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
基材21の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.05〜0.5mmとすればよい。
触媒層22は、電解質40と電気化学的に反応する導電性の材料で構成されていればよく、特に限定されるものではないが、触媒層22を構成する材料としては、例えば白金、金、炭素材料及び導電性高分子などが挙げられる。中でも、炭素材料が好ましい。この場合、触媒層が炭素材料以外の材料を含む場合に比べて、安価且つ簡便に高い性能を有する対極20を得ることができる。また、色素増感太陽電池100の仕様に応じて対極20の性能を調整することも、他の材料を用いる場合より容易となる。ここで、炭素材料としては、黒鉛粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び、グラフェンなどが挙げられる。
樹脂層23に含まれる第2樹脂は、樹脂層23における電解質40の透過率を、基材21における電解質40の透過率よりも小さくできるものであれば特に限定されるものではないが、第2樹脂としては、例えば変性ポリオレフィン樹脂、ビニルアルコール重合体などの熱可塑性樹脂、及び紫外線硬化樹脂などの樹脂が挙げられる。変性ポリオレフィン樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体およびエチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。これらの樹脂は単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
また、樹脂層23における電解質40の透過率(以下、「T1」と呼ぶ)は、基材21における電解質40の透過率(以下、「T2」と呼ぶ)よりも小さい。
樹脂層23における電荷質40の透過率が基材21における電解質40の透過率以上である場合、対極20を通じた電解質40の漏洩を十分に抑制させることができない。
ここで、T1/T2は、1未満であれば特に限定されるものではないが、電解質40の漏洩をより十分に抑制する観点からは、0.5以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
樹脂層23の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜0.5mmであり、より好ましくは0.02〜0.1mmである。
(封止部)
封止部30としては、例えば変性ポリオレフィン樹脂、ビニルアルコール重合体などの熱可塑性樹脂、及び、紫外線硬化樹脂などの樹脂や、非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料などが挙げられる。変性ポリオレフィン樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体およびエチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。これらの樹脂は単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。なお、封止部は、樹脂と無機フィラーとで構成されてもよい。
封止部30は、対極20に含まれる樹脂層23と同一の材料で構成されていても異なる材料で構成されていてもよいが、同一の材料で構成されていることが好ましい。この場合、封止部30と対極20の樹脂層23との接続箇所において界面をなくすことができるため、電解質40の漏洩をより十分に抑制することができる。このため、封止部30が樹脂層23と同一材料で構成されていない場合に比べて、色素増感太陽電池100の耐久性をより向上させることができる。
(電解質)
電解質40は、例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。
有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、バレロニトリル、ピバロニトリル、グルタロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチロニトリル、フェニルアセトニトリル、アクリロニトリル、スクシノニトリル、オキサロニトリル、ペンタニトリル、アジポニトリルなどを用いることができる。
酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオン、コバルト錯体などの酸化還元対が挙げられる。
また、電解質40は、上記有機溶媒に代えて、イオン液体を用いてもよい。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体と有機溶媒との混合物を用いてもよい。また、これらの溶媒が酸化還元対を形成するためのソースを兼ねても構わない。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩、アンモニウム塩、ピロリジニウム塩等の既知のヨウ化物塩、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド塩、テトラシアノホウ酸塩等であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、エチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ブチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、又は、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドなどが好適に用いられる。
また、電解質40には添加剤を加えることができる。添加剤としては、LiI、I、4−t−ブチルピリジン、グアニジウムチオシアネート、1−メチルベンゾイミダゾール、1-ブチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
また、電解質40はポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの高分子からなる有機系ゲル化剤やSiO、TiO、カーボンナノチューブなどの無機ナノ粒子などによりゲル化されていても構わない。
(光増感色素)
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。中でも、ターピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体が好ましい。この場合、色素増感太陽電池100は光電変換特性をより向上させることができる。
なお、色素増感太陽電池100が屋内や低照度(10〜10000lux)の環境下において使用される場合には、光増感色素として、ビピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体を用いることが好ましい。
次に、上述した色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
まず1つの透明基板11の上に、透明導電膜12を形成してなる透明導電性基板15を用意する。
透明導電膜12の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法及びCVD法などが用いられる。
次に、透明導電膜12の上に、酸化物半導体層13を形成する。酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子を含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷した後、焼成して形成する。
酸化物半導体層形成用ペーストは、上述した酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テルピネオールなどの溶媒を含む。
酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、又は、バーコート法などを用いることができる。
焼成温度は酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は350〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は0.5〜5時間である。
こうして作用極10が得られる。
次に、作用極10の酸化物半導体層13の表面に、光増感色素を吸着させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させてもよい。
次に、対極20を用意する。対極は、基材21と樹脂層23を接着した後、樹脂層23のうち基材21と反対側の表面に触媒層22を形成することによって得ることができる。なお、樹脂層23のうち基材21と反対側の表面に触媒層22を形成する際には、一部が触媒層22で覆われないようにすることが望ましい。
次に、上記のようにして得られた対極20を、作用極10と対極20との間に電解質40を配置するように重ね合わせた後、環状の封止部形成体を介して作用極10と対極20とを貼り合せる。こうして作用極10と対極20との間に環状の封止部30が形成される。このとき、対極20の樹脂層23のうち触媒層22で覆われていない部分と封止部形成体とを接続するようにするとより好ましい。
以上のようにして色素増感太陽電池100が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、透明導電性基板15の透明導電膜12上に多孔質酸化物半導体層13が設けられ、こちら側から受光する構造となっているが、多孔質酸化物半導体層13が形成される基材に不透明な材料(例えば金属基板)を用い、対極20を形成する基材に透明な材料を用いて対極側から受光する構造をとっても構わず、さらに、両面から受光する構造としても構わない。
また、上記実施形態においては、樹脂層23がその一部において封止部30と接続されているが、図2に示す色素増感太陽電池200のように、封止部30と樹脂層23とは接続されていなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、透明導電膜12上に配線部が設けられていないが、透明導電膜12上に必要に応じて配線部が設けられてもよい。例えば配線部は、低照度下では、設けられていなくてもよい場合があるが、屋外では配線部が設けられることが好ましい。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、以下のようにして作用極を作製した。まず75mm×75mm×4mmのFTO膜付きガラス基板を準備した。
次に、FTO膜付きガラス基板のうちFTO膜の表面上であって、スクリーン印刷法によって平均粒径約20nmの酸化チタンを含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを塗布し、乾燥した。その後、この塗膜を500℃で1時間焼成することにより、FTO膜付きガラス基板上に、厚さ12μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。こうして作用極を作製した。
次に、上記のようにして得た作用極を、光増感色素としてのルテニウムビピリジン錯体であるN719色素をアセトニトリルとt−ブタノールの混合溶媒中に溶解してなる色素溶液中に一昼夜浸漬して作用極に光増感色素を担持させた。
次に、多孔質酸化物半導体層の上に、電解質を塗布した。電解質は、3−メトキシプロピオニトリルからなる溶媒中に、Iを0.05M、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.6M、グアニジンチオシアネートを0.1Mとなるように溶解させることで調製した。
次に、対極を用意した。まず55mm×55mm×0.2mmのPETからなる基材を用意した。この基材の一方の面に55mm×55mm×0.2mmのニュクレル樹脂からなる樹脂層を熱ラミネート接着した。
次に、樹脂層のうち基材と反対側の表面にカーボンを主成分とするペーストを塗布し乾燥することで触媒層を形成した。このとき、樹脂層の縁部の矩形領域の一部が触媒層で覆われないようにした。こうして対極を得た。得られた対極において、透過率比T1/T2は表1に示す通りであった。
そして、作製した作用極および対極を、両極間に電解質を配置した状態で、対極の樹脂層と同一の材料からなる封止部形成体を介して対向配置し、封止部形成体を両極にそれぞれ加熱融着させて封止を行い、積層体を得た。このとき、対極の樹脂層のうち触媒層で覆われていない上記領域を封止部形成体と加熱融着させて樹脂層の一部を封止部と接続するようにした。封止作業は、積層体を減圧環境下に置いた状態で実施した。こうして色素増感太陽電池を得た。
(実施例2)
触媒層を作製する際に、スパッタ法により形成した白金を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例3)
触媒層を作製する際に、樹脂層のうち基材と反対側の表面全体を触媒層で覆うことにより樹脂層と封止部とを接続しないようにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例4)
対極の樹脂層を封止部形成体と同一の材料(ニュクレル)ではなく、バイネル樹脂(デュポン社製)で構成したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(比較例1)
対極を作製する際に、基材の上に樹脂層を形成せず、基材上に直接触媒層を形成したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(比較例2)
対極を作製する際に、樹脂層として、エポキシ系樹脂を用い、電解質の透過率比T1/T2を1以上としたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
<耐久性の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜2の色素増感太陽電池について、光電変換効率(η)を測定した。続いて、色素増感太陽電池について、60℃の環境下で300h放置した後の光電変換効率(η)を測定した。そして、下記式:光電変換効率の低下率(%)=(η−η)/η×100
に基づき、光電変換効率の低下率を算出した。これを耐久性の指標とした。結果を表1に示す。
Figure 0006215651
表1に示す結果より、実施例1〜4の色素増感太陽電池は、比較例1〜2の色素増感太陽電池と比べて優れた耐久性を有することがわかった。
以上より、本発明の電極は、優れたな耐久性を色素増感太陽電池に付与することができることが確認された。
10…作用極
20…対極(電極)
21…基材
22…触媒層
23…樹脂層
30…封止部
40…電解質
100、200…色素増感太陽電池

Claims (5)

  1. 電解質を有する色素増感太陽電池に用いられる電極であって、
    基材と、
    触媒層と、
    前記基材と前記触媒層との間に設けられる樹脂層とを備え、
    前記樹脂層が前記基材上に直接設けられ、
    前記触媒層が前記樹脂層上に直接設けられ、
    前記基材が第1樹脂からなり、
    前記樹脂層が第2樹脂を含み、
    前記樹脂層における前記電解質の透過率が、前記基材における前記電解質の透過率よりも小さい、
    電極。
  2. 前記触媒層が炭素材料を含む、請求項1に記載の電極。
  3. 作用極と、
    前記作用極に対向する対極と、
    前記作用極及び前記対極を連結する環状の封止部と、
    前記作用極、前記対極及び前記封止部によって形成されるセル空間に配置される電解質と
    を備え、
    前記対極が請求項1又は2に記載の電極で構成されている、
    色素増感太陽電池。
  4. 前記封止部と前記樹脂層とが少なくとも一部において接続されている、請求項3に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記封止部と前記樹脂層とが同一の材料で構成されている、請求項4に記載の色素増感太陽電池。
JP2013223348A 2013-10-28 2013-10-28 電極、及び、これを有する色素増感太陽電池 Active JP6215651B2 (ja)

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