JP6214986B2 - トルクリミッタ - Google Patents

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Description

本発明は、2つの部材に相対する方向に所定以上の大きさの回転トルクが負荷されると、2つの部材間での回転伝達が遮断されるトルクリミッタに関する。
従来、トルクリミッタとしては、マグネットの磁気吸引力(磁力)を利用した非接触型のトルクリミッタが知られている。このような、磁力を利用したトルクリミッタとしては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。
特許文献1に記載されたトルクリミッタは、複写機やプリンタ等を形成する給紙装置の給紙ローラ等の回転部分に装着される。このトルクリミッタは、相対回転可能な2つの部材、つまり第1回転体および第2回転体を備え、これらの第1回転体および第2回転体はいずれも樹脂材料により形成されている。第1回転体の外周面には円筒状永久磁石が固着され、第2回転体の内周面には円筒状半硬質磁性体が固着されている。また、第1回転体には、一端側が駆動機構に連結された金属製のシャフトの他端側が連結され、第2回転体には、給紙用摩擦ローラが連結されている。
そして、例えば、紙詰まり等を起こして、詰まった用紙を使用者が強く引き抜くと、第1回転体および第2回転体には、相対する方向に所定以上の回転トルクが負荷される。すると、回転トルクの大きさが、円筒状永久磁石と円筒状半硬質磁性体との磁気吸引力を上回り、第1回転体および第2回転体の相対回転が許容され、第1回転体および第2回転体の間での回転伝達が遮断される。これにより、第1回転体および第2回転体は互いに空転状態となり、駆動機構が停止状態であっても、詰まった用紙を容易に引き抜くことができる。その際、用紙を引き抜く時に発生する回転トルクは駆動機構に伝達されないので、駆動機構を保護することができる。
特開平11−210777号公報(図1)
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたトルクリミッタにおいては、第1回転体および第2回転体がいずれも樹脂材料により形成されており、互いの摺動部も樹脂の部分で形成されている。このように、トルクリミッタを簡素な構造にすることで製造コストの上昇を抑えることができる。その一方で、トルクリミッタが頻繁に作動されるような場合には、第1回転体および第2回転体の摺動部が早期に摩耗する等の問題が生じ得る。よって、トルクリミッタを頻繁に交換する必要が生じる等、メンテナンス性の低下が懸念される。
そのため、摺動部を大型化してある程度の剛性を確保する方法も考えられるが、当該方法は小型化が重要視される上述のような用途(複写機やプリンタ等)では非現実的である。したがって、種々の用途に対応し得るように小型化はもちろんのこと、可能な限りメンテナンスフリーとしてランニングコストを低減し得るトルクリミッタの開発が望まれていた。
本発明の目的は、小型化はもちろんのこと、耐久性を向上させることができるトルクリミッタを提供することにある。
本発明の一態様では、筒状の本体筒部と、前記本体筒部の軸方向一側に設けられ前記本体筒部の径方向内側に突出したフランジ部と、を有するハウジングと、前記ハウジングの径方向内側に設けられ、磁性材料よりなる筒状部材と、前記筒状部材の径方向内側に回動自在に設けられたシャフトと、前記筒状部材の軸方向一側に設けられ、金属材料よりなる第1軸受と、前記シャフトに一体回転可能に設けられ、前記筒状部材に対して非接触なマグネットと、を備え、前記第1軸受は、前記第1軸受の径方向外側に設けられた前記筒状部材に固定される固定部と、前記第1軸受の径方向内側に設けられた前記シャフトを回動自在に支持する支持部とを有し、
前記支持部の軸方向長さは、前記固定部の軸方向長さよりも長く、前記支持部と前記フランジ部とは、径方向に重なっており、前記筒状部材の軸方向他側に第2軸受が設けられ、前記シャフトには、前記第2軸受に軸方向から当接する軸受当接部が設けられ、前記軸受当接部は、前記マグネットの軸方向端部よりも前記第2軸受寄りに配置される。
本発明の他の態様では、前記シャフトの径方向外側と前記マグネットの径方向内側との間に、前記シャフトの熱膨張を許容する隙間が形成される。
本発明によれば、磁性材料よりなる筒状部材の軸方向一側に、金属材料よりなる第1軸受を設け、この第1軸受を介して、マグネットを有するシャフトを筒状部材の径方向内側に回動自在に設けた。これにより、トルクリミッタが頻繁に作動されたとしても軸受の摩耗が抑制されるので、トルクリミッタの耐久性を大幅に向上させることが可能となる。
また、第1軸受の支持部の軸方向長さを固定部の軸方向長さよりも長くし、第1軸受の支持部とハウジングのフランジ部とを径方向に重ねた。これにより、シャフトに対する第1軸受の摺動部分の剛性や、筒状部材に対する第1軸受の取り付け剛性を十分なものにしつつ、トルクリミッタの軸方向寸法を詰めることが可能となる。
一実施の形態に係るトルクリミッタをハウジング側から見た斜視図である。 図1のトルクリミッタをシャフト側から見た斜視図である。 図1のトルクリミッタの軸方向に沿う断面図である。 図3の破線円A部分の拡大断面図である。 図3の破線円B部分の拡大断面図である。 図1のトルクリミッタの分解斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は一実施の形態に係るトルクリミッタをハウジング側から見た斜視図を、図2は図1のトルクリミッタをシャフト側から見た斜視図を、図3は図1のトルクリミッタの軸方向に沿う断面図を、図4は図3の破線円A部分の拡大断面図を、図5は図3の破線円B部分の拡大断面図を、図6は図1のトルクリミッタの分解斜視図をそれぞれ表している。
図1に示すように、トルクリミッタ10は略円柱形状に形成されている。トルクリミッタ10は、その軸心Cを中心として、矢印L方向および矢印R方向にそれぞれ相対回転し得る、第1トルク伝達部材Tq1と第2トルク伝達部材Tq2との間に設けられる。ここで、トルクリミッタ10を、上述の複写機やプリンタ等の用途に用いる場合には、例えば、第1トルク伝達部材Tq1は、駆動機構の金属製のシャフトに相当し、第2トルク伝達部材Tq2は、給紙用摩擦ローラに相当する。
図1ないし図3に示すように、トルクリミッタ10は、その外郭を形成する筒状のハウジング11を備えている。ハウジング11は、ポリアセタール樹脂(POM)等のプラスチック材料により射出成形され、本体筒部11a,フランジ部11bおよびハウジング側接続部11cを備えている。
図3に示すように、本体筒部11aの厚み寸法は、例えば3.0mmの薄肉に設定されている。本体筒部11aの軸方向一側(図中左側)には、フランジ部11bが一体に設けられ、本体筒部11aの軸方向他側(図中右側)には、案内テーパ11dが形成されている。この案内テーパ11dは、本体筒部11aの軸方向他側、つまり本体筒部11aの開口側に向かうに連れて、本体筒部11aの開口面積が徐々に大きくなるよう形成されている。これにより、案内テーパ11dは、本体筒部11aの径方向内側への、後述するシャフトユニットSUの圧入固定を案内するようになっている。
フランジ部11bは、本体筒部11aの軸方向一側に配置され、略円盤状に形成されている。より具体的には、フランジ部11bは、本体筒部11aの軸方向一側を、径方向外側から径方向内側に突出させて形成されている。フランジ部11bの内径寸法d1は、本体筒部11aの内径寸法d2よりも小さい内径寸法に設定されている(d1<d2)。これにより、フランジ部11bは、ハウジング11の底壁部分を形成しており、シャフトユニットSUをハウジング11に対して軸方向の所定位置に位置決めするようになっている。
つまり、ハウジング11に対して軸方向他側からシャフトユニットSUを圧入する際に、シャフトユニットSUの軸方向一側をフランジ部11bの軸方向他側に当接させるよう圧入することで、シャフトユニットSUがハウジング11の正規位置に位置決めされるようになっている。
ハウジング側接続部11cは、フランジ部11bの径方向内側に2つ設けられている。これらのハウジング側接続部11cは、フランジ部11bの軸心Cを挟んで対向配置されている。各ハウジング側接続部11cは、フランジ部11bからハウジング11の軸方向一側(図3中左側)に向けて突出されている。各ハウジング側接続部11cには、第1トルク伝達部材Tq1が、動力伝達可能に接続されるようになっている。つまり、第1トルク伝達部材Tq1からの回転トルクは、各ハウジング側接続部11cを介してハウジング11に伝達されるようになっている。
シャフトユニットSUは、トルクリミッタ10を組み立てる際に、別の組み立て工程で予めサブアッシとして組み立てられるものである。そして、別工程で組み立てられたシャフトユニットSUを、ハウジング11の径方向内側に圧入固定することにより、トルクリミッタ10は完成されるようになっている。シャフトユニットSUは、筒状部材12,第1軸受13,第2軸受14,シャフト15,マグネット16およびワッシャ17から形成されている。
筒状部材12は、シャフトユニットSUの外郭を形成しており、鉄系の磁性材料を用いて略円筒形状に形成されている。このように、筒状部材12を鉄系の磁性材料で形成することで、マグネット16の磁力を最大限に発揮できるようにしている。ここで、筒状部材12の厚み寸法についても、本体筒部11aの厚み寸法と略同様の厚み寸法(例えば3.0mm)に設定されている。また、筒状部材12の外径寸法d3は、本体筒部11aの内径寸法d2よりも、若干大きい寸法に設定されている(d3>d2)。これにより、シャフトユニットSUを、ハウジング11の径方向内側に圧入することで、両者を強固に固定できるようになっている。
ただし、筒状部材12の外径寸法d3と本体筒部11aの内径寸法d2との寸法差は、磁性材料製の筒状部材12の線膨張率と、樹脂製のハウジング11の線膨張率との差、つまり嵌め合いの状態に応じて設定される。例えば、トルクリミッタ10を、雰囲気温度が80℃等の高温環境下で使用した場合において、ハウジング11の方が筒状部材12よりも膨張したとしても、ハウジング11に対して筒状部材12が相対回転せず、さらには抜け落ちない寸法差に設定される。
ここで、図5に示すように、シャフトユニットSUをハウジング11内に正規に固定した状態のもとで、筒状部材12の軸方向他側は、本体筒部11aの軸方向他側から、突出高さhで突出されている。このように、筒状部材12を本体筒部11aから突出高さhで突出させたので、シャフトユニットSUのハウジング11内への圧入具合(圧入量)を、容易に目視で把握できるようになっている。よって、トルクリミッタ10の組み立て性を良好にして、歩留まりを良くすることができる。
図3に示すように、第1軸受13および第2軸受14は、いずれも同じ形状でかつ同じ構造の軸受となっている。これらの第1,第2軸受13,14は、粉末冶金法により製造された多孔質の金属体(金属材料)に潤滑油を含浸させて、断面が略シルクハット形状に形成されている。第1,第2軸受13,14は、固定部13a,14aと支持部13b,14bとを、それぞれ備えている。
図4および図5に示すように、固定部13a,14aは、第1,第2軸受13,14の径方向外側に設けられ、固定部13a,14aの軸方向長さは、t1にそれぞれ設定されている。一方、支持部13b,14bは、第1,第2軸受13,14の径方向内側に設けられ、支持部13b,14bの軸方向長さは、t2にそれぞれ設定されている。支持部13b,14bの長さ寸法t2は、固定部13a,14aの長さ寸法t1の略1.5倍の長さ寸法に設定されている(t2≒1.5×t1)。固定部13a,14aは、筒状部材12の軸方向両側に圧入固定されており、その圧入の深さ寸法は、固定部13a,14aの長さ寸法t1と同じ寸法となっている。
固定部13a,14aの筒状部材12への圧入方向側には、筒状部材12に対する圧入作業を容易にするために、環状のC面(チャンファ面)13c,14cが形成されている。これにより、第1,第2軸受13,14を筒状部材12の軸方向両側にそれぞれ所定圧で突き当てることで、第1,第2軸受13,14を筒状部材12の軸方向両側にそれぞれ容易に圧入することができる。また、C面13c,14cは、第1,第2軸受13,14の軸心C(図3参照)を一致させた状態のもとで、筒状部材12の軸方向両側に第1,第2軸受13,14を精度良く配置するようになっている。
図3に示すように、支持部13b,14bは、シャフト15の軸方向両側に形成された第1摺動部15bおよび第2摺動部15cを摺動自在に支持するようになっている。ここで、支持部13b,14bには、上述のように潤滑油が含浸されているため、シャフト15をスムーズに回動自在に支持できるようになっている。このように、第1,第2軸受13,14を、筒状部材12を介してハウジング11に固定し、シャフト15を、第1,第2軸受13,14の支持部13b,14bに回動自在に支持させている。これにより、シャフト15は、ハウジング11の径方向内側において回動自在となっている。
そして、ハウジング11に対してシャフト15が頻繁に相対回転するようなことがあっても、シャフト15は金属材料よりなる第1,第2軸受13,14により回動自在に支持されているので、第1,第2軸受13,14の早期摩耗等を抑制することができ、ひいてはトルクリミッタ10の耐久性が向上する。
図4に示すように、筒状部材12の軸方向一側に設けられた第1軸受13において、支持部13bの軸方向一側は、固定部13aから軸方向一側に突出されている。そして、支持部13bの固定部13aから軸方向一側に突出された部分は、ハウジング11のフランジ部11bと径方向に重なっている。このように、支持部13bの一部と、ハウジング11のフランジ部11bとを、図示の重畳部分Sに示すように径方向に重ねることで、断面形状が単純な正方形形状の軸受(図示せず)を用いた場合に比して、トルクリミッタ10の軸方向寸法が詰められるようになっている。
ここで、支持部13bの長さ寸法t2は、第1軸受13の摺動部分に必要とされる剛性に応じて設定され、固定部13aの長さ寸法t1は、第1軸受13の筒状部材12に対する必要とされる取り付け剛性に応じて設定される。したがって、例えば、第1軸受13の筒状部材12への取り付け剛性を弱くできるのであれば、固定部13aの長さ寸法t1をより短くして、ひいてはトルクリミッタ10の軸方向寸法を、さらに詰めることが可能となる。
一方、図5に示すように、筒状部材12の軸方向他側に設けられた第2軸受14においては、例えば、第2軸受14の摺動部分に必要とされる剛性を弱くできるのであれば、支持部14bの長さ寸法t2をより短くして、ひいてはトルクリミッタ10の軸方向寸法を、さらに詰めることが可能となる。
本実施の形態においては、第1軸受13と第2軸受14とを、同じ形状でかつ同じ構造とし、トルクリミッタ10の軸方向に沿う略中間部を挟んで鏡像対象となるように配置している。これにより、トルクリミッタ10を構成する部品の共通化を図り、製造コストの低減を実現している。また、第1,第2軸受13,14は、シャフト15の左右側をそれぞれバランス良く略同じ条件で支持しているため、シャフト15を傾斜させること無く、スムーズに回動自在に支持できるようになっている。
図3に示すように、シャフト15は、ハウジング11と同様に、ポリアセタール樹脂(POM)等のプラスチック材料により射出成形により略筒状に形成されている。シャフト15は、その軸方向中央部寄りに配置されたシャフト本体15aを備えている。シャフト本体15aの軸方向一側には第1摺動部15bが一体に設けられ、シャフト本体15aの軸方向他側には第2摺動部15cが一体に設けられている。第1,第2摺動部15b,15cは、第1,第2軸受13,14の支持部13b,14bに、それぞれ回動自在に支持されている。
第2摺動部15cの軸方向他側、つまりハウジング11の各ハウジング側接続部11c側とは反対側には、2つのシャフト側接続部15dが設けられている。各シャフト側接続部15dは、軸方向一側に向けて切り欠かれた凹状形状に形成され、各シャフト側接続部15dには、第2トルク伝達部材Tq2(図1参照)が、動力伝達可能に接続されるようになっている。つまり、第2トルク伝達部材Tq2からの回転トルクは、各シャフト側接続部15dを介してシャフト15に伝達されるようになっている。
第1,第2摺動部15b,15cの間にはシャフト本体15aが設けられ、当該シャフト本体15aの径方向に沿う厚み寸法は、第1,第2摺動部15b,15cの径方向に沿う厚み寸法の略2倍の厚み寸法となっている。シャフト本体15aの外周側には、所定の隙間L(図4および図5参照)を介して、略円筒状に形成されたマグネット16が装着されている。ここで、マグネット16は、例えばフェライト系の磁石であって、その着磁パターンは、マグネット16の周方向に沿って12極に等分されている。これにより、トルクリミッタ10に適度な動力伝達遮断機能を持たせつつ、トルクリミッタ10の作動時におけるコギングの発生を抑制している。
ただし、マグネット16の極数は12極限らず、トルクリミッタ10に必要とされる仕様(動力伝達遮断性能等)に応じて種々変更可能である。具体的には、以下の点を考慮して極数を設定するようにすれば良い。例えば、極数を減らすとトルクリミッタの作動トルクを大きくすることができるが、コギングの発生が大きくなる虞がある。一方、極数を増やすとコギングの発生を小さくすることができるが、トルクリミッタの作動トルクが小さくなる虞がある。また、マグネット16としては、上述のようにフェライト系の磁石を用いたものに限らず、例えば、サマリウム系の磁石やネオジム系の磁石を用いたものを採用しても良い。
図4および図5に示すように、シャフト本体15aの径方向外側と、マグネット16の径方向内側との間には、所定の隙間Lが形成されている。これは、樹脂製のシャフト15の線膨張率と、マグネット16の線膨張率との差、つまり嵌め合いの状態に応じて設定される。本実施の形態における隙間Lは、トルクリミッタ10を、例えば、雰囲気温度が80℃等の高温環境下で使用した場合において、シャフト15の方がマグネット16よりも膨張したとしても、当該シャフト15の膨張によってマグネット16が破損されない大きさとなっている。つまり、隙間Lは、本発明における隙間を構成しており、樹脂製のシャフト15の熱膨張を許容し得る隙間となっている。
シャフト本体15aの軸方向に沿う長さ寸法は、マグネット16の軸方向に沿う長さ寸法と略同じ寸法に設定されている。シャフト本体15aの軸方向他側には、図5および図6に示すように、2つの係合突起15eが設けられている。これらの係合突起15eは、シャフト本体15aの径方向外側に突出して設けられ、各係合突起15eはシャフト本体15aの軸心Cを挟んで対向配置されている。また、各係合突起15eの突出高さは、マグネット16の径方向に沿う厚み寸法と略同じ寸法に設定されている。
マグネット16の軸方向他側には、図5および図6に示すように、2つの係合凹部16aが設けられている。これらの係合凹部16aは、マグネット16の軸方向一側に窪んで設けられ、各係合凹部16aは、マグネット16の軸心Cを挟んで対向配置されている。また、各係合凹部16aの深さ寸法は、シャフト本体15aの各係合突起15eの厚み寸法(図5中左右方向の厚み寸法)よりも、若干大きい寸法に設定されている。
ここで、各係合凹部16aには、各係合突起15eが嵌合するようになっており、これによりマグネット16はシャフト15と一体回転するようになっている。そして、マグネット16の各係合凹部16aに、シャフト15の各係合突起15eを嵌合させて、トルクリミッタ10の作動時に互いにガタを生じさせないようにしている。この場合、各係合凹部16aに対して各係合突起15eの入り込む体積が少ないため、例えば、雰囲気温度が80℃等の高温環境下で使用した場合において、各係合突起15eの方が各係合凹部16aよりも膨張したとしても、当該各係合突起15eの膨張によって各係合凹部16a(マグネット16)が破損されるようなことは無い。
マグネット16は、シャフト15と筒状部材12との間に設けられ、マグネット16と筒状部材12との間には、所定の隙間CLが形成されている。つまり、マグネット16は筒状部材12に対して非接触の状態になっている。また、マグネット16の軸方向に沿う中心部分と、筒状部材12の軸方向に沿う中心部分とは、マグネット16の磁力(磁気吸引力)の関係によって、互いに一致するように配置される。
これにより、マグネット16の軸方向両側と、第1,第2軸受13,14との間には、所定の隙間Mが形成されるようになっている(図4および図5参照)。したがって、トルクリミッタ10が作動して、ハウジング11とシャフト15とが相対回転しても、マグネット16と、金属材料よりなる第1,第2軸受13,14とが接触するようなことは無く、異音の発生やマグネット16の破損等が効果的に抑制される。
図4に示すように、マグネット16の軸方向一側と、第1軸受13との間には、ワッシャ17が設けられている。ワッシャ17は、鋼板をプレス加工等することにより略円盤形状に形成されている。このワッシャ17は、マグネット16が、仮に筒状部材12に対して軸方向に相対移動したとしても、マグネット16と第1軸受13とが直接接触するのを抑制するようになっている。つまり、ワッシャ17は、マグネット16が第1軸受13に接触して破損するのを防止するようになっている。ただし、マグネット16は、筒状部材12に対して軸方向に相対移動することは殆ど無いため、ワッシャ17を省略しても構わない。また、ワッシャ17は、金属製に限らず樹脂製としても良い。
図5に示すように、シャフト本体15aの軸方向他側には、軸方向への突出高さがt3に設定された軸受当接部15fが一体に設けられている。この軸受当接部15fは環状に形成され、ハウジング11に対するシャフト15の軸方向への相対移動時に、第2軸受14に軸方向から当接して、第2軸受14に対して摺接可能となっている。この軸受当接部15fの外径寸法は、各係合突起15eの外径寸法の略1/3の寸法となっており、これにより、第2軸受14との接触面積を小さくして、トルクリミッタ10が作動する条件、つまりトルクリミッタ10の仕様に悪影響を与えないようにしている。
ここで、仮に、ハウジング11に対してマグネット16が軸方向他側に移動されると、各係合凹部16aと各係合突起15eとの間には隙間Nがあるため、各係合突起15eの第2軸受14側(図中右側)に、マグネット16が突出される。マグネット16の第2軸受14側への最大突出寸法はt4となっており、この最大突出寸法t4は、軸受当接部15fの突出高さt3よりも小さい寸法となっている(t4<t3)。
つまり、軸受当接部15fは、マグネット16の軸方向端部よりも第2軸受14寄りに配置されており、これにより、マグネット16がシャフト本体15aに対して軸方向に相対移動したとしても、マグネット16と第2軸受14とが接触するようなことは無く、マグネット16の破損が防止される。
このように、軸受当接部15fは、マグネット16と第2軸受14とを接触させない役割に加えて、以下に示す役割も果たすようになっている。つまり、ハウジング11に対してシャフト15を軸方向他側に相対移動させると、軸受当接部15fは第2軸受14に当接される。その後、さらにシャフト15に負荷する荷重を大きくしていくと、第2軸受14を筒状部材12から取り外すことができる。この場合、マグネット16には大きな負荷が掛からないため、マグネット16を破損すること無くトルクリミッタ10を分解することが可能となっている。このように、本実施の形態に係るトルクリミッタ10は、分解性にも優れた構造となっており、部品を再利用できる等、メンテナンス性の向上が図られている。
次に、以上のように形成したトルクリミッタ10の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、図6に示すように、筒状部材12の軸方向一側(図中右側)に、第1軸受13を圧入固定する。その後、筒状部材12の軸方向他側(図中左側)から、筒状部材12の径方向内側にワッシャ17を挿入する。
次いで、シャフト15の軸方向一側からマグネット16を臨ませて、シャフト本体15aにマグネット16を装着する。ここで、マグネット16の各係合凹部16aに、シャフト15の各係合突起15eを嵌合させるようにする。これにより、シャフト15にマグネット16が装着される。
その後、マグネット16が装着されたシャフト15の軸方向一側を、筒状部材12の軸方向他側に臨ませて、互いの軸心Cを一致させた状態のもとで、シャフト15(マグネット16)を筒状部材12の径方向内側に挿入する。次いで、第1軸受13に対して鏡像対象となるよう第2軸受14を筒状部材12の軸方向他側に臨ませて、第2軸受14を筒状部材12の軸方向他側に圧入固定する。これにより、シャフトユニットSUが完成する。
次に、完成したシャフトユニットSUと、ハウジング11とを準備する。そして、ハウジング11の軸方向他側、つまり案内テーパ11d側から、シャフトユニットSUの軸方向一側を臨ませる。その後、シャフトユニットSUをハウジング11の本体筒部11a内に所定圧で圧入していき、シャフトユニットSUを本体筒部11a内の正規位置に位置決めする。これにより、ハウジング11の径方向内側にシャフトユニットSUが強固に固定されて、トルクリミッタ10が完成する。
以上詳述したように、本実施の形態に係るトルクリミッタ10によれば、磁性材料よりなる筒状部材12の軸方向一側に、金属材料よりなる第1軸受13を設け、この第1軸受13を介して、マグネット16を有するシャフト15を筒状部材12の径方向内側に回動自在に設けた。これにより、トルクリミッタ10が頻繁に作動されたとしても第1軸受13の摩耗が抑制されるので、トルクリミッタ10の耐久性を大幅に向上させることが可能となる。
また、第1軸受13の支持部13bの軸方向長さt2を固定部13aの軸方向長さt1よりも長くし、第1軸受13の支持部13bとハウジング11のフランジ部11bとを径方向に重ねた。これにより、シャフト15に対する第1軸受13の摺動部分の剛性や、筒状部材12に対する第1軸受13の取り付け剛性を十分なものにしつつ、トルクリミッタ10の軸方向寸法を詰めることが可能となる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、トルクリミッタ10を組み立てる際に、シャフトユニットSUを予め組み立てておくようにしたものを示したが、本発明はこれに限らない。例えば、筒状部材12の軸方向一側に第1軸受13を圧入した後、当該筒状部材12をハウジング11の径方向内側に圧入固定し、その後、ワッシャ17,マグネット16が装着されたシャフト15および第2軸受14を、筒状部材12の軸方向他側から組み付けるようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、トルクリミッタ10を、複写機やプリンタ等の用途に適用し得ることについて説明したが、本発明は他の用途にも適用することが可能である。例えば、本発明においては、トルクリミッタ10の耐久性が大幅に向上されているため、ハウジング11とシャフト15とが相対する方向に頻繁に(あるいは常に)回転した状態となる用途への適用ができる。
10 トルクリミッタ
11 ハウジング
11a 本体筒部
11b フランジ部
11c ハウジング側接続部
11d 案内テーパ
12 筒状部材
13 第1軸受
13a 固定部
13b 支持部
13c C面
14 第2軸受
14a 固定部
14b 支持部
14c C面
15 シャフト
15a シャフト本体
15b 第1摺動部
15c 第2摺動部
15d シャフト側接続部
15e 係合突起
15f 軸受当接部
16 マグネット
16a 係合凹部
17 ワッシャ
C 軸心
CL,L,M,N 隙間
S 重畳部分
SU シャフトユニット
Tq1 第1トルク伝達部材
Tq2 第2トルク伝達部材

Claims (2)

  1. 筒状の本体筒部と、前記本体筒部の軸方向一側に設けられ前記本体筒部の径方向内側に突出したフランジ部と、を有するハウジングと、
    前記ハウジングの径方向内側に設けられ、磁性材料よりなる筒状部材と、
    前記筒状部材の径方向内側に回動自在に設けられたシャフトと、
    前記筒状部材の軸方向一側に設けられ、金属材料よりなる第1軸受と、
    前記シャフトに一体回転可能に設けられ、前記筒状部材に対して非接触なマグネットと、
    を備え、
    前記第1軸受は、前記第1軸受の径方向外側に設けられた前記筒状部材に固定される固定部と、前記第1軸受の径方向内側に設けられた前記シャフトを回動自在に支持する支持部とを有し、
    前記支持部の軸方向長さは、前記固定部の軸方向長さよりも長く、前記支持部と前記フランジ部とは、径方向に重なっており、
    前記筒状部材の軸方向他側に第2軸受が設けられ、
    前記シャフトには、前記第2軸受に軸方向から当接する軸受当接部が設けられ、
    前記軸受当接部は、前記マグネットの軸方向端部よりも前記第2軸受寄りに配置される、トルクリミッタ。
  2. 請求項1記載のトルクリミッタにおいて、
    前記シャフトの径方向外側と前記マグネットの径方向内側との間に、前記シャフトの熱膨張を許容する隙間が形成される、トルクリミッタ。
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