JP6214495B2 - オフセット印刷インキおよび印刷物 - Google Patents
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[1]炭素数が3〜8の非環式飽和脂肪族トリオールと、炭素数が2〜18の非環式脂肪族カルボン酸とからなり、炭素数の合計が9〜26で、沸点が常圧(101.3kPa)で200〜350℃であるエステルの少なくとも1種を、1〜20重量%と、ロジン変性フェノール樹脂を、20〜35重量%とを含有することを特徴とするオフセット印刷インキ、
である。
ここで、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
製造例1
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業(株)製)25部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)15部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)49.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
製造例1で得られたワニスV1を200部、乾燥固形分170部相当の紅顔料ペースト(Brilliant Carmin6B、大同化成工業(株)製)を、1Lテストニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV1を430部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)11部、炭酸カルシウム(ネオライトSA−300、竹原化学工業(株)製)15部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、表1に示したように、さらにワニス、ワックス(S−395、シャムロック社製)およびトリアセチン(沸点258〜260℃、関東化学(株)製)を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20Pa・sの実施例1のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてトリプロピオニン(沸点282℃、関東化学(株)製)を用い、表1に示した配合とし、それ以外の操作は実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20Pa・sの実施例2のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてトリブチリン(沸点305〜310℃、関東化学(株)製)を用い、表1に示した配合とし、それ以外の操作は実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20Pa・sの実施例3のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてグリセリンジアセトモノラウレート(リケマールPL−012、沸点305〜310℃、理研ビタミン(株)製)を用い、表1に示した配合とし、それ以外の操作は実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が21Pa・sの実施例4のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてカプリル酸ヘキシルエステル(SIGMA−ALDRICH社製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20Pa・sの比較例1のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてAFソルベント7を用い、表1に示した配合とし、それ以外の操作は実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が22Pa・sの比較例2のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、表1に示した配合とし、それ以外の操作は実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が12.3Pa・sの比較例3のオフセット印刷インキを得た。
実施例1で得られたインキベースを使用し、トリアセチンに代えてトリカプリリン(沸点471℃、東京化成工業(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて実施例1と同様に実施し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20.8Pa・sの比較例4のオフセット印刷インキを得た。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、光沢度計PG−1(日本電色工業(株)社製、60°)による測定値を評価した。光沢値が高いほど優れる。
光沢値について、◎:65.0以上、○:60.0以上、65.0未満、△:50.0以上、60.0未満(実用上問題ない)、×:50.0未満(光沢が低く、実用できない)、の4段階で評価した。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙へのオフセット印刷インキの付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、オフセット印刷インキ0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、オフセット印刷インキ0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を100℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片の展色面を、グレタグマクベススペクトロアイ(GretagMacbeth社製)にて、濃度値を測定した。なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキの評価に広く用いられている。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数400rpmの条件下で1分後の数値(タック値)を測定した。タック値が低いほど、紙剥けしにくくなり、優れる。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)、の3段階で評価した。
実施例1〜4、比較例1〜2および4の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに温度調整可能なオーブンを用いて、120℃、10秒間、試料片を加熱し、乾燥させた。加熱後、試料片を1分間放冷し、放冷した試料片のインキ面を学振型耐摩擦性試験機にて白紙で擦り、色落ちの程度を目視にて評価した。色落ちが少ないものほど、耐摩擦性が優れる。色落ちの程度について、○:少ないもの、△:やや多いもの(実用上問題ない程度)、×:多いもの(実用できない)、の3段階で評価した。
表3は、その他の印刷適性について評価した結果であるが、実施例1〜4のオフセット印刷インキは、比較例2の従来型のオフセット印刷インキと同程度の性能を十分有しているとともに、着色濃度が大幅に向上するという効果もある。
製造例1で得られたワニスV1を200部、乾燥固形分170部相当の紅顔料ペースト(Brilliant Carmin6B、大同化成工業(株)製)を、ニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV1を430部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)11部、炭酸カルシウム(ネオライトSA−300、竹原化学工業(株)製)15部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、紅インキベースを得、表4に示したように、さらにワニス、ワックス(S−395、シャムロック社製)などを添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20Pa・sの実施例5、比較例5および参考例1のオフセット印刷インキを得た。参考例1は従来型のオフセット印刷インキである。
印刷機:(株)小森コーポレーション製 4色オフセット輪転機
印刷回転数:700rpm
印刷版:CTP版
用紙:上質紙
湿し水設定温度:25℃
標準的な濃度の印刷物を与えることのできるインキの送り量を測定した。実施例5および比較例5の場合は参考例1を基準として、実施例6および比較例6の場合は参考例2を基準として、実施例7および比較例7の場合は参考例3を基準として、実施例8および比較例8の場合は参考例4を基準として、その増減を%で表示した。この数値が小さいほど、少量のインキ量で基準と同等の濃度となり、着肉性が優れる。
2万部印刷時において、地汚れが発生した程度を目視にて評価した。地汚れが発生した程度について、◎:地汚れがまったく発生しなかったもの、○:地汚れがごくわずかに発生したもの、△:地汚れがわずかに発生したもの(実用上問題ない程度)、×:地汚れが発生したもの(実用できない)、××:地汚れが顕著に発生したもの(実用できない)、の5段階で評価した。
2万部印刷後の印刷機のブランケット上のインキ付着量を目視にて評価した。インキ付着量の程度について、◎:ブランケット上のインキ付着がほとんどないもの、○:ブランケット上のインキ付着がやや見られたもの、△:ブランケット上のインキ付着が通常程度のもの(実用上問題ない程度)、×:ブランケット上のインキ付着が通常より多かったもの(実用できない)、××:ブランケット上のインキ付着が顕著に多かったもの(実用できない)、の5段階で評価した。
2万部印刷後の印刷機の水供給ローラー上のインキ付着量を目視にて評価した。インキ付着量の程度について、◎:水供給ローラー上のインキ付着がほとんどないもの、○:水供給ローラー上のインキ付着がやや見られたもの、△:水供給ローラー上のインキ付着が通常程度のもの(実用上問題ない程度)、×:水供給ローラー上のインキ付着が通常より多かったもの(実用できない)、××:水供給ローラー上のインキ付着が顕著に多かったもの(実用できない)、の5段階で評価した。
Claims (4)
- 炭素数が3〜8の非環式飽和脂肪族トリオールと、炭素数が2〜18の非環式脂肪族カルボン酸とからなり、炭素数の合計が9〜26で、沸点が常圧(101.3kPa)で200〜350℃であるエステルの少なくとも1種を、1〜20重量%と、ロジン変性フェノール樹脂を、20〜35重量%とを含有することを特徴とするオフセット印刷インキ。
- 前記エステルが、トリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリン、トリバレリン、トリイソバレリン、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノオレートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載のオフセット印刷インキ。
- 基材である紙に、請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷インキを付着させてなる印刷物。
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