以下、実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、画像形成装置200は、電子写真方式を採用したカラー画像形成装置であり、例えば4色に対応する画像形成部100Y、100M、100C、100Bkが略水平方向に沿って並設された中間転写タンデム方式の画像形成装置である。中間転写タンデム方式は、高い製作性及び様々なメディアの搬送にも対応できる点から、近年主流となっている。
画像形成部100Y〜100Bkは、それぞれ感光ドラム1a、1b、1c、1d、帯電装置2a、2b、2c、2d、露光装置3a、3b、3c、3d、現像装置5a、5b、5c、5d、一次転写ローラ4a、4b、4c、4dを備えている。現像装置5a〜5dには、それぞれ現像装置内の現像剤濃度を検出する濃度検知手段としてのトナー濃度センサ25a、25b、25c、25dが設けられている。トナー濃度センサ25a〜25dは、例えば、現像装置5a〜5d内のトナーの量に基づいて変化する透磁率に応じた信号を出力する透磁率センサである。
画像形成部100Y〜100Bkは、それぞれ感光体クリーナ6a、6b、6c、6dを備えている。画像形成装置200には中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、無端状のベルトからなり、各画像形成部の感光ドラム1a〜1dと一次転写ローラ4a〜4dとで形成されるニップ部である一次転写部15a、15b、15c、15dを通って図中矢印A方向に回転する。中間転写ベルト7は、駆動ローラを兼ねる二次転写内ローラ8、テンションローラ9、二次転写上流ローラ10及び二次転写下流ローラ11によって回転自在に張架されている。中間転写ベルト7の上方には、画像形成部の現像装置5a〜5dにそれぞれ現像剤としてのトナーを補給する収容容器としてのトナーボトル20a、20b、20c、20dが配置されている。
画像形成部100Y〜100Bkの下方には、記録材収納庫16が設けられており、記録材収納庫16には記録材としての用紙Sが収納されている。記録材収納庫16から中間転写ベルト7の二次転写内ローラ8と二次転写外ローラ13とで形成される二次転写部24及び定着装置19を経て排紙ローラ22に至る搬送パスR1が設けられている。搬送パスR1には、摩擦分離方式を採用した給紙ローラ17a、レジストレーションローラ(レジストローラ)18が配置されており、定着装置19には、図示省略した熱源となるヒータが設けられている。また、搬送パスR1と並行するように、排紙ローラ22から搬送パスR1のレジストローラ18の上流側に至る反転パスR2が設けられており、反転パスR2の搬送路には搬送ローラ17cが設けられている。
このような構成の画像形成装置200において、画像形成部100Y〜100Bkの感光ドラム1a〜1dが回転を開始した後、帯電装置2a〜2dが、それぞれ対応する感光ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電する。次いで、露光装置3a〜3dが画像信号に基づいたレーザ光を感光ドラム1a〜1dに照射することによって、露光装置3a〜3dが感光ドラム1a〜1d上に静電潜像を形成する。感光ドラム1a〜1d上に形成された静電潜像に対し、対応する現像装置5a〜5dが、それぞれトナーを供給してトナー像として顕在化する。各感光ドラム1a〜1dに形成されたトナー像は、対応する一次転写部15a〜15dにおいて、転写バイアス(一次転写バイアス)が与えられて上流色のトナー像上に順次重畳するようにして中間転写ベルト7上に一次転写される。これにより、中間転写ベルト7上にはフルカラーの画像が担持される。ここで、一次転写部15a、15b、15c、15dは、各画像形成部の感光ドラム1a、1b、1c、1dと一次転写ローラ4a、4b、4c、4dとで形成された領域である。
感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト7に転写されずに残ったトナーは感光体クリーナ6a〜6dによって除去される。現像装置5a〜5d内のトナー量が低下した場合は、それぞれ対応するトナーボトル20a〜20dからトナーが補給される。具体的なトナー補給方法については、後述する。
中間転写ベルト7上に形成された画像が二次転写部24に搬送されるタイミングに合わせて、用紙Sが二次転写部24に搬送される。ここで、二次転写部24は、中間転写ベルト7の二次転写内ローラ8と二次転写外ローラ13とで形成された領域である。給紙ローラ17aによって送り出された用紙Sは、搬送パスR1を通ってレジストローラ18に向けて搬送された後、レジストローラ18において斜行補正や搬送タイミングの調整が行われた後、二次転写部24まで搬送される。二次転写部24まで搬送された用紙Sに対し、二次転写内ローラ8又は二次転写外ローラ13を介して転写バイアス(二次転写バイアス)が与えられ、中間転写ベルト7上のカラー画像が用紙Sに転写される。中間転写ベルト7から用紙Sに転写されずに中間転写ベルト7に残存したトナーは、転写クリーナ装置12のブレード12aによって除去される。
カラー画像が転写された用紙Sは定着装置19に搬入され、該定着装置19の対向する2つのローラで形成される定着ニップ部を通過する間に所定の圧力と熱量が与えられ、用紙S上のカラー画像が該用紙Sに溶融、固着して定着される。カラー画像が定着された用紙Sは、排紙ローラ22を経て排紙トレイ23上に排出される。なお、用紙Sの表裏両面に画像を形成する場合は、用紙Sが反転パスR2へ搬入された後、再度、二次転写部24に供給されて表裏両面に画像が形成される。
次に、図1の画像形成装置200における現像剤補給機構(以下、「トナー補給機構」という。)について説明する。トナー補給機構は、現像装置5a〜5dにそれぞれ現像剤としてのトナーを補給するものである。トナー補給機構は、画像形成部100Y〜100Bkにそれぞれ対応するように4つ設けられているが、すべて同様の構成である。従って、以下、画像形成部100Yに対応するトナー補給機構を例に、その構造、動作等について詳細に説明する。
トナー補給機構は、画像形成装置200に設けられたボトル装着部、該ボトル装着部に装着されるトナーボトル及びその回転駆動源としての駆動モータを備えている。
図2は、図1の画像形成装置200におけるボトル装着部の要部概略図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は一部を切欠した斜視図である。
図2において、ボトル装着部は、略円筒状のトナーボトルが嵌合する半円筒状の凹部及びトナーボトルの一端が嵌合する略円形の貫通孔が形成された装着部本体30と、該装着部本体30の貫通孔部分に設けられた駆動ギヤ59とから主として構成されている。駆動ギヤ59は、トナーボトルが矢印Bに沿って装着された際、トナーボトルの従動ギヤと歯合してトナーボトルに駆動力を伝達する。装着部本体30の半円筒状の凹部には、その長さ方向に沿って、トナーボトルの後述するキャップ部の突出部分と嵌合して該キャップ部の回転を規制する段差状の回転規制部31が設けられている。回転規制部31の一端の底部には、軸線方向規制部材33が設けられており、該軸線方向規制部材33は、装着されたトナーボトルの回転軸方向の移動を規定する。
図3は、図2のボトル装着部に装着されるトナーボトルの要部概略図であって、図3(A)は外観図、図3(B)はトナーボトルのポンプ部が最大限伸張された状態を示す図である。また、図3(C)はトナーボトルのポンプ部が最大限収縮された状態を示す図である。
図3(A)〜(C)において、トナーボトル20aは、回転動作に同期してトナーを現像装置に向かって排出する。トナーボトル20aは、トナーを収容するトナー収容部41、回転駆動力が入力される駆動力入力部44、駆動入力部44に連結された胴部45、トナーを排出する排出部47、排出部47内の圧力を制御するポンプ部50を有している。また、トナーボトル20aは、ポンプ部50に連結された往復動部材51を有している。なお、胴部45の一部、排出部47、ポンプ部50、及び、往復動部材51はキャップ部52に覆われている。
駆動力入力部44には、その周方向に沿って従動ギヤ43が形成されている。胴部45は、小径部45aと大径部45bからなる。従動ギヤ43は、トナーボトル20aを駆動するトナーボトル駆動モータ(以下、単に「駆動モータ」という。)60の駆動ギヤ59と歯合する。駆動ギヤ59及び従動ギヤ43を介して駆動モータ60から駆動力入力部44に回転駆動力が入力される。
トナー収容部41の内壁面には螺旋状に突出する搬送部42が設けられている。これにより、トナー収容部41が回転することに応じて、トナー収容部内のトナーがトナー収容部41から排出部47に搬送される。
胴部45の大径部45bには、その周方向に沿って、凸状部55aと平坦部55bとからなる被検出部55が設けられており、被検出部55に対向するように出力手段としての回転検知センサ58が配置されている。被検出部55の凸状部55aは、回転検知フラグ57を押し上げる。これにより、回転検知フラグ57が回転検知センサ58によって検知される。また、胴部45の小径部45aには、周方向に沿って一周に亘って所定の周期で湾曲するカム溝46が設けられている。胴部45に対してトナー収容部41と反対側には、トナー収容部41と連通する空間部としてのトナー排出部47及び該トナー排出部47に連設されたポンプ部50が設けられている。トナー排出部47にはトナーの排出口48が設けられている。排出口48の口径は、例えば、約2[mm]である。
トナー排出部47及びポンプ部50は、略円筒状を呈しており、キャップ部52に覆われている。ポンプ部50は、例えば、山折り部と谷折り部が交互に複数形成された樹脂製のポンプであり、その先端部に往復動部材51が固定されている。往復動部材51は、2本のアームの先端に設けられた不図示の爪部を有し、この爪部がカム溝46に係合する。
往復動部材51と、該往復動部材51が係合するカム溝46とで、トナーボトル20aに入力される回転駆動力の一部を直線的な往復駆動力に変換する駆動力変換機構を構成している。すなわち、駆動モータ60からトナーボトル20aに入力される回転駆動力によってトナー収容部41と共に胴部45が回転する。胴部45が回転することによって、カム溝46に係合する往復動部材51が図3中、矢印C方向に往復する直線運動を繰り返す。往復動部材51が往復動することによって、その先端部に固定されたポンプ部50の端部も矢印C方向に往復動し、これによって、ポンプ部50が伸張(図3(B))及び収縮(図3(C))を繰り返し、その内容積を可変する。トナーボトル20aが回転すると、トナー収容部41内のトナーは、搬送部42によってトナー排出部47まで搬送され、該トナー排出部47に一時的に滞留し、その後、ポンプ部50の作用を受けて排出口48を経て図示省略した現像装置に向けて補給される。
ポンプ部50はトナーの排出口48を介して吸気動作と排気動作を交互に行う吸排気機構として機能する。また、ポンプ部50による吸排気によって、排出口48から流入してトナーボトル20aの内部に向かう気流と、トナーボトル20aの内部から排出口48を経てトナー排出部47の外部に向かう気流が交互に形成されるので、ポンプ部50は気流発生機構でもある。
トナーボトル20aが1回転する間に、往復動部材51は矢印C方向に沿って、例えば2往復し、ポンプ部50は伸張及び収縮を、例えば2回繰り返す。これによって、図示省略した現像装置に向かってトナーが間欠的に補給される。トナーボトル20aから、現像装置に補給されるトナー量はポンプ部50の収縮及び伸張動作の回数によって決まり、回転検知センサ58によって、ポンプ部50の収縮及び伸張動作の回数が検出される。
なお、キャップ部52の外周面は、その一部が突出した突出部分を有しており、この突出部分は、トナーボトル20aを装着するボトル装着部の装着部本体30に設けられた回転規制部31に嵌合する。従って、トナーボトル20aのキャップ部52は回転しない。また、トナー排出部47は、摺動部を介して胴部45と連結されており、且つ、図示省略した回転規制部材で回転が規制されている。従って、トナー排出部47及びポンプ部50も、胴部45が回転しても回転しない構造となっている。
次に、このような構成の画像形成装置200におけるトナー補給システムの制御構成について説明する。
図4は、図1の画像形成装置200におけるトナー補給システムの構成を示すブロック図である。図4において、画像形成装置200の全体を制御する制御基板300は、CPU70と、トナー補給動作に関わる機能をハードウェア化したASIC72を備えている。この構成によれば、ASIC72がトナー補給動作を制御するので、CPU70の演算処理を軽減できる。
以下、説明を簡略化するため、CPU70が現像装置50aへのトナーの補給を制御するトナー補給システムの構成について説明し、他の現像装置50b、50c、及び50dへのトナーの補給を制御する構成についての説明を省略する。
CPU70は、A/D変換器61を有し、RAM62を備えたASIC72と接続されている。さらに、A/D変換機61は、現像装置5aに設けられたトナー濃度センサ25aに接続されている。トナー濃度センサ25aは、現像装置5a内のトナーの量に基づいて変化する透磁率に応じた信号を出力する。なお、トナー濃度センサ25aは、現像装置5a内のトナーの量に基づいて変化する透磁率に応じた信号を出力するセンサに限定されず、現像装置5a内のトナーの量を検知できるセンサであれば、どのようなセンサであってもよい。
ASIC72は、センサ駆動回路65、及びセンサ出力検出回路67をそれぞれ介して、トナーボトル20aの回転情報を検知する回転検知センサ58と接続されている。ASIC72は、モータ駆動回路63を介してトナーボトル20aを駆動する駆動モータ60に接続されている。さらに、ASIC72は、SW検出回路68を介して画像形成装置200の扉26の開閉を検知する扉開閉検知スイッチ(SW)27に接続されている。トナーボトル20aを装着部に装着する場合、ユーザが扉26を開閉する構成となっている。なお、扉26は、トナーボトル20aを交換するために自動で開閉する構成であってもよい。
モータ駆動回路63は、ASIC72から出力されたモータ制御信号に基づき、駆動モータ60を駆動する。モータ制御信号は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。このPWM信号は所定時間あたりに駆動モータ60に電流が供給される時間の割合(DUTY比)を示した信号である。DUTY比が増加すると、所定時間における駆動モータ60に電流が供給される時間が増加する。一方、DUTY比が減少すると、所定時間における駆動モータ60に電流が供給される時間が減少する。
回転検知センサ58は、センサ駆動回路65により駆動され、画像形成装置200の装着部にトナーボトル20aが装着されていれば、トナーボトル20aの回転情報を検知し、回転状態に応じて所定の信号を出力する。回転検知センサ58の出力(回転情報)は、センサ出力検出回路67を介してASIC72に入力される。ASIC72は、回転情報をCPU70に転送する。
ASIC72は、トナー補給動作中に回転検知センサ58がトナーボトル20aの回転検知フラグ57を検知している時間を測定する。ASIC72は、回転検知センサ58により検知フラグ57が検知された時間をRAM62に記憶する。
扉開閉検知SW27は、画像形成装置200の扉26の開閉に応じて開閉検知信号を出力する。開閉検知信号は、SW検出回路68を介してASIC72に入力される。ASIC72は開閉検知信号に基づいて扉26が開状態であるか閉状態であるかを判定する。
なお、本実施の形態においては、ASIC72を用いてトナー補給制御を実施する構成を説明したが、CPU70がモータ駆動回路63、センサ駆動回路65、センサ出力検出回路67、及びSW検出回路68と接続された構成であってもよい。また、モータ駆動回路63、センサ駆動回路65、センサ出力検出回路67、SW検出回路68の内のいくつかがCPU70に接続された構成であってもよい。もちろん、モータ駆動回路63、センサ駆動回路65、センサ出力検出回路67、SW検出回路68の内の1つがCPU70に接続された構成であってもよい。
次に、図1の画像形成装置を用いた画像形成処理について、図面を参照して詳細に説明する。
図5は、図1の画像形成装置を用いた画像形成処理を示すフローチャートである。この画像形成処理は、画像形成装置200の制御基板300に設けられたCPU70又はASIC72が、図示省略したROMに記憶された画像形成処理プログラムの画像形成処理手順に従って実行する。
ところで、トナーボトル20aの回転検知センサ58を用いて、画像形成装置からトナーボトル20aが抜き取られたことを検出するためには、トナーボトル20aを所定の状態で停止させておく必要がある。所定の状態とは、出力手段としての回転検知センサ58が回転検知フラグ57を検出して所定の信号である出力“Hi”を出力する状態である。以下、この状態をホームポジション(HP)という。トナーボトルをホームポジションで停止させれば、その後、トナーボトルが抜き取られた際、回転検知センサ58の出力の変化によって、トナーボトルの抜き取りを検出できる。
本実施の形態においては、トナーボトル20aをHPで停止させるために、トナーボトル20aを一旦停止させた際、停止位置がHPでない場合は、停止位置をトナーボトルが装着されていることを判定できるHPに変更するために、再度回転させる。かかる場合であってもトナーボトルの回転によって現像装置にトナーが補給されるので、トナーの過剰補給を抑制して画像不良なくすために、トナー補給量を補正する必要がある。CPU70は、装着部にトナーボトルが装着されていると判定するためにトナーボトルを回転させたときの回転情報回数に基づいて、現像装置に補給されるトナー量を算出し、これに基づいて正規のトナー補給量を補正する。回転情報回数については、後述する。CPU70は、装着部にトナーボトルが装着されているか否かを判定する判定手段、及びトナーの補給量を補正する補正手段としても機能する。
図5において、画像形成処理が開始されると、CPU70は、先ず、ボトル装着部の扉開閉検知スイッチを監視してボトル装着部の開閉扉が閉まっているか否かを判定し、開閉扉が閉まっていなければ、閉まるまで待機する(ステップS102)。
図6は、図1の画像形成装置の斜視図である。図6において、画像形成装置200には、ボトル装着部を開閉するための開閉扉26及び開閉扉26の開閉状態を検知する扉開閉検知スイッチ(SW)27が設けられている。扉開閉検知SW27は、開閉扉26が閉じられた際、該開閉扉26に設けられた突起部26aによって押圧されて開閉扉26が閉じられたことを検知する。なお、開閉扉26は、ボトル装着部のみを開閉する扉であっても、画像形成装置200の一側面の全体を開閉するように構成された扉であってもよい。
図5に戻り、ステップS102の判別の結果、ボトル装着部の開閉扉26が閉まっている場合(ステップS102で「YES」)、CPU70は、ボトル装着部にトナーボトル20aが装着されているか否かを判定する(ステップS103)。ボトル装着部にトナーボトルが装着されているか否かは、トナーボトル20aの回転位相を検出する出力手段としての回転検知センサ58から所定の信号が出力されているか否かに応じて判定する。
図7は、図3における回転検知センサの要部概略図であり、図7(A)は、回転検知センサ58がトナーボトルの被検出部55の凸状部55aを検出している状態を示す図である。また、図7(B)は、回転検知センサ58がトナーボトルの被検出部55の平坦部55bを検出している状態を示す図である。
図7(A)及び(B)において、トナーボトル20aの胴部45の大径部45bに設けられた被検出部55に対向するようにトナーボトル20aの回転位相を検出するための回転検知フラグ57及び回転検知センサ58が配置されている。回転検知フラグ57は、トナーボトル20aの胴部45が回転することによって該胴部45と共に回転する凸状部55aと当接することによって、回転軸49を中心として図7(A)中、矢印R1方向に揺動する。一方、平坦部55bと当接することによって、図7(B)中、矢印R2方向に揺動する。
回転検知センサ58は、発光部と受光部とを有する光センサであり、発光部と受光部との間に遮光物、例えば回転検知フラグ57が存在すると(図7(A)の状態)、受光部の受光光量が閾値以下となる。この場合、第1の検出値として出力“Hi”を出力する。一方、発光部と受光部との間に遮光物、例えば回転検知フラグ57が存在しないと(図7(B)の状態)、受光部の受光光量が閾値以上となる。この場合、回転検知センサ58は、第2の検出値として出力“Low”を出力する。すなわち、回転検知センサ58の出力は、トナーボトル20aの回転に伴って回転検知フラグ57の端部を検出しない“Low”から端部を検出する“Hi”に変化し、“Hi”から“Low”に変化する。
被検出部55の平坦部55bは、ポンプ部50が収縮するタイミング、すなわち、トナーボトル20aがトナーを排出するタイミングに同期して設けられており、平坦部55bの終端部がトナーの排出動作の終了時と同期するように構成されている。
図8は、トナーボトルのトナー補給動作を説明するためのタイミングチャートである。図8において、時刻t0で、駆動モータの駆動が開始されると、トナーボトルが回転し、時刻t1で、回転検知センサ58の出力がフラグ有りの“Hi”からフラグなしの“Low”に変化し、その後、時刻t2で、“Low”から“Hi”に変化する。このとき、トナーボトルのポンプ部50は、時刻t0からt1の間に吸気動作を行い、時刻t1からt2の間に、現像装置に向けてトナーを排出する排気動作を行う。そして、トナー排出動作が完了するタイミングT1の後の時刻t2で、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化する。このように、回転検知センサ58の出力が、出力“Low”から出力“Hi”に変化する変化点を示す情報は、トナーの排出動作の終了時点に同期している。以下、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化する変化点、すなわち、所定の信号以外の信号から所定の信号に変化する変化点を示す特定の回転情報を、立ち上がりエッジともいう。
この特定の回転情報回数をカウントすることによって、トナー補給時又はトナーボトルをホームポジションで停止させるためのボトル回転時にトナーボトル20aから排出され、現像装置5aに補給されるトナー補給量を定量することができる。即ち、例えば画像情報に基づいて必要トナー量を予測したビデオカウント値又は現像装置のトナー濃度センサ25aの検出情報等に基づいてトナー補給量が決定される。次いで必要に応じてトナー補給量が補正され、補正後の必要トナー補給量に相当する立ち上がりエッジ(回転情報)回数をカウントするまでトナーが補給される。
このようなトナーボトル20aの回転位相に同期してトナー補給動作を検知する回転検知センサ58の出力に基づいて、画像形成装置200の装着部にトナーボトルが装着されているか否かが判定される。
図9は、扉開閉SWの出力信号と回転検知センサの出力信号の出力タイミングを示す図である。図9を用いて、画像形成装置200の装着部にトナーボトルが装着されているか否かを判定する動作について説明する。
図9において、トナー補給動作を実行していない場合は、トナーボトル20aは、該トナーボトル20aの装着の有無を検知するために、回転検知センサ58が出力“Hi”を出力するホームポジション(HP)で停止されている。また、トナーボトル20aがHPで停止している場合は、通常、図9(A)のように、開閉扉26が閉じられ、扉開閉検知SW27は閉を出力している。この状態から、扉開閉検知SW27が開閉扉26の開を検知し、次いで、回転検知センサ58がフラグなしの出力“Low”を出力し、さらに、フラグ有りの“Hi”を出力する。その後、扉開閉検知SW27が開閉扉26の閉を検出した場合、トナーボトル20aが、一旦、抜き取られた後、装着されたと判断できる。
また、図9(B)のように、開閉扉26が閉から開に変化した状態で、回転検知センサ58の出力が“Hi”から“Low”に変化し、その後、開閉扉26が開から閉に変化した場合、トナーボトル20aが抜き取られたことまでは検知できる。しかしながら、再度装着されたか否かを検知できないまま、開閉扉26が閉められている。このとき、想定されるのは、トナーボトル20aが装着されないまま開閉扉26が閉められたか、トナーボトル20aのフラグ位置がHPからずれた状態で装着されたことである。
そこで、本実施の形態においては、図9(B)の矢印で示したタイミングT2のポイントで、トナーボトルが装着されているか否かを確認するためのリカバリーモード(後述する図5のステップS105〜S110参照)に移行する。
リカバリーモードとは、回転検知センサ58により回転検知フラグ57が検出されるまでASIC72が駆動モータ60によってトナーボトル20aを回転させるモードである。リカバリーモードは、ユーザによってトナーボトル20aが交換されたにも拘わらず、トナーボトル20aの回転検知フラグ57が回転検知センサ58によって検出されない場合に実行される。また、リカバリーモードは、トナーボトル20aが回転を停止した際に、トナーボトル20aの回転検知フラグ57が回転検知センサ58によって検出できなかった場合に実行される構成としてもよい。
このように、回転検知センサ58が出力“Hi”を出力するホ−ムポジションでトナーボトル20aを停止させ、その後、出力“Low”を経て抜き取りを検知し、次いで、出力“Hi”が検知されることによって、トナーボトルの装着を検知できる。
ところで、リカバリーモードが実行されることによってもトナーボトル20aが回転するので、トナーボトル20aから現像装置5aにトナーが補給されてしまう。そこで、リカバリーモードが実行された場合は、フラグを立て、該フラグに基づいて、トナーボトル20aから現像装置5aに補給されるトナーの補給量を補正する。
図5に戻り、ステップS103で、トナーボトル20aが装着されているか否かを判別した後、CPU70は、トナーボトル20aが装着されている(ステップS103で「YES」の)場合、トナーボトル20aの前多回転を開始する(ステップS104)。前多回転とは、画像形成処理を開始する前にトナーボトル20aを回転させて画像形成の準備を行うイニシャル動作である。
次いで、CPU70は、トナーボトル20aの所定時間の前多回転(イニシャル動作)の終了によって(ステップS111)、画像形成装置200を画像形成可能な状態にした後、画像を形成するジョブ(JOB)が投入されるまで待機する(ステップS112)。ステップS112の判別の結果、ジョブが投入された(ステップS112で「YES」の)場合、CPU70は、画像形成動作を開始する(ステップS113)。次いで、画像形成動作中にトナーの補給が必要な場合、CPU70は、トナーボトル20aからトナー補給を開始させる(ステップS114)。このときCPU70は、リカバリーモードが実行されたことを示すフラグが立っているか否かを判別する(ステップS115)。次いで、CPU70は、ステップS115の判別の結果、フラグが立っている(ステップS115で「YES」の)場合、正規の現像剤補給量Xを補正する。すなわち、CPU70は、正規のトナー補給量Xからリカバリーモード中にトナーボトル20aから現像装置に補給されたトナー量ΔXを差し引いて、補給量を設定する(ステップS116)。一方、ステップS115の判別の結果、フラグが立っていなかった場合、正規の補給量Xをトナー補給量として設定する(ステップS117)。
正規の補給量Xは、例えば、原画像に基づいて演算されたビデオカウント値や、トナー濃度センサ25aの検出値に基づいて決定される補給量である。また、リカバリーモード中におけるトナーボトル20aから現像装置5aに補給されたトナー量ΔXは、リカバリーモード中のトナーボトル20aの回転速度、及び回転回数に基づいて決定される。ASIC72は、リカバリーモード中のトナーボトル20aの回転速度、又は回転情報回数に応じて、補給量ΔXを算出する。
図10は、トナーボトルの回転速度とトナー補給量との関係を示す図であり、図10(A)は、トナーボトルの回転速度に応じて補給量が単調に増加する特性を有する場合を示す図である。また、図10(B)は、トナーボトルの回転速度に応じて補給量が単調に増加する特性を有さない場合を示す図である。
図10(A)においては、トナーボトルの回転速度に応じてトナーの補給量が単調に増加する特性になっている。一方、図10(B)では、そのような特性を示していない。しかしながら、図10(A)及び(B)のいずれの場合であっても、予め特性を把握しておくことで、リカバリーモード中のトナーボトル20aの回転速度を検出することによって、補給量ΔXを求めることができる。
図5に戻り、ステップS116又はS117でトナー補給量を設定したCPU70は、設定した補給量に相当するトナー量を現像装置5aに向けて補給する(ステップS118)。そして、必要量のトナー補給が終了した後、CPU70は、トナー補給を停止し(ステップS119)、その後、ジョブ内容に応じた画像形成の終了に伴って画像形成を停止し(ステップS120)、本処理を終了する。
一方、ステップS103の判別の結果、トナーボトル20aの装着を検知できない(ステップS103で「NO」の)場合、CPU70は、処理をリカバリーモードに移行する。すなわち、CPU70は、トナーボトル20aが装着されているか否かを確認するために、トナーボトルの回転を開始させる(ステップS105)。次いで、CPU70は、トナーボトル20aが回転している間、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを監視する(ステップS106)。ステップS106の監視の結果、出力が“Low”から“Hi”に変化した場合(ステップS106で「YES」)、トナーボトル20aが装着部に装着されていると判別し、その後、トナーボトル20aの回転を停止させる(ステップS107)。次いで、トナーボトル20aの駆動停止後、CPU70は、リカバリーモードを実行した旨のフラグを立てて(ステップS108)、処理をステップS104の前多回転動作へと移行させる。
一方、ステップS106の判別の結果、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化せず、トナーボトル20aの装着を検出できない場合、CPU70は、所定時間が経過している否かを判別する(ステップS109)。すなわち、CPU70は、ステップS105でトナーボトル20aの回転を開始してから所定時間が経過している否かを判別する。そして、所定時間が経過していなければ(ステップS109で「NO」)、処理をステップS106に戻して回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを再度判別する。また、ステップS109の判別の結果、所定時間が経過している(ステップS109で「YES」の)場合、トナーボトル20aが画像形成装置200に装着されていないと判断し(ステップS110)、本処理を終了する。
なお、この場合、CPU70は、例えば、図示省略した操作画面に、画像形成装置200にトナーボトル20aが装着されていないことを表示する。ステップS109における所定時間は、トナーボトル20aを回転させたときに少なくとも回転検知センサ58の出力が1回以上変化する程度の時間、具体的には、1ポンピング動作にかかる時間以上に設定される。
図5の処理によれば、トナーボトル20aが装着されているか否かの検知を行うためにトナーボトル20aを回転させるリカバリーモードが実行される。そしてリカバリーモードが実行されることによってトナーボトル20aから現像装置5aに補給されたトナー量ΔXを次回の現像剤補給時の補給量Xから減算する。これによって、現像装置5aへのトナーの過剰補給を防止することができるので、画像濃度を安定させることができると共に、現像装置5aに対するトナーの過剰補給に起因する影響、例えば画像不良、トナー詰まり等を防止することができる。
本実施の形態において、リカバリーモードにおけるトナーボトル20aの回転速度は、トナーボトル20aの交換が不要な通常のトナー補給時における回転速度である第1の速度よりも遅い第2の速度であることが好ましい。これによって、トナーボトル20aをHPで停止させ易くなる。
本実施の形態において、CPU70は、回転検知センサ58の出力が“Low”に変化することよってトナーボトル20aの抜き取りを検知した後、回転検知センサ58の出力が再度“Hi”に変化することによってトナーボトルの装着を検知することができる。
本実施の形態において、トナーボトル20aに収容されるトナーとしてキャリアが混合された2成分系の現像剤を用いた場合は、現像装置5aに対して、トナーだけでなくキャリアも含めて過剰補給を防止することができる。
また、本実施の形態において、トナー補給量は、トナーボトル20aのポンプ部50のポンピング回数に基づいて算出した。しかし、これに限定されるものではなく、トナーボトル20aに計量スクリューを搭載し、該搭載された計量スクリューの検出値を用いてトナー補給量を算出することもできる。
また、本実施の形態において、回転検知センサ58は回転検知フラグ57の動きを検知するものに限定されるものではなく、トナーボトル20aに所定のマークを形成しておき、反射型の光学センサ等によってマークを検出する構成であってもよい。
次に、第2の実施の形態について図11を参照して説明する。第2の実施の形態に係る画像形成装置は、第1の実施の形態に係る画像形成装置200と同様の構成である。
図11は、第2の画像形成処理を示すフローチャートである。第2の画像形成処理は、画像形成装置200の制御基板300に設けられたCPU70又はASIC72が、図示省略したROMに記憶された第2の画像形成処理プログラムの画像形成処理手順に従って実行する。この画像形成処理では、画像形成装置200に電源を投入したタイミングで、直ちにトナーボトル20aが装着されているか否かを検出するように制御する。
図11において、第2の画像形成処理が開始され、画像形成装置200を起動させるための電源が投入されると(ステップS201)、CPU70は、先ず、トナーボトル20aがボトル装着部に装着されているか否かを判別する(ステップS202)。ステップS202の判別の結果、回転検知センサ58が出力“Hi”を検出し、トナーボトル20aが装着されていると判断した(ステップS202で「YES」の)場合、CPU70は、イニシャル動作を実行する(ステップS203)。すなわち、CPU70は、駆動モータ60を駆動してトナーボトル20aの前多回転を開始する。
次いで、CPU70は、トナーボトル20aの所定時間の前多回転(イニシャル動作)の終了によって(ステップS210)、画像形成装置200を画像形成可能な状態にした後、画像形成処理を実行するジョブが投入されるまで待機する(ステップS211)。ステップS211の判別の結果、ジョブが投入された(ステップS211で「YES」の)場合、CPU70は、画像形成動作を開始する(ステップS212)。次いで、画像形成動作中にトナーの補給が必要な場合、CPU70は、トナーボトル20aからトナー補給を開始させる(ステップS213)。このときCPU70は、リカバリーモードを実行した旨のフラグが立っているか否かを判別する(ステップS214)。次いで、CPU70は、ステップS214の判別の結果、フラグが立っている(ステップS214で「YES」の)場合、トナー補給量を補正する。すなわち、CPU70は、正規の補給量Xからリカバリーモード中の回転によって補給されたトナー量ΔXを差し引いて、補給量を設定する(ステップS215)。一方、ステップS214の判別の結果、フラグが立っていなかった場合、正規の補給量Xをトナー補給量として設定する(ステップS216)。なお、リカバリーモード中における回転によって補給されたトナー量ΔXがゼロの場合も、トナー補給量は補正されず、正規の補給量Xがトナー補給量として設定される。
正規の補給量Xは、例えば、ビデオカウントや、トナー濃度センサ25aの検出値に基づいて決定される必要補給量である。また、リカバリーモードにおけるトナーボトルの回転で補給されるトナー量ΔXは、リカバリーモード中のトナーボトルの回転速度によって変動するので、回転速度、又は回転情報回数に応じて算出される。また、現像装置5aのトナー濃度センサ25aの出力の変化によって、リカバリーモード中に現像装置5aにトナーが補給されたか否かを検出することもできる。
トナー補給量を設定した後、CPU70は、設定した補給量だけ、現像装置5aに向けてトナーを補給し(ステップS217)、その後、トナー補給を停止し(ステップS218)、次いで、画像形成操作を停止し(ステップS219)、本処理を終了する。
一方、ステップS202の判別の結果、トナーボトル20aの装着を検知できない(ステップS202で「NO」の)場合、CPU70は、処理をリカバリーモードに移行する。すなわち、CPU70は、トナーボトル20aが装着されているか否かを確認するために、トナーボトル20aの回転を開始させる(ステップS204)。次いで、CPU70は、トナーボトル20aが回転している間、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを監視する(ステップS205)。ステップS205の監視の結果、出力が“Low”から“Hi”に変化した場合(ステップS205で「YES」)、トナーボトル20aが装着されていると判別し、その後、トナーボトル20aの回転を停止させる(ステップS206)。次いで、CPU70は、トナーボトル20aの回転操作を実行したことを示すフラグを立てて(ステップS207)、処理をステップS203の前多回転動作へと移行させる。
一方、ステップS205の判別の結果、トナーボトル20aの装着を検出できない(ステップS205で「NO」の)場合、CPU70は、所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS208)。すなわち、CPU70は、ステップS204でトナーボトル20aの回転を開始してから所定時間が経過しているか否かを判別する。そして、所定時間が経過していなければ処理をステップS205に戻して回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを再度判別する。また、ステップS208の判別の結果、所定時間が経過している(ステップS208で「YES」の)場合、CPU70は、画像形成装置200にトナーボトル20aが装着されていないと判断し(ステップS209)、本処理を終了する。なお、この場合、CPU70は、例えば、図示省略した操作画面に、画像形成装置200にトナーボトル20aが装着されていないことを表示する。ステップS208における所定時間は、トナーボトル20aを回転させたときに少なくとも回転検知センサ58の出力が1回以上変化する程度の時間、具体的には、1ポンピング動作にかかる時間以上に設定される。
図11の処理によれば、画像形成装置への電源投入後、直ちにトナーボトル20aが装着されているか否かの判別を行う(ステップS202)ので、リカバリーモードが必要な場合、速やかにリカバリーモードに移行できる。また、リカバリーモード中にトナーボトルから現像装置にトナーが補給されるので、次回のトナー補給時に、リカバリーモード中に補給されたトナー量ΔXを差し引いて補給量を調整する。これによって、現像装置へのトナーの過剰補給を防止して画像不良の発生を抑制できる。
本実施の形態において、トナーとしてキャリアが混合された2成分系の現像剤を用いた場合は、現像装置5aに対して、トナーだけでなくキャリアも含めて過剰補給を防止することができる。
また、本実施の形態において、トナーボトル20aに計量スクリューを搭載し、該計量スクリューの検出値に基づいてトナー補給量を検知するようにしてもよい。また、本実施の形態において、回転検知センサ58は、トナーボトル20aに所定のマークを形成しておき、反射型の光学センサ等によってマークを検出する構成であってもよい。
次いで、第3の実施の形態について図12を参照して説明する。第3の実施の形態に係る画像形成装置は、第1の実施の形態に係る画像形成装置200と同様の構成である。
図12は、第3の画像形成処理を示すフローチャートである。この画像形成処理は、画像形成装置200の制御基板300に設けられたCPU70又はASIC72が、図示省略したROMに記憶された第3の画像形成処理プログラムの画像形成処理手順に従って実行する。第3の画像形成処理は、トナーボトル20a内(収容容器内)のトナー残量が少なくなり、トナー補給能力が低下した時には、トナー補給量を補正せず、そのまま正規の補給量を補給するよう制御する。
図12において、第3の画像形成処理が開始されると、CPU70は、先ず、扉開閉検知SW27を監視してボトル装着部の開閉扉26が閉まっている否かを検知し、開閉扉26が閉まっていなければ、閉まるまで待機する(ステップS302)。
次いで、CPU70は、ステップS302の判別の結果、開閉扉26が閉まっていれば(ステップS302で「YES」)、ボトル装着部にトナーボトルが装着されているか否かを判別する(ステップS303)。
このとき、回転検知センサ58が出力“Hi”を出力していれば、ボトル装着部にトナーボトルが装着されていると判断される。ステップS303の判別の結果、トナーボトル20aが装着されている場合(ステップS303で「YES」の)場合、CPU70は、駆動モータ60を駆動してトナーボトル20aの前多回転を開始してイニシャル動作を行う(ステップS304)。
次いで、CPU70は、トナーボトル20aの所定時間の前多回転(イニシャル動作)の終了によって(ステップS312)、画像形成装置200を画像形成可能な状態にした後、画像形成のためのジョブが投入されるまで待機する(ステップS313)。ステップS313の判別の結果、ジョブが投入された(ステップS313で「YES」の)場合、CPU70は、画像形成動作を開始する(ステップS314)。次いで、画像形成動作中にトナーの補給が必要な場合、CPU70は、トナーボトル20aからトナー補給を開始させる(ステップS315)。このときCPU70は、リカバリーモードを実行した旨のフラグが立っているか否かを判別する(ステップS316)。次いで、CPU70は、ステップS316の判別の結果、フラグが立っている(ステップS316で「YES」の)場合、トナー補給量を補正する。すなわち、CPU70は、正規の補給量Xから、リカバリーモード中の回転によって補給されたトナー量ΔXを差し引いて、補給量を設定する(ステップS317)。一方、ステップS316の判別の結果、フラグが立っていなかった(ステップS316で「NO」の)場合、正規の補給量Xをトナー補給量として設定する(ステップS318)。なお、リカバリーモード中における回転によって補給されたトナー量ΔXがゼロの場合は、正規の補給量Xがトナー補給量として設定される。
正規の補給量Xは、例えば、ビデオカウントや、トナー濃度センサ25aの検出値に基づいて決定される必要補給量である。また、リカバリーモードにおけるトナーボトルの回転で補給されるトナー量ΔXは、リカバリーモード中のトナーボトルの回転速度等によって変動するので、回転速度、又は回転情報回数に応じて算出される。
トナー補給量を設定した後、CPU70は、設定した補給量だけ、現像装置5aに向けてトナーを補給し(ステップS319)、その後、トナーの補給を停止させ(ステップS320)、画像形成操作を停止し(ステップS321)、本処理を終了する。
一方、ステップS303の判別の結果、トナーボトル20aの装着を検知できない(ステップS303で「NO」の)場合、CPU70は、リカバリーモードに移行する。すなわち、CPU70は、トナーボトル20aが装着されているか否かを確認するために、トナーボトル20aの回転を開始させる(ステップS305)。次いで、CPU70は、トナーボトル20aが回転している間、回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを監視する(ステップS306)。ステップS306の監視の結果、出力が“Low”から“Hi”に変化した場合(ステップS306で「YES」)、トナーボトル20aが装着部に装着されていると判別し、その後、トナーボトル20aの回転を停止させる(ステップS307)。次いで、CPU70は、現像装置5aのトナー濃度センサ25aの出力が所定値以上変化したか否かを判別する(ステップS308)。そして、所定値以上変化していた場合、CPU70は、リカバリーモードを実行した旨のフラグを立て(ステップS309)、処理をステップS304へ移行させる。一方、ステップS308の判別の結果、トナー濃度センサ25aの出力が所定値以上変化しなかった(ステップS308で「NO」の場合)、CPU70は、そのまま、処理を前多回転処理(ステップS304)に移行させる。トナーボトル内のトナー残量の低下等に対応した適正な操作を行うためである。この場合、トナーボトル20aが回転したもののトナーが補給されなかったと判断される。トナーボトル20aが回転したもののトナーが補給されなかった原因としては、トナーボトル20a内のトナー残量が不足していることが考えられる。
図13は、現像装置内に設けられたトナー濃度センサの出力波形を示す図であり、図13(A)は、現像装置内のトナー量が変化しない場合を示す図、図13(B)は、現像装置内のトナー量が変化する場合を示す図である。図13において、トナー濃度センサ25aの出力波形は、現像装置内の撹拌スクリューの周期に応じて変化するが、トナー補給がなく、現像装置内のトナー量が変化しない場合は、出力の平均値Vave1は一定で、振幅ΔV1も一定である。一方、現像装置にトナーが補給された時は、出力波形がΔV1からΔV2に変化し、その後、出力の平均値はVave1からVave2へ変化する。なお、二成分現像剤が使用された場合、出力平均値の変化に基づいて、現像装置内のトナーとキャリアとの比を観察することができる。
トナー濃度センサの出力波形がΔV1からΔV2に変化したことによって、トナーボトル20aから現像装置5a内にトナーが補給されたことを検知することができる。また、トナー濃度センサ25aの出力を監視することで、例えばトナーボトル20aが装着されたときにそれが新品ではなく、トナー残量が少なくて給能力が低下していることを検出することができる。この場合、必要に応じて補給量を減少させること等によって補正して、過補給だけでなく、補給不足にも対応することができる。
図14は、トナーボトル内(現像剤補給容器内)のトナー残量とトナー補給能力の関係を表す図であり、トナー残量が少ない場合は、補給能力が低下することを示している。
図12に戻り、ステップS306の判別の結果、トナーボトル20aの装着を検出できない(ステップS306で「NO」の)場合、CPU70は、所定時間が経過している否かを判別する(ステップS310)。即ち、CPU70は、ステップS305でトナーボトル20aの回転を開始してから所定時間が経過している否かを判別し、経過していなければ処理をステップS306に戻して回転検知センサ58の出力が“Low”から“Hi”に変化するか否かを再度判別する。また、ステップS310の判別の結果、所定時間が経過している(ステップS310で「YES」の)場合、画像形成装置200にトナーボトル20aが装着されていないと判断し(ステップS311)、本処理を終了する。
なお、この場合、CPU70は、例えば、図示省略した操作画面に、画像形成装置200にトナーボトル20aが装着されていないことを表示する。ステップS310における所定時間は、トナーボトル20aを回転させたときに少なくとも回転検知センサ58の出力が1回以上変化する程度の時間、具体的には、1ポンピング動作にかかる時間以上に設定される。
図12の処理によれば、トナーボトル20a内のトナー残量が少なくなり、補給能力が低下した際には、補給量の補正を実施せず(ステップS308で「NO」)、処理を前多回転処理(ステップS304)に戻す。これによって、トナーボトル20a内のトナー残量の低下した際に適正な制御、例えばトナー補給量の見直し等を実行してトナーボトル20a内のトナー濃度の低下速度を減少させることができる。
また、本実施の形態によれば、上記実施の形態と同様、リカバリーモード中に現像装置5aに供給される追加補給量を、正規のトナー補給量から減算することによって、現像装置へのトナーの過剰補給を防ぐことができる。また、これによって、画像濃度を安定させることができるとともに、過剰補給に起因する影響、例えば、装置本体にダメージを与える可能性を低減させることもできる。
また、本実施の形態によれば、トナー濃度センサ25aの出力の変化を監視することによって、例えばトナーボトル20aが装着されたときにそれが新品ではなく、トナー残量が少なく補給能力が低下しているか否かを判別することができる。これによって、トナー補給能力が低下している場合に、必要に応じて補給量を補正することができ、過補給だけでなく、補給不足にも対応することができる。
また、本実施の形態においても、トナーとしてキャリアが混合された2成分系の現像剤を用いた場合は、現像装置5aに対して、トナーだけでなくキャリアも含めて過剰補給を防止することができる。
また、本実施の形態においても、トナーボトル20aに計量スクリューを搭載し、該計量スクリューの検出値に基づいてトナー補給量を検知するようにすることもできる。また、本実施の形態においても、回転検知センサ58は、トナーボトル20aに所定のマークを形成しておき、反射型の光学センサ等によってマークを検出する構成であってもよい。
次いで、第4の実施の形態について図15を参照して説明する。第4の実施の形態に係る画像形成装置は、第1の実施の形態に係る画像形成装置200と同様の構成である。
図15は、第4の画像形成処理を示すフローチャートである。第4の画像形成処理は、画像形成装置200の制御基板300に設けられたCPU70又はASIC72が、図示省略したROMに記憶された第4の画像形成処理プログラムの画像形成処理手順に従って実行する。
第4の画像形成処理が、第3の画像形成処理と異なるところは、画像形成装置200に電源を投入したタイミングで、直ちに、トナーボトル20aが装着されているか否かを検知するようにした点であり、その他の処理は、図12の第3の画像形成処理と同様である。従って、以降の処理の説明を省略する。
図15の処理によれば、画像形成装置への電源投入後、直ちにトナーボトル20aが装着されているか否かの判別を行う(ステップS402)ので、第3の画像形成処理の効果に加え、速やかにリカバリー操作を開始することができる。
また、本実施の形態においても、次回のトナー補給時に、トナー補給量Xからリカバリーモード中に補給されたトナー量ΔXを差し引いて補給量を調整する。これによって、現像装置5aへのトナーの過剰補給を抑制することができる。
また、本実施の形態においても、トナー濃度センサ25aの出力の変化を監視することによって、例えばトナーボトル20aが装着されたときにそれが新品ではなく、トナー残量が少なく補給能力が低下しているか否かを判別することができる。これによって、トナー補給能力が低下している場合に、必要に応じて補給量を補正することができ、過補給だけでなく、補給不足にも対応することができる。