JP6211014B2 - 顔料入り被覆剤ならびにこの顔料入り被覆剤を使用する多層塗膜の製造法 - Google Patents

顔料入り被覆剤ならびにこの顔料入り被覆剤を使用する多層塗膜の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、特別な溶剤を含有する、顔料入り被覆剤に関する。そのうえ、本発明は、この顔料入り被覆剤を使用する多層塗膜の製造法に関する。
技術水準
公知の溶剤含有被覆剤、殊にいわゆる下塗り塗料および透明塗料ならびにそれによって製造される単層または多層の色付与および/または効果付与する塗膜は、良好な使用技術的性質を示す。
しかし、マーケットの絶えず成長する技術的かつ審美的要望、殊に自動車製造業者およびその顧客の要望は、これまでに達成された技術的かつ審美的なレベルの不断のさらなる発展を要求している。
殊に、技術水準に比べてより低いVOCを有し、その結果、相応する多層塗膜の製造の際にほとんどVOCの放出を起こさず、ひいては製造をより環境保護的に構成することができる、新規の被覆剤が自由に使用されなければならない。VOCの低下は、殊にそのつどの被覆剤の固体分を高めることによって達成することができる。
しかし、VOCの放出の減少は、例えば多層塗膜の製造に使用される被覆剤、殊に溶剤含有の顔料入りでない被覆剤の層厚を減少させることによって行なわれてもよい。
今日では、良好な流展ならびに極めて良好な目視的全印象(外観)を達成するために、例えばハイソリッド透明塗料(特に50%を上回る高い固体分を有する透明塗料)が、通例、約45〜55μmの層厚で塗装される。35〜40μmへの透明塗料層厚の減少は、塗装された面積1m2当たり約5gのVOCの放出の減少をもたらすことができる。
しかし、環境保護性の視点の他に、全く改善されていない場合には、同時に別の技術的性質ならびに被覆剤の審美的性質および当該被覆剤から製造された多層塗膜が維持されたままであることは、最も重要なことである。
殊に、多層塗膜の製造の範囲内で公知の下塗り塗料および透明塗料によって達成される利点は、失われずに、少なくとも同様の、特により強く顕著に維持されたままであるべきである。
下塗り塗膜および透明塗膜を含む多層塗膜は、自動車産業において広く行き渡っている。前記多層塗膜は、当該多層塗膜の卓越した特性プロフィール、例えば耐引掻性、耐化学薬品性および耐候性ならびに高い光沢のために使用されている。
当該多層塗膜の製造の際に環境保護の理由から使用される、高い固体分(低いVOC)を有するにもかかわらず、顧客によって要求される高い耐引掻性を有する透明塗料は、主に、モノマー架橋樹脂、例えばヘキサ(メトキシメチル)メラミン(HMMM)または混合エーテル化メラミンおよびさらなる重合性結合剤と組み合わせて緻密な網状組織を形成しうる、カルバメート含有結合剤系をベースとする。
多層塗膜を製造する際に使用される下塗り塗料は、たいてい、重合性結合剤および架橋剤を含有する。その際に、しばしば、重合性結合剤は、ポリマーの基本骨格にヒドロキシ官能基を有する。架橋剤として、モノマー架橋樹脂、例えばヘキサ(メトキシメチル)メラミン(HMMM)または混合エーテル化メラミンが使用される。
多層塗膜は、例えば、顔料入り下塗り塗料の前塗装および焼付け工程なしの短い脱気時間の後に(ウェットオンウェット法)、透明塗料を上塗り塗装し、引き続き下塗り塗料および透明塗料を共に焼き付けることによって製造される。
また、ウェットオンウェット法の範囲内で、多層塗膜を製造する際のVOCの放出の減少は、著しく重要である。20〜30%の固体割合を有するメディウムソリッド下塗り塗料系を、塗装能力のある状態(噴射粘度)で35%を上回る固体割合を有する、いわゆるハイソリッド下塗り塗料系と交換することにより、加工プロセスの際に有効なVOCの減少が達成される。そのうえ、固体分を約5〜10%だけ高めることは、工業的塗装プロセスの範囲内で既に無条件で使用されかつしたがって加工の際に環境内に放出される有機溶剤のとてつもない節約を意味する。全ての溶剤の放出のさらなる減少は、透明塗料層厚の減少によって行なうことができる。
透明塗料層厚を減少させた場合、殊に、製造された多層塗膜の流展性が明らかに減少され、ひいては当該多層塗膜の目視的品質も明らかに減少されることは、問題である。
したがって、顔料入り塗料上に塗布された透明塗料の低い透明塗料層厚の場合にも、良好な流展性ならびに製造された多層塗膜の極めて良好な目視的全印象を可能にするが、同時に、使用された被覆剤ならびに製造された多層塗膜のさらなる加工特性、塗装特性および殊に技術的性質の劣化をまねかない顔料入り被覆剤、殊に下塗り塗料が有利であろう。そのうえ、下塗り塗料自体が高い固体含量を有し、それによって多層塗膜の製造をなお環境保護的に構成することは、有利であろう。
課題
したがって、本発明は、卓越した目視的性質、殊に流展性を有する多層塗膜を製造することを可能にする、顔料入り被覆剤を提供するという課題に基づくものであった。そのうえ、この目視的に価値の高い多層塗膜を製造する場合、使用される透明塗料を低い層厚だけで塗装し、ひいてはVOCの放出の減少に貢献することが可能であるべきである。
そのうえ、記載された利点が、より高い固体含量を有する顔料入り被覆剤の場合にも、および任意により高い顔料対結合剤比の場合にも噴射粘度において保証されうることは、著しく重要である。しかし、その際に公知の下塗り塗料およびこれから製造される下塗り塗膜によって達成される利点は、失われずに、少なくとも同様の、特により強く顕著に維持されたままであるべきである。
したがって、相応する下塗り塗料およびこれから製造される下塗り塗膜は、殊に良好な曇価、すなわち曇りなしを示すべきである。さらに、下塗り塗膜は、塗膜欠陥、例えば亀裂形成(亀甲割れ)、明暗の色合い(曇り)およびピンホールを含まないようにすべきである。さらに、生じる被覆は、目視的欠陥箇所、例えば研磨による傷あとを示すべきではなく、かつ透明塗膜に対する満足な付着を示すべきである。
課題の解決
上記の課題は、
(A)結合剤としての、少なくとも1つのアクリレートポリマー、ポリウレタンポリマーおよび/またはポリエステル、
(B)ブロック化されたポリイソシアネートおよびアミノプラスト樹脂の群から選択された、少なくとも1つの架橋剤、
(C)少なくとも1つの顔料および
(D)アルキルがn−ペンチルまたはn−ヘキシルであるアルキルアセテートまたはアルキルモノグリコールエーテルの群から選択された、少なくとも1つの有機溶剤を含有する溶剤型顔料入り被覆剤であって、この被覆剤の固体分が、少なくとも35質量%である、前記の溶剤型顔料入り被覆剤によって解決されうることが見い出された。
35%以上の固体割合を有する被覆剤は、ハイソリッド被覆剤と呼称される。それに応じて、本発明による顔料入り被覆剤は、ハイソリッド被覆剤である。
上記の顔料入り被覆剤は、以下、本発明による被覆剤とも呼称され、それに応じて本発明の対象である。本発明による被覆剤の好ましい態様は、さらに以下の記載から確認することができる。
さらに、本発明の対象は、
(1)少なくとも1つの下塗り塗料を基体上に施し、
(2)工程(1)において施された下塗り塗料からポリマー被膜を形成させ、
(3)こうして得られた下塗り塗料層上に少なくとも1つの透明塗料を施し、および引き続き
(4)前記下塗り塗料層を工程(3)において施された透明塗料とともに硬化させる、多層塗膜の製造法であって、
下塗り塗料として、本発明による被覆剤を使用することを特徴とする、前記方法に関する。
同様に、本発明の対象は、本発明による方法により製造された多層塗膜である。
そのうえ、本発明は、基体、殊に本発明による多層塗膜で塗装されている金属および/またはプラスチックからなる当該基体を含む。
本発明のさらなる視点は、自動車量産塗装のため、輸送用車両塗装および自動車修復塗装のため、船舶建造および航空機建造のための構造部材の被覆のため、または家庭用電気製品および電子機器またはこれらの部品のための構成部品の被覆のための、本発明による被覆剤の使用である。
意外なことに、本発明による被覆剤は、技術水準の欠点をもはや示さず、多層塗膜の製造のための使用の際に、透明塗料層の僅かな層厚にもかかわらず、この多層塗膜の極めて良好な目視的全印象(外観)を可能にすることが見い出された。本発明による被覆剤を使用して製造される、本発明による多層塗膜は、通常、自動車塗装に課された技術的および使用技術的な要件を満たし、かつそれにもかかわらず環境保護的な条件下で製造される。
発明の詳細な記載
本発明による多層塗膜は、有利に、基体上に最初にプライマーが塗布されているように構成されている。さらに、有利に、プライマー・サーフェイサーの少なくとも1つのプライマー・サーフェイサー塗膜ならびに下塗り塗料の少なくとも1つの下塗り塗膜およびさらに透明塗料の少なくとも1つの透明塗膜が存在する。好ましくは、記載された被覆剤の1つがまさに使用される。
上記層構造は、自動車塗装の範囲内で普通に使用される層構造である。それに応じて、本発明による多層塗膜は、有利に自動車多層塗膜である。
上記の記載から、本発明による方法の範囲内で有利に下塗り塗料の塗布前にプライマーおよびプライマー・サーフェイサーが塗布されることが結論される。これらのプライマーおよびプライマー・サーフェイサーは、下塗り塗料の塗布前に下記の記載と同様にそのつど別々に硬化される。本発明による方法の範囲内で、本発明による被覆剤は、いずれにせよ、下塗り塗料として使用される。しかし、この被覆剤は、例えばさらにプライマー・サーフェイサーとして使用されてもよい。
前記基体は、通常、ふつうの方法、例えば電着塗装法、浸漬法、ナイフ塗布法、噴霧法、ロール塗布法または類似の方法で塗布されるプライマーを備えている。好ましくは、プライマーは、プライマー・サーフェイサー、下塗り塗料および透明塗料が塗布される前に、少なくとも部分的または全体的に、殊に全体的に硬化される。プライマーは、通常、3〜30分間、80〜170℃の温度へ加熱することによって硬化される。
本発明による多層塗膜は、とりわけ、金属および/またはプラスチック、有利に金属からなる基体の上に製造される。
さらに、前記プライマー上には、少なくとも1つのプライマー・サーフェイサー、少なくとも1つの下塗り塗料および少なくとも1つの透明塗料が塗布される。
プライマー・サーフェイサー、下塗り塗料および透明塗料は、液状被覆剤を塗布する通常の方法、例えば浸漬法、ナイフ塗布法、噴霧法、ロール塗布法または類似の方法を用いて塗布されるが、しかし、殊に噴霧法を用いて塗布される。とりわけ、噴霧塗布法、例えば圧縮空気噴霧法、エアレス噴霧法、高速回転塗布法、静電噴霧塗装(ESTA)が、任意にホットスプレー塗装法、例えばホットエア(ホットスプレー)と結びつけて、使用される。下塗り塗料を第1の塗装において、ESTAによって塗布し、かつ第2の塗装において、空気圧で塗布することは、特に好ましい。
とりわけ、プライマー・サーフェイサーは、下塗り塗料および透明塗料が塗布される前に、少なくとも部分的または全体的に、有利に全体的に硬化される。前記プライマー・サーフェイサーは、通常、3〜30分間の80〜170℃への加熱によって硬化される。塗装された下塗り塗料は、たいてい、20〜100℃未満の温度で1〜15分間、短時間排気されるかまたは短時間乾燥される。その後に、透明塗料が塗布される。
塗布された下塗り塗料および塗装された透明塗料は、共に、熱的に硬化される。また、透明塗料がなお化学線で硬化しうる場合には、化学線での照射による後加工がさらに行なわれる。
硬化は、ある程度の静止時間後に行なうことができる。この静止時間は、30秒〜2時間、特に1分間〜1時間、殊に1〜45分間の時間をもつことができる。この静止時間は、例えば流展および塗料層の脱気または揮発性成分の蒸発に利用される。ここで、塗料層の損傷または変化、例えば早期の架橋が生じない場合には、前記静止時間は、90℃まで高められた温度を使用することによって促進および/または短縮されることができ、および/または空気1kg当たり水10g未満の減少された空気湿分によって促進および/または短縮されることができる。
硬化は、通常、90〜160℃の温度で5〜90分間、行なわれる。
記載された温度は、被覆された基体の物体温度としてそのつど解釈される。
湿式下塗り塗膜および湿式透明塗膜を乾燥させるかまたは状態調節するには、有利に熱的方法および/または対流法が使用され、その際に通常の公知の装置、例えば連続炉、NIR熱放射器およびIR熱放射器、ブロアおよび吹込トンネル(Blastunnel)が使用される。これらの装置は、互いに組み合わされてもよい。
本発明による多層塗膜の場合、下塗り塗膜は、一般に、有利に3〜40μm、殊に5〜30μm、殊に有利に7〜25μmの乾燥被膜層厚を有する。前記透明塗膜は、一般に、特に10〜60μm、その中で有利に55μmまで、殊に45μmまで、殊に有利に40μmまでの乾燥被膜層厚を有することができる。25〜55μm、殊に30〜45μm、殊に有利に35〜40μmの範囲が特に好ましい。
使用されるさらなる被覆剤、すなわちプライマー、プライマー・サーフェイサー、できればさらなる下塗り塗料および透明塗料、殊に透明塗料は、これに関連して、当業者に公知の、たいてい市場で入手可能な被覆剤であることができる。前記透明塗料は、とりわけ、溶剤型透明塗料であり、この透明塗料は、有利に、透明塗料の全質量に対して、少なくとも50%の固体割合を有する。当該透明塗料は、本発明の範囲内でハイソリッド透明塗料とも呼称される。
成分(A)
本発明による顔料入り被覆剤は、熱的に硬化されてよく、かつしたがって、結合剤としての、下記の記載と同様の少なくとも1つのポリマー(A)を含有する。
本発明の範囲内で、「熱的に硬化可能」または「熱的硬化」の概念は、反応性官能基の化学反応によって起こる、塗料層の架橋(被覆被膜の形成)を意味し、その際にこの化学反応のエネルギーの活性化は、熱エネルギーによって可能である。その際に、様々な相補的官能基は、互いに反応することができ、および/または被膜形成は、自己反応性基、すなわち当該自己反応性基自体の種類の基と互いに反応する官能基の反応に由来する。適当な相補的反応性官能基および自己反応性官能基の例は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19930665号明細書A1、第7頁、第28行〜第9頁第24行から公知である。前記の架橋は、自己架橋および/または異質架橋であることができる。例えば、相補的反応性官能基または自己反応性官能基が既に結合剤として使用されるポリマー中に存在する場合には、自己架橋が存在する。例えば、一定の官能基を含むポリマーが当該ポリマーとは異なる、任意の同様にポリマーの架橋剤と反応する場合には、異質架橋が存在し、この場合には、この架橋剤は、使用される有機ポリマー中に存在する反応性官能基と相補的である反応性官能基を含む。ポリマーが結合剤として、自己架橋性官能基ならびに異質架橋性官能基を有しかつさらに架橋剤と組み合わされることも可能である。
本発明による顔料入り被覆剤は、少なくとも1つのアクリレートポリマー、ポリウレタンポリマーおよび/またはポリエステルを結合剤(A)として含有する。
結合剤としての前記ポリマーは、当業者に公知であるように、例えば、エチレン性不飽和アクリレートモノマーのランダムに、交互に、および/またはブロック状に構成され直鎖状および/または分枝鎖状および/または櫛状に構成された(コ)ポリマー(アクリレートポリマー)ならびにポリ付加樹脂(ポリウレタンポリマー)および重縮合樹脂(ポリエステル)である。補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、第457頁、検索語”Polyaddition”および”Polyadditionsharze(Polyaddukte)”、ならびに第463頁および第464頁、検索語”Polykondensate”、”Polykondensation”および”Polykondensationsharze”、ならびに第73頁および第74頁、検索語”Bindemittel”が指摘される。
前記アクリレートポリマーは、周知のように、(メタ)アクリレート(コ)ポリマーとも呼称され、その際に(メタ)アクリレートの表現は、ポリマーがアクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーを含むかまたは当該モノマーからなることを明示する。
結合剤として挙げられたポリマー(A)の中から、アクリレートポリマーおよびポリエステル、殊にアクリレートポリマーは、特別な利点を有し、かつしたがって、特に有利に使用される。
特に、ポリマー(A)は、結合剤として、チオ基、ヒドロキシル基、N−メチロールアミノ−N−アルコキシメチルアミノ基、イミノ基、カルバメート基、アロファネート基および/またはカルボキシル基、有利にヒドロキシル基またはカルボキシル基を含む。ヒドロキシル基が殊に有利である。さらに、前記官能基により、例えば、さらなる官能基、例えば特に無水物基、カルボキシル基、エポキシ基、ブロック化されたイソシアネート基、ウレタン基、メチロール基、メチロールエーテル基、シロキサン基、カーボネート基、アミノ基、ヒドロキシ基および/またはβ−ヒドロキシアルキルアミド基、有利にエポキシ基、β−ヒドロキシアルキルアミド基、ブロック化されたイソシアネート基、ウレタン基またはアルコキシメチルアミノ基を含む成分との架橋が起こりうる。殊に、さらなる下記された架橋剤(B)とのこの種の架橋、ひいては本発明による顔料入り被覆剤の異質架橋性熱的硬化が可能である。
例えば、比例的に自己架橋性の被覆剤の場合には、結合剤(A)は、殊にメチロール基、メチロールエーテル基および/またはN−アルコキシメチルアミノ基を含んでいてもよい。
本発明による多層塗膜の被覆剤における使用に対して特に良好に適している相補的反応性官能基は、一方ではヒドロキシル基であり、他方では、ブロック化されたイソシアネート基、ウレタン基またはアルコキシメチルアミノ基である。
前記の反応性官能基に関連して結合剤としてのポリマー(A)の官能性は、極めて広く変動することができ、かつ殊に、意図されるべき架橋密度により左右され、および/またはそのつど使用される架橋剤の官能価に左右される。例えば、結合剤としての好ましい、ヒドロキシル基を含むポリマー(A)の場合には、OH価は、とりわけ15〜300mg KOH/g、有利に20〜250mg KOH/g、特に有利に25〜200mg KOH/g、殊に有利に30〜150mg KOH/g、殊に35〜120mg KOH/gである。OH価は、本発明の範囲内でDIN 53240に従って測定される。
前記の相補的官能基は、ポリマー化学の通常の公知の方法により、結合剤としてのポリマー(A)中に組み入れることができる。このことは、例えば、相応する反応性官能基を有するモノマーを組み入れることによって行なうことができ、および/またはポリマー類似の反応により行なうことができる。
結合剤としての適当なポリマー(A)は、例えば2000〜30000g/mol、有利に10000〜20000g/molの数平均分子量を有する。しかし、この分子量は、より低くともよいし、より高くともよい。前記分子量は、溶離剤(1ml/分)としてのTHF(酢酸+0.1%)を用いるGPC分析により、スチレンジビニルベンゼンのカラムの組合せで測定される。較正は、ポリスチレン標準で実施される。
とりわけ、結合剤としてのポリマー(A)は、そのつど本発明による顔料入り被覆剤の全質量に対して、5〜35質量%、有利に6〜30質量%、殊に有利に8〜20質量%の量で使用される。
適当なアクリレートポリマーは、当業者に公知の方法により、これに関連して公知の、反応性官能基(殊にヒドロキシル基)を有するオレフィン性不飽和モノマーを使用して、たいてい、反応性官能基なしのモノマーと組み合わせて、製造されうる。
反応性官能基を有する、適当なオレフィン性不飽和モノマーの例は、次のとおりである:
a)1分子当たり、少なくとも1個のヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシメチルアミノ基、カルバメート基、アロファネート基またはイミノ基を有するモノマー、例えば
− アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、メタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、または酸とエステル化されているアルキレングリコールに由来するかまたはα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸とアルキレンオキシド、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレンとの反応によって得られる、別のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、殊にヒドロキシアルキル基が20個までの炭素原子を含む、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシプロピルエタクリレート、3−ヒドロキシプロピルエタクリレート、3−ヒドロキシブチルエタクリレート、4−ヒドロキシブチルエタクリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、2−ヒドロキシプロピルクロトネート、3−ヒドロキシプロピルクロトネート、3−ヒドロキシブチルクロトネート、4−ヒドロキシブチルクロトネート、2−ヒドロキシエチルマレイネート、2−ヒドロキシプロピルマレイネート、3−ヒドロキシプロピルマレイネート、3−ヒドロキシブチルマレイネート、4−ヒドロキシブチルマレイネート、2−ヒドロキシエチルフマレート、2−ヒドロキシプロピルフマレート、3−ヒドロキシプロピルフマレート、3−ヒドロキシブチルフマレート、4−ヒドロキシブチルフマレート、もしくは2−ヒドロキシエチルイタコネート、2−ヒドロキシプロピルイタコネート、3−ヒドロキシプロピルイタコネート、3−ヒドロキシブチルイタコネート、4−ヒドロキシブチルイタコネート、またはヒドロキシシクロアルキルエステル、例えば1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノアクリレート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノアクリレートもしくはメチルプロパンジオールモノアクリレート、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノメタクリレート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノメタクリレートもしくはメチルプロパンジオールモノメタクリレート、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノエタクリレート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノエタクリレートもしくはメチルプロパンジオールモノエタクリレート、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノクロトネート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノクロトネートもしくはメチルプロパンジオールモノクロトネート、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノマレイネート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノマレイネートもしくはメチルプロパンジオールモノマレイネート、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノフマレート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノフマレートもしくはメチルプロパンジオールモノフマレート、または1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンモノイタコネート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−ジメタノールモノイタコネートもしくはメチルプロパンジオールモノイタコネート、環状エステル、例えばε−カプロラクトンとそのヒドロキシアルキルエステルもしくはヒドロキシシクロアルキルエステルとの反応生成物、
− オレフィン性不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、
− ポリオール、例えばトリメチロールプロパンモノアリルエーテルもしくはトリメチロールプロパンジアリルエーテルまたはペンタエリトリットモノアリルエーテル、ペンタエリトリットジアリルエーテルもしくはペンタエリトリットトリアリルエーテル、
− アクリル酸および/またはメタクリル酸とα位で分枝化された、1分子当たり5〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸、殊にベルサチック(Versatic(登録商標))酸のグリシジルエステルとの反応生成物、またはこの反応生成物の代わりに、等量のアクリル酸および/またはメタクリル酸、これらは、さらに、重合反応中または重合反応後に、α位で分枝化された、1分子当たり5〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸、殊にベルサチック(Versatic(登録商標))酸のグリシジルエステルと反応され、
− アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アリルアミンまたはN−メチルイミノエチルアクリレート、
− N,N−ジ(メトキシメチル)アミノエチルアクリレートもしくはN,N−ジ(メトキシメチル)アミノエチルメタクリレートまたはN,N−ジ(ブトキシメチル)アミノプロピルアクリレートもしくはN,N−ジ(ブトキシメチル)アミノプロピルメタクリレート、
− (メタ)アクリル酸アミド、例えば(メタ)アクリル酸アミド、N−メチル−(メタ)アクリル酸アミド、N−メチロール−(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチロール−(メタ)アクリル酸アミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジ(メトキシメチル)−(メタ)アクリル酸アミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリル酸アミドおよび/またはN,N−ジ(エトキシエチル)−(メタ)アクリル酸アミド、
− アクリロイルオキシカルバメートまたはメタクリロイルオキシエチルカルバメート、メタクリロイルオキシプロピルカルバメートもしくはメタクリロイルオキシブチルカルバメート、またはアクリロイルオキシアロファネートまたはメタクリロイルオキシエチルアロファネート、メタクリロイルオキシプロピルアロファネートもしくはメタクリロイルオキシブチルアロファネート、カルバメート基を含む、適当なモノマーのさらなる例は、米国特許第3479328号明細書、米国特許第3674838号明細書、米国特許第4126747号明細書、米国特許第4279833号明細書または米国特許第4340497号明細書中に記載されている。
b)1分子当たり少なくとも1個の酸基を有するモノマー、例えば
− アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸、
− オレフィン性不飽和スルホン酸もしくはオレフィン性不飽和ホスホン酸またはこれらの部分エステル、
− マレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルまたはフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、または
− ビニル安息香酸(全ての異性体)、α−メチルビニル安息香酸(全ての異性体)またはビニルベンゼンスルホン酸(全ての異性体)。
c)エポキシ基を含むモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸のグリシジルエステルまたはアリルグリシジルエーテル。
前記種類の多官能性モノマーは、一般に、使用されないかまたは二次的量でのみ使用される。本発明の範囲内で、多官能性モノマーの二次的量とは、コポリマー、殊に(メタ)アクリレートコポリマーの架橋またはゲル化を生じない、当該量であると解釈することができる。
反応性官能基のない、適当なオレフィン性不飽和モノマーの例は、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸もしくは別のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ビニル芳香族化合物ならびにこれらのモノマーの混合物である。
同様に、ポリマー(A)として使用可能なポリウレタンポリマーは、例えば当業者に公知の方法で、
− 有利に10000〜20000g/molの数平均分子量を有する、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールからなる群から選択された、少なくとも1つのポリオールと、
− 少なくとも1つのポリイソシアネートと、
− 任意に、分子中に、少なくとも1個のイソシアネート反応性の官能基および少なくとも1個の(潜在的)アニオン性基を含む、少なくとも1つの化合物と、
− 任意に、少なくとも1個のイソシアネート反応性の官能基を含む、少なくとも1つのさらなる化合物と、
− 任意に、分子中に、ヒドロキシル基および/またはアミノ基を含む、60〜600g/molの数平均分子量の少なくとも1つの化合物とを反応させることによって得られる。
この種のポリウレタンポリマーは、例えば、欧州特許第228003号明細書および欧州特許第574417号明細書中に記載されている。
この種のポリウレタンポリマーは、例えば、イソシアネート成分として、塗料工業の範囲内で通常使用されるイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2−イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくは1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサンもしくは1,3−ジイソシアナトシクロヘキサンもしくは1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、2,4−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンもしくは2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン、DDI 1410の商品名でHenkel社から販売されている、二量体脂肪酸に由来する、ジイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチル−オクタン、1,7−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチル−ヘプタンもしくは1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロピル)−シクロヘキサンもしくはテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)またはこれらのポリイソシアネートからなる混合物、有利にテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)および/またはイソホロンジイソシアネート、有利にイソホロンジイソシアネートが使用されることにより、得られる。
ヒドロキシル基またはアミノ基を有する鎖長延長剤として、有利にトリメチロールプロパンおよびジエタノールアミンが使用される。
同様に、ポリウレタン樹脂(A)として、当業者に公知の方法で、エチレン性不飽和モノマーをポリウレタン樹脂の存在下で重合させることにより得られる、いわゆるアクリル化されたポリウレタン樹脂が適している。その際に、二重結合なしのポリウレタン樹脂および/または二重結合を有するポリウレタン樹脂を使用することが可能である。
結合剤として、側位および/または末位の二重結合、殊に側位および/または末位のエテニルアリーレン基を有する、アクリル化されたポリウレタン樹脂が使用されてもよい。
側位および/または末位の二重結合を有するアクリル化されたポリウレタン樹脂は、少なくとも1個の遊離イソシアネート基を含むポリウレタンプレポリマーを、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合およびNCO基に対して反応性の基、殊にヒドロキシル基またはアミノ基を有する化合物と反応させることによって、得ることができる。
側位および/または末位の二重結合を有するアクリル化されたポリウレタン樹脂は、NCO基に対して反応性の少なくとも1個の基、殊に少なくとも1個のヒドロキシル基またはアミノ基を含むポリウレタンプレポリマーを、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合および遊離イソシアネート基を有する化合物と反応させることによって、得ることもできる。
さらに、結合剤ポリマー(A)として、オレフィン性不飽和モノマーを、側位および/または末位の二重結合を有するアクリル化されたポリウレタン樹脂の存在下で重合させることによって得ることができるグラフトコポリマーが使用されうる。
殊に、少なくとも1つの重合導入されたオレフィン性不飽和モノマーからなる疎水性コアおよび少なくとも1つの親水性のアクリル化されたポリウレタンからなる親水性シェルを含むグラフトコポリマーが使用される。しかし、少なくとも1つの疎水性のアクリル化されたポリウレタンからなる疎水性コアおよび少なくとも1つの重合導入されたオレフィン性不飽和モノマーからなる親水性シェルを含むグラフトコポリマーも適している。
適当なアクリル化されたポリウレタン樹脂ならびにこれから製造されたグラフトコポリマーは、例えばWO 01/25307、第5頁、第14行〜第45頁、第4行および欧州特許第787159号明細書B、第2頁、第27行〜第7頁、第13行に記載されている。
同様に、ポリマー(A)として適したポリエステルは、飽和または不飽和、殊に飽和であってよい。当該ポリエステルおよびその製造ならびにこの製造の際に使用可能な成分は、当業者に公知でありかつ例えば欧州特許第787159号明細書Bに記載されている。
殊に、多価有機ポリオールおよび多価有機カルボン酸を使用して製造されるポリマーにかかわることである。その際に、ポリオールとポリカルボン酸は、エステル化によって、すなわち縮合反応によって互いに結合される。相応して、ポリエステルは、たいてい、重縮合樹脂の群に分類される。その際に、出発成分の種類、官能価および使用される割合および比率に応じて、例えば直鎖状または分枝鎖状の生成物が得られる。直鎖状生成物がとりわけ二官能性出発成分(ジオール、ジカルボン酸)を使用する際に得られる間に、例えばより官能性のアルコール(OH官能価、すなわち1分子当たりのOH基の数2超)を使用することによって、分枝化が達成される。勿論、製造の際に、一官能性成分、例えばモノカルボン酸を比例的に使用することも可能である。ポリエステルを製造するために、周知のように、相応する有機カルボン酸の代わりに、または相応する有機カルボン酸の他に、前記カルボン酸の無水物、殊に前記ジカルボン酸の無水物が使用されてもよい。同様に、ヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸から分子内エステル化によって誘導されるラクトンを使用することによる製造も可能である。
適当なジオールは、例えばグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコール、および別のジオール、例えば1,4−ジメチロールシクロヘキサンまたは2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールである。
適した多価アルコール(OH官能価2超)は、例えばトリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリトリットである。
ポリエステルの酸成分は、たいてい、分子中に2〜44個、有利に4〜36個の炭素原子を有するジカルボン酸またはその無水物を含む。適した酸は、例えばo−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、テトラクロロフタル酸および/または二量体化された脂肪酸である。これらの酸の代わりに、これらの酸が存在する限り、これらの酸の無水物が使用されてもよい。3個またはそれ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸(または相応する無水物)、例えばトリメリット酸無水物が使用されてもよい。しばしば、比例的にモノカルボン酸、例えば不飽和脂肪酸も使用される。
使用可能なヒドロキシカルボン酸は、例えばヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシデカン酸および/または12−ヒドロキシステアリン酸である。使用可能なラクトンは、例えば自体公知のβ−ラクトン、γ−ラクトン、δ−ラクトンおよびε−ラクトン、殊にε−ラクトンである。
上記されたモノマー化合物の他に、例えば既にポリマーの出発生成物が使用されてもよく、例えばジオールとして、ラクトンと二価アルコールとの反応によって得られる、自体公知のポリエステルジオールが使用されてもよい。
結合剤としての記載されたポリマー(A)、すなわちアクリレートポリマー、ポリウレタンポリマーおよび/またはポリエステルは、それら自体として、または互いに組み合わせて、本発明による被覆剤において使用されてよい。
アクリレートポリマー、ポリウレタンポリマーおよび/またはポリエステルの他に、さらなるポリマーが結合剤として使用されてもよい。相応する、自動車産業において顔料入り塗料中、殊に下塗り塗料中に通常使用される結合剤は、当業者に公知でありかつ当該結合剤から問題なしに選択されうる。
例示的に、エチレン性不飽和モノマーのさらなるランダムに、交互に、および/またはブロック状に構成された、直鎖状および/または分枝鎖状および/または櫛状に構成された(コ)ポリマーとして、部分的に鹸化されたポリビニルエステルが挙げられる。さらなる重付加樹脂および重縮合樹脂として、例示的にアルキド、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂−アミン付加物、ポリ尿素、ポリアミドまたはポリイミドが挙げられる。
架橋剤(B)
さらに、本発明による顔料入り被覆剤は、ブロック化されたポリイソシアネートおよびアミノプラスト樹脂の群から選択された、少なくとも1つの架橋剤(B)を含有する。好ましくは、架橋剤(B)は、アミノプラスト樹脂、殊に有利にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
その際に、ブロック化されたポリイソシアネートは、原理的に、1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有する、これに関連して当業者に公知のそれぞれの有機化合物、例えばポリウレタンポリマーの記載の範囲内に上記されたさらなるポリイソシアネートをベースとすることができる。殊に、記載されたポリイソシアネート(イソシアヌレート)の公知の三量体が使用されてもよい。三量体のヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。典型的なブロック剤は、これに関連して、例えばフェノール、アルコール、オキシム、ピラゾール、アミンおよびCH酸性化合物である。130℃未満の脱ブロック化温度を有するブロック剤が好ましい。好ましいブロック剤は、例えばカプロラクタム、ブタノンオキシム、アセトンオキシム、マロン酸ジエチルエステル、ジメチルピラゾールまたはフェノールである。ブロック化反応は、典型的には、遊離NCO基を記載されたブロック剤と、触媒、例えばジブチル錫ラウレートまたは錫(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)の存在下で反応させることによって実施される。前記ブロック剤および相応する変換反応は、当業者に公知である。特に好ましいブロック化されたポリイソシアネートは、ジメチルピラゾールでブロック化された、三量体のヘキサメチレンジイソシアネートである。
アミノプラスト樹脂として、塗料工業の範囲内で通常使用されるアミノプラスト樹脂が使用される。好ましくは、メタノールおよび/またはブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、例えば市場でCymel(登録商標)、Resimene(登録商標)、Maprenal(登録商標)およびLuwipal(登録商標)の名称で入手可能な製品、殊にResimene(登録商標)747およびResimene(登録商標)755が使用される。
架橋剤の含量は、そのつど、本発明による顔料入り被覆剤の全質量に対して、有利に5〜30質量%、特に有利に7〜20質量%である。
顔料(C)
そのうえ、本発明による顔料入り被覆剤は、少なくとも1つの顔料を含有する。顔料は、周知のように、普通に被覆剤において使用される、粉末状および/または小板状の着色剤である。
とりわけ、顔料は、有機および無機の、有利に無機の、色付与する、効果付与する、色付与および効果付与する、磁気遮断する、導電性の、耐食性の、蛍光性の、および燐光性の顔料からなる群から選択される。とりわけ、色付与および/または効果付与する顔料が使用される。
特に有利に、本発明による顔料入り被覆剤は、少なくとも1つの効果付与する顔料、有利に少なくとも1つの金属小板状顔料を含む。単数または複数の効果付与する顔料の他に、本発明による顔料入り被覆剤は、なお少なくとも1つまたはそれ以上のさらなる顔料、例えば色付与する顔料を含むことができる。
色付与してもよい、適した効果顔料の例は、金属小板状顔料、殊にアルミニウム小板状顔料、例えば市販の特殊鋼青銅、殊に市販のアルミニウム青銅、ならびに非金属効果顔料、例えばパール光沢顔料または干渉顔料、酸化鉄をベースとする小板状効果顔料または液晶効果顔料である。補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,第176頁,見出し語”Effektpigmente”および第380頁および第381頁、見出し語”Metalloxid−Glimmer−Pigmente”ないし”Metallpigmente”に指摘されている。
殊に、アルミニウム青銅またはアルミニウム小板状顔料が使用される。その際に、例えばStapa(登録商標)Metallux(Eckart社)の名称で市場で入手可能である未処理のタイプ、ならびに処理されたタイプ、殊に、例えばWO 01/81483中に記載されかつ例えばHydrolan(登録商標)(Eckart社)の名称で市場で入手可能であるシラン処理されたタイプが使用される。
とりわけ、金属小板状顔料は、200〜2000nm、殊に500〜1500nmの厚さを有する。
好ましくは、金属小板状顔料は、10〜50μm、殊に13〜25μmの平均的な粒径を有する(CilasによるISO 13320−1(機器1064))。
適した有機および/または無機の色付与する顔料は、塗料工業において通常使用される顔料である。
適した無機の色付与する顔料の例は、白色顔料、例えば二酸化チタン、亜鉛白、硫化亜鉛またはリトポン、黒色顔料、例えばカーボンブラック、鉄マンガン黒またはスピネル黒、着色顔料、例えば酸化クロム、水和酸化クロム緑、コバルトグリーンまたはウルトラマリーングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリーンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリーンバイオレットまたはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、酸化鉄レッド、カドミウムスルホセレニド、モリブデン赤またはウルトラマリーンレッド、酸化鉄ブラウン、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相またはクロムオレンジ、または酸化鉄イエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム、硫化カドミウム亜鉛、クロム黄またはバナジン酸ビスマスである。
適当な有機の色付与する顔料の例は、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリン黒である。
補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1998,第180頁および第181頁,見出し語”Eisenblau−Pigmente”ないし”Eisenoxidschwarz”.第451〜453頁、見出し語”Pigmente”ないし”Pigmentvolumenkonzentration”,第563頁、見出し語”Thioindigo−Pigmente”、第567頁,見出し語”Titandioxid−Pigmente”、第400頁および第467頁、見出し語”Natuerlich vorkommende Pigmente”,第459頁,見出し語”Polycyclische Pigmente”,第52頁,見出し語”Azomethinpigmente”,”Azopigmente”、および第379頁、見出し語”Metallkomplex−Pigmente”に指摘されている。
前記顔料の含量は、極めて広く変動することができかつ第1に、調節されるべき、色の深さおよび/または効果の強さにより、ならびに本発明による顔料入り被覆剤における顔料の分散性により左右される。好ましくは、顔料の含量は、そのつど被覆剤の全質量に対して、0.5〜50質量%、殊に有利に0.5〜40質量%、特に有利に1〜30質量%、特に好ましくは2〜20質量%である。
本発明による被覆剤がプライマー・サーフェイサーである場合には、顔料の含量は、被覆剤の全質量に対して、有利に0.5〜49質量%である。単一の塗料の場合には、被覆剤の全質量に対して、1〜49質量%の顔料の含量が好ましい。本発明の範囲内で好ましい下塗り塗料、とりわけ金属下塗り塗料にかかわる場合には、顔料の含量は、そのつど塗料の全質量に対して、有利に0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、特に有利に2〜20質量%である。
有機溶剤(D)
本発明による顔料入り被覆剤は、少なくとも1つの有機溶剤(D)を含有する。これは、アルキルがn−ペンチルまたはn−ヘキシルであるアルキルアセテートまたはアルキルモノグリコールエーテル、すなわちn−ペンチルアセテート、n−ヘキシルアセテート、n−ペンチルグリコールおよびn−ヘキシルグリコールである。好ましくは、正確には、記載された溶剤の中の1つが含まれている。顔料入り被覆剤の本発明による利点を得るためには、殊に顔料入り被覆剤を使用して製造された多層塗膜の優れた目視的全印象を得るためには、溶剤(D)が存在することが本質的なことである。
アルキルがn−ペンチルまたはn−ヘキシルであるアルキルアセテートまたはアルキルモノグリコールエーテルの群から選択された有機溶剤(D)は、本発明による被覆剤において、有利に、そのつど被覆剤の全質量に対して、1〜10質量%、殊に有利に3〜7質量%の量で使用される。
特別な有機溶剤(D)の他に、なおさらに、溶剤(D)とは異なる有機溶剤(L)が本発明による顔料入り被覆剤中に含まれていてよい。好ましくは、なおさらなる溶剤(L)が含まれている。さらなる溶剤として、通常、塗料工業において使用される全ての溶剤、例えば溶剤(D)とは異なるアルコール、溶剤(D)とは異なるグリコールエーテル、溶剤(D)とは異なるエステル、エーテルエステルおよびケトン、脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ブチルアセテート、3−ブトキシ−2−プロパノール、エチルエトキシプロピオネート、ブチルグリコール、ブチルグリコールアセテート、ブタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、グリコール酸ブチルエステル、キシレン、トルエン、Shellso(登録商標)T、Pine Oel 90/95、Solventnaphtha(登録商標)、Shellsol(登録商標)A、Solvesso、Benzin 135/180が適している。
さらなる溶剤(L)の含量は、有利に、顔料入り被覆剤が全部で、そのつど本発明による顔料入り被覆剤の全体量に対して、40〜65質量%、それ以下で有利に少なくとも45質量%、殊に少なくとも50質量%、殊有利に少なくとも55質量%の溶剤割合(溶剤(D)およびさらなる溶剤(L))を有する程度に選択される。特に好ましい範囲は、そのつど、本発明による被覆剤の全体量に対して、40〜62質量%、殊に45〜62質量%、特に有利に50〜62質量%、殊に有利に55〜62質量%である。
前記被覆剤の固体含量は、少なくとも35%、有利に35〜60%、それ以下で有利に55%まで、殊に50%まで、特に有利に45%までである。特に好ましい範囲は、38〜60%、殊に38〜55%、特に有利に38〜50%、殊に有利に38〜45%である。
前記固体割合は、本発明の範囲内で、別記しない限り、DIN ISO 3251に応じて、試料1.0g、例えば本発明による被覆剤1.0gの初期質量を用いて、60分間の試験時間および125℃の温度で測定される。
記載された条件下で、有利な本発明による顔料入り被覆剤は、23℃で、16秒〜35秒の粘度および特に有利にFord3Cupにおいて18〜25秒の流出時間を有する。本発明の範囲内で、この範囲内の粘度は、噴射粘度(プロセス粘度)と呼称される。周知のように、被覆剤は、噴射粘度で塗布され、すなわち当該被覆剤は、さらにここで問題になっている条件下で、効果的な塗布を可能にするために、高すぎない粘度を有する。このことは、塗料をそもそも噴射法によって塗布しうるため、および被覆すべき基体上に全体的に均一な塗膜を形成しうることを保証するために、噴射粘度の調節が重要であることを意味する。本発明による被覆剤が噴射粘度で高い固体分を有し、その結果、環境を害する有機溶剤でのさらなる希釈が不要であることは、特に有利である。
そのうえ、本発明による被覆剤は、溶剤型である。溶剤型被覆剤とは、溶剤として有機溶剤を含有する当該の溶剤型被覆剤を意味している。このことは、被覆剤の製造の際に、明らかに水が添加されるのではなく、水が例えばただ被覆剤中に存在する別の成分の残留割合または汚染物質としてだけで、例えば有機溶剤中の残留割合の水によって連行されることを意味する。殊に、好ましくは、溶剤型とは、水割合がそのつど、被覆剤の全質量に対して、2質量%未満、有利に1質量%未満であることを意味する。前記被覆剤は、無水であるのが特に好ましい。
さらなる成分
好ましくは、本発明による被覆剤において、なおポリマーミクロ粒子(M)が使用されてよい。適当なポリマーミクロ粒子は、例えば、欧州特許出願公開第480959号明細書、第3頁、第36行〜第4頁、第35行、WO 96/24619、WO 99/42529、欧州特許第1173491号明細書B、欧州特許第1185568号明細書、WO 03/089487、WO 03/089477、WO 01/72909およびWO 99/42531中に記載されている。このポリマーミクロ粒子は、殊に、透明塗料による流展、蒸発挙動および溶解挙動の制御のために使用されてよい。
適当なポリマーミクロ粒子は、通常、2000〜100000g/molの数平均分子量を有する。前記分子量は、GPC分析により、溶離剤としてのTHF(+酢酸0.1%)(1ml/分)を用いてスチレンジビニルベンゼンのカラムの組合せで測定される。較正は、ポリスチレン標準を用いて実施される。
さらに、適当なポリマーミクロ粒子は、通常、ISO 13320−1に従って、0.01〜10μm、殊に0.01〜5μm、殊に有利に0.02〜2μmの平均粒径を有する。
特に有利に使用されるポリマーミクロ粒子は、架橋剤の官能基と反応しうる反応性の官能基を有する。殊に、その際に、ポリマーミクロ粒子は、ヒドロキシル基を有する。その際に、ポリマーミクロ粒子は、有利に、DIN 53240に従って、5〜150mg KOH/gのヒドロキシル価を示す。ヒドロキシル基を含むポリマーミクロ粒子は、例えばWO 01/72909中に記載されている。
例えば、架橋されたポリマーミクロ粒子は、例えば、
(a)1分子当たり1個のエチレン性不飽和基を含む、エチレン性不飽和モノマーからなる混合物または当該モノマーと
(b)1分子当たり少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含むエチレン性不飽和モノマーとの混合物または当該モノマーからなる混合物を水相中で任意に乳化剤の存在下で、または任意にキャリヤー樹脂、有利にポリエステルの存在下で重合させ、およびこうして得られた水性ポリマーミクロ粒子分散液を引き続き有機溶剤または有機溶剤からなる混合物中に移すことによって得ることができる。
イオン性基および/または極性基、特にヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を含む成分を使用して製造されたポリマーミクロ粒子は、好ましい。成分(a)および(b)は、たいてい、イオン性基および/または極性基を1〜20質量%、有利に3〜15質量%含有すべきである。
実質的に架橋されたポリマーミクロ粒子を得るために、たいてい、成分(a)1モルに対して、成分(b)を0.25〜1.2モル、有利に0.3〜1モル使用することで十分である。
しかし、下塗り塗料において使用されるポリマーミクロ粒子(M)は、直接、有機相中で製造されてもよい。
有利に使用されるポリマーミクロ粒子は、例えば、
(c)1分子当たり少なくとも1個の反応性基(G1)を含む、エチレン性不飽和モノマー(M1)からなる混合物または当該モノマー(M1)と
(d)任意に、1分子当たり、少なくとも1つの、(G1)とは異なる反応性基を含むエチレン性不飽和モノマー(M2)との混合物、または当該モノマー(M2)と
(e)任意に、さらなるエチレン性不飽和モノマー(M3)との混合物、または当該モノマー(M3)からなる混合物を、有機溶剤中で、任意にキャリヤー樹脂、有利にポリエステルの存在下で重合に供することによって得ることができる。
適当なモノマー(M1)は、例えば、ヒドロキシル基、カルバメート基、アミノ基、アルコキシメチルアミノ基、アロファネート基またはイミノ基、殊にヒドロキシル基を反応性基として含むモノマーである。
その際に、反応性基(G1)を有するモノマー(M1)は、第1の化合物が1個の反応性基および少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有しかつ別の化合物が第1の化合物の反応性基と反応性の基および任意にエチレン性不飽和二重結合を有する、2つの化合物を反応させることによって製造されてもよい。
適当なモノマー(M2)は、例えば、カルボキシル基を含むモノマーである。
適当なモノマー(M3)は、通常使用される、いわゆる中性モノマー、すなわち反応性基を有しないエチレン不飽和モノマーである。
ポリマーミクロ粒子(M)は、本発明による多層塗膜の下塗り塗料において、例えば、そのつど下塗り塗料の全質量に対して、3〜30質量%、殊に4〜20質量%の量で使用されてよい。
本発明の特別な実施態様において、本発明による被覆剤は、記載されたポリマーミクロ粒子が存在する場合には、そのつど、前記被覆剤の全体量に対して、10〜35質量%、殊に12〜30質量%の上記結合剤(A)とミクロ粒子(M)との総和の割合((A)および(M))を含む。その際に、(M)に対する(A)の質量比率は、1〜2、殊に1.2〜1.8である。
前記成分の他に、前記下塗り塗料は、通常の公知の助剤および添加剤を、そのつど、それぞれの塗料の全質量に対して、有利に0.5〜40質量%、特に有利に0.5〜30質量%、殊に0.5〜15質量%含有することができる。
適当な助剤および添加剤の例は、有機プライマー・サーフェイサーおよび無機プライマー・サーフェイサー、例えばタルクまたは熱分解法ケイ酸、および/またはならびにさらなる通常の助剤および添加剤、例えば酸化防止剤、脱気剤、湿潤剤、触媒、分散剤、乳化剤、レオロジー助剤、例えば流展剤、濃稠化剤、抗流出剤およびチキソトロープ剤、ワックス、スリップ添加剤、反応性希釈剤、流動助剤、乾燥剤、殺生剤、下地の湿潤化を改善するための添加剤、表面の滑らかさを改善するための添加剤、艶消剤、ラジカル捕捉剤、光安定剤、特に370nm未満の吸収最大を有する、上記UV吸収剤および/またはHALS、腐食防止剤、難燃剤または重合防止剤であり、例えばこれらは、Johan Bielemannの書物”Lackadditive”,Wiley−VCH,Weinheim,New York,1998、中に詳細に記載されている。好ましい助剤および添加剤は、レオロジー助剤、脱気剤、湿潤剤、分散剤、UV吸収剤およびラジカル捕捉剤である。特に好ましい助剤および添加剤は、UV吸収剤および湿潤剤ならびにプライマー・サーフェイサーであり、その中で熱分解法ケイ酸が好ましい。
特に好ましい実施態様において、本発明による被覆剤は、上記結合剤(A)とポリマーミクロ粒子(M)との総和の割合を12〜30質量%含有し、その際に特に有利には、(M)に対する(A)の質量比率は、1.2〜1.8であり、少なくとも1つの架橋剤を7〜20質量%、少なくとも1つの顔料(C)を3〜20質量%、少なくとも1つの特別な溶剤(D)を1〜10質量%ならびにさらなる有機溶剤(L)を、本発明による被覆剤が40〜65質量%の全体量((D)および(L))を有する程度の量で含有する。記載された質量割合は、そのつど、全ての被覆剤に対して記載されている。
以下、本発明を実施例につきさらに説明する。

本発明による下塗り塗料および比較の下塗り塗料V−1〜V12の製造
本発明による下塗り塗料および比較の下塗り塗料V−1〜V12は、以下に記載された、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006053776号明細書A1から公知の金属下塗り塗料P1をベースとする。
1.下塗り塗料P1の製造
1.1 結合剤としてのアクリレートポリマー(A)の製造
反応器中にSolvesso 100 13.239質量部を予め装入し、かつ167℃に加熱する。この反応器に、0.35バールに設定された圧力下で4時間に亘って、同時に、アクリル酸2.149質量部、ヒドロキシエチルアクリレート10.765質量部、2−エチルヘキシルアクリレート11.484質量部、ブチルアクリレート11.484質量部およびスチレン14.353質量部からなるモノマー混合物と、ジ−t−ブチルペルオキシド0.719質量部およびSolvesso 100中のジクミルペルオキシドの(50%の)溶液11.120質量部からなる開始剤混合物とを添加する。引続き、上記の温度および圧力で1時間保持し、その後に1時間に亘ってε−カプロラクトン21.530質量部を添加する。150℃へ冷却し、かつ0.35バールの圧力で1.5時間保持する。この反応混合物を冷却し、かつSolvesso 100で75%の固体分に調節する。こうして得られたアクリレート樹脂は、そのつど、前記固体分に対して、23mg KOH/gの酸価および73mg KOH/gのOH価を示す。
1.2 アルミニウム効果顔料(C)のペーストの製造
このペーストを、14μmの平均粒径を有する、シルバーダラー(Silberdollar)タイプの市販のノンリーフィング(non−leafing)アルミニウム効果顔料(Eckart社のMetallux 2192)40質量部、ブチルグリコールアセテート45質量部および結合剤としての前記1.1に記載されたアクリレートポリマー(A)15質量部から撹拌下に製造する。
1.3 さらなる成分の製造
a)ポリマーミクロ粒子の製造
反応器中に最初にキシレン5.762質量部、トルエン5.762質量部およびメタンスルホン酸0.179質量部を予め装入し、かつ104℃へ加熱する。引続き、12−ヒドロキシステアリン酸80.615質量部を前記反応器に供給し、かつ171℃で還流下に反応水を取り去りながら煮沸する。この反応は、35の酸価の達成時に終結する。こうして製造されたキャリヤー樹脂の冷却後に、固体分をソルベントナフサで80質量部に調節する。
引続き、反応器中にソルベントナフサ43.16質量部、N,N−ジメチルココスアミン0.08質量部およびエチルアセテート1.00質量部を予め装入し、かつ104℃へ加熱する。この反応器に、0.69バールに設定された圧力下で2時間以内に、同時に、メチルメタクリレート27.63質量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3.85質量部、グリシジルメタクリレート0.83質量部、上記のキャリヤー樹脂12.81質量部、メタクリル酸1.51質量部およびオクチルメルカプタン1.52質量部からなるモノマー混合物とt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート2.28質量部およびソルベントナフサ5.13質量部からなる開始剤混合物とを添加する。引続き、上記の温度および圧力で3時間保持し、その後に冷却し、かつソルベントナフサで41%の固体分に調節する。こうして得られたポリマーミクロ粒子は、そのつど、前記固体分に対して、10mg KOH/gの酸価および48mg KOH/gのOH価を示す。
b)安定化された無機粒子の製造
受け器中で、結合剤としての前記1.1に記載されたアクリレートポリマー10.00質量部、Degussa Aerosil(登録商標)380 6.00質量部(380m2/gの比表面積(BET)、7nmの一次粒子の平均寸法および灼熱した物質に対して、99.8質量%以上のSiO2含量を有する、Degussa AG社の市販の親水性熱分解法ケイ酸)、ソルベントナフサ41.7質量部、ブチルアセテート41.7質量部および6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ吉草酸、ラウリン酸およびポリエチレングリコールを含有する、そのつど、130℃の固体含量に対して、130℃で2時間で96.2%の非揮発性割合、50mg KOH/gのOH価および17.2mg KOH/gの酸価を有する安定剤としての脂肪酸エステル0.6質量部(例えば、Th.Goldschmidt社の脂肪酸エステルSolsperse(登録商標)39000をベースとする、市販の湿潤剤)を混合し、かつ分散させる。
c)ワックス分散液の製造
BASF AG社のポリエチレンワックスEVA 1 6.00質量部(=87〜92℃の融点、約95℃のウベローデ(Ubbelohde)による滴加点および約6500g/molの質量平均分子量(粘度計による測定)を有するエチレン/ビニルアセテートコポリマーをベースとする市販のポリエチレンワックス)およびキシレン40.00質量部をゆっくりと攪拌しながら100℃で溶解する。さらに攪拌しながら、この溶液を70℃へ冷却し、かつ徐々にブチルアセテート54.00質量部(工業用、約85%の)を添加し、その際に望ましいワックスの沈殿が開始する。さらに攪拌しながら、この分散液をさらに35℃にまで冷却させる。
下塗り塗料P1を、記載された順序でかつ生じる混合物の均一化において、次の成分を混合することによって製造する:
− 1.3c)に記載されたワックス分散液19質量部、
− 1.3a)に記載されたポリマーミクロ粒子18質量部、
− 1.3b)に記載された安定化された無機粒子15.0質量部、
− 1.1に記載された結合剤(A)11.0質量部、
− 市販のモノマーのヘキサメトキシメチルメラミン樹脂(B)13.2質量部(Surface Specialities Germany GmbH & Co.KGの市販製品Maprenal(登録商標)MF 900)、
− 23℃で150〜280mPasの粘度を有する、シリコーン添加剤なしの、アミノ樹脂により変性されたアクリルコポリマーをベースとする市販の湿潤添加剤0.5質量部(Cytec Surface Specialties社の市販製品Additol XL 480)、
− ドデシルベンゾスルホン酸をベースとする、市販の酸性の、アミンにより中和された触媒1.5質量部(King Industries Speciality Chemicals社の市販製品Nacure(登録商標)5225)、
− 1.2に記載された、アルミニウム効果顔料のペースト18質量部、
− ブタノール3.8質量部。
下塗り塗料P1は、39.8%の固体含量を有しかつその際にFord3Cupにおいて23〜24秒の流出時間を有する(噴射粘度)。
2.さらなる下塗り塗料の製造
次の第1表に従って規定された下塗り塗料を製造する場合には、下塗り塗料P1の上記製造と同様に行なわれたが、しかし、その際にそのつど、下塗り塗料P1の製造の際に使用されたブチルアセテート5質量%は、同量のそれぞれ記載された溶剤と交換された。すなわち、このことは、表中に記載された下塗り塗料V−5が上記の下塗り塗料P1に相応することを意味する。
Figure 0006211014
V−1〜V−5、V−8、V−9およびV−12は、比較の下塗り塗料であり、V−6、V−7、V−10およびV−11は、アルキルがn−ペンチルまたはn−ヘキシルである、アルキルアセテートまたはアルキルグリコールエーテルの群から選択された有機溶剤が添加された、本発明による下塗り塗料である。
比較の下塗り塗料V−1〜V−4、V−8、V−9およびV−12ならびに本発明による下塗り塗料V−6、V−7、V−10およびV−11は、比較の下塗り塗料V−5と同様に、Ford Cup 3の流出容器において23〜24秒の噴射粘度および39〜40%の固体含量(1時間、120℃)を有する。
比較の多層塗膜および本発明による多層塗膜F−1〜F−13の製造
流展特性を試験するために、最初に多層塗膜を、下塗り塗料F−1〜F−12を使用して通常の公知方法で寸法30×20cmの試験パネル上で製造した。このために、KTLにより被覆した試験パネルを、BASF Coatings AG社のポリエステルをベースとする、市販の常用の、灰色のプライマー・サーフェイサーで被覆し、その後に生じるプライマー・サーフェイサー層を20℃および65%の相対空気湿度で5分間脱気し、かつ空気循環炉内で165℃の物体温度で5分間焼き付けた。
前記試験パネルを20℃へ冷却した後に、第1のシリーズにおいて、下塗り塗料V−1〜V−12をESTA噴射自動塗装によって塗布し、その結果、後に行なわれる硬化後に17〜19μmの乾燥塗膜厚を被覆能力に相応して生じた。引続き、前記下塗り塗料層を5分間、垂直に脱気し、BASF Coatings AGの市販のハイソリッド1成分透明塗料で上塗りし、その結果、次の硬化後に、37〜39μmの乾燥塗膜厚を生じた。その後に、下塗り塗料層および上塗りされた透明塗料層を140℃の物体温度で10分間共に焼き付けた。比較の多層塗膜F−1〜F−5、F−8、F−9およびF−12ならびに本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11が生じる。
さらなる比較の多層塗膜として、さらにF−13が製造され、その際に比較の下塗り塗料V−5は、52μmのより厚い透明塗料層厚(生じる乾燥層厚)とともに塗装された。
第2表中には、再度、比較の多層塗膜F−1〜F−5、F−8、F−9、F−12およびF−13ならびに本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11の下塗り塗料層厚および透明塗料層厚がまとめられている。
Figure 0006211014
比較の多層塗膜F−1〜F−5、F−8、F−9、F−12およびF−13ならびに本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11の試験
比較の多層塗膜F−1〜F−5、F−8、F−9、F−12およびF−13ならびに本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11の流展(CF値)を、Byk/Gardner社の「Wave Scan DOI」測定機器を用いて測定した。その際に、より高い値は、より良好な流展に相応する。
Figure 0006211014
第3表中にまとめられた結果は、明らかに、本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11に対して37〜39μmの低い透明塗料層厚の際に、比較の多層塗膜F−1〜F−5、F−8、F−9およびF−12の場合よりも明らかに高いCF値がもたらされることを示す。本発明による多層塗膜F−6、F−7、F−10およびF−11の得られたCF値は、公知の下塗り塗料(V−5)を使用して50μmを上回る透明塗料層厚で得られる多層塗膜の水準にある(比較の多層塗膜F13)。
それゆえに、本発明による被覆剤および多層塗膜は、明らかにより低い透明塗料層厚であるにもかかわらず、目視的に高い価値の全印象(外観)が達成されるという利点を有する。したがって、本発明による系は、自動車産業の品質要件を満たし、かつ同時に、材料および溶剤放出の並外れた程度の節約を可能にする。相応して、費用の節約および環境意識に関連して、本発明による系の利点が明らかになる。

Claims (15)

  1. (A)結合剤としての、少なくとも1つのアクリレートポリマー、ポリウレタンポリマーおよび/またはポリエステル、
    (B)ブロック化されたポリイソシアネートおよびアミノプラスト樹脂の群から選択された、少なくとも1つの架橋剤、
    (C)少なくとも1つの顔料および
    (D)アルキルがn−ペンチルまたはn−ヘキシルであるアルキルアセテートまたはアルキルモノグリコールエーテルの群から選択された、少なくとも1つの有機溶剤
    を含有する、溶剤型顔料入り被覆剤であって、
    この被覆剤の固体分が、少なくとも35質量%である、前記の顔料入り被覆剤。
  2. 前記ポリマー(A)が15〜300mg KOH/gのOH価を有することを特徴とする、請求項1記載の顔料入り被覆剤。
  3. 少なくとも1つのアクリレートポリマーがポリマー(A)として含有されていることを特徴とする、請求項1または2記載の顔料入り被覆剤。
  4. 少なくとも1つのアミノプラスト樹脂が架橋剤(B)として含有されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の顔料入り被覆剤。
  5. 少なくとも1つのアルミニウム小板顔料が顔料(C)として含有されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の顔料入り被覆剤。
  6. 少なくとも1つの溶剤(D)が、前記被覆剤の全質量に対して、1〜10質量%含有されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の顔料入り被覆剤。
  7. なお少なくとも1つのさらなる、(D)とは異なる溶剤が含有されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の顔料入り被覆剤。
  8. (1)少なくとも1つの下塗り塗料を基体上に施し、
    (2)工程(1)において施された下塗り塗料からポリマー被膜を形成させ、
    (3)こうして得られた下塗り塗料層上に少なくとも1つの透明塗料を施し、および引き続き
    (4)前記下塗り塗料層を工程(3)において施された透明塗料とともに硬化させる、多層塗膜の製造法であって、
    下塗り塗料として、請求項1から7までのいずれか1項に記載の被覆剤を使用することを特徴とする、前記方法。
  9. 下塗り塗料の施与前に、最初に少なくとも1つのプライマーを施し、次に少なくとも1つのプライマー・サーフェイサーを施すことを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 基体として金属基体またはプラスチック基体を使用することを特徴とする、請求項8または9記載の方法。
  11. 請求項8から10までのいずれか1項に記載の方法により製造された多層塗膜。
  12. 前記下塗り塗膜が3〜40μmの乾燥層厚を有することを特徴とする、請求項11記載の多層塗膜。
  13. 前記透明塗膜が10〜40μmの乾燥層厚を有することを特徴とする、請求項11または12記載の多層塗膜。
  14. 前記透明塗膜が35〜40μmの乾燥層厚を有することを特徴とする、請求項13記載の多層塗膜。
  15. 請求項11から14までのいずれか1項に記載の多層塗膜で被覆されている基体。
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