JP6210254B2 - 耐熱性スチレン系共重合体及びこれを含むスチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本明細書及び請求の範囲で用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自己の発明を最善の方法で説明するため、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
b−1)コアシェル構造のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体(ABS)
前記コアシェル構造のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体(ABS)は、ジエン系重合体コア及び前記コア上にスチレン系単量体及びアクリロニトリル系単量体を含むシェルがグラフトされたものであってよい。
前記コアシェル構造のアクリレート−スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体は、アクリレート系重合体コア及び前記コア上にスチレン系単量体及びアクリロニトリル系単量体を含むシェルがグラフトされたものであってよい。
1Lのバッチ反応器にα−メチルスチレンを70重量%、アクリロニトリルを29.5重量%及びt−ブチルメタクリレートを0.5重量%で含む単量体混合物と、前記単量体混合物100重量部に対し5重量部のエチルベンゼン、0.1重量部の重合開始剤(Perhexa C、NOF)を投入して混合し、これを104℃の重合温度で200rpmで回転しながら6時間塊状重合させた。重合が完了した後、メタノールで沈澱させ、真空オーブンで220℃で2時間の間乾燥させて耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
アクリロニトリルを29重量%で用い、t−ブチルメタクリレートを1重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
アクリロニトリルを27重量%で用い、t−ブチルメタクリレートを3重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
アクリロニトリルを25重量%で用い、t−ブチルメタクリレートを5重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを72重量%、アクリロニトリルを27重量%、t−ブチルメタクリレートを1重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを72重量%、アクリロニトリルを25重量%、t−ブチルメタクリレートを3重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例2と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例3と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例4と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例5と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造実施例6と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを72重量%、アクリロニトリルを20重量%、t−ブチルメタクリレートを8重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを72重量%、アクリロニトリルを28重量%で用い、t−ブチルメタクリレートを用いていないことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを70重量%、アクリロニトリルを29.7重量%、t−ブチルメタクリレートを0.3重量%で用いたことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
α−メチルスチレンを70重量%、アクリロニトリルを30重量%で用い、t−ブチルメタクリレートを用いていないことを除いては、前記製造実施例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造比較例1と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造比較例2と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造比較例3と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
重合温度を106℃に調整したことを除いては、前記製造比較例4と同一の方法を介して耐熱性スチレン系共重合体を製造した。
前記製造実施例1から製造実施例12及び製造比較例1から製造比較例8で製造した各耐熱性スチレン系共重合体のガラス転移温度(Tg)、転換率(%)及び重量平均分子量(Mw)を測定して、下記表1に測定値を示した。
ガラス転移温度は、各耐熱性スチレン系共重合体を150℃まで昇温させて溶融急冷させた後、DSC法で昇温温度を10℃/minにして測定した。
転換率は、各耐熱性スチレン系共重合体の重合前に各反応物の初期質量を測定し、溶媒の含量を引き算した単量体基準の重さを記録しておき、重合反応後生成された各耐熱性スチレン系共重合体の重さを測定した後、前記重合前の単量体の重さと重合後の耐熱性スチレン系共重合体の重さとの割合で測定した。
重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography、Waters 2410 RI Detector、515 HPLC pump. 717 Auto Sampler)を用いて測定した。各耐熱性スチレン系共重合体0.02 gにTHF(tetrahydrofuran)20mlを入れて溶解させた後、0.45μmフィルターでろ過し、GPCバイアル(4ml)に入れて各サンプルを製造した。測定1時間前から溶媒(THF)を1.0ml/min速度で注入させ、測定時間25分、注入体積150μl、流動速度1.0ml/min、イソクラティックポンプモード、RIディテクターで40℃の条件で測定した。このとき、PSスタンダードを用いてキャリブレーションした。
つまり、耐熱性スチレン系共重合体内の変形や物性の変化なく転換率だけ向上させるのが重要であり、本発明に係る前記製造実施例1から製造実施例12で製造した各耐熱性スチレン系共重合体は、転換率は改善し、前記共重合体内に変形を起こすか物性を変化させていないことを前記結果を介して1次的に確認した。
前記製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体75重量%と、コアシェル構造のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体(LG化学)25重量%とを混合してスチレン系樹脂組成物を製造し、これを240℃で2軸押出機を利用してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例2で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例3で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例4で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例5で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例6で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例7で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例8で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例9で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例10で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例11で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造実施例12で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例2で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例3で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例4で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例5で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例6で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例7で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
製造実施例1で製造した耐熱性スチレン系共重合体の代わりに前記製造比較例8で製造した耐熱性スチレン系共重合体を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法を介してペレットを製造した。
前記実施例1から12及び比較例1から8で製造した、スチレン系樹脂組成物から製造された成型品であるペレットそれぞれの機械/化学的特性の比較分析のため、各ペレットに対する引張強度(TS)、引張伸び率(TE)、衝撃強度、流動性及び耐熱性(HDT)分析を実施して、結果を下記表2に示した。
引張強度及び引張伸び率は、ASTM D638に基づいて分析を実施した。前記実施例1から12及び比較例1から8の各ペレットを300℃で射出成形して厚さ1/8’’の各試片を製造し、試片の両端を引張試験機の締め金に締めた後、一方の締め金は固定し、他方の締め金を5cm/minで引っ張って切断時の荷重値を得、下記式(1)及び(2)を介して引張強度(MPa)及び引張伸び率(%)を得た。
衝撃強度は、ASTM D256に基づいて分析を実施した。前記実施例1から12及び比較例1から8の各ペレットを厚さ1/4’’に成形して試片を製造し、これをアイゾッド衝撃試験機に支持させた後、ハンマーで打撃して行い、これに費やされたエネルギーと試片の切込み幅を測定し、下記式(3)を介して衝撃強度値を得た。前記ハンマーの打撃速度は約240cm/secである。
流動性は、ASTM D1238に基づいて分析を実施した。前記実施例1から12及び比較例1から8で製造した各ペレットを300℃で射出成形して1/4’’の各試片を製造し、各試片を220℃の温度で加熱してシリンダーに入れ、ピストンで10kgの負荷を加え、10分間溶融されて出た樹脂の重さ(g)を測定した。
耐熱性は、ASTM D648に基づいて分析を実施した。前記実施例1から12及び比較例1から8で製造した各ペレットを300℃で射出成形して厚さ1/4’’の各試片を製造し、各試片を4inch離れた支持台の上に載置し、中心に66psiの負荷を加えながら周りの温度を毎分2±0.2℃の速度で上げ、試片が0.010inch変形される温度を測定した。
Claims (17)
- A)α−メチルスチレンを60重量%から78重量%;
B)アクリロニトリルを20重量%から38重量%;及び
C)t−ブチルメタクリレートを0.5重量%から7重量%で含み、
前記A)α−メチルスチレン、B)アクリロニトリル及びC)t−ブチルメタクリレートは、70から72:23から29.5:0.5から7の重量比を有することを特徴とする、耐熱性スチレン系共重合体。 - 前記C)t−ブチルメタクリレートは、1重量%から5重量%で含まれることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性スチレン系共重合体。
- 前記スチレン系共重合体は、105℃の重合温度で重合時の転換率が40%から60%であり、ガラス転移温度(Tg)が123℃から128℃の範囲であり、重量平均分子量(Mw)が87,000から91,000であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性スチレン系共重合体。
- a)請求項1に記載の耐熱性スチレン系共重合体を60重量%から80重量%;及び
b)ゴム質重合体を20重量%から40重量%で含むスチレン系樹脂組成物。 - 前記b)ゴム質重合体は、コアシェル構造のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体(ABS)及びコアシェル構造のアクリレート−スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体(ASA)からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記b)ゴム質重合体は、平均粒径が250nmから500nmであることを特徴とする請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記コアシェル構造のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体(ABS)は、
ジエン系重合体コア50重量%から80重量%;及び
前記コア上にグラフトされたスチレン系単量体及びアクリロニトリル系単量体を含むシェルを20重量%から50重量%で含み;
前記コア対シェルの厚さの割合が4:6から8:2であることを特徴とする請求項5に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 前記シェルは、スチレン系単量体とアクリロニトリル系単量体を7:3から8:2の重量比で含むことを特徴とする請求項7に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記ジエン系重合体は、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン及びピペリレンからなる群より選択される1種以上の共役ジエン系単量体から由来されたものであることを特徴とする請求項7に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記コアシェル構造のアクリレート−スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体(ASA)は、
アクリレート系重合体コアを40重量%から60重量%;及び
前記コア上にグラフトされたスチレン系単量体及びアクリロニトリル系単量体を含むシェルを40重量%から60重量%で含み;
前記コア及びシェルの厚さの割合が4:6から8:2であることを特徴とする請求項5に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 前記シェルは、スチレン系単量体及びアクリロニトリル系単量体を7:3から8:2の重量比で含むことを特徴とする請求項10に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記アクリレート系重合体は、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレートまたはこれらの混合物から由来されたものであることを特徴とする請求項10に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記スチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン及びこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項7または10に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記アクリロニトリル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル及びこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項7または10に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 前記スチレン系樹脂組成物は、熱安定剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤及び紫外線安定剤からなる群より選択される1種以上の添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物。
- 請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物から製造されたスチレン系樹脂成型品。
- 前記スチレン系樹脂成型品は、6.35mm厚さである時、ASTM D256に基づいて測定した衝撃強度が20J/mから25J/mであり、3.175mm厚さである時、ASTM D638に基づいて5cm/minの速度条件で測定した引張伸び率が28%から40%であることを特徴とする請求項16に記載のスチレン系樹脂成型品。
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