以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
第1実施形態による部品実装システム100は、基板900に部品を実装して、部品が実装された基板を製造するように構成されている。部品実装システム100は、図1に示すように、HC(ホストコンピュータ)1と、ローダ2と、印刷機3と、振分コンベア4と、実装部5および搬送部6を含む部品実装装置7と、リフロー炉8と、アンローダ9とを備えている。ローダ2、印刷機3およびアンローダ9は、基板900の種類毎に複数設けられている。振分コンベア4(4a、4b、4c、4d)は、複数設けられている。部品実装装置7(7a、7b)は、基板の製造ラインに沿って印刷機3とリフロー炉8との間に複数設けられている。なお、部品実装装置7aおよび7bは、それぞれ、本発明の「第1部品実装装置」および「第2部品実装装置」の一例である。部品実装装置7aの搬送部6および部品実装装置7bの搬送部6は、それぞれ、本発明の「第1搬送部」および「第2搬送部」の一例である。
部品実装システム100では、基板製造ラインに沿って上流側(X1側)から下流側(X2側)に向かって基板900が搬送されるように構成されている。また、HC1は、生産プログラムを実行して部品実装システム100全体を統括して制御する役割を有している。
次に、部品実装システム100を構成する各装置の構成について説明を行う。
ローダ2は、部品が実装される前の基板(配線基板)900を保持するとともに基板製造ラインに搬入する役割を有する。また、ローダ2は、基板900の種類毎に設けられている。基板900の種類とは、搬送方向に長さの異なる基板、搬送方向に対し垂直な方向に幅が異なる基板、実装される部品が異なる基板などを示す概念である。また、部品は、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの小片状の電子部品を含む。
印刷機3は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板900の実装面上に塗布する機能を有する。また、印刷機3は、基板900の種類毎に設けられている。また、複数の印刷機3は、上流のローダ2からそれぞれ基板900を受け取り、印刷後下流の振分コンベア4(4a)に受け渡すように構成されている。
振分コンベア4は、印刷機3と部品実装装置7aとの間の振分コンベア4a、部品実装装置7aと部品実装装置7bとの間の振分コンベア4b、部品実装装置7bとリフロー炉8との間の振分コンベア4c、および、リフロー炉8とアンローダ9との間の振分コンベア4dを含む。
図2に示すように、振分コンベア4は、基台41と、2本のレール42と、移動機構43と、昇降機構44と、搬送レーン45とを含んでいる。この振分コンベア4は、搬送レーン45の高さと、搬送レーン45の幅とをそれぞれ変更することが可能に構成されている。
各レール42は、Y方向に延びるように一対形成されている。各レール42は、基台41に固定されている。各レール42によって、昇降機構44はY方向に移動可能に支持されている。
移動機構43は、ボールねじ431と、モータ432とを有する。ボールねじ431は、ねじ軸431aと、後述する昇降機構44の下部442(図3参照)に固定されるナット431b(図3参照)とを有している。移動機構43は、モータ432の駆動力によりねじ軸431aが回転することによって、昇降機構44を基台41に対してY方向に移動させるように構成されている。
図3に示すように、昇降機構44は、板状の上部441と、板状の下部442と、板状の下部442の周辺部4か所に立設された4本のボールねじ軸443とを有する。昇降機構44は、図示しないモータの駆動力により図示しないプーリおよびベルト機構を介して4本のボールねじ軸443が同期して回転することによって、ナットを有する上部441を下部442に対して昇降させるように構成されている。これにより、搬送レーン45の高さ位置を調整(変更)することができる。
詳細には、昇降機構44により、搬送レーン45の高さ位置を、後述する搬送部6の搬送レーン6aおよび6b(図4参照)の各々の高さ位置に一致させることが可能である。また、昇降機構44により、搬送レーン45の高さ位置を、部品実装装置7aの実装レーン52a〜52cの高さ位置に一致させることが可能である。また、昇降機構44により、搬送レーン45の高さ位置を、印刷機3から基板900を受け取ることが可能な高さ位置、部品実装装置7bからリフロー炉8に基板900を受け渡すことが可能な高さ位置、および、リフロー炉8からアンローダ9に基板900を受け渡すことが可能な高さ位置のそれぞれに一致させることが可能である。なお、実装レーン52a〜52cは、それぞれ、本発明の「第1実装レーン」および「第2実装レーン」の一例である。
搬送レーン45は、上部441のZ1側に配置されている。搬送レーン45は、一対のレール451と、ボールねじユニット452と、モータ453(図2参照)とを有する。モータ453の駆動力によりボールねじユニット452のねじ軸452aが回転することにより、ボールねじユニット452を構成するナット452b(図2参照)を有するY2側のレール451がY1側のレール451に対してY方向に移動することが可能である。これにより、搬送レーン45は、基板900のY方向の幅に応じて間隔を調整可能である。
図1に示すように、振分コンベア4aは、基板900の種類毎に設けられた複数の印刷機3からそれぞれ基板900を受け取り、部品実装装置7aに受け渡すように構成されている。また、部品実装装置7(7a、7b)は、実装レーン52a〜52cからなる実装部5と、上下に設けられた搬送レーン6aおよび6bからなる搬送部6とを含んでおり、振分コンベア4aは、生産プログラムに基づいて、基板900の種類に応じて部品実装装置7aの実装レーン52a〜52cと、部品実装装置7aの搬送レーン6aおよび6bとに基板900を振り分けるように構成されている。振分コ6ンベア4bは、上流の部品実装装置7aの実装レーン52a〜52cと、部品実装装置7aの搬送レーン6aおよび6bとからそれぞれ搬出される基板900を、下流の部品実装装置7bの実装レーン52a〜52cと、部品実装装置7bの搬送レーン6aおよび6bとのいずれかに振り分けて渡すように構成されている。振分コンベア4cは、部品実装装置7bの実装レーン52a〜52cと、部品実装装置7bの搬送レーン6aおよび6bとからそれぞれ基板900を受け取り、リフロー炉8に受け渡すように構成されている。振分コンベア4dは、リフロー炉8から基板900を受け取り、基板900の種類毎に設けられた複数のアンローダ9に振り分けて受け渡すように構成されている。
部品実装装置7は、クリーム半田が印刷された基板900の所定の実装位置に部品を実装する機能を有する。また、部品実装装置7(7a、7b)は、X方向に沿って複数配置されている。
実装部5は、2つの実装ヘッド51と、実装レーン52a〜52cと、部品供給部53とを含んでいる。実装ヘッド51は、部品供給部53から供給される部品を吸着して基板900に実装するように構成されている。実装ヘッド51は、水平方向(XY方向)に移動可能に構成されている。
実装レーン52a〜52cは、Y方向に沿って配列されている。実装レーン52a〜52cは、同じ高さ位置に配置されている。実装レーン52a〜52cは、基板900をX方向に搬送するとともに基板900を固定(保持)して部品を実装させるように構成されている。実装レーン52a〜52cに搬入される基板900には、部品が実装される。
部品供給部53は、基板900に実装される部品を供給するように構成されている。また、部品供給部53は、基板900の搬送方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)の両側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部53には、複数のテープフィーダがX方向に配置されている。各テープフィーダにより、部品が供給される。
図4に示すように、搬送部6は、基板900を搬送する複数の(2つの)搬送レーン6aおよび6bが、Z2方向から見て互いに上下方向に重なるように配置されている。搬送部6は、下段の搬送レーン6aと、上段の搬送レーン6bとを含んでいる。上段の搬送レーン6bの高さ位置は、実装レーン52a〜52c(図1参照)の高さ位置と同じである。搬送レーン6aおよび6bは、X方向に基板900を搬送するように構成されている。搬送レーン6aおよび6bは、X方向およびY方向において互いに同じ位置に配置され、Z2方向から見て、互いに上下に重なるように配置されている。搬送部6は、2つの固定部材610と、固定部材620とによって部品実装装置7の基台71(図5参照)に固定されている。
下段の搬送レーン6aは、図4および図5に示すように、1つの固定レール部材61と、1つの可動レール部材62と、下段搬送機構63と、下段幅調整機構64とを含んでいる。上段の搬送レーン6bは、固定レール部材61と一体の1つの固定レール部材65と、1つの可動レール部材66と、上段搬送機構67と、上段幅調整機構68とを含んでいる。下段搬送機構63により搬送レーン6aを介して基板900が搬送され、上段搬送機構67により搬送レーン6bを介して基板900が搬送される。下段幅調整機構64により、搬送レーン6aの幅が調整され、上段幅調整機構68により搬送レーン6bの幅が調整される。
また、下段搬送機構63および上段搬送機構67は、それぞれ、一対(1セット)設けられている。一対の下段搬送機構63は、X方向において一対の上段搬送機構67の内側に配置され、一対の下段搬送機構63(上段搬送機構67)は、それぞれ、搬送部6のX方向の中心に関して、X1側およびX2側に配置されている。また、X1側の下段搬送機構63およびX2側の下段搬送機構63は、それぞれ、独立して駆動可能に構成されている。また、X1側の上段搬送機構67およびX2側の上段搬送機構67は、それぞれ、独立して駆動可能に構成されている。
図5に示すように、固定レール部材61は、基板900の搬送方向に垂直な一方側(Y2側)に配置されている。固定レール部材61は、固定部材610により、基台71に固定されている。
可動レール部材62は、基板900の搬送方向に垂直な他方側(Y1側)に配置されている。可動レール部材62は、他の部材を介しY方向に移動可能な状態で固定部材620に支持されている。
下段搬送機構63は、ガイド部631と、プーリ632および633と、動力伝達軸634(図6参照)と、駆動部635(図6参照)とを備えている。
ガイド部631は、固定レール部材61と可動レール部材62とにそれぞれ設けられている。ガイド部631は、固定レール部材61(可動レール部材62)に沿うように、X方向に延びている。ガイド部631は、基板900が搬送される際にY方向に移動するのを規制するように構成されている。
プーリ632は、固定レール部材61の内側(Y1側)に配置されている。プーリ633は、可動レール部材62の外側(Y1側)に配置されている。プーリ632および633は、共に、回転軸がY方向と平行になるように配置されている。プーリ632には、ベルト632aが架けられ、プーリ633には、ベルト633aが架けられている。ベルト632aおよびベルト633aは、基板900を搬送するための丸ベルトである。
動力伝達軸634(図6参照)は、Y方向に延びるように形成されている。動力伝達軸634は、Y2側の端部が固定レール部材61(65)に回転可能に支持されている。動力伝達軸634は、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。動力伝達軸634は、ベルト63a(図4参照)を介して、駆動部635の駆動力により回転するように構成されている。プーリ633に対して駆動側となる図示しないプーリは、動力伝達軸634に対して回転方向に固定、軸方向移動可能に支持されるとともに、可動レール部材62に対し回転方向に回転可能、軸方向に固定支持される。動力伝達軸634が回転することにより、駆動側となる図示しないプーリが回転し、ベルト633aを介して可動レール部材62側のプーリ633が回転する。さらに、動力伝達軸634が回転することにより、駆動側となる図示しない別のプーリが回転し、ベルト632aを介して固定レール部材61側のプーリ632が回転する。これにより、ベルト632aおよび633a上の基板900が搬送される。
駆動部635(図6参照)は、モータを含んでいる。
下段幅調整機構64は、ボールねじユニット641と、駆動部642とを備えている。
図5に示すように、ボールねじユニット641を構成するねじ軸641aは、Y方向に延びるように形成されている。ねじ軸641aは、Y2側の端部が固定レール部材61(一体化された65)にY方向に固定、且つ回転可能に支持されている。ねじ軸641aは、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。また、ボールねじユニット641を構成するナット641bは、可動レール部材62に固定されている。ねじ軸641aは、ベルト64aを介して、駆動部642の駆動力により回転するように構成されている。ねじ軸641aが回転することにより、ナット641bに固定された可動レール部材62がY方向に沿って移動する。また、可動レール部材62のY方向への移動に伴って、可動レール部材62側の、駆動側となる図示しないプーリ、ベルト633a、プーリ633および可動レール部材62側のガイド部631が、Y方向に沿って一体的に移動する。また、ねじ軸641aが回転しても、基台71に対する固定レール部材61(65)の位置は変化しないとともに、可動レール部材66のX方向の位置は変化しない。すなわち、ねじ軸641aが回転し、可動レール部材62のY方向の位置のみが変化する。これにより、搬送レーン6aの幅が変更される。
駆動部642は、モータを含んでいる。
固定レール部材65は、基板900の搬送方向に垂直な一方側(Y2側)に配置されている。固定レール部材65は、Y2側の部分で固定レール部材61と接続されている。すなわち、固定レール部材61および65は、一体の部材である。
可動レール部材66は、基板900の搬送方向に垂直な他方側(Y1側)に配置されている。また、Z方向における上段(最上段)の搬送レーン6bの可動レール部材66を、Z方向における下段(最上段の直下の段)の搬送レーン6aの可動レール部材62より、搬送レーン6a(6b)の幅方向(Y方向)外側に位置するように配置する。可動レール部材66は、可動レール部材62とは別部材により構成されて、他の部材を介しY方向に移動可能な状態で固定部材620に支持されている。
上段搬送機構67は、ガイド部671と、プーリ672および673と、動力伝達軸674(図6参照)と、駆動部675とを備えている。
ガイド部671は、固定レール部材65と可動レール部材66とにそれぞれ設けられている。ガイド部671は、固定レール部材65(可動レール部材66)に沿うように、X方向に延びている。ガイド部671は、基板900が搬送される際にY方向に移動するのを規制するように構成されている。
プーリ672は、固定レール部材65の内側(Y1側)に配置されている。プーリ673は、可動レール部材66の内側(Y2側)に配置されている。プーリ672および673は、共に、回転軸がY方向と平行にならないように配置されている。具体的には、プーリ672および673は、互いに向かい合う方向に傾斜するように配置されている。より具体的には、プーリ672および673は、可動レール部材66に設けられたプーリ673と固定レール部材65に設けられたプーリ672との間の幅が上側よりも下側で大きくなるように内側に傾斜するように配置されている。プーリ672には、ベルト672aが架けられ、プーリ673には、ベルト673aが架けられている。ベルト672aおよび673aは、基板900を搬送するための丸ベルトである。
また、上段搬送機構67の固定レール部材65側のプーリ672と、可動レール部材66側のプーリ673、下段搬送機構63の固定レール部材61側のプーリ632、および可動レール部材62側のプーリ633は、それぞれ、基板900の搬送方向(X方向)において略同じ位置に配置されている。搬送レーン6aおよび6bのそれぞれの幅を変更した場合でも、Y2側のプーリ672およびプーリ632、同じくY1側のプーリ673およびプーリ633は、それぞれX方向における位置関係は変化しない。また、固定レール部材66側のプーリ672と、固定レール部材61側のプーリ632とは、それぞれ、基板900の搬送方向に垂直な方向(Y方向)における略同じ位置に配置されている。
動力伝達軸674(図6参照)は、Y方向に延びるように形成されている。動力伝達軸674は、Y2側の端部が固定レール部材61(65)に回転可能に支持されている。動力伝達軸674は、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。動力伝達軸674は、ベルト67aを介して、駆動部675の駆動力により回転するように構成されている。プーリ673に対して駆動側となる図示しないプーリは、動力伝達軸674に対して回転方向に固定、軸方向移動可能に支持されるとともに、可動レール部材66に対し回転方向に回転可能、軸方向に固定に支持される。動力伝達軸674が回転することにより、駆動側となる図示しないプーリが回転し、ベルト673aを介して可動レール部材66側のプーリ673が回転する。さらに、動力伝達軸674が回転することにより、駆動側となる図示しない別のプーリが回転し、ベルト672aを介して固定レール部材65側のプーリ672が回転する。これにより、ベルト672aおよび673a上の基板900が搬送される。
駆動部675は、モータを含んでいる。
上段幅調整機構68(図6参照)は、ボールねじユニット681と、駆動部682(図6参照)とを備えている。
ボールねじユニット681を構成するねじ軸681aは、Y方向に延びるように形成されている。ねじ軸681aは、Y2側の端部が固定レール部材61(65)に回転可能に支持されている。ねじ軸681aは、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。また、ボールねじユニット681を構成するナット681bは、可動レール部材66に固定されている。ねじ軸681aは、ベルト68a(図4参照)を介して、駆動部682(図6参照)の駆動力により回転するように構成されている。ねじ軸681aが回転することにより、ナット681bに固定された可動レール部材66がY方向に沿って移動する。また、可動レール部材66のY方向への移動に伴って、可動レール部材66側の、駆動側となる図示しないプーリ、ベルト673a、プーリ673および可動レール部材66側のガイド部671が、Y方向に沿って一体的に移動する。また、ねじ軸681aが回転しても、基台71に対する固定レール部材65の位置は変化しないとともに、可動レール部材66のX方向の位置は変化しない。すなわち、ねじ軸681aが回転し、可動レール部材66のY方向の位置のみが変化する。これにより、搬送レーン6bの幅が変更される。
なお、下段幅調整機構64の駆動部642と、上段幅調整機構68の駆動部682とは、各々、独立して駆動することが可能に構成されている。これにより、搬送レーン6aおよび6bは、互いに独立して搬送レーン6aおよび6bの幅を変更可能である。その結果、異なる幅の基板900を搬送レーン6aおよび6bによって同時に搬送可能である。
図1に示すように、搬送レーン6aおよび6bは、平面視において、基板900の搬送方向(X方向)に対して、実装レーン52a〜52cと略同じ長さを有する。すなわち、可動レール部材62および66、固定レール部材61および65は、それぞれ、実装レーン52a〜52cと略同じ長さを有する。また、搬送レーン6aおよび6bは、平面視において、基板900の搬送方向(X方向)に対して、実装レーン52a〜52cと略平行に配置されている。すなわち、可動レール部材62および66、固定レール部材61および65は、それぞれ、実装レーン52a〜52cと略平行に配置されている。
リフロー炉8は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品を基板900上の電極部に接合する役割を有する。リフロー炉8は、1つのレーン81を有し、レーン81上の基板900を搬送しながら、加熱処理を行うように構成されている。
アンローダ9は、部品が実装され、加熱処理された後の基板900を基板製造ラインから排出する役割を有する。また、アンローダ9は、基板900の種類毎に複数設けられている。つまり、リフロー炉8から排出される基板900は、振分コンベア4dにより種類毎に振り分けられてアンローダ9に搬入される。
次に、図7を参照して、部品実装システム100の第1動作例について説明する。図7は、上下方向に重なる搬送レーン6aおよび6bを、重ならないように図示した仮の平面図である。
第1動作例では、5種類の基板900(基板A、基板B、基板C、基板Dおよび基板E)に対して部品が実装される。基板A〜Eの部品実装枚数は、略等しい。部品実装点数は、基板Eが基板A〜Dに比べて多い。また、基板BおよびCは、搬送方向に垂直な方向の幅が異なる。
基板A〜Eが、基板A〜E毎に設けられたローダ2から基板A〜E毎に設けられた印刷機3に搬送される。その後、基板A〜Eは、振分コンベア4aに搬送される。振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、部品実装装置7aの実装レーン52a〜52cと、部品実装装置7aの搬送レーン6aおよび6bとのうち所定のレーンに基板A〜Eを振り分ける。部品実装装置7aは、実装レーン52a〜52cにおいて、それぞれ、基板A、DおよびEに部品を実装する。また、部品実装装置7aは、搬送レーン6aおよび6bにおいて、部品を実装せず、基板BおよびCを搬送する。
部品実装装置7aから排出される基板A〜Eは、振分コンベア4bにより一部の基板900がレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Aは、実装レーン52aから搬送レーン6aにレーン変更される。基板Bは、搬送レーン6aから実装レーン52aにレーン変更される。基板Cは、搬送レーン6bから実装レーン52bにレーン変更される。基板Dは、実装レーン52bから搬送レーン6bにレーン変更される。基板Eは、部品実装装置7aの実装レーン52cから部品実装装置7bの実装レーン52c搬送される(レーン変更されない)。部品実装装置7bは、実装レーン52a〜52cにおいて、それぞれ、基板B、CおよびEに部品を実装する。また、部品実装装置7bの搬送レーン6aおよび6bでは、部品を実装せず、基板AおよびDを搬送する。部品実装装置7bから排出される基板A〜Eは、振分コンベア4cおよびリフロー炉8を経由して、振分コンベア4dに搬送される。振分コンベア4dは、基板A〜Eを種類毎に振り分けてアンローダ9に搬入する。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、異なる幅の基板900を搬送可能なように搬送レーン6aおよび6bの幅を変更可能に複数の搬送レーン6aおよび6bを構成する。これにより、搬送レーン6aを、搬送レーン6bの幅と異なる幅に設定することができる。その結果、複数の搬送レーン6aおよび6bを上下に重なるように配置していても、異なる幅の基板900を同時に搬送することができる。また、基板900を搬送する複数の搬送レーン6aおよび6bが互いに上下方向に重なるように配置されているので、平面視における、搬送レーン6aおよび6bの配置スペースを小さくすることができる。
また、第1実施形態では、互いに独立して幅を変更可能に複数の搬送レーン6aおよび6bを構成する。これにより、複数の搬送レーン6aおよび6bの幅を、それぞれ、異なる幅に容易に設定することができる。
また、第1実施形態では、最下段の搬送レーン6aにおいて、可動レール部材62の外側(Y1側)にプーリ633を配置し、最下段以外の搬送レーン6bにおいて、可動レール部材66の内側(Y2側)にプーリ673を配置する。これにより、最下段の搬送レーン6aにおける可動レール部材62のプーリ633と、最下段以外の搬送レーン6bにおける可動レール部材66のプーリ673とを、基板900の搬送方向に垂直な方向において近づけて配置することができる。これにより、最下段の搬送レーン6aにおける可動レール部材62のプーリ633および固定レール部材61のプーリ632の幅と、最下段以外の搬送レーン6bにおける可動レール部材66のプーリ673および固定レール部材65のプーリ672の幅とを略同一にすることができる。その結果、略同じ幅の基板900を搬送することができる。
また、第1実施形態では、複数の搬送レーン6aおよび6bにおけるそれぞれの固定レール部材61および65を、基板900の搬送方向に垂直な一方側に配置する。複数の搬送レーン6aおよび6bにおけるそれぞれの可動レール部材62および66を、基板900の搬送方向に垂直な他方側に配置する。これにより、最下段の搬送レーン6aにおける可動レール部材62のプーリ633と、最下段以外の搬送レーン6bにおける可動レール部材66のプーリ673とを、基板900の搬送方向に垂直な方向の同じ側(他方側)において近づけて配置することができるとともに、部品実装装置7の構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、下段の搬送レーン6aの固定レール部材61と、上段の搬送レーン6bの固定レール部材65とを一体に形成しているので、構造を簡素化できる。また、Z方向における上段(最上段)の搬送レーン6bの可動レール部材66を、Z方向における下段(最上段の直下の段)の搬送レーン6aの可動レール部材62より、搬送レーン6a(6b)の幅方向(Y方向)外側に位置するように配置する。下段搬送機構63の可動レール部材62は、下段幅調整機構64によりY方向に移動可能であり、上段搬送機構67の可動レール部材66は、下段搬送機構63の可動レール部材62より外側(Y1側)において、上段幅調整機構68によりY方向に移動可能である。これにより、下段の搬送レーン6aより上段の搬送レーン6bの方が、幅を大きくすることができる。これにより、上段(最上段)の搬送レーン6bに基板900が存在しない状態で、搬送レーン6bの幅を広げるか、あるいは、上段の搬送レーン6bに下段(最上段の直下の段)の搬送レーン6aより基板幅の大きい基板900を搬送している場合には、上段(最上段)の搬送レーン6bの幅を広げなくても、下段(最上段の直下の段)の搬送レーン6aを搬送される基板900を下段の搬送レーン6aの途中に停止させた状態で、上段の搬送レーン6bの両ガイド部671の間、およびプーリ672とプーリ673の間から、この基板900をほぼ水平に保ったまま取り出し、点検することが可能となる。取り出しの際、基板900をほぼ水平に保つことで、実装された部品の基板900に対する位置ずれを防止することができる。
また、第1実施形態では、最下段以外の搬送レーン6bにおいて、プーリ間の幅が上側よりも下側で大きくなるように内側に傾斜するようにプーリ672および673を構成する。これにより、最下段以外の搬送レーン6bにおける可動レール部材66のプーリ672および673と、最下段の搬送レーン6aにおける可動レール部材62のプーリ632および633とを基板900の搬送方向に垂直な方向において略同じ位置に配置することができる。これにより、最下段の搬送レーン6aにおける可動レール部材62のプーリ633および固定レール部材61のプーリ632の幅と、最下段以外の搬送レーン6bにおける可動レール部材66のプーリ673および固定レール部材65のプーリ672の幅とを容易に略同一にすることができる。
また、第1実施形態では、複数の搬送レーン6aおよび6bの固定レール部材61および65に設けられるプーリ632および672は、それぞれ、基板900の搬送方向に垂直な方向に略同じ位置に配置されている。これにより、基板900の搬送方向側から見て、基板900の搬送方向に垂直な方向における、複数の固定レール部材61および65に設けられるプーリ632および672の配置スペースを小さくすることができる。また、搬送レーン6aおよび6bの幅を変更する場合に、基板900の搬送方向に垂直な方向の一方側において、複数の搬送レーン6aおよび6bによりそれぞれ搬送される基板900の端部の位置を容易に揃えることができる。
また、第1実施形態では、平面視において、基板900の搬送方向に対して、搬送レーン6aおよび6bと略同じ長さを有するように実装レーン52a〜52cを構成する。また、搬送レーン6aおよび6bと略平行に実装レーン52a〜52cを配置する。これにより、基板900の搬送方向において、部品実装装置7をコンパクトに構成することができる。
(第1実施形態の変形例)
次に、図8〜図10を参照して、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。図8〜図10はそれぞれ、上下方向に重なる搬送レーン6aおよび6bを、重ならないように図示した仮の平面図である。この変形例では、部品実装装置7が、実装レーン52aおよび52bと、搬送レーン6aおよび6bとを備えている。すなわち、第1実施形態の部品実装装置7のレーン数が合計で5つであったのに対して、第1実施形態の変形例では、部品実装装置7のレーン数は、合計で4つである。なお、図8〜図10では、第1実施形態と同様に、振分コンベア4aの上流に基板900の種類毎に設けられた複数のローダ2および基板900の種類毎に設けられた複数の印刷機3を備え、振分コンベア4cの下流にリフロー炉8、振分コンベア4dおよびとアンローダ9を備えている。図8〜図10では、ローダ2、印刷機3、リフロー炉8、振分コンベア4dおよびとアンローダ9を省略している。
なお、第1変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図8〜図10を参照して、部品実装システム100の第2動作例〜第4動作例について説明する。
図8に示す第2動作例について説明する。第2動作例は、4種類の基板900(基板A、基板B、基板Cおよび基板D)に対して部品が実装される。基板A〜Dの部品実装枚数は、略等しい。基板A〜Dの部品実装点数は、略等しい。
振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板A〜Dを、部品実装装置7aの実装レーン52aおよび52bと、部品実装装置7aの搬送レーン6aおよび6bとのうち所定のレーンに振り分ける。部品実装装置7aは、実装レーン52aおよび52bにおいて、それぞれ、基板AおよびDに部品を実装する。また、部品実装装置7aは、搬送レーン6aおよび6bにおいて、部品を実装せず、基板BおよびCを搬送する。部品実装装置7aから排出される基板A〜Dは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Aは、実装レーン52aから搬送レーン6aにレーン変更される。基板Bは、搬送レーン6aから実装レーン52aにレーン変更される。基板Cは、搬送レーン6bから実装レーン52bにレーン変更される。基板Dは、実装レーン52bから搬送レーン6bにレーン変更される。部品実装装置7bは、実装レーン52aおよび52bにおいて、それぞれ、基板BおよびCに部品を実装する。また、部品実装装置7bの搬送レーン6aおよび6bでは、部品を実装せず、基板AおよびDを搬送する。その後、基板A〜Dは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
図9に示す第3動作例について説明する。第3動作例は、4種類の基板900(基板Af、基板Ar、基板Bfおよび基板Br)に対して部品が実装される。基板Af、Ar、BfおよびBrは、それぞれ、基板Aの表面および裏面を示し、基板Bfおよび基板Brは、それぞれ基板Bの表面および裏面を示す。基板Af、Ar、BfおよびBrの部品実装枚数は、略等しい。基板Af、Ar、BfおよびBrの部品実装点数は、略等しい。
振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Af、Ar、BfおよびBrを、部品実装装置7aの実装レーン52aおよび52bと、部品実装装置7aの搬送レーン6aおよび6bとのうち所定のレーンに振り分ける。部品実装装置7aは、実装レーン52aおよび52bにおいて、それぞれ、基板AfおよびBfに部品を実装する。また、部品実装装置7aは、搬送レーン6aおよび6bにおいて、部品を実装せず、基板ArおよびBrを搬送する。部品実装装置7aから排出される基板Af、Ar、BfおよびBrは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Afは、実装レーン52aから搬送レーン6aにレーン変更される。基板Arは、搬送レーン6aから実装レーン52aにレーン変更される。基板Brは、搬送レーン6bから実装レーン52bにレーン変更される。基板Bfは、実装レーン52bから搬送レーン6bにレーン変更される。部品実装装置7bは、実装レーン52aおよび52bにおいて、それぞれ、基板ArおよびBrに部品を実装する。また、部品実装装置7bの搬送レーン6aおよび6bでは、部品を実装せず、基板AfおよびBfを搬送する。その後、基板Af、Ar、BfおよびBrは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
図10に示す第4動作例について説明する。第4動作例は、2種類の基板900(基板Aおよび基板B)に対して部品が実装される。部品実装枚数は、基板Bが基板Aより多いか基板Aに等しい。部品実装点数は、基板Aが基板Bに比べて多い。
振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Aを、部品実装装置7aの実装レーン52aに振り分ける。振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Bを、部品実装装置7aの搬送レーン6bに振り分ける。
部品実装装置7aは、実装レーン52aにおいて、基板Aに部品を実装する。部品実装装置7aから排出される基板Aは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように部品実装装置7aの搬送レーン6aに搬送される。搬送レーン6aは、基板Aを上流側の振分コンベア4aに搬送する。振分コンベア4aは、基板Aを部品実装装置7の実装レーン52bに搬送する。部品実装装置7aは、実装レーン52bにおいて、基板Aに部品を実装する。部品実装装置7aの実装レーン52bから排出される基板Aは、振分コンベア4bにより、部品実装装置7aの実装レーン52bから部品実装装置7bの実装レーン52c搬送される(レーン変更されない)。部品実装装置7bは、実装レーン52bにおいて、基板Aに部品を実装する。その後、基板Aは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
このように、搬送レーン6aおよび6bが互いに逆向きの方向に基板900を搬送するように搬送部6を構成することもできる。
一方、部品実装装置7aは、搬送レーン6bにおいて、部品を実装せず、基板Bを搬送する。基板Bは、部品実装装置7aでは部品が実装されない。部品実装装置7aから排出される基板Bは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Bは、搬送レーン6bから実装レーン52aにレーン変更される。部品実装装置7bは、実装レーン52aにおいて、基板Bに部品を実装する。その後、基板Bは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
(第2実施形態)
次に、図11〜図14を参照して、本発明の第2実施形態による部品実装システム100について説明する。この第2実施形態では、部品実装装置7に含まれる2つの搬送レーンが上下方向に配置されている第1実施形態と異なり、部品実装装置7に含まれる3つの搬送レーンが上下方向に配置されている構成について説明する。
第2実施形態による部品実装装置7の搬送部6は、図11および図12に示すように、3つの搬送レーン下段(最下段)の搬送レーン6aと、中段の搬送レーン6cと、上段(最上段)の搬送レーン6bとを含んでいる。搬送レーン6aおよび6bは、第1実施形態と同様の構成を有している。具体的には、下段の搬送レーン6aは、図12に示すように、1つの固定レール部材61と、1つの可動レール部材62と、下段搬送機構63と、下段幅調整機構64とを含んでいる。上段の搬送レーン6bは、固定レール部材61と一体の1つの固定レール部材65と、1つの可動レール部材66と、上段搬送機構67と、上段幅調整機構68(図4参照)とを含んでいる。なお、搬送レーン6bの可動レール部材66の形状が異なる点以外は、搬送レーン6aおよび6bの構成は、上記第1実施形態と同様である。このため、搬送レーン6aおよび6bの構成の詳細な説明は、省略する。
図12に示すように、搬送部6は、基板900を搬送する複数の(3つの)搬送レーン6a〜6cが互いに上下方向に重なるように配置されている。具体的には、第2実施形態では、下段の搬送レーン6aと、上段の搬送レーン6bとに加え、中段の搬送レーン6cを含んでいる。搬送レーン6a〜6cは、X方向に基板900を搬送するように構成されている。搬送レーン6a〜6cは、Z方向から見て、X方向およびY方向において対応する位置に上下に重なるように配置されている。
中段の搬送レーン6cは、固定レール部材61と一体の1つの固定レール部材85と、1つの可動レール部材86と、中段搬送機構87(図11参照)と、中段幅調整機構88(図11参照)とを含んでいる。中段幅調整機構88により搬送レーン6cの幅が調整される。
また、中段搬送機構87(図11参照)は、一対(1セット)設けられている。一対の中段搬送機構87は、X方向において一対の下段搬送機構63の外側、且つX方向において一対の上段搬送機構67の内側に配置される。一対の中段搬送機構87は、搬送部6のX方向の中心に関して、線対称になるように配置されている。また、X1側の中段搬送機構87およびX2側の中段搬送機構87は、それぞれ、独立して駆動可能に構成されている。
図12に示すように、固定レール部材85は、基板900の搬送方向に垂直な一方側(Y2側)に配置されている。固定レール部材85は、Y2側の部分で固定レール部材61(65)と接続されている。すなわち、固定レール部材85、61および65は、一体の部材である。
可動レール部材86は、基板900の搬送方向に垂直な他方側(Y1側)に配置されている。具体的には、複数の搬送レーン6b(6c、6a)の可動レール部材66(86、62)は、それぞれ、直下の段の搬送レーンの可動レール部材より、搬送レーンの幅方向外側に位置するように配置されている。可動レール部材86は、可動レール部材62および66と別部材により構成され、他の部材を介しY方向に移動可能な状態で固定部材620に支持されている。
中段搬送機構87は、ガイド部871と、プーリ872および873と、動力伝達軸874(図13参照)と、駆動部875(図13参照)とを備えている。
ガイド部871は、固定レール部材85と可動レール部材86とにそれぞれ設けられている。ガイド部871は、固定レール部材85(可動レール部材86)に沿うように、X方向に延びている。ガイド部871は、基板900が搬送される際にY方向に移動するのを規制するように構成されている。
プーリ872は、固定レール部材85の内側(Y1側)に配置されている。プーリ873は、可動レール部材86の内側(Y2側)に配置されている。プーリ872および873は、プーリ672および673と同様に、回転軸がY方向と平行にならないように配置されている。すなわち、プーリ872および873は、可動レール部材86に設けられたプーリ873と固定レール部材85に設けられたプーリ872との幅が上側よりも下側で大きくなるように内側に傾斜するように配置されている。プーリ872には、ベルト872aが架けられ、プーリ873には、ベルト873aが架けられている。ベルト872aおよび873aは、基板900を搬送するための丸ベルトである。
また、固定レール部材86側のプーリ872と、固定レール部材61側のプーリ632(固定レール部材65側のプーリ672)とは、それぞれ、基板900の搬送方向に垂直な方向(Y方向)に略同じ位置に配置されている。搬送レーン6a〜6cのそれぞれの幅を変更した場合でも、プーリ872、672および632のY方向における位置関係は変化しない。
中段搬送機構87の動力伝達軸874(図13参照)は、Y方向に延びるように形成されている。動力伝達軸874は、Y2側の端部が固定レール部材61(65、85)に回転可能に支持されている。動力伝達軸874は、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。動力伝達軸874は、ベルト87a(図13参照)を介して、駆動部875(図13参照)の駆動力により回転するように構成されている。プーリ873に対して駆動側となる図示しないプーリは、動力伝達軸874に対して回転方向に固定、軸方向移動可能に支持されるとともに、可動レール部材86に対し回転方向に回転可能、軸方向に固定に支持される。動力伝達軸874が回転することにより、駆動側となる図示しないプーリが回転し、ベルト873aを介して可動レール部材86側のプーリ873が回転する。さらに、動力伝達軸874が回転することにより、駆動側となる図示しない別のプーリが回転し、ベルト872aを介して固定レール部材85側のプーリ872が回転する。これにより、ベルト872aおよび873a上の基板900が搬送される。
中段幅調整機構88(図11参照)は、ボールねじユニット881と、駆動部882(図13参照)とを備えている。
ボールねじユニット881を構成するねじ軸881aは、Y方向に延びるように形成されている。ねじ軸881aは、Y2側の端部が固定レール部材61(一体化された65、85)にY方向に固定、且つ回転可能に支持されている。ねじ軸881aは、Y1側の端部が固定部材620に回転可能に支持されている。また、ボールねじユニット881を構成するナット881bは、可動レール部材86に固定されている。ねじ軸881aは、ベルト88aを介して、駆動部882の駆動力により回転するように構成されている。ねじ軸881aが回転することにより、ナット881bに固定された可動レール部材86がY方向に沿って変化する。可動レール部材86のY方向への移動に伴って、可動レール部材86側の、駆動側となる図示しないプーリ、ベルト873a、プーリ873および可動レール部材86側のガイド部871が、Y方向に沿って一体的に変化する。また、ねじ軸881aが回転しても、基台71に対する固定レール部材85の位置は変化しないとともに、可動レール部材86のX方向の位置は変化しない。すなわち、ねじ軸881aが回転し、可動レール部材86のY方向の位置のみが変化する。これにより、搬送レーン6bの幅が変更される。
なお、中段幅調整機構88の駆動部882、下段幅調整機構64の駆動部642および上段幅調整機構68の駆動部682は、各々、独立して駆動することが可能である。これにより、搬送レーン6a〜6cは、互いに独立して搬送レーン6a〜6cの幅を変更可能に構成されている。その結果、異なる幅の基板900を搬送レーン6a〜6cによって同時に搬送可能である。
次に、図14を参照して、部品実装システム100の第5動作例について説明する。図10は、上下方向に重なる搬送レーン6a〜6cを、重ならないように図示した仮の平面図である。
第5動作例は、3種類の基板900(基板A、基板Bおよび基板C)に対して部品が実装される。部品実装枚数は、基板BおよびCが略等しく、基板Aが基板BおよびCに比べて多いか、略等しい。部品実装点数は、基板BおよびCが略等しく、基板Aが基板BおよびCに比べて多い。また、基板A〜Cは、それぞれ、搬送方向に垂直な方向の幅が異なる。
振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Aを、部品実装装置7aの実装レーン52aに振り分ける。振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Bを、部品実装装置7aの搬送レーン6bに振り分ける。振分コンベア4aは、生産プログラムに従い、振分コンベア4aに搬送された基板Cを、部品実装装置7aの搬送レーン6cに振り分ける。
部品実装装置7aは、実装レーン52aにおいて、基板Aに部品を実装する。部品実装装置7aから排出される基板Aは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように部品実装装置7aの搬送レーン6aに搬送される。搬送レーン6aは、基板Aを上流側の振分コンベア4aに搬送する。振分コンベア4aは、基板Aを部品実装装置7の実装レーン52bに搬送する。部品実装装置7aは、実装レーン52bにおいて、基板Aに部品を実装する。部品実装装置7aから排出される基板Aは、振分コンベア4bにより、部品実装装置7aの実装レーン52bから部品実装装置7bの搬送レーン6cに搬送される。その後、基板Aは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
一方、部品実装装置7aは、搬送レーン6bにおいて、部品を実装せず、基板Bを搬送する。部品実装装置7aから排出される基板Bは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Bは、搬送レーン6bから実装レーン52aにレーン変更される。部品実装装置7bは、実装レーン52aにおいて基板Bに部品を実装する。その後、基板Bは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
また、部品実装装置7aは、搬送レーン6cにおいて、部品を実装せず、基板Cを搬送する。部品実装装置7aから排出される基板Cは、振分コンベア4bによりレーン変更されるように下流の部品実装装置7bに搬送される。具体的には、基板Cは、搬送レーン6bから実装レーン52bにレーン変更される。部品実装装置7bは、実装レーン52bにおいて基板Cに部品を実装する。その後、基板Cは、部品実装装置7bから振分コンベア4cに排出される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、第1実施形態と同様、複数の搬送レーン6a〜6cを上下に重なるように配置する場合でも、異なる幅の基板900を同時に搬送することができる。また、基板900を搬送する複数の搬送レーン6a〜6cが互いに上下方向に重なるように配置されているので、平面視における、搬送レーン6a〜6cの配置スペースを小さくすることができる。
また、第2実施形態では、固定レール部材85、61および65は、一体の部材であり、構造を簡素化できる。また、第2実施形態では、Z方向における上段(最上段)の搬送レーン6bの可動レール部材66を、Z方向における中段(最上段の直下の段)の搬送レーン6cの可動レール部材86より、Y1側に位置するように配置する。Z方向における中段の搬送レーン6cの可動レール部材86を、Z方向における下段(中段の直下の段)の搬送レーン6aの可動レール部材62より、Y1側に位置するように配置する。具体的には、複数の搬送レーン6b(6c、6a)の可動レール部材66(86、62)は、それぞれ、直下の段の搬送レーンの可動レール部材より、搬送レーンの幅方向外側に位置するように配置されている。下段搬送機構63の可動レール部材62は、下段幅調整機構64によりY方向に移動可能であり、中段搬送機構87の可動レール部材86は、下段搬送機構63の可動レール部材62より外側(Y1側)において、中段幅調整機構88によりY方向に移動可能である。さらに、上段搬送機構67の可動レール部材66は、中段搬送機構87の可動レール部材86より外側(Y1側)において、上段幅調整機構68によりY方向に移動可能である。これにより、下段の搬送レーン6aの幅より中段の搬送レーン6cの幅を大きくできるとともに、最上段の搬送レーン6bの幅を、上下方向における中段(最上段の直下の段)の搬送レーン6cの幅より大きくできる。中段の搬送レーン6cの幅より上段の搬送レーン6bの幅を大きくできる。これにより、上段(最上段)の搬送レーン6bに基板900が存在しない状態で、搬送レーン6bの幅を広げるか、あるいは、上段の搬送レーン6bに中段(最上段の直下の段)の搬送レーン6cより基板幅の大きい基板900を搬送している場合には、上段(最上段)搬送レーン6bの幅を広げなくても、中段(最上段の直下の段)の搬送レーン6cを搬送される基板900を中段の搬送レーン6cの途中に停止させて、上段の搬送レーン6bの両ガイド部671の間、およびプーリ672とプーリ673の間から、この基板900をほぼ水平を保ったまま取り出して点検することが可能となる。また、上段の搬送レーン6bに加え中段の搬送レーン6cに基板900が存在しない状態で、上段の搬送レーン6bおよび中段の搬送レーン6cの幅をそれぞれ広げるか、あるいは、中段の搬送レーン6cに下段(中段の直下の段)の搬送レーン6aより基板幅の大きい基板900を搬送し、上段の搬送レーン6bに中段の搬送レーン6c以上の基板幅の基板900を搬送している場合には、上段の搬送レーン6bおよび中段の搬送レーン6cの幅を広げなくても、下段の搬送レーン6aを搬送される基板900を下段の搬送レーン6aの途中に停止させて、上段の搬送レーン6bの両ガイド部671の間、およびプーリ672とプーリ673の間、および、中段の搬送レーン6cの両ガイド部671の間、およびプーリ872とプーリ873の間から、下段の搬送レーン6aの途中に停止させた基板900をほぼ水平を保ったまま取り出して点検することが可能となる。取り出しの際、基板900をほぼ水平に保つことで、実装された部品の基板900に対する位置ずれを防止することができる。
前記したように、中段搬送機構87のプーリ872および873は、可動レール部材86に設けられたプーリ873と固定レール部材85に設けられたプーリ872との幅が上側よりも下側で大きくなるように内側に傾斜するように配置されている。これにより、可動レール部材86が可動レール部材62より外側(YI方向側)にあっても、相対的に可動レール部材62に対し可動レール部材86を近づけることで、中段搬送機構87のプーリ872の上端およびプーリ873の上端のY方向の距離を、下段搬送機構63のプーリ632の上端およびプーリ633の上端のY方向の距離と同一にすることができる。
同様、上段搬送機構67のプーリ672および673は、可動レール部材66に設けられたプーリ673と固定レール部材65に設けられたプーリ672との幅が上側よりも下側で大きくなるように内側に傾斜するように配置されている。これにより、可動レール部材66が可動レール部材86より外側(YI方向側)にあっても、相対的に可動レール部材86に対し可動レール部材66を近づけることで、上段搬送機構67のプーリ672の上端とプーリ673の上端とのY方向の距離を、中段搬送機構87のプーリ872の上端とプーリ873の上端とのY方向の距離と同一にすることができる。
すなわち、これらにより、下段搬送機構63、中段搬送機構87、および上段搬送機構67のいずれか2つ、あるいは3つ全てにおいて、それぞれ同一基板幅の基板900を搬送できる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、部品実装装置が3つの実装レーンと2つ(2段)の搬送レーンとを含む例を示し、第1実施形態の変形例では、部品実装装置が2つの実装レーンと2つ(2段)の搬送レーンとを含む例を示し、第2実施形態では、部品実装装置が2つの実装レーンと3つ(3段)の搬送レーンとを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置が、実装レーンの数は適宜変更してもよい。また、部品実装装置が、4つ(4段)以上の搬送レーンを含んでいてよい。
上記第1および第2実施形態では、全ての搬送レーンの幅が互いに独立して変更可能な例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくとも1つの搬送レーンの幅が、他の搬送レーンの幅に対して独立して変更可能であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、最下段の搬送レーンでは可動レール部材の外側にプーリが配置されており、最下段以外の搬送レーンでは可動レール部材の内側にプーリが配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、全ての搬送レーンにおいて、プーリが可動レール部材の内側に配置されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、全ての搬送レーンにおいて、固定レール部材が基板の搬送方向に垂直な一方側に配置されるとともに、可動レール部材が基板の搬送方向に垂直な他方側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、全ての搬送レーンにおける固定レール部材が基板の搬送方向に垂直な一方側に配置されていないとともに、全ての搬送レーンにおける可動レール部材が基板の搬送方向に垂直な他方側に配置されていなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、最下段以外の搬送レーンに設けられる全てのプーリが傾斜する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、最下段以外の搬送レーンに設けられる全てのプーリが傾斜していなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、1つの部品実装装置には2つの実装ヘッドが設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの部品実装装置に実装ヘッドを1つまたは3つ以上設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、リフロー炉に1つのレーンが設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リフロー炉に複数のレーンを設けてもよい。また、複数のリフロー炉を並行して設けてもよい。