JP6208790B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、往復運動するコネクティングロッドおよびワンウェイクラッチを介して入力軸から出力軸に駆動力を伝達するクランク式の伝達ユニットを軸方向に複数個並置した車両用動力伝達装置に関する。
ドライブシャフトに設けたドライブプーリおよびドリブンシャフトに設けたドリブンプーリ間に無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機において、ドリブンシャフトに設けた発進クラッチのジャダー振動を低減すべく、ドリブンシャフトに接続されたセカンダリシャフトにトーショナルダイナミックダンパーを設け、このトーショナルダイナミックダンパーのダンパーウエイトの共振周波数を、発進用クラッチと車軸間の駆動系の固有振動数に略等しく設定したものが、下記特許文献1により公知である。
特開平9−240298号公報
ところで、クランク式の伝達ユニットを軸方向に複数個並置した車両用動力伝達装置では、複数の伝達ユニットのワンウェイクラッチが交互に係合および係合解除して出力軸のトルクが周期的に変動するため、入力軸への入力回転数が所定回転数に達すると、出力軸の下流の動力伝達経路が捩じれ共振して振動および騒音が発生する問題があり、必要最小限の制振マスを追加するだけで前記捩じれ共振を抑制することが望まれる。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の伝達ユニットを備える車両用動力伝達装置において、重量の増加を最初限に抑えながら出力軸の下流の動力伝達経路が捩じれ共振を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する複数の伝達ユニットを軸方向に並置し、前記伝達ユニットの各々は、前記入力軸と一体に回転する偏心カムと、前記偏心カムの外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤが形成された偏心部材と、前記入力軸と同軸に配置されて変速アクチュエータにより回転する変速軸と、前記変速軸に設けられて前記リングギヤに噛合するピニオンと、前記出力軸に設けたワンウェイクラッチと、前記偏心部材および前記ワンウェイクラッチのアウター部材に接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備え、前記変速アクチュエータで前記変速軸を前記入力軸に対して相対回転させて前記偏心カムに対する前記偏心部材の位相を変化させることで、前記入力軸の軸線からの前記偏心部材の偏心量を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、前記複数の伝達ユニットに対して並列に配置されて前記入力軸および前記出力軸を接続する補助動力伝達手段が、遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構の動力伝達を遮断するクラッチとを備え、前記遊星歯車機構の三つの要素のうち、前記出力軸に常時連結され、かつ回転半径が最大である要素に制振マスを接続したことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記回転半径が最大である要素には、前記出力軸の回転が増速されて伝達されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記回転半径が最大である要素は、リングギヤの径方向外側を迂回するキャリヤであることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のキャリヤ51は本発明の回転半径が最大である要素に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、伝達ユニットは、入力軸に設けた偏心カムに支持されて該入力軸と共に回転する偏心部材と、出力軸に設けたワンウェイクラッチのアウター部材とをコネクティングロッドで接続して構成されるので、入力軸が回転してコネクティングロッドが往復運動すると、ワンウェイクラッチが間欠的に係合することで出力軸が間欠的に回転して駆動力が伝達される。その際に、変速アクチュエータで変速軸を入力軸に対して相対回転させ、ピニオンでリングギヤを回転させて偏心カムに対する偏心部材の位相を変化させることで、入力軸の軸線からの偏心部材の偏心量を変化させて変速比を変更することができる。
複数の伝達ユニットに対して並列に配置されて入力軸および出力軸を接続する補助動力伝達手段が、遊星歯車機構と、遊星歯車機構の動力伝達を遮断するクラッチとを備えるので、車両の減速時に、駆動力を伝達できない伝達ユニットを介さずに、補助動力伝達手段を介して出力軸側から入力軸側に駆動力を伝達し、エンジンブレーキや回生ブレーキを作動させることができる。
遊星歯車機構の三つの要素のうち、出力軸に常時連結され、かつ回転半径が最大である要素に制振マスを接続したので、必要最小限の制振マスを付加するだけで、出力軸の下流の動力伝達経路の捩じり共振の共振周波数を常用回転数領域外にずらして制振効果を得ることができ、しかも車両の走行中には常に制振効果を得ることができる。
また請求項2の構成によれば、回転半径が最大である要素には、出力軸の回転が増速されて伝達されるので、制振マスの回転数を増加させて制振効果を更に高めることができる。
また請求項3の構成によれば、回転半径が最大である要素は、リングギヤの径方向外側を迂回するキャリヤであるので、制振マスを設ける部材の選択自由度が増加する。
車両用動力伝達装置の全体構成を示す図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図。 偏心ディスクの正面図および断面図。 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。 図1の6−6線断面図。 制振マスの慣性モーメントと共振周波数との関係を示すグラフ。 無段変速機の入力回転数と出力軸のトルク変動との関係を示すグラフ。
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を変速して左右の駆動輪W,Wに伝達する動力伝達装置は、クランク式の無段変速機Tと、レンジ切換手段S1と、補助動力伝達手段S2と、ディファレンシャルギヤDとを備える。レンジ切換手段S1は、前進走行レンジ、後進走行レンジ、ニュートラルレンジおよびパーキングレンジを切り換え可能である。補助動力伝達手段S2は、無段変速機Tに対して並列に配置されるもので、ディファレンシャルギヤD側からエンジンE側への駆動力の逆伝達によるエンジンブレーキの作動を可能にする。
次に、図2〜図4に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
自動車用のクランク式の無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…、出力軸13およびディファレンシャルギヤDを介して図示せぬ駆動輪に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。
6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12a(図3参照)から露出する。ピニオン17を挟むように、入力軸12の外周に軸線L方向に2分割された円板状の偏心カム18がスプライン結合される。偏心カム18の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
偏心カム18の外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成した一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
軸線L方向に2分割された偏心カム18の割り面の外周には、その偏心カム18の中心O1と同軸に一対の三日月状のガイド部18a,18aが設けられており、偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム18のガイド部18a,18aの外周面に摺動可能に当接する。そして変速軸15のピニオン17が、入力軸12の開口12aを通して偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。
入力軸12の右端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の右側の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の左端側に位置する1個の偏心カム18に一体に設けた筒状部18b(図2参照)が、ボールベアリング22を介してミッションケース11の左側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の左端側はミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、前記1個の偏心カム18の筒状部18b)にスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15の軸端にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
コネクティングロッド33は、大端部33a、ロッド部33bおよび小端部33cを備えるもので、大端部33aがローラベアリング32を介して偏心ディスク19の外周に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33の小端部33cにピン37を介して枢支された揺動リンク42と、揺動リンク42の内周に固定されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材39と、アウター部材38の内周面とインナー部材39の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
図1に戻り、出力軸13の外周には第2出力軸43が相対回転自在に嵌合しており、出力軸13および第2出力軸43の軸端間に、前進走行レンジ、後進走行レンジ、ニュートラルレンジおよびパーキングレンジを切り換えるレンジ切換手段S1が配置される。そして第2出力軸43に設けたファイナルドライブギヤ44がディファレンシャルギヤDに設けたファイナルドリブンギヤ45に歯合し、ディファレンシャルギヤDから左右に延びるドライブシャフト46,46に左右の駆動輪W,Wが接続される。
第2出力軸43と入力軸12との間に、車両の減速時にエンジンブレーキを作動させるための補助動力伝達手段S2が設けられる 補助動力伝達手段S2は無段変速機Tに対して並列に配置されるもので、遊星歯車機構47およびクラッチ48を備える。遊星歯車機構47は、サンギヤ49と、リングギヤ50と、キャリヤ51と、キャリヤ51に支持されてサンギヤ49およびリングギヤ50に歯合する複数のピニオン52…とを備える。
リングギヤ50に接続されたリングギヤシャフト53の外周にキャリヤシャフト54が同軸に嵌合し、キャリヤシャフト54はリングギヤ50の外周を迂回するドラム部材55を介してキャリヤ51に接続され、サンギヤ49に接続されたサンギヤシャフト56は、クラッチ48を介してケーシング57に固定可能である。そして第2出力軸43に設けた第1ギヤ58がキャリヤシャフト54に設けた第2ギヤ59に歯合し、リングギヤシャフト53に設けた第3ギヤ60が中間軸61に設けた第4ギヤ62に歯合し、第4ギヤ62が入力軸12に設けた第5ギヤ63に歯合する。
図1および図6に示すように、キャリヤ51と一体に回転するドラム部材55は遊星歯車機構47における最大径を有する部材であり、そのドラム部材55の外周に複数の制振マス64…が周方向に等間隔で固定される。図6(A)は、3数の制振マス64…を120゜間隔で配置した例を示しており、図6(B)は、6数の制振マス64…を60゜間隔で配置した例を示している。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図3および図5(A)〜図5(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の大端部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図3において反時計方向に揺動し、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図3において時計方向に揺動し、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のガイド部18a,18aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図5(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図5(B)および図5(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図5(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、図1、図7および図8に基づいて補助動力伝達手段S2の作用について説明する。
無段変速機Tの伝達ユニット14…は出力軸13の外周にワンウェイクラッチ36…を備えており、車両の減速時にはワンウェイクラッチ36…が係合解除して出力軸13側から入力軸12側への駆動力の逆伝達が阻止されるため、そのままではエンジンブレーキを作動させることが不可能である。
しかしながら、本実施の形態によれば、車両の減速時に補助動力伝達手段S2のクラッチ48を係合すると、駆動輪W,Wの駆動力が、ドライブシャフト46,46→ディファレンシャルギヤD→ファイナルドリブンギヤ45→ファイナルドライブギヤ44→第2出力軸43→第1ギヤ58→第2ギヤ59→キャリヤシャフト54→ドラム部材55→キャリヤ51→ピニオン52…→リングギヤ50→リングギヤシャフト53→第3ギヤ60→第4ギヤ62→第5ギヤ63→入力軸12の経路でエンジンEに逆伝達され、エンジンブレーキが作動する。
なお、エンジンEの駆動力を伝達ユニット14…を介して入力軸12から出力軸13に伝達して車両が走行するとき、クラッチ48は係合解除するため、エンジンEの駆動力が入力軸12から補助動力伝達手段S2を介して出力軸13に伝達されることはない。
ところで、無段変速機Tの運転中には、複数の伝達ユニット14…のワンウェイクラッチ36…が交互に係合および係合解除するため、出力軸13のトルクが周期的に変動する。そして入力軸12への入力回転数が所定回転数に達すると、出力軸13の下流の動力伝達経路に捩じり共振が発生して振動および騒音が発生する問題がある。本実施の形態では、出力軸13に接続された動力伝達経路に制振マス64…を付加して慣性モーメントを増加させることにより共振周波数を低い側にずらし、エンジンEの常用回転数領域(アイドリング回転数以上の回転数領域)で捩じり共振が発生するのを防止している。
車両の走行中、すなわちクラッチ48が係合解除する車両の加速走行中およびクルーズ中であっても、またクラッチ48が係合する車両の減速走行中であっても、駆動輪W,Wの回転はディファレンシャルギヤDから第2出力軸43→第1ギヤ58→第2ギヤ59→キャリヤシャフト54→ドラム部材55→遊星歯車機構のキャリヤ51の経路で伝達されるため、キャリヤ51と一体のドラム部材55に設けた制振マス64…が回転する。その結果、図7に示すように、制振マス64…の付加に伴う慣性モーメントの増加により共振周波数が低い側にずれることで、エンジンEの常用回転数領域で共振が発生するのが防止される。
図8(A)は制振マス64…を付加しない比較例を示すもので、エンジンEの常用回転数領域と、常用回転数未満の領域とで共振が発生している。一方、図8(B)は制振マス64…を付加した実施の形態を示すもので、エンジンEの常用回転数領域における共振がなくなり、常用回転数未満の領域だけで共振が発生していることが分かる。
ところで、制振マス64…を大型化すると動力伝達装置の重量や寸法の増加を招くため、できるだけ小型の制振マス64…で必要な制振効果を得ることが望ましい。共振周波数を低い側に充分にずらすには、制振マス64…の慣性モーメントの増加および制振マス64…の回転数の増加が必要であり、また車両の走行中に常に制振効果を得るには、駆動輪W,Wに常時連動して回転する部材に制振マス64…を設ける必要がある。
制振マス64…の慣性モーメントを増加させるには、制振マス64…を大型化するか、制振マス64…の回転半径を大きくすることが必要であるが、制振マス64…の大型化は即座に重量の増加を招くために望ましくない。本実施の形態では、大径の遊星歯車機構47のうちの最も径方向外側に位置するドラム部材55の外周面に制振マス64…を設けたので、制振マス64…の回転半径が最大限に確保され、制振マス64…の重量を増加させることなく必要な慣性モーメントを確保することができる。しかも遊星歯車機構47のドラム部材55は車両の走行中に常に回転するため、車両の走行中に必ず制振効果を得ることができる。
また制振マス64…の効果を高めるには、回転数が大きい部材に制振マス64…を設けることが望ましいが、本実施の形態では、第2出力軸43の回転が第1ギヤ58および第2ギヤ59を介して増速された状態で伝達されるドラム部材55に制振マス64…を設けたので、制振マス64…の回転数を増加させて制振効果を更に高めることができる。
また一般に遊星歯車機構ではリングギヤが最も径方向外側に位置するが、本実施の形態では、レイアウトの関係でキャリヤ51の一部であるドラム部材55がリングギヤ50の径方向外側を迂回しているため、そのドラム部材55に制振マス64…を設けている。このようにリングギヤ50以外の要素に制振マス64…を設けることで、制振マス64…を設ける部材の選択自由度が増加する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では制振マス64…を遊星歯車機構47のキャリヤ51の一部であるドラム部材55に設けているが、遊星歯車機構47の最外周に配置される回転部材であれば、リングギヤ50の一部である部材あるいはサンギヤ49一部である部材に制振マス64…を設けても良い。
12 入力軸
13 出力軸
14 伝達ユニット
15 変速軸
17 ピニオン
18 偏心カム
19 偏心ディスク(偏心部材)
19b リングギヤ
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
36 ワンウェイクラッチ
38 アウター部材
47 遊星歯車機構
48 クラッチ
50 リングギヤ
51 キャリヤ(回転半径が最大である要素)
64 制振マス
E エンジン(駆動源)
L 入力軸の軸線
S2 補助動力伝達手段
ε 偏心部材の偏心量

Claims (3)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する複数の伝達ユニット(14)を軸方向に並置し、
    前記伝達ユニット(14)の各々は、
    前記入力軸(12)と一体に回転する偏心カム(18)と、
    前記偏心カム(18)の外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤ(19b)が形成された偏心部材(19)と、
    前記入力軸(12)と同軸に配置されて変速アクチュエータ(23)により回転する変速軸(15)と、
    前記変速軸(15)に設けられて前記リングギヤ(19b)に噛合するピニオン(17)と、
    前記出力軸(13)に設けたワンウェイクラッチ(36)と、
    前記偏心部材(19)および前記ワンウェイクラッチ(36)のアウター部材(38)に接続されて往復運動するコネクティングロッド(33)と、
    前記変速アクチュエータ(23)で前記変速軸(15)を前記入力軸(12)に対して相対回転させて前記偏心カム(18)に対する前記偏心部材(19)の位相を変化させることで、前記入力軸(12)の軸線(L)からの前記偏心部材(19)の偏心量(ε)を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、
    前記複数の伝達ユニット(14)に対して並列に配置されて前記入力軸(12)および前記出力軸(13)を接続する補助動力伝達手段(S2)が、遊星歯車機構(47)と、前記遊星歯車機構(47)の動力伝達を遮断するクラッチ(48)とを備え、前記遊星歯車機構(47)の三つの要素のうち、前記出力軸(13)に常時連結され、かつ回転半径が最大である要素(51)に制振マス(64)を接続したことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記回転半径が最大である要素(51)には、前記出力軸(13)の回転が増速されて伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記回転半径が最大である要素(51)は、リングギヤ(50)の径方向外側を迂回するキャリヤ(51)であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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