JP6207796B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スイッチング素子をオンオフ制御することにより直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷に出力する電力変換装置であって、特に、接地との間に流れる漏れ電流を抑制する技術に関するものである。
スイッチング素子を有する電力変換装置は、所定の電圧を出力するための電圧指令に応じて、スイッチング素子のオン期間またはオフ期間を調整する。その際に、スイッチング素子の動作パターン(スイッチングパターン)によっては、対地電圧の変化が生じて、漏れ電流が生じる。
漏れ電流が発生すると、装置と接地との間に電位差が生じ、その値によっては感電事故を招く恐れがある。また、漏れ電流の経路にホコリ等の物体があると、これが漏れ電流で発熱し火災事故に至る可能性がある。
そこで、この漏れ電流を抑制する対策が必要となるが、例えば、特許文献1の例では、電力変換装置のスイッチング信号を生成するキャリアの周波数を高速化することで、漏れ電流経路のインピーダンスを増加させる方法が紹介されている。
特開2005−57918号公報
しかし、特許文献1の例では、キャリア周波数を高速化すると、高速スイッチングが必要となりスイッチング素子自体が高価になり、スイッチング損失も増大し、装置が大型高価になる。また、キャリア周波数を高くすると、スイッチング周期に対して、電圧出力に寄与しない短絡防止時間の割合が増大し、交流出力電圧指令値に対する交流出力電圧値の誤差が増大する等の課題がある。
この発明は、これらの課題を解消するためになされたもので、キャリア周波数を高速化することなく、小型低損失で安価に漏れ電流の抑制を可能とする電力変換装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、複数のスイッチング素子の直列体からなる複数個のスイッチングレグを直流電源の両極間に接続し、前記各スイッチングレグの中間点から交流フィルタを介して交流負荷に接続し前記スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換して前記交流負荷に出力する電力変換部、前記直流電源の一方の極と接地との間に接続され漏れ電流を検出する漏れ電流検出部、前記交流電圧の瞬時電圧指令を生成する電圧指令生成部、前記漏れ電流を抑制するように前記スイッチング素子をオンオフ制御するための前記各スイッチングレグのキャリア信号を、その位相を互いにシフトして生成するキャリア生成部、前記漏れ電流を抑制するように検出された前記漏れ電流に基づき電圧指令補正量を演算し、前記電圧指令生成部により生成された前記瞬時電圧指令を前記電圧指令補正量により補正して前記各スイッチングレグの前記スイッチング素子をオンオフ制御するための補正後電圧指令を生成する電圧指令補正部、および前記キャリア生成部により生成された前記各スイッチングレグの前記キャリア信号と前記電圧指令補正部により生成された前記各スイッチングレグの前記補正後電圧指令とに基づき前記各スイッチングレグの前記スイッチング素子をオンオフ制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部を備えたものである。
この発明に係る電力変換装置は、以上のように、各スイッチングレグのキャリア信号の位相を互いにシフトするキャリア生成部と各スイッチングレグの瞬時電圧指令を補正する電圧指令補正部とを採用することで、キャリア周波数を高速化することなく、小型低損失で安価に漏れ電流を抑制することが出来る。
この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の全体構成を示す図である。 図1において交流負荷の対地インピーダンスを含めた漏れ電流経路Roを説明するための図である。 図1のキャリア生成部33の内部構成を示す図である。 キャリア生成部33の位相シフトによる効果を説明するためのタイミングチャートである。 図1の電圧指令補正部32の内部構成を示す図である。 図1のPWM信号生成部34の内部構成を示す図である。 図1のキャリア生成部33と電圧指令補正部32との出力に基づきPWM信号を生成するPWM信号生成部34の動作を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1における漏れ電流の状況を、比較例との比較により説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電力変換装置の全体構成の一例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の全体構成を示す図である。図1の電力変換装置は、直流電源10からの直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷11に出力する電力変換部9および制御上位からの電圧指令値V*と直流電源10の負極と接地との間に接続された漏れ電流検出部8からの漏れ電流検出値I1cとに基づきPWM(パルス幅変調)信号を生成する電力変換装置制御部7から構成される。以下、これらの構成の細部について説明する。
電力変換部9は、直流電源10の両極間に接続された、スイッチング素子1とスイッチング素子2との直列体からなるスイッチングレグAおよびスイッチング素子3とスイッチング素子4との直列体からなるスイッチングレグB、更に、両スイッチングレグA、Bの中間点と交流負荷11との間に接続された、リアクトル5とコンデンサ6とからなる交流フィルタを備えている。そして、各スイッチング素子1、2、3、4は、例えば、スイッチング素子1で示すと、IGBTやMOSFET等の半導体スイッチング素子S1とこれと逆並列に接続された環流ダイオードD1とで構成されている。
電力変換装置制御部7は、電圧指令生成部31、電圧指令補正部32、キャリア生成部33およびPWM信号生成部34を備えており、以下、これら各部の構成について説明する。
電圧指令生成部31は、制御上位からの電圧指令値V*に基づき瞬時電圧指令Vo*を生成する。
キャリア生成部33は、漏れ電流I1cを抑制するように、検出された漏れ電流I1cに基づき位相シフト量dθを演算する。そして、キャリア生成部33は、各スイッチングレグA、Bのスイッチング素子1〜4をオンオフ制御するためのキャリア信号を、その位相を互いに位相シフト量dθだけシフトして生成する。詳しくは、更に後段の図3を参照して説明する。
電圧指令補正部32は、漏れ電流I1cを抑制するように、検出された漏れ電流I1cに基づき電圧指令補正量dVoa*、dVob*を演算する。そして、電圧指令補正部32は、生成された瞬時電圧指令Vo*を電圧指令補正量dVoa*、dVob*により補正して各スイッチングレグA、Bのスイッチング素子1〜4をオンオフ制御するための補正後電圧指令Voa*、Vob*を生成する。詳しくは、更に後段の図5を参照して説明する。
PWM信号生成部34は、生成された各スイッチングレグA、Bのキャリア信号と生成された各スイッチングレグA、Bの補正後電圧指令Voa*、Vob*とに基づき各スイッチングレグA、Bのスイッチング素子1〜4をオンオフ制御するPWM信号を生成する。詳しくは、更に後段の図6を参照して説明する。
図2は、図1において交流負荷11の対地インピーダンスを含めた漏れ電流経路Roを示す図である。図2において、スイッチングレグAの中間点から交流フィルタを介して接続される交流負荷11の一端をPA点とし、スイッチングレグBの中間点から交流フィルタを介して接続される交流負荷11の他端をPB点として示す。また、図2において、負荷並列インピーダンス41、負荷PA側対地インピーダンス42(PA点側の負荷対地インピーダンス)、負荷PB側対地インピーダンス43(PB点側の負荷対地インピーダンス)を示す。また、負荷PA側対地インピーダンス42および負荷PB側対地インピーダンス43は、直列静電容量を有しているものとする。また、PA側対地静電容量12a、PB側対地静電容量12bを示す。
漏れ電流I1cの経路(漏れ電流経路Ro)としては、直流電源10の負極から電力変換部9を介し、更に、PA側対地静電容量12aと負荷PA側対地インピーダンス42と負荷PB側対地インピーダンス43とPB側対地静電容量12bとの並列回路および漏れ電流検出部8を経て再び直流電源10の負極に至る経路で流れる。
また、負荷PA側対地インピーダンス42または負荷PB側対地インピーダンス43が変化すると、漏れ電流経路のインピーダンスが変化して漏れ電流が生じる場合もある。
この実施の形態では、漏れ電流検出部8で検出した漏れ電流I1cから、電力変換装置制御部7で電力変換装置のスイッチングパターンを変更することで、スイッチングパターンによる漏れ電流を抑制する。また、負荷PA側対地インピーダンス42、または負荷PB側対地インピーダンス43の変化による漏れ電流を抑制する。
この実施の形態では、この漏れ電流I1cを抑制するため、先ず、キャリア生成部33により、両スイッチングレグA、Bのキャリア信号の位相を互いにシフトする。
図3は、このキャリア生成部33の内部構成例である。キャリア生成部33は、制御入力演算部61、位相シフト量演算部62、三角波発生器63および位相シフト回路64を備えており、以下、各要素について説明する。
制御入力演算部61は、漏れ電流検出部8で検出された漏れ電流I1cを入力し、以下の(1)式に示す演算を行い、漏れ電流出力dI1cを出力する。
dI1c=|I1crms|−I1c* ・・・(1)
ここで、|I1crms|は、漏れ電流I1c実効値の絶対値である。また、I1c*は、漏れ電流として有害となるレベル等を考慮して任意に設定される漏れ電流規定値である。
即ち、一般的に漏れ電流の評価としては、デジタルボルトメータが用いられるため、漏れ電流の実効値I1crmsを抑制することを考える。そして、キャリア生成部33は、この任意に設定できる漏れ電流規定値I1c*を超える漏れ電流I1cを検出した場合に動作させる。
位相シフト量演算部62は、積分演算要素を備え、漏れ電流出力dI1cが入力されると、即ち、検出された漏れ電流実効値|I1crms|が漏れ電流規定値I1c*を超えると、これを漏れ電流規定値I1c*まで抑制するよう位相シフト量dθを演算して出力する。
なお、後段の図4で詳しく触れるが、位相シフト量dθに関し、dθ=180°が、スイッチング素子S1とS4との波形が一致する場合に相当し、dθ=0°が、両波形が逆極性になる場合に相当する。そして、位相シフト量演算部62は、0°≦dθ≦180°の範囲で位相シフト量dθを出力する。
三角波発生器63は、PWM信号を生成するための三角波を生成し、スイッチングレグAのPWM信号生成に用いるキャリア信号caを出力する。位相シフト回路64は、位相シフト量演算部62で算出した位相シフト量dθに応じて、三角波発生器63で生成された三角波の位相をシフトし、スイッチングレグBのPWM信号生成に用いるキャリア信号cbを出力する。
次に、このキャリア生成部33のキャリア信号の位相シフトによる効果について図4を参照して説明する。
図4は、互いに位相シフトされたキャリア信号に基づきPWM制御されるスイッチング素子1〜4のスイッチング動作を示す。図4において、Vacは、交流負荷11の印加電圧、S1(ここでは、半導体スイッチング素子の符号をそのまま信号の符号に流用しており、以下も同じ)は、スイッチング素子1のスイッチング(ON/OFFパルス)信号、S2は、スイッチング素子2のスイッチング(ON/OFFパルス)信号、S3は、スイッチング素子3のスイッチング(ON/OFFパルス)信号、S4は、スイッチング素子4のスイッチング(ON/OFFパルス)信号、Vnaは、図2におけるPA側対地電圧、Vnbは、図2におけるPB側対地電圧、Vaは、図2におけるPA点の漏れ電流に作用するPA側対地電圧、Vbは、図2におけるPB点の漏れ電流に作用するPB側対地電圧、Vdcは、直流電源10の出力電圧である。
なお、VnaとVnbの電圧波形において、Vacによって変化する電圧成分は、PA点PB点間を流れる電流に作用する対地電圧である。従って、Vacの周波数に対する対地静電容量12a、12bが十分小さく、そのインピーダンスが十分に大きい場合は、Vacによる漏れ電流への影響は十分に小さい。そのため、ここでは、漏れ電流に作用する対地電圧としては、VnaとVnbからVacの成分を除いた電圧Va、Vbで検討する。
なお、図4では、簡略化のために図2におけるリアクトル5、漏れ電流検出部8のインピーダンス、対地静電容量12a、12b、負荷PA側対地インピーダンス42、負荷PB側対地インピーダンス43の過渡現象は考慮せず、波形はすべて完全な矩形波形としている。
キャリア生成部33により、両スイッチングレグA、Bのキャリア信号ca、cbの位相を互いにシフトする結果、電力変換部9は、キャリア周期の間に、図4の期間a〜dのいずれかのスイッチングパターンを組合せて動作する。
期間aは、スイッチング素子1とスイッチング素子3とがONとなる期間で、対地電圧Va=Vb=Vdcとなる。期間bは、スイッチング素子1とスイッチング素子4とがONとなる期間で、対地電圧Va=Vb=Vdc/2となる。期間cは、スイッチング素子2とスイッチング素子4とがONとなる期間で、対地電圧Va=Vb=0Vとなる。期間dは、スイッチング素子2とスイッチング素子3とがONとなる期間で、対地電圧Va=Vb=Vdc/2となる。
そのため、PA側対地電圧VaおよびPB側対地電圧Vbのキャリア周期の平均は、キャリア周期における各スイッチングパターンのPA側対地電圧VaおよびPB側対地電圧Vbの平均値となる。
また、実施環境によっては、スイッチングパターンによる対地電圧Va、Vbの変動で、定常的に漏れ電流が規定値を超過する恐れが有る。この原因となるのは、対地電圧がVdcとなるスイッチング素子1およびスイッチング素子3がONとなる状態と、対地電圧が0Vとなるスイッチング素子2およびスイッチング素子4がONとなる状態との対地電圧変化である。
そのような場合は、スイッチングレグAのキャリア信号caの位相と、スイッチングレグBのキャリア信号cbの位相とを互いにシフトする。これにより、スイッチング周期におけるスイッチング素子1およびスイッチング素子3がONとなる状態と、スイッチング素子2およびスイッチング素子4がONとなる状態の比率を調整させることができる。それにより、スイッチングパターンによる対地電圧の変動で、定常的に漏れ電流が規定値を超過するのを抑制することができる。
即ち、キャリア生成部33は、検出された漏れ電流実効値|I1crms|が漏れ電流規定値I1c*を超えると、これを漏れ電流規定値I1c*まで抑制するように、スイッチングレグAのキャリア信号caと、スイッチングレグBのキャリア信号cbとを互いに位相シフト量dθだけシフトする。
ところで、スイッチング素子1およびスイッチング素子3が同時にONまたはスイッチング素子2およびスイッチング素子4が同時にONする期間では、リアクトル5のスイッチング素子側に印加される電圧が0Vになる。そのため、漏れ電流を規定値に抑制する動作範囲内で、スイッチング素子1およびスイッチング素子3が同時にONまたはスイッチング素子2およびスイッチング素子4が同時にONするスイッチングパターンを用いることで、キャリア周期の平均リアクトル電圧変化を小さくでき、リアクトル5の電流リップルを低減できるという利点もある。
次に、図4で説明した期間aと期間cとの比率を調整することで、特に、負荷インピーダンス42、43の変化に伴う漏れ電流の増大を効果的に抑制することができる電圧指令補正部32について図5を参照して説明する。図5は、その内部構成例を示す図である。
電圧指令補正部32は、補正リミッタ演算部71、制御器72、補正量演算部73および加算器74、加算器75を備えており、以下、各要素について説明する。
図5において、dVo*は、対地電圧変化量であり、dVo*limは、対地電圧変化量dVo*から電圧指令の補正量を求める際のリミッタ値であり、dVoa*は、スイッチング素子1とスイッチング素子2とで構成されるスイッチングレグAをON/OFFするための電圧指令補正量であり、dVob*は、スイッチング素子3とスイッチング素子4とで構成されるスイッチングレグBをON/OFFするための電圧指令補正量である。
図4で説明したように、スイッチング素子1およびスイッチング素子3が同時にONする期間aの対地電圧は最高のVdcであるので、この期間aを増加させると、キャリア周期における対地電圧が増加する。また、スイッチング素子2およびスイッチング素子4が同時にONする期間cの対地電圧は最低の0Vであるので、この期間cを増加させると、キャリア周期における対地電圧が減少する。
そこで、電圧指令補正部32は、キャリア周期におけるスイッチング素子1およびスイッチング素子3がONする状態と、スイッチング素子2およびスイッチング素子4がONする状態の比率を調整するように、電圧指令補正量dVoa*およびdVob*を算出する。
図5において、制御器72は、漏れ電流I1cから対地電圧の変化を推定して、対地電圧変化量dVo*を算出する。対地インピーダンスの主成分は静電容量であることから、漏れ電流I1cの積分値が対地電圧変化量dVo*に相当する。そのため、制御器72は、少なくとも積分要素を含む制御構成とする。
前述したとおり、電圧指令の補正を行うのは、図4に示す期間aと期間cとの比率を調整するためであるので、スイッチングパターンとして両期間が存在していることが前提である。この前提を確保する目的で、補正リミッタ演算部71は、位相シフト量dθと瞬時電圧指令Vo*とに基づき、対地電圧変化量dVo*から求める電圧指令補正量dVoa*、dVob*に制限をかけるリミッタ値を演算するものである。
補正リミッタ値dVo*limは、以下の(2)式で表される。
dVo*lim=(1−2×Td/Tc)
・((Vdc−|Vo*|)/2)・(1−dθ/180°)
・・・(2)
ここで、Tdは、PWM信号のデッドタイム期間、Tcは、キャリア生成部33で生成されるキャリアの周期、Vdcは、直流電源10の出力電圧を示す。
(2)式右辺第3項が1となるdθ=0°のときは、既述したとおり、スイッチング素子S1とS4との波形が逆極性となり、図4の期間aが最大となって最大限の電圧指令の補正が可能となる。同第2項は、そのときの補正可能電圧最大値、同第1項は、デッドタイムによる出力電圧減量を反映したものである。
補正量演算部73は、対地電圧変化量dVo*と補正リミッタ値dVo*limとに基づき以下の(3)式(4)式により、電圧指令補正量dVoa*、dVob*を演算する。
dVoa*=dVo* ・・・(3)
[リミッタ:―dVo*lim≦dVoa*≦dVo*lim]
dVob*=−dVo* ・・・(4)
[リミッタ:―dVo*lim≦dVob*≦dVo*lim]
そして、加算器74、75は、以下の(5)式(6)式により、補正後電圧指令Voa*、Vob*を演算出力する。
Voa*=Vo*+dVoa* ・・・(5)
Vob*=Vo*+dVob* ・・・(6)
次に、PWM信号生成部34について図6を参照して説明する。
PWM信号生成部34は、コンパレータ81、82、論理反転回路83、84、遅延器85〜88、AND回路89〜92および符号反転器93を備えている。
図6において、スイッチング素子1のPWM信号は、キャリア生成部33で生成されたキャリア信号caと電圧指令補正部32で補正された補正後電圧指令Voa*とをコンパレータ81で比較し、更に、遅延器85とAND回路89でデッドタイムTdを挿入することで得られるPWM信号である。スイッチング素子2のPWM信号は、コンパレータ81で生成したPWM信号を論理反転回路83で反転し、更に、遅延器86とAND回路90とでデッドタイムTdを挿入することで得られるPWM信号である。
スイッチング素子3のPWM信号は、キャリア生成部33で生成されたキャリア信号cbと符号反転器93で符号を反転した、電圧指令補正部32で補正された補正後電圧指令Vob*とをコンパレータ82で比較し、更に、遅延器87とAND回路91でデッドタイムTdを挿入することにより得られるPWM信号である。スイッチング素子4のPWM信号は、コンパレータ82で生成したPWM信号を論理反転回路84で反転し、更に、遅延器88とAND回路92でデッドタイムTdを挿入することにより得られるPWM信号である。
図7は、キャリア生成部33と電圧指令補正部32との出力に基づき、図6に示すPWM信号生成部34によりPWM信号を生成する動作を説明するためのタイミングチャートである。図7では簡略化のため、デッドタイムTdによる影響は考慮しない。
図7では、キャリア生成部33の位相シフト量演算部62により、キャリア信号caおよびキャリア信号cbに位相差Tc(1−dθ/180°)/2が生じている。また、電圧指令補正部32により、瞬時電圧指令Vo*を電圧指令補正量dVoa*およびdVob*だけ補正した補正後電圧指令Voa*およびVob*に応じてスイッチングが行われている。
この結果、図7で示す例では、電圧指令の補正をしていない図4の場合と比較すると、対地電圧がVdcの期間aが増加し、対地電圧が0Vの期間cが減少し、キャリア周期における対地電圧の平均値が変化していることが分かる。
但し、(2)式のところで既述したように、位相シフト量dθ=180°の場合は、補正リミッタ値dVo*lim=0Vとなり、本願の電圧指令補正部32では電圧指令の補正は出来ないようにしている。これは、期間a、期間cが存在しない場合に相当し、この場合、敢えて電圧指令の補正を行うと電力変換装置としての交流出力電圧が瞬時電圧指令Vo*と一致しなくなる。なお、dθ=0°では、電圧指令0Vにおいて、期間aが50%、期間cが50%となる。
このことから、期間aおよび期間cは、dθに依存し、その比率が(1−dθ/180°)になる((2)式参照)。
図8は、この実施の形態を適用した場合の漏れ電流の状況を、上述した漏れ電流I1cの抑制対策を、行わない比較例と比較して説明するためのタイミングチャートである。図8において、Vamは、図2におけるPA点の漏れ電流に作用するPA側対地電圧のキャリア周期平均値、Vbmは、図2におけるPB点の漏れ電流に作用するPB側対地電圧のキャリア周期平均値である。
図8(a)は、定常的な漏れ電流がない場合の動作例、図8(b)は、定常的な漏れ電流がある場合の動作例である。
また、図の左右中央位置から開始される負荷対地インピーダンスの変化は、図2における負荷PA側対地インピーダンス42と負荷PB側対地インピーダンス43の変化であり、簡略化のためこのインピーダンス変化によるVamとVbmの変化は等しいとする。
図8(a)の「定常的な漏れ電流なし」において、比較例では、負荷対地インピーダンス変化による対地電圧変化で、漏れ電流の実効値I1crmsが一時的に増加する。それに対して、本実施の形態では、負荷対地インピーダンス変化による対地電圧変化で、電圧指令補正部32が動作し、電圧指令補正量dVoa*、dVob*が立ち上がり、漏れ電流実効値I1crmsのピークを低減している。
また、図8(b)の「定常的な漏れ電流あり」において、比較例では、定常的に過剰な漏れ電流が流れる。それに対して、本実施の形態では、キャリア生成部33の位相シフト動作が実行され、定常的な漏れ電流を任意に設定できる漏れ電流規定値I1c*に抑制できている。
図8(b)において、負荷対地インピーダンス変化に対し、本実施の形態では、位相シフトと電圧指令補正の両者が動作し、漏れ電流を効果的に抑制していることが分かる。
以上のように、この発明の実施の形態1による電力変換装置では、キャリア生成部33で生成されるスイッチングレグAのキャリア信号caおよびスイッチングレグBのキャリア信号cbの位相を漏れ電流に応じて互いにシフトするとともに、電圧指令生成部31で生成される瞬時電圧指令Vo*を漏れ電流に応じて補正することで、漏れ電流を効率的連続的に抑制することが出来る。従来のように、キャリア周波数を高速化する必要がないので、小型低損失で安価に漏れ電流を抑制することが出来る。
また、上記した、漏れ電流を規定値に抑制する動作範囲内で、リアクトル5に印加される電圧が小さくなるスイッチングパターン(スイッチング素子1およびスイッチング素子3が同時にONまたはスイッチング素子2およびスイッチング素子4が同時にONするスイッチングパターン)を用いることで、リアクトル5の電流リップルを低減し、リアクトル5の小型化が可能となる。
なお、本実施の形態では、漏れ電流検出部8は、直流電源10の負極と接地との間に接続したが、これに限るものではなく、直流電源10の正極と接地との間に接続しても良い。
上述した実施の形態1のその他の変形例について以下に説明する。
先の実施の形態1では、直流電圧を単相の交流電圧に変換する電力変換装置の場合について説明したが、直流電圧を三相等の交流電圧に変換する電力変換装置にあっても、以上で説明した技術内容を応用することにより、同様に適用でき同等の効果を奏する。
また、実施の形態1では、直流電源10は、定電圧源としたがこれに限るものではなく、交流電圧または直流電圧を直流電圧に変換する装置(AC/DC変換装置またはDC/DC変換装置)から出力される直流電圧であっても良い。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図9は、この発明の実施の形態2に係る電力変換装置の全体構成の一例を示す図である。
図9に示す電力変換装置では、直流電源10の出力電圧Vdcを計測する計測部13を追加している。そして、この計測部13によって測定したVdcを(2)式に用いても良い。より正確な補正リミッタ値を適用することで的確な電圧指令補正動作が補償される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (6)

  1. 複数のスイッチング素子の直列体からなる複数個のスイッチングレグを直流電源の両極間に接続し、前記各スイッチングレグの中間点から交流フィルタを介して交流負荷に接続し前記スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換して前記交流負荷に出力する電力変換部、前記直流電源の一方の極と接地との間に接続され漏れ電流を検出する漏れ電流検出部、前記交流電圧の瞬時電圧指令を生成する電圧指令生成部、前記漏れ電流を抑制するように前記スイッチング素子をオンオフ制御するための前記各スイッチングレグのキャリア信号を、その位相を互いにシフトして生成するキャリア生成部、前記漏れ電流を抑制するように検出された前記漏れ電流に基づき電圧指令補正量を演算し、前記電圧指令生成部により生成された前記瞬時電圧指令を前記電圧指令補正量により補正して前記各スイッチングレグの前記スイッチング素子をオンオフ制御するための補正後電圧指令を生成する電圧指令補正部、および前記キャリア生成部により生成された前記各スイッチングレグの前記キャリア信号と前記電圧指令補正部により生成された前記各スイッチングレグの前記補正後電圧指令とに基づき前記各スイッチングレグの前記スイッチング素子をオンオフ制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部を備える電力変換装置。
  2. 前記キャリア生成部は、検出された前記漏れ電流の実効値が予め設定された漏れ電流規定値を超えたときに、これを前記漏れ電流規定値まで抑制するように位相シフト量を演算して、前記各スイッチングレグの前記キャリア信号を、その位相を互いに前記位相シフト量だけシフトして生成する請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記電圧指令補正部は、前記瞬時電圧指令の補正による前記漏れ電流の抑制が実効あるよう前記瞬時電圧指令と前記位相シフト量とに基づき前記電圧指令補正量を制限するための補正リミッタ値を演算する補正リミッタ演算部を備える請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記補正リミッタ演算部は、下式により前記補正リミッタ値dVo*limを演算する請求項3記載の電力変換装置。
    dVo*lim=
    (1−2×Td/Tc)・((Vdc−|Vo*|)/2)・(1−dθ/180°)
    但し、Tdは前記PWM信号のデッドタイム期間、Tcは前記キャリア信号の周期、Vdcは前記直流電源の出力電圧、Vo*は前記瞬時電圧指令、dθは前記位相シフト量である。
  5. 前記直流電源の出力電圧Vdcを検出する計測部を備え、検出された前記出力電圧を用いて前記補正リミッタ値を演算するようにした請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記電圧指令補正部は、検出された前記漏れ電流の瞬時値に基づき対地電圧変化量を演算する制御器、および前記対地電圧変化量を前記補正リミッタ値の制限範囲内で出力することにより前記電圧指令補正量を演算する補正量演算部を備えた請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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