JP6206352B2 - 溶鋼流速測定方法及び溶鋼流速測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造用鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する溶鋼流速測定方法及び溶鋼流速測定装置に関するものである。
近年、鉄鋼製品の品質向上に対する要望の一層の高まりを受けて、清浄度が高く高品質なスラブの製造が求められている。スラブの欠陥には介在物や気泡、成分の偏析に起因するもの等があるが、連続鋳造用鋳型(以下、鋳型と略記)内に注入された溶鋼の流動がスラブの品質に影響を与えることが広く知られている。このような背景から、鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する技術が提案されている。
具体的には、非特許文献1には、鋳造組織観察による溶鋼の流速測定方法が記載されている。詳しくは、非特許文献1には、溶鋼が凝固している間にデンドライトと呼ばれる樹状鋳造組織が傾いて成長するという事実に基づき、デンドライトの傾き角度に基づいて凝固位置での溶鋼の流速を推定する方法が記載されている。また、特許文献1には、溶鋼内に差し込まれた耐火物製の棒が受ける力積から溶鋼の流速を推定する方法が記載されている。
一方、特許文献2には、連続鋳造用鋳型に設置された電磁ブレーキ等の静磁場印加手段を用いて静磁場を印加し、静磁場の磁場勾配が存在する領域内で静磁場と溶鋼流との相互作用による磁場変化を検出することによって、溶鋼流の方向及び大きさを計測する方法が記載されている。静磁場の磁場勾配が存在する領域内で溶鋼が流動した場合、レンツの法則に基づき溶鋼流が感じる磁場変化を打ち消すような渦電流が発生し、その渦電流によって磁場が発生する。特許文献2記載の方法は、この磁場変化を検知することによって溶鋼流の方向及び大きさを計測するものである。
特開平05−60774号公報 特開2011−174911号公報
鉄と鋼、61(1975)、2982
しかしながら、非特許文献1記載の方法によれば、測定値のばらつきが大きいために溶鋼の流速を精度高く測定することは困難であり、また、サンプルを採取する破壊検査であるために常時計測は困難である。一方、特許文献1記載の方法によれば、耐火物製の棒を溶鋼内に深く挿入することが困難であるために、メニスカス(鋳型内の湯面)から距離のある領域での流速測定は困難である。また、耐火物製の棒はあらゆる方向から力を受けるために、鋳型内の任意の位置における溶鋼の流速を直接的に精度高く測定することは困難である。また、特許文献2記載の方法によれば、連続鋳造用鋳型内の溶鋼の流速を非接触で計測することができる。しかしながら、特許文献2には、計測値の感度調整方法は開示、示唆されておらず、計測値の絶対値が正確であるか否かを判断することができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、連続鋳造用鋳型近傍の磁場勾配の存在する領域内の任意の位置における溶鋼の流速を安価、且つ、精度高く測定可能な溶鋼流速測定方法及び溶鋼流速測定装置を提供することにある。
本発明に係る溶鋼流速測定方法は、連続鋳造用鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する溶鋼流速測定方法であって、前記連続鋳造用鋳型を所定の振幅及び周波数で振動させるオシレーション動作を実行しながら、連続鋳造用鋳型内の溶鋼に対して磁場を印加する印加ステップと、鋳型に設置された磁場検出手段を利用して前記連続鋳造用鋳型の振動周波数と同じ周波数で変化する前記磁場の強さを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された磁場信号中の前記オシレーション動作に起因する周期信号成分と、前記オシレーション動作の振幅及び周波数から算出された前記検出手段の変位速度と、を用いて、前記検出ステップにおいて検出される磁場の強さと溶鋼の流速との関係式を算出する関係式算出ステップと、前記関係式を利用して前記検出ステップにおいて検出された磁場の強さから溶鋼の流速を算出する流速算出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る溶鋼流速測定方法は、上記発明において、前記流速算出ステップは、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さと前記検出ステップにおいて検出された磁場の強さとを用いて前記関係式から溶鋼の流速を算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る溶鋼流速測定方法は、上記発明において、前記連続鋳造用鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない状態における磁場の強さを溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さとして算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る溶鋼流速測定方法は、上記発明において、前記検出ステップは、移動平均時定数が1秒以上10秒以下の範囲内にあるフィルタを用いて検出された磁場の大きさの移動平均値を磁場信号として算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る溶鋼流速測定装置は、連続鋳造用鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する溶鋼流速測定装置であって、前記連続鋳造用鋳型を所定の振幅及び周波数で振動させるオシレーション動作を実行しながら、連続鋳造用鋳型内の溶鋼に対して磁場を印加する印加手段と、鋳型に設置された磁場検出手段を利用して前記連続鋳造用鋳型の振動周波数と同じ周波数で変化する前記磁場の強さを検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された磁場信号中の前記オシレーション動作に起因する周期信号成分と、前記オシレーション動作の振幅及び周波数から算出された前記検出手段の変位速度と、を用いて、前記検出ステップにおいて検出される磁場の強さと溶鋼の流速との関係式を算出する関係式算出手段と、前記関係式を利用して前記検出手段によって検出された磁場の強さから溶鋼の流速を算出する流速算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る溶鋼流速測定方法及び溶鋼流速測定装置によれば、連続鋳造用鋳型近傍の磁場勾配の存在する領域内の任意の位置における溶鋼の流速を安価、且つ、精度高く測定することができる。
図1は、空鋳型状態における磁場の強さの計測例を示す図である。 図2は、鋳型がオシレーション動作している際の磁気センサの検出磁場の時間変化を示す図である。 図3は、鋳型のオシレーション動作を利用した溶鋼流速の校正方法を説明するための模式図である。 図4は、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法によって測定された溶鋼流速の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法について説明する。
〔溶鋼の流動方向の計測方法〕
本発明では、特許文献2記載の溶鋼流速計測方法を用いて溶鋼の流速を測定する。連続鋳造機では、鋳型内に注入された溶鋼に対して静磁場を印加することによって、溶鋼の流動にブレーキをかける操業が行われている。この操業は、一般に“電磁ブレーキ”と呼ばれ、連続鋳造によって製造されるスラブ中の介在物を低減する効果がある。ここで、磁場勾配が存在する領域内で溶鋼が流動すると、レンツの法則に基づいて溶鋼が感じる磁場変化を打ち消すように誘導起電力が発生し、この誘導起電力の大きさによって印加した磁場の強さが変化する。
このような磁場の強さの変化は鋳型内又は鋳型近傍の上記磁場勾配が存在する領域に設置された磁気センサを用いて計測でき、磁気センサによって計測された磁場の変化に基づいて溶鋼の流動方向を計測できる。すなわち、磁場の強さが減少した場合、溶鋼の流動方向は磁場の強さが増加する方向となり、逆に磁場の強さが増加した場合には、溶鋼の流動方向は磁場の強さが減少する方向となる。そこで、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法では、溶鋼に印加した磁場の変化方向に基づいて溶鋼の流動方向を計測する。
〔ゼロ点校正方法〕
一方、溶鋼の流動方向を精度高く特定するためには、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さを精度高く定める必要がある。ここで、溶鋼が注入され、且つ、溶鋼が静止している状態の磁場の強さを計測すれば、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の大きさが定められることは明らかである。しかしながら、溶鋼は自然に対流することから、このような状態を作ることは極めて困難である。そこで、本発明の一実施形態である溶鋼の流速測定方法では、溶鋼及び凝固シェルが非磁性体であることに着目して、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さを定める。
すなわち、静止した溶鋼流及び凝固シェルの透磁率は1であることから、溶鋼が注入され、且つ、溶鋼が静止している状態の磁場の強さは鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない時の磁場の強さと同じになる。また、レンツの法則によれば、溶鋼や凝固シェルの電気伝導率は磁場の強さに影響しない。このため、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さは鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない時の磁場の強さと同じになる。そこで、本発明の一実施形態である溶鋼の流速測定方法では、鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない時の磁場の強さを溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さとして定める。
なお、鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない状態(以下、空鋳型状態)は、例えば前の溶鋼の終わりに新たな溶鋼を連続して加える連連鋳の間のタイミング等の定期的なタイミングで生じる。従って、必要なタイミングで空鋳型状態である時の磁場の強さを溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さとして定め、溶鋼の流動方向の測定精度を向上させることができる。
本実施形態では、空鋳型状態で磁場印加用コイルを駆動することによって操業条件に一致する磁場を鋳型に印加し、その時の磁場の強さを計測することによって、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さを計測する。磁場の強さは、操業時に使用する磁気センサや別途設置した磁気センサによって計測することができる。また、磁場の強さは、全ての操業条件について網羅的に計測しても良いし、通常使用する操業条件についてのみ計測しても良いし、高級鋼の製造時等の電磁ブレーキを強くかける操業条件に限定して計測しても良い。
なお、磁場印加用コイルが発生する磁場には飽和挙動が存在する。すなわち、磁場印加用コイルに印加する電流が小さい間は印加電流にほぼ比例する磁場が発生するが、印加電流の増加に伴い発生する磁場は徐々に飽和する。また、磁場印加用コイルが複数存在する場合であって、複数の磁場印加用コイルの印加電流を任意に設定できる場合には、各磁場印加用コイルが発生する磁場が干渉することによって磁場の強さが変化することがある。このため、磁場印加用コイルの印加電流を変化させて溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さを計測することが望ましい。
図1は、磁場印加用コイルを2つ備える鋳型において、一方の磁場印加用コイルの印加電流を一定とし、他方の磁場印加用コイルの印加電流を変化させた場合の空鋳型状態の磁場の強さの計測例を示す図である。なお、図中の1ch〜5chはそれぞれ、水平方向に間隔を空けて鋳型の下端部に設置された磁気センサを表している。本例では、磁気センサの設置場所は鋳型の下端部としたが、静磁場印加装置による磁気勾配の存在する領域内であれば鋳型の任意の位置に設置することができる。
一方の磁場印加用コイルの印加電流を一定とし、他方の磁場印加用コイルの印加電流を変化させた理由は、一方の磁場印加用コイルは電磁ブレーキとしてほぼ一定の印加電流値で動作させ、他方の磁場印加用コイルは操業条件の最適化のために印加電流値を定期的に変動させるような操業を行っているためである。
図1に示すように、他方の磁場印加用コイルの印加電流の変化に伴い磁気センサの検出磁場レベルが変化していることがわかる。従って、空鋳型状態における磁場印加用コイルの印加電流と磁気センサの検出磁場レベルとの関係を予め求めておき、予め求められた関係に基づき操業条件(磁場印加用コイルの印加電流)に対応する磁気センサの検出磁場レベルを逐次算出することによって、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さを求めることができる。
〔溶鋼流速の校正方法〕
本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法では、オシレーション動作に伴う鋳型及び溶鋼の相対変位を利用して溶鋼の流速を測定する。具体的には、昨今の連続鋳造プロセスでは、鋳型表面と溶鋼との焼き付きを防ぐために、溶鋼に鋳造パウダーを投入すると共に鋳型を所定周期で振動させるオシレーション動作を行っている。
このオシレーション動作における鋳型の振動の振幅及び周波数は共に既知であるので、オシレーション動作時における鋳型の変位速度を計算することができる。磁気センサは鋳型と共に振動し、凝固シェルを介した溶鋼は振動しないため、オシレーション動作によって凝固シェル及び溶鋼と磁気センサとは周期的な相対運動をする。このため、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法では、鋳型の変位速度と磁気センサの検出磁場レベルとを比較することによって溶鋼の流速を校正する。
図2は、鋳型がオシレーション動作している際の磁気センサの検出磁場の時間変化を示す図である。図2に示すように、磁気センサの検出磁場レベルは2Hz程度の周波数で変化している。この周波数は、オシレーション動作の周波数に一致し、また鋳造速度に応じて変化する。図3は、鋳型のオシレーション動作を利用した溶鋼流速の校正方法を説明するための模式図である。図3(a)に示すように、本実施形態では、簡単のため鋳型の変位を示す波形W1が正弦波であると仮定する。
鋳型の変位を示す波形W1が正弦波であると仮定した場合、鋳型に設けられた磁気センサの変位x(t)及び変位速度v(t)は以下に示す数式(1),(2)のように表すことができる。ここで、数式(1),(2)中、App,fはそれぞれ、図3(a)に示すように鋳型の変位を示す波形W1の振幅及び周波数を示している。
Figure 0006206352
Figure 0006206352
一方、図3(b)に示すように、オシレーション動作時に磁気センサによって検出される磁場の強さB(t)は、バイアスが乗った周期波形W2であり、以下に示す数式(3)のように表すことができる。ここで、数式(3)中、Bpp,Bmean(t)はそれぞれ、磁気センサによって検出される磁場の強さを示す波形W2の振幅及びバイアス量を表している。また、図3(b)におけるBは、空鋳型状態において磁気センサによって検出される磁場の強さを示し、波形W2の振動領域から外れる場合もあり得る。
Figure 0006206352
なお、振幅Bppの算出方法としては、(a)波形W2のピークトゥピーク値を振幅Bppとする方法、(b)実効値計算によって振幅Bppを算出する方法(波形W2を正弦波と仮定すれば、実効値の√2倍が振幅Bppとなる)、(c)周波数解析によって周波数fに一致する周波数を選択してその振幅を振幅Bppとして算出する方法等を例示できる。また、実用上のバイアス量Bmean(t)としては、例えば1分程度の時間間隔の間の磁場の強さの移動平均値等を採用できる。
上記数式(3)により表される磁場の強さB(t)からバイアス量Bmean(t)を除いた成分(数式(3)の第1項)がオシレーション動作に起因する周期信号成分であると考えられる。従って、以下の数式(4)に示すように、オシレーション動作に起因する周期信号成分に対する数式(2)により表される磁気センサの変位速度v(t)の比を比例定数kとして算出し、算出された比例定数kの逆数を求めることによって、溶鋼の単位流速あたりの変化に対応する磁気センサによって検出される磁場の強さの変化量を求めることができる。これにより、磁気センサの検出磁場レベルから溶鋼の流速を測定することができる。
Figure 0006206352
なお、現実的には、鋳型の変位量を示す波形W1及び検出磁場レベルを示す波形W2は共に純粋な正弦波ではなく、各波形には歪みが含まれているので、最大振幅同士を比較した場合、誤差が生じることが考えられる。しかしながら、基本波のパワーと高調波成分のパワーとの間には1桁以上の差があるため、高調波成分の寄与は小さい。また、波形W1,W2が共に高調波成分を含むとしても、高調波成分毎に数式(4)と同様な除算が成立するので、最大振幅同士を比較すれば良いことは明らかである。
一実施例として、上記方法(b)を用いて検出磁場レベルの振幅Bppを算出すると、検出磁場レベルの振幅Bppは110[Gauss](以下、[G]と表す)であった。この時、オシレーション振幅Appは9[mm]、オシレーション周波数fは1.7[Hz]であったことから、比例定数kは0.87[mm/s・G]と求められた。この比例定数kの逆数は1.15[G・s/mm]であることから、本実施例では、溶鋼の流速が1[mm/s]変化した場合、検出磁場レベルが1.15[G]変化することが確認された。
〔検出磁場レベルの移動平均値〕
一般に、溶鋼の流動は、数秒程度の時定数を持ち、急速には変化しない。例えば溶鋼の偏流等は、ノズルの詰まり等によって発生することがあるため、急速に変化しない。そこで、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法では、オシレーション信号を除去し、一方で湯面レベル変動又は非定常バルジングのような数秒周期の信号を検出するため、移動平均時定数が1[秒]以上10[秒]以下、より望ましくは1[秒]以上5[秒]以下の範囲内にあるフィルタを用いて検出磁場レベルの移動平均値を算出し、算出された移動平均値から溶鋼の流速を算出することが望ましい。
〔具体例〕
図4は、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法によって測定された溶鋼流速の一例を示す図である。図中、上極印加電流は電磁ブレーキ強度に対応し、引き抜き速度は磁気センサに対して溶鋼の下降流として加算される。図4に示すように、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法によれば、図中矢印で示すタイミングにおいて、電磁ブレーキ強度の変化(弱化)に伴い溶鋼の下降流速が大きくなっている。このことから、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法によれば、溶鋼の流速を精度高く測定できることが確認できた。なお、ほぼ同一の鋳造条件において従来技術であるデンドライトの傾角から溶鋼の流速を計測する方法を用いた場合、溶鋼の流速は−30[mm/s]程度と計測され、引き抜き速度を差し引いた本実施例における推定流速と同程度の値であることを確認している。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である溶鋼流速測定方法は、連続鋳造用鋳型を所定の振幅及び周波数で振動させるオシレーション動作を実行しながら、連続鋳造用鋳型内の溶鋼に対して磁場を印加する印加ステップと、磁気センサを利用して連続鋳造用鋳型の周波数と同じ周波数で変化する磁場の強さを検出する検出ステップと、検出ステップにおいて検出された磁場信号中のオシレーション動作に起因する周期信号成分と、オシレーション動作の振幅及び周波数から算出された磁気センサの変位速度と、を用いて、検出ステップにおいて検出される磁場の強さと溶鋼の流速との関係式を算出する関係式算出ステップと、算出された関係式を利用して検出ステップにおいて検出された磁場の強さから溶鋼の流速を算出する流速算出ステップと、を含むので、連続鋳造用鋳型近傍の磁場勾配の存在する領域内の任意の位置における溶鋼の流速を安価、且つ、精度高く測定することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

Claims (5)

  1. 連続鋳造用鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する溶鋼流速測定方法であって、
    前記連続鋳造用鋳型を所定の振幅及び周波数で振動させるオシレーション動作を実行しながら、連続鋳造用鋳型内の溶鋼に対して磁場を印加する印加ステップと、
    鋳型に設置された磁場検出手段を利用して前記連続鋳造用鋳型の振動周波数と同じ周波数で変化する前記磁場の強さを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおいて検出された磁場信号中の前記オシレーション動作に起因する周期信号成分と、前記オシレーション動作の振幅及び周波数から算出された前記検出手段の変位速度と、を用いて、前記溶鋼の単位流速あたりの変化に対応する前記検出ステップにおいて検出される磁場の強さの変化量を算出する算出ステップと、
    前記変化量を利用して前記検出ステップにおいて検出された磁場の強さから溶鋼の流速を算出する流速算出ステップと、
    を含むことを特徴とする溶鋼流速測定方法。
  2. 前記流速算出ステップは、溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さと前記検出ステップにおいて検出された磁場の強さとを用いて前記変化量から溶鋼の流速を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の溶鋼流速測定方法。
  3. 前記連続鋳造用鋳型内に溶鋼及び鋳片がなく、ダミーバーが入っていない状態における磁場の強さを溶鋼の流速がゼロである時の磁場の強さとして算出するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の溶鋼流速測定方法。
  4. 前記検出ステップは、移動平均時定数が1秒以上10秒以下の範囲内にあるフィルタを用いて検出された磁場の大きさの移動平均値を磁場信号として算出するステップを含むことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の溶鋼流速測定方法。
  5. 連続鋳造用鋳型内に注入された溶鋼の流速を測定する溶鋼流速測定装置であって、
    前記連続鋳造用鋳型を所定の振幅及び周波数で振動させるオシレーション動作を実行しながら、連続鋳造用鋳型内の溶鋼に対して磁場を印加する印加手段と、
    鋳型に設置された磁場検出手段を利用して前記連続鋳造用鋳型の振動周波数と同じ周波数で変化する前記磁場の強さを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された磁場信号中の前記オシレーション動作に起因する周期信号成分と、前記オシレーション動作の振幅及び周波数から算出された前記検出手段の変位速度と、を用いて、前記溶鋼の単位流速あたりの変化に対応する前記検出手段によって検出される磁場の強さの変化量を算出する算出手段と、
    前記変化量を利用して前記検出手段によって検出された磁場の強さから溶鋼の流速を算出する流速算出手段と、
    を備えることを特徴とする溶鋼流速測定装置。
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