JP6205863B2 - カラートリートメント - Google Patents
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Description
永久染毛料は、毛髪内部で低分子の色素前駆体を重合させて色調を出すために染毛性が高く、堅牢性(染毛した色が経時とともに変化することなく持続する性能)が高いという長所を有している。しかしながら、頭皮等に対する刺激性を調べるためのパッチテストが事前に必要であり、染毛を行うまでに48時間程度の時間を要するので、手軽さがなく、またアンモニア等のアルカリ剤や過酸化水素等の酸化剤を毛髪に作用させるので、毛髪内ジスルフィド結合の切断等による毛髪損傷を引き起こすという欠点がある。
例えば、特許文献1においては、ニトロ系染料、乳酸、塩化セチルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤等を組み合わせた染毛剤組成物が開示されている。
特許文献2においては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等のカチオン性界面活性剤、高級アルコール、ノニオン界面活性剤、ベンジルアルコールと塩基性染料を組み合わせた頭髪用コンディショング剤が開示されている。
特許文献3においては、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン等のカチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物と直接染料を組み合わせたヘアコンディショニング組成物が開示されている。
また、特許文献4においては、アミノ変性シリコーン、高重合シリコーン類、カチオン性ポリマーと直接染料を組み合わせた染毛剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1の組成物は、髪の指通り性が十分といえず、特許文献2および3の組成物は、髪の損傷度によっては均一に染毛されなかった。また、特許文献4の組成物は、髪のボリュームがなくなるという問題があった。
(a)式(1)で表されるアミン化合物を1〜10質量%
(b)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれる1種類または2種類以上のα−ヒドロキシ酸を0.001〜0.1質量%
(c)塩基性染料およびHC染料から選ばれる1種類または2種以上の染料を0. 2〜2質量%
(d)シリコーンおよびジメチルポリシロキサン骨格にアミノ基、アルキル基、ポリエーテル基、カチオン基を導入したシリコーン誘導体から選ばれる1種類または2種類以上のシリコーン化合物を0.1〜5質量%
なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜5」は2以上5以下を表す。
本発明に用いられる(a)成分は、前記式(1)で表されるアミン化合物である。
前記式(1)において、R1は炭素数11〜23のアルキル基、炭素数11〜23のアルケニル基、炭素数11〜23のヒドロキシアルキル基である。
Lはアミド基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミドアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミドポリオキシアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するポリオキシアルキル基である。nは0または1の整数である。
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜4のポリオキシアルキレン基である。
式(1)で表されるアミン化合物は、1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができる。
本発明に用いられる(b)成分は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれる1種類または2種類以上のα−ヒドロキシ酸である。これらα−ヒドロキシ酸の中でも、毛髪を均一に染める効果があることから、乳酸およびリンゴ酸から選ばれる1種類または2種類以上のα−ヒドロキシ酸を用いることが好ましい。
本発明に用いられる(c)成分は、塩基性染料およびHC染料から選ばれる1種類または2種以上の染料である。塩基性染料は分子内にアミノ基または置換アミノ基を有する直接染料であり、HC染料は分子内にニトロ基を有する直接染料である。塩基性染料およびHC染料は、それぞれ1種類または2種類以上を用いることができる。
HC染料としては、例えば、HC青2、HC青8、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤11、HC赤13、HC青2、HC青18、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄9、HC黄11、HC黄13、HC橙1、HC橙2、HC紫1、HC紫2、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノ−ル等が挙げられる。
本発明に用いられる(d)成分は、シリコーンおよびシリコーン誘導体から選ばれる1種類または2種類以上のシリコーン化合物である。
一般的に「シリコーン」とは、シロキサン結合[−Si(R4R5)−O−]を骨格とし、これに有機の基(R4、R5)としてメチル基、ビニル基、フェニル基などが結合している有機ケイ素化合物のポリマーオルガノポリシロキサンの総称である。本発明においては、化粧料として最も汎用性の高い(R4、R5)がともにメチル基であるジメチルポリシロキサンをシリコーンと称す。
またシリコーン誘導体としては、ジメチルポリシロキサン骨格にアミノ基、アルキル基、ポリエーテル基、カチオン基などを導入した各種変性シリコーンが挙げられる。
シリコーンまたはシリコーン誘導体としては、低分子量のシリコーン油からシリコーングリース、シリコーンゴム、シリコーン樹脂(ケイ素樹脂)といった高分子量のものまで使用できる。本発明においては、毛髪に良好な指通り性を与える効果があることから、平均重合度が500〜10000のシリコーンまたはシリコーン誘導体が好ましく、平均重合度が1000〜5000のシリコーンまたはシリコーン誘導体がさらに好ましい。
なお、シリコーンまたはシリコーン誘導体の平均重合度(分子量)は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)によりポリスチレン換算で測定することができる。
表3および4に示すカラートリートメントを調製し、下記の5項目について下記評価基準により評価を行った。但し、(a)成分として表1に示すアミン化合物を使用し、共通添加成分として表2に示す11成分を使用した。実施例1〜8の評価結果を表3に、比較例1〜8の評価結果を表4にそれぞれ示す。
アミン1:ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド
アミン2:ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド
アミン3:ステアリルジメチルアミン
白髪の目立つ20名の男女(40才〜60才)をパネラーとし、洗髪後の髪にカラートリートメント30gを塗布し10分間放置した。温水ですすぎ、乾かした時の髪の指通りについて下記のように判定し、20名の合計点を求めた。
合計点が30点以上を髪に良好な指通り性を付与するカラートリートメントであると判定した。
2点:髪の指通りがとても滑らかであると感じた場合。
1点:髪の指通りが滑らかであると感じた場合。
0点:髪の指通りが悪いと感じた場合。
◎:合計点が35点以上。毛髪の指通りが非常に良いカラートリートメントである。
○:合計点が30点以上、35点未満。毛髪の指通りが良いカラートリートメントである。
△:合計点が20点以上、30点未満。毛髪の指通りが良くないカラートリートメントである。
×:合計点が20点未満。毛髪の指通りが悪いカラートリートメントである。
白髪の目立つ20名の男女(40才〜60才)をパネラーとし、洗髪後の髪にカラートリートメント30gを塗布し10分間放置した。温水ですすぎ、乾かした時の髪のボリューム感について下記のように判定し、20名の合計点を求めた。
30点以上を髪に適度なボリューム感を与えるカラートリートメントであると判定した。
2点:髪にボリューム感が十分に付与されたと感じた場合。
1点:髪にボリューム感がやや付与されたと感じた場合
0点:髪にボリューム感が付与されたと感じられなかった場合
◎:合計点が35点以上。毛髪にボリューム感を十分に付与するカラートリートメントである。
○:合計点が30点以上、35点未満。毛髪にボリューム感を適度に付与するカラートリートメントである。
△:合計点が20点以上、30点未満。毛髪にボリューム感をほとんど付与しないカラートリートメントである。
×:合計点が20点未満。毛髪にボリューム感を全く付与しないカラートリートメントである。
白髪の目立つ20名の男女(40才〜60才)をパネラーとし、洗髪後の髪にカラートリートメント30gを塗布し10分間放置した後、温水ですすぎ、乾かした。前記作業を1日1回、7日間連続で行った時の毛髪への染毛性について下記のように判定し、20名の合計点を求めた。
30点以上を髪への染まりが良好なカラートリートメントであると判定した。
2点:髪への染まりが良く、白髪が目立たなくなったと感じた場合。
1点:髪への染まりがやや良く、白髪がやや目立たなくなったと感じた場合。
0点:髪への染まりが悪く、白髪が目立つと感じた場合。
◎:合計点が35点以上。毛髪への染毛性が非常に良好なカラートリートメントである。
○:合計点が30点以上、35点未満。毛髪への染毛性が良好なカラートリートメントである。
△:合計点が20点以上、30点未満。毛髪への染毛性が不十分なカラートリートメントである。
×:合計点が20点未満。毛髪への染毛性が不良なカラートリートメントである。
市販の人毛白髪1g(ビューラックス社製)について、ドライヤーの熱風を当てながら櫛によるブラッシングを1000回行った毛束を損傷人毛白髪とした。人毛白髪および損傷人毛白髪について、カラートリートメントを1g塗布し、30℃で10分放置した後、温水ですすぎ、乾かした。色差計(CM−2600d、コニカミノルタ社製)を用いて各人毛白髪の色を測定し、人毛白髪と損傷人毛白髪との色差を下記のように判定した。
「◎」および「○」を損傷度によらず毛髪を均一に染色することができるカラートリートメントであると判定した。
◎:色差が10未満であった場合。
○:色差が10以上20未満であった場合。
△:色差が20以上30未満であった場合。
×:色差が30以上であった場合。
市販の人毛白髪1g(ビューラックス社製)について、カラートリートメントを1g塗布し、30℃で10分放置した後、温水ですすぎ、乾かした。色差計(CM−2600d、コニカミノルタ社製)を用いて処理前の色を測定した後、10質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液中で10分間超音波処理し、温水ですすぎ、乾かす処理を7回繰り返した。処理後の色を同様に測定し、処理前と処理後の色差を下記のように判定した。
「◎」および「○」を染色された毛髪の色持ちが良いカラートリートメントであると判定した。
◎:色差が10未満であった場合。
○:色差が10以上20未満であった場合。
△:色差が20以上30未満であった場合。
×:色差が30以上であった場合。
つまり、比較例1では(a)成分とは異なる成分を使用しているため、髪の指通り性が良好でなく、染色された毛髪の色持ちが悪かった。
比較例2では(a)成分および(c)成分がそれぞれ10質量%、2質量%を超えて配合されているため、髪の指通り性が悪く、毛髪を均一に染色することができず、染色された毛髪の色持ちが悪かった。
比較例3では(b)成分と異なる成分を使用しているため、髪に適度なボリューム感を与えることができず、毛髪を均一に染色することができず、染色された毛髪の色持ちが悪かった。
比較例4では(b)成分が0.1質量%を超えて配合されており、c/bが10未満であるため、毛髪への染毛性が悪く、毛髪を均一に染色することができなかった。
比較例6では(d)成分が配合されていないため、髪の指通り性が悪く、染色された毛髪の色持ちが悪かった。
比較例7では(d)成分が5質量%を超えて配合されているため、髪に適度なボリューム感を与えることができず、毛髪への染毛性が悪かった。
比較例8では(a)成分と(c)成分の質量比a/cが10を超えているため、毛髪を均一に染色することができなかった。
Claims (1)
- 以下の(a)〜(d)成分を含有し、(c)成分に対する(a)成分の質量比が1≦a/c≦10であり、(b)成分に対する(c)成分の質量比が10≦c/b≦100であることを特徴とするカラートリートメント。
(a)式(1)で表されるアミン化合物を1〜10質量%
(b)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれる1種類または2種類以上のα−ヒドロキシ酸を0.001〜0.1質量%
(c)塩基性染料およびHC染料から選ばれる1種類または2種以上の染料を0. 2〜2質量%
(d)シリコーンおよびジメチルポリシロキサン骨格にアミノ基、アルキル基、ポリエーテル基、カチオン基を導入したシリコーン誘導体から選ばれる1種類または2種類以上のシリコーン化合物を0.1〜5質量%
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