JP6204685B2 - ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6204685B2 JP6204685B2 JP2013080798A JP2013080798A JP6204685B2 JP 6204685 B2 JP6204685 B2 JP 6204685B2 JP 2013080798 A JP2013080798 A JP 2013080798A JP 2013080798 A JP2013080798 A JP 2013080798A JP 6204685 B2 JP6204685 B2 JP 6204685B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aromatic compound
- vinyl aromatic
- block copolymer
- copolymer rubber
- conjugated diene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
〔1〕
ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85となり、
(e)ベール状における10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm 2 となる、
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
〔2〕
前記ビニル芳香族化合物ブロックの含有量が、前記ビニル芳香族化合物単位全体の55〜85質量%である、前項〔1〕に記載のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
〔3〕
前記ビニル芳香族化合物ブロックの少なくとも1ブロックのピークトップ分子量が、30,000以上100,000以下である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
〔4〕
クラム形状における、篩の目開き2mmを通過しないクラムの比率が75質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビニル芳香族化合物−共役ジェンブロック共重合体ゴム。
〔5〕
ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85となり、
(e)ベール状における10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm 2 となる、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムと、ビニル芳香族化合物及び/又はビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体と、の混合物を塊状重合、塊状懸濁重合又は溶液重合する、ビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。
〔6〕
前記ビニル芳香族化合物ブロックの含有量が、前記ビニル芳香族化合物単位全体の55〜85質量%である、前項〔5〕に記載のビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。
〔7〕
前記ビニル芳香族化合物ブロックの少なくとも1ブロックのピークトップ分子量が、30,000以上100,000以下である、前項〔5〕又は〔6〕に記載のビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。
本実施形態のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムは、
ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85となり、
(e)ベール状における10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm2となる。
本実施形態におけるビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム(以下、「ブロック共重合体ゴム)ともいう。)は、ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有する。ビニル芳香族化合物単位としては、特に限定されないが、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。また、共役ジエン単位としては、特に限定されないが、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン等が挙げられる。ここで、「単位」とは、ブロック共重合体ゴムを構成する繰り返し単位をいい、例えばビニル芳香族化合物単位とはビニル芳香族化合物モノマー由来の繰り返し単位をいい、共役ジエン単位とはモノマー由来の繰り返し単位をいう。
本実施形態のブロック共重合体ゴムのビニル芳香族化合物単位の含有量は、28〜45質量%であり、30〜43質量%であることがより好ましく、34〜41質量%であることがさらに好ましい。ビニル芳香族化合物単位の含有量が、28質量%以上であれば、ビニル芳香族化合物系樹脂の外観がより優れる傾向にある。また、45質量%以下であれば耐衝撃性をより改良できる傾向にある。
本実施形態において、ブロック共重合体ゴムのピークトップ分子量は、100,000〜500,000であり、200,000〜450,000であることがより好ましく、250,000〜400,000であることがさらに好ましい。ブロック共重合体ゴムのピークトップ分子量が100,000以上であれば、ビニル芳香族化合物系樹脂の耐衝撃性をより改善することができる傾向にある。また、ピークトップ分子量が500,000以下であればベール溶解性により優れる傾向にある。具体的には工業的規模でビニル芳香族化合物系樹脂を製造する際に、ブロック共重合体ゴムの溶解工程の時間が短くなり、さらに溶液が低粘度となり、移送エネルギーが小さくなる傾向にある。ブロック共重合体ゴムのピークトップ分子量は、GPCによる測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線を使用して測定することができる。
本実施形態のブロック共重合体ゴムはビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有する。ビニル芳香族化合物ブロックの少なくとも1ブロックのピークトップ分子量は30,000以上100,000以下であることが好ましく、40,000〜95,000であることがより好ましく、40,000〜90,000であることがさらに好ましい。30,000以上であれば、分散ゴム粒子径の制御がより容易となる傾向にあり、所望の耐衝撃性を有するビニル芳香族化合物系樹脂を得ることができる。100,000以下であれば、ベール成形体の曲げ弾性率が低くなる傾向にあり、ベール粉砕性がより向上する傾向にある。
本実施形態のブロック共重合体ゴムは、特に限定されないが、具体的には、有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、炭化水素溶媒中において製造することができる。用いる有機リチウム化合物は、特に限定されないが、具体的には、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した化合物が挙げられ、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、有機リチウム化合物は、ブロック共重合体ゴムの重合途中で一回以上分割添加してもよい。
スチームストリッピング等の脱溶剤工程後に、押出機或いは熱風乾燥や真空乾燥されたクラム状のブロック共重合体ゴムを、ベール成形機で成形することでベール状(以下、「ベール成形体」ともいう)のブロック共重合体ゴムとすることができる。
本実施形態のブロック共重合体ゴムは、ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85となり、0.65〜0.84であることが好ましく、0.68〜0.82であることがより好ましい。見かけ密度が0.60以上であればベールは壊れにくく、輸送時にも破壊しにくくなり操作性がより高くなる傾向にある。また、0.85以下であれば、ベール粉砕機で粉砕する時に負荷が小さくなりベール粉砕性により優れる傾向にあり、またビニル芳香族化合物への溶解時間が短くなりベール溶解性により優れる傾向にある。なお、見かけ密度は実施例に記載の方法により測定することができる。また、見かけ密度はベール成形時の圧力により制御することができ、ベール成形時の圧力を低くすることにより小さくなる傾向にあり、ベール成形時の圧力を高くすることにより大きくなる傾向にある。
本実施形態のブロック共重合体ゴムは、ベール状での10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm2であり、6〜18kgf/cm2であることが好ましく、7〜16kgf/cm2であることがより好ましい。10℃での曲げ弾性率が5kgf/cm2以上であればベールは壊れにくく、輸送時に破壊しにくくなり操作性により優れる傾向にある。20kgf/cm2以下であれば、ベール粉砕機で粉砕する時に食い込みがよく、負荷が小さくなり、ベール粉砕性により優れる傾向にあり、またビニル芳香族化合物への溶解時間が短くなりベール溶解性により優れる傾向にある。なお、曲げ弾性率は実施例に記載の方法により測定することができる。また、曲げ弾性率は、ベール成形時の圧力とその成形時間により制御することができ、ベール成形時の圧力を低くするか成形時間を短くすることにより小さくなる傾向にあり、ベール成形時の圧力を高くするか成形時間を長くすることにより大きくなる傾向にある。
本実施形態のビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法は、
ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状での見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85であり、
(e)ベール状での10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm2である、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムと、ビニル芳香族化合物及び/又はビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体と、の混合物を塊状重合、塊状懸濁重合又は溶液重合する。
また、ビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のニトリル系単量体、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸メチルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα、β―不飽和酸系単量体、フェニルマレイミド等が挙げられる。
すなわち、上記ブロック共重合体ゴムをビニル芳香族系単量体、例えばスチレン単量体に溶解し、先の塊状重合の場合と同様に無触媒下で加熱重合又は触媒添加重合し、ビニル芳香族系単量体、例えばスチレンの好ましくは50質量%以下、より好ましくは10〜40質量%までを部分的に重合させる。これが前半の塊状重合である。
次いで、この部分的に重合した混合物を、懸濁安定剤又はこれと界面活性剤の両者の存在下で、水性媒体中に撹拌下に分散させ、反応の後半を懸濁重合することで完結させ、洗浄、乾燥し、必要によりペレット又は粉末化する。
実施列及び比較例における測定は次のようにして行った。
1.ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムの結合スチレン含有量の測定
結合スチレン含有量は、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムを検体として、試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン含有量(wt%)を測定した。(JASCO製:V−550)
ビニル芳香族化合物ブロックの含有量は、L.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.,1,429(1948)に記載されるオスミウム酸分解法に従って測定した。より具体的には、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体0.05gをクロロホルム10mlに溶解し、tert−ブチルハイドロパーオキサイドの69%水溶液16mlと四酸化オスミウムの0.05%クロロホルム溶液4mlを加え、90℃バス中にて12分間還流させて酸化分解反応を行った。反応終了後、反応溶液を冷却し、該反応溶液中にメタノール200mlを攪拌下に加えてビニル芳香族化合物ブロック成分を沈殿させ、これを5μmのガラスフィルターにて濾別し、得られたものの重量をビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体中の全ビニル芳香族単位の含有量に対する割合で示した。
GPC(装置は東ソー社製HLC−8320GPC EcoSECであり、カラムはTSKgel SuperMultipore2本、溶媒はテトラヒドロフランを使用し、測定条件は、温度35℃、流速0.4mL/分、試料濃度0.1質量%、注入量50μLである。)のクロマトグラフを測定した。分子量が既知の市販の標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、得られたGPCクロマトグラムから、ピークトップ分子量を求めた。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム5gをスチレン95gに溶解し、測定温度25℃にて、キャノンフェンスケタイプの粘度計(草野科学器械製作所製、製品名:キャノンフェンスケ No.300)で測定した。
JIS Z8801のふるいの目の開きが5.6mm、3.35mm、2.00mmを使用して、ふるいの目の開きが2.00mmを通過した重量比率を測定した。
ベール成形用金型(長さ70cm、幅35cm)にビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムのクラムを30kg投入し、圧縮圧力;140〜250kg/cm2、圧縮時間;15〜60秒間、圧縮温度;60℃、の条件で成形し、得られた加圧成形体の表面状態を下記基準で評価した。
◎;表面を手で触ってもゴムがバラバラにならない、
○;表面を手で触るとゴムが粉末状に僅かに削れる、
×;表面を触るとゴムがバラバラと欠けやすく、ベールが割れやすい。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムをベール成形機で成形したベール成形体の重量とベール成形体寸法から体積を算出し、見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)を求めた。
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムをベール成形機で成形したベール成形体を包丁で、長さ150mm、幅20mm、厚み10mmに切り出し、曲げ弾性試験片とした。
サンプル試験片は5点切り出し、その5点の曲げ弾性率を測定し5点の平均値を求めた。
試験機器:NMB TG−5kN(恒温槽使用)
試験温度:10℃
試験条件:恒温槽(10℃)内に、サンプル試験片を20分間放置後、測定実施。
(1)試験速度:5mm/min
(2)支点間距離:51mm
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムをベール成形機で成形したベール成形体(35kg)をリーツカッターに投入し粉砕させた。その粉砕時のリーツカッターの平均電流値から粉砕性を評価した。
◎;平均電流値20A以上40A未満 リーツカッターでのベール粉砕時の負荷が小さい。
○;平均電流値40A以上60A未満 リーツカッターでのベール粉砕時の負荷が問題ない。
×;平均電流値60A以上 リーツカッターでのベール粉砕時の負荷が大きい。
ベール成形体をサイコロ状にカットし、重量を2.5gにしたものをスチレンモノマー17.5gに(100mlサンプル管瓶)にて溶解させたときの溶解時間を溶解性の評価に用いた。25℃で縦式往復振とう機(200rpm)にて振とうさせ、サイコロ状にカットされたビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムのベール片が完全に溶解するまでの時間を測定時間とした。
◎;溶解時間10時間未満
○;溶解時間10以上15時間未満
×;溶解時間15時間以上
1.アイゾット衝撃強度(Izod)
射出成型した厚さ3.2mmの試験片(ノッチあり)を用いて、JIS−K−7110に従って測定した。
射出成型した試験片を用いて、ASTMD−523に従ってゲート部とエンドゲート部の光沢度(入射角60°)を測定し平均した。
(ブロック共重合体の製造例)
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、表1に記載の各成分を添加して共重合を行なった。精製シクロヘキサン45,000g、テトラヒドロフラン(THF)6.6g、スチレン1,600gと1,3−ブタジエン6100gを仕込み、100rpmで混合攪拌し重合開始温度を45℃に調整した。20質量%のn−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(n−ブチルリチウム4.5g)を添加し、重合を開始した。初期仕込みのスチレンと1,3−ブタジエンの重合後(重合温度上昇ピーク後)に、スチレン2,300gを添加し、完全に重合させた。重合後にメタノール2.0gを添加し重合終了させた。この重合体を反応器より抜き出し、安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体の重量に対して0.3質量%と2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを重合体の重量に対して0.1質量%添加した。同様に重合を4回行い、安定剤を添加し、4回分の重合体ゴム溶液をブレンドした。さらに、得られた重合体ゴム溶液を攪拌下熱湯中に投下して、純水を用いてスチームストリッピング法により溶媒を除去した後、真空乾燥処理して、クラム状のスチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを得た。約38kgであった。
実施例1のブロック共重合体ゴムの特性及びベール成形後の特性を表2に示す。
実施例1と同様の手法にて、表1に記載した重合条件により、実施例2、4、5及び比較例1、2のクラム状のスチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム各38kgを得た。
実施例2、4、5及び比較例1、2のブロック共重合体ゴムの特性及びベール成形後の特性を表2に示す。
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、表1に記載の重合操作工程順にて、共重合を行なった。精製シクロヘキサン45,000g、テトラヒドロフラン(THF)6.6g、スチレン3,100gと1,3−ブタジエン6,900gを仕込み、100rpmで混合攪拌し重合開始温度を45℃に調整した。20質量%のn−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(n−ブチルリチウム5.6g)を添加し、重合を開始した。
実施例3のブロック共重合体ゴムの特性及びベール成形後の特性を表2に示す。
スチームストリッピング時に熱湯中にアニオン型界面活性剤としてスチレン・無水マレイン酸共重合体物ナトリウム塩(ポリスターSMX−1H)を熱水に対して、30ppm添加し、篩いの目開き2mm以下のクラム形状比率を高めた以外は、実施例1と同様の手法にて、表1に記載した重合条件により、比較例3〜5のクラム状のスチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム各38kgを得た。
比較例3〜5のブロック共重合体ゴムの特性及びベール成形後の特性を表2に示す。なお、比較例3,4はベールが割れてしまい曲げ弾性率の測定はすることができなかった。
(塊状重合法によるゴム補強ビニル芳香族化合物系樹脂の製造例)
実施例1のブロック共重合体6.57質量部及び「ジエン55AE」(商品名、旭化成ケミカルズ製、5%スチレン溶液粘度(SV)が170mPa・s、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が55であるポリブタジエンゴム)4.0質量部をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形(ノズル先端温度=220℃、射出圧力=SSP+5kg/cm2、金型温度=60℃)して試験片を作製し、物性を測定した。その結果を表3に示す。
実施例1のブロック共重合体8.22質量部及び「ジエン55AE」3.0質量部をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形ノズル先端温度=220℃、射出圧力=SSP+5kg/cm2、金型温度=60℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表3に示す。
実施例1のブロック共重合体11.84質量部及び「ジエン55AE」0.8質量部をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形ノズル先端温度=220℃、射出圧力=SSP+5kg/cm2、金型温度=60℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表3に示す。
「ジエン55AE」8.0質量部をスチレン92質量部とエチルベンゼン5質量部に溶解し、120℃で6時間撹拌下に重合を行った。その後、撹拌はせずに、135℃、150℃、170℃で各2時間重合を行なった。更に220℃で30分間加熱処理を行い、冷却後5mmφメッシュサイズの粉砕機で粉砕し、80℃で3時間減圧乾燥し、ゴム補強ポリスチレン樹脂を得た。この粉砕品を射出成形ノズル先端温度=220℃、射出圧力=SSP+5kg/cm2、金型温度=60℃)して試験片を作成し、物性を測定した。その結果を表3に示す。
Claims (7)
- ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.85となり、
(e)ベール状における10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm2となる、
ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。 - 前記ビニル芳香族化合物ブロックの含有量が、前記ビニル芳香族化合物単位全体の55〜85質量%である、請求項1に記載のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
- 前記ビニル芳香族化合物ブロックの少なくとも1ブロックのピークトップ分子量が、30,000以上100,000以下である、請求項1又は2に記載のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
- クラム形状における、篩の目開き2mmを通過しないクラムの比率が75質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム。
- ビニル芳香族化合物単位と共役ジエン単位とを有し、
(a)前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が28〜45質量%であり、
(b)ピークトップ分子量が100,000〜500,000であり、
(c)ビニル芳香族化合物ブロックを少なくとも1ブロック有するものであり、
(d)ベール状における見かけ密度(ベールの重量/ベールの体積)が0.6〜0.8
5となり、
(e)ベール状における10℃での曲げ弾性率が5〜20kgf/cm2となる、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴムと、ビニル芳香族化合物及び/又はビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体と、の混合物を塊状重合、塊状懸濁重合又は溶液重合する、ビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。 - 前記ビニル芳香族化合物ブロックの含有量が、前記ビニル芳香族化合物単位全体の55〜85質量%である、請求項5に記載のビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。
- 前記ビニル芳香族化合物ブロックの少なくとも1ブロックのピークトップ分子量が、30,000以上100,000以下である、請求項5又は6に記載のビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013080798A JP6204685B2 (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013080798A JP6204685B2 (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014201704A JP2014201704A (ja) | 2014-10-27 |
JP6204685B2 true JP6204685B2 (ja) | 2017-09-27 |
Family
ID=52352445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013080798A Active JP6204685B2 (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6204685B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2630955B2 (ja) * | 1987-09-16 | 1997-07-16 | 日本エラストマー株式会社 | ブタジエンースチレンブロック共重合体 |
JPS6474209A (en) * | 1987-09-17 | 1989-03-20 | Nippon Elastomer Kk | Impact-resistant styrenic resin and manufacture thereof |
JP2662962B2 (ja) * | 1987-12-28 | 1997-10-15 | 日本エラストマー株式会社 | 耐衝撃性スチレン系樹脂及びその製造方法 |
JP3985293B2 (ja) * | 1997-01-24 | 2007-10-03 | 日本ゼオン株式会社 | ブロック共重合体及びその製造方法 |
JP4029471B2 (ja) * | 1997-05-22 | 2008-01-09 | 日本ゼオン株式会社 | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及びその製造方法 |
-
2013
- 2013-04-08 JP JP2013080798A patent/JP6204685B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014201704A (ja) | 2014-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5608370B2 (ja) | カルボキシラートで停止した重合体、及びその耐衝撃性改質プラスチック分野への使用 | |
JPH08143636A (ja) | モノビニル芳香族および共役ジエンモノマーのブロックコポリマーの製造方法 | |
JP6594305B2 (ja) | モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー、および該ブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとを含むポリマー組成物 | |
JP7520178B2 (ja) | 耐熱スチレン系樹脂組成物、押出シート、成形品 | |
JPWO2007013541A1 (ja) | ブロック共重合体とその製造方法、樹脂改質用組成物、および改質樹脂組成物とその製造方法 | |
TWI553052B (zh) | A thermoplastic resin composition, and a molded article and a method for producing the same | |
JP2008514746A (ja) | 非対称直鎖テーパー状モノアルケニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマー | |
TWI564309B (zh) | 耐熱性苯乙烯共聚物及包含彼之苯乙烯樹脂組成物 | |
KR20170102538A (ko) | 블록 공중합체 조성물, 성형 재료, 수지 조성물 및 성형체 | |
JP6010320B2 (ja) | 選択部分水添された分岐状共役ジエン重合体及びこれを用いたビニル芳香族系樹脂の製造方法 | |
JP6204685B2 (ja) | ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体ゴム及びビニル芳香族化合物系樹脂組成物の製造方法 | |
US6143832A (en) | Aromatic vinyl-conjugated diene block copolymer and production process thereof | |
US20080051510A1 (en) | Asymmetric Linear Tapered Monoalkenyl Arene-Conjugated Diene Block Copolymers | |
JP3985293B2 (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法 | |
JP3629872B2 (ja) | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法 | |
WO2018166958A1 (en) | Very soft, non-sticky and transparent styrenic thermoplastic elastomer composition | |
JP6960287B2 (ja) | ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法、シート及びその成形品 | |
JP6568275B2 (ja) | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 | |
JP2014108978A (ja) | スチレン系樹脂補強用ゴム組成物 | |
JP2015059214A (ja) | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 | |
JP4029471B2 (ja) | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及びその製造方法 | |
JPH09302171A (ja) | 星型分岐ポリスチレンを含有する樹脂組成物 | |
JPS6023692B2 (ja) | 耐衝撃性ポリスチレン組成物を製造する方法 | |
JPH09302051A (ja) | 高光沢耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 | |
KR100820445B1 (ko) | 열가소성 수지 조성물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170314 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170808 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170901 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6204685 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |