(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示装置の概略構成を表す図である。図1において、画像表示装置11は、映像信号処理部1191、システム制御部1199、ローカルディミング(以下、LDという)制御装置11a、表示部1104,バックライト1112を含む。そして、画像表示装置11は、映像出力装置12から入力される映像信号(画像データ)に基づく映像を表示する。映像出力装置12は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)やDVDプレーヤなどである。
バックライト1112は、独立に発光を制御可能な複数の光源ブロックに分割される。本実施例では、バックライト1112(発光部)の発光は、1以上の光源ブロックからなるLDブロック(発光制御ブロック)単位で制御される。つまり、バックライト1112は、後述の図7の左図に示されるように、2以上のLDブロックに分割され、LDブロック毎(発光制御ブロック毎)に独立に発光が制御される。バックライト1112のLDブロックによる分割のしかたは可変である。
表示部1104は透過型液晶パネルを使用した表示器であって、本実施例では、横1920ピクセル×縦1080ピクセルの画素数とする。表示部1104は、入力された映像データを順次液晶へ書き込み、バックライト1112からの光の透過率を画素毎に調節することによって、映像を表示する。表示部1104の表示領域は、バックライト1112の発光の制御単位であるLDブロックの各々に対応する2以上の分割エリアにより分割される。従って、表示部1104の分割エリアによる分割のしかたは、バックライト1112のLDブロックによる分割のしかたに応じて可変である。
LD制御装置11aのバッファ部1101は、入力される映像データをフレーム単位で一時的に保持し、保持しているフレーム画像データを輝度補正部1102、フレーム比較部1106、LD輝度算出部1107(LD輝度決定部)へ出力する。
輝度補正部1102は、LD輝度情報保持部1108より入力したLDブロック毎のLD輝度(発光輝度)の情報であるLD輝度情報に基づき、前記バッファ部1101より入力されるフレーム画像データの輝度を分割エリア毎に補正し、表示部1104へ出力する。輝度補正部1102は、例えば、LD輝度が低いLDブロックに対応する分割エリアの画素データに対し、発光輝度を上げる補正を行うことにより、元のフレーム画像データにおいて想定されていた発光輝度で画像の表示が行われるようにする。
フレーム比較部1106は、映像信号処理部1191より入力されるフレーム画像データとバッファ部1101より入力される一時保存されたフレーム画像データとを比較し、両者が同一であるか否か判定し、判定結果をLDブロック可変制御部1109(発光制御ブロック設定部)へ出力する。具体的には、該両者のフレーム画像データの画素値を画素単位で比較し、フレーム画像データ全体において画素値が変化した画素数(画像の動き量)が所定の閾値A以下である場合には静止画像と判定することができる。そして、当該画素数が所定の閾値Aより多ければ動画像と判定することができる。つまり、本実施例では、画像の動き量から、動画像か静止画像かを判定する。なお、理論上、静止画像であれば時間的に隣り合う2つのフレーム画像データ間(フレーム間)で画素値が変化した画素の数は0であり、閾値Aは0とするべきである。ところが、画像表示装置自体で発生するノイズや映像信号入力時に用いられる映像出力装置12と画像表示装置11とを接続するケーブルの品質などによる外的要因により、静止画像であってもフレーム間で画素値が変化する画素が存在する場合がある。このような場合を考慮して、所定の閾値Aを0よりも大きく設定することが好ましい。
LD輝度算出部1107は、フレーム画像データに基づいて、発光制御ブロック毎(LDブロック毎)の発光輝度を算出し、決定する。具体的には、LD輝度算出部1107は、LDブロック可変制御部1109からバックライト1112のLDブロックによる分割数(ブロック分割数という)の情報を入力し、バッファ部1101から読み出したフレーム画像データを分割エリア毎に解析する。LD輝度算出部1107は、例えばヒストグラム演算により分割エリア毎の輝度を算出し、各分割エリアの輝度に応じて各分割エリアに対応するLDブロックの発光輝度(LD輝度)を決定する。LD輝度算出部1107は、決定したLD輝度の情報(LD輝度情報)をLD輝度情報保持部1108へ出力する。また、LD輝度算出部1107は、あるフレームのLD輝度の算出を開始してから1フレーム経過時にLD輝度の算出が完了したLDブロックの数(LD輝度算出完了ブロック数という)の情報をLDブロック可変制御部1109へ出力する。また、LD輝度算出部1107は、あるフレームのLD輝度の算出が完了した際の完了通知をLDブロック可変制御部1109へ出力する。
LD輝度情報保持部1108は、前記LD輝度算出部1107から入力されたLD輝度情報を一時的に記憶する。LD輝度情報保持部1108は、LD輝度算出部1107から入力される最新のLD輝度情報を、輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力する。
ここで、LD輝度情報保持部1108が、あるフレーム0についてLD輝度算出部1107がブロック分割数DIV0で算出したLD輝度情報LD0を、保持しているとする。
フレーム0の次のフレーム1がフレーム0と同一でない場合(動画像データの場合)、LD輝度情報保持部1108は、フレーム1についてLD輝度算出部1107がブロック分割数DIV1で算出したLD輝度情報LD1を取得し、保持する。そして、LD輝度情報保持部1108は、取得したLD輝度情報LD1を輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力する。
一方、フレーム0の次のフレーム1がフレーム0と同一の場合(静止画像データの場合)、LD輝度情報保持部1108は、以下の2通りの動作をする。
フレーム1についてLD輝度算出部1107が第1のブロック分割数DIV1より多い第2のブロック分割数DIV2でのLD輝度情報LD2の算出を完了している場合、LD輝度情報保持部1108は、該LD輝度情報LD2を取得し、保持する。そして、LD輝度情報保持部1108は、取得したLD輝度情報LD2を輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力する。
一方、フレーム1についてLD輝度算出部1107が第2のブロック分割数DIV2でのLD輝度情報LD2の算出を完了していない場合、次のような動作となる。すなわち、第2のブロック分割数DIV2でのLD輝度情報LD2の算出が完了するまでの期間、LD輝度情報保持部1108は、保持しているLD輝度情報LD0を輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力する。
LDブロック可変制御部1109は、バックライト1112を分割するLDブロックの数であるブロック分割数を変更可能である。つまり、LDブロック可変制御部1109は、1または複数の光源を共通の発光輝度で制御するように、発光制御ブロックの設定を行う。LDブロック可変制御部1109は、ブロック分割数の初期値を決定するために、映像信号処理部1191より入力される映像データS101の画素数とフレーム周期を検知する。LDブロック可変制御部1109は、遅延時間が、例えば2フレームである場合、検知した画素数及びフレーム周期に基づき、入力から2フレーム以内にLD輝度の算出を完了できるようなブロック分割数を求める。そして、LDブロック可変制御部1109は、動画像データの表示時に適用する所定のブロック分割数を決定する。なお、遅延時間とは、フレーム画像データが入力されてから表示されるまでの時間である。LDブロック可変制御部1109は、決定したブロック分割数を最新のブロック分割数として保持し、LD輝度算出部1107へ出力する。LDブロック可変制御部1109は、記憶部1110に記憶されているブロック分割数テーブル(後述)を参照して、入力する映像データの画素数及びフレーム周期に応じたブロック分割数を決定する。
また、LDブロック可変制御部1109は、フレーム比較部1106から、映像信号処理部1191から入力される現フレームのフレーム画像データとバッファ部1101から入力される前フレームのフレーム画像データとが同一か否かの判定結果を取得する。LDブロック可変制御部1109は、取得した判定結果に応じて、ブロック分割数の変更の要否を判断する。具体的には、LDブロック可変制御部1109は、現フレームが前フレームと同一の場合、ブロック分割数を増加させ、現フレームが前フレームと異なる場合、ブロック分割数を変更しない。LDブロック可変制御部1109は、ブロック分割数の変更が必要と判断した場合、ブロック分割数テーブルに基づき最新のブロック分割数を決定し、保持し、LD輝度算出部1107へ出力する。
LDブロック可変制御部1109は、LD輝度算出部1107から、あるフレームのLD輝度の算出を開始してから1フレーム経過時にそのフレームのLDブロックのうちLD輝度の算出が完了したLDブロックの数の情報を取得する。LDブロック可変制御部1109は、1フレーム経過時にまだLD輝度の算出が完了していないLDブロック数に応じて、残り1フレーム以内でLD輝度の算出を完了できるように、ブロック分割数テーブルに基づき、ブロック分割数を必要に応じて修正する。
具体的には、1フレーム経過時のLD輝度算出完了ブロック数がブロック分割数の半分以上の場合、LDブロック可変制御部1109は、ブロック分割数の修正を行わない。それ以外の場合、LDブロック可変制御部1109は、残り1フレーム以内でLD輝度の算出が完了できるようにブロック分割数を少なくする修正を行う。詳細は後述する。LDブロック可変制御部1109は、該修正されたブロック分割数の情報をLD輝度算出部1107へ出力する。さらに、LDブロック可変制御部1109は、次のフレームに適用するブロック分割数をブロック分割数テーブルに基づき決定し、最新のブロック分割数を更新、保持し、LD輝度算出部1107へ出力する。
ブロック分割数テーブルは、フレーム画像データの画素数と、ブロック分割数と、LD輝度の算出処理の完了のための所要時間として想定される最大値と、の対応関係を表すテーブルである。図2にブロック分割数テーブルの例を示す。図2において、最も左の列は本画像表示装置で可能なブロック分割数を表し、最も上の行はフレーム画像データの画素数を表す。例えば、画素数が横1920ピクセル×縦1080ピクセル、ブロック分割数が横240×縦135の32400分割の場合の、LD輝度の算出処理の完了に要する時間として想定される最大値はt_2_Qである。詳細は後述する。
バックライト制御部1111は、LD輝度情報保持部1108よりLD輝度情報を入力し、LD輝度情報に基づいてLDブロック毎にバックライト1112の発光を制御する。
バックライト1112は、表示部1104の背面に配置され、光源(発光素子)としてLEDを用いた直下型バックライトである。バックライト1112を構成する複数の光源ブロックの発光は、バックライト制御部1111により各々独立に制御される。各光源ブロックは1以上のLEDからなる。同一の光源ブロックに属するLEDは直列又は並列接続され同一の制御信号(例えば同一周期、同一デューティ比のPWM信号)に従って発光する。LEDへの輝度データの書き込みは、従来よりある、ライン走査制御により行われる。該ライン走査は複数ラインの同時走査が可能となっており、LDブロックによる分割が粗い場合(ブロック分割数が少なく個々のLDブロックが大きい場合)、複数のラインを同時走査することで、LED書き込み時間を短くすることができる。本実施例では、バックライト1112は横480セグメント、縦270ラインの計129600個の光源ブロックに分割されており、ブロック分割数の最大値は横480×縦270の129600分割である。この場合、各LDブロックは1個の光源ブロックから構成される。最小のブロック分割数は横1×縦2、又は横2×縦1であり、この場合、LDブロックは2個となる。なお、LDブロックによる分割を行わない場合は、LDブロックは1個で、このLDブロックは129600個の光源ブロックから構成されると考えてもよい。
映像信号処理部1191は、画像表示装置11のLD制御以外の種々の画像処理、例えば、映像データの輝度、色度、画素数などに関わる処理や同期制御などを行う。
システム制御部1199は、画像表示装置11の全体の動作を統括的に制御する。システム制御部1199は、例えば、電源の制御、映像信号の切替え、ユーザ操作に応じた処理の制御を行う。
本実施例の画像表示装置は、入力したフレームに対してLD輝度の算出が2フレーム以内で完了し、入力したフレームが2フレーム遅延したタイミングで表示部1104に表示されるよう動作する。
図3は、連続する2つのフレームが同一でない場合、すなわち、入力される映像が動画像の場合のLD制御のタイミングを説明するための図である。図3では、入力から表示までの遅延を2フレームとする場合の例を示している。フレームF(i)が入力されたときに、2フレーム以内にLD輝度情報の算出を完了できるブロック分割数としてLDブロック可変制御部1109により決定されたブロック分割数をDIV(i)とする。図3に示す例では、入力されるフレームF(i)の画像データに基づき、2フレーム以内でLD輝度が算出される。そして、2フレーム遅延したタイミングで当該算出されたLD輝度によりバックライト1112がLD制御された状態でフレームF(i)が表示される表示制御が行われる。
図4は、連続する2つのフレームが同一の場合、すなわち、入力される映像が静止画像又は静止状態の場合のLD制御のタイミングを説明するための図である。フレームF(i)が入力されたときに、2フレーム以内にLD輝度情報の算出を完了できるブロック分割数としてLDブロック可変制御部1109により決定されたブロック分割数をDIV(i)とする。LD輝度算出部1107により算出される、フレームF(i)に適用されるLD輝度をLD(i)とする。フレームF(i)が入力されるタイミングT(i)から2フレーム遅延したタイミングT(i+2)で、算出されたLD輝度LD(i)に基づきバックライト1112が発光制御された状態でフレームF(i)が表示される。
次のフレームF(i+1)がフレームF(i)と同一と判定された場合、LD輝度算出部1107は、ブロック分割数DIV(i)を1段階多くしたブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出を開始する。LD輝度LDup1の算出は、フレームF(i)(=F(i+1))のフレーム画像データに基づいて行われる。
LD輝度算出部1107がブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出を完了するまではLD輝度情報保持部1108はブロック分割数DIV(i)で算出されたLD輝度LD(i)を輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力する。
LD輝度算出部1107がブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出を完了すると、LD輝度情報保持部1108は、輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力するLD輝度情報を、LD輝度LDup1の情報に切り替える。
図4の例では、フレームF(i+2)の表示期間(時刻T(i+4)〜時刻T(i+5))内でLD輝度LDup1の算出が完了し、時刻T(i+5)から表示されるフレームF(i+3)からLD輝度LDup1が適用される。
入力するフレームが同一である状態が更に続いた場合、LD輝度算出部1107は、ブロック分割数をさらに多くしたブロック分割数DIVup2でのLD輝度LDup2の算出を開始する。LD輝度LDup2の算出が完了すると、LD輝度情報保持部1108は、輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力するLD輝度情報を、該LD輝度LDup2の情報に切り替える。
図4の例では、フレームF(j)の表示期間内でLD輝度LDup2の算出が完了したので、フレームF(j+1)の表示からLD輝度LDup2が適用される。このように、静止画像の表示が継続する場合、時間経過とともにブロック分割数を段階的に多くしていく処理が行われる。なお、ブロック分割数を段階的ではなく、一挙に多くする場合も考えられるが、このような場合、表示画像の急な輝度変化により、ちらつき等が発生し、ユーザに妨害感を与えてしまう。そのため、上述のように、時間経過とともに段階的にブロック分割数を多くすることで、ユーザに妨害感を与えることなく、輝度ムラの発生を抑制し、表示画像の品質を向上させることができる。よって、本実施例では、段階的にブロック分割数を多くすることが好ましい。
図5は、連続する2つのフレームが同一でない場合、すなわち入力される映像が動画像の場合の本実施例の画像表示装置の動作の流れを示している。詳細は後述する。
図6は、連続する2つのフレームが同一の場合、すなわち入力される映像が静止画像の場合の本実施例の画像表示装置の動作の流れを示している。図7は、第1の実施例のLDブロックの分割制御の説明図である。詳細は後述する。
次に、図2〜図6に沿って、本実施例の画像表示装置の動作を説明する。
画像表示装置11の電源が投入され、映像出力装置12より、映像信号が入力されているものとする。まず、連続して入力される2つのフレームが異なる場合の処理について、図3、図5に基づき説明する。
LDブロック可変制御部1109は、入力する映像データS101より映像データの画素数とフレーム周期を検出する。ここでは、画素数1440×960、フレーム周期Tsが検出されたとする。LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i)が入力されると、前記検出した画素数及びフレーム周期に基づき、ブロック分割数テーブルを参照して、遅延時間(ここでは2フレーム)より短い時間内で全てのLD輝度を算出可能なブロック分割数を検索する。LDブロック可変制御部1109は、検索したブロック分割数DIV(i)をLD輝度算出部1107に出力する。遅延時間は、フレームの画像データが入力されてから表示されるまでの遅延時間である。
ここでは、LDブロック可変制御部1109は、図2のブロック分割数テーブルにおいて、画素数が1440×960の列より、フレーム周期の2倍の時間(2×Ts)より短い処理時間の最大値を検索する。ここでは、2×Tsより短い処理時間の最大値はt_p+3_qであったとする。この場合、LDブロック可変制御部1109は、処理時間t_p+3_qに対応するブロック分割数を、フレームF(i)に適用するブロック分割数DIV(i)として決定し、最新のブロック分割数として保持する(st501)。
LD輝度算出部1107は、バッファ部1101より読み込んだフレームF(i)の画像データを分割エリア単位で解析し、ブロック分割数DIV(i)でのLD輝度情報LD(i)の算出を行っていく(st502)。
フレーム比較部1106は、前記LD輝度算出部1107によるLD輝度の算出処理と並行して、入力されている映像信号のフレーム画像データが、ひとつ前のフレーム画像データと同一かどうかを判定するための比較処理を行う。フレーム比較部1106は、フレーム画像データの入力が完了した時点T(i+1)で、現フレームと1つ前のフレームとが同一かどうかを判定する(st503)。
st503において現フレームと1つ前のフレームとが同一と判定された場合、すなわち、映像に動きのない静止画像の場合、後述するブロック分割数アップ処理へ遷移する(bl600)。
st503において現フレームと1つ前のフレームとが同一でないと判定された場合(映像に動きがある動画像の場合)、LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i)のLD輝度LD(i)の算出が、実際に2フレーム以内で完了できるかを判定する。LDブロック可変制御部1109は、LD輝度LD(i)の算出を開始後所定時間(ここでは1フレーム)経過した時点T(i+1)で、LD輝度算出部1107よりLD輝度算出完了ブロック数を取得し、LD輝度LD(i)の算出の進捗状況を確認する。
ここでは、LDブロック可変制御部1109は、LD輝度算出完了ブロック数がブロック分割数DIV(i)の半分以上であるかどうかを判定する(st504)。言い換えると、LD輝度の算出が完了していない未計算LDブロック(未計算発光制御ブロック)の数が閾値以上(ここではブロック分割数DIV(i)の半分以上)ないか(1/2未満であるか)判定する。
LD輝度の算出開始後1フレーム経過時点での未計算LDブロック数がブロック分割数の1/2未満の場合、LDブロック可変制御部1109は、残り1フレーム以内で、未計算LDブロックのLD輝度の算出が可能と判断する。そして、LD輝度算出部1107は、未計算LDブロックのLD輝度の算出を続けると共に、次のフレームF(i+1)に適用するブロック分割数としてフレームF(i)に適用したブロック分割数DIV(i)をセットする。そして、LD輝度算出部1107は、次のフレームF(i+1)の画像データに基づくLD輝度LD(i+1)の算出を開始する(st505)。また、LD輝度算出部1107は、フレームF(i)に適用するLD輝度LD(i)のうち未計算LDブロックのLD輝度の算出を実行する(st506)。
一方、LD輝度の算出開始後1フレーム経過時点での未計算LDブロック数がブロック分割数の1/2以上の場合、LDブロック可変制御部1109は、当初のブロック分割数では残り1フレーム以内で未計算LDブロックのLD輝度の算出が不可能と判断する。この場合、LDブロック可変制御部1109は、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域を未計算LDブロックの数より少ない数のLDブロックにより再分割する。言い換えれば、LDブロック可変制御部1109は、未計算LDブロックのサイズを大きくする。そして、LD輝度算出部1107は、1フレームが経過した時点以降、当該再分割による新たなLDブロックの輝度の算出を行う。ここでは、LDブロック可変制御部1109は、ブロック分割数テーブルに基づき、フレームF(i)に適用したブロック分割数DIV(i)より1段階少ないブロック分割数を検索する。そして、LDブロック可変制御部1109は、見つかったブロック分割数(DIVdn1)を最新のブロック分割数として保持する。LD輝度算出部1107は、LDブロック可変制御部1109から当該最新のブロック分割数DIVdn1を取得し、次のフレーム以降(F(i+1)以降)に適用するブロック分割数としてセットする(st511)。これにより、次のフレームF(i+1)以降のLD輝度の算出が2フレーム以内で確実に完了するようにブロック分割数が修正される。
さらに、LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i)に適用するLD輝度の算出処理が残り1フレーム以内で完了できるように、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域の分割の仕方を変更する。ここでは、LDブロック可変制御部1109は、横方向で隣接する2つの未計算LDブロックをまとめて1つの新たな未計算LDブロックとすることで、未計算LDブロックの数を減らす。なお、当初のブロック分割数DIV(i)での未計算LDブロック数が奇数である場合や、横方向の分割数が奇数の場合など、横方向で2つにまとめられない未計算LDブロックについては、そのままとする。また、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域の分割の仕方の変更方法はこれに限らない。LDブロック可変制御部1109は、減少後の未計算LDブロックの情報をLD輝度算出部1107に対し出力する。LD輝度算出部1107は、減少後の未計算LDブロックの各々についてフレームF(i)の画像データに基づきLD輝度を算出する(st512)。以上の処理により、フレームの入力から2フレーム以内でLD輝度の算出が完了するように制御されるので、動画像表示時にLD制御を行う場合でも、入力から表示までの遅延を抑抑することができる。
輝度補正部1102は、LD輝度情報保持部1108より入力されるLD輝度情報に基づき、LD輝度算出部1107によるLD輝度の算出処理と並行してフレームF(i)の画像データの輝度補正処理を実行する。LD輝度算出部1107がLD輝度LD(i)の算出を完了すると、該LD輝度LD(i)の情報に基づき輝度補正部1102により輝度補正されたフレームF(i)の画像データが、入力より2フレーム遅延したT(i+2)にて表示部1104へ出力される。また、バックライト制御部1111が前記LD輝度LD(i)の情報に基づきバックライト1112の各光源ブロックの発光を制御する(図3のA1)(st507)。
以上の処理がst508で再生終了が指示されるまで繰り返される。
このように、動画像の場合、フレームの入力時より開始されるLD輝度の算出が2フレーム以内に完了し、入力から2フレーム遅延したタイミングにおいて、バックライトが前記算出されたLD輝度により発光制御された状態でフレームの画像データが表示される。
次に、st503において同一と判定された場合、すなわち、映像に動きのない静止画像の場合に実行されるブロック分割数アップ処理について、図4、図6に基づき説明する。
図4において、フレームF(i+1)の入力が完了し、タイミングT(i+2)においてフレーム比較部1106によりフレームF(i)とフレームF(i+1)とが同一であると判断されたとする。フレームF(i+1)のひとつ前のフレームF(i)については、前述の動画像の場合のLD輝度算出処理により算出されたLD輝度LD(i)が適用され、入力タイミングT(i)より2フレーム遅延でフレームF(i)が表示されている(図4のA5)。
LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i+1)が1つ前のフレームF(i)と同一と判断した場合、フレームF(i)に適用したブロック分割数DIV(i)より1段階多いブロック分割数DIVup1をブロック分割数テーブル(図2)より取得する。LDブロック可変制御部1109は、該取得したブロック分割数DIVup1をLD輝度算出部1107へ出力する(st601)。
LD輝度算出部1107は、現行処理しているブロック分割数DIV(i)でのフレームF(i+1)のためのLD輝度LD(i+1)の算出処理を中断し、前記ブロック分割数DIVup1でのフレームF(i+1)のためのLD輝度LDup1の算出を開始する。LD輝度算出部1107は、ブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出が完了すると、LD輝度算出完了通知をLDブロック可変制御部1109へ出力し、算出したLD輝度LDup1をLD輝度情報保持部1108へ書き込む(st602)。図4では、ブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出は、時刻T(i+2)から開始され、フレームF(i+2)の表示期間(T(i+4)〜T(i+5))内に完了している。
LD輝度算出部1107は、フレームF(i+1)に対し、一つ前のフレームF(i)に適用したLD輝度LD(i)を適用するようLD輝度情報保持部1108を制御する。LD輝度情報保持部1108は、LD輝度LD(i)をバックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力し、前フレームF(i)に適用したLD制御を現フレームF(i+1)に適用する(st603)(図4のA6)。これにより、フレームF(i+1)は、入力から2フレーム遅延したタイミングT(i+3)にて、バックライト1112がLD輝度LD(i)でLD制御された状態で表示が開始される。
LDブロック可変制御部1109は、次のフレームF(i+2)の入力を検知すると(st604:Yes)、前述と同様、フレーム比較部1106から前フレームF(i+1)と同一か否かの判定結果を取得する。LDブロック可変制御部1109は、取得した判定結果に基づき、フレームF(i+2)が、1つ前のフレームF(i+1)と同一かどうかを判断する(st605)。フレームF(i+2)が前フレームF(i+1)と異なる場合は、前述(図3,図5)の動画像の場合のLD輝度算出処理へ遷移する(bl500)。この場合、フレームF(i+2)の画素数及びフレーム周期に応じてブロック分割数テーブルから取得されるブロック分割数でフレームF(i+2)のためのLD輝度の算出が行われる。
一方、フレームF(i+2)が1つ前のフレームF(i+1)と同一の場合、LD輝度情報保持部1108は、LD輝度算出部1107によるブロック分割数DIVup1でのLD輝度LDup1の算出が完了したかどうかを判定する(st606)。LDブロック可変制御部1109は、LD輝度算出部1107によるLD輝度LDup1の算出が完了したか否かの判定は、LD輝度算出部1107からのLD輝度算出完了通知が受信されたか否かに基づき判定する。
st606にてLD輝度LDup1の算出が完了していないと判定された場合は、LD輝度情報保持部1108は、フレームF(i+2)に対して、フレームF(i)に適用されたLD輝度LD(i)を適用する。ここでは、LD輝度情報保持部1108が保持している最新のLD輝度はLD輝度LD(i)である。LD輝度情報保持部1108は、保持ししている最新のLD輝度情報であるLD輝度LD(i)の情報をバックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力する。輝度補正部1102は該LD輝度LD(i)の情報に基づき、バッファ部1101より読み出したフレームF(i+2)の画像データに対して輝度補正する。バックライト制御部1111は、LD輝度LD(i)に従ってバックライト1112の各光源ブロックの発光を制御する。こうして、LD輝度LD(i)によりバックライト1112がLD制御された状態で、フレームF(i+2)の表示が行われる(st611)。その後、次のフレームの入力検知処理(st604)へ戻る。
図4の例では、フレームF(i+2)が表示されるタイミング(フレームF(i+2)の入力から2フレーム遅延したタイミング)T(i+4)において、LD輝度LDup1の算出は完了していない。よってst606で否定判定され、st611の処理によりF(i+2)の表示にはLD輝度LD(i)が適用される(図4のA7)。
一方、st606にてLD輝度LDup1の算出が完了していると判定された場合は、LD輝度情報保持部1108は、当該算出の完了したLD輝度LDup1によって最新のLD輝度の情報を更新し、当該LD輝度LDup1を最新のLD輝度として保持する。
図4の例では、フレームF(i+3)は前フレームF(i+2)と同一と判定され(st605:Yes)、フレームF(i+3)が表示が開始されるタイミングT(i+5)においてLD輝度LDup1の算出は完了している(st606:Yes)。
この場合、LD輝度情報保持部1108は、フレームF(i+3)に対して前記算出の完了したLD輝度LDup1を適用する。すなわち、LD輝度情報保持部1108は、保持している最新のLD輝度であるLD輝度LDup1の情報をバックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力する。st607では、輝度補正部1102は、LD輝度情報保持部1108から取得した最新のLD輝度LDup1の情報に基づき、フレームF(i+3)の画像データの輝度補正を行う。また、バックライト制御部1111は、LD輝度情報保持部1108から取得した最新のLD輝度LDup1の情報に従ってバックライト1112の各光源ブロックの発光を制御する。こうして、1段階多いブロック分割数DIVup1で算出されたLD輝度LDup1によりバックライト1112がLD制御された状態で、フレームF(i+3)の表示が行われる(st607、図4のA8)。
さらに、LDブロック可変制御部1109は、LD輝度算出部1107より、LD輝度算出完了通知を受信し、ブロック分割数テーブルからさらに1段階多いブロック分割数DIVup2を取得し、保持し、これをLD輝度算出部1107へ出力する。LD輝度算出部1107は、LDブロック可変制御部1109から取得した最新のブロック分割数DIVup2でのLD輝度の算出を開始する(st608)。その後、次のフレームの入力検知処理(st604)へ戻る。
フレームに変化がない状態が続くと、st606〜st611の処理が繰り返され、ブロック分割数はDIVup1、DIVup2、DIVup3と大きくなり、より細かなブロック分割数でのLD輝度LDup1、LDup2、LDup3が算出される。つまり、図7に示すように、静止画像の入力が続く場合、LD制御のブロック分割数が細かくなっていく。言い換えれば、静止画像の入力が続く場合、発光制御ブロックのサイズが小さくなっていく。ブロック分割数が細かくなるほど(発光制御ブロックのサイズが小さくなるほど)LD輝度の算出が完了するまでに要する時間が増加する。しかしながら、連続するフレームの画像データが同一であるので、ブロック分割数を1段階細かくしたLD輝度の算出が完了するまでは、既に算出され保持されているLD輝度を用いてLD制御を行えばよい。LD制御のブロック分割数が細かくなるほど、輝度ムラの少ない表示が可能となるので、本実施例の画像表示装置によれば、静止画像を表示する場合でも視聴者が輝度ムラを知覚しにくい高画質表示が可能となる。
一方、フレームに変化があれば、図6のbl500(図5の動画像の場合の処理)により、フレーム毎に、映像の画素数及びフレーム周期に応じてブロック分割数テーブルから決定されるブロック分割数でLD輝度が算出される。上述のように、この処理はフレームの入力から2フレーム以内でLD輝度の算出が完了するように制御されるので、動画像表示時にLD制御を行う場合でも入力から表示までの遅延を抑制することができる。
なお、入力から表示までの遅延時間は2フレームに限らない。また、遅延時間をユーザが設定可能としてもよい。例えばより早い応答性が要求されるゲームと、それ以外の動画像とで、遅延時間の長さを可変としてもよい。遅延時間が2フレーム以外の長さの場合は、図5のst504にて未計算LDブロック数の判定を行うタイミングは、計算開始から1フレーム経過後でなくてもよい。例えば、遅延時間が3フレームの場合、計算開始から2フレーム経過後に未計算LDブロック数の判定を行い、残り1フレーム以内でLD輝度の計算を完了可能なように未計算LDブロックを減らすなどの処理をするようにしてもよい。
また、本実施例では、静止画像か動画像か(時間的に隣り合う、現フレームの画像データと前フレームの画像データが同一か否か)でブロック分割数を決定するが、これに限られない。例えば、建築物のみを被写体として撮影した動画像では、時間的に隣り合う2つのフレーム画像データ間(フレーム間)の動き量は非常に小さい。そのため、このようなフレーム画像データ間(フレーム間)の動き量が非常に小さい動画像(以下、動きの小さい動画像という)に対しては、静止画像と同じようにブロック分割数を増やすように制御してもよい。
具体的には、前述のように、フレーム比較部1106において、時間的に隣り合う2つのフレーム画像データ間(フレーム間)の画素値を画素単位で比較する。そして、フレーム画像データ全体における画素値が変化した画素の数(画像の動き量)が所定の閾値A以下である場合には、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が、静止画像である判定する。当該画素の数が閾値B(閾値B>閾値A)以下かつ閾値Aよりも多い場合には、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が、動きの小さい動画像であると判定する。当該画素の数が所定の閾値Bよりも多ければ、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が、動きの大きい動画像であると判定する。
そして、本判定に基づいて、上述のように、動きの小さい動画像に対しても時間経過とともにブロック分割数を段階的に多くしていく処理(ブロック分割数アップ処理)を行う。そうすることで、動きの小さい動画像についても、輝度ムラの発生を抑制し、表示画像の画質を向上させることができる。なお、本判定で用いる閾値は、Bのみを設定し、画像の動き量が閾値B以下であれば、静止画像もしくは動きの小さい動画像と判定し、本判定に基づいて、ブロック数分割数を多くするように処理をしてもよい。
また、本実施例において、動画像と静止画像との判定、動きの大きい動画像と動きの小さい動画像との判定には、動きベクトルに基づいて行ってもよい。具体的には、フレーム比較部1106において、時間的に隣り合う2つのフレーム画像データ間(フレーム間)で、画像全体の動きベクトルの大きさの総和(画像の動き量)を算出する。そして、動きベクトルの大きさの総和が所定の閾値以下であれば、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が、静止画像もしくは動きの小さい動画像であると判定する。当該動きベクトルの大きさの総和が所定の閾値よりも大きければ、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が、動きの大きい動画像であると判定する。
以上のように、本実施例では、LDブロック可変制御部1109が、表示画像の種別に応じて、最適な発光制御ブロックに切り替える。言い換えれば、LDブロック可変制御部1109が、表示画像の動き量に応じて、最適な発光制御ブロックのサイズを設定する。その結果、表示画像の輝度ムラを抑制し、表示画質を向上させることができる。
(実施例2)
実施例1では、映像信号の画素数、フレーム周期、画像データの内容を調査し、この結果に応じLD制御におけるブロック分割数を決定する例を説明した。実施例2では、入力される映像信号の付加情報にLD輝度情報が含まれる例を説明する。以下、実施例1との差異を中心に説明する。
図8は、実施例2に係る画像表示装置の機能ブロックを表す図である。図1に示す実施例1に係る画像表示装置との差異は、実施例1のLD輝度情報保持部1108が実施例2ではLD輝度情報保持切替部1152となっており、さらに実施例2ではLD情報検知部1151が追加されている点である。
LD情報検知部1151は、映像信号にLD輝度情報が含まれるかどうかを監視し、映像信号にLD輝度情報が付加されていることを検知すると、それをLDブロック可変制御部1109へ通知する。さらに、LD情報検知部1151は、映像信号に付加されているLD輝度情報をLD輝度情報保持切替部1152へ出力する。
LD輝度情報保持切替部1152は、実施例1で説明したLD輝度情報保持部1108の機能に加え、LD情報検知部1151よりLD輝度情報を入力し、保持する機能を有する。LD輝度情報保持切替部1152は、輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力するLD輝度情報を、LD輝度算出部1107より入力されるLD輝度情報又はLD情報検知部1151より入力されるLD輝度情報のいずれかに切り替える。LDブロック可変制御部1109が、LD輝度情報保持切替部1152による前記出力するLD輝度情報の切り替えを制御する。
図9は、本実施例における映像信号のデータ構成を説明する図である。図9において、映像信号は連続する複数のフレームからなり、その各フレームは、映像情報を含む映像情報有効期間と、映像情報を含まないブランキング期間と、からなる。映像情報は、映像データや同期信号情報などからなる。ブランキング期間は、付加情報とデータの無い部分とからなる。付加情報は、このフレームの画像データの表示時に適用されるLD輝度情報とその他の情報からなる。
図10は、実施例2における画像表示装置の動作の流れを説明する図である。
映像信号にLD輝度情報が付加されていない場合は、実施例1で説明したLD制御が行われるものとする。実施例2では、LD情報検知部1151により、映像信号に付加情報があるか、ある場合、付加情報内にLD輝度情報があるかを監視している(st901)。
LD情報検知部1151は、映像信号に付加されたLD輝度情報を検知した場合、この検知結果をLDブロック可変制御部1109へ出力するとともに、映像信号から取得したLD輝度情報をLD輝度情報保持切替部1152へ出力する。
LD情報検知部1151から映像信号にLD輝度情報が付加されている旨の検知結果を受信したLDブロック可変制御部1109は、LD輝度情報保持切替部1152に対し、次の制御を行う。すなわち、LDブロック可変制御部1109は、LD輝度情報保持切替部1152に対し、バックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力するLD輝度情報をLD情報検知部1151から入力されるLD輝度情報に切り替えるよう制御を行う。
LD輝度情報保持切替部1152は、LD情報検知部1151から受信したLD輝度情報をバックライト制御部1111へ出力する。バックライト制御部1111は、LD輝度情報保持切替部1152から入力されるLD輝度情報に基づき、バックライト1112の各光源ブロックの発光を制御する。また、LD輝度情報保持切替部1152は、LD情報検知部1151から受信したLD輝度情報を輝度補正部1102へ出力する。輝度補正部1102は、LD輝度情報保持切替部1152から入力されるLD輝度情報に基づき、フレーム画像データの輝度補正を行う。以上の処理により、LD情報検知部1151が映像信号から取得したLD輝度情報に基づくLD制御が行われる(st902)。
映像信号に付加情報が検知されない場合、あるいは付加情報が検知されているがその中にLD輝度情報が検知されない場合は、実施例1で説明したLD制御が実施される(st903)。
本実施例では、例えば静止画像の映像信号に予め細かいエリア分割で計算された当該静止画像に最適なLD輝度情報が付加されていれば、LD輝度算出部1107によるLD輝度の計算完了を待つことなく即座に最適なLD輝度情報を適用した表示が可能になる。静止画像に限らず、動画像であっても、映像信号に付加されている予め計算されたLD輝度情報を利用したLD制御を行うことにより、LD制御が行われる画像表示における遅延をより少なくできる。映像出力装置において映像信号に付加するLD輝度情報をユーザが調整可能であれば、ユーザの好みに応じて調整されたLD輝度を適用してLD制御を行うことも可能となる。
(実施例3)
実施例2では、映像信号にLD輝度情報が付加される例を説明した。実施例3では、映像信号の入力系統とは別のインターフェースを介してLD輝度情報が入力される例を説明する。以下、実施例1、2との差異を中心に説明する。
図11は、実施例3に係る画像表示装置の機能ブロックを示す図である。本実施例の画像表示装置と図8に示した実施例2に係る画像表示装置との差異は、外部I/F制御部1153が追加された点と、LD情報検知部1151が外部I/F制御部1153から入力されるLD輝度情報を検知する機能を有している点である。
LD情報検知部1151は、実施例2で説明した機能に追加して、外部I/F制御部1153より入力される外部LD輝度データS102に、後述の図13で説明する、フレームID情報及びLD輝度情報が含まれるかどうかを監視する。LD情報検知部1151は、外部LD輝度データにフレームID情報とLD輝度情報が含まれることを検知した場合、これらをLD輝度情報テーブルとして保存する。また、LD情報検知部1151は、外部LD輝度データから取得したLD輝度情報を、LD輝度情報保持切替部1152へ出力する。
LD情報検知部1151は、これと並行し、後述の図12で説明する映像信号の付加情報の有無を監視し、付加情報にフレームID情報が含まれるかどうかを監視する。映像信号の付加情報にフレームID情報が含まれることを検知した場合、LD情報検知部1151は、前記LD輝度情報テーブルに保存されているフレームIDのうちに、映像信号に付加されているフレームIDと同一のものが存在するかどうか判定する。LD情報検知部1151は、判定結果を同一フレームID検知情報としてLDブロック可変制御部1109へ出力する。
LDブロック可変制御部1109は、受信した同一フレームID検知情報から、映像信号に付加されているフレームIDと同一のフレームIDがLD輝度情報テーブルに保存されていると判定される場合、LD輝度情報保持切替部1152に対し次の制御を行う。すなわち、LDブロック可変制御部1109は、LD輝度情報保持切替部1152に対し、輝度補正部1102及びバックライト制御部1111へ出力するLD輝度情報を、LD情報検知部1151より入力されるLD輝度情報へ切り替えるよう制御する。
LD輝度情報保持切替部1152は、LD情報検知部1151からLD輝度情報を入力し、保持し、LDブロック可変制御部1109による切り替え制御に従い、該LD輝度情報をバックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力する。
外部I/F制御部1153に接続される外部インターフェースは、画像データの入力インターフェースとは別の入力インターフェースであり、外部LD輝度データ入力を行う。外部インターフェースとしては、例えばイーサネット(登録商標)ネットワークのインターフェースがある。外部I/F制御部1153は例えばケーブルにより映像出力装置12と接続されており、映像出力装置12と画像表示装置11を含むネットワーク通信の制御、データの送受信を行う。外部I/F制御部1153は、受信した外部LD輝度データに後述するLD輝度情報のデータIDを検知すると、該外部LD輝度データをLD情報検知部1151へ出力する。なお、外部インターフェースは、イーサネット(登録商標)に限らず、USB、IEEE1394、有線、無線の区別も問わず、携帯電話のようなものであっても構わない。
図12(a)は、実施例3における映像信号のデータ構成を説明した図であり、実施例2(図9)で説明した映像信号のデータ構成と異なる点は、LD制御が実施されるフレームの付加情報にフレームID情報が含まれている点である。本実施例では、LD輝度情報保持切替部1152がこの映像信号の付加情報に含まれるフレームIDに対応するLD輝度情報をLD輝度情報テーブルから取得することで、LD制御が実施される。
図12(b)は外部LD輝度データのデータ構成を説明した図である。図12(b)において、データIDは、この外部LD輝度データがLD輝度情報に関するデータであることを示す識別情報である。フレームIDは、この外部LD輝度データに含まれるLD輝度情報を適用するフレームの識別情報である。これらの識別情報に続いて、LD輝度情報及びその他の情報が記述されている。
図13を用いて、実施例3に係る画像表示装置の動作の流れを説明する。ここではLD輝度情報の処理にかかわる部分の動作について説明する。
LD情報検知部1151は、外部I/F制御部1153から入力される外部LD輝度データにLD輝度情報及びフレームID情報が含まれるかどうかを監視する(st1201)。外部LD輝度データにLD輝度及びフレームIDの情報が含まれる場合は、LD情報検知部1151は、当該フレームIDとLD輝度とを関連付けてLD輝度情報テーブルに保存する(st1202)。
一方、LD情報検知部1151は、映像信号に付加情報が存在するかどうか、付加情報の中にフレームID情報があるかどうかを監視する(st1203)。
映像信号の付加情報にフレームID情報が含まれることを検知した場合、LD情報検知部1151は、当該検知したフレームIDと同一のフレームIDが、前記LD輝度情報テーブル内に存在するかどうかを検索する(st1204)。
LD輝度情報テーブル内に映像信号の付加情報から取得したフレームIDと同一のフレームIDが存在する場合、LD情報検知部1151は同一フレームID検知情報をLDブロック可変制御部1109へ出力する。また、LD情報検知部1151は、前記LD輝度情報テーブルから、前記映像信号の付加情報から取得したフレームIDと同一のフレームIDに関連付けられたLD輝度情報を取得し、LD輝度情報保持切替部1152へ出力する。このLD輝度情報は、LD輝度情報保持切替部1152により、バックライト制御部1111及び輝度補正部1102へ出力される。
バックライト制御部1111は、LD輝度情報保持切替部1152から取得したLD輝度情報に従ってバックライト1112の各光源ブロックの発光を制御する。輝度補正部1102は、LD輝度情報保持切替部1152から入力されるLD輝度情報に基づき、フレーム画像データの輝度補正を行う。以上の処理により、LD情報検知部1151が外部LD輝度データから取得したLD輝度情報に基づくLD制御が行われる(st1205)。
以下の場合は、前述の実施例1、実施例2で説明した動作と同様とする(st1206)。すなわち、st1201で外部LD輝度データにLD輝度情報が含まれない場合、st1203で映像信号にフレームID情報が付加されていない場合、st1203でLD輝度情報テーブル内に映像信号に付加されたフレームIDと同一のフレームIDがない場合。
本実施例では、LD輝度情報を映像信号とは異なる系統で入力するので、同一フレームについて異なる複数種類のLD輝度情報を入力したり、映像信号に先立ってLD輝度情報を入力しておき、映像信号から算出するLD輝度情報と切り替えたりすることができる。また、異なるLD制御装置によるLD制御に対応する複数種類のLD輝度情報を伝送することもできる。
(実施例4)
実施例1では、1つの表示画像に対して、動画像か静止画像かを判定、もしくは動きの大きい動画像か動きの小さい動画像または静止画像かを判定して、当該判定結果に応じLD制御におけるブロック分割数(発光制御ブロックのサイズ)を決定する例を説明した。実施例4では、動きの小さい被写体と当該被写体に比べて動きの大きい被写体との両方を含む動画像に対して、LD制御のブロック分割数(発光制御ブロックのサイズ)を決定する例を説明する。具体的には、映像出力装置12から入力される動画像データに基づく動画像が、後述する図16(a)で示すような動画像である場合の例である。なお、本実施例では、実施例1と同様に、映像出力装置12から入力されるフレーム画像データをF(i)とする。また、フレームF(i)が入力されたときに、遅延時間内にLD輝度情報の算出を完了できるブロック分割数をDIV(i)とする。また、フレームF(i)に適用されるLD輝度をLD(i)とする。また、実施例1の機能と同じ機能には同じ符号を付し、それらの機能の説明は省略する。
図14は、実施例4に係る画像表示装置の機能ブロックを示す図である。本実施例の画像表示装置と実施例1に係る画像表示装置との差異は、領域種別判定部1113を追加した点である。また、図15は、実施例4の動作の流れの説明図である。また、図16(a)、図17(a)、図18(a)は実施例4の表示画像例であり、図16(b)、図16(c)、図17(b)、図18(b)は、実施例4の表示画像例に対するLDブロックの分割制御を表す説明図である。図14〜図18に沿って、本実施例の画像表示装置の動作を説明する。
まずは、実施例1と同様に、フレームF(i)に適用するブロック分割数DIV(i)を決定する(st1401)。続いて、画像の動き量を検出し、画像の領域判定処理を行う(st1402)。
実施例1と実施例4における大きな違いは、このst1402における画像の領域判定処理にある。実施例1での画像の判定処理は、フレーム画像データ全体における画素の動き量に基づいて実行される。しかし、本実施例での画像の判定処理は、フレーム画像データの分割エリア毎の画素の動き量に基づいて実行される。
具体的には、LDブロック可変制御部1109は、フレーム画像データが映像出力装置12から入力されると、所定の遅延時間より短い時間内でLD輝度を算出可能なブロック分割数DIV(i)を、ブロック分割数テーブルを参照して検索する。そして、LDブロック可変制御部1109は、当該ブロック分割数の情報を取得する。なお、本実施例では、所定の遅延時間を2フレームとする。そして、LDブロック可変制御部1109は、取得したブロック分割数の情報を領域種別判定部1113に出力する。さらに、フレーム比較部1106は、現フレームと前フレームのフレーム画像データの画素値を画素単位で比較し、各画素が動いたか否かの情報である画素の動き情報を領域種別判定部1113に出力する。そして、領域種別判定部1113は、ブロック分割数の情報と画素の動き情報とに基づいて、各LDブロックに対応する各分割エリア内の動いた画素数を算出する。そして、当該画素数が所定の閾値以下である分割エリアは、動きの小さい領域m(第2の表示領域)と判定し、当該画素数が所定の閾値より多い分割エリアは、領域mよりも動きの大きい領域n(第1の表示領域)と判定する(st1402)。そして、領域種別判定部1113は、映像出力装置12から入力された動画像データに基づく動画像に、領域mと領域nの2種類の領域が混在するか否かの情報をLD輝度算出部1107に出力する。そして、もし2種類の領域mとnと混在する場合は、各領域の位置情報(領域位置情報)を、LD輝度算出部1107に出力する(st1403)。なお、本実施例では、例えば図16(b)の左図で示すように、領域mのブロック分割数は画像全体のブロック分割数DIV(i)の3/4の分割数であり、領域nのブロック分割数は画像全体のブロック分割数DIV(i)の1/4の分割数であるとする。
ブロック分割数が決定すれば、LD輝度算出部1107は、領域(領域m、n)毎のブロック分割数DIV(i)でのLD輝度情報LD(i)の算出を行っていく。具体的には、LD輝度算出部1107は、領域位置情報に基づいて、バッファ部1101より読み込んだフレームF(i)の画像データを領域毎の分割エリア単位で解析していく。なお、本実施例では、st1403での判定結果を受けて、領域mとnとが混在する場合には、領域nに対応する分割エリアのLD輝度の算出から行う(st1404)。そして、後述する動画像用のLD輝度決定処理を行う(st1405)。そして、動画像用のLD輝度算出処理が完了後、領域mに対応する分割エリアのLD輝度の算出を行う(st1406)ように、LD輝度算出部1107は設定されている。
領域種別判定部1113による領域の判定が完了し、領域nに対するLD輝度の算出を開始すると、領域nについては、実施例1と同様に、遅延時間内で確実にLD輝度の算出が完了するブロック分割数であるか否かの判定を行う。もし、LD輝度の算出が完了しないブロック分割数であれば、修正を行う。なお、図15における動画像用LD輝度決定処理(st1405)とは、実施例1の図5におけるst504〜507、511、512の処理に対応する処理のことである。具体的には、本実施例では、遅延時間が2フレームであり、領域mの面積は、画像領域全体の面積の3/4の大きさ、領域nの面積は、画像領域全体の面積の1/4の大きさである。そのため、領域m、nに割り当てられるLD輝度算出に費やすことができる時間は、それぞれ0.5フレーム(2フレーム×1/4)、1.5フレーム(2フレーム×3/4)となる。つまり、本実施例では、領域nについては、0.5フレーム以内で、LD輝度の算出を完了させることができるLDブロック分割領域である必要がある。LDブロック可変制御部1109は、実施例1と同様に、LD輝度LD(i)の算出を開始後所定時間(ここでは、0.25フレーム)経過した時点で、LD輝度算出部1107よりLD輝度算出完了ブロック数を取得し、LD輝度LD(i)の算出の進捗状況を確認する。そして、当該確認結果に基づいて、次のフレーム以降(F(i+1)以降)に適用するブロック分割数を決定し、適用する。本制御により、動画像表示時にLD制御を行う場合でも入力から表示までの遅延を抑制することができる。
一方、LD輝度の算出開始後0.25フレーム経過時点での未計算LDブロック数が領域nのブロック分割数の1/2以上の場合、LDブロック可変制御部1109は、当初の領域nのブロック分割数では残り0.25フレーム以内で未計算LDブロックのLD輝度の算出が不可能と判断する。この場合、LDブロック可変制御部1109は、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域を未計算LDブロックの数より少ない数のLDブロックにより再分割する。言い換えれば、LDブロック可変制御部1109は、未計算LDブロックのサイズを大きくする。そして、LD輝度算出部1107は、1フレームが経過した時点以降、当該再分割による新たなLDブロックの輝度の算出を行う。ここでは、LDブロック可変制御部1109は、ブロック分割数テーブルに基づき、フレームF(i)に適用したブロック分割数DIV(i)より1段階少ないブロック分割数を検索する。そして、LDブロック可変制御部1109は、検索によって得られたブロック分割数(DIVdn1)に画像全体のブロック分割数に対する領域nのブロック分割数の比を乗算した値を、最新のブロック分割数として保持する。本実施例では、領域nのブロック分割数は、画像全体のブロック分割数の1/4の分割数であるため、DIVdn1×1/4のブロック分割数がLDブロック可変制御部1109に保持される。なお、DIVdn1×1/4の値が割り切れない場合は、小数点以下を切り捨てたブロック分割数を、LDブロック可変制御部1109は保持する。LD輝度算出部1107は、LDブロック可変制御部1109から当該最新のブロック分割数DIVdn1を取得し、次のフレーム以降(F(i+1)以降)に適用するブロック分割数としてセットする。これにより、次のフレームF(i+1)以降のLD輝度の算出が0.5フレーム以内で確実に完了するようにブロック分割数が修正される。
さらに、LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i)に適用するLD輝度の算出処理が残り0.25フレーム以内で完了できるように、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域の分割の仕方を変更する。ここでは、LDブロック可変制御部1109は、横方向で隣接する2つの未計算LDブロックをまとめて1つの新たな未計算LDブロックとすることで、未計算LDブロックの数を減らす。なお、当初のブロック分割数DIV(i)での未計算LDブロック数が奇数である場合や、横方向の分割数が奇数の場合など、横方向で2つにまとめられない未計算LDブロックについては、そのままとする。また、未計算LDブロックに対応するバックライト1112の領域の分割の仕方の変更方法はこれに限らない。LDブロック可変制御部1109は、減少後の未計算LDブロックの情報をLD輝度算出部1107に対し出力する。LD輝度算出部1107は、減少後の未計算LDブロックの各々についてフレームF(i)の画像データに基づきLD輝度を算出する。以上の処理により、フレームの入力から0.5フレーム以内でLD輝度の算出が完了するように制御されるので、動画像表示時にLD制御を行う場合でも、入力から表示までの遅延を抑抑することができる。
一方、動画像用のLD輝度決定処理(st1405)が完了後、領域mに対してLD輝度算出部1107によるLD輝度の算出が実行される(st1406)。本算出処理が完了すると、フレームF(i)の領域mに対しては、実施例1のように、LD輝度LD(i)が適用される。そして、図15のst1407、図16(b)に示されるように、実施例1と同様に、ブロック分割数を段階的に多くするブロック分割数アップ処理を行う。言い換えれば、領域mに対して、発光制御ブロックのサイズを段階的に小さくする処理を行う。具体的には、本実施例では、LDブロック可変制御部1109は、フレームF(i)に適用したブロック分割数DIV(i)よりも1段階多いブロック分割数DIVup1をブロック分割数テーブルより取得する。そして、ブロック分割数DIVup1に画像全体のブロック分割数に対する領域mのブロック分割数の割合を乗算した値(ここでは、DIVup1×3/4)を、最新のブロック分割数として保持する。そして、実施例1と同様に、当該最新のブロック分割数を領域mに適用していく。この制御を繰り返すことで、領域mのブロック分割数を段階的に多くしていく。そうすることで、動きの小さい動画領域の輝度ムラを抑制し、表示画像の画質を向上させることができる。その結果、本実施例の画像表示装置によれば、動画像を表示する場合でも、各画像領域の分割エリア毎で対応する各LDブロックの分割数を最適の数に設定できるので、視聴者が輝度ムラを知覚しにくい高画質表示が可能となる。
また、図16(b)に示すように、領域mのブロック分割数を段階的に多くし、領域mに対して適用可能な最大のブロック分割数が、領域mに対して適用される場合がある。このような場合、最大ブロック分割数の適用後は、領域mに対しては、フレーム画像データの変化がない限り最大ブロック分割数を適用し続けることになる。そうなると、LD輝度算出部1107は、領域mに対するLD輝度算出処理を実行する必要がなくなる。このため、実行されなくなった領域mに対するLD輝度算出処理分の算出処理能力を、領域nのLD輝度算出処理に割り当ててもよい。この場合、図16(c)に示すように、領域nに対するLD輝度算出処理能力が高まり、領域mの最大のブロック分割数を維持しながら、領域nの分割数をさらに多くすることができる。よって、動画像における輝度ムラをさらに抑制し、高品質表示が可能となる。
なお、st1403において、映像出力装置12から入力された画像データに基づく画像が2種類の領域が混在しない画像であると判断されると、次のような処理が行われる。すなわち、st1402で得られた画像のフレーム間における画素の動き量が、所定の閾値以下の領域しか存在しないのか、大きい領域しか存在しないのかを判定する(st1408)。そして、当該判定結果に応じて、ブロック分割数を段階的に増加させる処理もしくは動画像用のLD輝度決定処理画が行われる(st1409、st1410)。
以上の処理が、st1411で再生終了が指示されるまで繰り返される。
また、本実施例では、動き量の判定は、動きベクトルに基づいて行ってもよい。具体的には、フレーム比較部1106において、画像のフレーム間で、領域(領域m、n)毎の分割エリア単位における動きベクトルの大きさの総和(画像の動き量)を算出する。そして、当該動きベクトルの大きさの総和が所定の閾値以下の領域は、動きの小さい領域mであると判定する。一方、当該動きベクトルの大きさの総和が所定の閾値よりも大きい領域は、動きの大きい領域nであると判定する。
また、動画像の表示中において、領域mの一部のみが、画像の動き量が閾値よりも大きい領域nに変化し、領域mの面積が縮小する場合がある。このような場合、縮小した領域mについては、画像全体のブロック分割数に対する縮小後の領域mのブロック分割数の割合を考慮して、前述のようにブロック分割数アップ処理を行ってもよい。一方、拡大した領域nについては、領域nの拡大量を考慮して、所定のフレーム経過以内で拡大された領域nのLD輝度算出が完了する最適のブロック分割数に再度設定する前述のような制御を行ってもよい。逆に、領域nの一部が縮小し、その分、領域mの一部が拡大する場合についても、同様の制御を行ってもよい。
なお、本実施例では、領域m、nの2種類の領域が存在する場合(st1403でYes)について説明したが、これに限られない。3種類以上の複数の領域が存在する場合についても、本実施例の制御が適用できる。
例えば、図17(a)で示すように、動画像データと静止画像データとが、映像出力装置12から入力されるとする。この場合、前述のように、各分割エリアの動き量から動画領域と静止画領域とを判定できる。その後、動画領域には、図15のst1405の動画像用LD輝度決定処理を実行する。そして、静止画領域には図17(b)で示されるように、図15のst1407のブロック分割数アップ処理を実行する。そうすることで、複数種類の画像が表示される場合であっても、各画像領域の分割エリア毎で対応する各LDブロックの分割数を最適の数に設定できる。その結果、視聴者が輝度ムラを知覚しにくい高画質表示が可能となる。
また、画像の一部の領域に、他の画像を重ねて表示させる、所謂P in P(Picture in Picture)表示に対しても、本実施例を適用できる。例えば、図18(a)で示すように静止画像の一部の領域に動画像を表示させる場合、前述のように、各分割エリアの動き量から動画領域と静止画領域とを判定できる。その後、動画領域には、図15のst1405の動画像用LD輝度決定処理を実行する。そして、静止画領域には図18(b)で示されるように、図15のst1407のブロック分割数アップ処理を実行する。そうすることで、複数種類の画像が表示される場合でも、各画像領域の分割エリア毎で対応する各LDブロックの分割数を最適の数に設定できる。その結果、視聴者が輝度ムラを知覚しにくい高画質表示が可能となる。
これらの場合においても、静止画領域のブロック分割数が最大の分割数に達する場合、実行されなくなった静止画領域に対するLD輝度算出処理の処理能力を、動画領域のLD輝度算出処理に割り当ててもよい。その場合は、動画領域に対するLD輝度算出処理能力が高まり、静止画領域の最大のブロック分割数を維持しながら、動画領域のブロック分割数をさらに多くすることができる。よって、動画像における輝度ムラをさらに抑制し、高画質表示が可能となる。
また、本実施例の処理を実施例2に適用してもよい。具体的には、実施例2が、図10のst903に、本実施例の処理を実行するように構成されてもよい。さらに、本実施例の処理を実施例3に適用してもよい。具体的には、実施例3が、図13のst1206に、本実施例の処理を実行するように構成されてもよい。
また、本実施例では、動画像と静止画像とが、画像表示装置11の一画面上に表示される場合を説明したが、動きの大きい動画像と動きの小さい動画像とが画像表示装置11の一画面に表示される場合であっても、同様の処理を行うことができる。また、動きの大きい動画像と、静止画像もしくは動きの小さい動画像の少なくとも一方とを組み合わせた、互いに異なる画像データに基づく3種類以上の画像が画像表示装置11の一画面上に表示される場合でも、同様の処理を行うことができる。
また、領域種別判定部1113が、映像出力装置12から出力される画像データの付属情報(JPEGやMPEGなどのファイル種別を示す情報)を取得して、領域毎の種別を判定してもよい。その場合、映像出力装置12と画像表示装置11とは、画像データの付属情報が送受信可能なインターフェース(HDMIやDisplay Portなど)で接続される。
また、本実施例では、図15のst1407において、分割数アップ処理を実行する例について説明したが、これに限られない。図15のst1407において、静止画領域が動きの小さい動画領域である場合に、画像の動き量の変化に基づいて、ブロック分割数を減らすように制御してもよい。
以上のように、本実施例では、LDブロック可変制御部1109が、画像の各表示領域における画像の動き量に応じて、最適な発光制御ブロックに切り替える。言い換えれば、LDブロック可変制御部1109が、画像の各表示領域における画像の動き量に応じて、最適な発光制御ブロックのサイズを設定する。その結果、表示画像の輝度ムラを抑制し、表示画質を向上させることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、LDブロックによるバックライト1112の分割は横方向、縦方向とも等分割(全てのLDブロックが同一サイズ)とすることを前提として説明したが、分割幅やLDブロックサイズは1画面内で均等でなくてもよい。また、LD輝度の算出に要する時間を左右する要素として、映像データの画素数とフレーム周期とを考慮して作成されたブロック分割数テーブルの例を説明したが、他の要素を考慮したブロック分割数テーブルを用いてもよい。例えば、映像データのデータ長をLD輝度の算出に関わる要素として考慮してもよい。また、ビデオモード(VESA、SMPTE(標準機関で規格化されている画素数やフレーム周期の規定)など)ごとにブロック分割数テーブルを持っていてもよい。また、本発明は、画像の種類等に基づいて、ブロック分割数を変化させる制御を行う。この制御では、1つのLDブロック内の光源の数を変化させることになる。つまり、言い換えれば、本発明は、画像の種類等に基づいて、1つのLDブロック内の光源の数を変化させるように制御を行う。