JP6200884B2 - 骨髄増殖性腫瘍などの癌の治療におけるパノビノスタットおよびルキソリチニブの組合せ - Google Patents

骨髄増殖性腫瘍などの癌の治療におけるパノビノスタットおよびルキソリチニブの組合せ Download PDF

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Description

本発明は、
(a)式(A):
の化合物A(名称:(R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル)またはその医薬的に許容される塩;および
(b)式(B):
の化合物B(名称:N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド)またはその医薬的に許容される塩;
を含む、同時の、並行した、別々の、または連続的な使用のための、特に増殖性疾患の治療に使用するための組合せに関する。本発明はまた、このような組合せを含む医薬組成物、さらにはこのような組合せを用いた、哺乳動物、特にヒトにおける増殖性疾患の治療方法にも関する。また本発明はさらに、このような組合せを含む商業的なパッケージまたは製品にも関する。
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、骨髄中の血液細胞(血小板、白血球、および赤血球)の過剰生産を引き起こす障害群である。MPNは、真性多血症(PV)、原発性または本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症、慢性骨髄性(骨髄球性)白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、若年性骨髄単球性白血病(JML)、および慢性好酸球性白血病(CEL)/好酸球増加症候群(HES)を含む。これらの障害は、以下の特徴、すなわち多能性造血前駆細胞の関与、形質転換されていない造血前駆細胞よりも形質転換クローンが優性であること、限定できる刺激の非存在下での1種または複数種の造血系の過剰生産、in vitroにおける増殖因子とは無関係のコロニー形成、骨髄の細胞過形成、巨核球の過形成および異形成、主として第1、第8、第9、第13、および第20染色体が関与する異常、血栓性および出血性素因、過増殖性の骨髄外造血、ならびに急性白血病への自然転換または骨髄線維症の発生(ただしCMLの比率と比較して低い比率で)の一部または全部を共有するため、一つの群に分類される。MPNの発生率は、CMLについては1年で60歳より高齢の個体100,000人あたりおよそ3人から、JMLについては1年で出生後から14歳までの子供100,000人あたり0.13人まで広範囲にわたり様々である(Vardiman JWら, Blood 100 (7): 2292〜302, 2002)。
従って、MPN、加えてその他の癌の新しい治療法が未だ必要である。
本明細書において、式(A)のJAK阻害剤である化合物Aまたはその医薬的に許容される塩;および式(B)のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である化合物Bまたはその医薬的に許容される塩を含む組合せ療法が提供される。本組合せ療法は、様々な癌の治療に有用である。本組合せ療法はまた、多数のJAK関連疾患および/またはHDAC関連疾患の治療にも有用である。式(A)の化合物Aはまた、ルキソリチニブとしても知られている。式(B)の化合物Bはまた、パノビノスタットとしても知られている。
本明細書で示される組合せ療法は、対象におけるJAK関連疾患の治療に有用である。従って、一態様において、本明細書において、対象に有効量の上記で考察された組成物を投与することを含む、それを必要とする対象における癌の治療方法が提供される。一実施形態において、癌は、骨髄増殖性腫瘍である。本発明の組合せ療法を用いて治療することができる骨髄増殖性腫瘍の非限定的な例としては、これらに限定されないが、慢性骨髄性白血病(CML)、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症(PMF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、および異型慢性骨髄性白血病が挙げられる。
これらの治療方法の一実施形態において、対象は、ヒトである。
その他の実施形態において、本治療は、化合物Aと化合物Bとを共投与することを含む。
別の実施形態において、化合物Aおよび化合物Bは、単一製剤または単位投薬形態である。
さらに別の実施形態において、本治療は、化合物Aと化合物Bとを実質的に同時に、または異なる時に投与することを含む。
本方法の別の実施形態において、化合物Bの投与の後に、化合物Aが対象に投与される。
さらに別の実施形態において、化合物Aの投与の後に、化合物Bが対象に投与される。
本方法の別の実施形態において、化合物Aおよび/または化合物Bは、一方または両方が単独で投与される場合には有効ではないと予想される量であるが、組み合わせると有効な量で投与される。
化合物Aおよび/または化合物Bでの治療期間にわたる体重を示す図である。 治療7日後、すなわち細胞注入の11日後(治療は細胞注入後の4日目に開始された)の生物発光レベルの治療効果を示す図である。 治療7日後、すなわち細胞注入の11日後(治療は細胞注入後の4日目に開始された)の生物発光レベルの治療効果を示す図である。 治療8日後の脾臓の質量を示す図である。 療法後2時間におけるPDマーカー解析(脾臓抽出物)の結果を示す図である。 療法後2時間におけるPDマーカー解析(脾臓抽出物)の結果を示す図である。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、JAK2V617F形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺したときの体重および脾臓の質量の変化は、平均±標準誤差として示される。N=9/群。Balb/c雌の正常な脾臓の質量の平均値は、100mgの範囲である,)。屠殺した日においてp<0.05(片側ANOVA片側、続いてダネット検定またはテューキー検定。脾臓の質量の値の逆数の形態を統計的分析に用いた)。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、JAK2V617F形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺したときの体重および脾臓の質量の変化は、平均±標準誤差として示される。N=9/群。Balb/c雌の正常な脾臓の質量の平均値は、100mgの範囲である,)。屠殺した日においてp<0.05(片側ANOVA片側、続いてダネット検定またはテューキー検定。脾臓の質量の値の逆数の形態を統計的分析に用いた)。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、mJAK2V617F−IRES−GFP形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺した日に血液を採取し、シスメックス(Sysmex)血液解析装置で解析した。N=7〜9/群(いくつかのサンプルは、化合物A/化合物Bの組合せ群で解析するには不適切であった。グラフパッドクイック(Graph Pad Quick)異常値計算プログラムでの解析(全ての値を用いてデータ解析を行った)に基づいて、屠殺した日に、ビヒクル群(ID3)で1つの異常値を検出し、化合物A群(ID27)で1つの異常値を検出した。図9:Hct。屠殺した日においてp<0.05(WBCおよびPLT数についてはlog10変換値での、片側ANOVA、続いて多重比較のためのダネット検定またはテューキー検定)。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、mJAK2V617F−IRES−GFP形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺した日に血液を採取し、シスメックス(Sysmex)血液解析装置で解析した。N=7〜9/群(いくつかのサンプルは、化合物A/化合物Bの組合せ群で解析するには不適切であった。グラフパッドクイック(Graph Pad Quick)異常値計算プログラムでの解析(全ての値を用いてデータ解析を行った)に基づいて、屠殺した日に、ビヒクル群(ID3)で1つの異常値を検出し、化合物A群(ID27)で1つの異常値を検出した。図10:網状赤血球数。屠殺した日においてp<0.05(WBCおよびPLT数についてはlog10変換値での、片側ANOVA、続いて多重比較のためのダネット検定またはテューキー検定)。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、mJAK2V617F−IRES−GFP形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺した日に血液を採取し、シスメックス(Sysmex)血液解析装置で解析した。N=7〜9/群(いくつかのサンプルは、化合物A/化合物Bの組合せ群で解析するには不適切であった。グラフパッドクイック(Graph Pad Quick)異常値計算プログラムでの解析(全ての値を用いてデータ解析を行った)に基づいて、屠殺した日に、ビヒクル群(ID3)で1つの異常値を検出し、化合物A群(ID27)で1つの異常値を検出した。図11:血小板数。屠殺した日においてp<0.05(WBCおよびPLT数についてはlog10変換値での、片側ANOVA、続いて多重比較のためのダネット検定またはテューキー検定)。 ビヒクル、M/W/Fのスケジュールで腹腔内への用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せのいずれかを連続21日投与された、mJAK2V617F−IRES−GFP形質導入骨髄細胞を移植したBalb/c雌マウスを示す図である。屠殺した日に血液を採取し、シスメックス(Sysmex)血液解析装置で解析した。N=7〜9/群(いくつかのサンプルは、化合物A/化合物Bの組合せ群で解析するには不適切であった。グラフパッドクイック(Graph Pad Quick)異常値計算プログラムでの解析(全ての値を用いてデータ解析を行った)に基づいて、屠殺した日に、ビヒクル群(ID3)で1つの異常値を検出し、化合物A群(ID27)で1つの異常値を検出した。図12:白血球数。屠殺した日においてp<0.05(WBCおよびPLT数についてはlog10変換値での、片側ANOVA、続いて多重比較のためのダネット検定またはテューキー検定)。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療したBalb/c雌マウスの代表的な骨髄染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療したBalb/c雌マウスの代表的な骨髄染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療したBalb/c雌マウスの代表的な骨髄染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療したBalb/c雌マウスの代表的な骨髄染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療した代表的なBalb/c雌マウスの脾臓染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療した代表的なBalb/c雌マウスの脾臓染色画像を示す図である。 mJAK2V617F−IRES−GFP細胞を移植し、M/W/Fのスケジュールで腹腔内に用量8mg/kg(遊離塩基当量)の化合物B、1日2回で用量60mg/kg(遊離塩基当量)の化合物A、または両方の薬剤の組合せで連続21日で治療した代表的なBalb/c雌マウスの脾臓染色画像を示す図である。 研究の設計および方法を説明する図である。 コホート1での経時的な触診可能な脾臓(speen)の長さを説明する図である。 コホート2での経時的な触診可能な脾臓の長さを説明する図である。 コホート3での経時的な触診可能な脾臓の長さを説明する図である。
(a)式(A):
の化合物A((R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル)またはその医薬的に許容される塩;および
(b)式(B):
の化合物B(N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド)またはその医薬的に許容される塩;
の組合せを投与することにより、対象における癌の治療に驚くべき相乗作用がもたらされることが見出された。このようなアプローチ、すなわち2つのタイプの薬剤の組合せまたは共投与は、癌に罹っており現在のところ利用可能な療法に応答しないか、あるいは耐性を有する個体を治療するのに有用な可能性がある。また本明細書で示される組合せ療法は、このような療法に応答する個体のために、現在のところ利用可能な癌の療法の有効性を改善すること、および/またはその副作用を減少させることにも有用である。
本明細書において用いられる所定の用語を以下で説明する。本発明の化合物は、標準的な学術名を用いて記載される。特に他の指定がない限り、本明細書において用いられる全ての専門用語や科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
化合物Aおよびその医薬的に許容される塩(複数可)は、文献で、例えば米国特許第7,598,257号に記載されている。化合物Aはまた、ルキソリチニブとしても知られている。
化合物Bおよびその医薬的に許容される塩(複数可)は、文献で、例えば米国特許第6,833,384号、7,067551号、および6,552,065号に記載されている。化合物Bはまた、パノビノスタットとしても知られている。
特に他の規定がない限り、または文章で明示されていない限り、本発明の組合せ療法において有用な化合物への言及は、化合物の遊離塩基と化合物のあらゆる医薬的に許容される塩との両方を含む。
用語「医薬的に許容される塩」は、本明細書で用いられる場合、本発明のピリミジン化合物の非毒性の酸またはアルカリ土類金属塩を意味する。これらの塩は、ピリミジン化合物の最終的な単離および精製中にその場で製造することもできるし、あるいは塩基または酸の官能基をそれぞれ適切な有機または無機の酸もしくは塩基と別々に反応させることによって製造することもできる。代表的な塩としては、これらに限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩(phenylproionate)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。また塩基性窒素を含む基は、ハロゲン化アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば塩化、臭化、およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、ならびにステアリル、ハロゲン化アラルキル、例えばベンジルおよびフェネチルの臭化物などの物質で四級化されてもよい。それにより、水溶性もしくは油溶性の、または分散性の生成物が得られる。
医薬的に許容される酸付加塩を形成するのに用いることができる酸の例としては、塩酸、ヒドロホウ酸(hydroboric acid)、硝酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸、クエン酸などの有機酸、ならびにアスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸が挙げられる。
塩基付加塩は、ピリミジン化合物の最終的な単離および精製中にその場で製造することもできるし、あるいはカルボン酸部分を、医薬的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩などの適切な塩基と、またはアンモニアもしくは有機性の第一、第二または第三級アミンと別々に反応させることによって製造することもできる。医薬的に許容される塩としては、これらに限定されないが、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩などのアルカリおよびアルカリ土類金属をベースとするカチオンが挙げられ、加えて非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオン、例えば、これらに限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的な有機アミンとしては、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミンなど、ならびに例えばアルギニン、リシン、およびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
本明細書において、JAK阻害剤である化合物Aと、HDAC阻害剤である化合物Bとを含む組合せ療法が提供される。この組合せの投与は、あらゆる適切な経路で、単一製剤または単位投薬形態での組合せを投与すること、組合せの個々の薬剤を並行して、ただし別々に投与すること、または組合せの個々の薬剤を連続的に投与することを含む。組合せの個々の薬剤の投薬は、薬剤(複数可)のうち一方を、組合せ中の他方の薬剤(複数可)よりも頻繁に投与することを必要とする場合がある。それゆえに、適切な投薬を可能にするためには、パッケージ化された医薬品は、薬剤の組合せを含む1種または複数種の投薬形態、および薬剤の組合せの1種を含むがその組合せの他方の薬剤(複数可)を含まない1種または複数種の投薬形態を含んでいてもよい。
用語「単一製剤」は、本明細書で用いられる場合、患者に両方の治療剤の有効量が送達されるように配合された単一の担体またはビヒクルを意味する。単一のビヒクルは、あらゆる医薬的に許容される担体または賦形剤と共に、それぞれの薬剤の有効量が送達されるように設計される。いくつかの実施形態において、ビヒクルは、錠剤、カプセル、丸剤またはパッチである。その他の実施形態において、ビヒクルは、溶液または懸濁液である。
用語「単位用量」は、本明細書では、治療される患者に、両方の薬剤を一緒に1つの投薬形態で同時に投与することを意味するものとして用いられる。いくつかの実施形態において、単位用量は、単一製剤である。特定の実施形態において、単位用量は1種または複数種のビヒクルを含み、それぞれのビヒクルが医薬的に許容される担体および賦形剤と共に有効量の少なくとも1種の薬剤を含むようになっている。いくつかの実施形態において、単位用量は、患者に同時に投与される1種または複数の錠剤、カプセル、丸剤またはパッチである。
用語「治療する」は、本明細書では、対象において疾患の症状の少なくとも1つを軽減する、弱める、または緩和することを意味するものとして用いられる。本発明の趣旨において、用語「治療する」はさらに、発病を止める、遅延させる(すなわち、疾患の臨床徴候または疾患の症状が現れる前の期間)、および/または疾患の症状を進行または悪化させる危険を低減することも意味する。
用語「対象」は、動物を包含することが意図されている。対象の例としては、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、およびトランスジェニック非ヒト動物が挙げられる。特定の実施形態において、対象は、ヒトであり、例えば、多発性骨髄腫に罹ったヒト、多発性骨髄腫に罹る危険性があるヒト、または潜在的に多発性骨髄腫に罹る可能性があるヒトである。
用語「約」または「およそ」は通常、所定値または範囲の20%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくはさらに5%以内を意味する。あるいは、特に生物系において、用語「約」は、所定値の約1対数(すなわち1桁)以内、好ましくは2倍以内を意味する。
本明細書において説明される薬剤の組合せは相乗作用を示す。用語「相乗作用」は、本明細書で用いられる場合、例えば癌またはその症状の徴候的な進行を遅くすること等の効果を生じる、投与される各薬物単独の作用を単に加算したものより大きい2つの薬剤の作用を意味する。相乗作用は例えば適切な方法を用いて計算することができ、このような方法としては、例えば、シグモイド−Emax(Sigmoid−Emax)方程式(Holford, N. H. G.およびScheiner, L. B., Clin. Pharmacokinet. 6: 429〜453 (1981))、ロエベ(Loewe)の加算方程式(Loewe, S.およびMuischnek, H.、Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114: 313〜326 (1926))、およびメジアン−エフェクト(median−effect)方程式(Chou, T. C.およびTalalay, P.、Adv. Enzyme Regul. 22: 27〜55 (1984))が挙げられる。上述した各方程式を実験データに適用して、複合薬の作用を評価するのに役立つ対応グラフを生成することができる。上述した方程式に関連する対応グラフは、それぞれ濃度−作用曲線、アイソボログラム曲線、およびコンビネーションインデックス曲線である。
薬剤の組合せの「有効量」は、本組合せで治療された抑うつ障害の基準となる臨床的に観察可能な徴候および症状に比べて観察可能な改善を提供するのに十分な量である。
「経口用投薬形態」は、経口投与用に処方または意図された単位投薬形態を含む。
化合物Aおよび化合物Bの組合せを用いた治療方法
本発明は、個体に化合物Aおよび化合物Bの組合せを投与することによる、個体におけるJAK関連疾患、例えば癌、例えば骨髄増殖性腫瘍の治療方法を提供する。
一実施形態において、本明細書において、このような治療が必要な個体に、本発明の組合せまたはその医薬組成物の治療有効量または用量を投与することによる、対象(例えば患者)におけるJAK関連疾患または障害の治療方法が提供される。JAK関連疾患は、JAKの発現または活性、例えば過剰発現および/または異常な活性レベル等に直接的または間接的に関連するあらゆる疾患、障害または状態を包含し得る。またJAK関連疾患は、JAK活性を調節することにより予防、改善または治癒することができるあらゆる疾患、障害または状態も包含し得る。
JAK関連疾患の例としては、例えば臓器移植による拒絶反応(例えば同種移植片拒絶反応および移植片対宿主疾患)などの免疫系に関する疾患が挙げられる。
JAK関連疾患のさらなる例としては、例えば多発性硬化症、リウマチ様関節炎、若年性関節炎、I型糖尿病、狼瘡、乾癬、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、免疫グロブリン腎症、自己免疫性甲状腺障害などの自己免疫疾患が挙げられる。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、自己免疫水疱性の皮膚障害、例えば尋常性天疱瘡(PV)または水疱性類天疱瘡(BP)である。
JAK関連疾患のさらなる例としては、例えば喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、および鼻炎などのアレルギー性の状態が挙げられる。JAK関連疾患のさらなる例としては、例えばエプスタイン−バーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)、およびヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルス性疾患が挙げられる。
JAK関連疾患または状態のさらなる例としては、例えば乾癬(例えば尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚の過敏症、皮膚の感作(例えば接触皮膚炎またはアレルギー性接触皮膚炎)などの皮膚障害が挙げられる。例えば、何らかの医薬を含む特定の物質が局所的に適用されると、皮膚の感作を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態において、皮膚障害は、少なくとも1種の本発明のJAK阻害剤を局所投与することによって治療される。
さらなる実施形態において、JAK関連疾患は、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺癌、グリア芽腫、カポジ肉腫、カストルマン病、黒色腫など)、血液の癌(例えばリンパ腫、白血病、例えば急性リンパ性白血病または多発性骨髄腫)、ならびに皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)および皮膚B細胞性リンパ腫などの皮膚癌を特徴とする癌である。皮膚T細胞リンパ腫の例としては、セザリー症候群および菌状息肉腫が挙げられる。
JAK関連疾患としてはさらに、例えば偽キナーゼドメインに少なくとも1つの突然変異を有する突然変異体(例えばJAK2V617F)などの突然変異JAK2の発現を特徴とする疾患も挙げられる。
JAK関連疾患としてはさらに、例えば真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症を伴う骨髄化生(MMM)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、全身性肥満細胞症(SMCD)などの骨髄増殖性障害(MPD)も挙げられる。
さらなるJAK関連疾患としては、炎症および炎症性疾患が挙げられる。炎症性疾患の例としては、目の炎症性疾患(例えば虹彩炎、ブドウ膜炎、強膜炎、結膜炎、または関連疾患)、気道の炎症性疾患(例えば鼻および鼻腔を含む上気道の場合、鼻炎または副鼻腔炎など、または下気道の場合、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患など)、炎症性筋疾患、例えば心筋炎、およびその他の炎症性疾患が挙げられる。
本明細書において説明される組合せ療法はさらに、虚血再潅流傷害または炎症性の虚血性の事象に関する疾患もしくは状態、例えば卒中または心停止を治療するのに使用することができる。本明細書において説明される組合せ療法はさらに、例えば癌の結果生じる、あるいは癌に伴う、食欲低下、悪液質または疲労を治療するのに使用することができる。本明細書において説明される組合せ療法はさらに、再狭窄、硬化性皮膚炎(sclerodermitis)または線維症を治療するのに使用することができる。本明細書において説明される組合せ療法はさらに、低酸素症またはアストログリオーシス(astrogliosis)に伴う状態、例えば糖尿病性網膜症、癌または神経変性を治療するのに使用することができる。
本明細書において、疾患に罹った個体に有効量の化合物Aおよび化合物Bを投与することによる、例えば骨髄増殖性障害などの疾患を治療する方法が提供される。薬剤の組合せの量は、疾患を治療するのに有効な量である。薬剤の組合せの相乗作用、すなわち特定の投薬量でそれぞれ単独で投与された1種または複数種の薬剤が有効ではなかったとしても、各薬剤を同じ投薬量で組み合わせて投与すると、治療が有効であることに留意することが重要である。それゆえに組合せ中の1種または複数種の薬剤の用量は、各薬剤のFDAに認可された用量よりも少なくてもよい。
投薬量
疾患を治療するための薬剤の組合せの最適な用量は、公知の方法を用いてそれぞれ個々に経験的に決定することができ、これらに限定されないが、疾患の進行度;個体の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、および食物;投与時間および経路;ならびに個体が受けているその他の薬物療法などの様々な要因によって決まると予想される。最適な投薬量は、慣例的な試験および当技術分野で公知の手法を用いて確立することが可能である。
単一の投薬形態を生産するための担体材料と組み合わせることが可能な薬剤の組合せの量は、治療される個体および具体的な投与様式に応じて様々であると予想される。いくつかの実施形態において、本明細書で説明されているような薬剤の組合せを含む単位投薬形態は、組合せの各薬剤を、それらの薬剤が単独で投与される場合に典型的に投与される量で含むと予想される。
投薬の頻度は、用いられる化合物および治療または予防しようとする具体的な状態に応じて様々であってもよい。一般的には、有効な治療を提供するのに必要十分な最小限の投薬量の使用が好ましい。一般的に、患者は、治療または予防される状態に適した分析を用いて、治療有効性に関してモニターされてもよく、このような分析は当業者によく知られている。
投薬形態は、製剤化学における当業者であれば容易に理解することができる様々な従来の混合、粉砕、および製造技術によって製造することができる。
薬剤の組合せまたは薬剤の組合せの個々の薬剤を含む経口用投薬形態は、カプセル、例えばゼラチンカプセルの内部に封入されたマイクロタブレットの形態であってもよい。この場合、医薬製剤で用いられるようなゼラチンカプセルを用いることができ、このようなゼラチンカプセルとしては、例えばPfizerより入手可能なCAPSUGELとして知られているハードゼラチンカプセルが挙げられる。
本明細書において有用な経口用投薬形態の多くは、薬剤の組合せまたは薬剤の組合せの個々の薬剤を粒子の形態で含む。このような粒子は、錠剤に圧縮されて、味をマスキングした投薬形態、プレスコートされた投薬形態、または腸溶性の投薬形態などのコーティングされた投薬形態のコア部分に存在していてもよいし、あるいはカプセル、浸透圧ポンプの投薬形態またはその他の投薬形態中に含まれていてもよい。
本発明の薬物化合物は、100:1〜1:100、より好ましくは1:1〜1:100、さらにより好ましくは1:10〜1:100の範囲の比率で本明細書において開示された組合せ、投薬形態、医薬組成物、および医薬製剤中に存在する。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で5mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で15mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で15mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、15mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で15mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、20mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で15mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、25mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で15mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、30mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で3〜7mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、8〜12mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で8〜12mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、8〜12mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10〜20mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、8〜12mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10〜20mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10〜20mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10〜20mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10〜30mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10〜20mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、10〜30mg投与される。
一実施形態において、ヒトに投与する場合、ルキソリチニブは、1日2回で10〜20mg与えられ、パノビノスタットは、1週間おきに週3回、20〜40mg投与される。
毒性を示さずに有効性を生じる薬物化合物の最適な比率、個々の、ならびに組み合わされた投薬量および濃度は、標的部位への活性成分の利用率の動態学に基づき、当業者に公知の方法を用いて決定される。
医薬組成物
本明細書で示される医薬組成物または組合せは、臨床研究で試験することができる。適切な臨床研究は、例えば増殖性疾患を有する患者における非盲検用量漸増試験であり得る。このような研究は、具体的には、本発明の組合せの活性成分の相乗作用を証明する。増殖性疾患への有益な作用は、これらの研究(それ自体当業者に公知である)の結果から直接的に決定することもできる。このような研究は特に、本発明の活性成分および組合せを用いた単剤療法の作用を比較するのに適している可能性がある。
本発明の医薬の組合せの投与は、例えば症状を緩和すること、症状の進行を遅らせること、または症状を抑制することに関して、有益な作用、例えば相乗的な治療効果をもたらすだけでなく、本発明の組合せで用いられる医薬活性成分のいずれか1種のみを用いた単剤療法と比較して、例えばより少ない副作用、改善された生活の質、または罹患率の低減といったさらなる驚くべき有益な作用ももたらす可能性がある。
さらなる利益は、用いられる本発明の組合せの活性成分の用量をより少なくすることができる点であり、例えば、多くの場合、より少ない投薬量でよいだけでなく、適用される頻度もより少なくすることができ、それにより副作用の発生または重症度を低減することができる。これは、治療しようとする患者の要望および必要条件に一致している。
本発明の目的の一つは、癌、例えば骨髄増殖性障害を標的または予防することにおいて連携的な治療上有効であり得る量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物において、化合物Aと化合物Bとは、1つの組み合わされた単位投薬形態で、または2つの別々の単位投薬形態で、一緒に、順々に、または別々に投与してもよい。また単位投薬形態は、固定された組合せであってもよい。
両方の化合物を別々に投与するための、または固定された組合せで、すなわち本発明に係る両方の化合物を含む単一のガレヌス組成物で投与するための医薬組成物は、自体公知の方式で調製することも可能であり、このような医薬組成物は、ヒトなどの哺乳動物(温血動物)への経腸投与、例えば経口投与または経直腸投与、および非経口投与に適しており、少なくとも1種の薬理学的に活性な組合せパートナーの治療有効量を、例えば上記で示したように単独で、あるいは特に経腸または非経口での適用に適した1つまたは複数の医薬的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物である。
製剤
本明細書で示される複合薬は、医薬製剤分野の当業者には明らかな様々な方法によって配合することができる。多種多様の方法で、上述した様々な放出特性を達成することができる。適切な製剤としては、例えば、錠剤、カプセル、プレスコート製剤、およびその他の容易に投与される製剤が挙げられる。
適切な医薬製剤は、例えば約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の活性成分(複数可)を含んでいてもよい。経腸または非経口投与用の組合せ療法のための医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセルもしくは坐剤、またはアンプルなどの単位投薬形態である。特に他の指定がなければ、これらは、自体公知の方式で、例えば従来の混合、顆粒化、糖のコーティング、溶解または凍結乾燥処理によって調製される。当然のことながら、複数の投薬単位を投与することによって必要な有効量に達すればよいため、各投薬形態の個々の用量に含まれる組合せパートナーの単位含量それ自体が有効量を構成していなくてもよい。
具体的には、治療有効量の本発明の組合せの、組合せパートナーはそれぞれ、同時または連続的に、あらゆる順番で投与してもよく、その構成要素は、別々に投与してもよいし、あるいは固定された組合せとして投与してもよい。例えば、本発明に係る疾患の治療方法は、(i)第一の薬剤を(a)遊離の形態または医薬的に許容される塩の形態で投与すること、および(ii)薬剤を(b)遊離の形態または医薬的に許容される塩の形態で、同時または連続的に、あらゆる順番で、連携的な治療有効量で、好ましくは相乗的な有効量で、例えば本明細書において説明される量に相当する1日投薬量または断続的な投薬量で投与することを含んでもよい。本発明の組合せの個々の組合せパートナーは、療法中の異なる時に別々に投与してもよいし、あるいは数回に分けた形態で、または単一の組合せの形態で並行して投与してもよい。さらに、投与という用語はまた、in vivoで組合せパートナーそのものに変換される、組合せパートナーのプロドラッグの使用も包含する。従って、本発明は、このようなあらゆる同時または交互の治療の処方計画を包含すると理解されるものとし、用語「投与」は、それに従って解釈されるものとする。
本発明の組合せで用いられる組合せパートナーそれぞれの有効な投薬量は、用いられる具体的な化合物または医薬組成物、投与様式、治療される状態、治療される状態の重症度に応じて様々であってもよい。従って、本発明の組合せの投薬計画は、投与経路、ならびに患者の腎機能および肝機能などの様々な要因に従って選択される。通常の技術を有する臨床医または医師であれば、状態を緩和する、状態の進行を阻止または停止するのに必要な単一の活性成分の有効量を容易に決定して、処方することができる。
本開示を以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
実施例A
1×10個のBa/F3 EpoR JAK2V617F−lucクローン8細胞を静脈(尾静脈)に注入したScid−ベージュマウスで化合物Aおよび化合物Bの組合せの有効性を試験するための研究が行われる。
プロトコール:
動物:80匹のScid−ベージュ雌マウス、18〜22g(無作為化時に24匹を排除し、マウス7匹ずつで8群にした)
細胞:Ba/F3 EpoR JAK2V617F−lucクローン8細胞。
細胞注入後4日、7日、9日、および11日目に全身のXenogenイメージングを行った。
動物の治療群への無作為化は、細胞注入後4日目の生物発光(BioL)に基づいて行われた。
マウスモデルおよびプロトコールは、Baffertら、Mol. Cancer Ther; 9(7)、1945、2010年7月によって説明されている。
動物および細胞株:
細胞株:Ba/F3EpoR JAK2V617F−lucクローン8
遺伝子:JAK2V617F
細胞数/注入部位:200μl中に1×10個の細胞/尾静脈内に注入
種:マウス
株:CB17/C.B−Igh−1/GbmsTac−Prkdcscid−lystbgN7、タコニック飼育場(正式名称Taconic)
性別:雌
年齢:22〜24g
数:80匹のマウス。
細胞の調製および注入:
試薬:RPMI1640(Amined)
10%FCS(Amined)
2mMのL−グルタミン(Amined)
ピューロマイシン、1μg/ml(Sigma、ロット036K4073)
ハイグロマイシン(Hygromicin)B、100μg/ml(invitrogen、ロットB13871010)
Ba/F3 EpoR JAK2V617F−luc細胞を、10%FCS、1%グルタミン、ピューロマイシン(1μg/mL)、およびハイグロマイシン(100μg/mL)が補充されたRPMI1640中で増殖させる。実験の2週間より前に、細胞を3日毎に剥ぐ(1:50)。注入の前の日に、抗生物質をまったく用いないで細胞を増殖させる(in vivoで細胞増殖を遅延させるあらゆる可能性を回避するため)。
注入の日に、細胞を回収し、HBSS緩衝液に再懸濁する(200μl中に10個の細胞)。27Gのツベルクリン用注射器を用いて細胞を尾静脈に注入する。
群の定義:
群1(7匹のマウス):ビヒクル群(経口で0.5%HPMC+腹腔内に5%D5W)
群2(7匹のマウス):5mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)+経口で0.5%HPMC
群3(7匹のマウス):10mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)+経口で0.5%HPMC
群4(7匹のマウス):15mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)+経口で0.5%HPMC
群5(7匹のマウス):79.2mg/kgの化合物Aを経口で1日2回+腹腔内に5%D5W
群6(7匹のマウス):79.2mg/kgの化合物Aを経口で1日2回+5mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)
群7(7匹のマウス):79.2mg/kgの化合物Aを経口で1日2回+10mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)
群8(7匹のマウス):79.2mg/kgの化合物Aを経口で1日2回+15mg/kgの化合物Bを腹腔内に週3回(M/W/F)
治療は同時に施される。
化合物:
化合物Aは、一リン酸塩であり、79.2mg/kg(60mg/kgの遊離塩基当量)であり、0.5%HPMCファーマコート(Pharmacoat)603中で10mL/kgである。
化合物Aを含む製剤:66mlの0.5%HPMCファーマコート603中の、522.7mgの化合物A(一リン酸塩の形態)。
化合物Bは、乳酸塩の形態であり、15mg/kg(11.90mg/kgの遊離塩基当量)、10mg/kg(7.94mg/kgの遊離塩基当量)、および5mg/kg(3.97mg/kgの遊離塩基当量)であり、5%D5W(B.Braun、ロット395147)中で10mL/kgである。
化合物Bを含む製剤:それぞれ10mlの5%D5W中の15mgの化合物B(乳酸塩の形態)、10mlの5%D5W中の10mgの化合物B、および10mlの5%D5W中の5mgの化合物B。
モニタリングおよびデータ/サンプルの収集:
動物を毎日、トランスポンダーで確認してモニターする。
細胞注入後4日目、7日目、および10日目に、イソフルラン麻酔下で(3〜5体積%イソフルラン、0.8L/分の空気流)、Xenogenカメラ(非浸潤性のIVIS(登録商標)イメージングシステム、キャリパー)を用いて生物発光を記録する。動物に、D−ルシフェリン(Xenogen Corporation、参照番号XR−1001)を150mg/kg(10ml/kg、Nacl)で腹腔内注入する。続いて、ルシフェリン注入後15分間イメージングするために、イメージングチャンバー内に麻酔したマウスを置く。
Xenogenのパラメーター:D/10秒/med/15分。
4日目に動物を無作為化し、ビヒクルで治療される動物の健康状態を基準として少なくとも6日間、治療を開始する。
スコアシートに体重(BW)および健康状態を記録する。2日連続してBWが15%を超えたら動物を屠殺する。1群あたり動物の50%より多くが死亡したら、全てのマウスを屠殺する。
屠殺すること、サンプルの収集:
化合物Aの最後の投与から2時間後;
化合物Bの最後の投与から2時間後;
− 脾臓の質量は、屠殺したときに記録する。
− サンプルを収集して液体窒素中で急速冷凍し、解析まで−80℃で維持する:
− PK解析用に、脾臓、BM、血液、および肝臓
− PDマーカー解析(p−STAT5(化合物A)およびタンパク質のアセチル化(化合物B))用に脾臓、
− PDマーカー解析(p−STAT5(化合物A)用に胸骨。
実施例Aの結果:
用量は、遊離塩基当量として示した。
表1.1〜1.8は、様々な群に関する無作為化時の生物発光を示す。
図1は、化合物Aおよび/または化合物での治療期間にわたる体重を示す。化合物Aと化合物Bとを組み合わせた場合の忍容性に大きい変化はない。
図2および3は、治療7日後、すなわち細胞注入の11日後(治療は細胞注入後の4日目に開始された)の生物発光レベルの治療作用を示す。
図4は、治療8日後の脾臓の質量を示す。
図5および6は、治療後2時間におけるPDマーカー解析(脾臓抽出物)の結果を示す。
表2は、バイオルックス(biolux)の増加率に対する治療作用を示す。
上記の結果は、Ba/F3 EpoR JAK2V617F−luc細胞により誘発された白血病の機構的マウスモデルにおいて、化合物Aおよび化合物Bの組合せは許容できることを示す(化合物Bによる単剤療法群と、化合物B+化合物Aの組合せの群とで、体重の減少が同等である)。
白血病細胞の拡散を評価したところ(Xenogenバイオルックスによる読出し)、それぞれ用量60mg/kgおよび12mg/kgの化合物Aおよび化合物Bの組合せは、これらの薬物が単剤療法として与えられた場合と比較して有意な差を示す。
実施例B
JAK1/2阻害剤である化合物Aと組み合わせた場合のデアセチラーゼ阻害剤である化合物Bの活性および忍容性を、真性多血症様疾患のJAK2V617F骨髄移植モデルで評価した。このMPN疾患モデルにおける組合せの活性を、用量8mg/kgの化合物Bと用量60mg/kgの化合物Aとで試験した。以下で詳細に示されるように、化合物BとJAK1/2阻害剤である化合物Aとの組合せは、それぞれの薬剤が単独の場合と比較して、脾腫および骨髄ならびに脾臓の組織において有意な改善を示した。
骨髄移植および解析
骨髄感染および移植
マウスの骨髄移植実験を、実質的に、Wernigら(Wernig, G.、Mercher, T.、OkabeR.ら (2006) Expression of JAK2V617F causes a polycythemia vera-like disease with associated myelofibrosis in a murine bone marrow transplant model. Blood 107: 4274〜4281)で説明されているようにして行った。簡単に言えば、Balb/cドナーマウス(6〜8週齢、Charles River、雄または雌)を、BM移植の5日前に5−フルオロウラシル(150mg/kg、腹腔内、Sigma−Aldrich、カタログ番号F6627)で処理した。ドナーマウスからの骨髄細胞を、大腿骨と脛骨とを洗い流すことにより回収した。赤血球を溶解させた後(StemCellTechnologies、Grenoble、France、カタログ番号07800)、有核細胞を、移植培地(RPMI+10%FCS+25ng/mlのIL3(R&D Systems、Abington、UK、カタログ番号403−ML)、25ng/mlのIL6(R&D Systems、カタログ番号406−ML)、および50ng/mlの幹細胞因子(SC F、Bioconcept、Allschwill、Switzerland、カタログ番号D−63120)中で24時間培養した。翌日、6ウェルプレート中で、10μgのp−MSCV−JAK2V617F−IRES−GFPベクター(Clontechから購入した元のベクターp−MSCVベクターの改変型)、および10μgのpCL−ECOベクター(Imgenex、カタログ番号10045P)でトランスフェクションした293T由来のビリオンを含む上清1mLの存在下で、細胞を2×10個の細胞/ml/ウェルで平板培養した。2回のスピンインフェクション(2500rpm、90分、32℃、Multifuge 1S−R、Heraeus)の後に、未選択の感染したBM細胞をハンクス平衡塩類溶液(HBSS)中に再懸濁し、続いて細胞(感染率に応じて1〜3×10)を、BIOBEAM8000ガンマ照射器(BEBIG GmbH、Germany)を用いて、4時間の間隔をあけて2種の線量4.5または3.5Gyを当てることにより致死量の放射線(合計で9Gyまたは7Gy)を照射されたBalb/c雌レシピエントマウスの尾静脈に注入した。
動物を毎日モニターし、目立った苦痛の徴候がみられた場合(連続して2日以上、改善がなく、嗜眠および起毛と共に過剰な体重減少がみられた場合)、屠殺した。
サンプル収集および解析
CBCおよび臓器の収集
血液を、イソフルラン麻酔(終末法)下で、尾静脈から、あるいは屠殺したときに大静脈から20Gの針を用いて採取し、自動化コンプリートおよびディファレンシャル血液細胞計数器(シスメックス血液解析装置、XT2000iV、Sysmex Digitana AG、Norderstedt、Germanyで1:5希釈を用いたキャピラリーモード)を用いて解析した。脾臓の重さを量り、脾腫を評価した。薬物動態学的研究、薬力学的研究のために血液、脾臓、胸骨、および肝臓を収集した。
フローサイトメトリーによる血液サンプル中でのGFP陽性細胞の検出
10マイクロリットルの全血を用いて、循環血中のGFP陽性細胞を検出した。簡単に言えば、血液を96ウェルの丸底プレート(Costar、カタログ番号3795)に分配し、赤血球(RBC)を200μlの赤血球溶解緩衝液(Sigma、カタログ番号R−7757)で溶解させた。暗所で、プレートアジテーターで7分インキュベートした後、細胞を遠心分離し(5分、300g)、プレートを転置することにより上清を捨てた。FACS緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水(D−PBS)、3%FBS、および0.02%アジ化ナトリウム)での3回の洗浄工程の後、有核細胞を200μlの冷FACS緩衝液中に再懸濁し、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences、Heidelberg、Germany)を用いてGFP検出用に処理した。
組織学的研究(p−STAT5、アセチル−ヒストンH3、レチクリン)
胸骨および脾臓を収集し、ホルマリン中で固定し、形を整え、パラフィンに埋め込み、マイクロトームを用いて(名目上)4μmに薄く切断した。
レチクリン線維用の銀含浸キットを用いて、胸骨で骨髄線維症を評価した(Bio−Optica、カタログ04−04080)。
脾臓および骨髄において、化合物AのPDマーカーであるp−STAT5と、化合物BのPDマーカーであるアセチル化ヒストンH3とを評価した。簡単に言えば、脾臓全体を取り出し、重さを量り、切開トレイに置いた。メスを用いて脾臓を横方向に切断して半分にし、中央部分から2つの等しい断片を取り出した。脾臓断片の厚さは3〜4mmを超えないようにした。脾臓断片を標識されたヒストカセット(histocassette)に移し、中性緩衝ホルマリン(NBF)10%(v/v)中で室温で(pH6.8〜7.2)浸漬固定した(J.T.Baker、Medite、Switzerland)。固定剤の体積は、組織体積と比較して少なくとも10倍過量であった。胸骨全体を取り出し、室温で10%NBF中で48時間固定し、PBSで洗浄し、pH7.5のEDTAクエン酸緩衝液(Biocyc GmbH、Luckenwalde、Germany)中で、3×24時間、37℃でカルシウム除去した。最後のPBSでの洗浄後、組織を細かく切断し、対象となる表面をユニバーサルヒストカセットの下方にセットし、続いてパラフィン処理用のTPC15Duo(Tissue Processing Center)中で処理した。スライド式または回転式のマイクロトーム(Mikrom International AG、Switzerland)上で、各組織パラフィンブロックから厚さ3μmの断片を数枚切り出し、45℃の水槽中で拡げ、顕微鏡スライド(Polysine、VWR International、Leuven、Belgium)上に載せ、オーブン中で、37℃で一晩風乾させた。乾燥した組織切片スライドをオーブンから取り出し、完全に自動化されたH&E(ヘマトキシリン&エオシン)染色のための、または免疫組織化学(IHC)染色用に加工された、一列に並んだ染色装置COT20(Medite、Switzerland)のスライドラックに置いた。IHCの場合、組織切片サンプルを、ウサギ抗リン酸STAT5抗体(クローンC11C5)およびウサギ抗アセチルヒストンH3抗体(Millipore、MA、USA)で染色し、カバースリップをかけて風乾させた。
組織学的評価のために、BMの細胞形成を、細胞過形成(3+)、正常な細胞形成(2+)、および細胞形成の減少(1+)のように評価した。脾臓の構造を、破壊(1+)または維持(0)のように評価した。骨髄、赤血球、および脂肪細胞の存在を、細胞形成に基づき0、1+、2+、3+のように評価した。p−STAT5評価のために、デジタルスライド画像データを、Zeiss Miraxスライドスキャナー(スキャンソフトウェアバージョン1.12、Zeiss AG、Germany)を用いて最終倍率200×でスライドガラスから作製した。Definiens eCognitionソフトウェア(eCognitionバージョンXD1.5、Definiens AG、Germany)を用いて、全スライドのp−STAT5陽性および陰性細胞核に関する自動定量的評価を行った。結果を、全ての核のうち陽性のp−STAT5核のパーセントとして示した。アセチル化ヒストンH3の染色を、陽性細胞の染色強度および数に基づき1+、2+、3+のようにスコア付けした。
アセチル化リシンのウェスタンブロット解析
凍結させた脾臓サンプルを、0.1%SDS、2mMバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸ナトリウム、および1種の抗プロテアーゼカクテルタブレット(Rocheカタログ番号11836145001)が補充された溶解緩衝液(RIPA緩衝液:pH7.2の50mMトリスHCl、120mMのNaCl、1mMのEDTA、pH8.5の6mMのEGTA、1%NP−40、20mMのNaF中で、ポリトロンホモジナイザー(IKA LaborTechnik、Ultra−Turra T25、最大速度で1分)を用いて、ホモジナイズ中に氷上でサンプルを維持しながら、ホモジナイズした。次にホモジネートを10,000rpm(15分、4℃)で遠心分離し、ガラス繊維フィルターを通過させてろ過し、−80℃で凍結させた。BCAタンパク質分析キット(Novagen、カタログ番号71285−3)を用いてホモジネートの全タンパク質含量を測定した。
各サンプルからの全タンパク質100μgを4〜12%Nupageゲル(Invitrogen、カタログ番号WG1402BX10)により変性させ、半乾性のブロッティング(BIORAD、セミドライトランスファーシステム、カタログ番号170−3940)によりPVDFメンブレン(Millipore Immobilon(商標)、カタログ番号IPVH20200、Billerica、Massachusetts、USA)に移した。メンブレンを、ブロッキング溶液(5%BSA、0.1%トゥイーン20、PBS中)で室温で1時間ブロックし、続いて0.1%トゥイーン20を含むPBSを10分毎に交換しながら30分洗浄した。続いてメンブレンを、0.1%トゥイーン20および5%乳汁を含むPBS中で1:1000に希釈した一次抗アセチル化リシン抗体(ウサギポリクローナル抗アセチル化リシン抗体、Cell Signaling、カタログ番号9441)で4℃で一晩インキュベートした。翌日、メンブレンを、0.5%トゥイーン20を含むPBSを10分毎に交換しながら30分洗浄し、続いて0.1%トゥイーン20および1%BSAを含むPBS中で1:2000に希釈した抗ウサギHRP結合二次抗体と室温で1時間インキュベートした。メンブレンを上述したように再度洗浄し、ECL+(Amersham Biosciences、カタログ番号RPN2132)で展開して脾臓抽出物中のアセチル化リシンを検出した。
β−チューブリンまたはGAPDHを用いた全タンパク質の検出
全β−チューブリンレベルを検出するために、メンブレンを、0.1%トゥイーン20および2%SDSを含むPBS中で60℃で30分ストリッピングし、0.1%トゥイーン20を含むPBSで4〜5回洗浄し、0.1%トゥイーン20および3%BSAを含むPBSで1:5000に希釈した一次抗β−チューブリン抗体(マウスモノクローナル抗β−チューブリン抗体、Sigma、カタログ番号T−4026)中で4℃で一晩インキュベートした。翌日、メンブレンを、0.5%トゥイーン20を含むPBSを10分毎に交換しながら30分洗浄し、続いて0.1%トゥイーン20および1%BSAを含むPBS中で1:5000に希釈した抗マウスHRP結合二次抗体と室温で1時間インキュベートした。メンブレンを上述したように再度洗浄し、ECLで展開してβ−チューブリンタンパク質を検出した。
GAPDHレベルを以下のようにして検出した:サンプルを再度ローディングし(40μgの全タンパク質、さらにメンブレンを、0.1%トゥイーン20および3%BSAを含むPBS中で1:5000に希釈した一次抗GAPDH抗体(ウサギ抗GAPDH抗体、Cell Signaling、カタログ番号2118)中で4℃で一晩インキュベートした。翌日、メンブレンを、0.5%トゥイーン20を含むPBSを10分毎に交換しながら30分洗浄し、続いて0.1%トゥイーン20および1%BSAを含むPBS中で1:1000に希釈した抗ウサギHRP結合二次抗体(GE Healthcare、カタログ番号NA931)と室温で1時間インキュベートした。メンブレンを上述したように再度洗浄し、ECLで展開して脾臓抽出物中のGAPDHタンパク質を検出した。
化合物Aおよび化合物Bを定量するための生物学的分析(LC/MS−MS)
化合物Aおよび化合物Bの血漿中および組織中の濃度をUPLC/MS−MS分析によって同時に決定した。Fast Prep(登録商標)−24システム(M.P.Biomedicals、Irvine、CA、USA)を用いて、等しい体積のHPLC水(クロマトグラフィー用の水、Merck)中で組織をホモジナイズした。血液または組織ホモジネートの分析アリコート(25μl)に25μlの内部標準混合物(1μg/ml)を添加した後、200μlのアセトニトリルの添加によりタンパク質を沈殿させた。上清を新しいバイアルに移した。乾燥するまで蒸発させた後、サンプルを、60μlのアセトニトリル/水(1/1、v/v)中に再溶解させた。この溶液のアリコート(5μl)を、ACQUITY UPLC BEH C18カラム(Waters(商標)、粒度1.7μm、2.1×50mm)上で、水中の0.1%ギ酸(溶媒A)とアセトニトリル中の0.1%ギ酸(溶媒B)との混合物からなる移動相を用いて分離させた。勾配のプログラミングを、流速600μl/分で用いた。95%溶媒Aで平衡化した後、5μlのサンプルを注入した。0.25分の待ち時間の後、サンプルを0.65分にわたり直線的な濃度勾配の5〜100%溶媒Bで溶出させ、続いて0.35分保持した。次のサンプルのために、0.25分にわたり再度平衡化することによりカラムを開始時の状態に調製した。カラムの溶出液を、Masslynx(商標)4.1ソフトウェアで制御されたトリプル四重極型質量分析計TQD(商標)(Waters Corporation、Milford、MA、USA)のイオン源に直接導入した。分析物のMS/MS検出のために、エレクトロスプレー陽イオン化(ESI+)の多重反応モニタリングを用いた。化合物Aに関しては、生成物前駆体の307.0からm/z186.0へのイオン転位を用いた。同時に、化合物Bに関しては、生成物前駆体の350.1からm/z142.9へのイオン転位を記録した。両方の化合物の定量限界(LOQ)は、血漿および組織それぞれについて9ng/mlおよび9ng/gに設定された(CV、全体のバイアスは30%未満)。QuanLynx(商標)4.1(Micromass)およびExcel(商標)2007(Microsoft)を用いて回帰分析およびさらなる計算を行った。未知のサンプルの濃度を、ビヒクルで治療された動物から得られたブランク血液または組織に較正サンプルを入れることにより構築された検量線から、分析物/ISのピーク領域の比率に基づいて逆に計算した。
維持の条件
Balb/cByJIcoマウス(C.River、France)をオートクレーブしたケージ中で保持した(1ケージあたり最大で5匹の動物)。明/暗サイクルは、以下のように、すなわち12時間暗くし、12時間明るくした(午前6:30から午後6:30まで明るくした)。移植後の最初の2週間にわたり、放射線照射後の動物の回復を助け、感染を回避するために、動物に、ガンマ線照射したウェットフードと、オートクレーブした抗生物質を含む水(BACTRIM、4mgのスルファメトキサゾリン(Sulfamethoxazolime)、0.8mgのトリメトプリムの最終濃度)、Roche Pharma AG、Reinach、Switzerland)、飲用水250ml中に5ml)とを適宜与えた。
試験化合物および製剤
化合物Bを乳酸塩として静脈内または腹膜内注入によって投与した。化合物Bの乳酸塩を、等張のD5W(5%デキストロース;B.Braun、ロット395147)中にそれぞれ1.5mg/ml、1mg/ml、および0.5mg/mlの濃度で配合した。この溶液は室温で最長10日間安定であった。治療を10ml/kgの量で週3回施した。最終的な用量(遊離塩基当量)は、それぞれ11.90、7.94、および3.97mg/kgであった。図面では、これらの用量は全体の値として報告した。
化合物Aの一リン酸塩を、0.5%HPMC(ファーマコート603、Dow Chemical Plaqueline、USA)中に7.9mg/mlの濃度で配合した。溶液は、室温で4日間安定であった。治療を、10ml/kgの量で1日2回施した。最終的な用量(遊離塩基当量)は、60mg/kgであった。
2種の化合物を同時に与えた。
統計
図および表に示した結果は、平均±標準誤差で表示される。パーセンテージで示される体重の変化、および脾臓の質量に関する絶対値または変換値(log10、または指定されているその他の値)、網状赤血球、WBC数、Hct、および組織学的データを、対応のないt検定または順位和検定によって解析し、単一の治療群とビヒクル群とを比較するか、あるいは片側ANOVA、続いてダネット検定によって解析し、治療群とビヒクル群とを比較した。テューキー検定を用いて多重比較を行った。屠殺した日に全ての比較を行った。有意水準は、p<0.05に設定された。ウィンドウズ(登録商標)用のグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)(GraphPad Software Inc.)を用いて計算を行った。
実施例Bの結果:
in vivoにおける化合物Aおよび化合物Bを組み合わせた場合の有効性および忍容性
化合物Bの有効性は、化合物Aと組み合わせることにより改善され得るという仮説を試験するために、JAK2V617F形質導入骨髄細胞を移植したBalb/cマウスを、JAK1/2阻害剤である化合物Aと組み合わせて化合物Aで治療した。JAK阻害剤である化合物Aと組み合わせた様々な用量の化合物Bの影響を評価するために、化合物Aについては中程度の有効性を生じる用量を選択した。
BMT後27日目にマウスをHct値に基づいて無作為化し(この実験において平均で67%、N=9/群)、単一の薬剤または組合せとして化合物B(8mg/kg、MWFで週3回、腹腔内)および化合物A(60mg/kg、1日2回、経口)で治療した。化合物B単独の場合、多少の体重減少(平均して−5%)が示された。化合物Bを化合物Aと組み合わせた場合、この体重の減少はそれよりも有意に高かった(平均して−10%、図7および表4)。化合物Bを単独で与えたところ、脾臓の質量が減少し、正常値にはならなかった。化合物Aは、脾臓の質量を減少させる傾向を示したが、大きく変動した(67〜1153mgの範囲)。組み合わせることにより、脾臓の質量/体積に関して有効性が改善され、治療から3週間後に正常状態に戻るか、あるいは(9匹の動物のうち6匹において)組織学的に正常な範囲を下回ることさえあった(図8および表4)。組合せは、網状赤血球数に対して強く作用する傾向を示したが(いくつかの動物では0.1×1012/L未満の極めて低い値が観察された)、この作用は、単一の薬剤で治療された群と有意差はなかった。化合物Bを単独で与えた場合、および化合物Aと組み合わせた場合(この実験で、ビヒクル群中の1匹の動物と化合物A群中の1匹の動物とを除いて、白血球増加がみられなかったにもかかわらず)、WBC数は減少した。PLT数は、化合物B単独の治療および化合物Aとの組合せの影響を受けた(図11)。この化合物Bおよび組合せ群に関する研究で、アレルバーデンによる代理読出し(循環血中のGFP陽性細胞)における減少の傾向が観察された(表4)。
治療の全ての薬物治療群に関して、骨髄細胞過形成の減少が観察された(組合せ>化合物A=化合物B)。治療により脾臓の構造が改善され、組合せ群で最も強い作用が観察された(組合せ>化合物A>化合物B)。胸骨断片のレチクリン染色によって評価したところ、大きな変動があったが、化合物Aおよび組合せ群は線維症スコアを低くする傾向を示した。
単一の薬剤としての化合物Aで、および化合物Bと組み合わせた化合物Aで治療したところ、IHCによるPDマーカー評価によりp−STAT5マーカーの明らかな減少が示された。アセチル化ヒストンH3については、化合物B単独で、または組み合わせて治療したところ、デアセチラーゼ阻害に関する代理読出しから明らかな増加がみられた。
図13〜19は、様々な染色方法での骨髄および/または脾臓の画像を示す。
組織が化合物に曝露された際の、組合せの処方計画による目立った影響はなかった(表5)。
この実施例により、化合物AおよびBの組合せは、脾臓の質量/体積に関する有効性を改善したことが実証される。
実施例C
臨床試験
原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後の骨髄線維症(PP−MF)または本態性血小板血症後の骨髄線維症(PET−MF)を有する患者におけるパノビノスタットおよびルキソリチニブの組合せの経口投与の安全性および薬物動態学を評価するために、第1b相の非盲検多施設単一群の用量設定試験は現在行われている。
図20は、研究の設計および方法を説明する。
この試験の目的は、以下のうち1つまたは複数を確立することである:
(1)MFを有する患者において、ルキソリチニブとパノビノスタットとの組合せのMTDおよび/またはRPIIDを確立すること;
(2)MFを有する患者にルキソリチニブとパノビノスタットとを経口で共投与することの安全性を評価すること;
(3)MFを有する患者に、単一の薬剤として、およびパノビノスタットと組み合わせて与えた場合の、ルキソリチニブの様々な用量における薬物動態学を特徴付けること;および/または
(4)MFを有する患者における、ルキソリチニブと組み合わせた場合のパノビノスタットの様々な用量における薬物動態学を特徴付けること。
組み入れ基準:
A.患者は、彼等のJAK2 V617F突然変異の状態に関わりなく、PMF、PPV−MF、またはPET−MFであるという診断が確定している
B.PMFに関する世界保健機関(WHO)基準のガイドに従って、この研究には、国際的予後予測スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System)(IPSS)基準により中間−1、−2または高い危険と指定され、肋骨縁の下に5cm以上の触診可能な脾腫を有する患者が含まれる
C.患者は、以下の危険因子の少なくとも1つを有していたはずである
a.全身症状があること(サイクル1、1日目[C1D1]の前の年における基準値の10%を超える体重減少、1カ月以上続く原因不明の発熱または過剰な寝汗)
b.スクリーニングのための来院時に実証される著しい貧血(ヘモグロビン<10g/dL0
c.白血球増加(25×10/Lを超える白血球数を示す病歴)
d.1%以上の循環血中の芽細胞
D.用量漸増は、過剰な用量の対照を用いたベイズのロジスティック回帰モデルで導かれ、第一サイクルにおける用量規定毒性(DLT)、加えてその他の安全性の所見によって決まると予想される
E.各投与コホートは、3人以上の評価可能な患者からなっていた
F.RP2Dおよび/またはMTDを決定するためには、9人以上の患者のあらゆる所定用量レベルにおけるデータが必要であると予想される
G.1日目にルキソリチニブ単独を単回投与し、2および6日目にパノビノスタットと組み合わせて投与した後に連続的に収集された血液サンプルは、液体クロマトグラフィータンデムマススペクトロメトリーにより血漿濃度について評価される
H.ノンコンパートメント解析を用いて薬物動態パラメーターを得た
結果:
7つのコホートが研究に提案されている。この研究は未だ進行中であり、現状ではコホート1〜3からのデータのみが入手可能である。
表6は、コホート1〜3の患者数および疾患のサブタイプを示す。
図21は、コホート1での経時的な触診可能な脾臓の長さを説明する。
表7は、コホート1での最良の触診可能な脾臓の長さにおける応答および症状における応答を示す。
図22は、コホート2での経時的な触診可能な脾臓の長さを説明する。
表8は、コホート2での最良の触診可能な脾臓の長さにおける応答および症状における応答を示す。
図23は、コホート3での経時的な触診可能な脾臓の長さを説明する。
表9は、コホート3での最良の触診可能な脾臓の長さにおける応答および症状における応答を示す。
表10は、治療を研究するために、関係が疑われるコホート1〜3でグレード3/4の有害事象があったことを報告する。コホート1またはコホート3ではDLTまたはSAEは観察されなかった。コホート2において、1件のDLT(グレード4の血小板減少症)が報告された。さらに1件のSAE(グレード3の吐き気およびグレード3の下痢)もあった。これまで臨床的に有意なEKG異常は観察されなかった。
これまでの臨床研究から、ルキソリチニブとパノビノスタットとの組合せは、有望な活性を有しつつ十分な忍容性を有すると予想されることが示される。これまでに調査されたルキソリチニブおよびパノビノスタットの用量で、グレード3/4の貧血および血小板減少症が低い割合で観察されている。初期のデータから、ルキソリチニブとパノビノスタットとの間に起こり得る薬物相互作用はないことが示唆されている。追加のコホートにより、この有望な組合せにとって最適な、MF患者の治療における投薬戦略が確立されると予想される。
略語のリスト:

Claims (9)

  1. 式(A):

    の化合物A((R)−3−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロペンチルプロパンニトリル)またはその医薬的に許容される塩;および
    式(B):

    の化合物B(N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド)またはその医薬的に許容される塩
    を含む、癌を治療するための医薬組成物であって、
    前記癌が、慢性骨髄性白血病(CML)、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症(PMF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、および異型慢性骨髄性白血病からなる群より選択される骨髄増殖性腫瘍である、医薬組成物。
  2. 医薬的に許容される担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 単一製剤または単一単位投薬形態の、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. ヒトに投与されるものである、請求項1からのいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 化合物Aと化合物Bとが共投与されるものである、請求項1からのいずれかに記載の医薬組成物。
  6. 化合物Aおよび化合物Bが、単一製剤または単一単位投薬形態である、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. 化合物Aと化合物Bとが実質的に同時に投与されるものである、請求項1からのいずれかに記載の医薬組成物。
  8. 化合物Aと化合物Bとが異なる時に投与されるものである、請求項1からのいずれかに記載の医薬組成物。
  9. 化合物Aおよび化合物Bが、別々の製剤または別々の単位投薬形態である、請求項及びのいずれかに記載の医薬組成物。
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