JP6200189B2 - 両軸受リールのスプール制動装置、及び両軸受リール - Google Patents

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本発明は、スプール制動装置、特に、両軸受リールのスプールの回転を制動する両軸受リールのスプール制動装置に関する。また、本発明は、両軸受リールに関する。
ルアーフィッシングに用いられる両軸受リールでは、キャスティング時にスプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くなるバックラッシュが生じる場合がある。バックラッシュが生じると、釣り糸がたるむ、いわゆる糸ふけが生じ、糸がらみの原因になる。そこで、特許文献1に示されるような電磁ブレーキが提供されている。この電磁ブレーキでは、スプールに制動力を作用させるとともに、その制動力を調整することが可能である。
特許文献1の電磁ブレーキは、円筒形の磁石支持フレームを、有している。磁石支持フレームには、円周方向に複数の磁石が配置されている。複数の磁石の磁極面が、スプールの側壁と所定の間隔を隔てて(対向して)配置されている。磁石支持フレームをスプール軸方向に移動させることによって、磁石の磁極面とスプール側壁との間隔が変更される。これにより、スプールの制動力が調整される。
磁石支持フレームの軸方向位置は、磁石支持フレームの外周面に形成されたカム溝と、このカム溝に係合する案内突起とによって、決定される。具体的には、磁石支持フレームは、所定角度範囲内で回転自在であり、スプールの回転速度に対応して回転する。この磁石支持フレームの回転は、カム溝及び案内突起の係合によって、磁石支持フレームの軸方向の移動に変換される。そして、磁石支持フレームの軸方向の移動によって、磁石支持フレームに支持された磁石の磁極面とスプール側壁との間隔が、調整される。すなわち、スプールの制動力が調整される。
特公平4−68892号公報
特許文献1のスプール制動装置は、対向して配置された磁石の磁極面とスプール側壁との間の微小隙間を調整するものであるので、制動力を調整できる範囲が狭い。この調整範囲を広げようとして、磁石支持フレームの移動ストロークを大きくすると、装置の大型化を招く。また、特許文献1に示された制動力を調整するための構成では、スプールの高速回転に追随して、磁石支持フレームが容易に軸方向に移動し、スプールの制動力が急激に増加する。このような構成では、キャスティング時に飛距離が伸びないおそれがある。
本発明の課題は、両軸受リールのスプール制動装置において、制動力を広範囲で調整できるようにし、スプールの回転に応じた制動力をスプールに適切に付与できるようにすることにある。
発明1に係る両軸受リールのスプール制動装置は、両軸受リールのリール本体に回転自在に装着されたスプールの回転を、制動する装置である。このスプール制動装置は、制動手段と、制動力調整手段とを、備えている。制動手段は、スプールと連動して回転する導電体部と、導電体部と径方向において対向可能な磁石部とを有している。制動手段は、導電体部に作用する磁石部の磁力に基づいて、スプールの回転を制動する。制動力調整手段は、スプールの回転に対する制動力を、調整する。
制動力調整手段は、固定部と、可動部とを、有する。固定部は、リール本体に設けられる。可動部の少なくとも一部は、固定部の外周に相対回転可能に配置される。可動部は、固定部に対する相対回転に応じて回転軸方向に移動可能であり、磁石部を導電体部に対して相対的に移動させる。
可動部は、固定部に対する回転量に対し、第1比率、および、第1比率とは異なる第2比率の少なくとも2つの複数の比率で、磁石部を回転軸方向に移動させ、導電体部に作用する磁石部の磁力を変化させることによって、スプールの回転に対する制動力を調整する。
本スプール制動装置では、制動手段において、磁石部と導電体部とが径方向において対向した状態において導電体部が回転した場合に、導電体部に作用する磁石部の磁力によって、スプールの回転が制動される。また、制動力調整手段では、磁石部の磁力に基づいて、複数の比率で磁石部が導電体部に対して相対的に移動させられる。また、制動力調整手段では、磁石部の移動に応じて磁力を変化させることによって、スプールの回転に対する制動力が、調整される。
このように、本スプール制動装置では、制動力調整手段によって、磁石部を移動させることによって、導電体に作用する磁力が、変化し、スプールの制動力が調整される。これにより、本スプール制動装置では、従来技術、例えば対向する磁石部と導電体の間隔を調整する装置と比較して、スプールの制動力をスムーズ且つ広範囲で調整することができる。
また、本スプール制動装置では、制動力調整手段において、磁石部の磁力に基づいて、複数の比率で磁石部が導電体部に対して相対的に移動する。これにより、スプールの回転に応じた制動力を、スプールに適切に付与することができる。例えば、スプールが高速回転しても、スプールの制動力が急激に増加することを抑制することができる。
さらに、本スプール制動装置では、磁石部を有する可動部は、リール本体に設けられた固定部に対する相対回転に応じて、複数の比率で回転軸方向に移動可能である。このように構成しても、スプールの制動力をスムーズ且つ広範囲で調整することができ、スプールの回転に応じた制動力を、スプールに適切に付与することができる。
発明2に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1に記載のスプール制動装置において、制動力調整手段が、第1比率、および、第2比率の少なくとも2つの複数の比率で、磁石部を導電体に対して相対的な移動を案内する案内部と、案内部に案内される被案内部とを、さらに有している。
本スプール制動装置では、案内部が、複数の比率で、磁石部を導電体に対して相対的に案内する。また、被案内部は、案内部に案内される。このように、本スプール制動装置では、被案内部が案内部に案内されることによって、複数の比率で磁石部を導電体部に対して相対的に移動することができる。すなわち、スプールの回転に応じた制動力を、スプールに適切に付与することができる。
発明3に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明2に記載のスプール制動装置において、案内部が、第1案内部と、第2案内部とを、有している。第1案内部は、第1比率で、磁石部を導電体に対して相対的な移動に案内する。第2案内部は、第1比率とは異なる第2比率で、磁石部を導電体に対して相対的な移動に案内する。
本スプール制動装置では、案内部が、第1案内部と第2案内部とを、有している。第2案内部は、第1案内部とは異なる比率で、磁石部を案内する。例えば、スプールが低速回転する場合には、第1案内部が磁石部を案内し、スプールが高速回転する場合には、第2案内部が磁石部を案内する。このように、スプールの回転に応じて、磁石部を案内する比率を変更することによって、制動力を、スプールに適切に付与することができる。
発明に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1から3のいずれか1項に記載に記載のスプール制動装置において、案内部が、固定部及び可動部のいずれか一方に設けられている。被案内部は、固定部及び可動部のいずれか他方に設けられる。被案内部は、案内部に沿って、相対的に回転可能であり、且つ回転軸方向に移動可能である。
本スプール制動装置では、被案内部が案内部に沿って移動することによって、可動部が回転しながら回転軸方向に移動するので、可動部を固定部に対してスムーズに移動させることができる。すなわち、スプールの回転に応じた制動力を、スムーズに変更することができる。
発明に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1からのいずれか1項に記載のスプール制動装置において、スプールが導電体部となっている。スプールは、金属製である。この場合、スプール自身を導電体とすることで、全体の部品点数を削減できる。
発明に係る両軸受リールのスプール制動装置では、発明1からのいずれか1項に記載のスプール制動装置において、スプールに固定された金属製の部材が、導電体部となっている。この場合、スプールを非導電体でない材質で形成したとしても、スプールの回転に応じた制動力を、スプールに適切に付与することができる。
発明に係る両軸受リールのスプール制動装置では、請求項に記載のスプール制動装置において、導電体部が、スプールのスプール軸に固定された金属製の部材である。この場合、導電体すなわち筒状部材を、容易に装着することができる。
発明に係る両軸受リールは、釣竿に取り付けられ、釣り糸の繰り出し及び巻き取りを行うリールである。本両軸受リールは、リール本体と、スプールと、スプール制動装置とを、備えている。リール本体は、釣竿に装着される。スプールは、リール本体に回転可能に支持され、釣り糸を外周に巻き取る。スプール制動装置は、上記の発明1からのいずれか1項に記載された装置である。この両軸受リールでは、上記の発明1からに示した効果と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、両軸受リールのスプール制動装置において、制動力を広範囲で調整でき、スプールの回転に応じた制動力をスプールに適切に付与できる。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。 前記両軸受リールのリール本体内部の構成を示す断面図。 前記両軸受リールのスプール制動装置の拡大断面図。 第2筒部が軸方向に移動したときの前記スプール制動装置の拡大断面図。 前記スプール制動装置の要部の拡大分解斜視図。 第1筒部の拡大斜視図。 前記第1筒部の被係合部の各形状におけるスプールの回転数とスプール制動力との関係を示す曲線(なお、本発明をグラフA、第2の実施例をグラフB、第3の実施例をグラフCに示す)。 他の実施形態の図3に相当する図。 他の実施形態の図3に相当する図。 他の実施形態の図3に相当する図。
<両軸受リールの全体構成>
図1に本発明の一実施形態が採用された両軸受リールを示す。この両軸受リールは、主にルアーフィッシングに用いられるベイトリールである。この両軸受リールは、リール本体1と、リール本体の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、を備えている。ハンドル2は、ダブルハンドル型である。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された1対の把手部2bとを、有している。ハンドル2のアーム部2aの外側面は、繋ぎ目がない滑らかな面で構成されており、釣り糸が絡みにくい形状になっている。
リール本体1は、図1及び図2に示すように、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7と、フレーム5の上部に装着されたサムレスト10と、を、有している。フレーム5は、所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された1対の第1側板8及び第2側板9と、これらの第1側板8及び第2側板9を連結する図示しない複数の連結部とを有している。
ハンドル2側の第2側カバー7は、ねじにより第2側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆側の第1側板8には、スプール12が通過可能な開口8aが、形成されている。ハンドル2と逆側の第1側カバー6には、ブレーキケース55が、ビスにより固定されている。
フレーム5内には、図2に示すように、スプール12と、レベルワインド機構15と、クラッチ操作レバー17と、が配置されている。レベルワインド機構15は、スプール12に釣り糸を均一に巻き付けるための機構である。クラッチ操作レバー17は、サミングを行う場合の親指の当てとなる。
また、フレーム5と第2側カバー7との間には、ギア機構18と、クラッチ機構13と、クラッチ係脱機構19と、ドラグ機構21と、キャスティングコントロール機構22と、が、配置されている。ギア機構18は、ハンドル2からの回転力を、スプール12及びレベルワインド機構15に伝える。クラッチ係脱機構19は、クラッチ操作レバー17の操作に応じて、クラッチ機構13の係脱を行う。ドラグ機構21は、糸繰り出し時にスプール12を制動する。キャスティングコントロール機構22は、スプール軸16を両端で挟んで制動する。また、開口8aには、キャスティング時のバックラッシュを抑えるためのスプール制動構造20が、配置されている。
スプール12は、両側部に皿状のフランジ部12aを有している。また、スプール12は、両フランジ部12aの間に、筒状の糸巻胴部12bを有している。また、スプール12は、糸巻胴部12bの内周側に一体に形成された筒状のボス部12cを、有している。スプール12は、ボス部12cを貫通するスプール軸16に、たとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。スプール12は、例えばアルミニウム合金製であり、非磁性の電気的導電体である。ここでは、スプール12が、後述する導電体50に対応している。
スプール軸16は、第2側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。スプール軸16の一端は、軸受35bにより、第2側カバー7に形成されたボス部29に対して、回転自在に支持されている。また、スプール軸16の他端は、ブレーキケース55の内筒部55a内で、軸受35aにより回転自在に支持されている。
レベルワインド機構15は、1対の第1側板8及び第2側板9の間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に配置された螺軸26と、ラインガイド27とを、有している。螺軸26の端部には、ギア機構18を構成するギア28aが、固定されている。また、螺軸26には、螺旋状溝26aが形成されている。この螺旋状溝26aには、ラインガイド27が噛み合っている。このため、ギア機構18を介して螺軸26が回転させられることにより、ラインガイド27は、ガイド筒25によって往復移動する。このラインガイド27内に釣り糸が挿通され、この釣り糸がスプール12に均一に巻き付けられる。
ギア機構18は、ハンドル軸30に回転自在に装着されハンドル軸30の回転がドラグ機構21を介して伝達されるドライブギア31と、ドライブギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、前述の螺軸26端部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不能に固定されギア28aに噛み合うギア28bとを、有している。
ピニオンギア32は、第2側板9を貫通して配置されている。ピニオンギア32は、筒状部材である。ピニオンギア32の中心には、スプール軸16が挿通される。ピニオンギア32は、スプール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、図2右端部外周に形成されドライブギア31に噛み合う歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bとを、有している。歯部32aと噛み合い部32bとの間には、くびれ部32cが設けられている。
噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に形成された凹溝から構成されている。この凹溝には、スプール軸16を径方向に貫通するクラッチピン16aが、連結される。ここで、ピニオンギア32が外方に移動して、その噛み合い部32bの凹溝とスプール軸16のクラッチピン16aとが離脱して連結が解除されると、ハンドル軸30からの回転は、スプール12に伝達されなくなる。この噛み合い部32bの凹溝とクラッチピン16aとにより、クラッチ機構13が構成される。
クラッチ操作レバー17は、1対の第1側板8及び第2側板9の間の後部で、スプール12後方に配置されている。フレーム5の第1側板8及び第2側板9には、図示しない長孔が形成されている。クラッチ操作レバー17を固定する図示しないクラッチカムが、この長孔を貫通している。クラッチ操作レバー17は、長孔に沿って上下方向にスライドする。クラッチ係脱機構19は、クラッチヨーク40を有している。クラッチ係脱機構19は、クラッチ操作レバー17の回動により、クラッチヨーク40をスプール軸の軸芯と平行に移動させる。また、クラッチ係脱機構19は、ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると、クラッチ機構13が自動的にオンするように、クラッチヨーク40を移動させる。
このように構成において、通常状態では、ピニオンギア32は、内方のクラッチ係合位置に位置している。このクラッチ係合位置において、ピニオンギア32の噛み合い部32bとスプール軸16のクラッチピン16aとが係合して、クラッチオン状態となっている。一方で、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動した場合には、噛み合い部32bとクラッチピン16aとの係合が外れ、クラッチオフ状態となる。
キャスティングコントロール機構22は、ボス部29の外周側に形成された雄ネジ部に螺合する有底筒状のキャップ45と、キャップ45の底部に装着された摩擦プレート46と、ブレーキケース55に装着された摩擦プレート47とを、備えている。摩擦プレート46及び摩擦プレート47は、スプール軸16の両端に接触して、スプール軸16を挟持する。例えば、キャップ45が回転された場合、摩擦プレート46及び摩擦プレート47によって発生する挟持力が、調整される。これにより、スプール12の制動力が調整される。
ブレーキケース55は、図3に示すように、有底筒状のケース部材である。ブレーキケース55は、外周部が第1側板8の開口8aに、バヨネット構造14によって装着される。ブレーキケース55のスプール12側(図4右側)中央部には、筒状に突出する内筒部55aを、有している。内筒部55aの外周部には、第1筒部60が装着される。内筒部55aの内周部は、軸受35aの外輪を支持している。内筒部55aの基端部外周部には、複数の貫通孔55bが形成されている。貫通孔55bには、操作つまみ65の押圧部65b(後述する)が挿通される。
操作つまみ65は、図3及び図4に示すように、円形のつまみ部65aと、複数の押圧部65bとを、有している。つまみ部65aは、第1側カバー6に形成された開口6aから露出する部分である。複数の押圧部65bは、つまみ部65aのスプール12側(図3及び図4右側)に突出して、設けられている。押圧部65bは、貫通孔55bに挿通され、第1筒部60を押圧可能に第1筒部60のフランジ部60cに当接している。
つまみ部65aは、開口6aに回転自在に支持されている。操作つまみ65は、つまみ部65aの回転を押圧部65bの軸方向の移動に変換する図示しないカム機構を、有している。ここでは、操作つまみ65を時計回りに回すと、カム作用により、第2筒部61及び磁石51が、第1筒部60を介して、スプール12に接近する方向(図3右側)に移動する。すなわち、磁石51が、スプール12(後述する導電体50)に接近する。この結果、スプール12を通過する磁束の数が増加して、スプール12,50に対する制動力が強くなる。
また、操作つまみ65を反時計回りに回すと、カム作用により、第2筒部61及び磁石51が、第1筒部60を介して、スプール12から離反する方向(図3左側)に移動する。すなわち、磁石51がスプール12から離反する。この結果、スプール12を通過する磁束の数が減少して、全体の制動力が弱くなる。
このように、操作つまみ65を回転することによって、スプール12の初期制動力が設定される。
<スプール制動構造の構成>
スプール制動構造20は、両軸受リールのリール本体1に回転自在に装着されたスプール12の回転を、制動するためのものである。詳細には、スプール制動構造20は、スプール12(後述する導電体50に対応)に作用する磁石51(後述する)の磁力に基づいて、スプール12の回転を制動する。これにより、導電体50であるスプール12には、回転方向と逆方向の力(制動力)が、付加される。このようにスプール12を制動することによって、例えば、キャスティング時のバックラッシュ等が、抑制される。
スプール制動構造20は、図3及び図4に示すように、リール本体1の側方に配置されている。詳細には、スプール制動構造20は、ハンドル2と逆側の第1側板8に形成された開口8aに、配置されている。スプール制動構造20は、スプール制動機構23と、スプール制動力調整機構64とを、備えている。
<スプール制動機構の構成>
スプール制動機構23は、図3から図5に示すように、スプール12と連動して回転する導電体50と、導電体50と対向可能な磁石51とを、有している。
導電体50は、スプール12と連動して回転するものである。ここでは、導電体50は、アルミニウム合金製のスプール12に対応している。詳細には、スプール12の第1側板8側(図3左側)の筒状の糸巻胴部12bの内周部が、主に、導電体50に対応している。以下では、「導電体50」を、「スプール12,50」と記す。スプール12,50は、非磁性の電気的導電体である。
図3及び図4に示すように、磁石51は、スプール12,50と対向可能に設けられている。磁石51は、スプール12,50に磁力を作用させることにより、スプール12,50の回転を制動するものである。図5に示すように、第2筒部61(後述する)の外周部には、磁石51が固定されている。磁石51は、たとえば、8個の矩形板状の永久磁石で、構成されている。図5に示すように、磁石51は、第2筒部61の外周部において、周方向に等間隔に8箇所に配置されている。
磁石51は、スプール12,50の内周側に、配置されている。これにより、磁石51の磁界には、スプール12,50が配置される。この状態において、スプール12,50が回転すると、スプール12,50の回転数に応じた渦電流が発生する。この渦電流の発生によって、スプール12,50には、回転方向と逆方向の力が、付与される。これにより、スプール12,50が制動される。すなわち、磁石51とスプール12,50とが径方向において対向した状態において、スプール12,50が回転した場合に、スプール12,50が制動される。
<スプール制動力調整機構の構成>
スプール制動力調整機構64は、スプール12,50の回転に応じて、スプール12,50の制動力を調整するためのものである。スプール制動力調整機構64は、磁石51をスプール12,50に対して相対的に移動させるときの比率を、変更することによって、スプール12,50の制動力を調整する。これにより、スプール12,50の回転に対する制動力を、調整する。
スプール制動力調整機構64は、筒状の第1筒部60(固定部の一例)と、筒状の第2筒部61(可動部の一例)と、ばね部材62と、抜け止め部材63とを、有している。
図3から図5に示すように、第1筒部60は、リール本体1に設けられている。具体的には、第1筒部60は、ブレーキケース55の内筒部55aの外周部に装着される。より具体的には、第1筒部60の内周部が、ブレーキケース55の内筒部55aの外周部に装着される。
第1筒部60は、被係合部60a(案内部の一例)を有する。被係合部60aは、複数の比率で、磁石51をスプール12,50に対して、相対的に案内する。被係合部60aは、周方向の変化に対して軸方向に徐々に変化する曲線形状に、形成されている。より具体的には、被係合部60aは、周方向の変化に対する軸方向の変化が徐々に大きくなる曲線形状に、形成されている。被係合部60aは、例えば、曲線状に形成された溝部である。
被係合部60aは、第1被係合部160a(第1案内部の一例)と、第2被係合部260a(第2案内部の一例)とを、有している。
第1被係合部160aは、図5及び図6に示すように、被係合部60aの第1範囲H1に形成されている。第1被係合部160aは、第1比率で、磁石51をスプール12,50に対して相対的に案内する。第1被係合部160aの形状は、第1曲線、例えば第1多次曲線によって定義されている。ここでは、第1被係合部160aの形状は、例えば、2次曲線によって定義されている。この第1曲線(第1多次曲線、第1の2次曲線)によって、第1比率が決定される。
第2被係合部260aは、図5及び図6に示すように、被係合部60aの第2範囲H2に形成されている。第2被係合部260aは、第1比率とは異なる第2比率で、磁石51をスプール12,50に対して相対的に案内する。第2被係合部260aの形状は、第1被係合部160aの形状とは異なっている。第2被係合部260aは、第1被係合部160aとは異なる曲線で形成されている。詳細には、第2被係合部260aの形状は、第1被係合部160aとは異なる第2曲線、例えば第2多次曲線によって、定義されている。ここでは、第2被係合部260aの形状は、例えば、第1の2次曲線より曲率の大きい第2の2次曲線によって、定義されている。この第2曲線(第2多次曲線、第2の2次曲線)によって、第2比率が決定される。
なお、多次曲線は、複数の次数を有する曲線を意味する文言である。多次曲線は、第1筒部60の外周面において軸方向に延びる第1基準軸Xと、第1筒部60の外周面において周方向に延びる第2基準軸Yとによって定義される(図6を参照)。
このように、第1被係合部160a及び第2被係合部260aを、互いに異なる形状の曲線で構成することによって、第1被係合部160aにおける第1筒部60の周方向(第2基準軸Yの方向)への第1変化量に対する第1筒部60の軸方向(第1基準軸Xの方向)への第2変化量が、第2被係合部260aにおける第1変化量に対する第2変化量より、小さくなる。言い換えると、第2被係合部260aにおける第1変化量に対する第2変化量が、第1被係合部160aにおける第1変化量に対する第2変化量より、大きくなる。この差異は、第1比率と第2比率との違いによって生じる。
また、第1筒部60では、スプール12,50側(図3右側)の先端内周部に、雌ねじ部60bが形成されている。この雌ねじ部60bには、抜け止め部材63のブレーキケース55側(図3左側)先端外周部に形成された雄ねじ部63aが、螺合する。これにより、第1筒部60に抜け止め部材63が装着される。第1筒部60のブレーキケース55側(図3左側)端部には、大径のフランジ部60cが形成されており、後述する操作つまみ65の押圧部65bが接触している。
第2筒部61が軸方向に移動することによって、磁石51は、スプール12,50の糸巻胴部12bの内周部に対向していない非対向位置(図3の位置)と、スプール12,50の糸巻胴部12bの内周部に対向している対向位置(図4の位置)との間を、移動可能である。詳細には、図4に示す対向位置では、磁石51の軸方向長さの1/3程度が、スプール12,50の糸巻胴部12bの内周部に対向している。この磁石51の軸方向長さの1/3程度の範囲が、磁石51とスプール12,50の糸巻胴部12bとの対向範囲(対向面積)となる。したがって、図4に示す対向位置では、図3に示す非対向位置と比較して、スプール12,50に作用する磁束数が、増大し、スプール12,50の回転を制動する制動力が、大きくなる。
第2筒部61は、図3から図6に示すように、第1筒部60の外周部に対して、相対回転可能且つ軸方向移動可能に装着されている。また、第2筒部61は、第1筒部60に対する回転に応じて、複数の比率で軸方向に移動可能である。
第2筒部61は、磁石51を保持するための保持部61bを、有している。保持部61bは、第2筒部61の外周部の8箇所に、形成されている。各保持部61bには、磁石51が装着され固定されている。たとえば、第2筒部61の外周面と磁石51の外周面とが面一になるように、各保持部61bは形成されている。より具体的には、磁石51を第2筒部61に装着した状態において、第2筒部61の外周面が滑らかな周面となるように、各保持部61bは凹状に形成されている。
第2筒部61は、係合部61aを有する。係合部61aは、被係合部60aに係合する部分である。第2筒部61が第1筒部60に対して相対回転可能かつ軸方向移動可能なように、係合部61aは、被係合部60aに係合し案内される。
係合部61aは、第2筒部61の内周部に、設けられている。たとえば、係合部61aは、第2筒部61のスプール12,50側(図3右側)の内周部において内側に突出した突出部である。この第2筒部61の係合部61a(突出部)は、第2筒部61の回転に応じて、第1筒部60に2次曲線形状に形成された被係合部60aに、係合しながら移動する。
より具体的には、第2筒部61の係合部61aが、第1筒部60の第1被係合部160a(第1曲線;第1の2次曲線)に沿って移動すると、磁石51は、第1比率で、スプール12,50に対して相対回転しながら回転軸方向に移動する。また、第2筒部61の係合部61aが、第1筒部60の第2被係合部260a(第2曲線;第2の2次曲線)に沿って移動すると、磁石51は、第2比率で、スプール12,50に対して相対回転しながら回転軸方向に移動する。
上述したように、第2被係合部260aにおける第1変化量(第2基準軸Yの方向の変化量)に対する第2変化量(第1基準軸Xの方向への変化量)が、第1被係合部160aにおける第1変化量に対する第2変化量より、大きい。このため、これにより、第2筒部61及び磁石51が、第1筒部60の外周側で回転した場合に、係合部61aが第2被係合部260aに沿って移動する場合は、係合部61aが第1被係合部160aに沿って移動する場合より、第1変化量(第2基準軸Yの方向の変化量)に対する第2変化量(第1基準軸Xの方向への変化量)が大きくなる。
ばね部材62は、第2筒部61を付勢するための部材である。詳細には、ばね部材62は、図3から図5に示すように、第2筒部61をブレーキケース55側(図3左側)に付勢する。ばね部材62は、第2筒部61のスプール12,50側(図3右側)の先端部に接触するように、配置されている。また、ばね部材62は、抜け止め部材63と第2筒部61との間に配置されている。具体的には、ばね部材62は、円錐コイルばねである。ばね部材62は、磁石51によって吸着されないように、例えばSUS303等の非磁性材料を用いて形成されている。
抜け止め部材63は、ばね部材62を抜け止めするための部材である。抜け止め部材63は、図3から図5に示すように、第1筒部60のスプール12,50側(図3右側)の先端部に装着される。ここでは、第1筒部60の雌ねじ部60bに、抜け止め部材63のブレーキケース55側(図3左側)先端外周部に形成された雄ねじ部63aを、螺合させることによって、抜け止め部材63が第1筒部60に装着されている。
<両軸受リールの動作>
次に、リールの動作について詳細に説明する。通常の状態では、クラッチヨーク40は内方に押されておりクラッチオンの状態である。この結果、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、ドライブギア31、ピニオンギア32、及びスプール軸16を介して、スプール12,50に伝達される。すなわち、ハンドル2を回転すると、スプール12,50が糸巻き取り方向に回転する。
キャスティングを行う場合には、バックラッシュを抑えるために、操作つまみ65を回動させて、初期制動力を調整する。全体の制動力を抑えたい場合には、操作つまみ65を反時計回りに回して、磁石51をスプール12,50から遠ざければよい。操作つまみ65を反時計回りに回転させると、カム作用によって、磁石51がスプール12,50から離反する方向に移動する。これにより、スプール12,50を通過する磁束の数が、減少して、全体の制動力が弱くなる。
一方で、全体の制動力を大きくしたい場合には、操作つまみ65を時計回りに回して、磁石51をスプール12,50に近づければよい。操作つまみ65を時計回りに回転させると、カム作用によって、スプール12,50に接近する方向に磁石51が移動する。これにより、スプール12,50を通過する磁束の数が、増加して、全体の制動力が強くなる。
続いて、クラッチ操作レバー17を下方に押す。クラッチ操作レバー17の移動によりクラッチヨーク40が外方に移動し、ピニオンギア32が同方向に移動する。この結果、クラッチオフ状態となる。このクラッチオフ状態では、ハンドル軸30からの回転は、スプール12,50及びスプール軸16に伝達されず、スプール12,50は自由回転可能になる。クラッチオフ状態において、クラッチ操作レバー17に置いた親指で、スプールをサミングしながら、スプール軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣竿を振ると、ルアーが投げられ、スプール12,50が糸繰り出し方向に回転する。
ここで、磁石51が対向位置(図4の位置)にある状態において、上記のようにスプール12,50が回転すると、スプール12,50に、制動力が作用する。このようにスプール12,50が制動されている状態では、第2筒部61(磁石51)に対して、制動力に応じた反力が、作用する。この反力によって、第2筒部61が回転し、係合部61aが被係合部60aに沿って移動する。すると、第2筒部61及び磁石51が、スプール12,50側(図4右側)に軸方向に移動する。
例えば、スプール12,50の回転数(回転速度)が増加するにつれて、制動力に応じた反力も大きくなり、第2筒部61が、スプール12,50の内周部に引き込まれる。これにより、スプール12,50に作用する磁束数が、増加し、制動力が強くなる。一方で、スプール12,50の回転数(回転速度)が減少するにつれて、制動力に応じた反力も小さくなる。この場合、第2筒部61が、ばね部材62によって、スプール12,50から離反する方向に移動させられる。これにより、スプール12,50に作用する磁束数が、減少し、制動力が弱くなる。このように、スプール12,50の回転に応じて、スプール12,50の制動力が、自動的に調節される。
以上のように、スプール制動構造20を有する両軸受リールでは、スプール12,50の制動力に対応する反力によって、第2筒部61が回転する。すると、第2筒部61の係合部61a(突出部)が、第1筒部60の被係合部60a(2次曲線形状の溝部)に沿って移動する。すると、第2筒部及び磁石51が軸方向に移動し、スプール12,50に作用する磁束数が変化する。このようにして、スプール12,50の回転に応じて、スプール12,50の制動力が自動的に調節される。
このように動作するスプール制動構造20では、スプール12,50の回転に応じて、スプール12,50に対向する磁石51の面積を、変化させることによって、スプール12,50の制動力を調整している。このため、スプール制動構造20では、従来技術と比較して、スプール12,50の制動力をスムーズ且つ広範囲で調整することができる。これにより、スプール12,50の回転に応じた制動力を、スプール12,50に適切に付与することができる。
<スプール制動構造の詳細動作>
以下に、スプール制動構造20の詳細動作を示す。スプール制動構造20では、径方向において磁石51と対向したスプール12,50が回転すると、スプール12,50に作用する磁石51の磁力によって、第2筒部61が、第1筒部60に対して回転しながら軸方向に移動する。これにより、スプール12,50と磁石51とが径方向において対向している部分の面積(対向範囲)が、変化し、スプール12,50の制動力も変化する。
より具体的には、操作つまみ65によって磁石51がスプール12,50に対向するように設定された初期位置(初期制動力が作用する位置)において、スプール12,50が回転を開始すると、磁石51の磁力がスプール12,50に作用し、スプール12,50に制動力が発生する。すると、この制動力に対応する反力が、第2筒部61に作用する。この反力によって、第2筒部61が、第1筒部60に対して回転する。この第2筒部61の回転に応じて、係合部61aが第1被係合部160aに沿って移動する。すると、第2筒部61及び磁石51が、軸方向(図3右側)に移動する。これにより、スプール12,50に作用する磁束数が、増加し、スプール12,50の制動力が増加する。
また、スプール12,50の回転がさらに大きくなり、スプール12,50の回転数(回転速度)が増加すると、スプール12,50の制動力に対応する反力も増加する。この反力によって、第2筒部61が、第1筒部60に対して回転する。この第2筒部61の回転に応じて、係合部61aが第2被係合部260aに沿って移動する。すると、第2筒部61及び磁石51が、軸方向(図3右側)に、さらに移動する。これにより、スプール12,50に作用する磁束数が、さらに増加し、スプール12,50の制動力もさらに増加する。
このように、スプール12,50の回転数が小さい場合は、第1被係合部160aによって磁石51が案内され、スプール12,50の回転数が大きい場合には、第2被係合部260aによって磁石51が案内される。この際、第1被係合部160aと第2被係合部260aとは異なる曲線を有しているので、この実施例においては、スプール12,50の回転数が大きい場合は、スプール12,50の回転数が小さい場合と比較して、磁石51は軸方向へ移動しにくくなる。言い換えると、スプール12,50の回転数が大きくなるにつれて、磁石51に作用する軸方向力(分力)は小さくなる。
なお、スプール12,50の回転数(回転速度)が減少すると、第2筒部61及び磁石51が、ばね部材62によって、スプール12,50から離反する方向(図4左側)に移動する。これにより、スプール12,50に作用する磁束数が、減少する。これにより、スプール12,50の制動力も減少する。
このように、スプール制動構造20は、スプール12,50の回転に応じて、スプール12,50の制動力を、自動的に調節可能になっている。このスプール制動構造20では、第1筒部60の被係合部60aが、第1筒部60の周方向の変化に対して、軸方向に急変する曲線形状に形成されている。すなわち、第1筒部60の被係合部60aが、第2筒部61の第1被係合部160aから、第2筒部61の第2被係合部260aへと、案内されると、第1筒部60の被係合部60aが軸方向への移動量が、小さくなる。これにより、スプール12,50の高速回転に追随して第2筒部61および磁石51が急激に軸方向に移動する動作を、抑制することができる。すなわち、スプール12,50に作用する制動力が急激に増加することを、防止することができる。
さらに、上記の曲線を2次曲線で形成することによって、回転速度の2乗に比例する遠心ブレーキに近い制動力を、得ることができる。すなわち、スプールの回転に応じた制動力を、スプールに適切に付与することができる。例えば、スプール制動力調整機構64では、図7のグラフAに示すような制動力が、回転数に応じて、スプール12,50に作用する。上述したように、被係合部60aを2次曲線形状に形成した場合、回転数に対する制動力(図7のグラフA)が、2次曲線によって近似される。すなわち、本スプール制動力調整機構64では、スプール12,50の回転速度の2乗に比例する遠心ブレーキに近い制動力を、得ることができる。このことから、被係合部60aの形状を、2次曲線形状に形成することによって、制動力をスプール12,50に対してバランスの良く付加することができる。
一方で、第1筒部60の被係合部60aを、1次方程式で定義される形状(直線状)に形成した場合、回転数と制動力との関係は、図7のグラフBのように示される。このグラフBでは、回転数の変化に対して、制動力が急激に変化している。このため、被係合部60aを直線状に形成した場合、初心者には調節が困難である。
また、被係合部60aを、3次曲線で定義される形状に形成した場合、回転数と制動力との関係は、図7のグラフCのように示される。このグラフCでは、回転数の変化に対して、制動力が緩やかに変化している。このため、スプール12,50には、低速時にも比較的大きな制動力が作用し、飛距離が伸びづらくなる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、被係合部60aが、第1筒部60の外周部に凹状に形成された溝部であり、係合部61aが、第2筒部61の内周部に突出して形成された突出部である場合の例を示した。これに代えて、図8に示すように、被係合部60aを、第1筒部60の外周部から突出させることによって、突出部とし、係合部61aを、第2筒部61の内周部に凹状に形成することによって、溝部としてもよい。この場合は、被係合部60aである突出部が、第1筒部60の周方向の変化に対して軸方向に急変する曲線形状で形成される。このように構成したとしても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
(b)前記実施形態では、導電体50がスプール12に対応する場合の例を示した。これに代えて、図9及び図10に示すように、スプール12やスプール軸16に固定された金属製の筒状部材を、導電体50としてもよい。なお、ここで省略した説明は第1実施形態の説明に準ずる。
(c)前記実施形態では、磁石51は第2筒部61の外周部に周方向に等間隔に8箇所に配置したが、磁石51の数や間隔は任意に設定可能である。
(d)前記実施形態では、第1筒部60をカム機構(図示しない)により移動させることによって、初期制動力を設定する場合の例を示した。これに代えて、例えば、第1筒部60の雌ねじ部60bを第1筒部60の内周に伸ばし、内筒部55aの外周に設けた雄ねじ部に螺合させることによって、初期制動力が設定できるようにしてもよい。この場合、操作つまみ65を時計回りに回すと、第1筒部60、第2筒部61、及び磁石51が、スプール12,50に接近する方向に移動する。一方で、操作つまみ65を反時計回りに回すと、第1筒部60、第2筒部61、及び磁石51が、スプール12,50から離れる方向に移動する。
(e)前記実施形態では、第2筒部61の軸方向への移動量を、十分に確保するために、ばね部材62が円錐コイルばねである場合の例を示したが、ばね部材62は、外形が一定のコイルばねであってもよい。
(d)前記実施形態では、第1被係合部160a及び第2被係合部260aによって、スプール12,50の制動力を調整する場合の例を示したが、スプール12,50の制動力は、3段階以上で調整するようにしてもよい。これは、増加した段階数に応じて、被係合部60aの曲線をさらに定義することによって、実現することができる。
本発明は、スプール制動装置に広く適用できる。
1 リール本体
2 ハンドル
12 スプール
16 スプール軸
20 スプール制動構造(スプール制動装置の一例)
23 スプール制動機構(制動手段の一例)
60 第1筒部(固定部の一例)
60a 被係合部
160a 第1被係合部(第1案内部の一例)
260a 第2被係合部(第2案内部の一例)
60b 雌ねじ部
60c フランジ部
61 第2筒部(可動部の一例)
61a 係合部
61b 保持部
62 ばね部材
63 抜け止め部材
63a 雄ねじ部
64 スプール制動力調整機構(制動力調整手段の一例)
65 操作つまみ
65a つまみ部
65b 押圧部

Claims (8)

  1. 両軸受リールのリール本体に回転自在に装着されたスプールの回転を、制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
    前記スプールと連動して回転する導電体部、及び前記導電体部と径方向において対向可能な磁石部を有し、前記導電体部に作用する前記磁石部の磁力に基づいて、前記スプールの回転を制動する制動手段と、
    前記スプールの回転に対する制動力を調整する制動力調整手段と、
    を備え、
    前記制動力調整手段は、
    前記リール本体に設けられた固定部と、
    少なくとも一部が前記固定部の外周に相対回転可能に配置され、前記固定部に対する相対回転に応じて回転軸方向に移動可能であり、前記磁石部を前記導電体部に対して相対的に移動させる可動部と、
    を有し、
    前記可動部は、前記固定部に対する回転量に対し、第1比率、および、前記第1比率とは異なる第2比率の少なくとも2つの複数の比率で、前記磁石部を前記回転軸方向に移動させ、前記導電体部に作用する前記磁石部の磁力を変化させることによって、前記スプールの回転に対する制動力を調整する、
    両軸受リールのスプール制動装置。
  2. 前記制動力調整手段は、
    前記第1比率、および、前記第2比率の少なくとも2つの複数の比率で、前記磁石部を前記導電体に対して相対的な移動を案内する案内部と、
    前記案内部に案内される被案内部と、
    をさらに有する、
    請求項1に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  3. 前記案内部は、
    前記第1比率で前記磁石部を前記導電体に対して相対的な移動を案内する第1案内部と、
    前記第2比率で前記磁石部を前記導電体に対して相対的な移動を案内する第2案内部と、
    を有する、請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  4. 前記案内部は、前記固定部及び前記可動部のいずれか一方に設けられ、
    前記被案内部は、前記固定部及び前記可動部のいずれか他方に設けられ、
    前記被案内部は、前記案内部に沿って、相対的に回転可能であり、且つ前記回転軸方向に移動可能である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  5. 前記導電体部は、前記スプールであり、
    前記スプールは、金属製である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  6. 前記導電体部は、前記スプールに固定された金属製の部材である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  7. 前記導電体部は、前記スプールのスプール軸に固定された金属製の部材である、
    請求項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  8. 釣竿に取り付けられ、釣り糸の繰り出し及び巻き取りを行う両軸受リールであって、
    前記釣竿に装着されたリール本体と、
    前記リール本体に回転可能に支持され、前記釣り糸を外周に巻き取るスプールと、
    前記請求項1からに記載された前記スプール制動装置と、
    を備えた両軸受リール。
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