JP6199731B2 - ポリエチレンの製造方法 - Google Patents
ポリエチレンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6199731B2 JP6199731B2 JP2013269366A JP2013269366A JP6199731B2 JP 6199731 B2 JP6199731 B2 JP 6199731B2 JP 2013269366 A JP2013269366 A JP 2013269366A JP 2013269366 A JP2013269366 A JP 2013269366A JP 6199731 B2 JP6199731 B2 JP 6199731B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- compound
- polymerization
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
ポリオレフィン重合触媒を用いて、エチレンを単独重合、又は、エチレン及びオレフィンを共重合させて、ポリエチレンを得る重合工程を有し、
前記ポリオレフィン重合触媒が、シリカ担体[A]と、遷移金属化合物成分[B]と、活性化剤[C]と、液体成分[D]と、を構成成分として有し、
前記シリカ担体[A]が、5μm以上50μm以下の平均粒径D50、500m2/g以上700m2/g以下の比表面積、1.5mL/g以上2.0mL/g以下の細孔容積、かつ120Å以上210Å以下の下記式で求められる細孔直径を有し、
細孔直径=細孔容積/比表面積×40000
前記遷移金属化合物成分[B]が、下記一般式(1)で示される遷移金属化合物(B−1)を含み、
活性化剤[C]が、前記遷移金属化合物成分[B]と反応して触媒活性を有する金属錯体を形成する下記一般式(2)で示されるボレート化合物(C−1)を含み、
液体成分[D]が、下記一般式(3)で示される有機マグネシウム化合物[E]とアミン化合物、アルコール化合物、シロキサン化合物から選ばれる化合物[F]とを反応させることによって合成される、
ポリエチレンの製造方法。
M1は、チタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3、又は+4である遷移金属を表し、
R1は、各々独立して、水素原子、炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、前記置換基Rが炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、又はゲルミル基である場合、2つの隣接する前記置換基R1が互いに結合して2価の基を形成し、これにより前記2つの隣接する置換基R1にそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成してもよく、
X1は、各々独立して、ハライド、炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルスルフィド基、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、2つの前記置換基X1が共働して炭素数4以上30以下の中性共役ジエン又は2価の基を形成してもよく、
Yは、−O−、−S−、−NR2−、又は−PR2−を表し、ここで、R2は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
Zは、Si(R3)2、C(R3)2、Si(R3)2−Si(R3)2、C(R3)−C(R3)2、C(R3)=C(R3)、C(R3)2−Si(R3)2、Si(R3)2−C(R3)2、又はGe(R3)2を表し、ここで、R3は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
xは、1、2、又は3である)。
[A−H]+[BQ1 4]- (2)
(上記一般式(2)中、
[A−H]+は、1価のプロトン供与性のブレンステッド酸を表し、
Aは、中性のルイス塩基を表し、
[BQ1 4]-は、相溶性の非配位性アニオンを表し、
Bは、硼素元素を表し、
Q1は、炭素数6以上20以下の置換アリール基を表す。)
(M2)a(Mg)b(R4)c(R5)d (3)
(上記一般式(3)中、
M2は、周期律表第1族、第2族、第12族、及び第13族に属する金属原子を表し、
R4及びR5は、炭素数2以上20以下の炭化水素基を表し、
a、b、c、及びdは、次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ここで、eはM2の原子価))
〔2〕
前記シリカ担体[A]の平均粒径D50が、9μm以上41μm以下である、前項〔1〕に記載のポリエチレンの製造方法。
本実施形態のポリエチレンの製造方法は、ポリオレフィン重合触媒を用いて、エチレンを単独重合、又は、エチレン及びオレフィンを共重合させて、ポリエチレンを得る重合工程を有する。
本実施形態で用いるポリオレフィン重合触媒は、シリカ担体[A]と、遷移金属化合物成分[B]と、活性化剤[C]と、液体成分[D]と、を構成成分として有する。このなかで、シリカ担体[A]と、遷移金属化合物成分[B]と、活性化剤[C]と、を構成成分として有する成分をオレフィン重合用固体触媒という。
まず、シリカ担体[A]について説明する。シリカ担体[A]は、5μm以上50μm以下の平均粒径D50、300m2/g以上700m2/g以下の比表面積、かつ1.5mL/g以上2.0mL/g以下の細孔容積を有する。
シリカ担体[A]の平均粒径D50は、5μm以上50μm以下であり、好ましくは9μm以上41μm以下であり、より好ましくは9μm以上30μm以下である。シリカ担体[A]の平均粒径D50が5μm以上であることにより、シリカ担体[A]の重合器内や配管中への付着をより抑制でき、ポリエチレンの重合がより安定する。また、シリカ担体[A]の平均粒径D50が50μm以下であることにより、除熱不良による塊状ポリマーの生成がより抑制できる。シリカ担体[A]の平均粒径D50は、レーザー式粒度分布測定装置で測定でき、より具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
シリカ担体[A]の比表面積は、300m2/g以上700m2/gであり、好ましくは350m2/g以上700m2/gであり、より好ましくは500m2/g以上700m2/gである。シリカ担体[A]の比表面積が300m2/g以上であることにより、活性点が分散せず凝集し、除熱不良による塊状ポリマーが生成することをより抑制できる。また、シリカ担体[A]の比表面積が700m2/g以下であることにより、シリカ担体[A]の強度低下を抑制でき、破砕されたシリカ担体[A]の重合器内や配管中への付着をより抑制でき、ポリエチレンの重合がより安定する。シリカ担体[A]の比表面積は、B.E.T.(Brunauer−Emmett−Teller)による窒素ガス吸着法で測定でき、より具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
シリカ担体[A]の細孔容積は、1.5mL/g以上2.0mL/g以下であり、好ましくは1.6mL/g以上2.0mL/g以下であり、より好ましくは1.6mL/g以上1.9mL/g以下である。シリカ担体[A]の細孔容積が1.5mL/g以上であることにより、活性点が細孔内に入らずシリカ担体[A]の表面で凝集し、除熱不良により塊状ポリマーが生成することをより抑制できる。また、シリカ担体[A]の細孔容積が2.0mL/g以下であることにより、シリカ担体[A]の強度低下を抑制でき、破砕されたシリカ担体[A]の重合器内や配管中への付着をより抑制でき、ポリエチレンの重合がより安定する。シリカ担体[A]の細孔容積は、B.E.T.(Brunauer−Emmett−Teller)による窒素ガス吸着法で測定でき、より具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
シリカ担体[A]の細孔直径は、好ましくは120Å以上210Å以下であり、より好ましくは120Å以上200Å以下であり、さらに好ましくは130Å以上200Å以下である。シリカ担体[A]の細孔直径が120Å以上であることにより、活性点が細孔内に入らずシリカ担体[A]の表面で凝集し、除熱不良により塊状ポリマーが生成することをより抑制できる傾向にある。また、シリカ担体[A]の細孔直径が210Å以下であることにより、シリカ担体[A]の強度低下を抑制でき、破砕されたシリカ担体[A]の重合器内や配管中への付着をより抑制でき、ポリエチレンの重合がより安定する傾向にある。シリカ担体[A]の細孔直径は、細孔容積及び比表面積に基づいて下記式により求めることができる。
細孔直径=細孔容積/比表面積×40000
上記の好ましい有機アルミニウム化合物の中でも、下記一般式(4)で表される化合物がより好ましい。
Al(R6)v(X2)(3−v) (4)
(一般式(4)中、R6は、各々独立して、炭素数1以上12以下の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基を表し、X2は、各々独立して、ハライド、ヒドリド、又は炭素数1以上10以下のアルコキシド基を表し、vは1以上3以下の実数である)。
上記の好ましい有機マグネシウム化合物の中でも、下記一般式(5)で表される化合物がより好ましい。
Mg(R7)w(X3)(2−w) (5)
(一般式(5)中、R7は、各々独立して、炭素数1以上12以下の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基を表し、X3は、各々独立して、ハライド、ヒドリド又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表し、wは1以上2以下の実数である)。
本実施形態において用いられるルイス酸性化合物を吸着することが可能なシリカ担体[A]は、次に述べる方法によって、シリカ生成物(以下、「担体[A]の前駆体」ともいう。)から製造することが可能である。
1)まず、シリカ担体[A]の前駆体を加熱処理することにより表面に存在する水(結晶水、吸着水等)を除去する。
2)その後、シリカ担体[A]の前駆体に吸着されるルイス酸性化合物の飽和吸着量を定量する。
3)最後に、シリカ担体[A]の前駆体に、飽和吸着量よりも少ない量のルイス酸性化合物を吸着させる。
シリカ担体[A]のルイス酸性化合物の吸着量は、好ましくは0.01mmol/g以上0.4mmol/g以下であり、より好ましくは0.02mmol/g以上0.35mmol/g以下であり、さらに好ましくは0.03mmol/g以上0.3mmol/g以下である。シリカ担体[A]のルイス酸性化合物の吸着量が0.01mmol/g以上であることにより、触媒から遷移金属化合物成分[B]や活性化剤[C]が溶出することをより抑制でき、これにより触媒調製工程や触媒使用前の触媒洗浄工程を省くことができる。また、シリカ担体[A]のルイス酸性化合物の吸着量が0.4mmol/g以下であることにより、触媒活性の低下をより抑制できる傾向にある。
また、本実施形態において、シリカ担体[A]の前駆体に対するルイス酸性化合物の飽和吸着量は、好ましくは0.01mmol/g以上5.0mmol/g以下であり、より好ましく0.01mmol/g以上4.0mmol/g以下であり、さらに好ましくは0.01mmol/g以上3.0mmol/g以下である。ルイス酸性化合物の飽和吸着量が0.01mmol/g以上であることにより、遷移金属化合物成分[B]や活性化剤[C]が溶出することをより抑制でき、これにより触媒調製工程や触媒使用前の触媒洗浄工程を省くことができる。また、ルイス酸性化合物の飽和吸着量が5mmol/g以下であることにより、触媒活性の低下をより抑制できる傾向にある。なお、このシリカ担体[A]の前駆体に対するルイス酸性化合物の飽和吸着量は、前述のシリカ担体[A]の前駆体の加熱処理の条件により制御することができる。
次に、遷移金属化合物成分[B]について説明する。遷移金属化合物成分[B]は、一般式(1)で表される遷移金属化合物(B−1)を含む。
M1は、チタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3、又は+4である遷移金属を表し、
R1は、各々独立して、水素原子、炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、前記置換基Rが炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、又はゲルミル基である場合、2つの隣接する前記置換基R1が互いに結合して2価の基を形成し、これにより前記2つの隣接する置換基R1にそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成してもよく、
X1は、各々独立して、ハライド、炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルスルフィド基、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、2つの前記置換基X1が共働して炭素数4以上30以下の中性共役ジエン又は2価の基を形成してもよく、
Yは、−O−、−S−、−NR2−、又は−PR2−を表し、ここで、R2は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
Zは、Si(R3)2、C(R3)2、Si(R3)2−Si(R3)2、C(R3)−C(R3)2、C(R3)=C(R3)、C(R3)2−Si(R3)2、Si(R3)2−C(R3)2、又はGe(R3)2を表し、ここで、R3は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
xは、1、2、又は3である)。
(M3)p(Mg)q(R8)r(R9)s(OR10)t (6)
(一般式(6)中、M3は、各々独立して、周期律表第1族、第2族、第12族、及び第13族からなる群に属する金属原子であり、R8、R9及びR10は、各々独立して、炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、p、q、r、s、及びtは、次の関係を満たす数である。0≦p、0<q、0≦r、0≦s、0≦t、r+s>0、0≦t/(r+s)≦2、p×u+2q=r+s+t(ここで、uは、M3の原子価である。))
群(1)R8及びR9の少なくとも一方が、炭素数4以上6以下である二級又は三級のアルキル基であること、好ましくはR8及びR9がともに炭素数4以上6以下であり、少なくとも一方が二級又は三級のアルキル基であること。
群(2)R8とR9とが炭素数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR8が炭素数2又は3のアルキル基であり、R9が炭素数4以上20以下のアルキル基であること。
群(3)R8及びR9の少なくとも一方が炭素数6以上20以下の炭化水素基であること、好ましくはR8及びR9が共に炭素数6以上20以下のアルキル基であること。
群(1)において、炭素数4以上6以下である二級又は三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、2−メチルブチル基、2−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−メチル−2−エチルプロピル基等が用いられ、2−メチルペンチル基が特に好ましい。
群(2)において、炭素数2又は3のアルキル基としてはエチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基が特に好ましい。また、炭素数4以上20以下のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基及びヘキシル基が特に好ましい。
群(3)において、炭素数6以上20以下のアルキル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ、アルキル基が好ましく、ヘキシル基が特に好ましい。
R8MgX4、 (7)
(一般式(7)中、R8は、上記一般式(6)の定義のとおりであり、X4はハロゲンである。)
(R8)2Mg (8)
(一般式(8)中、R8は、上記一般式(6)の定義のとおりである。)
M3(R9)u (9)
(一般式(9)中、M3、R9、uは、前記一般式(6)の定義のとおりである。)
M3(R9)(u−1)H (10)
(一般式(10)中、M3、R9、uは、前記一般式(6)の定義のとおりである。)
次に、活性化剤[C]について説明する。活性化剤[C]は、遷移金属化合物成分[B]と反応して触媒活性を有する金属錯体を形成する下記一般式(2)で示されるボレート化合物(C−1)を含む。
[A−H]+[BQ1 4]− (2)
(一般式(2)中、
[A−H]+は、1価のプロトン供与性のブレンステッド酸を表し、
Aは、中性のルイス塩基を表し、
[BQ1 4]−は、相溶性の非配位性アニオンを表し、
Bは、硼素元素を表し、
Q1は、炭素数6以上20以下の置換アリール基を表す。)
次に、シリカ担体[A]、遷移金属化合物成分[B]、活性化剤[C]からオレフィン重合用固体触媒を製造する方法について説明する。
次に、液体成分[D]について説明する。液体成分[D]は下記一般式(3)で示される有機マグネシウム化合物[E]と、アミン化合物、アルコール化合物、シロキサン化合物から選ばれる化合物[F]と、を反応させることによって合成されるものである。液体成分[D]としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物が溶解した炭化水素溶液であることが好ましい。
(M2)a(Mg)b(R4)c(R5)d (3)
(上記一般式(3)中、
M2は、周期律表第1族、第2族、第12族、及び第13族に属する金属原子を表し、
R4及びR5は、炭素数2以上20以下の炭化水素基を表し、
a、b、c、及びdは、次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ここで、eはM2の原子価))
次に、有機マグネシウム化合物[E]について説明する。有機マグネシウム化合物[E]は上記一般式(3)で表される。なお、上記一般式(3)中では炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、(R3)2Mg及びこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号a、b、c、dの関係式e×a+2b=c+dは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
群(1)R4及びR5の少なくとも一方が炭素数4〜6である二級又は三級のアルキル基であること、好ましくはR4及びR5がともに炭素数4〜6であり、少なくとも一方が二級又は三級のアルキル基であること。
群(2)R4及びR5が炭素数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR4が炭素数2又は3のアルキル基であり、R5が炭素数4以上のアルキル基であること。
群(3)R4及びR5の少なくとも一方が炭素数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR4及びR5が共に炭素数6以上のアルキル基であること。
群(1)において炭素数4〜6である二級又は三級のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、等が挙げられ、1−メチルプロピル基が特に好ましい。
群(2)において、炭素数2又は3のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、エチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基が特に好ましい。また炭素数4以上のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基は特に好ましい。
群(3)において、炭素数6以上のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ、アルキル基が好ましく、ヘキシル基が特に好ましい。
次に化合物[F]について説明する。化合物[F]は、アミン化合物、アルコール化合物、及びシロキサン化合物からなる群に属する化合物である。
ポリオレフィン重合触媒は、シリカ担体[A]と、遷移金属化合物成分[B]と、活性化剤[C]と、を構成成分として有する成分をオレフィン重合用固体触媒と、液体成分[D]と、混合することにより製造することができる。
次に、重合工程について説明する。重合工程は、ポリオレフィン重合触媒を用いて、エチレンを単独重合、又は、エチレン及びオレフィンを共重合させて、ポリエチレンを得る工程である。本実施形態においてポリエチレンは、エチレン単独重合体及びエチレン共重合体を含む。エチレンと上記オレフィン(コモノマー)との共重合により、ポリエチレンの密度や物性を制御することができる。
実施例中のシリカ担体[A]の前駆体及びシリカ担体[A]の平均粒径D50はレーザー式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製SALD−2100)を用いて測定した。なお、シリカ担体[A]の前駆体の平均粒径D50と、シリカ担体[A]の平均粒径D50とは一致していた。
実施例中のシリカ担体[A]の前駆体及びシリカ担体[A]の比表面積及び細孔容積は、BET法(Brunauer−Emmett−Teller)により、ユアサ・アイオニクス社製オートソーブ3MP装置を用いて、吸着ガスとして窒素を用いて測定した。
実施例中のシリカ担体[A]の細孔直径は、下記式により算出した。
シリカ担体[A]の細孔直径=シリカ担体[A]の細孔容積/シリカ担体[A]の比表面積×40000
実施例中のシリカ担体[A]の前駆体の表面水酸基のモル量(mol/g)は、ニートのエトキシジエチルアルミニウム10mLを0.5gのシリカ担体[A]の前駆体の表面水酸基と反応させてエタンガスを発生させ、このエタンガスの発生量を、ガスビュレットを用いて定量することにより算出した。
実施例中のルイス酸性化合物の飽和吸着量は、窒素雰囲気下において、シリカ担体[A]の前駆体の50g/Lヘキサンスラリー80mLに、攪拌下、20℃において、シリカ担体[A]の前駆体の表面水酸基量から算出される該スラリー全体に含まれる表面水酸基の総モル量に対して1.4倍のモル数のルイス酸性化合物を添加し、2時間反応させた後、該スラリーの上澄み中のルイス酸性化合物のモル減少量から算出した。
実施例中の重合活性とは、固体触媒成分1g当たり、1時間当たりのポリマー生成量(g)を表す。実施例中の嵩密度は、得られたポリエチレンパウダーを90℃で1時間乾燥させた後に、JIS K−6721に従って測定した。
反応器へのポリマーの付着の評価はスケールアップ時の安定運転性の尺度であり、反応器にポリマーの付着が全くなかった場合には○、少しでも付着があった場合には×とした。
塊状ポリマーの評価はスケールアップ時の安定運転性の尺度であり、重合器内に塊状ポリマーが全くなかった場合には○、少しでもあった場合には×とした。
(シリカ担体[A]の前駆体に対するルイス酸性化合物の飽和吸着量の測定)
シリカ担体[A]の前駆体として、シリカM202[AGCエスアイテック製]を使用した。ルイス酸性化合物として、トリエチルアルミニウムを使用した。
窒素置換した容量8Lオートクレーブに加熱処理後のシリカM202(130g)をヘキサン2500mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーに、攪拌下20℃にて、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1M)を195mL加えた。その後、2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカM202の表面水酸基と、を反応させて、トリエチルアルミニウムを吸着させたシリカ担体[A]のヘキサンスラリー2695mLを調製した。
遷移金属化合物(B−1)として、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「錯体1」と略称する)を使用した。また、有機マグネシウム化合物(B−2)として、組成式Mg(C2H5)(C4H9)(以下、「Mg1」と略称する)を使用した。
ボレート化合物(C−1)として、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下、「ボレート1」と略称する)を使用した。17.8gのボレート1をトルエン156mLに添加して溶解し、さらにヘキサンを加えてトルエン溶液中のボレート1の濃度を80mMに調節し、活性化剤[C]を調製した。
上記操作により得られたシリカ担体[A]のスラリー2695mLに、25℃にて撹拌しながら、上記操作により得られた活性化剤[C]219mLと、遷移金属化合物成分[B]175mLと、を別のラインから定量ポンプを用い同時に添加し、その後、3時間反応を継続することにより、固体成分[A]を調製した。この時の添加時間は活性化剤[C]及び遷移金属化合物成分[B]共に30分間であり、攪拌数は400rpmであった。
有機マグネシウム化合物[E]として、組成式AlMg6(C2H5)3(C4H9)12(以下、「Mg2」と略称する)を使用した。化合物[F]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス、以下、「シロキサン化合物1」と略称する)を使用した。
容量1.5Lのオートクレーブにヘキサン800mLを入れ、上記の液体成分[D]をMgとAlの総量として0.25mmol加えた。このオートクレーブに加圧されたエチレンを入れてオートクレーブの内圧を0.8MPaGに高めた。次いで、オートクレーブの内温を75℃に高め、上記のオレフィン重合用固体触媒のスラリーを、オレフィン重合用固体触媒の重量が10mgとなるようにオートクレーブに添加することにより、エチレンの重合を開始した。オートクレーブの内圧が0.8MPaGに維持されるようにエチレンをオートクレーブに加えながら、1時間重合を行った。重合終了後、オートクレーブから反応混合物(ポリマーのスラリー)を抜き出し、メタノールでオレフィン重合触媒を失活させた。その後、反応混合物を濾過、洗浄、乾燥し、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。オレフィン重合触媒の重合活性は6000g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.32g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
ボレート化合物(C−1)として、ボレート1の代わりに、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート2」と略称する)を使用し、有機アルミニウム化合物(C−2)として、エトキシジエチルアルミニウム(以下、「アルミ1」と略称する)を使用した。17.8gのボレート2をトルエン156mLに添加して溶解し、ボレート2の100mMトルエン溶液を得た。このボレート2のトルエン溶液にアルミ1のヘキサン溶液(濃度1M)15.6mLを25℃で加え、さらにヘキサンを加えてトルエン溶液中のボレート2の濃度を80mMに調節した。その後、25℃で1時間攪拌することにより活性化剤[C]を調製した。それ以外は、実施例1と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。触媒の重合活性は6900g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.34g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例3に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.50mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。触媒の重合活性は4520g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.35g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例4に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.60mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。触媒の重合活性は3370g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.22g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例5に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は3.69mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。触媒の重合活性は6300g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.31g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例6に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.48mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物と塊状ポリマーは全く観察されなかった。触媒の重合活性は4880g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.30g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例1に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.80mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は6460g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.29g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例2に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は3.00mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーは観察されなかった。触媒の重合活性は5250g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.30g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例3に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.39mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は3500g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.38g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例4に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.80mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は7690g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.25g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例5に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は2.38mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は4000g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.25g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例6に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は2.30mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーは観察されなかった。触媒の重合活性は10000g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.23g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の比較例7に示すシリカを使用した以外は、実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。なお、トリエチルアルミニウムの吸着量は1.80mmol/gであった。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察されず、塊状ポリマーは観察された。触媒の重合活性は8000g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.30g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例1に示すシリカを使用し、遷移金属化合物(B−1)として、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル(以下、「錯体2」と略称する)を使用した以外は実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は3200g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.28g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
(オレフィン重合用固体触媒の調製)
表1の実施例1に示すシリカを使用し、遷移金属化合物(B−1)として、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル(以下、「錯体3」と略称する)を使用した以外は実施例2と同一の条件でオレフィン重合用固体触媒を調製した。
実施例1と同様の方法でエチレンの重合を行い、ポリマーの乾燥粉末を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートクレーブの内壁等にポリマーの付着物が観察され、塊状ポリマーが観察された。触媒の重合活性は5000g/g/hであった。得られたポリマーの粉末の嵩密度は0.30g/cm3であった。これらの結果を表1に示す。
Claims (2)
- ポリオレフィン重合触媒を用いて、エチレンを単独重合、又は、エチレン及びオレフィンを共重合させて、ポリエチレンを得る重合工程を有し、
前記ポリオレフィン重合触媒が、シリカ担体[A]と、遷移金属化合物成分[B]と、活性化剤[C]と、液体成分[D]と、を構成成分として有し、
前記シリカ担体[A]が、5μm以上50μm以下の平均粒径D50、500m2/g以上700m2/g以下の比表面積、1.5mL/g以上2.0mL/g以下の細孔容積、かつ120Å以上210Å以下の下記式で求められる細孔直径を有し、
細孔直径=細孔容積/比表面積×40000
前記遷移金属化合物成分[B]が、下記一般式(1)で示される遷移金属化合物(B−1)を含み、
活性化剤[C]が、前記遷移金属化合物成分[B]と反応して触媒活性を有する金属錯体を形成する下記一般式(2)で示されるボレート化合物(C−1)を含み、
液体成分[D]が、下記一般式(3)で示される有機マグネシウム化合物[E]とアミン化合物、アルコール化合物、シロキサン化合物から選ばれる化合物[F]とを反応させることによって合成される、
ポリエチレンの製造方法。
M1は、チタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3、又は+4である遷移金属を表し、
R1は、各々独立して、水素原子、炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、前記置換基Rが炭素数1以上8以下の炭化水素基、シリル基、又はゲルミル基である場合、2つの隣接する前記置換基R1が互いに結合して2価の基を形成し、これにより前記2つの隣接する置換基R1にそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成してもよく、
X1は、各々独立して、ハライド、炭素数1以上20以下の炭化水素基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルアミド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1以上18以下のヒドロカルビルスルフィド基、及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、1個以上20個以下の非水素原子を有する置換基を表し、ここで、2つの前記置換基X1が共働して炭素数4以上30以下の中性共役ジエン又は2価の基を形成してもよく、
Yは、−O−、−S−、−NR2−、又は−PR2−を表し、ここで、R2は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
Zは、Si(R3)2、C(R3)2、Si(R3)2−Si(R3)2、C(R3)−C(R3)2、C(R3)=C(R3)、C(R3)2−Si(R3)2、Si(R3)2−C(R3)2、又はGe(R3)2を表し、ここで、R3は、水素原子、炭素数1以上12以下の炭化水素基、炭素数1以上8以下のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1以上8以下のハロゲン化アルキル基、炭素数6以上20以下のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表し、
xは、1、2、又は3である)。
[A−H]+[BQ1 4]- (2)
(上記一般式(2)中、
[A−H]+は、1価のプロトン供与性のブレンステッド酸を表し、
Aは、中性のルイス塩基を表し、
[BQ1 4]-は、相溶性の非配位性アニオンを表し、
Bは、硼素元素を表し、
Q1は、炭素数6以上20以下の置換アリール基を表す。)
(M2)a(Mg)b(R4)c(R5)d (3)
(上記一般式(3)中、
M2は、周期律表第1族、第2族、第12族、及び第13族に属する金属原子を表し、
R4及びR5は、炭素数2以上20以下の炭化水素基を表し、
a、b、c、及びdは、次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ここで、eはM2の原子価)) - 前記シリカ担体[A]の平均粒径D50が、9μm以上41μm以下である、請求項1に記載のポリエチレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013269366A JP6199731B2 (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ポリエチレンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013269366A JP6199731B2 (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ポリエチレンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015124285A JP2015124285A (ja) | 2015-07-06 |
JP6199731B2 true JP6199731B2 (ja) | 2017-09-20 |
Family
ID=53535241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013269366A Active JP6199731B2 (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ポリエチレンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6199731B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111183299B (zh) * | 2017-10-10 | 2021-12-07 | 株式会社普利司通 | 主动阻尼器用上支座 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113754798A (zh) * | 2020-06-05 | 2021-12-07 | 中国石油化工股份有限公司 | 类球形超大孔介孔材料和聚烯烃催化剂及其制备方法以及烯烃聚合方法 |
CN116251728B (zh) * | 2023-01-03 | 2023-09-19 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种减少乙烯齐聚反应器中聚合物粘附的方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU718385B2 (en) * | 1996-06-11 | 2000-04-13 | Basf Aktiengesellschaft | Mettallocene catalyst systems with inorganic oxides as supports |
JP4610130B2 (ja) * | 2000-07-07 | 2011-01-12 | 日本ポリオレフィン株式会社 | エチレン系重合体およびその製造方法 |
JP3865314B2 (ja) * | 2001-10-19 | 2007-01-10 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | オレフィンの重合方法 |
US6855783B2 (en) * | 2003-04-11 | 2005-02-15 | Fina Technology, Inc. | Supported metallocene catalysts |
JP4596951B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2010-12-15 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 |
JP5906702B2 (ja) * | 2010-12-14 | 2016-04-20 | 日本ポリエチレン株式会社 | オレフィン重合触媒の製造方法、オレフィン重合触媒およびオレフィンの重合方法 |
-
2013
- 2013-12-26 JP JP2013269366A patent/JP6199731B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111183299B (zh) * | 2017-10-10 | 2021-12-07 | 株式会社普利司通 | 主动阻尼器用上支座 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015124285A (ja) | 2015-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2570437B1 (en) | Solid support-polymethylaluminoxane complex, method for producing same, olefin polymerization catalyst, and method for producing polyolefin | |
JP4275727B2 (ja) | オレフィンの重合用成分と触媒 | |
JP4596951B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP5561886B2 (ja) | マグネシウム化合物、固体触媒成分、エチレン系重合触媒、及びエチレン系重合体の製造方法 | |
JP4798847B2 (ja) | 担持二座配位および三座配位触媒組成物および同触媒組成物を使用するオレフィンの重合 | |
JP6199731B2 (ja) | ポリエチレンの製造方法 | |
SE412242B (sv) | Forfarande for polymerisation eller sampolymerisation av olefiner samt en katalysator derfor | |
JPS58162607A (ja) | α−オレフインの重合方法 | |
CN111072803B (zh) | 烯烃聚合催化剂载体及其制备方法和应用 | |
TWI229087B (en) | Process for polymerization of olefins | |
JP2005526175A (ja) | 固体粒状で不均質の噴霧乾燥された触媒組成物 | |
JP2017071741A (ja) | オレフィン重合触媒 | |
KR101793670B1 (ko) | 폴리올레핀 중합용 촉매, 폴리올레핀 중합용 촉매의 제조방법 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법 | |
TW200302235A (en) | Metal complex compositions and their use as catalysts for olefin polymerization and copolymerization | |
JP2008144148A (ja) | オレフィン重合触媒およびポリオレフィンパウダーの製造方法 | |
JP2004035767A (ja) | オレフィン重合用触媒及び該触媒を用いた重合方法 | |
JP2008144149A (ja) | オレフィン重合触媒およびポリオレフィンパウダーの製造方法 | |
CN1476455A (zh) | 载体催化剂体系 | |
EP3059261B1 (en) | Process for preparing a catalyst for olefin polymerization and polymerization | |
CN104140482A (zh) | 一种用于烯烃聚合的催化剂添加剂及其催化剂 | |
CN115975078B (zh) | 一种用于烯烃聚合的催化剂组分及催化剂和应用 | |
JP5562682B2 (ja) | オレフィン重合用固体触媒の製造方法およびポリオレフィンの製造方法 | |
CN115975077B (zh) | 一种用于烯烃聚合的催化剂组分及催化剂和应用 | |
JP7498761B2 (ja) | 超高分子量ポリエチレンの重合方法及びその触媒の製造方法 | |
US20040077807A1 (en) | Supported catalysts which reduce sheeting in olefin polymerization, process for the preparation and the use thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20160401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160523 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170526 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170531 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6199731 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |