(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における形状計測装置の一例を示す全体構成図である。本形状計測装置は、溝302が螺旋状に形成された測定対象物300の表面形状を計測する装置である。そして、本形状計測装置は、台座部100、ステージ110(移動部の一例)、支持部120(移動部の一例)、センサユニット130、取付部140、天井部150、ツールチェンジャー160を備える。なお、図1において、X方向は測定対象物300の長手方向を指し、+X方向は長手方向の右側を指し、−X方向は長手方向の左側を指す。また、Y方向は上下方向を指し、+Y方向は上方向を指し、−Y方向は下方向を指す。また、Z方向は、X方向及びY方向のそれぞれと直行する方向を指す。
測定対象物300としては、例えば、スクリュー、プロペラ、ドリル等が採用される。
台座部100は、例えば、平板状であり、地上に対して固定されている。ステージ110は、台座部100に対して+X方向、−X方向に移動可能、つまり、測定対象物300の長手方向に対して移動可能に取り付けられている。
例えば、台座部100にはX方向に沿って案内溝(図略)が設けられ、ステージ110の底面にはこの案内溝に勘合するローラ(図略)が設けられている。これにより、ステージ110はこの案内溝に沿ってローラが案内されることで、台座部100上をX方向に沿って移動できる。
ステージ110のX方向の両端には一対の支持部120、120が立設されている。−X方向側の支持部120は測定対象物300の−X方向側の軸部304を支持し、+X方向側の支持部120は測定対象物300の+X方向側の軸部304を支持する。ここで、支持部120、120は、測定対象物300の長手方向がX方向と平行になるように測定対象物300を支持する。
測定対象物300は、長手方向の中心軸Z1を回転軸として回転可能に一対の支持部120、120により支持されている。具体的には、支持部120、120はそれぞれ、測定対象物300が接続される円盤状の接続部(図略)を備えている。接続部は、支持部120の本体部に対して中心軸Z1を回転軸として回転可能に取り付けられている。よって、測定対象物300はこの接続部が回転することにより中心軸Z1を回転軸として回転する。
天井部150は、例えば平板状であり、台座部100の上側に設けられている。天井部150には、取付部140がX方向に移動可能に取り付けられている。例えば、天井部150にはX方向に沿って案内溝(図略)が設けられ、取付部140の上面にはこの案内溝に嵌合するローラ(図略)が設けられている。これにより、取付部140は、この案内溝にローラが案内され、天井部150に対してX方向に移動できる。
取付部140の下面にはセンサユニット130が着脱可能に取り付けられている。センサユニット130は、取付部140によって測定対象物300の上側の所定の計測位置X1に位置決めされて、測定対象物300の形状を計測する。また、取付部140は、Y方向にも移動可能に天井部150に取り付けられている。
具体的には、測定対象物300は、支持部120により中心軸Z1を回転軸として時計回り又は反時計回りに回転されながら、ステージ110により+X方向に移動され、静止状態のセンサユニット130により計測される。
ツールチェンジャー160は、例えば、ステージ110に対して−X方向側に設けられている。ツールチェンジャー160の上面には、1以上の加工刃161がX方向に沿って配置されている。
取付部140は、測定対象物300の計測が終了すると、計測位置X1に対して−X方向側の所定の位置であるホームポジションX2に戻される。ホームポジションX2にはツールチェンジャー160が設けられている。
取付部140は−Y方向に移動してセンサユニット130をツールチェンジャー160に取り外させた後、所望する1の加工刃161がツールチェンジャー160により取り付けられる。これにより、センサユニット130が加工刃161に交換される。
本形状計測装置は、切削加工機の加工刃161をセンサユニット130に交換することで構成される。切削加工する際には、ステージ110上には測定対象物300に代えて円筒状の加工対象物が取り付けられる。そして、加工刃161が取り付けられた取付部140は、計測位置X1に位置決めされた後、−Y方向に移動して加工刃161を加工対象物に当接させる。そして、加工対象物は、支持部120により中心軸Z1を回転軸として回転されながら、ステージ110により+X方向に移動されることで、螺旋状の溝302が形成され、測定対象物300が製造される。
図2は、センサユニット130の詳細な構成の一例を示す模式図である。センサユニット130は、2つのセンサ部131、131を備えている。センサ部131は、カメラ1311及び光源1312が設けられている。
光源1312は、例えばやレーザーダイオードやLED等の発光素子と、発光素子から出力された光を照射口131aに導く光学系とを備えている。光源1312の前方には、照射口131aが設けられている。光源1312から出力された光は照射口131aから扇状に拡がって溝302を照射する。これにより、光源1312には光切断線201が照射される。光切断線201と照射口131aとを含む面を照射側面202と呼ぶ。また、光切断線201で切った溝302の断面であって、図3に示す延設方向310に対する溝302の断面を溝断面301と呼ぶ。
なお、図2、図3等の例では、溝断面301の形状は円形状であるが、これに限定されず楕円形状が採用されてもよいし、任意の曲線形状が採用されてもよい。
図2の例では、光源1312はカメラ1311よりも手前に配置されている。ここで、Z方向視において、カメラ1311及び光源1312は、それぞれ、光軸が一定の角度を持つように配置されている。これにより、カメラ1311は、光切断線201を斜め方向から撮像できる。そのため、カメラ1311が撮像した光切断線201には、溝断面301の形状が表れる。例えば、紙面と直行する方向にカメラ1311の垂直方向が設定されていたとすると、光切断線201は溝断面301の各位置の高さに応じて垂直方向の座標が変化する。したがって、この座標の変化とカメラ1311及び光源1312の光軸同士の角度とを三角測量の原理に適用することで、溝断面301の各位置の高さを算出できる。
センサ部131は、照射側面202の中心角が小さいと溝断面301の全域に光切断線201を形成することができない。図2の例では、1つのセンサ部131は、溝断面301の半分の領域にしか光切断線201を照射できない。そこで、図2の例では、2つのセンサ部131が設けられている。具体的には、左側のセンサ部131は、照射側面202の中心線202a(光軸)が溝断面301の右半分の領域の中央の位置と交差するように配置されている。また、右側のセンサ部131は、照射側面202の中心線202a(光軸)が溝断面301の左半分の領域の中央と交差するように配置されている。そして、左側のセンサ部131及び右側のセンサ部131は、それぞれ、照射側面202、202が一致し、且つ、中心線202a、202aが溝断面301の中心位置203を通過するように配置されている。
これにより、左右のセンサ部131、131は、溝断面301に対して同じ角度で光切断線201を照射できる。なお、左右のセンサ部131、131において、カメラ1311及び光源1312の光軸同士の角度は同じである。そのため、左右のセンサ部131のカメラ1311には、同じ角度で光切断線201が入射する。以上により、2つのセンサ部131を用いた場合であっても、あたかも1つのセンサ部131を用いたかのように溝断面301の全域の形状を計測できる。
図3は、測定対象物300の一例を示した図である。測定対象物300には溝302が螺旋状に延設されている。測定対象物300の両端には、円筒状の軸部304が設けられている。軸部304の直径は溝302が形成された領域よりも少し小さくされており、図1に示す支持部120が測定対象物300を容易に支持できる形状にされている。延設方向310から見ると溝302の両側には凸部303が形成されている。
延設方向310は、溝302の長手方向であり、螺旋状である。図3に示す溝断面301は延設方向310上の位置P1における溝断面301が示されている。溝断面301は、位置P1における延設方向310の接線方向に対して直交する。
溝302は円筒状の加工対象物に加工刃161を当接させ、加工刃161を静止状態にして、加工対象物を長手方向(図1のX方向)を回転軸として回転させながら、加工対象物を長手方向(X方向)に移動させることで形成される。よって、加工時において、加工対象物から加工刃161を見ると、加工刃161は加工対象物の側面を螺旋状に進行する。この加工刃161の進行方向が延設方向310である。なお、溝断面301は、加工時において加工対象物に当接される加工刃161の主面と一致する。
測定対象物300をX方向に移動させることなく、X方向を回転軸として回転させると、溝断面301はX方向に移動するように見える。図3の例では、測定対象物300は位置P1における延設方向310が右斜め下方向を向いているため、時計回りに回転させると、溝断面301は−X方向に移動するように見える。また、測定対象物300を反時計回りに回転させると、溝断面301は+X方向に移動するように見える。
そこで、この溝断面301の移動を打ち消すように、測定対象物300をX方向に移動させると、溝断面301は静止して見える。例えば、測定対象物300を時計回りに回転させた場合、溝断面301は−X方向にある移動速度Vで移動するため、測定対象物300を+X方向に移動速度Vで移動させると、溝断面301は静止して見える。一方、測定対象物300を反時計回りに回転させた場合、溝断面301は+X方向にある移動速度Vで移動するため、測定対象物300を−X方向に移動速度Vで移動させると、溝断面301は静止して見える。
したがって、測定対象物300をX方向を回転軸として回転させながら、溝断面301の移動が打ち消されるように測定対象物300をX方向に移動させる。これにより、静止状態のセンサ部131は、常に溝302に光切断線201を照射でき、光切断線201を連続的に撮像することで、任意の位置の溝断面301の形状を計測できる。
なお、本実施の形態では、測定対象物300のX方向に対する角速度及び移動速度としては、測定対象物300の加工時における角速度及び移動速度と同じ値が採用される。
図4は、2つの溝302a、302bが形成された測定対象物300の外観図を示している。図4において左から1ピッチ目の溝302aは、右隣に位置する左から1ピッチ目の溝302bを跨いで2ピッチ目の溝302aと連なっている。また、1ピッチ目の溝302bは2ピッチ目の溝302aを跨いで2ピッチ目の溝302bと連なっている。このように、本形状計測装置は、1つの溝302が形成された測定対象物300のみならず、複数の溝302が形成された測定対象物300も計測対象とする。
図5は、2つの溝302a、302bが形成された測定対象物300が計測される様子の説明図であり、測定対象物300をZ方向で切ったときの断面図が示されている。
図5の左図では、溝302aが計測されている。溝302aの測定開始に当たって、測定対象物300は、まず、溝302aの一方端の溝断面301aが計測位置X1に位置決めされ、且つ、溝断面301aの底点501aと中心500とを繋ぐ線がY方向と平行になるように位置決めされる。これにより、一方端の溝断面301aがセンサ部131と対向する。
そして、測定対象物300は、X方向を回転軸として回転されながらX方向に移動される。これにより、2つのセンサ部131は、溝302aの延設方向310上の各位置の溝断面301aに光切断線を照射して、各位置の溝断面301aの形状を計測する。測定対象物300が他方端まで移動されると、溝302aの全体形状の計測が終了される。
溝302aの計測が終了されると、測定対象物300は一方端が計測位置X1に戻され、且つ、溝302aがセンサ部131と対向する位置に戻される。そして、図5の右図に示されるように、測定対象物300はX方向に対して時計回りに歯割出角度θ回転される。これにより、測定対象物300は、一方端の溝断面301bの底点501bと中心500とを繋ぐ線がY方向と平行になるように位置決めされる。これにより、一方端の溝断面301bがセンサ部131と対向する。そして、溝302aと同様にして、測定対象物300がX方向に回転されながら移動され、溝302bの全体形状が計測される。
ここで、歯割出角度θとは、中心500を基準としたときの隣接する溝302a、302b同士のなす角度を指す。具体的には、歯割出角度θは、溝302aの底点501a及び中心500間を繋ぐ線と、溝302bの底点501b及び中心500間を繋ぐ線とがなす角度によって規定される。
本形状計測装置は、溝302の形状のみならず、溝302の縁を示す凸部303の形状も計測できる。図6は、凸部303の形状が計測される様子を示した図である。
図6の左図は、図5の左図と同じである。ここでは、溝302a、302bの全体形状の計測が終了されたため、測定対象物300は一方端が計測位置X1に戻され、且つ、溝302aがセンサ部131と対向する位置に戻されている。
そして、図6の右図に示されるように、測定対象物300は、時計回りに歯割出角度θの1/2回転される。これにより、測定対象物300の一方端の凸部断面602の頂点601と中心500とを繋ぐ線がY方向と平行になり、凸部断面602が最上位置に位置決めされる。ここで、凸部断面602は、延設方向310に対する凸部303の断面である。このとき、頂点601で2本の中心線202aが交差するように2つのセンサ部131は+Y方向に移動される。
センサ部131は凸部断面602に光切断線を照射する。そして、X方向に回転されながら移動される測定対象物300に対して、センサ部131は、光切断線を照射して光切断線を連続撮像することで、延設方向310の各位置の凸部断面602の形状を計測する。
そして、1の凸部303の全体形状の計測が終了されると、図6の右図に示すように、測定対象物300の一方端が計測位置X1に戻され、且つ、一方端の凸部断面602が最上位置に位置決めされる。そして、測定対象物300が時計回りに歯割出角度θ回転され、1の凸部303に隣接する次の凸部303の全体形状の計測が開始される。
図7は、本発明の実施の形態における形状計測装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。形状計測装置は、取付部140、センサユニット130、操作部701、ステージ110、ツールチェンジャー160、表示部703、支持部120、及び制御部710を備える。
取付部140は、例えばモータを備え、モータの駆動力によってX方向に移動される。
センサユニット130は溝断面301又は凸部断面602の形状を計測し、計測値を演算部712に出力する。ここで、計測値としては、例えば、センサユニット130により連続撮像された光切断線の画像データが採用される。
操作部701は、例えば、キーボードやマウス等で構成され、オペレータからの入力を受け付ける。
ステージ110は、例えば、モータを備え、モータの駆動力によってX方向に移動される。支持部120は、測定対象物300をX方向を回転軸として回転させるモータを備える。
表示部703は、例えば、液晶パネルにより構成され、演算部712により算出された測定対象物300の全体形状の高さデータを表示する。
制御部710は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコントローラにより構成され、形状計測装置の全体制御を司る。本実施の形態では、制御部710は、移動制御部711及び演算部712を備える。
移動制御部711は、取付部140のモータに駆動指令を出力し、取付部140をX方向に移動させる。また、移動制御部711は、支持部120のモータに駆動指令を出力し、測定対象物300をX方向を回転軸として回転させる。また、移動制御部711は、ステージ110のモータに駆動指令を出力し、ステージ110をX方向に移動させる。また、移動制御部711は、ツールチェンジャー160に制御指令を送り、加工刃161及びセンサユニット130を取付部140に取り付ける。
演算部712は、センサユニット130から出力される測定値を三角測量の原理に適用して、測定対象物300の表面形状を示す形状データを算出する。例えば、演算部712は、センサユニット130からある1の光切断線が撮像された画像データが計測値として入力されると、その画像データから光切断線の座標を抽出し、抽出した座標と、カメラ1311及び光源1312の角度とを用いて三角測量の原理により、光切断線が照射された溝断面301の各位置の高さデータを求める。例えば、センサユニット130から出力される画像データにおいて、水平方向を長手方向として光切断線が表れていたとする。この場合、演算部712は、画像データの垂直方向の各ラインのそれぞれにおいて輝度のピークを探索することで、光切断線の座標を求めればよい。これにより、例えば、垂直方向の各ラインを表すインデックスをi(但し、i=1、2、・・・、M)、垂直方向の座標をvとすると、光切断線は、v(1)、v(2)、・・・、v(M)のM個のデータ群により表される。そして、演算部712は、v(1)、v(2)、・・・、v(M)のそれぞれについて三角測量の原理を適用して、光切断線の各位置に対応する高さデータh(1)、h(2)、・・・、h(M)を求める。そして、演算部712は、センサユニット130から出力される各画像データに対して上記の処理を行い、溝302の全体形状を求める。例えば、センサユニット130が溝302をN回撮像し、N枚の画像データが演算部712に入力されたとすると、溝302の全体形状は、M行×N列でマトリックス状に配列された高さデータhにより表される。
図8は、本発明の実施の形態による形状計測装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図1を適宜参照し、図8のフローチャートを説明する。以下のフローチャートでは、溝302は2つであるとする。まず、形状計測装置による加工物への切削加工が終了される(S801)。これにより、測定対象物300が製造される。次に、加工刃161が取り付けられた取付部140は、計測位置X1からホームポジションX2に戻され、ツールチェンジャー160によりセンサユニット130が取り付けられ(S802)、再度、計測位置X1に位置決めされる。
次に、ステージ110は、一方端の軸部304aが計測位置X1に対向するように測定対象物300を位置決めし、センサユニット130は、軸部304aの表面形状を計測する(S803)。ここで、センサユニット130は、軸部304aに光切断線を照射し、光切断線の画像データを取得し、取得した画像データを計測値として演算部712に出力する。演算部712は、この画像データから光切断線を抽出し、光切断線の各位置の高さデータを求める。そして、演算部712は、算出した高さデータを補間することで軸部304aの円周を求め、軸部304aの中心座標Zaを求める。ここで、中心座標Zaは例えばY方向のみの値を持つデータで表される。
次に、ステージ110は他方端の軸部304bが計測位置X1に対向するように測定対象物300を位置決めし、センサユニット130は軸部304bの表面形状を計測する(S804)。そして、演算部712は、軸部304bに照射された光切断線の画像データから、軸部304aの場合と同様にして、軸部304bの中心座標Zbを求める。
次に、演算部712は、軸部304aの中心座標Zaと軸部304bの中心座標Zbとを線形補間し、測定対象物300の中心軸Z1を求める(S805)。ここで、中心軸Z1は、例えば、X方向の各位置における中心軸Z1のY方向の値が示されたデータである。
次に、センサユニット130は、測定対象物300の1の溝302である溝302aの全体形状を計測する(S806)。具体的には、まず、ステージ110及び支持部120は、+X方向側の溝302aの端部が計測位置X1と対向するように測定対象物300を位置決めする。次に、ステージ110及び支持部120は、測定対象物300をX方向に対して回転しながら+X方向に移動させ、センサユニット130は、回転しながら移動する測定対象物300を連続撮像し、溝302aの全体形状の計測する。そして、センサユニット130は、計測位置X1に対向する位置に溝302aの−X方向側の端部が位置決めされると、溝302aの全体形状の計測を終了する。
溝302aの計測が終了すると、全ての溝302の計測が終了していなければ(S807でNO)、ステージ110及び支持部120は、次の溝302である溝302bの+X方向側の端部が計測位置X1に対向するように測定対象物300を位置決めした後、支持部120は、測定対象物300を歯割出角度θ回転させる(S808)。次に、センサユニット130は、溝302aと同様にして、溝302bの全体形状を計測する(S806)。全ての溝302a、302bの計測が終了されると(S807でYES)、ステージ110及び支持部120は、溝302aの+X方向側の端部が計測位置X1に対向するように測定対象物300を位置決めし、支持部120は、測定対象物300を歯割出角度θの1/2回転させる(S809)。このとき、取付部140は、図6の右図で説明したように、頂点601で2本の中心線202aが交差するように、センサユニット130を構成する2つのセンサ部131を+Y方向に移動させる。これにより、凸部303の+X方向側の端部がセンサユニット130と対向する。
次に、センサユニット130は、1の凸部303の全体形状を計測する(S810)。具体的には、まず、ステージ110及び支持部120は、測定対象物300をX方向に対して回転しながら+X方向に移動させ、センサユニット130は、回転しながら移動する測定対象物300を連続撮像し、1の凸部303の全体形状の計測する。そして、センサユニット130は、計測位置X1に対向する位置に1の凸部303の−X方向側の端部が位置決めされると、1の凸部303の全体形状の計測を終了する。
1の凸部303の全体形状の計測が終了すると、全ての凸部303の全体形状の計測が終了していなければ(S811でNO)、ステージ110及び支持部120は、全体形状の計測が終了された1の凸部303の+X方向側の端部が計測位置X1に対向するように測定対象物300を位置決めし、支持部120は、歯割出角度θ、測定対象物300を回転する(S812)。これにより、次の1の凸部303がセンサユニット130に対向する。次に、センサユニット130は、次の1の凸部303の全体形状を計測する(S810)。本フローチャートの例では、溝302は2つであるため、例えば3つの凸部303が計測される。
全ての凸部303の全体形状の計測が終了すると(S811でYES)、取付部140は、センサユニット130をホームポジションX2に戻す(S813)。
次に、演算部712は、センサユニット130により計測された各溝302及び各凸部303の全体形状の計測値を用いて、S805で求めた中心軸Z1を基準とする溝302及び凸部303の全体形状を示す高さデータを求める(S814)。
例えば、図4に示すようにある1の溝断面301のある位置Pkにおいて光切断線を用いて得られた高さデータがh(k)であったとする。ここで、得られた高さデータh(k)は例えば、ある高さ基準H0を基準に算出されていたとする。また、中心軸Z1の高さデータも高さ基準H0を基準に算出されていたとする。
この場合、演算部712は、位置PkのX方向の位置Xkを求める。ここで、演算部712は、例えば、位置Pkが属する溝断面301が計測されたときの、測定対象物300のX方向に対する回転角度及び移動距離からその溝断面301の底点PbのX方向の位置を求める。そして、演算部712は、その底点PbのX方向の位置に、その底点Pbから位置PkまでのX方向の距離を加えることで、位置Xkを求めればよい。そして、演算部712は、高さデータh(k)から中心軸Z1の高さデータh1(Xk)を減じることで、位置Pkの高さデータH(k)(=h(k)−h1(Xk))を求めればよい。
演算部712は、この処理を全ての高さデータh(k)に対して行い、中心軸Z1を基準としたときの全ての溝302の全体形状を示す高さデータを求めればよい。また、演算部712は、凸部303に対しても、溝302と同様にして、全ての凸部303の全体形状を示す高さデータを求めればよい。
次に、制御部710は、S814で求めた高さデータを用いて測定対象物300の形状を評価する(S815)。図9は、測定対象物300の溝302の全体形状を示す高さデータを視覚的に示した図であり、上図は測定対象物300を示し、下図は溝302の高さデータを示している。
図9の下図において、縦軸αは溝断面301の幅方向を示し、横軸βは溝断面301の延設方向310上での位置を示している。例えば、図9の下図においてβ=βkにおける1本のラインL9は、図9の上図に示すある溝断面301kの高さデータを示す。なお、図9の下図では、薄くなるにつれて高さデータの値が大きく、濃くなるにつれて高さデータの値が小さくなっている。
例えば、ラインL9に示される溝断面301kでは、中心に向かうにつれて濃くなり、外側に向かうにつれて薄くなり、溝の形状が測定されていることが分かる。
このように、本実施の形態における形状計測装置は、切削加工機の加工刃161をセンサユニット130に取り替えることで、測定対象物300の形状が計測されている。そのため、測定対象物300をクレーンでつり上げて検査用ジグに載せ替えてオスメス構造の加工物に嵌合させなくても、測定対象物300の形状を評価することができる。その結果、測定対象物300の形状評価を短時間で行うことができる。また、本形状計測装置では、個々の測定対象物300の形状評価ができるため、測定対象物300ごとに加工精度の管理ができる。
また、本形状計測装置では、測定対象物300をX方向に対して回転させながら移動させることで、溝断面301及び凸部303の形状を連続的に計測しているため、測定対象物300の表面形状を示す高さデータを高分解能で計測できる。その結果、測定対象物300の任意の位置の形状を知ることができる。
また、本形状計測装置では、長大且つ重量のある測定対象物300を検査用ジグに載せ替える作業が不要となり、測定対象物300の形状評価の作業負担を大幅に削減できる。
また、本形状計測装置では、測定対象物300を検査用ジグに載せ替える作業が不要となり、切削加工機に測定対象物300を載せたまま測定対象物300の加工と形状の計測とを行うことができる。その結果、測定対象物300の形状の評価結果を加工条件へフィードバックすることが容易になり、形状評価と加工とを繰り返すことでより高精度な加工条件を検出することができる。
なお、上記の開示では、センサユニット130は、光切断法により形状計測を行ったが、これは一例にすぎず、ステレオカメラによる三次元形状計測法、TOF(Times Of Flight)による形状計測法を採用してもよい。
また、図2では、センサユニット130は2つのセンサ部131を備えていたが、測定対象物300の溝断面301の形状が比較的浅い場合、1つのセンサ部131を備えればよい。ここで、溝断面301の形状が比較的浅い場合としては、例えば、表面の光沢度合いによるが、溝断面301の中心角が概ね25度以内の場合が該当する。また、図2において、センサユニット130が備えるセンサ部131の個数を3つ以上にしてもよい。この場合も、図2で説明した場合と同様、各センサ部131の照射側面202を一致させ、且つ、各センサ部131の中心線202aが中心位置203を通るように、各センサ部131が設置されればよい。
(実施の形態2)
実施の形態2における形状計測装置は、1の溝断面301の形状を計測するにあたり、センサユニット130を延設方向310に向けて所定ピッチで移動させ、複数の溝断面301の形状を計測させ、計測結果を用いて1の溝断面の形状を算出することを特徴とする。なお、実施の形態2では、実施の形態1との差分を説明し、同一部分は説明を省く。
スクリューなどから構成される測定対象物300は、加工サイズに対して非常に微細な加工精度(例えばマイクロメートルオーダーの加工精度)が要求されるため、測定対象物300の形状の評価もマイクロメートルオーダーで行う必要がある。
実施の形態1で示したように、本形状計測装置は光切断法による断面形状計測を基本原理とするため、光切断線の投影像の線幅程度が測定分解能の限界となる。光切断線の投影像の線幅としては、通常数百ミクロン以上である。これは光切断線の投影像は理想的な直線とならないため、画像中に含まれる光切断線の輝度分布にノイズが生じるためである。そこで、実施の形態2では、画像中に含まれる光切断線のノイズ成分を除去する。以下、詳細に説明する。
図10は光切断線を撮像した画像データを示す図であり、左図はノイズが除去される前の画像データを示し、右図はノイズが除去された後の画像データを示す。具体的には、左図及び右図の各々において、上断に示した図は光切断線1301を含む画像データ1102であり、下段に示す図は光切断線1301を用いて算出された光切断線1301の一部の領域における測定対象物300の高さデータを拡大して示したグラフ1111である。グラフ1111において、縦軸は高さを示し、横軸は画像データ1102の水平方向の位置を示す。
左図の画像データ1102に示されるように、光切断線1301は途切れた箇所が複数観察され、輝度分布が均一ではなく、ムラが生じていることが分かる。そのため、左図のグラフ1111は低周波成分を示す曲線上に小刻みに変動する高周波成分が重畳された形状を持っている。なお、低周波成分を示す曲線は測定対象物300の実際の高さデータを表している。そのため、小刻みに変動する高周波成分がノイズとなる。
このような輝度分布のムラが生じるのは、スペックルと呼ばれるレーザー光の干渉パターンや、光切断線の投影面の微小な凹凸により受光素子での結像にムラのパターンが生じるためである。一方、画像データ1102から光切断線1301の位置を抽出するに際し、各垂直ラインL110における輝度の重心座標をサブピクセルレベルで算出することが行われる。この場合、光切断線1301は、長手方向(水平方向)の輝度分布が均一であり、且つ、線幅方向(垂直方向)において中央の輝度が高く周辺部に向かうにつれて輝度が低くなる正規分布を持つことが望ましい。
そこで、実施の形態2では、1の溝断面301の形状を計測するに際し、複数の光切断線の画像データを連続的に取得し、これらの画像データの輝度を平均化することでノイズを除去する。但し、このようなノイズのパターンは短時間で変動するものではないため、単純に連続的に取得した画像データを複数枚使用するだけでは平均化効果は得られない。反面、光切断線の投影面の状態が僅かに変化するとムラの状態が変化する。そこで、実施の形態2では、これらのこととを利用して下記の方法を採用する。
実施の形態2では、複数枚の画像データを取得する際に、測定対象物300とセンサユニット130との相対位置を所定ピッチずつ移動させ、センサユニット130を微動させる。これにより、取得した画像データ毎に輝度分布のムラのパターンが異なるため、これらの画像データを平均化することで、輝度分布のムラのパターンが相殺され、平均化効果が得られる。
図11は、実施の形態2における形状計測装置の主要部を示した図である。実施の形態1では、取付部140は、X方向及びY方向に移動可能に天井部150に取り付けられていた。実施の形態2では、取付部140は、Z’方向にも移動可能に天井部150に取り付けられている。つまり、実施の形態2では、取付部140は、X、Y、Z’方向の各々に移動可能な3軸ステージで構成されている。これにより、センサユニット130は、取付部140がZ’方向に移動することで、Z’方向に移動することができる。
ここで、Z’方向は、溝302の延設方向310に沿った方向である。具体的には、Z’方向は、延設方向310をX−Z平面へ投影した方向であり、Z方向に対して角度γ傾斜した方向である。なお、図11では、Z方向は、手前側が+Z’方向、奥側が−Z’方向に規定されている。これにより、上面視(−Y方向視)において、センサユニット130は溝302に沿って移動されることになる。
移動制御部711は、1の溝断面301の形状を計測するに際し、ステージ110(図1参照)を制御して、測定対象物300のX方向を回転軸とする回転及びX方向への移動を停止させ、測定対象物300を停止状態にする。そして、移動制御部711は、取付部140を制御して、センサユニット130を+Z’方向に所定ピッチずつ移動させる。センサユニット130は、まず、+Z’方向への移動が開始される直前の初期位置での溝302に投影された光切断線を撮像し、以後、所定ピッチずつ移動する都度、溝302に投影された光切断線を撮像する。これにより、光切断線の画像データが複数得られる。
図12は、1の溝断面301の形状を計測するに際して所定ピッチずつ移動されるセンサユニット130が照射する光切断線1301を示した図である。
まず、初期位置1302_Sにおいてセンサユニット130は、溝302に投影された光切断線1301_1を撮像する。次に、センサユニット130は、+Z’方向に所定ピッチ移動して、光切断線1301_2を撮像する。以後、センサユニット130は、所定ピッチ移動する都度、光切断線1301の撮像を繰り返す。そして、センサユニット130は一定区間1302移動し、光切断線1301_5の撮像が終了すると、初期位置1302_Sに戻る。そして、測定対象物300は、X方向を回転軸として所定角度回転され、且つ、X方向に所定距離移動され、初期位置1302_Sには次の1の溝断面301が位置決めされる。以上により、光切断線の画像データが5つ得られる。ここでは、説明の便宜上、一定区間1302における光切断線の本数は5本として説明するが、実際には5本よりも遙かに多い本数が一定区間1302には含まれる。
一定区間1302における所定ピッチとしては、センサユニット130を微動させずに測定対象物300の形状を計測する場合の光切断線のピッチである通常ピッチ以下の値が採用できる。なお、所定ピッチを通常ピッチと同じ値に設定した場合、一定区間1302における光切断線1301は通常ピッチで配列されるが、各溝断面301は、原則、同じ形状を持っているため、平均化することでノイズを除去できる。
また、一定区間1302としては、例えば、+Z’方向に移動するセンサユニット130と溝302との距離が離れることで、センサユニット130が溝302に対して光切断線1301を精度よく照射することができなくなるまでの距離が採用できる。また、センサユニット130は、+Z’方向に移動するとして説明したが、−Z’方向に移動してもよいし、初期位置1302_Sを中心に一定区間1302を設定し、+Z’方向及び−Z’方向に移動してもよい。
演算部712は、5つの画像データの輝度を平均化し、1つの平均化画像データを生成する。具体的には、演算部712は、5つの画像データに対して、画素毎に輝度の平均値を求めることで、1つの平均化画像データを生成する。ここでは、平均化画像データには、水平方向を長手方向として光切断線が表れているものとする。演算部712は、平均化画像データにおいて、垂直ラインL110のそれぞれについてサブピクセルレベルで輝度の重心座標を求めることで光切断線を抽出する。そして、演算部712は、抽出した光切断線に対して、実施の形態1と同様、三角測量の原理を用いて、1の溝断面301の高さデータを求める。ここで、サブピクセルとは、平均化画像データにおいて、実際の画素ピッチよりも短い画素ピッチで画素が配列されていると仮定した場合の画素を指す。
このように、1の溝断面301の形状を計測するに際し、複数の光切断線の画像データを平均化して1つの平均化画像データを生成することで、平均化画像データには、図10の右図の上段に示すような光切断線1301が表れる。図10の右図の上段に示す光切断線1301は、図10の左図の上段に示す光切断線1301に比べて、途切れた箇所の個数が大幅に減少しており、輝度分布のムラが改善していることが分かる。また、図10の右図の上段に示す光切断線1301は、左図に比べて、均一化されていることも分かる。
その結果、図10の右図の下段に示すグラフ1111では、左図下段に示すグラフ111に対して、高周波成分の振幅が大幅に減少しており、ギザつきのない曲線になっていることが分かる。
なお、図12に示すように、1の溝断面301を計測するに際して、一定区間1302内で撮像される複数の光切断線1301_1〜1301_5は、それぞれ位置が異なっているため、光切断線1301_1以外は、1の溝断面301とは位置が異なる溝断面301の形状を表している。
しかしながら、測定対象物300は、スクリューのようなものを想定しており、同一形状の溝断面301が連なるように溝302が加工されたものである。そのため、原則的に、各溝断面301の形状は同一であり、光切断線は同一形状になるはずである。よって、本形状計測装置は、位置の異なる光切断線1301を撮像した複数の画像データを平均化することで、溝断面301が本来持つ形状に関する情報を損なうことなくノイズが除去された光切断線1301を得ることができる。
次に、実施の形態2における形状計測装置の動作について説明する。実施の形態2において全体的な動作は、図8のフローチャートと同じであるが、1の溝を計測する処理(S806)と、高さデータを算出する処理(S814)とが異なる。そこで、以下では、相違点を中心に説明する。
図13は、実施の形態2における形状計測装置の動作を示すフローチャートであり、S806のサブルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートは、図12で示す一定区間1302においてセンサユニット130が複数の溝断面301の形状を計測する処理を示す。
このフローチャートを開始する前に、初期位置1302_Sに光切断線1301_1が照射されるように、測定対象物300は位置決めされて停止状態にされているものとする。
まず、センサユニット130は、光切断線1301を撮像する(S1501)。次に、センサユニット130は、取付部140によって+Z’方向に所定ピッチ移動される(S1502)。次に、一定区間1302の計測が終了していなければ(S1503でNO)、処理がS1501に戻され、センサユニット130は、次の光切断線1301を撮像する。つまり、S1501〜S1503の処理が繰り返されることで、センサユニット130が+Z’方向に所定ピッチずつ移動されながら、光切断線1301_1〜1301_5が撮像される。
そして、センサユニット130は、光切断線1301_5を撮像し、一定区間1302における溝断面301の形状の計測が終了すると(S1503でYES)、取付部140によって初期位置1302_Sに戻される(S1504)。
そして、次の1の溝断面301の形状を計測するために、移動制御部711は、ステージ110を制御して、測定対象物300をX方向を中心軸として所定角度回転させ、且つX方向に所定距離移動させ、測定対象物300を位置決めする(S1505)。
次に、1の溝302の計測が終了したのであれば(S1506でYES)、処理が図8に戻る。一方、1の溝302の計測が終了していなければ(S1506でNO)、処理がS1501に戻され、次の1の溝断面301の形状が計測される。
図14は、実施の形態2において、一定区間1302を計測することで得られた複数の画像データに対する処理を示すフローチャートである。なお、図14の処理は、図13において、S1503でYESと判定される都度、すなわち、一定区間1302における光切断線1301の画像データが取得される都度、実施され、図13の処理と並行して実施される。但し、これは、一例であり、図14の処理は、図13においてS1503〜S1504の間で実施されてもよい。
まず、演算部712は、一定区間1302において、光切断線1301が撮像された複数の画像データを取得すると、これらの画像データの輝度を平均化して1つの平均化画像データを生成する(S1601)。
次に、演算部712は、平均化画像データにおいて、垂直ライン毎にサブピクセルレベルで輝度の重心座標を求め、光切断線を抽出する(S1602)。この場合、図10の右図の上段に示すように、垂直ラインL110において、輝度のピークをサブピクセルレベルで検出する処理が実行され、輝度の重心座標が算出される。そして、この処理が他の垂直ラインに対しても実行され、水平方向の各位置における輝度の重心座標が算出される。これにより平均化画像データから1本の光切断線が抽出される。
なお、実施の形態2において、図8に示すS814では、演算部712は、平均化画像データから抽出した各光切断線から、各溝断面301の高さデータを求めることで、各溝302の全体形状を求める。このとき、演算部712は、実施の形態1と同様、中心軸Z1を基準としたときの高さデータを求めればよい。なお、実施の形態2において凸部303の高さデータを求める処理は、実施の形態1と同じである。
このように、実施の形態2では、1の溝断面301の形状を計測する際に、センサユニット130を所定ピッチずつ移動させながら、光切断線の画像データを複数撮像し、得られた複数の画像データを平均化することで、1の溝断面301の高さデータが算出されている。そのため、レーザー光の干渉パターンや光切断線の投影面の微小な凹凸による輝度分布のムラが相殺され、画像データに含まれる光切断線のノイズを除去できる。その結果、測定対象物300の形状を正確に求めることができる。
なお、実施の形態2において、センサユニット130を測定対象物300に対して所定ピッチで移動させる例を示したが、これに限定されず、停止状態にあるセンサユニット130に対して、測定対象物300を所定ピッチずつ移動させることで、1の溝断面301の形状が計測されてもよい。この場合、移動制御部711は、光切断線が溝302からずれないように、ステージ110を制御して、測定対象物300をX方向を回転軸として回転させると共に、測定対象物300をX方向に移動させればよい。
また、停止状態にあるセンサユニット130に対して測定対象物300を移動させる態様を採用する場合、測定対象物300は、所定ピッチずつ移動される都度、停止されなくてもよい。この場合、図3で説明したように、測定対象物300を加工時と同じ角速度及び移動速度で移動させ、センサユニット130に光切断線を所定ピッチで連続撮像させる。そして、演算部712は、得られた画像データを一定区間1302ずつ取り出し、一定区間1302毎に平均化画像データを算出すればよい。
また、実施の形態2において、センサユニット130を所定ピッチずつ移動させる手法は、溝302の形状計測に対して適用されたが、これに限定されず、凸部303に対して適用されてもよい。
また、実施の形態1、2では、図8に示すS814で高さデータが算出されているが、1の溝断面301の光切断線の画像データが取得される都度、高さデータは算出されてもよいし、1の溝302及び1の凸部303の計測が終了する都度、高さデータは算出されてもよい。