JP6198052B2 - 切断装置、切断制御装置、切断制御方法、切断制御プログラム及び印刷装置 - Google Patents
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つまり、この方法では、カッターの切断面と用紙の突き当て面が平行になっていることを前提とし、用紙を巻き戻すことで用紙のたるみによる斜めに切断されること(斜行、斜めカットともいう)を防止する。また、斜めに用紙が切断された場合、その用紙を搬送方向に対して垂直に再度切断する。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置1の構成を示す概略図である。
図1において、X方向、Y方向、Z方向は、3次元空間で互いに直交する。X方向、Y方向は、ともに水平面に平行な方向である。Z方向は、水平面に垂直な方向である。以下の説明では、X方向とその反対方向をそれぞれ右、左と呼び、Y方向とその反対方向をそれぞれ順方向、逆方向と呼び、Z方向とその反対方向を、それぞれ上、下と呼ぶことがある。図1(a)、(b)、(c)は、印刷装置1の左側面図、平面図、右側面図である。
切断部105の長手方向の両端のうち、可動刃106の切断面の他端により近い位置(左側)に、傾斜調整部110が備えられる。
切断部105の側面のうちロール紙201の進行方向とは反対側、つまりフィードローラ103−1、103−2の側の側面に接触される。カム112の外周には、切断部105とは異なる方向に、カムローラ114の外周が接触される。
カムモータ115は、自部の回転軸の外周がカムローラ114の外周に接触され、その回転軸を中心に回転する。その回転軸はX軸方向に向けられて印刷装置1の筐体に支持される。
支持材117は、印刷装置1の筐体に固定され、コイルばね116の他端を支持する。
図2は、本実施形態に係る印刷装置1の内部構成を示すブロック図である。
印刷装置1は、さらに切断制御部122、搬送制御部123、送りローラ駆動部124、フィードローラ駆動部125、傾斜制御部126、斜行データ記憶部127、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、バッファ部134、外部インタフェース部135及び印刷部136を備える。
フィードローラ駆動部125は、回転軸104の一方(例えば、回転軸104−2)、ひいてはフィードローラ103の回転を駆動するモータである。
斜行データ記憶部127には、印刷範囲(例えば、印刷長)と斜行の度合い(例えば、斜行率)とを対応付けて形成される斜行データが予め記憶されている。
ROM132には、CPU131が実行するプログラム、そのプログラムの実行に要するデータが予め記憶されている。
RAM133は、CPU131の動作によって生成されたデータ、動作中に用いられるデータを一時的に記憶する。RAM133は、バッファ部134を含んで構成される。
バッファ部134は、外部インタフェース部135が受信した印刷データを一時的に記憶する。
印刷部136は、バッファ部134に記憶された印刷データを読み出し、読み出した印刷データが示す画像をロール紙201に印刷する。また、印刷部136は、読み出した印刷データを切断制御部122、搬送制御部123及び傾斜制御部126に出力する。
印刷部136は、例えば、熱昇華型の印刷機構を有する。印刷部136は、インクリボンに塗布された昇華性染料インクを、熱した印字ヘッドでロール紙201に転写する。印字ヘッドには、ロール紙201の走行方向とは垂直方向に一定間隔(例えば、1/8mm)で配列した印刷素子を備え、その間隔でロール紙201が走行する毎にインクの転写が繰り返される。
図3は、印刷範囲の例を示す概略図である。
図3において上方がロール紙201の先端を示し、下方に向けてページ203−1、203−2、203−3がY方向に配列されている。この例では、印刷範囲の単位がページ単位であって、ページ203−1、203−2、203−3の順で印刷がなされ、印刷装置1から排出されたことを示す。先端余白202は、ロール紙201の選択から印刷が開始される部位までの領域であり、ロール紙201が巻き解かれた部分が搬送されるように、送りローラ101、フィードローラ103に拘束される領域である。
図4、図5は、斜行が生じる仕組みを説明する図である。
図4は、ロール紙201の他、フィードローラ103、回転軸104、切断部105を構成する可動刃106及び固定刃107を示す。下向きの矢印は、ロール紙201が、可動刃106と固定刃107の間に挟まれているときに可動刃106が上方から下方に向けて移動する際に切断されることを示す。可動刃106は、左端よりも右端の方が下方に傾いているため、可動刃106の切断面がロール紙201に接触する部分は、右端から左端に移動するため、切断方向は右方から左方へ向かう方向となる。
可動刃106が下方に移動すると、可動刃106の切断面がロール紙201に接触する。この時点では、直ちに切断が開始されない。ロール紙201は、その剛度により可動刃106が下方(Z方向の反対方向)に移動することに伴い水平面からさらに下方に引き込まれる。つまり、既に切断部105よりも先行した部分が、走行方向(Y方向)とは反対方向に押し込まれ、一時的に逆行する。これにより、ロール紙201がX−Y平面上で右回りに回転する。その後、ロール紙201上で可動刃106と最初に接触した右端から左端に向けて切断される。この現象が斜行として生じる。
ロール紙201が下方に引き込まれる度合いは、最初に可動刃106の先端と接触した右方ほど大きく、左方ほど小さくなる。そのため、図4に示すように印刷装置1から排出されるロール紙201の切断面は右方ほど走行方向(Y方向)に進み、左方ほど遅れる。先端余白202、ページ間余白204−1、204−2に斜めに示されている破線が切断面の例を示す。
斜行の度合いを示す斜行量lは、図6(a)に示すように、ロール紙201の切断面において、走行方向に最も進んだ部分(例えば、右端)のその方向の座標(Y座標)から、最も遅れた部分(例えば、左端)のその方向の座標(Y座標)の差分である。図6(b)に示すように、斜行が生じていない状態では、斜行量lは0である。
図7に示す斜行データは、印刷長Lと斜行率が対応付けられたデータである。斜行率は、斜行量lを印刷長Lで規格化した係数であって、斜行の度合いを示す係数である。
印刷長Lが10、100、200、230、460、610(mm)と増加するのに伴い、斜行率は、2.50、0.90、0.59、0.29、0.22(%)と減少する。 これば、印刷長Lの増加よりも斜行量lの増加が緩やかなためである。印刷長Lがある長さを超えると、斜行量lはある一定値に漸近する傾向がある。この斜行量lは、予め印刷装置1を動作させ複数の異なる印刷長Lのそれぞれについて取得しておく。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を援用する。
図8は、本実施形態に係る印刷装置1aの構成を示す平面図である。
印刷装置1aは、印刷装置1(図1)において、さらに切断面センサ128a−1、128a−2を備える。
切断面センサ128a−1、128a−2は、例えば、赤外線センサである。切断面センサ128a−1、128a−2は、ロール紙201の裏面に赤外線をそれぞれ照射し、反射光の輝度が予め定めた閾値よりも大きい部分を切断面として検出する。
印刷装置1aは、印刷装置1(図2)において、切断面センサ128a−1、128a−2の他に斜行検出部129aを備える。
斜行検出部129aは、切断面センサ128a−1、128a−2からそれぞれ入力された切断面信号に基づいてロール紙201に生じた斜行の斜行量を検出する。ここで、斜行検出部129aは、入力された切断面信号が示す切断面のロール紙201の走行方向(Y方向)の座標の最大値をそれぞれ検出する。斜行検出部129aは、例えば、一方の切断面センサ128a−1から検出した座標の最大値から他方の切断面センサ128a−2から検出した座標の最小値を減算して斜行量を算出する。既に、傾斜制御部126で傾斜量が制御されている場合には、算出された斜行量は、制御誤差に相当する。
なお、上述した実施形態では、印刷装置1、1aが、印刷部136に熱昇華型の印刷機構を有する熱昇華型フォトプリンタである場合を例にとったが、これには限らない。印刷装置1、1aは、シートに印刷を行うことができれば、いかなる形式の印刷機構を備えてもよい。印刷装置1、1aは、例えば、熱溶融型プリンタ、感熱式プリンタ、等であってもよい。
図10は、本発明の最小構成に係る切断制御装置2を示すブロック図である。
切断制御装置2は、傾斜制御部126を備える。傾斜制御部126は、シート(例えば、ロール紙201)を当該シートの長手に沿う一の方向に送り出すフィードローラ103よりもY方向にずれた位置に設けられ、シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部105の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜調整部110が傾斜させる傾斜量を制御する。
これにより、切断部105がシートを切断する際、シートが送り出される方向と垂直な方向に切断面の方向を傾斜させ、その傾斜の度合いである傾斜量を制御することができる。
また、上述した実施形態における印刷装置1、1a、又は切断制御装置2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。印刷装置1、1aの各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
102(102−1、102−2)…回転軸、
103(103−1、103−2)…フィードローラ、
104(104−1、104−2)…回転軸、
105…切断部、106…可動刃、107…固定刃、108…支点軸、
110…傾斜調整部、112…カム、114…カムローラ、115…カムモータ、
116…コイルばね、117…支持材、
122…切断制御部、123…搬送制御部、124…送りローラ駆動部、
125…フィードローラ駆動部、126…傾斜制御部、127…斜行データ記憶部、
128a(128a−1、128a−2)…切断面センサ、129a…斜行検出部、
131…CPU、132…ROM、133…RAM、
134…バッファ部、135…外部インタフェース部、
2…切断制御装置
Claims (11)
- 印刷部から送り出されたシートを当該シートの長手に沿う一の方向に送り出す第1送出部と、
前記第1送出部よりも前記一の方向にずれた位置に設けられ、前記シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部と、
前記切断部の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜させる傾斜調整部と、
前記傾斜調整部に傾斜させる傾斜量を制御する傾斜制御部と、
を備え、
前記傾斜制御部は、前記シートに印刷する印刷範囲に基づいて前記傾斜量を制御することを特徴とする切断装置。 - 前記傾斜調整部は、前記切断部を前記シートの走行経路の一側部または他側部の支持位置を移動させることにより前記傾斜量を変更することを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
- 前記第1送出部から前記一の方向と反対方向に、前記第1送出部が前記シートに接触する圧力よりも大きい圧力で前記シートを接触して前記一の方向に送り出す第2送出部を備える請求項1又は請求項2に記載の切断装置。
- 前記第1送出部を前記第2送出部よりも高速で駆動することを特徴とする請求項3に記載の切断装置。
- 前記切断部が前記シートを切断する際、前記第1送出部を停止させる搬送制御部を備える請求項1から4のいずれかに記載の切断装置。
- 前記第1送出部は、前記シートの前記一の方向の両側端からそれぞれ予め定めた範囲を除く中央部において前記シートに接触されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の切断装置。
- 前記傾斜制御部は、印刷範囲の大きさと傾斜量とを対応付けた傾斜データを参照して前記印刷範囲の大きさに対応した傾斜量を定めることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の切断装置。
- シートを当該シートの長手に沿う一の方向に送り出す第1送出部よりも前記一の方向にずれた位置に設けられ、前記シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜調整部が傾斜させる傾斜量を制御する傾斜制御部、
を備え、
前記傾斜制御部は、前記シートに印刷する印刷範囲に基づいて前記傾斜量を制御することを特徴とする切断制御装置。 - シートを当該シートの長手に沿う一の方向に送り出す第1送出部よりも前記一の方向にずれた位置に設けられ、前記シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜調整部が傾斜させる傾斜量を制御する傾斜制御過程、
を有し、
前記傾斜制御過程は、前記シートに印刷する印刷範囲に基づいて前記傾斜量を制御することを特徴とする切断制御方法。 - 切断制御装置のコンピュータに
シートを当該シートの長手に沿う一の方向に送り出す第1送出部よりも前記一の方向にずれた位置に設けられ、前記シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜調整部が傾斜させる傾斜量を制御する傾斜制御手順、
を実行させ、
前記傾斜制御手順は、前記シートに印刷する印刷範囲に基づいて前記傾斜量を制御することを特徴とする切断制御プログラム。 - 印刷部から送り出されたシートを当該シートの長手に沿う一の方向に送り出す第1送出部と、
前記第1送出部よりも前記一の方向にずれた位置に設けられ、前記シートの面と交差する方向に当該シートを切断する切断部と、
前記切断部の切断面を前記一の方向と直交する方向に対して傾斜させる傾斜調整部と、
前記傾斜調整部に傾斜させる傾斜量を制御する傾斜制御部と、
を備え、
前記傾斜制御部は、前記シートに印刷する印刷範囲に基づいて前記傾斜量を制御することを特徴とする印刷装置。
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