以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図9は、本発明の連続被記録媒体搬送装置、画像形成装置、連続被記録媒体搬送制御方法及び連続被記録媒体搬送制御プログラムの第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の連続被記録媒体搬送装置、画像形成装置、連続被記録媒体搬送制御方法及び連続被記録媒体搬送制御プログラムの第1実施例を適用したインク噴射式の画像形成装置1の概略正面図である。
図1において、画像形成装置1は、ロール紙搬送部2、印字ヘッド3及びオペレーションパネル4(図5参照)等を備えており、ロール紙搬送部2によって搬送されるライナーレスラベルロール紙(連続被記録媒体)Pに印字ヘッド3によって画像を形成する。なお、本実施例の画像形成装置1は、インク噴射式の画像形成部として印字ヘッド3を搭載した画像形成装置に適用した場合について説明するが、画像形成部としては、インク噴射式に限るものではなく、電子写真方式等であってもよい。
印字ヘッド(画像形成手段)3は、ロール紙搬送部2によって搬送されるライナーレスラベルロール紙Pの正規の搬送方向である副走査方向に対して直交する主走査方向に移動する図示しないキャリッジに搭載されている。印字ヘッド3は、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)等の複数色それぞれについて、副走査方向に複数配列されたインクノズルからライナーレスラベルロール紙Pに向かって各色のインクを吐出することで、画像を形成する。ライナーレスラベルロール紙Pは、主走査方向に所定幅を有し、台紙を有さないロール状に巻かれている連続ラベル用紙であり、通常、ラベル基材の裏面側に糊が付けられていて、表面側全体に容易に剥がすことのできる剥離剤が塗布されている。
ロール紙搬送部2は、副走査方向に所定間隔空けて、主走査方向においてライナーレスラベルロール紙Pの幅を超える長さを有し、一対のベルト駆動ローラ11、12に支持されている無端状の搬送ベルト13、ファン14、加圧ローラ15、16、17、移動機構部18、スキュー補正ローラ19、スキュー補正機構部20、カッタ21、サイドフェンス22、ガイドフェンス23(図4参照)、排紙ローラ24、ホルダ25及びスキュー検出部(図4参照)26等を備えている。
ホルダ25は、ロール状に巻かれたライナーレスラベルロール紙Pの中心を回転可能に支持し、最外周部の先端のライナーレスラベルロール紙Pが搬送ベルト13上に引き出される。
搬送ベルト13を支持するベルト駆動ローラ11、12は、それぞれ回転軸11a、112aを介して図示しない搬送駆動モータによって回転駆動され、ベルト駆動ローラ11、12が図1の時計方向に回転駆動されることで、搬送ベルト13を搬送駆動する。
搬送ベルト13は、ホルダ25に取り付けられているライナーレスラベルロール紙Pの先端部分が引き出されて上部に載せられ、上述のように回転することで、ライナーレスラベルロール紙Pを印字ヘッド3方向に搬送する。
加圧ローラ(押圧手段)15〜17は、搬送ベルト13上を搬送されるライナーレスラベルロール紙Pを所定の加圧力(押圧力)で搬送ベルト13に押し付けつつ、搬送ベルト13またはライナーレスラベルロール紙Pの搬送に伴って回転することで、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に密着させつつ搬送させる。
加圧ローラ15〜17のうち、加圧ローラ16、17は、移動機構部18によってライナーレスラベルロール紙Pを加圧する加圧位置と、ライナーレスラベルロール紙Pから離れた離間位置と、に移動される。
移動機構部(移動手段)18は、図2に示すように、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向(搬送ベルト13の搬送方向)と反搬送方向に移動可能に配設されている可動体18aを備えている。可動体18aは、ライナーレスラベルロール紙Pに対して該ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向において所定角度だけライナーレスラベルロール紙Pから離れる方向(図2の上方向)に傾斜した状態で傾斜溝18bが形成されている。可動体18aは、可動軸(符号略)でソレノイド18cに連結されており、ソレノイド18cは、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向とは逆方向(反搬送方向:図2の矢印方向)に可動体18aを引っ張る。移動機構部18は、ライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向に配設され先端部でそれぞれ加圧ローラ16と加圧ローラ17を回転可能に支持する支持アーム18d、18eを備えている。支持アーム18d、18eは、その加圧ローラ16、17とは反対側の端部に、可動体18aの傾斜溝18b内に挿入されている可動コロ18f、18gが回転可能に取り付けられている。支持アーム18d、18eは、ガイド部材18h、18iによって、その移動方向がライナーレスラベルロール紙P(搬送ベルト13)に対して垂直方向にガイドされている。そして、移動機構部18は、可動体18aをライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に付勢または可動体18aをライナーレスラベルロール紙Pに上記所定圧力で押し付けさせることで支持アーム18d、18e(加圧ローラ16、17)をライナーレスラベルロール紙P方向に付勢するバネ等の付勢部材等を備えている。
すなわち、移動機構部18は、加圧ローラ16、17と可動コロ18f、18gが両端部に回転可能に取り付けられている支持アーム18d、18eが、ライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向にのみ移動可能にガイド部材18h、18iで規制されている。移動機構部18は、ライナーレスラベルロール紙Pの加圧時には、ソレノイド18cがOFFとなって、付勢部材によって支持アーム18d、18eをライナーレスラベルロール紙P方向に付勢して、加圧ローラ16、17によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に押し付ける挟み込み状態の加圧位置に移動させる。移動機構部18は、スキュー補正時には、ソレノイド18cがONとなって、可動体18aをライナーレスラベルロール紙Pの反搬送方向(図2で矢印で示す方向)に所定量移動させる。移動機構部18は、移動体18aが反搬送方向に移動すると、支持アーム18d、18eがガイド部材18h、18iによってライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向のみ移動可能に規制されているため、可動コロ18f、18gが、所定角度だけ傾斜した傾斜溝18b内を登るように移動する。移動機構部18は、傾斜溝18b内を可動コロ18f、18gが登るように移動すると、支持アーム18d、18eが、ライナーレスラベルロール紙Pから離れた非挟み込み状態の離間位置へ移動する。
上記ベルト駆動ローラ11、12、搬送ベルト13、加圧ローラ15〜17及び移動機構部18は、全体として、ライナーレスラベルロール紙(連続被記録媒体)Pを挟み込んで該ライナーレスラベルロール紙Pに印刷する印字ヘッド(画像形成手段)3へ搬送する搬送状態と該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みを解除または緩和した非挟み込み状態を有する搬送部(搬送手段)27として機能している。
スキュー補正機構部20は、図3に示すように、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向(搬送ベルト13の搬送方向)と反搬送方向に移動可能に配設されている可動体20aを備えている。可動体20aは、ライナーレスラベルロール紙Pに対して該ライナーレスラベルロール紙Pの反搬送方向において、所定角度だけライナーレスラベルロール紙Pから離れる方向(図3の上方向)に傾斜した状態で、傾斜溝20bが形成されている。可動体20aは、可動軸でソレノイド20cに連結されており、ソレノイド20cは、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向とは逆方向(反搬送方向:図3の矢印方向)に可動体20aを引っ張る。スキュー補正機構部20は、ライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向に配設され先端部でスキュー補正ローラ19を回転可能に支持する支持アーム20dを備えており、支持アーム20dは、そのスキュー補正ローラ19とは反対側の端部に、可動体20aの傾斜溝20b内に挿入されている可動コロ20eが回転可能に取り付けられている。支持アーム20dは、ガイド部材20fによって、その移動方向がライナーレスラベルロール紙P(搬送ベルト13)に対して垂直方向にガイドされている。そして、スキュー補正機構部20は、可動体20aをライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に付勢または可動体20aをライナーレスラベルロール紙Pとは反対方向(図3の上方向)に付勢することで支持アーム20d(スキュー補正ローラ19)をライナーレスラベルロール紙Pとは反対方向に付勢するバネ等の付勢部材等を備えている。さらに、スキュー補正機構部20は、図示しないスキュー補正モータによって回転駆動される駆動ローラ20gを備えている。駆動ローラ20gは、少なくともスキュー補正時に、スキュー補正ローラ19に接触して、スキュー補正モータによって、回転駆動されることで、スキュー補正ローラ19を回転駆動させる。すなわち、駆動ローラ20gは、スキュー補正時に、スキュー補正モータによって、図4の時計方向に回転駆動されることで、スキュー補正ローラ19を反時計方向(ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向)に回転駆動させ、後述するように、ライナーレスラベルロール紙Pのスキューを補正する。
スキュー補正機構部20は、通常のライナーレスラベルロール紙Pの搬送時には、ソレノイド20cがOFFとなって、付勢部材によってスキュー補正ローラ19をライナーレスラベルロール紙Pから離間した非挟み込み状態の離間位置に位置させる。また、スキュー補正機構部20は、後述するスキュー補正時には、ソレノイド20cをON駆動させて、スキュー補正ローラ19を挟み込み状態である加圧位置に移動させるとともに、スキュー補正モータによって所定量だけ駆動ローラ20gを介してスキュー補正ローラ19をライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向(図3の反時計方向)に回転駆動させることで、スキュー補正を行う。
したがって、スキュー補正ローラ19及びスキュー補正機構部20は、全体として、印字ヘッド3側でライナーレスラベルロール紙Pを挟み込む挟み込み状態と該挟み込み状態から解除された非挟み込み状態とを選択動作して、該挟み込み状態において該ライナーレスラベルロール紙Pを引き込むスキュー補正手段として機能している。
再び、図1において、ファン14は、無端状の搬送ベルト13内であって、印字ヘッド3の下方の位置に収納されている。ファン14は、少なくともライナーレスラベルロール紙Pの搬送時及びスキュー補正時に回転駆動され、回転駆動されることで、搬送ベルト13を通してライナーレスラベルロール紙Pを吸引して、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に密接させる。すなわち、搬送ベルト13は、空気を通過させる構造、例えば、メッシュ構造塔になっており、ファン14によってライナーレスラベルロール紙Pを吸着させる。このファン14による吸引空気は、印字ヘッド3のました部分が最も強いが、加圧ローラ16、17部分にも及ぶ。
カッタ21は、予め設定されているライナーレスラベルロール紙Pの切断位置で、ライナーレスラベルロール紙Pを主走査方向に切断する。
サイドフェンス22は、搬送ベルト13上を搬送されるライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向右側をガイドし、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向右側の位置を規制する。
ガイドフェンス23は、カッタ21の近傍で、ライナーレスラベルロール紙Pを挟んで走査方向両側に配設されており、カッタ21によって切断されたライナーレスラベルロール紙Pの飛散を防止する。
排紙ローラ24は、駆動軸24aに固定されており、図示しない排紙モータによって駆動軸24aとともに回転駆動されることで、カッタ21で切断されたライナーレスラベルロール紙Pを図示しない排紙トレイ上に排出する。
そして、スキュー検出部(搬送状態検出手段)26は、図4に示すように、複数のスキュー検出センサ(検出センサ)26a〜26dを有している。スキュー検知センサ26a〜26dは、ライナーレスラベルロール紙Pを挟んで、ライナーレスラベルロール紙Pの主走査方向への移動を規制するサイドフェンス22とは反対側のライナーレスラベルロール紙Pよりも主走査方向外側の位置であって、所定量のライナーレスラベルロール紙Pのスキューを検知可能な位置に、副走査方向に所定間隔を空けて配設されている。
スキュー検出センサ26a〜26dは、例えば、反射型光センサまたは透過型光センサ等が用いられ、ライナーレスラベルロール紙Pの有無を検出して、検出結果信号を出力する。
なお、スキュー検出部26は、本実施例では、スキュー検出センサ26a〜26dがライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に一列に配置されているが、該搬送方向と直行する主走査方向においても複数並べて配置したり、千鳥状に配置してもよい。このようにすると、スキュー検出部26は、主走査方向へのスキュー量を検知して、ライナーレスラベルロール紙Pのたるみ度をより精確に判別することができる。その結果、後述するように、スキュー補正ローラ19の動作量を適切な量に調整することができる。
そして、画像形成装置1は、その要部が、図5に示すようにブロック構成されており、コントローラ30、プリンタエンジン50及びオペレーションパネル4等を備えている。
コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit )31、RAM(Random Access Memory)32、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)33、エンジンI/F(インターフェイス)34、プログラムROM(Read Only Memory)35、ネットワークI/F36、パネルI/F37、フォントROM38及びハードディスク(HDD)39等を備えていて、各部は、バス40で接続されている。
ネットワークI/F36には、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWが接続されており、ネットワークNWには、画像形成装置1に印刷要求を行なうホストコンピュータPc等が接続されている。ネットワークI/F36は、ネットワークNWを介してホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)等からなる印刷ジョブを受け取るとともに、画像形成装置1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等の送り出しを行うインターフェイスである。
ネットワークI/F36に接続されるホストコンピュータPcは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のパーソナルホストコンピュータPc等であり、画像形成装置1に、任意のPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で生成された印刷データ及びPJL(Printer Job Language)による制御コマンド(印刷制御データ)等からなる印刷ジョブを、プリンタドライバによって生成して、ネットワークを介して画像形成装置1に送信する。
プログラムROM35は、コントローラ30内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、画像形成装置1としての基本処理プログラム及び本発明のライナーレスラベルロール紙Pのスキューを適切に補正する連続被記録媒体搬送制御方法を実行する連続被記録媒体搬送制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
CPU(制御手段)31は、プログラムROM35に格納されているプログラムに基づいて、RAM32をワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、印刷処理を行うとともに、後述するプレビュー画像表示方法を実行する。
RAM32は、CPU31のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位等で管理して一時記憶するバッファ及びバッファに記憶されたデータを実際の印刷に適した描画データに変換して展開されるビットマップメモリ等として利用される。RAM32は、この印刷データまたは印刷データから変換された描画データ、あるいは、中間データを、複数ページ分蓄積する容量を有している。
NVRAM33は、画像形成装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、画像形成装置1の電源がOFFの際にも保持する必要のあるデータシステム設定値、印刷枚数カウント値、印刷設定及びプリンタエンジン50のエンジン特性を示すエンジン特性パラメータ(赤みが濃い等)等の各種設定情報がCPU31の制御下で格納される。
エンジンI/F34には、プリンタエンジン50が接続されており、エンジンI/F34は、コントローラ30からプリンタエンジン50への制御信号や描画データ及びプリンタエンジン50からコントローラ30へのステータス信号の授受を行う。
プリンタエンジン50は、本実施例では、上述のように、印字ヘッド3を搭載してライナーレスラベルロール紙Pに画像を形成するインク噴射方式のプリンタエンジンが用いられている。なお、プリンタエンジン50は、上述のように、インク噴射式プリンタに限るものではない。
プリンタエンジン50は、コントローラ30がホストコンピュータPcから送られてきてネットワークI/F36で受信させた印刷データから変換されてエンジンI/F34を介して渡される描画データ及び制御信号に基づいて、ライナーレスラベルロール紙Pに画像を印刷出力(画像形成出力)して、印刷済みのライナーレスラベルロール紙Pを切断した後、排紙トレイ上に排出する。
パネルI/F37には、オペレーションパネル4が、USB(Universal Serial Bus)またはシリアルケーブル等によって接続されており、パネルI/F37は、CPU31とオペレーションパネル4との間の信号の授受を行う。
オペレーションパネル4は、テンキー、スタートキー、モードを選択するモード選択キー等の各種操作キーを備えるとともに、タッチパネル付き液晶表示部等の表示部を備えている。オペレーションパネル4は、操作キーのキー操作や表示部のタッチ操作によって、プリント操作等の各種命令、特に、後述する表示画像の指定入力や拡大率の指定入力等行われ、表示部には、操作キーから入力された命令内容や画像形成装置1からユーザに通知する各種情報、特に、後述する用紙搬送制御処理に必要な各種情報及び処理対象の画像等が表示される。
フォントROM38は、プリンタエンジン50での印刷やオペレーションパネル4の表示部への表示に使用する各種フォントを格納しており、CPU31の制御下で読み出されて使用される。
ハードディスク39は、展開された印刷データやホストコンピュータPcから送られてきた印刷ジョブ等のデータをCPU31の制御下で蓄積し、また、読み出される。また、ハードディスク39は、ホストコンピュータPcから送られてきた印刷ジョブ(文書データ)から生成したオペレーションパネル4の表示部へ表示する表示画像等を格納する。
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の被記録紙搬送制御方法を実行する被記録紙搬送制御プログラムを読み込んでプログラムROM35、ハードディスク39等に導入することで、後述する連続被記録媒体が薄く腰の弱い場合にもスキューを適切に補正する被記録紙搬送制御方法を実行する連続被記録媒体搬送装置を搭載した画像形成装置として構築されている。この被記録紙搬送制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の画像形成装置1は、連続被記録媒体が、薄く腰の弱い連続被記録媒体であるライナーレスラベルロール紙Pであってもスキューを適切に補正する。
すなわち、画像形成装置1は、ホルダ25に保持されているロール状のライナーレスラベルロール紙Pから引き出された先端部分が、搬送ベルト13上にセットされ、搬送ベルト13を、ベルト駆動ローラ11、12によって図1の矢印で示す搬送方向に搬送する。
画像形成装置1は、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向の最も上流側に配置されている加圧ローラ15と搬送ベルト13との間にライナーレスラベルロール紙Pが挿入され、加圧ローラ15が搬送ベルト13上にライナーレスラベルロール紙Pをガイドする。
画像形成装置1は、通常の印刷時には、移動機構部18が、付勢部材によって加圧ローラ16、17を搬送ベルト13上のライナーレスラベルロール紙Pを該搬送ベルト13に押し付けつつ、搬送ベルト13によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送する。
画像形成装置1は、搬送ベルト13上を加圧ローラ15、16、17で加圧しながらライナーレスラベルロール紙Pを印字ヘッド3へ搬送し、印字ヘッド3の位置に搬送すると、ファン14によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に吸着させる。画像形成装置1は、ファン14によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に吸着させた状態で印字ヘッド3によってライナーレスラベルロール紙Pへラベル印刷を行う。
画像形成装置1は、印字ヘッド3によって、図5に示すように、ラベルL1〜Lnを順次印刷して、印刷済みライナーレスラベルロール紙Pに対して予め設定されているカット予定位置をカッタ21の位置へ搬送すると、カッタ21によってカッタ位置でカットする。なお、図6において、右方向の矢印は、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向を示している。また、図6は、印字ヘッド3からカッタ21によるカット位置(カッタ位置)までが、2枚のラベルL1〜Ln分である場合が示されているが、印字ヘッド3とカッタ21までの距離は、ラベルL1〜Lnの2枚分に限るものではない。
画像形成装置1は、カッタ21によってカットした印刷済みのライナーレスラベルロール紙Pを排紙ローラ24によって図示しない排紙トレイ上に排出する。
そして、画像形成装置1は、上記印刷処理において、図4に示した複数のスキュー検出センサ26a〜26dからなるスキュー検出部26によってライナーレスラベルロール紙Pのスキューの有無やスキュー状態を検出する。画像形成装置1は、スキュー検出部26の検出結果に基づいてスキューが発生したことを検出すると、スキュー補正機構部20を利用してスキュー補正を行う。なお、図4において、ライナーレスラベルロール紙Pのうち、実線で示すように、スキュー検出部26のスキュー検出センサ26a〜26dが検出可能な位置までスキューすることで、ライナーレスラベルロール紙Pのスキューが検出される。
すなわち、画像形成装置1は、被記録媒体としてライナーレスラベルロール紙Pを搬送するため、ライナーレスラベルロール紙Pの粘着材が張り付かないようにするために、搬送ベルト13や加圧ローラ16、17等にすべりが大きい素材や処理が施されている。そのため、画像形成装置1は、搬送路の位置精度の問題ではなく、粘着剤である糊かす等がいずれかの場所に付着しただけで、突然スキューが発生する。また、画像形成装置1は、粘着材面が搬送ベルト13と逆側にくることもあり、このような場合、加圧ローラ16、17に粘着材の糊かすがつく可能性が高くなる。さらに、画像形成装置1は、ライナーレスラベルロール紙Pの経時変化によって粘着材が部分で硬化を起こし始めている場合、には、ライナーレスラベルロール紙Pがロール状であることから、主走査方向端部に近いほど硬化する傾向が強く、長さ方向ではランダムであったりするため、突発的にスキューが発生する。また、被記録媒体が普通紙やしっかりした台紙のあるラベル用紙であれば、位置精度、ローラのスキューによりスキューは発生から少しづつ同じ程度で広がっていく特性があるが、ライナーレスラベルロール紙Pは、ランダムにスキューが発生したり、経時したライナーレスラベルロール紙Pでは頻発する傾向にある。
そこで、画像形成装置1は、CPU31がスキュー検出部26の各スキュー検出センサ26a〜26dからの検出結果に基づいて、ライナーレスラベルロール紙Pのスキューが発生したと判断すると、図7及び図8に示すスキュー補正処理を実行する。CPU31は、スキューが発生したと判断すると、まず、図7に示すように、印刷中であるか判断し(ステップS101)、印刷中でないとき(ステップS101で、NOのとき)には、ライナーレスラベルロール紙P(図7では、用紙と表記)の搬送(以下、適宜、用紙搬送という。)を停止する(ステップS102)。
CPU31は、用紙搬送を停止すると、停止位置を取得し(ステップS102)、直前の印刷位置を算出する(ステップS103)。画像形成装置1は、スキュー検出したときが、印刷中でないとき、すなわち、図6(b)に示すように、1枚のラベルL1〜Lnの印刷が終わって、次のラベルL1〜Lnの位置までライナーレスラベルロール紙Pを搬送している途中であるときには、直ぐに、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送を停止させる。この場合、既に印刷されたライナーレスラベルロール紙P上のラベルL1〜Lnがカッタ21の近くに搬送されてきているため、CPU31は、一旦、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送を停止させる。次に、CPU31は、カッタ21による印刷済みラベルL1〜Lnのカット位置をカッタ位置(カッタ21によるカット位置)へ搬送するために、直前のラベルL1〜Lnの印刷位置を搬送ベルト13を回転駆動させる搬送モータの回転数等から算出する。
CPU31は、ライナーレスラベルロール紙Pの次の予定カット位置を、カッタ21によるカット位置(以下、適宜、カッタ位置という。)まで搬送するのに要する搬送量(図6に示すM1)を算出し、ライナーレスラベルロール紙Pの次の予定カット位置をカッタ位置まで搬送させる(ステップS105)。
CPU31は、ライナーレスラベルロール紙Pの次の予定カット位置をカッタ位置まで搬送すると、カッタ21を駆動させてカッタ位置のライナーレスラベルロール紙Pをカット(切断)させる(ステップS106)。
CPU31は、カットの完了したライナーレスラベルロール紙Pをスキュー補正ローラ19に印刷位置が触れない位置までの移動量を算出して、該移動量だけ搬送ベルト13を搬送する(ステップS107)。なお、この移動量は、予め分かっているため、NVRAM33等に保存されていてもよい。
ステップS101で、印刷中のとき(ステップS101で、YESのとき)には、CPU31は、印字ヘッド3による印刷中のラベルL1〜Lnへの印刷を完了させる(ステップS108)。CPU31は、ラベルL1〜Lnの印刷が完了すると、予め設定されている規定位置で搬送ベルト13を搬送させて、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送を停止させる(ステップS109)。なお、本実施例の画像形成装置1は、説明を明確化するために、図7(a)に示すように、規定位置でラベル印刷が完了するとともに、既に印刷済みのラベルL1〜Lnの予定カット位置が、カッタ21によるカット位置(カッタ位置)に搬送されてきているものとしている。
CPU31は、搬送ベルト13の搬送を停止させると、カッタ21を駆動させてカッタ位置のライナーレスラベルロール紙Pを、予定カット位置でカット(切断)させる(ステップS110)。
CPU31は、ライナーレスラベルロール紙Pをカットすると、ステップS107に移行して、カットの完了したライナーレスラベルロール紙Pをスキュー補正ローラ19に印刷位置が触れない位置までの移動量だけ搬送ベルト13を搬送する(ステップS107)。
CPU31は、搬送ベルト13によってライナーレスラベルロール紙Pをスキュー補正ローラ19に印刷位置が触れない位置まで移動させると、搬送ベルト13によるライナーレスラベルロール紙Pの搬送を停止させ(ステップS111)。すなわち、スキュー補正ローラ19は、印字ヘッド3の近傍に配置されており、印字ヘッド3の下方のライナーレスラベルロール紙Pを平坦にすることができるが、印刷面に当たると、スキュー補正ローラ19にインクが付着して汚れが拡散する。そこで、スキュー補正ローラ19が印刷面に触れない位置までライナーレスラベルロール紙Pを搬送させる。
次に、CPU31は、移動機構部18によって加圧ローラ16、17をライナーレスラベルロール紙Pから離隔した離隔位置に上昇させる(ステップS112)。すなわち、CPU31は、移動機構部18のソレノイド18cをON駆動させて、可動体18aを反搬送方向に移動させ、加圧ローラ16、17を支持する支持アーム18d、18eに取り付けられている可動コロ18f、18gを、傾斜溝18b内を上昇させる。移動機構部18は、傾斜溝18b内を可動コロ18f、18gが登るように移動させることで、支持アーム18d、18eに取り付けられている加圧ローラ16、17を、ライナーレスラベルロール紙Pから離れた離間位置へ移動させる。
CPU31は、次に、図8に示すように、スキュー補正機構部20によってスキュー補正ローラ19を下降させてライナーレスラベルロール紙Pを加圧させる(ステップS113)。すなわち、CPU31は、スキュー補正機構部20のソレノイド20cをON駆動させて、可動体20aを反搬送方向に移動させ、スキュー補正ローラ19を支持する支持アーム20dに取り付けられている可動コロ20eを、傾斜溝20b内を下降させる。スキュー補正機構部20は、傾斜溝20内を可動コロ20eが下るように移動させることで、支持アーム20dに取り付けられているスキュー補正ローラ19を、ライナーレスラベルロール紙Pを押圧する位置へ移動させる。
次に、CPU31は、スキュー検出センサ26a〜26dの検出情報に基づいて、スキュー補正ローラ19によるライナーレスラベルロール紙Pの送り量M2を算出する(ステップS114)。すなわち、CPU31は、どのスキュー検出センサ26a〜26dがライナーレスラベルロール紙Pを検出したか等に基づいて、スキュー量を算出して、ライナーレスラベルロール紙Pの送り量M2を算出する。
CPU31は、送り量M2を算出すると、スキュー補正モータ及び駆動ローラ20gを介してスキュー補正ローラ19を回転駆動させて、ライナーレスラベルロール紙Pを送り量M2だけ搬送させ、スキュー補正を行う(ステップS115)。
次に、CPU31は、移動機構部18によって加圧ローラ16、17を降下させて、加圧ローラ16、17をスキュー補正の完了したライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に押し付ける(ステップS116)。
すなわち、CPU31は、スキュー検出センサ26a〜26dの検出結果に基づいて算出したスキュー量+スキュー補正機構部20のリリース量―スキュー補正ローラ19の送り量が、「0」よりマイナスになるように送り量を制御することで、スキューを除去する。この場合、画像形成装置1は、予め用紙(被記録媒体)の種別毎に、用紙の伸びをNVRAM33等に記憶して、用紙の伸びを考慮して、伸びる分マイナスになるようにスキュー補正ローラ19の送り量を設定してもよい。
そして、画像形成装置1は、移動機構部18によって加圧ローラ16、17を降下させて押圧位置に戻したとき、スキュー補正ローラ19を上昇させていないため、ライナーレスラベルロール紙Pを引っ張る方向に力が加わることになる。その結果、ロール状のライナーレスラベルロール紙Pが回転して、ライナーレスラベルロール紙Pをロール部分からから真っ直ぐに修正することができる。ただし、ライナーレスラベルロール紙Pの伸びがかなり大きく、マイナス分がある値(実験的に予め求めておく)以上の場合には、移動機構部18によって加圧ローラ16、17を下降させた後に、再度、スキュー補正ローラ19を回転させて、ライナーレスラベルロール紙Pを前進させるように動作してもよい。このようにすると、ライナーレスラベルロール紙Pが、伸びが大きいが、経時変化が生じている場合に、引っ張り力でライナーレスラベルロール紙P自体を劣化させてしまう不具合が発生することを防止することができる。
次に、CPU31は、スキュー補正機構部20によってスキュー補正ローラ19をライナーレスラベルロール紙Pから離して離隔位置へ移動させ(ステップS117)、次のラベルL1〜Lnの印刷を開始する(ステップS118)。
CPU31は、次のラベルL1〜Lnの印刷を開始して、次のラベルL1の印刷を行うと、上記移動量M1と移動量M2から次のカット位置を決定して、次の予定カット位置にライナーレスラベルロール紙Pを搬送してカッタ21でカットし、スキュー補正処理を終了する(ステップS119)。すなわち、CPU31は、通常の印刷時における印刷後のライナーレスラベルロール紙Pのカット位置への搬送量に、上記移動量M1+移動量M2(加算した)分だけライナーレスラベルロール紙Pを搬送することで、予定カット位置にライナーレスラベルロール紙Pを搬送する。このようにすることで、印字済みであって、スキュー補正を行ってカットされていないラベルL1〜Lnを正確に、予定カット位置でカットすることができる。また、上記移動量M1、移動量M2分だけ無駄な部分が生じるので、次の印字位置を考慮して、余分な部分をカットすることで、以降の動作を通常の印刷動作に戻すことで印字を再開することができる。
このように、本実施例の画像形成装置1は、そのロール紙搬送部(連続被記録媒体搬送装置)2が、ライナーレスラベルロール紙(連続被記録媒体)Pを挟み込んで該ライナーレスラベルロール紙Pに印刷する印字ヘッド(画像形成手段)3へ搬送する搬送状態と該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みを解除または緩和した非挟み込み状態を有する搬送部(搬送手段)27と、印字ヘッド3側でライナーレスラベルロール紙Pを挟み込む挟み込み状態と該挟み込み状態から解除された非挟み込み状態とを選択動作して、該挟み込み状態において該ライナーレスラベルロール紙Pを引き込むスキュー補正ローラ19とスキュー補正機構部20からなるスキュー補正手段と、搬送部27によるライナーレスラベルロール紙Pの搬送状態を検出するスキュー検出部(搬送状態検出手段)26と、スキュー検出部26の検出結果に基づいてライナーレスラベルロール紙Pにスキューの発生を検出すると、搬送部27を前記非挟み込み状態へ移行させるとともに、前記スキュー補正手段を前記挟み込み状態にさせてライナーレスラベルロール紙Pを引き込ませて該ライナーレスラベルロール紙Pのスキューを補正させるCPU(制御手段)31と、を備えている。
したがって、ライナーレスラベルロール紙Pのような連続被記録媒体にスキューが発生する毎に、ライナーレスラベルロール紙P上流側の加圧ローラ16、17による負荷を排除した状態で、印字ヘッド3側のスキュー補正ローラ19によってライナーレスラベルロール紙Pを引き込んでスキューを補正することができる。その結果、連続被記録媒体がライナーレスラベルロール紙Pのように薄く腰の弱い媒体であっても、スキューを適切に補正することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、そのロール紙搬送部2の搬送部27が、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に回転可能に配設され該ライナーレスラベルロール紙Pが載置される無端ベルト状の搬送ベルト13と、搬送ベルト13を搬送方向に回転駆動させるベルト駆動ローラ(ベルト駆動手段)11、12と、搬送ベルト13の搬送方向に沿って複数配設され、該搬送ベルト13上のライナーレスラベルロール紙Pを該搬送ベルト13に押し付けて挟み込むとともに該ライナーレスラベルロール紙Pの搬送に伴って回転する加圧ローラ(押圧手段)15〜17と、複数の加圧ローラ15〜17のうち所定数(本実施例では、2つ)の加圧ローラ16、17を、搬送ベルト13に対して押し付けさせる前記挟み込み状態と該搬送ベルト13に対する押し付けを解除または緩和させる前記非挟み込み状態とに移行させる移動機構部(移動手段)18と、を備え、CPU31が、移動機構部18の移行動作を制御して、搬送部27のライナーレスラベルロール紙Pに対する前記搬送状態と前記非挟み込み状態を制御している。
したがって、簡単な構成で搬送部27による搬送状態と非挟み込み状態を切り替えることができ、連続被記録媒体がライナーレスラベルロール紙Pのように薄く腰の弱い媒体であっても、スキューを適切に補正することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、そのロール紙搬送部2のスキュー検出部(搬送状態検出手段)26が、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に直交する主走査方向においてそれぞれ該ライナーレスラベルロール紙Pから所定量離れた位置に、該搬送方向に複数配設され、該ライナーレスラベルロール紙Pの有無を検出するスキュー検出センサ(検出センサ)26a〜26dを有している。
したがって、ライナーレスラベルロール紙Pのスキュー量、スキュー位置等のスキュー状態を正確に検出することができ、スキューをより一層適切に補正することができる。
なお、上記説明においては、スキュー検出部26がスキューを検出すると、速やかにスキュー補正を行う場合について説明したが、スキューが頻発する場合には、スキューの発生状況に応じて、スキュー補正を行うようにしてもよい。
すなわち、ライナーレスラベルロール紙Pに癖が付いていたり、粘着材が変質したりすると、スキューが頻発し、このような場合に、スキューが発生する度にスキュー補正を行うと、印刷処理性能が低下して、画像形成装置1の利用性が低下する。
そこで、スキューの発生程度や発生位置等によって、スキュー補正を行うか否かを設定して、スキュー補正の実施を行うか否かに許容度を持たせてもよい。
すなわち、画像形成装置1は、印字ヘッド3が、通常、例えば、図9に示すように、ライナーレスラベルロール紙Pの主走査方向幅よりも広い印字可能領域を有していることがおおい。このように、画像形成装置1は、印字可能領域とスキューの程度や位置から、スキューの検出頻度によっては、スキュー補正の実施に許容度を持たせてもよい。
この場合、CPU31は、例えば、スキュー検出センサ26a〜26d同士の位置関係、どのスキュー検出センサ26a〜26dがライナーレスラベルロール紙Pを検出したかかにより、ライナーレスラベルロール紙Pのスキューによる傾きを判別する。CPU31は、スキュー検出センサ26a〜26d、印字ヘッド3、ガイドフェンス23及び排紙口の位置関係等から、印字しても、排紙口に用紙詰まりが発生しないスキュー量であれば、スキュー補正動作を行わないで、印字動作を継続する。この場合、CPU31は、スキュー量に応じて、印字ヘッド3による印字位置を調整するようにしてもよい。
すなわち、CPU(制御手段)31が、スキュー検出部26の検出結果に基づいて、ライナーレスラベルロール紙Pのスキュー量、スキュー位置等のスキュー状態を判断し、該スキュー状態に基づいて該スキュー状態の補正の要否を判断してもよい。
このようにすると、スキューが頻発する場合に、スキュー補正の回数を減らすことができ、画像形成装置1のスキュー補正によるダウンタイムを少なくすることができる。
なお、この場合、スキュー検出センサ26a〜26dを、図9において、上下方向に千鳥状に配置して、ライナーレスラベルロール紙Pの位置検出を行うと、より一層スキュー状態を検出することができ、より一層適切なスキュー対策を実行することができる。
さらに、スキュー補正をスキュー量に応じて実行するか否かの選択設定、また、スキュー補正を実行するスキュー量の設定を、ユーザがオペレーションパネル4等で設定できるようにしてもよい。
このようにすると、ユーザの利用性に応じてスキュー補正を行うことができ、より一層利用性を向上させることができる。
図10〜図12は、本発明の連続被記録媒体搬送装置、画像形成装置、連続被記録媒体搬送制御方法及び連続被記録媒体搬送制御プログラムの第2実施例を示す図であり、図10は、本発明の連続被記録媒体搬送装置、画像形成装置、連続被記録媒体搬送制御方法及び連続被記録媒体搬送制御プログラムの第2実施例を適用したインク噴射式の画像形成装置100の概略正面図である。
なお、本実施例は、第1実施例の画像形成装置1と同様の画像形成装置に適用したものであり、本実施例の説明において、第1実施例の画像形成装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
図10において、画像形成装置100は、第1実施例の画像形成装置1と同様に、ロール紙搬送部101、印字ヘッド3及びオペレーションパネル4等を備えており、ロール紙搬送部101によって搬送されるライナーレスラベルロール紙Pに印字ヘッド3によって画像を形成する。
ロール紙搬送部101は、第1実施例の画像形成装置1と同様のベルト駆動ローラ11、12、ベルト駆動ローラ11、12に支持されている無端状の搬送ベルト13、ファン14、スキュー補正ローラ19、スキュー補正機構部20、カッタ21、サイドフェンス22、ガイドフェンス23、排紙ローラ24、ホルダ25及びスキュー検出部(図11参照)26等を備えているとともに、加圧ローラ102、103、104及び移動機構部110等を備えている。
スキュー検出部26は、図11に示すように、第1実施例のスキュー検出部26と同様に、複数のスキュー検出センサ26a〜26dが副走査方向に配列されている。
加圧ローラ103、104は、搬送ベルト13上を搬送されるライナーレスラベルロール紙Pを所定の加圧力で搬送ベルト13に押し付けつつ、搬送ベルト13またはライナーレスラベルロール紙Pの搬送に伴って回転することで、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に密着させつつ搬送させる。
加圧ローラ(押圧手段)103、104は、第1実施例の加圧ローラ16、17と比較して、弱い活力で搬送ベルト13に接触しており、移動機構部によって押圧位置と隔離位置とに移動可能な構成とはなっていない。したがって、搬送ベルト13よりも上側の構成が第1実施例の場合よりも簡素な構成となっている。
ロール紙搬送部101は、搬送ベルト13を回転駆動させる上流側のベルト駆動ローラ11とホルダ25に保持されているライナーレスラベルロール紙Pとの間に、加圧ローラ(押圧手段)102と移動機構部(移動手段)110が配設されている。
移動機構部110は、図13に示すように、搬送コロ111、支持アーム112、可動コロ113、ガイド部材114、可動体115、傾斜溝115a、ソレノイド116及び図示しない付勢部材等を備えている。
移動機構部110は、搬送コロ111が、支持アーム112の加圧ローラ102側の端部に回転可能に支持されており、可動コロ113が、支持アーム112の搬送コロ111とは反対側の端部に回転可能に支持されている。
移動機構部110は、ガイド部材114が、支持アーム112を、搬送コロ111が加圧ローラ102に所定圧力で接触する接触位置と搬送ローラ111が加圧ローラ102から離れた離隔位置とに移動可能にガイドする。
可動体115は、ライナーレスラベルロール紙Pに対して該ライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向において所定角度だけライナーレスラベルロール紙Pから離れる方向(図12の下方向)に傾斜した状態で傾斜溝115aが形成されている。可動体115は、可動軸によってソレノイド116に連結されており、ソレノイド116は、ON駆動されると、可動体115を図12に矢印で示すライナーレスラベルロール紙Pの反搬送方向に引っ張る。
支持アーム112は、ライナーレスラベルロール紙Pに対して略垂直方向に配設されていて、ライナーレスラベルロール紙P側の端部で搬送コロ111を回転可能に支持し、反対側の端部で、可動コロ113を回転可能に支持する。搬送コロ111は、ライナーレスラベルロール紙Pを挟んで加圧ローラ102に所定圧力で接触可能に配設されており、可動コロ113は、可動体115の傾斜溝115a内を移動可能に配設されている。
支持アーム112は、ガイド部材114によって、その移動方向がライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向にガイドされている。
そして、移動機構部110は、可動体115をライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に付勢または可動体115をライナーレスラベルロール紙P方向に付勢することで支持アーム112(搬送コロ111)をライナーレスラベルロール紙P方向に付勢するバネ等の付勢部材等を備えている。
すなわち、移動機構部110は、搬送コロ111と可動コロ113が両端部に回転可能に取り付けられている支持アーム112が、ライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向にのみ移動可能にガイド部材114で規制されている。移動機構部110は、ライナーレスラベルロール紙Pの加圧時には、ソレノイド116がOFFとなって、付勢部材によって支持アーム112をライナーレスラベルロール紙P方向に付勢して、搬送コロ111によってライナーレスラベルロール紙Pを加圧ローラ102に押し付ける挟み込み状態の加圧位置に移動させる。移動機構部110は、スキュー補正時には、ソレノイド116をON駆動させて、可動体115をライナーレスラベルロール紙Pの反搬送方向(図12で矢印で示す方向)に所定量移動させる。移動機構部110は、移動体115が反搬送方向に移動すると、支持アーム112がガイド部材114によってライナーレスラベルロール紙Pに対して垂直方向のみ移動可能に規制されているため、可動コロ113が、所定角度だけ傾斜した傾斜溝115a内を下るように移動する。移動機構部110は、傾斜溝115a内を可動コロ113が下るように移動すると、支持アーム112が、ライナーレスラベルロール紙Pから離れた非挟み込み状態の離間位置へ移動する。
スキュー補正ローラ19は、第1実施例と同様に、スキュー補正機構部20の支持アーム20dに取り付けられている。スキュー補正ローラ19は、スキュー補正機構部20によって、通常のライナーレスラベルロール紙Pの搬送時には、ライナーレスラベルロール紙Pから離間した離間位置に移動される。また、スキュー補正ローラ19は、スキュー補正機構部20によって、スキュー補正時には、搬送ベルト13上のライナーレスラベルロール紙Pを加圧する加圧位置に移動させられるとともに、スキュー補正モータによって所定量だけ駆動ローラ20gを介してライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向に回転駆動されることで、スキュー補正を行う。
上記加圧ローラ102〜104、移動機構部110、ベルト駆動ローラ11、12及び搬送ベルト13は、全体として、ライナーレスラベルロール紙(連続被記録媒体)Pの搬送方向の複数箇所で該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みを行ない、該搬送方向において印字ヘッド3から最も離れた位置での該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みのみが、前記搬送状態と前記非挟み込み状態とに移行可能な搬送部(搬送手段)120として機能している。
そして、画像形成装置100は、図5と同様にブロック構成されており、CPU31が、プログラムROM35内のプログラム(基本プログラム及び本発明の被記録紙搬送制御プログラムに基づいて、画像形成装置100の各部を制御して、画像形成装置100としての基本処理を実行するとともに、本発明の被記録紙搬送制御処理を実行する。
画像形成装置100は、ホルダ25に保持されているロール状のライナーレスラベルロール紙Pから引き出された先端が、搬送ベルト13よりもライナーレスラベルロール紙Pの搬送方向の上流側に配置されている搬送コロ111と加圧ローラ102の間にセットされる。画像形成装置100は、搬送コロ111を図示しない搬送モータによって回転駆動させて、加圧ローラ102との間にセットされたライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13上に搬送する。画像形成装置100は、搬送ベルト13を、ベルト駆動ローラ11、12によって図10の矢印で示す搬送方向に搬送する。
画像形成装置100は、搬送コロ111と加圧ローラ102によって送り出されたライナーレスラベルロール紙Pを、加圧ローラ103、104で搬送ベルト13に押し付けながら搬送ベルト13上を印字ヘッド3へ搬送する。画像形成装置100は、印字ヘッド3の真下に配設されているファン14によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に吸着させ、この状態で印字ヘッド3によってライナーレスラベルロール紙Pへラベル印刷を行う。
画像形成装置100は、印字ヘッド3によって、図5に示したように、ラベルL1〜Lnを順次印刷して、印刷済みライナーレスラベルロール紙Pに対して予め設定されているカット予定位置をカッタ21の位置へ搬送すると、カッタ21によってカッタ位置でカットする。
画像形成装置100は、カッタ21によってカットした印刷済みのライナーレスラベルロール紙Pを排紙ローラ24によって図示しない排紙トレイ上に排出する。
画像形成装置100は、上記印刷処理において、図11に示した複数のスキュー検出センサ26a〜26dからなるスキュー検出部26によってライナーレスラベルロール紙Pのスキューの有無を検出する。画像形成装置100は、スキュー検出部26の検出結果に基づいてスキューが発生したことを検出すると、スキュー補正機構部20を利用してスキュー補正を行う。
すなわち、画像形成装置100は、CPU31がスキュー検出部26の各スキュー検出センサ26a〜26dからの検出結果に基づいて、ライナーレスラベルロール紙Pのスキューが発生したと判断すると、図7及び図8に示したように、スキュー補正機構部20及び移動機構部110を利用してスキュー補正を行う。
画像形成装置100は、このスキュー補正処理において、スキュー補正機構部20の動作は、上記第1実施例の場合と同様であり、第1実施例の移動機構部18と同様の動作を、移動機構部110が行う。
すなわち、画像形成装置100は、スキュー補正処理においては、図7のステップS102〜ステップS110に示したライナーレスラベルロール紙Pの搬送とカットを行なう。画像形成装置100は、ライナーレスラベルロール紙Pの搬送とカットを行うと、移動機構部110によって搬送コロ111を加圧ローラ102から離れた離隔位置へ移動させる。
次に、画像形成装置100は、スキュー補正機構部20によってスキュー補正ローラ19を下降させてライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に押し付ける。
画像形成装置100は、スキュー検出センサ26a〜26dからの情報に基づいて送り量M2を算出し、スキュー補正ローラ19を回転駆動させて、ライナーレスラベルロール紙Pを送り量M2だけ搬送させ、スキュー補正を行う。
このとき、スキュー補正ローラ19の回転によって、ライナーレスラベルロール紙Pは、加圧ローラ102と離れた搬送コロ111を支点として、搬送方向に引っ張られることとなり、スキューがさらに補正される。
このように、本実施例の画像形成装置100は、搬送部120が、ライナーレスラベルロール紙(連続被記録媒体)Pの搬送方向の複数箇所で該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みを行ない、該搬送方向において印字ヘッド3から最も離れた位置での該ライナーレスラベルロール紙Pの挟み込みのみが、前記搬送状態と前記非挟み込み状態とに移行可能である。
したがって、ライナーレスラベルロール紙P等の連続被記録媒体に発生するスキューをより一層確実にかつ広範囲で補正することができる。
なお、上記第1実施例及び第2実施例においては、搬送ベルト13を挟んで印字ヘッド3と反対側に、印字ヘッド3と対向する位置にファン14が配設されている。したがって、画像形成装置1、画像形成装置100においては、印字ヘッド3部分でのみファン14によってライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に密着させて搬送することで、印刷精度を向上させている。
このファン14は、印字ヘッド3の部分での吸引力が最も強いが、加圧ローラ16、17や加圧ローラ103、104の部分においても回り込んで、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13に吸着する吸引力を発生する。
ファン14は、印字精度とスキューの抑制を図るためには、搬送ベルト13の全域に配設されていて、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13の全域において吸着させることが望ましい。ところが、コストと騒音等の関係から、印字ヘッド3の対抗位置にのみ設けられているのが一般的であり、上記実施例の画像形成装置1及び画像形成装置100においても同様である。
そして、画像形成装置1及び画像形成装置100のように、ライナーレスラベルロール紙Pを被記録媒体として搬送して画像形成する場合、ライナーレスラベルロール紙Pの粘着材の塗布されている面が、搬送ベルト13に接するだけでなく、搬送ベルト13とは反対側の面に粘着材がくる場合がある。そして、上記スキュー補正時に、ファン14を止めてしまうと、ライナーレスラベルロール紙Pの縮み具合によっては、粘着材面が印字ヘッド3のヘッド面に張り付いてしまうおそれがあるため、スキュー補正時にはファン14を動作させた状態としている。
ところが、上述のように、ファン14の吸気が加圧ローラ16、17や加圧ローラ103、104の下にも回り込むため、ライナーレスラベルロール紙Pを搬送ベルト13から解除する効果が減少する。
そこで、第1実施例の画像形成装置1の場合では、例えば、図13に示すように、搬送ベルト13を挟んで、加圧ローラ16、17と対向する領域に、ファン14の吸引吸気を開閉することで加圧ローラ16、17の領域への通過と遮断を行うシャッタ(吸引制御手段)201を配設してもよい。
この場合、画像形成装置1は、通常の印刷時には、シャッタ201を開状態として、ファン14の吸引吸気を加圧ローラ16、17の対向領域の搬送ベルト13からも通過させる。画像形成装置1は、スキュー補正時には、シャッタ201を閉じて、加圧ローラ16、17の対向領域の搬送ベルト13からのファン14の吸引吸気を遮断し、搬送ベルト13からのライナーレスラベルロール紙Pの解除効果を向上させて、スキュー効果を向上させる。
このようにすると、安価に、かつ、騒音を抑制しつつ、スキュー効果を向上させることができるとともに、スキューの発生を抑制することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。