JP6196732B2 - ミラートロンスパッタ装置 - Google Patents

ミラートロンスパッタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6196732B2
JP6196732B2 JP2016514660A JP2016514660A JP6196732B2 JP 6196732 B2 JP6196732 B2 JP 6196732B2 JP 2016514660 A JP2016514660 A JP 2016514660A JP 2016514660 A JP2016514660 A JP 2016514660A JP 6196732 B2 JP6196732 B2 JP 6196732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
erosion region
outer peripheral
magnetic field
field space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016514660A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015162778A1 (ja
Inventor
鋭司 田尾
鋭司 田尾
一規 青江
一規 青江
文平 田中
文平 田中
真吾 末永
真吾 末永
教彰 濱永
教彰 濱永
一樹 大田
一樹 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Choshu Industry Co Ltd
Original Assignee
Choshu Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Choshu Industry Co Ltd filed Critical Choshu Industry Co Ltd
Publication of JPWO2015162778A1 publication Critical patent/JPWO2015162778A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6196732B2 publication Critical patent/JP6196732B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明はミラートロンスパッタ装置に関し、特に安定したスパッタを持続させることができるミラートロンスパッタ装置に関する。
従来より、基板の大型化、薄膜形成の高速化、及びプロセス中の薄膜の低ダメージ化などの要請に適合するスパッタ装置として、例えば図9に示すようなミラートロン(対向ターゲット式)スパッタ装置が知られている(特許文献1参照)。この図9に示す従来のミラートロンスパッタ装置は、一対のターゲット9を真空容器1内に間隔をおいて対向配置すると共に、各ターゲット9,9間に磁場空間Hを形成するための磁石12a,12bを、互いに異なる磁極が対向するように、各ターゲット9の背面側に配置し、さらに、被処理対象である基板22を磁場空間Hと対峙するように各ターゲット9,9間の側方に配置したものである。この従来のミラートロンスパッタ装置においては、前記基板22の近傍に酸素ガスや窒素ガス等の反応性ガスを供給するためのガス供給パイプ19が設けられ、前記各ターゲット9,9間の側方近傍にアルゴンガス等の不活性ガスを供給するためのガス供給パイプ20が設けられている。なお、図9において、14は前記各磁石12a,12bの端部に接合されたヨーク、8は各ターゲット9をそれぞれ支持するターゲットホルダー、18は前記各ターゲットホルダー8の前記基板22側の位置に配置された隔壁、18aは前記隔壁18の前記基板22と対向する位置に形成された開口部である。
このような従来のミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行うときは、前記真空容器1内を真空とするため排気した後、前記ガス供給パイプ20から例えばアルゴンガスを供給し、その後、前記各ターゲット9を陰極とすべく直流電源(図示省略)から前記ターゲット9に電圧を印加する。すると、前記各ターゲット9,9間に存在するアルゴンガスは、イオン化してプラズマとなる。このようにして発生したプラズマは、前記磁場空間H内に閉じ込められた状態で前記各ターゲット9,9間を往復運動しながら、前記各ターゲット9,9をスパッタする。スパッタされた粒子は、前記磁場空間Hから飛び出し、前記ガス供給パイプ19から供給された例えば酸素ガスにより酸化されて、前記基板22の表面上に付着、堆積する。これにより、前記基板22の表面に薄膜が形成される。
また、このような従来のミラートロンスパッタ装置においては、図9に示すように、前記各ターゲット9の前記磁場空間H側に、前記各ターゲット9の外周縁部及びその周辺を覆う例えばステンレス鋼製平板の枠状体から成るターゲットシールド(シールドカバー)16が備えられている。このターゲットシールド16には、前記プラズマによる前記各ターゲット9へのスパッタを妨げないように、前記各ターゲット9の表面中の前記プラズマによりスパッタされるエロージョン領域(スパッタによってエロージョンすなわち肉厚減少が進行する領域)と対向し前記エロージョン領域の外周縁部と一致する外周縁部を有する開口部16aが形成されている。
このようなターゲットシールド16は、前記各ターゲット9の表面中のエロージョン領域の外側部分(非エロージョン領域)に前記スパッタされた粒子が付着し堆積すること、そしてそのことにより異常放電が発生したり前記付着した粒子が剥がれ落ちてパーティクルが発生することなどを、防止するためのものである。
なお、前記ターゲットシールド16は、前記真空容器1の壁面に電気的に接続されることによりアース電位(0V)とされている(前記ターゲットシールド16は、前記真空容器1の壁面に対して電気的に絶縁されることにより、電気的にフローティング状態に保持されていてもよい)。
特許第3505459号公報
しかしながら、前述のような従来のミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行う場合においては、成膜時において放電電圧が経時的に上昇したり異常放電が発生して装置を停止せざるを得ない場合が少なくなかった。また、前述のような従来のミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行う場合においては、成膜時に前記磁場空間H内のプラズマを示す画像を目視で観察したとき、その画像中では赤白い発光が見られ、前記プラズマが目視的に動いている現象を確認することが少なくなかった。
このように、従来のミラートロンスパッタ装置においては、成膜中に放電電圧が経時的に上昇したり異常放電が発生したりすることが少なくないため、また前記磁場空間H内に存在するプラズマが目視的に動く現象(安定的なスパッタを持続するためには前記プラズマが目視的に動いていないことが望ましい)が発生してしまうことが少なくなく、そのため、成膜中に基板に高エネルギーの粒子が入射してプロセス中の薄膜がダメージを受けてしまう、放電電圧の上昇や異常放電などが発生して安定的なスパッタを持続できなくなってしまう、などの問題があった。
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、ミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行う場合において、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化することができ、成膜中に放電電圧が上昇する現象、成膜中に異常放電が発生してしまう現象、成膜中に磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動く現象、及び成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着してしまう現象を防止することができ、それらの結果、成膜中に高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜がダメージを受けてしまうことを防止しながら安定的なスパッタを持続することができるミラートロンスパッタ装置を提供することを目的とする。
従来のミラートロンスパッタにおいては、成膜時に各ターゲット9に−500V程度の負電位が印加されるため、このターゲット電位と等しい高エネルギーを有する粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜にダメージを与えてしまっていた。また、従来のミラートロンスパッタにおいては、成膜中に放電電圧が経時的に上昇したり異常放電が発生して高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜にダメージを与えてしまうという問題があった。
そこで、本発明者は、ターゲットシールドの開口部の縁部(ターゲットシールドを構成する枠状体の内周縁部)の形状や開口サイズを様々に変更し、そのようにして変更した様々な形状やサイズの開口部を有する各ターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置を使用して連続成膜を行った場合における、成膜時の初期の放電電圧の大きさ、成膜中の放電電圧の上昇の有無、成膜中の異常放電の発生の有無、及び成膜中の磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動いている現象の発生の有無などを実験、測定した。
その結果、本発明者は、ターゲットシールドの開口部を、ターゲットのエロージョン領域(通常は略円形又は略楕円形状)の外周縁部の略相似形である略円形又は略楕円形状の縁部であって前記エロージョン領域の外周縁部と一致する位置よりも半径方向又は長軸方向において約1〜11mm(より望ましくは約3〜5mm)だけ外周側に広がる縁部を有するように構成したとき、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化させることができ、成膜中に放電電圧が上昇することを抑制することができ、成膜中に異常放電が発生することを抑制することができ、成膜中の磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動く現象の発生を防止することができ、且つターゲットのエロージョン領域の外周部へのスパッタ粒子の付着を抑えることができるようになり、それらの結果、高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜にダメージを与えてしまうことを防止しながら安定的なスパッタを持続できるようになることを突き止めた。その結果、本発明者は、次のような新規なターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置の発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるミラートロンスパッタ装置は、被処理対象となる基板が内部に配置された真空容器と、前記真空容器内に所定の間隔を介して互いに対向するように配置された一対のターゲットであって、その表面中に略円形又は略楕円形状のエロージョン領域とその外側の非エロージョン領域とが存在する一対のターゲットと、前記各ターゲット表面の間に磁場空間を形成するように前記各ターゲットの近傍の位置にそれぞれ配置される一対の磁石と、前記各ターゲット表面中の前記各ターゲットの外周縁部及びその周辺の前記非エロージョン領域を前記磁場空間に対して覆うように配置されて前記各ターゲット表面中の前記非エロージョン領域にスパッタ粒子が付着してしまうことを防止する一対のターゲットシールドであって、前記磁場空間内で発生したプラズマと前記各ターゲットからのスパッタ粒子が前記磁場空間と前記各ターゲット表面中のエロージョン領域との間で移動することを可能とする開口部であって、その縁部が前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有し且つ前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部よりも約1〜11mmだけ外側の位置と対向する前記磁場空間側の位置に形成されている開口部を備えた、一対のターゲットシールドとを備えたものである。
また、本発明によるミラートロンスパッタ装置は、被処理対象となる基板が内部に配置された真空容器と、前記真空容器内に所定の間隔を介して互いに対向するように配置された一対のターゲットであって、その表面中に略円形又は略楕円形状のエロージョン領域とその外側の非エロージョン領域とが存在する一対のターゲットと、前記各ターゲット表面の間に磁場空間を形成するように前記各ターゲットの近傍の位置にそれぞれ配置される一対の磁石と、前記各ターゲット表面中の前記各ターゲットの外周縁部及びその周辺の前記非エロージョン領域を前記磁場空間に対して覆うように配置されて前記各ターゲット表面中の前記非エロージョン領域にスパッタ粒子が付着してしまうことを防止する一対のターゲットシールドであって、前記磁場空間内で発生したプラズマと前記各ターゲットからのスパッタ粒子が前記磁場空間と前記各ターゲット表面中のエロージョン領域との間で移動することを可能とする開口部であって、その縁部が前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有し且つ前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部よりも約3〜5mmだけ外側の位置と対向する前記磁場空間側の位置に形成されている開口部を備えた、一対のターゲットシールドとを備えたものである。
本発明においては、前記各ターゲットシールドの前記エロージョン領域と対向する開口部を、前記各ターゲット表面中の略円形又は略楕円形状のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有する縁部であって前記エロージョン領域の外周縁部よりも半径方向又は長軸方向において約1〜11mmだけ大きなサイズから成る縁部を有するように(前記約1〜11mmだけ外周側に広がるように)構成したので、ミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行う場合において、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化することができ、成膜中に放電電圧が上昇する現象、成膜中に異常放電が発生してしまう現象、成膜中に磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動く現象、及び成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着してしまう現象を防止することができるようになる。よって、本発明によれば、成膜中に高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜がダメージを受けてしまうことを防止しながら、放電電圧の上昇や異常放電などの発生を防止して安定的なスパッタを持続することができるようになる。
また、本発明においては、前記各ターゲットシールドの前記エロージョン領域と対向する開口部を、前記各ターゲット表面中の略円形又は略楕円形状のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有する縁部であって前記エロージョン領域の外周縁部よりも半径方向又は長軸方向において約3〜5mmだけ大きなサイズから成る縁部を有するように(前記約3〜5mmだけ外周側に広がるように)構成したので、ミラートロンスパッタ装置を使用してスパッタを行う場合において、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化することができ、成膜中に放電電圧が上昇する現象、成膜中に異常放電が発生してしまう現象、成膜中に磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動く現象、及び成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着してしまう現象を防止することができるようになる。よって、本発明によれば、成膜中に高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜がダメージを受けてしまうことを防止しながら、放電電圧の上昇や異常放電などの発生を防止して安定的なスパッタを持続することができるようになる。
本発明の一実施形態に係るターゲットシールドを示す平面図である。 従来の、ターゲットのエロージョン領域の外周縁部と一致する外周縁部を有する開口部を有するターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置を使用して、連続成膜したときの放電電圧等の測定結果を示す図である。 本発明の一実施形態による、ターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも1mm以上の長さだけ外周側に位置する外周縁部を有する開口部を有するターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置を使用して、連続成膜したときの放電電圧等の測定結果を示す図である。 本発明の他の実施形態による、ターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも11mm以下の長さだけ外周側に位置する外周縁部を有する開口部を有するターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置を使用して、連続成膜したときの放電電圧等の測定結果を示す図である。 比較例による、ターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも11mmを超える長さだけ外周側に位置する外周縁部を有する開口部を有するターゲットシールドを備えたミラートロンスパッタ装置を使用して、連続成膜したときの放電電圧等の測定結果を示す図である。 互いにターゲットシールドの開口部のサイズが異なる複数種類のミラートロンスパッタ装置を使用して連続成膜したときの、それぞれの場合における磁場空間H内のプラズマを目視したときに見える状態を示す図である。 互いにターゲットシールドの開口部のサイズが異なる複数種類のミラートロンスパッタ装置を使用して連続成膜したときの、それぞれの場合におけるターゲットのエロージョン領域の周辺部へのスパッタ粒子の付着の状態を示す図である。 互いにターゲットシールドの開口部のサイズが異なる複数種類のミラートロンスパッタ装置を使用して連続成膜したときの、それぞれの初期放電電圧、放電電圧の安定性、放電電圧の上昇度、プラズマ目視の状態、異常放電、及び膜剥がれなどについての各測定結果を示す図である。 従来のミラートロンスパッタ装置を示す概略図である。
図1は本発明の実施形態に係るターゲットシールドを示す平面図である。図1において、31は例えばステンレス鋼製平板から成る枠状のターゲットシールド、32は前記ターゲットシールド31の内側に形成された開口部、32aは前記開口部32の外周縁部(前記ターゲットシールド31を構成する枠状体の内周縁部)である。
また図1において、Aは前記ターゲットシールド31と対向するターゲット(図9の9参照)の外周縁部、Bは前記ターゲットの表面(プラズマによりスパッタされる面)中のエロージョン領域の外周縁部(エロージョン領域と非エロージョン領域との境界部分)、を示している。
従来のミラートロンスパッタ装置におけるターゲットシールド(図9の16参照)は、前述のように、その開口部(図9の16a参照)の外周縁部が、前記エロージョン領域の外周縁部B(図1参照)と一致するように、構成されていた。これに対して、本実施形態のミラートロンスパッタ装置のターゲットシールド31は、図1に示すように、その開口部32が、前記ターゲットのエロージョン領域の外周縁部Bと略相似形となる略楕円形状の外周縁部であって前記エロージョン領域の外周縁部Bと対向及び一致する位置よりも長軸方向において約1〜11mm、例えば約3〜5mmだけ外周側に広がる(前記エロージョン領域の外周縁部Bよりも長軸方向において前記約1〜11mm、より望ましくは約3〜5mmだけ大きなサイズから成る)外周縁部32aを有するように、構成されて成るものである。
本発明者の各種の実験(後述)によれば、前述のようなターゲットシールド31を備えた本実施形態を使用してスパッタを行うようにしたときは、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化することができ、成膜中に放電電圧が上昇する現象、成膜中に異常放電が発生してしまう現象、成膜中に磁場空間内に存在するプラズマが目視的に動く現象、及び成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着してしまう現象を防止することができるので、高エネルギー粒子が基板に入射してプロセス中の薄膜にダメージを与えてしまうことを防止しながら安定的なスパッタを持続できるようになる。
次に、本発明者が本発明の実施形態に関して行った複数の実験及び測定結果について、説明する。まず、本発明者が行った第1の実験について説明する。本発明者は、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部と一致するように形成したターゲットシールド(従来のターゲットシールド)を使用して、基板へのAl膜(平均膜厚1800Å)の連続成膜を行い、その成膜中における放電電圧、異常放電の発生の有無、目視によるプラズマの状態、スパッタ粒子のターゲット外周部への付着の程度などを測定した。この場合は、図7(a)に示すように、ターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着、堆積する現象は見られなかった。しかし、この場合は、図2及び図8に示すように、初期放電電圧が520Vと高いものであり、放電電圧が成膜中に経時的に上昇する傾向が見られ、異常放電も発生した。また、この場合は、図6(a)に示すように、前記磁場空間H内のプラズマが目視的に動いており且つ赤白色の発色が出る現象(プラズマが安定していないことを示す現象)が見られた。よって、上記図2に示す実験からは、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部と一致するように形成したターゲットシールド(従来のターゲットシールド)を使用して連続成膜したときは、成膜時の初期の放電電圧が高電圧であること、成膜中に放電電圧が上昇傾向を示したこと、成膜中に異常放電が発生したこと、さらに成膜中の磁場空間H内のプラズマが目視的に動いていることなどが確認できた。
次に、本発明者が行った第2の実験について説明する。本発明者は、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約1mm以上、本実験では1mmだけ、外周側に形成したターゲットシールドを使用して、基板へのAl膜(平均膜厚1800Å)の連続成膜を行い、その成膜中における放電電圧、異常放電の発生の有無、目視によるプラズマの状態、スパッタ粒子のターゲット外周部への付着の程度などを測定した。本実験では、図3及び図8に示すように、初期放電電圧は430Vという従来例と比較すると低い電圧であり、放電電圧が成膜中に経時的に上昇する現象はなく、異常放電が発生することもなかった。また、本実験では、図6(b)に示すように、前記磁場空間H内のプラズマを示す画像の観察において、プラズマが目視的に動いている現象(プラズマが安定していないことを示す現象)はなく、赤白色の発色はなく、Arプラズマの発色が見られるだけであった。さらに、本実験では、図7(a)に示すように、ターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着する現象も見られなかった。よって、本実験からは、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約1mm以上外周側に形成したターゲットシールドを使用して連続成膜したときは、成膜時の初期の放電電圧が低電圧化され、成膜中に放電電圧が上昇することがなく、成膜中に異常放電が発生することがなく、成膜中の磁場空間H内のプラズマが目視的に動く現象が発生することがなく、さらに成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着しないこと、などが確認できた。
次に、本発明者が行った第3の実験について説明する。本発明者は、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約11mm以下、本実験では11mmだけ、外周側に形成したターゲットシールドを使用して、基板へのAl膜(平均膜厚1800Å)の連続成膜を行い、その成膜中における放電電圧、異常放電の発生の有無、目視によるプラズマの状態、スパッタ粒子のターゲット外周部への付着の程度などを測定した。本実験では、図4及び図8に示すように、初期放電電圧は427Vという従来例と比較すると低い電圧であり、放電電圧が成膜中に経時的に上昇する現象はなく、異常放電が発生することもなかった。また、本実験では、図6(b)に示すように、前記磁場空間H内のプラズマを示す画像の観察において、プラズマが目視的に動いている現象(プラズマが安定していないことを示す現象)はなく、赤白色の発色はなく、Arプラズマの発色が見られるだけであった。さらに、本実験では、図7(a)に示すように、ターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着する現象も見られなかった。よって、本実験からは、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約11mm以下の長さだけ外周側に形成したターゲットシールドを使用して連続成膜したときは、成膜時の初期の放電電圧が低電圧化され、成膜中に放電電圧が上昇することがなく、成膜中に異常放電が発生することがなく、成膜中の磁場空間H内のプラズマが目視的に動く現象が発生することがなく、さらに成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が付着しないこと、などが確認できた。
次に、本発明者が行った第4の実験について説明する。本発明者は、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約11mmを超える長さだけ、本実験では例えば15mmだけ、外周側に形成したターゲットシールドを使用して、基板へのAl膜(平均膜厚1800Å)の連続成膜を行い、その成膜中における放電電圧、異常放電の発生の有無、目視によるプラズマの状態、スパッタ粒子のターゲット外周部への付着の程度などを測定した。本実験では、図5及び図8に示すように、初期放電電圧は348Vという従来例と比較すると大幅に低い電圧であり、放電電圧が成膜中に経時的に上昇する現象はなく、異常放電が発生することもなかった。また、本実験では、図6(b)に示すように、前記磁場空間H内のプラズマを示す画像の観察において、プラズマが目視的に動いている現象(プラズマが安定していないことを示す現象)はなく、赤白色の発色はなく、Arプラズマの発色が見られるだけであった。しかし、本実験では、図7(b)に示すように、ターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が多量に付着しその付着により形成された膜が剥がれる現象が発生してしまい、連続成膜ができなかった。よって、本実験からは、開口部の外周縁部をターゲットのエロージョン領域の外周縁部よりも長軸方向において約11mmを超える長さだけ外周側に形成したターゲットシールドを使用して連続成膜したときは、成膜時の初期の放電電圧が低電圧化され、成膜中に放電電圧が上昇することがなく、成膜中に異常放電が発生することがなく、且つ成膜中の磁場空間H内のプラズマが目視的に動く現象も発生しなかったが、他方において、成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が多量に付着しその付着により形成された膜が剥がれてしまう現象が発生してしまい連続成膜ができなくなったことが確認できた。
図8は以上の図2〜5に関して説明した各実験及び測定結果を、互いに容易に比較できるように纏めたものである。図8から、成膜時の初期の放電電圧を低電圧化し、成膜中に放電電圧が上昇することがないようにし、成膜中に異常放電が発生することがないようにし、成膜中の磁場空間H内のプラズマが目視的に動く現象が発生しないようにし、且つ成膜中にターゲットのエロージョン領域の外周側にスパッタ粒子が多量に付着しその付着により形成された膜が剥がれてしまう現象が発生しないようにするためには、ターゲットシールドの開口部を、ターゲットのエロージョン領域よりも約1〜11mmだけ外周側に広がるように形成することが望ましいことが分かった。
1 真空容器
8 ターゲットホルダー
9 ターゲット
12a,12b 磁石
16,31 ターゲットシールド
16a,18a,32 開口部
18 隔壁
19 ガス供給パイプ
20 ガス供給パイプ
22 基板
32a 開口部の外周縁部
A ターゲットの外周縁部
B ターゲット表面のエロージョン領域の外周縁部
H 磁場空間

Claims (2)

  1. 被処理対象となる基板が内部に配置された真空容器と、
    前記真空容器内に所定の間隔を介して互いに対向するように配置された一対のターゲットであって、その表面中に略円形又は略楕円形状のエロージョン領域とその外側の非エロージョン領域とが存在する一対のターゲットと、
    前記各ターゲット表面の間に磁場空間を形成するように前記各ターゲットの近傍の位置にそれぞれ配置される一対の磁石と、
    前記各ターゲット表面中の前記各ターゲットの外周縁部及びその周辺の前記非エロージョン領域を前記磁場空間に対して覆うように配置されて前記各ターゲット表面中の前記非エロージョン領域にスパッタ粒子が付着してしまうことを防止する一対のターゲットシールドであって、前記磁場空間内で発生したプラズマと前記各ターゲットからのスパッタ粒子が前記磁場空間と前記各ターゲット表面中のエロージョン領域との間で移動することを可能とする開口部であって、その縁部が、前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有し且つ前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部よりも約1〜11mmだけ外側の位置と対向する前記磁場空間側の位置に形成されている開口部を備えた、一対のターゲットシールドと、
    を備えたことを特徴とするミラートロンスパッタ装置。
  2. 被処理対象となる基板が内部に配置された真空容器と、
    前記真空容器内に所定の間隔を介して互いに対向するように配置された一対のターゲットであって、その表面中に略円形又は略楕円形状のエロージョン領域とその外側の非エロージョン領域とが存在する一対のターゲットと、
    前記各ターゲット表面の間に磁場空間を形成するように前記各ターゲットの近傍の位置にそれぞれ配置される一対の磁石と、
    前記各ターゲット表面中の前記各ターゲットの外周縁部及びその周辺の前記非エロージョン領域を前記磁場空間に対して覆うように配置されて前記各ターゲット表面中の前記非エロージョン領域にスパッタ粒子が付着してしまうことを防止する一対のターゲットシールドであって、前記磁場空間内で発生したプラズマと前記各ターゲットからのスパッタ粒子が前記磁場空間と前記各ターゲット表面中のエロージョン領域との間で移動することを可能とする開口部であって、その縁部が、前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部と略相似の形状を有し且つ前記各ターゲット表面中のエロージョン領域の外周縁部よりも約3〜5mmだけ外側の位置と対向する前記磁場空間側の位置に形成されている開口部を備えた、一対のターゲットシールドと、
    を備えたことを特徴とするミラートロンスパッタ装置。
JP2016514660A 2014-04-25 2014-04-25 ミラートロンスパッタ装置 Active JP6196732B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2014/061699 WO2015162778A1 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 ミラートロンスパッタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015162778A1 JPWO2015162778A1 (ja) 2017-04-13
JP6196732B2 true JP6196732B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=54331965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016514660A Active JP6196732B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 ミラートロンスパッタ装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6196732B2 (ja)
TW (1) TW201604299A (ja)
WO (1) WO2015162778A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0527047U (ja) * 1991-09-11 1993-04-06 株式会社大阪真空機器製作所 対向ターゲツト式スパツタ装置のシールドカバー
JP3505459B2 (ja) * 2000-02-10 2004-03-08 豊明 平田 ミラートロンスパッタ装置
JP2002004041A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Canon Inc 対向ターゲット式スパッタ装置
US20080308417A1 (en) * 2005-03-14 2008-12-18 Toyoaki Hirata Sputtering Apparatus
JP2011074480A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Seiko Epson Corp スパッタリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2015162778A1 (ja) 2017-04-13
TW201604299A (zh) 2016-02-01
WO2015162778A1 (ja) 2015-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI756401B (zh) 用於在介電質濺射期間減少工件中的缺陷的電漿腔室靶材
JP5921048B2 (ja) スパッタリング方法
KR20130035256A (ko) 스퍼터 성막 장치
KR20130041105A (ko) 스퍼터 성막 장치 및 방착부재
JP5527894B2 (ja) スパッタ装置
JP5282167B2 (ja) スパッタ成膜装置
JP2012224921A (ja) 成膜装置
JP4959118B2 (ja) スパッタリング装置及びスパッタリング装置用のターゲット
WO2014137745A1 (en) Pvd target for self-centering process shield
JP6196732B2 (ja) ミラートロンスパッタ装置
US9368331B2 (en) Sputtering apparatus
JP2009046730A (ja) 成膜方法
KR102351170B1 (ko) 스퍼터 성막 장치
JP2010024532A (ja) マグネトロンスパッタ装置、成膜方法、及び光学部品の製造方法
KR101827472B1 (ko) 절연물 타겟
JP2010106370A (ja) バイアススパッタリング装置
JP2013147711A (ja) 気相成長装置
CN210826335U (zh) 一种具有便于装卸结构的靶材
JP2004285445A (ja) スパッタ方法及びスパッタ装置
JP5558020B2 (ja) 成膜方法
JP2007231401A (ja) 対向ターゲット式スパッタリング装置
JP2007291477A (ja) スパッタリング装置
JP6579796B2 (ja) ミラートロンスパッタ装置
JP2015025170A (ja) シリコンターゲット
JP5978072B2 (ja) 絶縁膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6196732

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250