JP6192954B2 - 建具および建具用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸やドアとして用いられる建具に関し、特に、いわゆる老人ホームなどの高齢者施設における患者の部屋の引戸やドアとして好適に用いられ、認知症患者であっても自室であることを容易に認識することができる特徴を備えた建具に関する。
高齢化社会において老人ホームなどの高齢者施設で生活する高齢者が増加しているが、各患者の部屋の出入口に設けられる引戸やドアなどの建具は画一的なものが多いため、特に認知症が進行した患者にとっては自室を認識することが困難になり、間違って他人の部屋に入り込んだり、施設内で迷子になったりすることが頻発している。
この問題に対する解決策として、一部の施設では、認知症患者が自室を認識しやすいように建具に、好きな写真や折紙などを両面テープなどで貼り付けることを許容している。認知症が進んでも、特定の記憶は失われずに残っていることも多く、たとえば孫の記憶が鮮明に残っている認知症患者の場合は、孫と一緒に撮った写真や孫が描いた絵、孫が作った折鶴などを自室の建具の外側(廊下側)の面に貼っておくことにより、そこが自室であることを容易に認識させるための手段として有効に働くことが期待される。
また、特許文献1には、建具の中央に矩形状の開口部を形成し、この開口部に磁性体を含む鏡板を嵌め込むことにより、表札や部屋番号などを表示した表示プレートを磁石を用いて鏡板に着脱可能とすることが記載されている。
特開2006−177056号公報
写真や折紙などを建具に両面テープなどに貼り付けることは、上述したように、認知症患者に自室であることを容易に認識させるための手段として有効であると考えられ、また、施設にとっても、安価に実現可能であると共に、建具に傷や痕跡を与えずに済むので居住者が変わっても支障なく対応することができる利点がある。
しかしながら、建具の表面が特殊コートされていると両面テープの接着力が十分に発揮されず、一旦貼り付けた写真や折紙などが剥がれ落ちてしまうことがある。また、剥がれ落ちたり認知症患者自らが剥がした写真などや両面テープを誤って口に入れてしまう懸念があり、安全上の対策が万全でないという欠点がある。
また、接着力が強力な両面テープを使用すると、剥がすときに建具の表面シートも一緒に剥がれてしまうことがある。
特許文献1に記載される建具は、表示プレートの表示内容によっては認知症患者対策にも有効に働く可能性があるが、この場合も、鏡板に磁石で取り付けた表示プレートが脱落し、あるいは認知症患者自らが表示プレートを取り外してしまう恐れがある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、認知症患者であっても自室であることを容易に認識することができ、しかも、そのための表示物を容易に着脱・交換可能としながらも認知症患者が誤って口に入れてしまう危険性を最小限に抑えることができ、特に老人ホームなどの高齢者施設で使用するに適した建具を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、建具の表裏に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴の少なくとも表裏いずれかの開口部に、任意の表示物を外面側から認識可能且つ着脱可能に収容する建具用部材が取り付けられ、該建具用部材は、底板と、底板から少なくとも一対の対向位置において立設する側壁とからなり、側壁の対向面に表示物の端部を着脱可能に嵌合する嵌合部が形成され、底板の少なくとも建具の貫通穴に対応する部分の中央領域が透明であり、該部分の外周領域が半透明または不透明であることを特徴とする建具である。
請求項に係る本発明は、請求項1記載の建具において、前記建具用部材が建具の貫通穴の少なくとも表裏いずれかの側から挿入されて貫通穴に嵌合収容されることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項記載の建具において、建具の貫通穴の表裏両面側から挿入された2個の建具用部材同士が貫通穴の内部で連結一体化されることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項記載の建具において、前記建具用部材が、建具の貫通穴の少なくとも表裏いずれかの面に、底板が貫通穴と略一致する位置に取り付けられることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項1ないしのいずれか記載の建具に用いられる建具用部材である。
請求項1に係る本発明によれば、引戸やドアなどの建具の貫通穴に取り付けた建具用部材に任意の表示物を挟み込んで収容することができ、この表示物を建具の外面側から認識し且つ着脱することができる。この建具を老人ホームなどの高齢者施設において高齢者の居室の出入口に設置される引戸やドアなどに用いて、居住者が認識しやすい表示物(孫の写真など)を入れておくことにより、認知症患者であっても、廊下を歩いたり、引戸を開けようとするときに、その表示物が視界に入り、自室であることを容易に認識することができる。これにより、認知症患者が間違って他人の部屋に入り込んだり、施設内で迷子になったりすることが無くなり、ひいては施設職員の労力軽減につながる。
また、嵌合部に表示物の端部が嵌合されるので、建具の開閉による衝撃で建具用部材が振動しても、表示物が前後にずれにくく、不慮に外れることを防止することができる。このように安定した装着状態を維持しながらも、表示物を2本の指で摘んで上反りさせれば、端部を嵌合部から引き抜いて、本体から容易に取り外すことができる。この取り外し作業は健常者には容易であるが、認知症患者にとっては必ずしも容易ではないので、表示物を誤って口に入れてしまうリスクを最小限に抑えることができる。
また、建具の室外側(廊下側)に取り付けられた建具用部材の透明な底板または底板の透明部分を介して、施設職員や家族が室内の状況を目視にて確認することができる。より具体的には、建具用部材に表示物が入っていない場合はそのままで、入っている場合はこれを取り外すことにより、引戸の貫通穴を確認窓として利用することができるので、建具を開けなくても、施設職員などが室内の状況を確認することができ、不慮の事故の未然防止に効果的である。さらに、底板の外周領域が半透明または不透明であるので、貫通穴の側面が見えにくくなり、見栄えを損なわない。
請求項に係る本発明によれば、既述した効果を発揮するために好適な建具用部材の取付態様が提供される。一つの建具用部材が建具の一面側から貫通穴に嵌合収容される場合は、建具用部材を建具の室外側となる面から貫通穴に挿入して嵌合収容することが好ましい。いずれの取付態様においても、既述した効果が何ら損なわれることなく発揮されると共に、建具用部材が建具の表裏両面から貫通穴に嵌合収容される取付態様にあっては、さらに、建具の表裏面で統一した外観を得ることができる。
請求項に係る本発明によれば、建具の表裏両面側の建具用部材同士が貫通穴の内部でより強固に固定され、建具の開閉による衝撃を受けても建具用部材が振動して異音を発生することがなくなる。
請求項に係る本発明によれば、既述した効果を発揮するために好適な建具用部材の取付態様の他例が提供される。これによれば、既述した効果を何ら損なうことなく発揮しながら、建具用部材をビスや接着剤、両面テープなどで建具面に簡単に固定することができる。
請求項に係る本発明によれば、建具に取り付けたときに既述した効果を発揮することができる建具用部材が提供される。
本発明による建具における建具用部材の配置例を示す正面図であり、(a)は引戸の幅方向略中央に配置された例、(b)は引戸の引手に近い位置に配置された例を示す。 建具用部材が2個を一組として引戸の貫通穴に嵌合収容された実施形態(実施例1)を示す引戸厚さ方向断面図(a)およびその拡大断面図(b)である。 この実施例による建具用部材の正面図(a)、左側面図(b)、底面図(c)、A−A断面図(d)およびB−B断面図(e)である。 この建具用部材の背面図(f)、C−C断面図(g)およびD−D断面図(h)である。 この建具用部材に収容可能な表示物の平面図である。 建具用部材が引戸の貫通穴の一面側に嵌合収容された実施形態(実施例2)を示す引戸厚さ方向断面図(a)およびその拡大断面図(b)である。 建具用部材が2個を一組として引戸の貫通穴の一面側に添着されてなる本発明の他実施形態(実施例3)を示す引戸厚さ方向断面図(a)およびその拡大断面図(b)である。 この実施例による建具用部材の正面図(a)、左側面図(b)、底面図(c)、A−A断面図(d)およびB−B断面図(e)である。 この建具用部材に収容可能な表示物の平面図である。 建具用部材が引戸の貫通穴の一面側に添着された実施形態(実施例4)を示す引戸厚さ方向断面図(a)およびその拡大断面図(b)である。 建具用部材が貫通穴が形成されない引戸の一面側に添着された実施形態(実施例5)を示す引戸厚さ方向断面図(a)およびその拡大断面図(b)である。 建具用部材が車椅子利用者用に低い位置に取り付けられた実施形態(実施例6)における建具用部材の配置例を示す正面図であり、(a)は引戸の幅方向略中央に配置された例、(b)は引戸の引手に近い位置に配置された例を示す。 建具用部材が折戸の親扉に取り付けられた実施形態(実施例7)において、(a)は立って歩く人を対象とする場合の正面図、(b)は車椅子利用者を対象とする場合の正面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について詳述する。
この実施例では、高齢者が歩行するときに平均的な目線の位置となるような高さHを高さ中心として、引戸1に建具用部材10が取り付けられている(図1)。建具用部材10の幅方向位置は限定されないが、引戸1の幅方向中央に設ける(図1(a))か、あるいは、幅広の引戸1において閉側端近くに取り付けられる引手2から若干中央寄りに離れた位置に設ける(図1(b))ことが好ましい。引手2の形状や寸法は任意であるが、図1(a)では、引戸1自体を表裏面から厚さ方向に掘り込んで形成した掘り込み引手として示されており、図1(b)では、棒状の手摺として形成された引手として示されている。建具用部材10がドアに設けられる場合は、引手2に代えてドアハンドルまたはドアノブが取り付けられる(図13参照)。
なお、建具用部材10の設置高さHは、後期高齢者(75〜79歳、男女含む、以下同じ)の目線高さが1300〜1500mmであることを考慮して、この高さ範囲に設定され、好ましくはその平均高さと一致させてH=1400mmとする。建具用部材10がこのような高さ位置に設けられると、目線が1300mmの人も1500mmの人も、首を少し上下させるだけで建具用部材10に収容した写真等の表示物が無理なく視野に入り、自室であることを容易に認識することができる。
また、建具用部材10を引手2に近い位置に設ける場合(図1(b))の幅方向取付位置については、引手2(またはドアハンドルないしドアノブ、以下同じ)から用部材10の幅向中心までの寸法Wが、後期高齢者の肩峰幅が350〜370mmであることを考慮して、この半分に相当する175〜185mmの範囲に収まる寸法に設定され、好ましくはその平均寸法と一致させてW=180mmとする。このような幅方向位置に建具用部材10が設けられることにより、後期高齢者が引手2に手を掛けて引戸1を開けようとするときに、建具用部材10に収容した写真等の表示物が無理なく視野に入り、自室であることを容易に認識することができる。
この実施例における建具用部材10について、図2ないし図4を参照して説明する。
この建具用部材10は、矩形状の底板11と、この底板11の周側端から表面側(図3において正面側)には比較的短い寸法で、裏面側(図3において背面側)には比較的長い寸法で立ち上がって底板11を囲繞する側壁12と、底板11の裏面側の四隅において側壁12の内側に約90度の角度範囲にわたって環状に形成されて側壁12との間にスプリングピン挿入穴13を形成する環状壁14とを有する。側壁12の少なくとも一の対向位置には、底板11の表面に臨む突起挿入穴15が形成される。図示実施例では、矩形状の側壁12の短辺に相当する部分において間隔をおいて2箇所に突起挿入穴15,15が形成されている。また、側壁12の表面側先端は外方に延設されてつば部16を形成している。建具用部材10は、合成樹脂や金属などの材料から上記形状を有するように成形される。
この建具用部材10に着脱可能に保持される表示物18は、建具用部材10の底板12と略同一寸法の矩形状に形成され、その短辺に相当する周縁の一部から、建具用部材10の側壁12の対向位置に形成された突起挿入穴15,15に嵌合可能な突起19,19が突出形成されている(図5)。表示物18は、紙や軟質合成樹脂シートなどを主材とする写真、絵画などから上記形状を有するようにあらかじめ加工しておく。
この建具用部材10の引戸1に対する取付について説明する。この実施例では、図3および図4に示される建具用部材10(10A,10B)を2個一組で用い、これらを反対向きに向き合わせた状態にして、引戸1の所定位置において表裏に貫通して形成される貫通穴3の表裏両側から挿入して貫通穴3に嵌合・収容することによって引戸1に取り付けられている。したがって、建具用部材10の側壁12は、貫通穴3と略同一の外形状および外形寸法を有するものとして形成され、表面側のつば部16が貫通穴3の外側で引戸2の表裏面に沿って配置されて、建具用部材10が貫通穴3に埋没することを防止している。そして、これら2つの建具用部材10A,10Bは、図2(b)に明りょうに示されるように、底板11の裏面側四隅に形成された各スプリングピン挿入穴13にスプリングピン20を架け渡して挿入することにより強固に一体化されている。
このような取付を可能にするため、建具用部材10の高さ(側壁12および環状壁14の裏面側先端からつば部16の下面までの高さ)は、引戸1の厚さの略1/2またはそれより若干短い寸法に設定される。図示実施例では、この高さが引戸1の厚さの1/2より若干短い寸法とされ、したがって2つの建具用部材10A,10Bを貫通穴3に嵌合・収容した状態においてこれらの間に若干の隙間17が形成されている。なお、図2(a)では、この隙間17が誇張して示されている。
この建具用部材10にあっては、底板11上に表示物18を保持することが可能である(図2(b))。したがって、引戸1で区画された部屋に居住する高齢者は、建具用部材10に、表示物18として自分の好きな写真や色紙などを入れておくことができる。図1に関して既述したように、建具用部材10は、高齢者が廊下を歩いたり、引手2に手を掛けて引戸1を開けようとするときに、自然に視界に入るような位置に設けられるので、引戸1の室外側(廊下側)表面1aから挿入固定される建具用部材10Aの底板11上に好きな写真などの表示物18を保持しておくことにより、自室であることを容易に認識することができる。底板11上に保持される表示物18は、居住者の好みによって自由に選ぶことができるが、例示すれば、孫との写真、孫が描いた絵、孫が作ってくれた折鶴、好きな芸能人の写真、ペットの写真、楽しい記憶が蘇る旅行地の写真、認識が容易な色や模様を表した色紙などを挙げることができる。また、表示物はシート状であることが一般的であるが、必ずしも全体がシート状を有するものでなくても良く、少なくとも突起19,19が本体側壁12の突起挿入穴15,15に挿入可能であれば、たとえば、外面側(底板12の反対側)に向けて突出する凸部を有するようなものであっても良い。
表示物18は、その対向辺から突出する突起19,19が側壁12の対向位置に形成された突起挿入穴15,15に嵌合された状態で保持されているだけであるので、これを2本の指で摘んで上反りさせながら引き上げることにより容易に本体11から離脱させることができる。したがって、表示物18は居住者の好みに応じていつでも簡単に交換することができる。居住者が変わった場合も同様である。
引戸1の室内側表面1bから挿入固定される建具用部材10Bには何も入れないままにしておくことが好ましい(後述)が、居住者の好みによって任意の表示物を入れておくことも可能である。この場合、室外側の建具用部材10Aと同じ表示物を入れておくことによって自室表示機能を高めても良いし、異なる表示物を入れて室内から見て楽しむこともできる。
建具用部材10の底板11は、建具の貫通穴3に相当する中央領域12aが透明である。このようにしておくと、室内側の建具用部材10Bには表示物が入っていないか、あるいは入っていてもその表示物が透明である場合、室外側の建具用部材10Aの底板11上に保持されている表示物18は上記したように容易に取り外すことができるので、居住者の健康状態などに不安を覚えたり異変を察知したようなときに、高齢者施設の職員や家族がこれらを取り外すことにより、引戸1が閉じられた状態のまま、建具用部材10A,10Bの透明底板11,11を介して室内の状況を確認することができる利点がある。
建具用部材10の底板12の外周領域は、半透明または不透明である。図示実施形態では、建具用部材10の全体をガラスや透明合成樹脂などの透明材で形成し、その底板11の裏面側(装着状態において内側)の外周領域11b(図4(g),(h)に太線で示す部分)に研磨加工などを施して半透明または不透明にしている。中央領域11aは透明であるので上述の利点を確保しがら、外周領域11bを半透明または不透明とすることによって、引戸1に形成した貫通穴3の側面を見えにくくして見映えを損なわないようにしている。
なお、図示実施形態では、一対の建具用部材10A,10Bを向かい合わせにして四隅のスプリングピン挿入穴13にそれぞれスプリングピン20を挿入することによって建具用部材10A,10B同士を連結して一体化しているが、これに限定されるものではなく、任意の手法で建具用部材10A,10B同士を連結して良い。たとえば、あらかじめ外周面に接着剤を塗布したピンをそれぞれのピン挿入穴(スプリングピン挿入穴13と同様のものであって良い)に挿入して固定しても良い。あるいは、引戸1の貫通穴3に表裏両側から建具用部材10A,10Bを嵌合したときに、側壁12(および環状壁14)の裏面側先端面同士が密接するようにこれらの突出長を設定しておき、該先端面に接着剤を塗布して建具用部材10A,10B同士を接着固定しても良い。
また、図示実施形態では、側壁12のうち短辺側の対向する2箇所において、底板11の表面に臨む突起挿入穴15,15を形成し、これら突起挿入穴15,15に、表示物18の短辺側から突出する突起19,19を挿入することで、表示物18を建具用部材10の底板11上に着脱可能に保持するものとしているが、突起挿入穴は側壁12の長辺側に形成しても良いし、短辺側と長辺側の両方に形成しても良く、その形状や数も任意である。表示物18の突起19は、側壁12に形成される突起挿入穴15の位置、形状および数に応じて、これに挿入可能なものとして形成される。
図6を参照して、実施例2による建具用部材21について説明する。
この建具用部材21は、矩形状の底板22と、この底板22の周側端から表面側(図6左側)に比較的短い寸法で立ち上がって底板22を囲繞する側壁23とを有し、その先端にはつば部24が形成されている。この実施例の建具用部材21は、実施例1の建具用部材10のうち底板11と側壁12(つば部16を含む)で形成される表面側部分に相当し、底板11より裏面側に存在する部分(裏面側の側壁12、環状壁14、スプリングピン挿入穴13)を割愛した形状および構成を有している。したがって、図6には示されていないが、実施例1と同様に、側壁23のうち短辺側の対向する2箇所において、底板22の表面に臨む突起挿入穴が形成されている。建具用部材21は、合成樹脂や金属などの材料から上記形状を有するように成形される。なお、図6(a)では、図示の便宜上、建具用部材21の厚さが誇張的に示されている。
この実施例で使用される表示物18は、実施例1で使用される表示物18(図5)と同様であり、側壁23の前記突起挿入穴にそれぞれ表示物18短辺側の突起19,19を挿入することで、表示物18が建具用部材21に着脱可能に装着される。
この建具用部材21は、図6に示されるように、引戸1の貫通穴3の室外側から挿入して貫通穴3に嵌合収容され、側壁23の外周面に塗布した接着剤により貫通穴3に固定される。そして、実施例1について既述したように、底板22上に写真などの表示物18を挟み込んでおくことで、認知症の居住者であっても、廊下を歩いたり引手2に手を掛けて引戸1を開けようとするときに表示物18が自然に目に入って、自室であることを容易に認識することができる効果を発揮する。この実施例における他の構成や、その効果ないし利点、変形例などは、実施例1について既述したところから自明であるので、説明を割愛する。
なお、この実施例では、単一の建具用部材21が引戸1の室外側表面1aから挿入固定されるので、室内側表面1bからも建具用部材が挿入固定される実施例1の場合とは異なり、貫通穴3の室内側表面1bの開口部が表示物で隠蔽されることがない。したがって、高齢者施設の職員や家族が室外側から建具用部材21に保持されている表示物18を取り外せば、引戸1が閉じられた状態のまま、透明な底板22(または底板の透明中央領域)を介して室内の状況をいつでも確認することができる利点がある。
図7ないし図9を参照して、実施例3による建具用部材26について説明する。
この建具用部材26は、引戸1の貫通穴3より大きな寸法を有する矩形状の底板27と、この底板28の周側端から表面側(図8において正面側)に比較的短い寸法で立ち上がって底板27を囲繞する側壁28とを有し、側壁28の少なくとも一の対向辺に沿って内側に嵌合凹部29が延設されている。図示実施例では、矩形状の側壁28の短辺の内側に嵌合凹部29が延長形成されている。建具用部材26は、合成樹脂や金属などの材料から上記形状を有するように成形される。
この建具用部材26に着脱可能に保持される表示物30は、紙やアクリルなどの透明な軟質合成樹脂シート材から、本体27の底板28と略同一寸法の矩形状に形成される。この実施例で用いる表示物30は、実施例1,2の建具用部材10,20が保持可能な表示物18(図5)とは異なり、突起のない単なる矩形状である(図9)。図示実施例における表示物30は、短辺は建具用部材26の底板27の短辺と略同一の寸法であるが、長辺は底板27の長辺より若干長く形成され、その長辺の両端部を側壁28の嵌合凹部29に嵌合することによって底板27上に着脱可能に保持される。なお、この表示物30も必ずしも全体がシート状を有するものでなくてよく、少なくとも長辺の両端部が嵌合凹部29に嵌合可能であれば、たとえば、外面側(底板27の反対側)に向けて突出する凸部を有するようなものであっても良い。
この建具用部材26は、図7に示されるように、2個を一組として用い、これら建具用部材26A,26Bを、引戸1の貫通穴3を完全に覆うようにして引戸1の室外側表面1aおよび室内側表面1bの両面に、ビス、接着剤、両面テープなどの固定手段(図示せず)で固定される。そして、実施例1について既述したように、底板27上に写真などの表示物18を装着しておくことで、認知症の居住者であっても、廊下を歩いたり引手2に手を掛けて引戸1を開けようとするときに表示物30が自然に目に入って、自室であることを容易に認識することができる効果を発揮する。この実施例における他の構成や、その効果ないし利点、変形例などは、既述実施例における説明から自明であるので、説明を割愛する。
実施例3では、一対の建具用部材26A,26Bを用いてこれらを引戸1の両面1a,1bに固定したが、図10に示されるように、単一の建具用部材26を引戸1の室外側表面1aのみに固定しても良い。この実施例が図10に示されている。建具用部材26の構成は、実施例3と同様であるので、説明を割愛する。また、この実施例における他の構成や、その効果ないし利点、変形例などは、既述実施例における説明から自明であるので、説明を割愛する。なお、この実施例においては、単一の建具用部材26が引戸1の室外側表面1aに固定されるので、実施例2と同様、高齢者施設の職員や家族が室外側から建具用部材26に保持されている表示物18を取り外せば、引戸1が閉じられた状態のまま、透明な底板27(または底板の透明中央領域)を介して室内の状況をいつでも確認することができる利点がある。
図11に示される実施例では、引戸1に貫通穴3が形成されず、実施例3,4と同様の建具用部材26が、引戸1の室外側表面1aの所定位置(実施例1において図1を参照して記述した位置)に、ビス、接着剤、両面テープなどの固定手段(図示せず)で固定されている。この実施例の場合は、高齢者施設の職員や家族が室外側から室内の状況を確認することはできないが、高齢の居住者に対して自室を認識させる作用効果が発揮される点では既述実施形態と同様である。他の構成や、その効果ないし利点、変形例などは、既述実施例における説明から自明であるので、説明を割愛する。なお、引戸1の室内側表面1bにも同様の建具用部材26を固定して、居住者の好みの写真や絵などを入れて楽しむようにしても良い。
これまでの実施例では、高齢者が歩行するときに平均的な目線の位置となるような高さ位置に建具用部材を取り付けるものとして説明したが、車椅子を使用する高齢者が建具用部材に収容される表示物18を容易に認識するためには、引戸1のより低い位置に建具用部材を取り付ける必要がある。図12(a)および(b)は、図1(a)および(b)と同様の引戸1に、車椅子利用者用の建具用部材10を取り付けた実施例を示す。
この場合は、車椅子の平均的な座面高さが470mmであり、車椅子に座った後期高齢者の座位目線高さが660〜730mmであることを考慮して、これらを足した高さ位置(H’=1130〜1200mm)に建築用部材10を取り付けることができるが、車椅子を利用する高齢者は腰が曲がった状態になっていることが多いことから、H’=1100mm程度とすることが好ましい。建具用部材10がこのような高さ位置に設けられると、腰が曲がった状態で車椅子に座って移動する人であっても、首を少し上下させるだけで建具用部材10に収容した写真等の表示物18が無理なく視野に入り、自室であることを容易に認識することができる。建具用部材10の幅方向の取付位置については、図1を参照して既述したと同様であって良い。また、この場合の建具用部材として、実施例1の建具用部材10に代えて、他実施例の建具用部材21,26を用いても良く、その取付についても既述実施例のいずれを採用しても良いことは自明である。
図13に示される実施例7は、幅広の親扉4と幅狭の袖扉5とが上下の丁番6,6を介して折曲可能に連結されてなる折戸7において、親扉4に建具用部材10を取り付けた実施形態の一例である。図13(a)では歩行者用に高い位置に建築用部材10が取り付けられ(図1参照)、図13(b)では車椅子利用者用に低い位置に建築用部材10が取り付けられている(図12参照)。この場合の建具用部材として、実施例1の建具用部材10に代えて、他実施例の建具用部材21,26を用いても良く、その取付についても既述実施例のいずれを採用しても良いことは自明である。
図示実施形態に限定されることなく、本発明は様々な形態で実施可能である。たとえば、建具用部材の形状は任意であり、図示実施形態で採用した断面矩形状のほか、円形、楕円形、三角形、六角形などの任意断面形状を有することができる。実施例1,2のように引戸1の貫通穴3に建具用部材を嵌合固定する場合は、建具用部材の断面に対応する形状および寸法の貫通穴3が引戸1に形成される。実施例3,4の場合は、建具用部材が引戸1の貫通穴3を覆うことができるように、これら建具用部材および貫通穴3の形状および寸法を決定する。
また、図示の特定の実施形態における構成のうちの一部について、他の実施形態で採用されている対応する構成と入れ替えて実施しても良い。たとえば、実施例1,2の建具用部材10,21において、実施例3〜5で用いた表示物30(図9)を保持可能とするために、その対向縁を実施例3〜5と同様に建具用部材の一対の対向側壁に形成した嵌合凹部(29)に嵌合することによって、該表示物を建具用部材10,21に着脱可能に装着するようにしても良い。同様に、実施例3〜5の建具用部材26において、実施例1,2で用いた表示物18(図5)を保持可能とするために、その突起19,19を実施例1,2と同様に建具用部材の一対の対向側壁に形成した突起挿入穴(15,15)に嵌合することによって、該表示物を建具用部材26に着脱可能に装着するようにしても良い。
本発明は、既述したように、老人ホームなどの高齢者施設における高齢者の居室の出入口に設置される引戸やドアなどの建具および該建具に取り付けられる建具用部材として用い、該建具用部材に居住者の好きな表示物を入れておくことにより、認知症患者であっても、廊下を歩いたり、引戸を開けようとするときに、該表示物によって自室であることを容易に認識することができるものであって、認知症患者が間違って他人の部屋に入り込んだり、施設内で迷子になったりすることが無くなり、ひいては施設職員の労力軽減にも寄与することができる。本発明は、高齢者施設の居室だけでなく、トイレや浴室などの共用部に用いたり、あるいは、一般住宅において認知症の高齢者や幼い子供の部屋などに使用することも有効であり、産業上の利用可能性が大きい。
1 引戸
2 引手
3 貫通穴
4 親扉
5 袖扉
6 丁番
7 折戸
10(10A,10B) 建具用部材(実施例1)
11 底板
12(12a,12b) 側壁
13 スプリングピン挿入穴
14 環状壁
15 突起挿入穴(嵌合部)
16 つば部
17 隙間
18 表示物
19 突起
20 スプリングピン
21 建具用部材(実施例2)
22 底板
23 側壁
24 つば部
26(26A,26B) 建具用部材(実施例3〜5)
27 底板
28 側壁
29 嵌合凹部(嵌合部)
30 表示物

Claims (5)

  1. 建具の表裏に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴の少なくとも表裏いずれかの開口部に、任意の表示物を外面側から認識可能且つ着脱可能に収容する建具用部材が取り付けられ、該建具用部材は、底板と、底板から少なくとも一対の対向位置において立設する側壁とからなり、側壁の対向面に表示物の端部を着脱可能に嵌合する嵌合部が形成され、底板の少なくとも建具の貫通穴に対応する部分の中央領域が透明であり、該部分の外周領域が半透明または不透明であることを特徴とする建具。
  2. 前記建具用部材が建具の貫通穴の少なくとも表裏いずれかの側から挿入されて貫通穴に嵌合収容されることを特徴とする、請求項1記載の建具。
  3. 建具の貫通穴の表裏両面側から挿入された2個の建具用部材同士が貫通穴の内部で連結一体化されることを特徴とする、請求項記載の建具。
  4. 前記建具用部材が、建具の貫通穴の少なくとも表裏いずれかの面に、底板が貫通穴と略一致する位置に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載の建具。
  5. 請求項1ないしのいずれか記載の建具に用いられる建具用部材。
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