JP6192571B2 - 注出キャップ - Google Patents
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Description
このような複数成分に分離する内容液の一例として、ドレッシングでは、サラダオイル等の油成分、香辛料等の微小な固形成分、油成分と分離する酢等の水分からなる調味料等とを含み、固形成分は沈殿し、また油成分と水分は分離した状態で容器内で積層状態となって存在する。
このため、使用に際しては、上蓋を閉じた状態で容器を上下にシェイクし、内部の油成分、固形成分、水分等を撹拌して混ぜ合わせる必要がある。
しかしながら、この場合には、撹拌した内容液が上蓋の内面に付着したまま残り、開蓋時に、上蓋の内面に付着した内容液が垂れて容器の外面や周辺を汚すことがある、という問題があった。
また、上蓋がドーム状内面を有する場合、そのドーム状内面に付着した内容液のうち、周辺部に付着した内容液は、その傾斜により流れ落ちるが、中央付近に付着した内容液は、その傾斜が緩いために流れ落ちず、そのまま溜まって残ってしまうという問題があった。
注出キャップの実施形態として、密封リング下端部のヒンジ側には、舌片を延設することを特徴とする構成を採用する。
キャップ本体Aは、装着部3と、装着部3に連設し、容器内の内容液を注出する注出部4とからなっている。
装着部3は、周縁部に係止突条6aを設けた蓋係止部6を立設した環状の基壁7と、基壁7の内周縁から垂設した内筒8と、基壁7の外周縁から垂設した外筒9とからなっている。
外筒9の内周面下端部には、容器の口部1の嵌合突条2と係合する係合突条10を形成している。
注出筒12は、内容液を注ぎ易くするために、本実施例では、ヒンジC側を低く、ヒンジCと反対側を高く形成し、その先端部12aは、ラッパ状に広がっている。
隔壁13には、注出筒12の内周12b近傍に形成した破断可能な薄肉の弱化部14により注出孔Dを開口する除去部15を設けており、除去部15のヒンジC側には、支柱16を介してプルリング17を連設し、プルリング17のヒンジCと反対側の下部には、指先への接圧をやわらかくするために緩衝部18を形成している。
また、本実施例では、薄肉の弱化部14を破断して開封するまで容器内部を密閉する隔壁13としたが、予め注出孔Dを開口した隔壁13であっても構わない。
本実施例では、上蓋Bの内面に付着する内容液の流下を促すために、頂壁20は、密封リング22より内周側の内面20aがドーム状をなし、中央付近が最も高く周縁に向かって高さを漸減しながら密封リング22に連設している。
縦リブ23は、図4(b)に示すように、Y−Y断面の形状がエッジ部23aを境にして、ドーム状内面20aに向けて半径Rの円弧状にえぐられ、先鋭な形状をなしている。縦リブ23は、そのエッジ部23aのドーム状内面20aからの高さが、縦リブ23の中間付近が最も高く、それぞれ両端方向に向かって漸減するように形成している。
本実施例では、舌片24は、図1に示すように、閉蓋時に、先端24aがキャップ本体Aの隔壁13上面に接近する高さであるとともに、舌片24は、外表面24bが注出筒12の内周12bに接触しないように、密封リング22の下端部22aよりも薄肉に形成している。
側周壁21の下端外周縁の一方はヒンジCに連設し、ヒンジCと反対側の下端部外周には、図2(a)に示すように、つば状の摘み部26を形成し、本実施例では、側周壁21は、摘み部26を設けた近傍を薄肉状部21aとし、摘み部26には、側周壁21下端部近傍の上面に凹部26aを形成している。
本実施例のヒンジキャップは、図2(b)に示すように、完全に開蓋した状態で一体成形により作製する。
本実施例のヒンジキャップを容器に装着するには、まず上蓋BをヒンジCの回りに回動して閉蓋し、内容液が充填された容器の口部1に打栓して装着する。
打栓工程は、装着部3の内筒8と外筒9との間に形成された環状溝部に容器の口部1を当てがい、上蓋Bの上から押圧力を加えることによって、外筒9の係合突条10が口部1の嵌合突条2を乗り越えて嵌合し、容器の口部1を、内筒8の外周と外筒9の内周および基壁7とによって挟持することで装着する。
なお、本実施例では、装着部3は、内筒8の外周と外筒9の内周および基壁7とによって容器の口部1を狭持するものとしたが、容器の口部1の外周に雄ネジを形成するとともに、外筒9の内周に雌ねじを形成することによって螺着するものであってもよい。
側周壁21の摘み部26付近の部分が持ち上がると、側周壁21の摘み部26付近の係止凹部25と蓋係止部6の係止突条6aとの係止が外れる。
さらに、ヒンジCを支点に上蓋Bが廻動し、摘み部26側を持ち上げると、摘み部26付近から側周壁21の他の部分も変形し、係止凹部25内周と蓋係止部6外周との嵌合がすべて外れ、上蓋Bが開蓋する。
最後は、隔壁13の除去部15を抜栓し、図3に示すように、隔壁13に注出孔Dを開口する。
隔壁13に注出孔Dが開口された後は、ヒンジCを支点とし、上蓋Bを廻動して閉蓋すると、キャップ本体Aの注出筒12の内周12bに、上蓋Bの密封リング22の外周が密接し、注出筒12より内方を密封することができる。
このシェイクして撹拌する際に、内容液が上蓋Bのドーム状内面20aに付着するが、シェイク後の付着量を比較するために、上蓋Bの内面形状ごとに内容液の種類を変えて、比較実験を行い、その結果を表1〜3に示す。
表1は、本実施例のキャップ本体Aに、本実施例の上蓋B(ドーム状内面に1条の縦リブを設ける)を被冠して行った実験結果を示す。
なお、実験に用いた上蓋Bの寸法は、図7(a)に示す上蓋と同じであり、材質は、以下の表2、3の上蓋全てがLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)樹脂である。
なお、上記内容液の粘度測定は、東京計器製 B形粘度計(No.2ローター使用、回転速度60rpm、20秒後、室温)を使用し、内溶液に固形物(ごま、たまねぎ、バジルなど)が分散した状態で行った。
(1)シェイク前の上蓋重量(単位:グラム)を計量する。
(2)シェイクした後、3秒間おいて内溶液が付着した上蓋重量を計量する。
(3)前記(2)の計量を3回繰り返し、内溶液が付着した上蓋重量の平均値を求める。
(4)前記(3)で求めた平均値から前記(1)で計量した上蓋重量を差し引いて内溶液の付着重量を求める。
さらに、表1と表2の付着量をドレッシングの種類に着目して比較すると、粘度が比較的高い「トマト」、「ごま」では、縦リブ23を設けないと付着量が増えるが、縦リブを設けると付着量が3分の1以下に激減することがわかる。
上蓋Bのドーム状内面20aに付着した内溶液が流れる様子を図6を用いて模式的に示すと、(a)のように上蓋Bのドーム状内面20a全体に付着した内容液Lは、(b)のように縦リブ23を境にして両側に分かれながら、(c)のようにヒンジC側に追いやられ、最後に(d)のようにヒンジC寄りに少し付着したまま残る。
また、上蓋Bのドーム状内面20aに縦リブ23を2条以上設けても、それぞれの縦リブ23の間に内容液が集まることになり、本実施例のようにヒンジC側に内容液を集めることができない。
以上のことから、上蓋Bのドーム状内面20aに付着する内容液は、縦リブ23がないと、中央部付近に溜まりやすい傾向にあるが、縦リブ23を1条だけ設けると、表面張力で引き合おうとする内容液を縦リブ23のエッジ部23aが分断してバランスを崩すことになり、内容液の分断された部分が図6に示すように、表面張力によりヒンジC側で丸くなろうとして集まるものと考えられる。
この実験結果から、とくに、粘度200mPa・s以上の内容液の場合に、縦リブを1条だけ設けたことによる効果が得られ、さらには、粘度300mPa・s以上がより好ましいことがわかった。
図3に示すように、上蓋Bを開蓋する際に、ドーム状内面20aのヒンジC側に付着して残った内容液は、密封リング22内面および舌片24の内表面24cを伝って、注出孔Dの内方に案内されるので、舌片24を流れ落ちる内容液が注出筒12の内周12bに付着することなく注出孔Dに回収することができる。
B 上蓋
C ヒンジ
D 注出孔
E 垂線
L 内容液
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4 注出部
6 蓋係止部
6a 係止突条
7 基壁
8 内筒
9 外筒
10 係合突条
11 上壁
12 注出筒
12a 先端部
12b 内周
13 隔壁
14 弱化部
15 除去部
16 支柱
17 プルリング
18 緩衝部
20 頂壁
20a ドーム状内面
21 側周壁
21a 薄肉状部
22 密封リング
22a 下端部
23 縦リブ
23a エッジ部
24 舌片
24a 先端
24b 外表面
24c 内表面
25 係止凹部
26 摘み部
26a 凹部
Claims (3)
- 容器の口部に装着するキャップ本体と、上蓋とからなる注出キャップであって、
キャップ本体は、容器の口部開口を封鎖する隔壁と、隔壁を貫通する注出孔の周囲に立設する注出筒とを具え、
上蓋は、頂壁と、頂壁の外縁から垂設する側周壁と、頂壁の内面から垂設し閉蓋時に外周が注出筒の内周と係合する密封リングとを具え、
頂壁の内面は、密封リングより内方をドーム状に形成するとともに、中心近傍から密封リング上方に向けて延びる1条の縦リブを形成し、
上蓋は、ヒンジを介してキャップ本体と連設され、
縦リブは、頂壁内面のヒンジと反対側に形成することを特徴とする注出キャップ。 - 縦リブは、その横断面をエッジ状に形成することを特徴とする請求項1記載の注出キャップ。
- 密封リング下端部のヒンジ側には、舌片を延設することを特徴とする請求項1または2記載の注出キャップ。
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