JP6191358B2 - ハンドル戻し装置及び車両用シートリフター装置 - Google Patents

ハンドル戻し装置及び車両用シートリフター装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハンドル戻し装置及び車両用シートリフター装置に関するものである。
従来、バネ部材の弾性力に基づき回動式の操作ハンドルを中立位置に復帰させるハンドル戻し装置がある。
例えば、特許文献1に記載のシートリフター装置には、中立位置を有して第1方向及び第2方向(上下方向)に回動操作されるレバー状の操作ハンドルが設けられている。また、このシートリフター装置には、その操作ハンドルに連動して回動する入力部材と、当該入力部材の回動軸回りに延在する円弧状(略C字状)のバネ部を有したバネ部材とが設けられている。更に、この従来例においては、その周方向に離間して配置された両バネ端部の一方側が入力部材に係合し、他方側が固定部材に係合するように構成されている。そして、これにより、その入力部材を付勢して操作ハンドルを中立位置に復帰させる戻し力を発生可能なハンドル戻し装置が構成されている。
即ち、操作ハンドルの回動操作に基づき固定部材に対して入力部材が相対回動することによって、バネ部材は、その両バネ端部間が押し広げられるように弾性変形する。そして、その弾性変形したバネ部材が発生する戻し力(弾性力)に基づいて、回動操作された操作ハンドルを中立位置に復帰させることが可能となっている。
特開2006−83983号公報
しかしながら、上記従来技術では、その回動操作の方向に応じて操作量が異なる場合には、発生可能な戻し力(の最大値)に相違が生ずるという問題がある。例えば、上記従来例のシートリフター装置のように、車両用シートの側方に操作ハンドルが設けられた構成では、その操作ハンドルを上方に引き上げる場合と比較して、当該操作ハンドルを下方に押し下げる場合の回動操作量を大きくすること困難である。そして、これにより生ずる復帰速度及び操作反力の違いが操作ハンドルの戻り性に表れることで、その操作感を低下させる一因となる可能性があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、回動操作の態様に応じた適切な戻し力を付与することのできるハンドル戻し装置及び車両用シートリフター装置を提供することにある。
上記課題を解決するハンドル戻し装置は、中立位置を有して第1方向及び第2方向に回動操作される操作ハンドルに連動して回動する入力部材と、異なるバネ力を有して前記入力部材の支持軸周りに延在する複数のバネ部が一体に形成されたバネ部材と、を備え、前記各バネ部は、前記回動操作に基づいて、周方向に離間した両バネ端部の一方側が前記入力部材に係合するとともに他方側が固定部材に係合して弾性変形することにより、前記入力部材を付勢して前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させる戻し力を発生可能なものであって、前記各バネ部は、前記両バネ端部間の有効バネ長が異なり、前記バネ部材は、前記支持軸周りに延在するバネ本体の両端部間に形成された中間係合部を前記バネ端部とした強化バネ部を備えており、前記バネ部材は、前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、前記中間係合部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第1端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、前記第1方向の回動操作時には、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記第2方向の回動操作時には、前記強化バネ部が前記戻し力を発生する
上記課題を解決するハンドル戻し装置は、中立位置を有して第1方向及び第2方向に回動操作される操作ハンドルに連動して回動する入力部材と、異なるバネ力を有して前記入力部材の支持軸周りに延在する複数のバネ部が一体に形成されたバネ部材と、を備え、前記各バネ部は、前記回動操作に基づいて、周方向に離間した両バネ端部の一方側が前記入力部材に係合するとともに他方側が固定部材に係合して弾性変形することにより、前記入力部材を付勢して前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させる戻し力を発生可能なものであって、前記各バネ部は、前記両バネ端部間の有効バネ長が異なり、前記バネ部材は、前記支持軸周りに延在するバネ本体の両端部間に形成された中間係合部を前記バネ端部とした強化バネ部を備えており、前記バネ部材は、前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として第1の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、前記バネ本体に形成された前記中間係合部を第1の前記バネ端部として第2の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、前記中立位置から前記操作ハンドルを回動させるときには、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させるときには、第2の前記強化バネ部が前記戻し力を発生する。
上記構成によれば、簡素な構成にて、回動操作の態様に応じた適切な戻し力を付与することができる。その結果、操作ハンドルの良好な操作性を確保することができる。また、中立位置への戻り性を高めることにより、その中立位置において、操作ハンドルに連動する装置の構成要素を適切な位置に配置することができる。そして、これにより、その確実な動作を担保することができる。
また、各バネ部を一つのバネ部材として一体に形成することで、入力部材に係合して戻し力を発生しているバネ部と他のバネ部とが連動するようになる。そして、これにより、その戻し力を発生する各バネ部と入力部材との間の係合関係を容易に変更することができる。その結果、その回動操作の態様に応じて付与する戻し力を精度よく設定することができる。
また、上記構成によれば、容易に、その異なるバネ力を有して支持軸周りに延在する複数のバネ部を一体に形成することができる。また、その有効バネ長に基づいて、各バネ部のバネ力を容易且つ高精度に設定することができる。更に、その両バネ端部の少なくとも一方を、それぞれ、異なる周方向に配置することが可能になることで、その戻し力を発生する各バネ部と入力部材との間の係合関係をより一層容易に変更することができる。そして、これにより、構成簡素、且つ精度よく、その回動操作の態様に応じた適切な戻し力を発生することができる。
上記構成によれば、バネ本体の形状に大きな変更を加えることなく、簡素な構成にて、そのバネ力の大きな強化バネ部を形成することができる。そして、この強化バネ部を用いることで、その発生可能な戻し力を高めることができる。
上記課題を解決するハンドル戻し装置は、前記バネ部材は、複数の前記中間係合部を有することが好ましい。
上記構成によれば、これにより、容易に、その有効バネ長の異なる複数のバネ部を形成することができる。
上記課題を解決するハンドル戻し装置は、前記中間係合部は、前記バネ本体に孔部を形成してなることが好ましい。
上記構成によれば、構成簡素且つ容易に、中間係合部を形成することができる。
上記課題を解決するハンドル戻し装置は、相対回動可能に設けられた第1及び第2の前記入力部材と、第1の前記入力部材と第2の前記入力部材との間をトルク伝達可能に連結するとともに、一方に対して他方側を遅れた位相で回動させることが可能な連結機構と、を備え
上記課題を解決する車両用シートリフター装置は、回動可能に設けられたリンク部材を介して上方にシートを支持するリンク機構と、前記リンク部材と回動軸を共有して一体に回動するセクターギヤと、前記セクターギヤに歯合するピニオンギヤと、上記何れかのハンドル戻し装置と、を備え、前記操作ハンドルに入力される回動操作に基づき前記ピニオンギヤを回転駆動することにより前記シートを昇降動作させる。
上記構成によれば、良好な操作性を確保することができるとともに、併せて、その中立位置への戻り性を高めることで、操作ハンドルに連動する確実な動作を担保することができる。
本発明によれば、簡素な構成にて、回動操作の態様に応じた適切な戻し力を発生することができる。
車両用シートの斜視図。 車両用シートに設けられたシートリフター装置の側面図。 車両用シートの側面図。 シートリフター装置を構成する操作ハンドル及び回転制御装置の斜視図。 第1の実施形態における回転制御装置の分解斜視図。 回転制御装置の側面図。 第1の実施形態における回転制御装置の断面図(図6におけるVII−VII断面)。 第1の実施形態における回転制御装置の断面図(図6におけるVIII−VIII断面)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の分解斜視図。 回転制御装置の断面図(図7におけるX−X断面)。 回転制御装置の断面図(図7におけるXI−XI断面)。 (a)(b)は、連結機構の作用説明図。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(中立状態)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第1方向回動操作時:途中)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第1方向回動操作時:最大)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第2方向回動操作時:途中)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第2方向回動操作時:最大)。 第1の実施形態におけるハンドル戻し装置の作用説明図。 回転制御装置の断面図(図7におけるXIX−XIX断面)。 第2の操作部材を構成する操作プレート、及び連結機構を構成する連結部材の斜視図。 回転制御装置の動作説明図(中立状態)。 回転制御装置の動作説明図(第1方向回動操作時:途中)。 回転制御装置の動作説明図(第1方向回動操作時:最大)。 回転制御装置の動作説明図(第2方向回動操作時:途中)。 回転制御装置の動作説明図(第2方向回動操作時:最大)。 (a)(b)は、駆動レバーに設けられた保持係合部の作用説明図。 第2の実施形態におけるバネ部材の斜視図。 第2の実施形態における第2の入力部材の斜視図。 第2の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(中立状態)。 第2の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第1方向回動操作時:入力操作)。 第2の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第1方向回動操作時:最大)。 第2の実施形態におけるハンドル戻し装置の動作説明図(第1方向回動操作時:復帰操作)。 第2の実施形態におけるハンドル戻し装置の作用説明図。
[第1の実施形態]
以下、車両用シートリフター装置及びハンドル戻し装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3と、を備えている。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、図示しない車両の床部には、ブラケット4上に支持された左右一対のロアレール5が設けられている。また、これらのロアレール5には、当該各ロアレール5上を相対移動するアッパレール6が装着されている。そして、シート1は、これら各アッパレール6上に支持されている。
即ち、本実施形態では、相対移動可能に設けられたロアレール5及びアッパレール6によって、シートスライド装置7が形成されている。そして、車両の乗員は、このシートスライド装置7の機能を利用することにより、車両前後方向(図2中、左右方向)におけるシート1の位置調整を行うことができるようになっている。
また、本実施形態のシート1は、シートリフター装置10を介して各アッパレール6に固定されている。そして、車両の乗員は、このシートリフター装置10の機能を利用することにより、その上下方向におけるシート1の位置調整(シートクッション2の高さ調整)を行うことが可能となっている。
詳述すると、シートリフター装置10は、回動自在に設けられたリンク部材11を介して上方にシート1を支持するリンク機構12を備えている。具体的には、リンク機構12は、シートクッション2の骨格を構成するサイドフレーム13の前端部13a及びアッパレール6に設けられた支持部材8の前端部8aに対して回動可能に連結された前方リンク14と、サイドフレーム13の後端部13b及び支持部材8の後端部8bに対して回動可能に連結された後方リンク15と、を備えている。即ち、本実施形態のリンク機構12には、周知の平行リンク機構が用いられている。そして、これら各リンク部材11の回動に基づいて、その上方に支持するシート1を昇降動作させることが可能となっている。
尚、図2に示すように、本実施形態では、サイドフレーム13に対する前方リンク14及び後方リンク15の各連結点X1,X2は、支持部材8に対する前方リンク14及び後方リンク15の各連結点X3,X4よりも車両後方側に配置されている。即ち、リンク機構12の上方に支持されたシート1は、そのサイドフレーム13側の各連結点X1,X2が車両前方側に移動するように各リンク部材11が回動することによって、上方移動する。そして、各連結点X1,X2が車両後方側に移動するように各リンク部材11が回動することによって、下方移動するようになっている。
また、本実施形態では、上記リンク機構12を構成する上記各リンク部材11のうちの一つ、右側のサイドフレーム13に連結される後方リンク15には、その連結点X2を回動中心とするセクターギヤ16が形成されている。即ち、このセクターギヤ16は、後方リンク15と回動軸Q1を共有して一体に回動する。尚、本実施形態では、左右のサイドフレーム13(の後端部13b)間を連結するトルクロッド17が後方リンク15の回動軸Q1を構成する。そして、本実施形態のリンク機構12は、このセクターギヤ16を介して後方リンク15が駆動されることにより、その上方に支持されたシート1を昇降動作させることが可能となっている。
さらに詳述すると、図3及び図4に示すように、本実施形態では、サイドフレーム13の側方、シート幅方向外側(図3中、紙面手前側)には、シート1を昇降動作させるべく回動操作される操作ハンドル20が設けられている。また、図2に示すように、上記セクターギヤ16には、ピニオンギヤ18が噛合されている。そして、図2及び図4に示すように、これらのピニオンギヤ18と操作ハンドル20との間には、回転制御装置21が介在されている。
即ち、操作ハンドル20に入力される操作トルクは、回転制御装置21を介してピニオンギヤ18に伝達される。詳しくは、後述する操作ハンドル20の引き上げ動作に伴う操作トルクがピニオンギヤ18に伝達される。そして、本実施形態では、これにより、そのピニオンギヤ18の回転を制御することで、リンク機構12の上方に支持されたシート1の上下位置を調整することが可能となっている。
(回転制御装置及びハンドル戻し装置)
次に、本実施形態のシートリフター装置に設けられた回転制御装置及びハンドル戻し装置の構成について説明する。
図4〜図8に示すように、本実施形態の回転制御装置21は、一端に上記ピニオンギヤ18が設けられた回転軸22と、この回転軸22を回転自在に支持するブラケット23と、を備えている。
具体的には、本実施形態のブラケット23は、上記のようにシートクッション2の骨格を構成するサイドフレーム13、詳しくは、その外側面13cに固定される第1ブラケット23Aと、当該第1ブラケット23Aに対向して設けられた第2ブラケット23Bと、を備えている。尚、本実施形態では、これら第1ブラケット23A及び第2ブラケット23Bは、金属製の板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。また、これら第1ブラケット23A及び第2ブラケット23Bには、それぞれ、互いに対向する貫通孔25a,25bが形成されている。そして、上記回転軸22は、これらの貫通孔25a,25bに挿通された状態で回動自在に支持されている。
ここで、本実施形態のサイドフレーム13には、上記ピニオンギヤ18が設けられた回転軸22の第1端部22aを挿入可能な貫通孔26が形成されている。そして、本実施形態では、この貫通孔26を介することにより、そのピニオンギヤ18を、サイドフレーム13の内側面13d側に設けられたセクターギヤ16に対して噛合させることが可能となっている(図2参照)。
また、本実施形態の回転制御装置21は、上記操作ハンドル20に連動して回動する入力部材28と、操作ハンドル20に対する回動操作に基づき弾性変形するように構成されたバネ部材30と、を備えている。そして、本実施形態では、このバネ部材30が発生する戻し力(弾性力)に基づき入力部材28を付勢することによって、その回動操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させることが可能なハンドル戻し装置31が形成されている。
図3及び図4に示すように、本実施形態の操作ハンドル20は、その先端に設けられたハンドル部20aが車両前方側に向かって延びるレバー形状を有している。そして、この操作ハンドル20は、そのハンドル部20aが車両の床部に対して略水平となる位置を中立位置P0として、基端側が回転制御装置21に連結されている。
即ち、本実施形態のシートリフター装置10において、操作ハンドル20は、その先端に設けられたハンドル部20aを上方に引き上げる方向(第1方向)、又は下方に押し下げる方向(第2方向)に回動操作される。そして、操作入力のない場合には、そのハンドル戻し装置31の機能によって、当該操作ハンドル20に対する回動操作の基準となる上記の中立位置P0に復帰するように構成されている。
詳述すると、図7〜図11に示すように、本実施形態のハンドル戻し装置31は、相対回動可能に同軸配置された第1及び第2の入力部材28A,28Bを備えている。また、本実施形態のハンドル戻し装置31は、これら第1の入力部材28Aと第2の入力部材28Bとの間をトルク伝達可能に連結する連結機構32を備えている。そして、本実施形態では、その第1の入力部材28A側に対して上記操作ハンドル20が固定されるようになっている。
尚、本実施形態では、これら第1及び第2の入力部材28A,28Bは、金属製の板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。また、これら第1及び第2の入力部材28A,28Bは、それぞれ、その中心部に円孔33a,34aを有した円板部33,34を備えている。そして、その円孔33a,34a内に上記回転軸22の第2端部22bが挿通されることにより、当該回転軸22を支持軸Q2として相対回動可能に軸支されている。
また、第1及び第2の入力部材28A,28Bの各円板部33,34には、それぞれ、その各円孔33a,34aの径方向外側において周方向に延びる複数(本実施形態では各3つ)の係合孔35,36が形成されている。本実施形態では、これらの各係合孔35,36は、それぞれ、略円弧状の長孔形状を有して各円孔33a,34a周りに均等間隔で形成されている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、これら第1の入力部材28A側及び第2の入力部材28B側の各係合孔35,36の双方に係合する複数(本実施形態では3つ)の係合突部37を有した連結部材38を備えている。
本実施形態では、この連結部材38は、略円筒状の外形を有している。また、各係合突部37は、その回転軸22の第2端部22b側(図7及び図8中、上側)に配置される一方側の端部(第2端部38b)を周方向に沿って均等間隔で切り欠くことにより形成されている。そして、これら各係合突部37は、上記第1の入力部材28A側及び第2の入力部材28B側の各係合孔35,36と同様、周方向に延びる円弧状の断面を有している。
また、本実施形態では、この連結部材38は、その筒内に回転軸22が挿通されることにより当該回転軸22と同軸に配置されている。具体的には、上記第2ブラケット23Bに形成された貫通孔25bを挿通する軸方向位置に配置されている。そして、各係合突部37は、その第2ブラケット23B側に位置する第2の入力部材28B側(図7及び図8中、下側)から、当該第2の入力部材28B及び第1の入力部材28Aを貫通する態様で、これら第1及び第2の入力部材28A,28Bの各係合孔35,36の双方に挿入されるようになっている。
尚、本実施形態のハンドル戻し装置31は、回転軸22の第2端部22bが挿通される挿通孔39aと上記各係合孔35,36の双方に挿通された各係合突部37の先端に嵌合する複数(本実施形態では、3つ)の嵌合孔39bとを有した略円板状の取付部材39を備えている。そして、本実施形態では、この取付部材39と第2ブラケット23Bとの間、詳しくは、その貫通孔25bに取着された摺動プレート40(図5参照)との間に、第1及び第2の入力部材28A,28Bの各円板部33,34を挟み込むことによって、これら第1及び第2の入力部材28A,28Bの軸方向移動を規制する構成になっている。
ここで、図11に示すように、第2の入力部材28B側の円板部34に形成された各係合孔36は、その周方向長さが当該各係合孔36内に挿入される各係合突部37の周方向長さと略等しく設定されている。そして、本実施形態では、これにより各係合孔36内における各係合突部37の相対的な周方向移動が規制されることで、その第2の入力部材28Bと連結部材38とが相対回動不能に連結されるようになっている。
一方、図10に示すように、第1の入力部材28A側の円板部33に形成された各係合孔35は、その周方向長さが当該各係合孔36内に挿入される各係合突部37の周方向長さよりも長く設定されている。即ち、その周方向において各係合孔35内を各係合突部37が相対移動することが可能となっている。そして、本実施形態では、これにより、その第1の入力部材28Aと第2の入力部材28Bとの間をトルク伝達可能に連結するとともに、一方に対して他方側を遅れた位相で回動させることが可能な連結機構32が形成されている。
即ち、本実施形態の連結機構32は、第1の入力部材28A側及び第2の入力部材28B側の各係合孔35,36内に挿入された各係合突部37が、その双方に対して周方向移動不能に係合することによって、その連結部材38を介して第1及び第2の入力部材28A,28Bの一方側に入力された回動トルクを他方側に伝達することが可能となっている。
しかしながら、図12(a)(b)に示すように、本実施形態の連結機構32においては、その周方向長さの違いに基づいて第1の入力部材28A側の各係合孔35と各係合突部37との間に周方向隙間が形成されるようになっている。このため、第1及び第2の入力部材28A,28Bの一方に回動トルクが入力された場合には、見かけ上、その周方向隙間を詰めるように各係合孔35内を各係合突部37が相対移動することにより、第1の入力部材28Aと第2の入力部材28Bとの間の相対回動が許容される。そして、その後、各係合孔35内を移動した各係合突部37が何れかの周方向端部35a,35bに係合し、連結部材38を介してトルク伝達可能な状態になることによって、その一方から他方側が遅れた位相で、第1及び第2の入力部材28A,28Bが回動するようになっている。
具体的には、図12(a)に示すように、本実施形態のハンドル戻し装置31において、第1の入力部材28Aは、上記操作ハンドル20が第1方向に回動操作された場合には、同図中、反時計回りに回動する。このとき、連結部材38は、その各係合突部37が各係合孔35の第1周方向端部35aに係合することにより、その第1方向の回動トルクを第2の入力部材28Bに伝達可能な状態となる。そして、本実施形態の連結機構32は、その第1周方向端部35aに係合するまでの間、見かけ上、各係合孔35内を各係合突部37が移動する角度分に相当する遅れた位相で、第2の入力部材28Bを第1方向に回動させることが可能となっている。
一方、図12(b)に示すように、操作ハンドル20が第2方向に回動操作された場合、第1の入力部材28Aは、同図中、時計回りに回動する。このとき、連結部材38は、その各係合突部37が各係合孔35の第2周方向端部35bに係合することにより、その第2方向の回動トルクを第2の入力部材28Bに伝達可能な状態となる。そして、本実施形態の連結機構32は、その第2周方向端部35bに係合するまでの間、見かけ上、各係合孔35内を各係合突部37が移動する角度分に相当する遅れた位相で、第2の入力部材28Bを第2方向に回動させることが可能となっている。
また、図6〜図11に示すように、本実施形態のハンドル戻し装置31は、上記第1及び第2の入力部材28A,28Bの支持軸Q2を構成する回転軸22周りに延在するバネ本体41を有したバネ部材30を備えている。本実施形態では、このバネ部材30は、略円弧状(略C字状)に湾曲したバネ本体41を有する所謂リングバネとして形成されている。そして、バネ部材30は、その回転軸22の軸線方向において、第1の入力部材28Aと上記第2ブラケット23Bとの間に配置されている。
具体的には、本実施形態のハンドル戻し装置31において、第1の入力部材28Aは、上記円板部33の径方向外側に延設された円環部42と、この円環部42の外周縁から回転軸22の軸線方向、上記第2ブラケット23B側(図7及び図8中、下側)に延設された複数の折曲部43を備えている。また、本実施形態では、第1の入力部材28Aは、各折曲部43が円板部33の径方向外側に配置されるように、当該円板部33と円環部42とが段違いに形成されている。更に、本実施形態の第2の入力部材28Bは、その径方向外側が上記各折曲部43に包囲されるように、第1の入力部材28Aよりも小径に形成されている。そして、本実施形態のバネ部材30は、そのバネ本体41が第2の入力部材28Bの径方向外側を囲むように、各折曲部43の内側に配置されている。
また、本実施形態のバネ部材30は、その略C字状の外形を有するバネ本体41の周方向において、それぞれ離間した位置に設けられた複数の係合部(56,58)を備えている。そして、本実施形態では、上記第2ブラケット23B、並びに上記第1及び第2の入力部材28A,28Bには、それぞれ、上記操作ハンドル20の回動操作に基づいて、そのバネ部材30側の各係合部(56,58)に係合可能な係合突部(47〜49,53)が形成されている。
詳述すると、本実施形態のバネ部材30は、そのバネ本体41の両端部41a,41bから径方向内側に折り曲げられた折曲部46a,46bを有している。そして、第2ブラケット23B、並びに第1及び第2の入力部材28A,28Bには、それぞれ、これらの折曲部46a,46bの間に配置されることにより、当該各折曲部46a,46bを端末係合部56としてバネ部材30に係合可能な係合突部47〜49が設けられている。
具体的には、図9に示すように、第2ブラケット23Bの係合突部47は、上記第1の入力部材28Aの円環部42に対向する略円板状の第2ブラケット本体50の一部を、第1の入力部材28A側に折り曲げることにより形成されている。また、第1の入力部材28Aの係合突部48は、その円環部42の一部を第2ブラケット23B側に折り曲げることにより形成されている。更に、第2の入力部材28Bは、その円板部34から径方向外側に延びる複数の延伸部51a〜51cを有している。そして、第2の入力部材28Bの係合突部49は、その第1延伸部51aの先端を第1の入力部材28A側に折り曲げることにより形成されている。
図10に示すように、本実施形態では、第2ブラケット23Bの係合突部47が最も径方向外側に配置されている。そして、第1の入力部材28Aの係合突部48を挟んで、第2の入力部材28Bの係合突部49が最も径方向内側に配置されるようになっている。
また、図9及び図10に示すように、バネ部材30のバネ本体41には、当該バネ本体41を径方向に貫通する孔部52が形成されている。具体的には、この孔部52は、周方向に延びる長孔形状を有している。また、第1の入力部材28Aには、この孔部52内に挿入される係合突部53が設けられている。そして、本実施形態では、これにより、その周方向端部52aをバネ本体41の両端部41a,41b間に形成された中間係合部58として、孔部52内に挿入された係合突部53がバネ部材30に係合するようになっている。
即ち、図13に示すように、本実施形態のバネ本体41は、当該バネ本体41に形成された各係合部(56,58)のうちの周方向に離間した二つを第1及び第2のバネ端部SP1,SP2とした場合に、その両バネ端部SP1,SP2間の有効バネ長Lが異なる複数のバネ部(55a,55b)を有している。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、その操作ハンドル20に入力される回動操作の態様に基づいて、当該操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力を発生するバネ部(55a,55b)が変更されるようになっている。
詳述すると、図14及び図15に示すように、操作ハンドル20が第1方向に操作された場合、第1の入力部材28Aは、各図中、反時計回りに回動する。このとき、その第2ブラケット23Bに対する第1の入力部材28Aの相対的な回動位置が変化することで、第2ブラケット23B側の係合突部47と第1の入力部材28A側の係合突部48とが周方向に離間する。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、これにより、その第2ブラケット23Bの係合突部47及び第1の入力部材28Aの係合突部48が、それぞれ、バネ本体41の両端部41a,41bに設けられた端末係合部56としての各折曲部46a,46bに係合するように構成されている。
具体的には、操作ハンドル20に連動して回動する第1の入力部材28A側の係合突部48は、当該係合突部48よりも反時計回り方向、即ち第1方向側に配置された第1端部41a側の折曲部46aに係合する。また、これによりバネ部材30が第1の入力部材28Aとともに第1方向に回動しようとすることで、第2ブラケット23B側の係合突部47は、その第1方向に周方向移動しようとする第2端部41b側の折曲部46bに係合する。その結果、バネ部材30は、その端末係合部56を構成する両折曲部46a,46b間が押し広げられるように拡開する。
つまり、図13に示すように、本実施形態では、第1方向の回動操作時、バネ部材30は、そのバネ本体41の第1端部41aを第1のバネ端部SP1とし、第2端部41bを第2のバネ端部SP2とする第1のバネ部55aが弾性変形するようになっている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、その弾性変形した第1のバネ部55aが発生する戻し力に基づいて、その第1方向に操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させることが可能となっている。
一方、図16及び図17に示すように、操作ハンドル20が第2方向に操作された場合、第1の入力部材28Aは、各図中、時計回りに回動する。本実施形態では、このとき、第1の入力部材28Aに設けられた係合突部53が、そのバネ本体41に設けられた上記孔部52、詳しくは、その第2方向側に位置する孔部52の周方向端部52aを中間係合部58としてバネ部材30に係合するように構成されている。そして、これによりバネ部材30が第1の入力部材28Aとともに第2方向に回動しようとすることで、第2ブラケット23B側の係合突部47は、その第2方向に周方向移動しようとする第1端部41a側の折曲部46aに係合する。
つまり、図13に示すように、本実施形態では、第2方向の回動操作時、バネ部材30は、その中間係合部58としての孔部52の周方向端部52aを第1のバネ端部SP1とし、端末係合部56としての第1端部41a側の折曲部46aを第2のバネ端部SP2とする第2のバネ部55bが弾性変形するようになっている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、その弾性変形した第2のバネ部55bが発生する戻し力に基づいて、その第2方向に操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させることが可能となっている。
また、本実施形態では、操作ハンドル20が中立位置P0にある場合、第2ブラケット23B側の係合突部47及び第2の入力部材28B側の係合突部49は、その周方向両側が、バネ部材30の両折曲部46a,46b間に挟み込まれるようになっている。
即ち、本実施形態のバネ部材30は、操作ハンドル20の非操作時においても、その端末係合部56としての両折曲部46a,46bが設けられたバネ本体41の両端部41a,41bを第1及び第2のバネ端部SP1,SP2とする第1のバネ部55aが戻し力を発生するように構成されている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、これにより、その操作ハンドル20が中立位置P0にある場合における第2ブラケット23B、並びに上記第1及び第2の入力部材28A,28B間の相対的な回動位置を規定する構成となっている。
具体的には、本実施形態のハンドル戻し装置31は、操作ハンドル20が中立位置P0にある場合、その連結機構32を構成する各係合孔35内において、第1方向の回動操作時に係合する第1周方向端部35aから各係合突部37が離間するように、その第1及び第2の入力部材28A,28B間の相対的な回動位置を規定するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その第1方向の回動操作時、より確実に、操作ハンドル20が固定された第1の入力部材28Aから遅れた位相で第2の入力部材28Bが回動するようになっている(図12(a)(b)参照)。
さらに詳述すると、図3に示すように、本実施形態では、第1方向の回動操作時に発生する操作ハンドル20の最大操作量α1(引き上げ位置P1)と第2方向の回動操作時に発生する操作ハンドル20の最大操作量α2(押し下げ位置P2)とを比較した場合、その第2方向の回動操作時の最大操作量α2の方が、小さくなっている。
この点を踏まえ、本実施形態のバネ部材30は、上記のように、その有効バネ長L(L1,L2)の違いにより異なるバネ力が設定された複数のバネ部55a,55bが一体に形成された構造を有している。そして、本実施形態のハンドル戻し装置31は、第1方向の回動操作時には、その第1のバネ部55aが戻し力を発生し、第2方向の回動操作時には、その第2のバネ部55bが戻し力を発生するようにすることで、回動操作の方向に応じた適切な戻し力を操作ハンドル20に付与することが可能となっている。
即ち、図13に示すように、第1のバネ部55aと第2のバネ部55bと比較した場合、二つの端末係合部56を両バネ端部SP1,SP2とする第1のバネ部55aの有効バネ長L1よりも、中間係合部58を両バネ端部SP1,SP2の一方側とする第2のバネ部55bの有効バネ長L2の方が短くなっている(L=L2<L1)。そして、これにより、第2のバネ部55bの方が第1のバネ部55aよりも大きなバネ力(ばね定数)を有する構成となっている。つまり、第1のバネ部55aを基本バネ部とした場合、第2のバネ部55bは、その周方向の弾性変形量に応じて、より大きな戻し力を発生することが可能な強化バネ部となっている。
図18に示すように、本実施形態のハンドル戻し装置31は、この第1のバネ部55aと第2のバネ部55bとのバネ力の違いを利用することで、第1方向及び第2方向の何れの回動操作時においても、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力F(F1,F2)が略等しくなるように構成されている(F1≒F2)。そして本実施形態のシートリフター装置10は、これにより、その操作ハンドル20の良好な操作性を確保するとともに、併せて、その中立位置P0への戻り性を高めることにより、ハンドル戻し装置31に連動する各構成要素の確実な動作を担保する構成となっている。
尚、図18中、回動角度θ1,θ2は、それぞれ、操作ハンドル20の回動操作に基づき回動する第1の入力部材28Aの回動角度を「θ」とした場合において、その第1方向及び第2方向の回動操作時に発生する回動角度θの最大値である(図15及び図17参照)。そして、同図中、「F2´」は、第2方向の回動操作時においても第1のバネ部55aが発生する戻し力Fに基づき操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる構成とした場合(従来構成)の最大値である。
図9〜図11、及び図13〜図17に示すように、本実施形態では、第2ブラケット23Bには、第2の入力部材28Bの径方向外側、詳しくは、その円板部34の径方向外側において、第1の入力部材28A側に向かって突出するストッパ部59が設けられている。尚、このストッパ部59は、第2ブラケット本体50の一部を、第1の入力部材28A側に切り起こすことにより形成されている。そして、本実施形態では、このストッパ部59に対し、上記円板部34から径方向外側に突出する第2延伸部51b及び第3延伸部51cの何れかが当接することによって、その第2ブラケット23Bの回動が規制される。即ち、第1方向の回動操作時に発生する操作ハンドル20の最大操作量α1、及び第2方向の回動操作時に発生する操作ハンドル20の最大操作量α2が規定されるようになっている(図3参照)。
次に、上記ハンドル戻し装置31に連動する回転制御装置21の各構成要素について説明する。
図5、図7、図8及び図19に示すように、本実施形態の回転制御装置21は、ピニオンギヤ18と回転軸22を共有して一体に回転する爪車60を備えている。本実施形態では、この爪車60は、外周に複数の係合爪を形成してなる周知の構成を有して回転軸22と一体に形成されている。尚、ピニオンギヤ18もまた、回転軸22と一体に形成されている。そして、この爪車60は、その回転軸22の軸線方向において、上記第1ブラケット23Aと第2ブラケット23Bとの間に配置されている。
また、回転軸22の軸線方向、第2ブラケット23Bと爪車60と間には、上記第1及び第2の入力部材28A,28Bと同じく回転軸22を支持軸Q2として回動可能に支持された操作プレート61が設けられている。尚、本実施形態では、この操作プレート61は、金属製の板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。また、操作プレート61には、当該操作プレート61を厚み方向に貫通する貫通孔61aが形成されている。そして、操作プレート61は、その貫通孔61a内に回転軸22が挿通されることにより回動自在に軸支されている。
更に、図7、図8及び図20に示すように、本実施形態では、この操作プレート61には、上記のように第1の入力部材28Aと第2の入力部材28Bとの間をトルク伝達可能に連結可能な連結機構32を構成する連結部材38の第1端部38aが接続されている。具体的には、本実施形態の操作プレート61は、その貫通孔61a内に略円筒状をなす連結部材38の第1端部38aが嵌合されることにより、当該連結部材38に対して相対回転不能に連結されている。そして、本実施形態では、これにより、その操作プレート61が、操作ハンドル20に連動して回動する第1の入力部材28Aから遅れた位相で回動するように構成されている。
即ち、本実施形態では、操作ハンドル20に固定された第1の入力部材28Aが第1の操作部材62Aを構成し、第2の入力部材28Bに固定された操作プレート61が、その第1の入力部材28Aから遅れた位相で回動する第2の操作部材62Bを構成する。そして、本実施形態の回転制御装置21は、その操作ハンドル20に対する回動操作により生ずる操作部材62(62A,62B)と上記ブラケット23との間の相対的な位置変化に基づいて、そのブラケット23に回転軸22が支持されたピニオンギヤ18の回転を制御する構成となっている。
詳述すると、図5、図7及び図19に示すように、本実施形態の回転制御装置21は、爪車60に係合することによりシート1が下方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転(図19中、爪車60が時計回りに回転する方向)を規制可能な係止レバー63を備えている。そして、本実施形態の回転制御装置21は、更に、爪車60に係合する状態で上記第2の操作部材62Bと一体に回動することにより、その操作ハンドル20に入力された第1方向の回動操作に基づいてシート1が上方移動する方向にピニオンギヤ18を回転駆動することが可能な駆動レバー64を備えている。
具体的には、本実施形態の回転制御装置21は、その両端が上記第1ブラケット23A及び第2ブラケット23Bに支持されることにより回転軸22と略平行に延びる複数(本実施形態では、二本)の支軸65を備えている。また、本実施形態では、これらの支軸65は、その爪車60周りの均等間隔となる位置(周方向に180°離間した位置)に設けられている。そして、本実施形態の回転制御装置21は、これらの各支軸65に軸支されることにより爪車60の径方向外側において回動可能に設けられた複数(本実施形態では、二つ)の上記係止レバー63を備えている。
また、本実施形態の回転制御装置21は、その一端が上記第2の操作部材62Bを構成する操作プレート61に固定されることにより、上記第1ブラケット23A側に向かって回転軸22と略平行に延びる複数(本実施形態では、二本)の支軸66を備えている。そして、本実施形態では、これらの支軸66もまた、その爪車60周りの均等間隔となる位置(周方向に180°離間した位置)に設けられている。
尚、本実施形態では、これらの各支軸66は、その一方の軸端が操作プレート61に形成された嵌合孔61b(図20参照)に嵌合することにより当該操作プレート61に固定されている。
また、これらの各支軸66は、図19に示されるような操作ハンドル20が中立位置P0に復帰した状態にある場合において、上記ブラケット23に設けられた各支軸65に対し、その周方向において、それぞれ約90°ずれた位置に配置されるように構成されている。そして、本実施形態の回転制御装置21は、これらの各支軸66に軸支されることにより爪車60の径方向外側において回動可能に設けられた複数(本実施形態では、二つ)の上記駆動レバー64を備えている。
さらに詳述すると、本実施形態では、各支軸65,66には、それぞれ、付勢部材としての捩りコイルバネ68,69が嵌装されている。そして、図21に示すように、各係止レバー63及び各駆動レバー64は、これら各捩りコイルバネ68,69の弾性力に基づいて、その先端に設けられた係合爪70が爪車60(の係合爪)に係合する方向(図19中、反時計回地方向)に回動付勢されている。
ここで、本実施形態では、係止レバー63の支軸65は、当該係止レバー63の係合爪70と爪車60(の係合爪)との係合面S1に交差する方向、詳しくは、その略法線方向、回転を規制する側に配置されている。そして、これにより、同図中、時計回り方向における爪車60の回転、即ちシート1が下方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転を規制可能な圧力角が設定されている。
同様に、駆動レバー64の支軸66もまた、当該駆動レバーの係合爪70と爪車60との係合面S2に交差する方向、詳しくは、その略法線方向、回転を規制する側に配置されている。そして、これにより、図21中、反時計回り方向に爪車60を回転駆動することが可能な圧力角が設定されている。
即ち、上記のように、本実施形態では、第1及び第2の操作部材62A,62Bは、操作ハンドル20を引き上げる第1方向の回動操作に基づいて(図3参照)、図13中、反時計回り方向に回動する。このとき、本実施形態の駆動レバー64は、第2の操作部材62Bを構成する操作プレート61と一体に回動することにより、その支軸66とともに、爪車60の外周に沿って、図19中、反時計回りに周方向移動する。そして、本実施形態の駆動レバー64は、これにより、その係合状態にある爪車60を図19中、反時計回り方向、つまりシート1が上方移動する方向に回転駆動することが可能となっている。
また、本実施形態では、各係止レバー63は、上記規制方向とは逆向きに爪車60が回転した場合、即ちシート1が上方移動する方向に回転した場合には、その係合爪70が爪車60(の係合爪)との係合面S1上を滑るように構成されている。同様に、各駆動レバー64もまた、その規制方向とは逆向き、即ち当該駆動レバー64が爪車60を回転駆動する方向とは逆向きに周方向移動した場合(図19中、時計回り方向)、その係合爪70が爪車60(の係合爪)との係合面S2上を滑るように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、爪車60との間で、各係止レバー63及び各駆動レバー64がラチェット機構を形成するように構成されている。
更に、図5、図8及び図19に示すように、本実施形態の回転制御装置21は、操作ハンドル20を引き下げる第2方向の回動操作に基づいて(図3参照)、爪車60に対する各係止レバー63の係合を解除させる係止レバー制御片71、及び爪車60に対する各駆動レバー64の係合を解除させる駆動レバー制御片72を備えている。
詳述すると、これらの各係止レバー制御片71及び各駆動レバー制御片72は、それぞれ、操作ハンドル20に入力される回動操作に基づき上記第1及び第2の操作部材62A,62Bとブラケット23とが相対回動することにより、その制御対象となる各係止レバー63及び各駆動レバー64との相対位置が周方向に変化するように構成されている。そして、第2方向の回動操作時には、これらの各係止レバー制御片71及び各駆動レバー制御片72が、それぞれ、各係止レバー63及び各駆動レバー64を押圧することにより、当該各係止レバー63及び各駆動レバー64が爪車60から脱離する方向(図19中、時計回り方向)に回動するようになっている。
図5及び図8に示すように、各係止レバー制御片71は、第1の操作部材62Aを構成する第1の入力部材28Aに対し、その先端74aが回転軸22の軸線方向、第1ブラケット23A側(図8中、下側)に向かって突出する軸状部材74を固定することにより形成されている。尚、本実施形態では、上記第2ブラケット本体50には、周方向に延びる複数の長孔75が形成されている。そして、各係止レバー制御片71は、これらの長孔75に挿通されることにより、第2ブラケット23Bに干渉することなく、第1の操作部材62Aと一体に回動することが可能となっている。
更に、本実施形態では、第1ブラケット23Aについてもまた、上記第2ブラケット本体50に設けられた各長孔75と同様、周方向に延びる複数の長孔76が形成されている。そして、各係止レバー制御片71は、その先端(各軸状部材74の先端74a)が各長孔76に挿通されることにより、当該各長孔76に案内される態様で、そのブラケット23に対する第1の操作部材62Aの相対回動に基づいて、爪車60の径方向外側を周方向移動するように構成されている。
一方、図5、図8及び図19に示すように、各駆動レバー制御片72は、第1ブラケット23Aに設けられている。具体的には、各駆動レバー制御片72は、第1ブラケット23Aの一部分を第2ブラケット23B側に切り起こすことにより、その先端が第2ブラケット23B側(図8中、上側)に向かって突出する態様で設けられている。また、本実施形態では、これら各駆動レバー制御片72は、爪車60の径方向外側において、当該爪車60と各駆動レバー64の支軸66との間の位置に配置されている。そして、これにより、各駆動レバー64は、そのブラケット23に対する上記第2の操作部材62Bの相対回動に基づいて、見かけ上、これらの各駆動レバー制御片72よりも径方向外側を周方向移動するように構成されている。
さらに詳述すると、図19に示すように、本実施形態の係止レバー制御片71は、操作ハンドル20が中立位置P0にある場合、爪車60に係合する係止レバー63に当接するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その爪車60から脱離する係止レバー63の動作、即ち同図中、時計回り方向の回動を規制することで、そのシート1が上方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転を規制する構成となっている。
具体的には、図21に示すように、本実施形態の係止レバー63は、その爪車60との係合状態において当該爪車60の径方向外側に向かって突出する規制突部80を備えている。そして、操作ハンドル20が中立位置P0にある場合には、その規制突部80の先端80aに対して係止レバー制御片71が当接するように構成されている。
即ち、図22に示すように、係止レバー制御片71は、操作ハンドル20を引き上げる第1方向の回動操作時、第1の操作部材62Aと一体に回動することにより、爪車60の径方向外側を、同図中、反時計回り方向に周方向移動する。そして、その規制突部80の先端80aから係止レバー制御片71が離間することにより、各係止レバー63の回動が許容される。つまり、第1方向の回動操作には、そのシート1が上方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転時、爪車60から脱離する各係止レバー63の回動動作が許容されるようになっている。
また、本実施形態では、このとき、第1の操作部材62Aが第2の操作部材62Bに先行して回動するように構成されている。即ち、駆動レバー64の支軸66が設けられた第2の操作部材62Bは(図7参照)、上記連結機構32を構成する連結部材38の各係合突部37が、第1の操作部材62A(第1の入力部材28A)に形成された上記各係合孔35の第1周方向端部35aに係合することにより、その第1方向の回動トルクが伝達される状態となる(図12(a)参照)。そして、本実施形態では、これにより第1の操作部材62Aから遅れた位相で第2の操作部材62Bが回動することで、図22に示すように、その各係止レバー63の規制突部80から各係止レバー制御片71が離間した後、第2の操作部材62Bと一体に回動する各駆動レバー64が、その係合する爪車60を回転駆動するようになっている。
図23に示すように、本実施形態では、各駆動レバー64は、上記操作ハンドル20が中立位置P0から引き上げ位置P1まで回動操作されることにより(図3参照)、その中立位置P0に対応する位置N0から引き上げ位置P1に対応する位置N1まで、同図中、反時計回りに周方向移動する(回動角度θ1´)。そして、本実施形態の回転制御装置21は、これにより、操作ハンドル20に対して使用者が行う一回の引き上げ操作によって、爪車60の二歯分、その回転軸22を共有するピニオンギヤ18を回転駆動することが可能となっている。
尚、引き上げ操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作時には、その爪車60に係合する各係止レバー63によって、シート1が下方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転が規制される。また、このとき、各駆動レバー64が上記爪車60を回転駆動する方向とは逆向きに周方向移動することによって、その爪車60から脱離する各駆動レバー64の動作が許容される。そして、本実施形態の回転制御装置21は、これにより、上記一回の引き上げ操作により回転駆動した爪車60の回転位置(二歯分)を保持しつつ、各駆動レバー64が上記引き上げ位置P1に対応する位置N1から中立位置P0に対応する位置N0に復帰するように構成されている。
また、図21に示すように、本実施形態では、各係止レバー63には、上記規制突部80よりも爪車60の径方向外側に突出する押圧突部81が設けられている。即ち、上記のように爪車60の径方向外側に突出する規制突部80の先端80aに対して係止レバー制御片71が当接することで、各係止レバー制御片71が特定の移動位置にある場合、つまりは操作ハンドル20が中立位置P0にある場合に限定して、各係止レバー制御片71を各係止レバー63に当接させることができる。しかしながら、その反面、操作ハンドル20が中立位置P0ある場合以外は、各係止レバー制御片71が各係止レバー63に当接し難くなるという問題がある。
この点を踏まえ、図24及び図25に示すように、本実施形態の係止レバー63には、その爪車60の径方向外側を移動する係止レバー制御片71の軌跡に交差するような押圧突部81が形成されている。そして、操作ハンドル20を押し下げる第2方向の回動操作時には、この押圧突部81を係止レバー制御片71が押圧することによって、確実に、各係止レバー63を爪車60から脱離させる方向(各図中、時計回り方向)に回動させることが可能となっている。
尚、本実施形態の係止レバー63には、上記規制突部80と押圧突部81との間に溝部82が形成されている。そして、操作ハンドル20の押し下げ操作時には、その周方向移動する係止レバー制御片71が、この溝部82内に侵入するように構成されている。
即ち、本実施形態の係止レバー63は、その溝部82に連続する押圧突部81の側壁81aを係止レバー制御片71が押圧することにより回動する。そして、本実施形態の回転制御装置21は、これにより、その操作ハンドル20が中立位置P0から押し下げ位置P2まで回動操作される過程において(回動角度θ2´、図3参照)、各係止レバー63が爪車60から脱離するように構成されている。
また、本実施形態の回転制御装置21は、操作ハンドル20を押し下げる第2方向の回動操作に基づいて、爪車60の径方向外側を各駆動レバー64が周方向移動することにより、その第1ブラケット23Aに設けられた各駆動レバー制御片72が径方向内側から各駆動レバー64に当接するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その各駆動レバー制御片72に押圧された各駆動レバー64が、各図中、時計回りに回動することによって、操作ハンドル20が中立位置P0から押し下げ位置P2まで回動操作される過程において、各駆動レバー64が爪車60から脱離するように構成されている。
ここで、本実施形態の駆動レバー64には、操作ハンドル20の押し下げ操作時、当該駆動レバー64を押圧する駆動レバー制御片72に係合することにより、その爪車60から脱離した状態を保持可能な保持係合部83が設けられている。
即ち、図26(a)(b)に示すように、各駆動レバー64に当接した各駆動レバー制御片72は、当該各駆動レバー64を押圧しつつ、その当接面64s上を摺動する。尚、実際には、第2の操作部材62Bと一体に回動する駆動レバー64の方が、各図中、右側から左側に向かって移動する。そして、これにより、駆動レバー制御片72は、見かけ上、当接面64s上を、各図中、左側から右側に向かって摺動することになる。
本実施形態の保持係合部83は、この当接面64s上に駆動レバー制御片72が乗り越え可能な段部84を形成する。そして、本実施形態では、その段部84を各図中、左側から右側に乗り越えた位置において駆動レバー制御片72が保持係合部83に係合することにより、その駆動レバー64と爪車60との係合が解除された状態が保持されるようになっている。
尚、このような駆動レバー制御片72と保持係合部83との係合状態は、操作ハンドル20が中立位置P0に復帰する過程において、その保持係合部83が形成する段部84を、各図中、駆動レバー制御片72が右側から左側に乗り越えることにより解消される。そして、本実施形態では、これにより、その駆動レバー64と爪車60とが係合する状態に移行するようになっている。
次に、上記のように構成された回転制御装置21を有するシートリフター装置10の作用について説明する。
図21に示すように、操作ハンドル20が中立位置P0にある場合(図3参照)、回転制御装置21においては、その爪車60に対して各係止レバー63が係合した状態になっている。そして、本実施形態では、これにより、そのシート1が下方移動する方向における爪車60に回転、即ち当該爪車60と回転軸22を共有するピニオンギヤ18の回転が規制されている。
また、このとき、各係止レバー63に各係止レバー制御片71が当接することによって、その爪車60から脱離する各係止レバー63の動作が規制される。そして、これにより、シート1が上方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転を規制することで、そのリンク機構12に支持されたシート1の上下位置が安定的に保持されるようになっている。
図22及び図23に示すように、操作ハンドル20を引き上げる第1方向の回動操作時には、第2の操作部材62Bと一体に設けられた各駆動レバー64が爪車60の径方向外側を各図中、反時計回りに周方向移動する。そして、これにより、これら各駆動レバー64が、その係合状態にある爪車60をシート1が上方移動する方向に回転駆動するようになっている。
また、このとき、第2の操作部材62Bが第1の操作部材62Aから遅れた位相で回動することで、各係止レバー制御片71は、各駆動レバー64が爪車60を回転駆動する前に各係止レバー63から離間する。そして、これにより、爪車60から各係止レバー63が脱離可能な状態で、その各駆動レバー64による回転駆動が開始されるようになっている。
更に、引き上げ操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作時には、その爪車60に係合する各係止レバー63によって、シート1が下方移動する方向におけるピニオンギヤ18の回転が規制される。また、このとき、各駆動レバー64が上記爪車60を回転駆動する方向とは逆向きに周方向移動することによって、その爪車60から脱離する各駆動レバー64の動作が許容される。そして、これにより、上記一回の引き上げ操作により回転駆動した爪車60の回転位置(二歯分)が保持されたまま、各駆動レバー64が上記引き上げ位置P1に対応する位置N1から中立位置P0に対応する位置N0に復帰する。
そして、本実施形態のシートリフター装置10は、このような操作ハンドル20を第1方向に回動させて中立位置P0から上方に引き上げる入力操作、及びその引き上げ操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作を繰り返すことにより、そのリンク機構12に支持されたシート1を上方に移動させることが可能となっている。
一方、図24及び図25に示すように、操作ハンドル20を押し下げる第2方向の回動操作時には、爪車60の径方向外側を各図中、時計回りに周方向移動する各係止レバー制御片71が各係止レバー63を押圧することで、各係止レバー63が爪車60から脱離する。また、このとき、各駆動レバー64は、爪車60の径方向外側を各図中、時計回りに周方向移動することにより、その径方向内側に配置された各駆動レバー制御片72に当接する。そして、これら各駆動レバー制御片72に押圧されることにより、各駆動レバー64が爪車60から脱離する。
本実施形態のシートリフター装置10は、こうした操作ハンドル20を第2方向に回動させて中立位置P0から下方に押し下げる入力操作を維持することにより(押し下げ位置P2)、ピニオンギヤ18の自由回転が許容される。そして、これにより、そのリンク機構12に支持されたシート1を下方に移動させることが可能となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ハンドル戻し装置31は、操作ハンドル20に連動して回動する入力部材28(28A,28B)と、異なるバネ力を有して入力部材28の支持軸Q2周りに延在する複数のバネ部55a,55bが一体に形成されたバネ部材30と、を備える。各バネ部55a,55bは、操作ハンドル20の回動操作に基づいて、その周方向に離間した両バネ端部SP1,SP2の一方側が入力部材28に係合するとともに他方側がブラケット23(23B)に係合して弾性変形することにより、入力部材28を付勢して操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力を発生する。そして、ハンドル戻し装置31は、その回動操作の態様に応じて戻し力を発生するバネ部55a,55bが変更されるように構成される。
上記構成によれば、簡素な構成にて、回動操作の態様に応じた適切な戻し力を発生することができる。その結果、操作ハンドル20の良好な操作性を確保することができる。また、中立位置P0への戻り性を高めることにより、その中立位置P0において、操作ハンドル20に連動する回転制御装置21の各構成要素を適切な位置に配置することができる。そして、これにより、その確実な動作を担保することができる。
また、各バネ部55a,55bを一つのバネ部材30として一体に形成することで、その入力部材28に係合して戻し力を発生しているバネ部と他のバネ部とが連動するようになる。そして、これにより、その戻し力を発生する各バネ部55a,55bと入力部材28との間の係合関係を容易に変更することができる。その結果、その回動操作の態様に応じて発生する戻し力を精度よく設定することができる。
(2)バネ部材30は、両バネ端部SP1,SP2間の有効バネ長L(L1,L2)が異なる複数のバネ部55a,55bを備える。
上記構成によれば、容易に、異なるバネ力を有して支持軸Q2周りに延在する複数のバネ部55a,55bを一体に形成することができる。また、その有効バネ長Lに基づいて、各バネ部55a,55bのバネ力を容易且つ高精度に設定することができる。更に、その両バネ端部SP1,SP2の少なくとも一方を、それぞれ、異なる周方向に配置することが可能になることで、その戻し力を発生する各バネ部55a,55bと入力部材28との間の係合関係をより一層容易に変更することができる。そして、これにより、構成簡素、且つ精度よく、その回動操作の態様に応じた適切な戻し力を発生することができる。
(3)バネ部材30は、支持軸Q2周りに延在するバネ本体41の両端部41a,41b間に形成された中間係合部58を両バネ端部SP1,SP2の一方側とした強化バネ部(50a)を備える。
上記構成によれば、バネ本体41の形状に大きな変更を加えることなく、簡素な構成にて、そのバネ力の大きな強化バネ部を形成することができる。そして、この強化バネ部を用いることで、その発生可能な戻し力を高めることができる。
(4)中間係合部58は、バネ本体41に設けられた孔部52により形成される。これにより、構成簡素且つ容易に、中間係合部58を形成することができる。
(5)バネ部材30は、第1方向の回動操作時に戻し力を発生する第1方向操作時用のバネ部(55a)と、第2方向の回動操作時に戻し力を発生する第2方向操作時用のバネ部(55b)と、を備える。
上記構成によれば、その回動操作の方向に応じた適切な戻し力を発生することができる。その結果、良好な操作性を確保することができる。そして、中立位置P0への戻り性を高めることで、その操作ハンドル20の回動操作に連動する構成要素を有した回転制御装置21の確実な動作を担保することができる。
(6)操作ハンドル20は、シート1の側方において上下方向に回動操作可能に設けられる。
即ち、シート1の側方において上下方向に回動操作されるシートリフター装置10の操作ハンドル20については、その押し下げ操作に大きな回動操作量を設定することが困難な場合である。しかしながら、上記(1)〜(5)の構成により、押し下げ操作時、より大きなバネ力を有する強化バネ部(55b)が入力部材に対して係合するように構成することで、少ない回動操作量でも大きな戻し力を発生させることができる。そして、これにより、良好な操作性を確保することができるとともに、併せて、その中立位置P0への戻り性を高めることにより、操作ハンドル20に連動する構成要素を有した回転制御装置21の確実な動作を担保することができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用シートリフター装置に設けられたハンドル装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図27〜図29に示すように、本実施形態では、ハンドル戻し装置131を構成するバネ部材130は、そのバネ本体141を径方向に貫通する複数の孔部を有している。
本実施形態のバネ部材130において、バネ本体141には、上記第1の実施形態におけるバネ部材30と同様、第1の入力部材28Aに設けられた係合突部53が挿入されることにより、その周方向端部52aが中間係合部58を構成する孔部52が形成されている。そして、本実施形態のバネ部材130は、更に、そのバネ本体141の周方向において上記孔部52とは異なる位置に形成された孔部92を備えている。
具体的には、孔部52は、そのバネ本体141の周方向において第2端部141bに近い位置に形成されている。これに対し、孔部92は、第1端部141aに近い位置に形成されている。尚、本実施形態では、この孔部92もまた、周方向に延びる長孔形状を有している。そして、この孔部92の周方向長さは、孔部52よりも短く設定されている。
また、本実施形態では、第2の入力部材128Bには、この孔部92内に挿入される係合突部93が設けられている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置131は、操作ハンドル20に対する回動操作に基づいて、その孔部92の周方向端部92aを第2の中間係合部58bとして、当該孔部92内に挿入された係合突部93がバネ部材130に係合するように構成されている。
即ち、図29に示すように、本実施形態のバネ部材130は、その孔部92が形成する第2の中間係合部58bを両バネ端部SP1,SP2とする第3のバネ部55cを備えている。また、この第3のバネ部55cは、その有効バネ長L3の短さから、孔部52が形成する第1の中間係合部58を両バネ端部SP1,SP2の一方側とする第2のバネ部55bと同様、二つの端末係合部56を両バネ端部SP1,SP2とする基本バネ部としての第1のバネ部55aよりも大きな戻し力を発生することが可能な強化バネ部となっている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置131は、その操作ハンドル20に入力される回動操作の態様に基づいて、当該操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力を発生するバネ部(55a〜55c)が変更されるようになっている。
詳述すると、図30及び図31に示すように、本実施形態のハンドル戻し装置131は、第1方向の回動操作において、その中立位置P0から操作ハンドル20を上方に引き上げる入力操作時には、上記第1の実施形態と同様、第1のバネ部55aが、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力を発生するように構成されている。
即ち、このとき、第2の入力部材128Bは、第1の入力部材128Aから遅れた位相で回動する。このため、第2の入力部材128Bに設けられた係合突部93が第2の中間係合部58bを構成する孔部92の周方向端部92aに当接するよりも先に、第1の入力部材128Aに設けられた係合突部48が第1端部141a側の端末係合部56に係合する。また、これにより、各図中、反時計回り方向、つまりは第1方向にバネ部材130が押圧されることで、上記係合突部93と孔部92の周方向端部92aとが離間した状態となる。そして、本実施形態のハンドル戻し装置131は、その第1方向における操作ハンドル20の最大操作量α1が発生する引き上げ位置P1においても、この離間状態が維持されるようになっている。
一方、図32に示すように、上記のような操作ハンドル20を第1方向に回動させる引き上げ操作をやめた場合には、第1及び第2の入力部材128A,128Bは、バネ部材130が発生する戻し力に基づいて、各図中、時計回り方向、つまりは第2方向に回動することになる。
本実施形態のハンドル戻し装置131は、このとき、第2の入力部材128Bに設けられた係合突部93が、その挿入された孔部92の周方向端部92aに当接するように構成されている。即ち、本実施形態では、第1方向に回動操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作時には、その孔部92が形成する第2の中間係合部58bを第1のバネ端部SP1とし、バネ本体141の第2端部41bに設定された端末係合部56を第2のバネ端部SP2とする第3のバネ部55cが弾性変形するようになっている。そして、本実施形態のハンドル戻し装置131は、その弾性変形した第3のバネ部55cが発生する戻し力に基づいて、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させるように構成されている。
そして、第2方向の回動操作時には、上記第1の実施形態と同様、孔部52が形成する第1の中間係合部58を第1のバネ端部SP1とし、第1端部141a側の端末係合部56を第2のバネ端部SP2とする第2のバネ部55bが、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる戻し力を発生するように構成されている。
次に、上記のように構成された本実施形態におけるハンドル戻し装置131の作用について説明する。
即ち、図33に示すように、本実施形態では、第1方向に回動操作された操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作時、その有効バネ長Lの短い、つまりバネ力の大きい強化バネ部(L=L3<L1)として構成された第3のバネ部55cを用いることで、より強い戻し力Fを発生させることができる。尚、同図中、「F1」は、第1のバネ部55aを用いる入力操作時の戻し力Fの最大値であり、「F1´」は、第3のバネ部55cを用いる復帰操作時の戻し力Fの最大値である(F1´>F1)。そして、本実施形態では、これにより、その中立位置P0への戻り性を高めることにより、その中立位置P0における第1及び第2の入力部材128A,128Bの相対位置を高精度に規定し、回転制御装置21の各構成要素を適切な位置に復帰させることによって、その確実な動作を担保する構成になっている。
以上、本実施形態の構成によれば、操作ハンドル20を中立位置P0から回動させる入力操作時の戻し力(F1)と、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させる復帰操作時の戻し力(F1´)と、を異なる値に設定することができる。そして、これにより、より良好な操作性を確保することができる。
また、シートリフター装置10を構成する回転制御装置21のように、復帰操作時、そのバネ部材130が発生する戻し力(F)に基づき各構成要素を動作させるものにおいては、その復帰操作時の戻し力(F1´)を高めることで、より精度よく、第1及び第2の入力部材128A,128Bの相対位置を規定することができる。そして、これにより、回転制御装置21の各構成要素を適切な位置に復帰させることで、その確実な動作を担保することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、操作ハンドル20は、第1の入力部材28Aに固定される。そして、第1及び第2の入力部材28A,28Bは、その操作ハンドル20が回動操作されることにより、当該操作ハンドル20と一体に回動することとした。しかし、これに限らず、例えば、ギヤ等を介して操作ハンドル20と入力部材28とが連結される構成であってもよい。そして、その操作ハンドル20と入力部材28(28A,28B)とが、必ずしも同軸に配置されていなくともよい。
・上記各実施形態では、操作ハンドル20を上方に引き上げる回動操作を第1方向の回動操作とし、下方に押し下げる回動操作を第2方向の回動操作としたが、その第1及び第2の回動方向は、必ずしも上下方向に限るものではない。例えば、その操作ハンドル20が左右、或いは前後に操作されるものに適用してもよい。
・上記第1の実施形態では、ハンドル戻し装置31は、第1及び第2の入力部材28A,28Bを備えることとした。しかし、これに限らず、その操作ハンドル20に連動して回動する入力部材28の数は、一つであっても3つ以上であってもよい。
・上記各実施形態では、ブラケット23(第2ブラケット23B)を、その両バネ端部SP1,SP2の何れかが係合する固定部材とした。しかし、これに限らず、その固定部材は、任意に変更してもよい。そして、ブラケット23を用いる場合についてもまた、形状を含め、その構成は任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、各係合孔35が形成された第1の入力部材28A(128A)を第1係合体とし、第2の入力部材28B(128B)に連結された連結部材38を第2係合体として、その連結機構32が構成されることとした。しかし、これに限らず、第2の入力部材28B側に係合孔を有する第1係合体を設け、第1の入力部材28A側に係合突部を有する第2係合体を設ける構成としてもよい。更に、第1及び第2の入力部材28A,28Bとは別体に形成された第1係合体及び第2係合体によって連結機構32が形成される構成であってもよい。また、係合孔35及び係合突部37の数や形状は、任意に変更してもよい。そして、第1の入力部材28Aと第2の入力部材28Bとの間をトルク伝達可能に連結するとともに、一方に対して他方側を遅れた位相で回動させることが可能な構成であれば、その係合孔35と係合突部37との係合以外の構成によって、その連結機構32が形成されるものであってもよい。
・また、上記各実施形態では、第1方向の回動操作時、第1の入力部材28Aから遅れた位相で第2の入力部材28Bが回動することとした。しかし、これに限らず、第2方向の回動操作時についてもまた、積極的に第1の入力部材28Aから遅れた位相で第2の入力部材28Bが回動するようにしてもよい。
尚、これは、例えば、中立位置P0において、その第1方向の回動操作時に係合した各係合孔35の周方向端部35aから係合突部37が離間するのみならず、第2方向の回動操作時に係合した各係合孔35の周方向端部35bからも係合突部37が離間するように構成することで、容易に具現化することができる。
・更に、第2方向の回動操作時については、第1の入力部材28Aから遅れることなく第2の入力部材28Bが回動する構成としてもよい。尚、これは、中立位置P0において、各係合孔35の周方向端部35bに係合突部37が当接するように構成することで、容易に具現化することができる。
・また、バネ部材30(130)の形状については、任意に変更してもよい。例えば、そのバネ本体41(141)の形状は、必ずしも略C字状でなくともよく、一又は複数の折曲部を有して支持軸Q2周りに延在する折曲形状であってもよい。
・更に、その中間係合部の形成方法についても任意に変更してもよい。例えば、孔部52は、バネ本体41の幅方向端部を切り欠くものであってもよい。また、孔部52は、必ずしもバネ本体41を径方向に貫通するものでなくともよい。支持軸Q2の軸線方向に貫通するものであってもよく、必ずしも貫通孔でなくともよい。そして、そのバネ本体に形成された凸状部が中間係合部を構成するものであってもよい。即ち、入力部材28とバネ部材30(130)との係合構造についてもまた、任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、第1方向の回動操作時に戻し力を発生する第1のバネ部55aを基本バネ部(L=L1)とし、第2方向の回動操作時に戻し力を発生する第2のバネ部55bについては、その基本バネ部よりも有効バネ長Lの短い強化バネ部(L=L2<L1)とした。しかし、これに限らず、第1方向操作時用のバネ部を強化バネ部とし、第2方向操作時用のバネ部を基本バネ部とする構成としてもよい。そして、その戻し力を発生するバネ部が変更されるものであれば、その第1方向操作時用及び第2方向操作時用の双方に強化バネ部を用いる構成であってもよい。
・また、第2の実施形態では、第1方向の回動操作時において、その操作ハンドル20を中立位置P0から回動させるときに戻し力を発生する第1のバネ部55aを基本バネ部(L=L1)とし、その操作ハンドル20を中立位置P0に復帰させるときに戻し力を発生する第3のバネ部55cを強化バネ部(L=L3<L1)とした。しかし、これに限らず、その戻し力を発生するバネ部が変更されるものであれば、その入力操作時用及び復帰操作時用の双方に強化バネ部を用いる構成であってもよい。また、第1方向の回動操作時においても、このような入力操作時用及び復帰操作時用のバネ部を設定してもよい。そして、その入力操作時用のバネ部を強化バネ部とし、その復帰操作時用のバネ部を基本バネ部とする構成についてもまた、これを排除しない。
・更に、そのバネ部材に形成される中間係合部58の数は、3つ以上であってもよい。そして、二つの端末係合部56を含め、その周方向に離間した二つを両バネ端部SP1,SP2とするものであれば、何れのバネ部を用いてもよい。即ち、両端末係合部56を用いることなく、周方向に離間した二つの中間係合部58を両バネ端部SP1,SP2としたバネ部が戻し力を発生する構成であってもよい。
・上記実施形態では、有効バネ長L(L1〜L3)の違いに基づいて、各バネ部(55a〜55c)に異なるバネ力を設定することとした。しかし、これに限らず、各バネ部がバネ部材として一体に形成されるものであれば、例えば、各バネ部が延在する周方向において厚みや幅等を変化させる等、その他の方法により、各バネ部(55a〜55c)に異なるバネ力を設定する構成であってもよい。
・シートリフター装置10の構成は任意に変更してもよい。例えば、リンク機構12及び回転制御装置21の配置を変更してもよい。また、そのリンク機構自体の構成、及び回転制御装置自体の構成についても、それぞれ、任意に変更してもよい。そして、シートリフター装置10以外に用いられる操作ハンドルについて、その操作ハンドルを中立位置に復帰させるハンドル戻し装置に具体化してもよい。
例えば、車両用シートに設けられるものとしては、ロック(アンロック)操作に用いられる操作ハンドル等に適用してもよい。そして、例えば、第1方向の回動操作によりシートスライド装置のロック機構をアンロックし、第2方向の回動操作によりシートリクライニング装置のロック機構をアンロックする等、その回動操作の方向に応じて、異なる装置を操作可能なものであってもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記バネ部材は、前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、前記中間係合部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第1端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、前記第1方向の回動操作時には、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記第2方向の回動操作時には、前記強化バネ部が前記戻し力を発生すること、を特徴とするハンドル戻し装置。
(ロ)前記バネ部材は、前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として第1の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、前記バネ本体に形成された前記中間係合部を第1の前記バネ端部として第2の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、前記中立位置から前記操作ハンドルを回動させるときには、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させるときには、第2の前記強化バネ部が前記戻し力を発生すること、を特徴とするハンドル戻し装置。
(ハ)前記操作ハンドルは、前記シートの側方において上下方向に回動操作可能に設けられること、を備えた車両用シートリフター装置。
即ち、シートの側方において上下方向に回動操作されるシートリフター装置の操作ハンドルについては、その押し下げ操作に大きな回動操作量を設定することが困難な場合がある。しかしながら、その押し下げ操作時、より大きなバネ力を有するバネ部が入力部材に対して係合するように構成することで、少ない回動操作量でも大きな戻し力を発生させることができる。そして、これにより、良好な操作性を確保することができるとともに、併せて、その中立位置への戻り性を高めることで、操作ハンドルに連動する構成要素を有した回転制御装置の確実な動作を担保することができる。
1…シート、2…シートクッション、3…シートバック、5…ロアレール、6…アッパレール、8…支持部材(床側連結部材)、10…シートリフター装置、11…リンク部材、12…リンク機構、13…サイドフレーム(シート側連結部材)、13a…前端部、13b…後端部、13c…外側面、13d…内側面、14…前方リンク、15…後方リンク、16…セクターギヤ、18…ピニオンギヤ、20…操作ハンドル、20a…ハンドル部、21…回転制御装置、22…回転軸、23…ブラケット(固定部材)、23A…第1ブラケット、23B…第2ブラケット、28…入力部材、28A,128A…第1の入力部材(第1係合体,第1の操作部材)、28B,128B…第2の入力部材、30,130…バネ部材、31,131…ハンドル戻し装置、32…連結機構、35…係合孔、37…係合突部、38…連結部材(第2係合体)、41,141…バネ本体、41a,141a…第1端部、41b,141b…第2端部、46a,46b…折曲部(端末係合部)、47,48,49,53,93…係合突部、52…孔部、52a…周方向端部(中間係合部)、55a…第1のバネ部(第1方向操作時用のバネ部,入力操作時用のバネ部)、55b…第2のバネ部(第2方向操作時用のバネ部)、55c…第3のバネ部(第1方向操作時用のバネ部,復帰操作時用のバネ部)、56…端末係合部、58…中間係合部(第1の中間係合部)、58b…第2の中間係合部、60…爪車、61…操作プレート(第2の操作部材)、62…操作部材、62A…第1の操作部材、62B…第2の操作部材、63…係止レバー、64…駆動レバー、64s…当接面、65,66…支軸、68,69…捩りコイルバネ(付勢部材)、70…係合爪、71…係止レバー制御片、72…駆動レバー制御片、76…長孔、80…規制突部、80a…先端、81…押圧突部、83…保持係合部、92…孔部、92a…周方向端部(中間係合部)、X1〜X4…連結点、Q1…回動軸、Q2…支持軸、P0…中立位置、P1…引き上げ位置、P2…押し下げ位置、N0,N1…位置、α1,α2…最大操作量、θ,θ1,θ1´,θ2,θ2´…回動角度、SP1,SP2…バネ端部、L,L1,L2,L3…有効バネ長、F,F1,F1´,F2,F2´…戻し力、S1,S2…係合面。

Claims (6)

  1. 中立位置を有して第1方向及び第2方向に回動操作される操作ハンドルに連動して回動する入力部材と、
    異なるバネ力を有して前記入力部材の支持軸周りに延在する複数のバネ部が一体に形成されたバネ部材と、を備え、
    前記各バネ部は、前記回動操作に基づいて、周方向に離間した両バネ端部の一方側が前記入力部材に係合するとともに他方側が固定部材に係合して弾性変形することにより、前記入力部材を付勢して前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させる戻し力を発生可能なものであって、
    前記各バネ部は、前記両バネ端部間の有効バネ長が異なり、
    前記バネ部材は、前記支持軸周りに延在するバネ本体の両端部間に形成された中間係合部を前記バネ端部とした強化バネ部を備えており、
    前記バネ部材は、
    前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、
    前記中間係合部を第1の前記バネ端部として前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第1端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、
    前記第1方向の回動操作時には、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記第2方向の回動操作時には、前記強化バネ部が前記戻し力を発生する
    ハンドル戻し装置。
  2. 中立位置を有して第1方向及び第2方向に回動操作される操作ハンドルに連動して回動する入力部材と、
    異なるバネ力を有して前記入力部材の支持軸周りに延在する複数のバネ部が一体に形成されたバネ部材と、を備え、
    前記各バネ部は、前記回動操作に基づいて、周方向に離間した両バネ端部の一方側が前記入力部材に係合するとともに他方側が固定部材に係合して弾性変形することにより、前記入力部材を付勢して前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させる戻し力を発生可能なものであって、
    前記各バネ部は、前記両バネ端部間の有効バネ長が異なり、
    前記バネ部材は、前記支持軸周りに延在するバネ本体の両端部間に形成された中間係合部を前記バネ端部とした強化バネ部を備えており、
    前記バネ部材は、
    前記バネ本体の第1端部を第1の前記バネ端部として第1の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な基本バネ部と、
    前記バネ本体に形成された前記中間係合部を第1の前記バネ端部として第2の前記入力部材に係合し、前記バネ本体の第2端部を第2の前記バネ端部として前記固定部材に係合可能な前記強化バネ部と、を備え、
    前記中立位置から前記操作ハンドルを回動させるときには、前記基本バネ部が前記戻し力を発生し、前記操作ハンドルを前記中立位置に復帰させるときには、第2の前記強化バネ部が前記戻し力を発生する
    ハンドル戻し装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のハンドル戻し装置において、
    前記バネ部材は、複数の前記中間係合部を有すること、
    を特徴とするハンドル戻し装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のハンドル戻し装置において、
    前記中間係合部は、前記バネ本体に孔部を形成してなること、
    を特徴とするハンドル戻し装置。
  5. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載のハンドル戻し装置において、
    相対回動可能に設けられた第1及び第2の前記入力部材と、
    第1の前記入力部材と第2の前記入力部材との間をトルク伝達可能に連結するとともに、一方に対して他方側を遅れた位相で回動させることが可能な連結機構と、を備えること、を特徴とするハンドル戻し装置。
  6. 回動可能に設けられたリンク部材を介して上方にシートを支持するリンク機構と、
    前記リンク部材と回動軸を共有して一体に回動するセクターギヤと、
    前記セクターギヤに歯合するピニオンギヤと、
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載のハンドル戻し装置と、を備え、
    前記操作ハンドルに入力される回動操作に基づき前記ピニオンギヤを回転駆動することにより前記シートを昇降動作させる車両用シートリフター装置。
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