以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本実施形態では、配送伝票の一部の構成として、「熨斗」の用語を用いているが、「熨斗」は、ラベルの一例である。したがって、贈答品につける熨斗に限らず、取扱注意や冷凍品、こわれ物等の告知する内容の言葉が記載されたラベルであってもよい。
図1は、本発明の1つの実施例を示す配送伝票の説明図である。1枚目用紙は、貼付票3と配達票4をハーフカットAにより隣接して備え、また配達票4と配送控え2を切取り予定線Bにより隣接している。ハーフカットAと切取り予定線Bの位置は、互いに平行な位置にある。切取り予定線Bとしては、ハーフカットやミシン目等、切取りを容易にするものであれば、どのような形態のものを用いてもよい。以下では、切取り予定線Bとしてハーフカットを採用した場合を想定して説明していく。
図1の1)には1枚目用紙と2枚目用紙とを接着剤を介して、貼り合わせることを示している。1枚目用紙は、予めハーフカットA及び切取り予定線Bを加工しておき、2枚目用紙は、1枚目用紙と貼り合わせる前に、予めハーフカットCを施している。2枚目用紙に示すB´は、1枚目用紙と重ねた場合に、切取り予定線Bが位置する線である。2枚目用紙のハーフカットCは、1枚目用紙と2枚目用紙とが貼り合わせられた際に、1枚目用紙の配送控え2と重なる位置に、所定の方向に延びるように形成される。具体的には、配送控え2の上辺における線B´から所定の距離L1だけ離れた位置から、形成される。距離L1は、切取り予定線BとハーフカットCが最も近い位置にある場合の距離であり、切取り予定線Bと直交する方向の配送控え2の幅(図面左右方向)の1/2未満である。すなわち、図1におけるハーフカットCの上端は、配送控え2の中央より左側に位置する。ハーフカットCの上端が、配送控え2の中央より右側に位置すると、後述する非接着部の面積が大きくなり、荷物への貼付前に配送控え2が剥がれてしまう恐れが高まる。また、距離L1は、ハーフカットCと切取り予定線Bの間に接着剤8を塗工する場合は、接着剤8の塗工幅を考慮して、距離L1が4.0mm以上とすることが好ましい。また、所定の方向とは、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離する際に、ハーフカットCに力が掛かる方向と同一な方向に近い方向であり、配送伝票の形状や大きさによっても異なるが、ハーフカットAおよび切取り予定線Bと平行な方向から10度以上70度以下の角度だけ傾いた方向であり、45度が最も好ましい。
図1の1)の2枚目用紙表面の配送控え2に相当する位置で、線B´と直交する方向で間隔nをおいて複数(図示したものは4本)のストライプ状に、濃度の高い網点の目止め層である濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、線B´と直交する方向で間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、濃度の低い網点の目止め層である薄目止め層40が設けられている。
本実施形態では、濃目止め層30は、網点面積率80%以上100%以下で形成され、薄目止め層40は、網点面積率0%以上40%以下で形成されている。濃目止め層30において、網点面積率100%の場合は、ベタの目止め層となる。薄目止め層40において、網点面積率0%の場合は、目止め層が形成されない状態となる。濃目止め層30が、薄目止め層40より高い濃度で形成されていれば、上記条件に限定されるものではない。
図1の2)は、1枚目用紙の裏面に剥離層6が形成されていることを示したもので、1枚目用紙の配達票4の裏面には、剥離層6が形成され、配送伝票1を取り扱う運送会社のドライバー等の人が、その配達票4を配送伝票1から何ら支障なく、剥離層6と接着剤8との間で剥離できる。
また図1の3)は、1枚目用紙と2枚目用紙を貼り合わせる際の接着剤8が塗工されて形成された位置を示すものである。貼付票3と配達票4の1枚目用紙の裏面全面に、接着剤8が塗工され、さらに配送控え2に相当する位置のハーフカットCを含む所定の幅L2の領域Qを除いた1枚目用紙の裏面全面に、1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせるために、接着剤8が塗工、形成されている。幅L2としては、5.0mm以上であることが好ましい。ハーフカットCが接着剤8が塗工されていない領域Q(非接着部)に含まれるため、ハーフカットCからの分離が容易に行われる。
配送控え2を配送伝票1から剥がす位置にある2枚目用紙表面に、切取り予定線Bと直交する方向で、ストライプ状に、濃目止め層30と薄目止め層40を隣接させて繰り返し形成したので、濃目止め層30の位置の接着剤は1枚目用紙との接着性で、薄目止め層40の位置の接着剤の1枚目用紙との接着性と比べて、接着力が大きいが、1枚目用紙と2枚目用紙を剥離できる。一方で、薄目止め層40の位置の接着剤は、1枚目用紙と2枚目用紙とが、プリンターの搬送で剥がれはしないが、接着性は比較的小さく、配送控え2を剥がす際の手間がかからず、またその剥がした際の配送控え2のカール発生を抑制できる。また、1枚目用紙の配送控え2の裏面には、剥離層6が形成され、荷物に貼付された配送伝票から、配送控え2を何ら支障なく、剥離層6と接着剤8との間で剥離して、その後に、切取り予定線Bで配達票4から配送控え2を容易に切り離すことができる。図1の3)に示すように、接着剤8が切取り予定線Bに対応する位置に塗工されている場合は、切取り予定線Bとしてハーフカットを採用することができる。この場合、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離した際、配達票4と配送控え2が接着剤8により接着されているので、1枚目用紙がハーフカットにより分離しないためである。
図1の場合、濃目止め層30が印刷部Yに相当し、薄目止め層40が印刷部Zに相当する。印刷部Yと印刷部Zの1枚目用紙と接着剤による接着力が、印刷部Yの接着力を接着力Yとし、印刷部Zの接着力を接着力Zとして、接着力Y>接着力Zの関係にある。印刷部Yの例として、濃目止め層を挙げ、印刷部Zの例として薄目止め層を挙げて図示しているが、これに限らずに、上記の接着力Y>接着力Zの関係を満足できるものであれば、印刷部Yと印刷部Zは、例えば、印刷部Y又は印刷部Zを全く印刷しない領域とするなど、上記接着力Yと接着力Zを調整させればよい。以下の図2〜図4、及び図7で、印刷部Yとして濃目止め層を挙げ、印刷部Zとして薄目止め層を挙げているが、上記と同様に、それに限定されるものではない。
図1では、ハーフカットA及び切取り予定線Bが配送伝票1の外形における短辺と平行な位置に有する例を示したが、それに限らずにハーフカットA及び切取り予定線Bが配送伝票の外形における長辺と平行な位置に有するものでも良い。このハーフカットの位置関係は、以下に示す図2〜図7の場合でも同様である。
図2は、本発明の他の実施例を示す配送伝票の説明図である。1枚目用紙は、貼付票3と配達票4をハーフカットAにより隣接して備え、また配達票4と配送控え2を切取り予定線Bにより隣接して備え、さらに熨斗15と、他の部分である貼付票3、配達票4及び配送控え2とが、ハーフカットDにより隣接している。ハーフカットA、ハーフカットD及び切取り予定線Bの位置は、図示した配送伝票の外形が長辺と短辺からなる長方形において、ハーフカットDが上記長辺と平行な位置にあり、またハーフカットA及切取り予定線Bは前記短辺と平行な位置にある。また、1枚目用紙の熨斗15の右端部がハーフカットFにより切断され、そのハーフカットFとハーフカットDにより分断された、熨斗15と隣接した領域が、シール5として任意の用途に、貼付して利用することができる。このハーフカットFは必要に応じて形成し、必須の条件ではない。
図2の1)には1枚目用紙と2枚目用紙とを接着剤を介して、貼り合わせることを示している。1枚目及び2枚目用紙にハーフカットが示されているが、貼り合わせる前と後の両方の時点で、ハーフカット加工されているものを合わせて示した。詳しくは、1枚目用紙は、予めハーフカットA及び切取り予定線Bを加工しておくことが可能であるが、2枚目用紙と貼り合わせた後に、ハーフカットD、Fを加工し、ハーフカットA及び切取り予定線Bの加工を行なうことも可能である。
2枚目用紙は、1枚目用紙と貼り合わせる前に、予めハーフカットC及びハーフカットEを施し、1枚目用紙と貼り合わせた後に、ハーフカットD、Fの加工を施す。すなわち、2枚目用紙の表面から、ハーフカットC及びハーフカットEを形成する。ハーフカットCは、図1の例と同様に、1枚目用紙と2枚目用紙とが貼り合わせられた際に、1枚目用紙の配送控え2と重なる位置に、所定の方向に延びるように形成される。具体的には、配送控え2の上辺における線B´から所定の距離L1だけ離れた位置から、形成される。距離L1は、切取り予定線BとハーフカットCが最も近い位置にある場合の距離であり、切取り予定線Bと直交する方向の配送控え2の幅(図面左右方向)の1/2未満である。また、距離L1は、ハーフカットCと切取り予定線Bの間に接着剤8を塗工する場合は、接着剤8の塗工幅を考慮して、距離L1が4.0mm以上とすることが好ましい。また、所定の方向とは、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離する際に、ハーフカットCに力が掛かる方向と同一な方向に近い方向であり、配送伝票の形状や大きさによっても異なるが、ハーフカットAおよび切取り予定線Bと平行な方向から10度以上70度以下の角度だけ傾いた方向であり、45度が最も好ましい。そして、1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせて、ハーフカットD、Fとして、1枚目用紙から、タック基材が粘着剤を介して剥離紙と積層したタック構造の粘着剤と接する位置まで、切断して、加工する。さらに、1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせた状態で、ハーフカットA及び切取り予定線Bとして、1枚目用紙のみを切断することができる。
図2の2)は、1枚目用紙の裏面に剥離層6、6´が形成されていることを示したもので、熨斗15の左端部からハーフカットEの位置までの部分(P)を除いた条件の熨斗15で、ハーフカットFの位置まで、剥離層6´が形成されている。なお、ハーフカットFを実施していない場合は、ハーフカットEから、配送伝票1の長辺方向と平行に、右端部まで剥離層を形成することができる。この熨斗15を配送伝票1から剥がした際に、熨斗15が剥離層6´から剥がれ、ハーフカットEから2枚目用紙の粘着剤が付着したタック基材が分離して、粘着剤が露出して、任意の物に、貼付可能となる。また、1枚目用紙の配達票4の裏面には、剥離層6が形成され、配送伝票1を取り扱う運送会社のドライバー等の人が、その配達票4を配送伝票1から何ら支障なく、剥離層6と接着剤8との間で剥離できる。
また図2の1)で、配送控え2の2枚目用紙表面に相当する位置で、線B´と直交する方向で間隔nをおいて複数(図示したものは4本)のストライプ状に、濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、線B´と直交する方向で間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、薄目止め層40が設けられている。
また図2の3)は、1枚目用紙と2枚目用紙を貼り合わせる際の接着剤8が塗工されて形成された位置を示すものである。配送控え2に相当する位置のハーフカットCを含む所定の幅L2の領域Qを除いた1枚目用紙の裏面全面に、接着剤8が1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせるために、塗工、形成されている。幅L2としては、5.0mm以上であることが好ましい。なお、上記の領域Qは必要に応じて無くした形態にすることができる。領域Qの非接着部を設けることは、配送控え2を配送伝票1の2枚目用紙から剥離する際、剥離する最初の抵抗が少なく、剥離しやすくするものである。
図示した配送伝票1を荷物に貼り付けた後に、その配送伝票1から配送控え2を剥がし取る際に、以下の通り、手間がかからずに、またその剥がした際の配送控え2のカール発生を抑制できる。1枚目用紙の裏面に剥離層6を有し、また2枚目用紙表面の配送控え2に相当する位置で、切取り予定線Bと直交する方向で間隔nをおいて複数(図示したものは4本)のストライプ状に、濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、切取り予定線Bと直交する方向で間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、薄目止め層40が設けられているので、濃目止め層30の位置の接着剤は1枚目用紙との接着性で、薄目止め層40の位置の接着剤の1枚目用紙との接着性と比べて、接着性が高いが、1枚目用紙と2枚目用紙を剥離できる。一方で、薄目止め層40の位置の接着剤は、1枚目用紙と2枚目用紙とが、プリンターの搬送で剥がれはしないが、接着性は比較的低く、配送控えを剥がす際の手間がかからず、またその剥がした際の熨斗15のカール発生を抑制できる。
図3は、本発明の他の実施例を示す配送伝票の説明図である。図3の1)及び2)については、図2と同様であるので、説明は省略する。図3の3)は、1枚目用紙と2枚目用紙を貼り合わせる際の接着剤が塗工されて形成された位置を示すものである。配送控え2に相当する位置のハーフカットCを含む所定の幅L2の領域Qを除いた配送控え2の1枚目用紙の裏面全面に、接着剤8が1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせるために、塗工、形成されている。この点は図2と同様であるが、図3の場合、熨斗15の1枚目用紙の裏面の接着剤8の形成する箇所が図2とは異なっている。
すなわち、熨斗15の1枚目用紙の裏面側の剥離層6´と接して接着剤8が、ハーフカットDと平行な方向で間隔n´をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に設けられている。それによって、熨斗15に相当する位置でハーフカットDと平行な方向で、間隔をおいて複数(図示したものは2本)のストライプ状の領域R´として、非接着部20を有することになる。また熨斗15のハーフカットEの位置近傍から、熨斗15の左端部と反対側の方向に、距離Mまでの領域Q´は、接着剤が設けられていない領域であり、すなわち非接着部である。すなわち、この領域Q´は、熨斗15のハーフカットEから所定の距離(M)をおいて、その配送伝票1のハーフカットEと平行な位置に有する線(9)までの領域である。配送伝票1から熨斗15を剥離する際に、熨斗15の短冊形態の長辺方向が、その剥離方向と一致しているので、熨斗15の1枚目用紙の裏面側の接着剤8の塗工されたパターンが、その剥離方向と同じ方向で間隔をおいて複数のストライプ状であり、剥離する抵抗が少なく、熨斗15に外力が加わりにくくなり、結果として熨斗15のカール発生を抑制できるようになる。なお、上記の領域Q´は必要に応じて無くした形態にすることができる。領域Q´の非接着部を設けることは、熨斗15を配送伝票の2枚目用紙から剥離する際、剥離する最初の抵抗が少なく、剥離しやすくするものである。
図4は、本発明の実施例を示す配送伝票の説明図であり、図4の上に示した図は配送伝票1の熨斗15、配送控え2等の配置と、ハーフカットの位置、さらに接着剤8の塗工領域などを示した平面図である。また、図4の下図は、上記平面図に示したX−Xにおける断面図を示したものである。図4のX−Xにおける断面図で示したように、本発明の配送伝票1は、伝票の表面における平坦性が高いので、1枚目用紙への印字におけるカスレや、シワなどが生じることなく、印字品質に優れたものとなる。
図4で示した配送伝票1は、配送控え2に相当する位置のハーフカットCを含む所定の幅L2の領域Qを除いた1枚目用紙の裏面全面に、接着剤8が1枚目用紙と2枚目用紙とを貼り合わせるために、塗工、形成されている。この領域Qは接着剤が塗工されていないので、非接着部20を形成している。そして、2枚目用紙表面の配送控え2に相当する位置で、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数(図示したものは4本)のストライプ状に、濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、薄目止め層40が設けられている。濃目止め層30及び薄目止め層40は、図1〜図3と同様にして設けられたものである。
図4に示した配送伝票の1枚目用紙の裏面の剥離層は、図2の2)で示したような配置で設けられており、すなわち熨斗15の左端部からハーフカットEの位置までの部分(P)を除いた条件の熨斗15で、ハーフカットFの位置まで、剥離層6´が形成されている。さらに、熨斗15とハーフカットDで隣接した配達票4及び配送控え2の1枚目用紙の裏面の全面に、剥離層6が形成されている。配送伝票1は、この剥離層6、6´の設けられた部分で、接着剤8により1枚目用紙と2枚目用紙とが貼り合わせられた状態から、1枚目用紙を2枚目用紙から容易に剥離することができる。
配送控え2の1枚目用紙の裏面側の全面に、剥離層6が形成され、配送控え2を配送伝票1から剥がした際に、配送控え2が剥離層6から剥がれる。そして、配送控え2が配送伝票1から剥がれる箇所を、X−Xにおける断面図において、破線で示した。すなわち、配送控え2の右端部で、剥離層6が接着剤8から剥がれ、続けて配送控え2のハーフカットCの位置まで剥がれ、そのハーフカットCから2枚目用紙と分離し、さらに、そのハーフカットCの近傍から、貼付票3の左端部までの粘着剤11が剥離紙から剥がれて、粘着剤11が露出し、配送する対象物に、その粘着剤を使用して貼り付けることができる。但し、上記の配送控え2を配送伝票1から剥がす前に、熨斗15は既に剥がれていることを前提に説明したものである。
特に、図4の場合では、配送控え2を配送伝票1から剥がし取る際、領域Qの非接着部20と、2枚目用紙表面の配送控え2に相当する位置で、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数(図示したものは4本)のストライプ状に、濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、薄目止め層40が設けられているので、容易に剥がしやすくなっている。また、配送控え2を剥離する方向が、配送伝票1の長辺方向であり、その剥離方向と同じ方向に、複数のストライプ状の薄目止め層40が設けられているので、剥離する抵抗が少なく、配送控え2に外力が加わりにくくなり、結果として配送控え2のカール発生を抑制できるようになる。さらに配送控え2を剥がし始める時に、ハーフカットCが斜め(ハーフカットAおよび切取り予定線Bと平行な方向から10度以上70度以下の角度だけ傾いた方向)に形成されており、その位置に接着剤8がないので、ハーフカットCに滑らかに力が加わり、簡単に剥がし始めることができる。配送控え2は2枚目用紙と上記のように剥離しやすく、また1枚目用紙の配達票4と、切取り予定線Bで容易に切り離すことができる。
図5は、本発明の他の実施例を示す配送伝票の説明図であり、図5の上に示した図は配送伝票1の熨斗15、配送控え2等の配置と、ハーフカットの位置、さらに接着剤7、8などの塗工領域を示した平面図である。また、図5の下図は、上記平面図に示したX−Xにおける断面図を示したものである。図5で示した配送伝票1は、熨斗15の左端部からハーフカットEの位置まで、詳細にはハーフカットEの位置よりも少し左端部の近くの位置まで、接着剤7が1枚目用紙裏面側に設けられている。熨斗15については、そのハーフカットEの位置近傍から、前記左端部と反対側の方向に、接着剤を設けていない領域、すなわち非接着部20を有している。尚、図3で説明した領域Q´が、図5の非接着部20に相当する。
さらに、熨斗15に相当する位置でハーフカットDと平行な方向で、間隔をおいて複数(図示したものは2本)のストライプ状の領域R´として、非接着部20を有している。また一方で、熨斗15に相当する位置でハーフカットDと平行な方向で、間隔をおいて複数(図示したものは3本)のストライプ状に、接着剤8が塗工されている。そのストライプ状の接着剤8の塗工部は、ハーフカットEから距離Mの位置にある線9から、ハーフカットFまで、配送伝票1の長辺と平行な方向に設けられている。
このように熨斗15の1枚目用紙の裏面側の剥離層6´と接して接着剤8が、設けられている。その熨斗15の1枚目用紙の裏面側の接着剤8は、図3の3)で示した配置で設けられている。図5の配送伝票は、貼付票3、配達票4及びシール5の位置に相当する部分の全体を、ベタで接着剤8が設けられている。また、配送控え2は、図4で示した配送伝票1と同様に接着剤8が1枚目用紙の裏面に形成されている。
そして、配送伝票1から熨斗15を剥離する際に、熨斗15において、接着剤8がストライプ状に設けられた長辺方向と、その剥離方向とが一致しているので、剥離する抵抗が少なく、熨斗15に外力が加わりにくくなり、結果として熨斗15のカール発生を抑制できるようになった。また貼付票3及び配達票4の1枚目用紙の裏面全面には、上記の熨斗15及びシール5の1枚目用紙の裏面に有する接着剤7、8と同様の接着剤が塗工されていて、タック構造の2枚目用紙と接着している。
図5のX−Xにおける断面図において、タック構造を有する2枚目用紙の熨斗15に相当する位置で、左端部から距離(m)をおいてハーフカットEが予め設けられている。そのハーフカットEは、タック基材10から粘着剤11までを切断している。また熨斗15の右端部がハーフカットFにより配送伝票1から剥離可能なものであり、該ハーフカットFは1枚目用紙から、タック基材10が粘着剤11を介して剥離紙12と積層したタック構造の粘着剤11の位置まで、切断されている。これにより、ハーフカットFとハーフカットDにより分断された領域を、シール5として任意の物体に貼付して利用することができる。
熨斗15の1枚目用紙の裏面側で、左端部からハーフカットEの位置までの部分を除いた箇所に、剥離層6´が形成され、熨斗15を配送伝票1から剥がした際に、熨斗15が剥離層6´から剥がれる。そして、熨斗15が配送伝票1から剥がれる箇所を、X−Xにおける断面図において、破線で示した。すなわち、ハーフカットFから、シール5と分離して、熨斗15の右端を剥がし、続けて1枚目用紙の剥離層6´が接着剤8から剥がれ、さらに非接着部20で、1枚目用紙の剥離層6´と、2枚目用紙のタック基材10との間で剥がれ、さらに続けてハーフカットEで、2枚目用紙のタック基材10/粘着剤11/剥離紙12の積層体が分離し、そしてハーフカットEから、配送伝票1の左端部にかけて、2枚目用紙の剥離紙12が上記積層体から分離して剥がれる。その結果、配送伝票1から剥がした熨斗15の粘着剤11により、任意の物に、熨斗15を貼付することが可能となる。
図6は、本発明の1実施例を示す配送伝票で、熨斗15を配送伝票1から剥がした後の状態を示す説明図であり、熨斗15を剥がした後の残存した配送伝票1の平面図と、剥がした後の熨斗15の平面図と、その対応する断面図を示した。その断面図は図6の右側に示した。図6の左側に示す図は、図3及び図5に示すように、熨斗15を剥がした後の配送伝票1の表面を示すものである。貼付票3、配達票4、配送控え2及びシール5については、熨斗15を剥がす前と後で、全く変化はないが、熨斗15が剥がされた箇所は、左端部からハーフカットEまでの部分で、剥離紙12が露出している。その剥離紙12に隣接して、非接着部20、塗工されたストライプ状の接着剤8が露出し、その露出した接着剤8は、配送伝票1の長辺方向でハーフカットFの位置まで存在する。
上記の配送伝票から剥がされた熨斗15は、左端部に粘着剤11が露出した形態となり、この粘着剤11を使用して、任意の物に、貼付できるようになる。尚、熨斗15における接着剤8は、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数のストライプ状に塗工されていて、その接着剤8と接する1枚目用紙裏面には、図3の2)で示した剥離層6´が同様に設けられているので、剥がされる熨斗15のカール発生を抑制することができる。
図7は、本発明の1実施例を示す配送伝票で、貼付票3、配達票4及び配送控え2を配送伝票1から剥がした後の状態を示す説明図であり、剥がした後の貼付票3、配達票4及び配送控え2の平面図と、その対応する断面図を示した。図7の左側に示す図は、上記の貼付票3、配達票4及び配送控え2を剥がした後の配送伝票1の平面図が上で、その対応する断面図が下である。図7の右側に示す図は、配送伝票1から剥がされた貼付票3、配達票4及び配送控え2の平面図と、その対応する断面図を示した。すなわち、図7の右側に示す図は、上記の貼付票3、配達票4及び配送控え2の剥がされた状態の平面図が上で、その対応する断面図が下である。但し、図6で示した熨斗15は既に剥がされた後の配送伝票から、貼付票3、配達票4及び配送控え2を剥がすものとして説明している。
貼付票3と配達票4が剥がされた箇所は、図6で熨斗15の左端部からハーフカットEまでの部分における剥離紙12が露出している部分と同様に、剥離紙12が露出している。貼付票3と配達票4に相当する箇所が、剥離紙12から剥がされる。また、配送控え2が剥がされた箇所は、ハーフカットCより左側においては、剥離紙12を残して剥がされ、ハーフカットCより右側においては、剥離紙12の上に、粘着剤11、タック基材10、濃又は薄目止め層(30又は40)、接着剤8が順次積層されている。(図7の左側の下図を参照)
配達票4は貼付票3と一体となって、ハーフカットCの部分で、配送控え2に相当する箇所の接着剤8と分離する。そして、貼付票3と配達票4は粘着剤11を利用して、配達する対象物である荷物に貼付される。そして、荷物に貼付された貼付票3及び配達票4は、その荷物を取り扱う運送会社のドライバー等の人が、配達票4を、剥離層6と接着剤8との間で剥離して、配達先である届け先の方に、その配達票に、荷物の受領した判ないしサインをもらい、該配達票4を配達記録として持ち帰る。尚、届けられた荷物に貼付された配送伝票は、貼付票3がその配送伝票に固定されている。したがって、荷物を受け取った人は、貼付票3に記録された配達先の住所、氏名及び配達された対象物の品名、数量等を確認できる。
さらに、本発明では、荷物に貼付された配送伝票の配送控え2は、1枚目用紙のみ(剥離層は有り)の構成であり、配達票4と切取り予定線Bと隣接していて、その切取り予定線Bで配達票4から簡単に切り離すことができる。(図7の右上参照)そして、例えば、その荷物の出所である百貨店に指定した配送先に納品したことを証明するため、荷物の配達人が、その百貨店に、この配送控え2を渡すことができ、配送控え2を有効に利用することができる。その配送控え2を配送伝票から剥がし取る際、配送控え2に相当する位置の2枚目用紙表面に、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数のストライプ状に、濃目止め層30が設けられ、その濃目止め層30と隣接して、ハーフカットDと平行な方向で間隔をおいて複数のストライプ状に、薄目止め層40が設けられているので、配送控え2を配送伝票から剥離する抵抗が少なく、配送控えに外力が加わりにくくなり、結果として配送控えのカール発生を抑制できるようになった。
図2〜7において、全て配送伝票1に熨斗15が配置されたものを示したが、図1に示すように、熨斗15が配置されていない配送伝票1を、本発明の配送伝票に適用することができる。さらに、図2〜7にシール5を配送伝票1の右上に配置したものを示したが、配送伝票1のハーフカットD及びハーフカットFから分断して、シール5を剥離紙12から剥がして、1枚目用紙/接着剤8/タック基材10/粘着剤11の層構成を有したシール5を、熨斗15、配達票4及び配送控え2が剥がされて、残存した伝票を扱う方が、任意の物に、粘着剤11により貼って、シールの1枚目用紙にメモ書きしたり、氏名を記入したり、任意の用途に利用することができる。このシールについても、配送伝票1に配置されていないものを本発明の配送伝票に適用することができる。
本発明の配送伝票の利用方法を以下に説明する。
ステップ1:図2、3に示すような配送伝票1から、熨斗15を剥がす。
ステップ2:その熨斗15の左端からハーフカットEまでの箇所に有する粘着剤11により、商品(お届けする荷物など)に、その熨斗15を貼り付ける。(図6を参照)
ステップ3:続けて、その配送伝票1から貼付票3及び配達票4を剥がす。(剥がされた貼付票3及び配達票4の裏面には、粘着剤11を有する。また配送控え2が配達票4と切取り予定線Bと隣接して有する。)(図7を参照)
ステップ4:上記剥がされた貼付票3及び配達票4を、粘着剤11により、配達する荷物に貼付する。
ステップ5:その荷物を取り扱う運送会社のドライバー等の人が、配達票4を、荷物から剥離する。必要に応じて、配達先である届け先の方に、その配達票4に、荷物の受領した判ないしサインをもらい、該配達票を配達記録として持ち帰る。(図7を参照)
ステップ6:熨斗15及び配達票4が剥がされて、荷物に貼付されて、残存した配送伝票1から、配送控え2を切取り予定線Bにより配達票4から切り離す。(図7を参照)
本発明の配送伝票における1枚目用紙としては、熨斗、貼付票、配達票及び配送控えとして利用可能であれば、その種類は限定されないが、1枚目用紙の表面には、感熱発色記録、熱転写記録や、インクジェット記録などのノンインパクト記録で、印字記録するものであり、それらの記録方式に適した用紙が用いることが好ましい。例えば、感熱発色用紙(サーマル用紙)、熱転写記録用紙、インクジェット記録用紙などである。
また、上記の接着剤7、8と剥離層6、6´は、本発明の配送伝票の使用する方法に支障がなく適用できるものであれば、その材料など限定するものではない。またタック構造を有する2枚目用紙は、その粘着剤で荷物に貼り付けて簡単には剥がれないものを使用する。尚、2枚目用紙は、タック基材/粘着剤/剥離紙の構成で積層したタック構造であれば、一般的なもので限定されるものではない。但し、2枚目用紙のタック基材は接着剤7、8との密着性が良ければよく、上質紙、中質紙などが好ましく用いられる。また、タック基材の表面に、必要に応じて、接着剤7、8との密着性を高めるために、表面層を設けることができる。
本発明の配送伝票の製造方法に関しては、以下の方法をとることができる。例えば1枚目用紙の裏面に所定のパターンで剥離層を形成し、さらに1枚目用紙にハーフカットA及び切取り予定線Bを加工しておく。また2枚目用紙の表面に、所定の箇所に濃目止め層及び薄目止め層を印刷して形成し、またハーフカットC及びハーフカットEを加工して形成しておき、その1枚目用紙と2枚目用紙の各々は、巻取りで用意し、所定のパターンで接着剤を連続的に塗工し、所定の積層構成になるように、ラミネートする。その後に所定の箇所にハーフカットD及びハーフカットFを、1枚目用紙から、2枚目用紙のタック構造の粘着剤と接する位置まで、切断、加工して連続形成し、その後に所定のサイズに、シート状に裁断(シートカット)して、配送伝票を作製することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、切取り予定線Bとしてハーフカットを採用した場合を想定して説明したが、切取り予定線Bとしてミシン目等他の態様を採用することも可能である。図1〜図5の例では、接着剤8が切取り予定線Bに対応する位置に塗工されており、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離紙12から剥離した際、配達票4と配送控え2が接着剤8により接着されているので、ハーフカットを用いることができた。切取り予定線BとハーフカットCの間に接着剤8を設けない場合は、切取り予定線Bがハーフカットであると、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離紙12から剥離した際に、配達票4と配送控え2も分離してしまう。そのため、切取り予定線BとハーフカットCの間に接着剤8を設けない場合は、貼付票3、配達票4、配送控え2が連接されたものを剥離紙12から剥離した際に、配達票4と配送控え2が分離しないように、切取り予定線Bとしてミシン目を採用するのが好ましい。